5015.2021年2月4日(木) 森喜朗さんの問題発言と森さんの思い出

 東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長の昨日の「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」との発言が、女性蔑視と見られ物議を醸している。これは日本オリンピック委員会(JOC)の臨時評議員会で、話された内容である。「女性ってのは競争意識が強い。誰かひとりが手を上げて言うと自分も言わなければと思うんでしょう」「女性の理事を増やしていく場合は、発言時間をある程度規制しないとなかなか終わらないので困る」とも言われた。真意はともかくこの発言だけを切り取ってみると、女性蔑視と受け止められても仕方がないと思う。JOCの現理事は25名であるが、そのうち女性理事は僅か5名で、JOCとしては10名以上にすることを目標としている。森会長は今日記者会見で、自らの発言は不適切な発言だったと反省し、発言を撤回すると述べた。辞任する気持ちまで尋ねられたが、辞任はしないと述べた。

 この発言が国内だけで処理できる問題ならともかく、オリンピック組織委員会のトップの発言として、すぐ海外にも伝えられた。フランス紙は、うんざりする発言だと批判し、日本は153カ国のうち男女平等では121位だと指摘した。よほど気をつけないとうっかり発言が世界中に波紋を巻き起こすこともある。地位のある人はそれなりに、自らの発言に責任を持ち常に謙虚でなければいけないと思う。

 森さんと言えば、次のように個人的に印象的な思い出がある。2014年「南太平洋の剛腕投手」を上梓したが、その中で旧トラック島の相沢進酋長と森さん、野球評論家・佐々木信也氏の3人を主役に戦前の日本と南洋群島トラック島時代から戦後のプロ野球界の側面的なストーリーを書いた。その折以下のような事情で1章すべてをカットしたことがある。

 それは、森さんがトラック島周辺を相沢氏の案内により船で巡っていた時に、相沢氏が森さんに無人島を提供すると申し出て、森さんはいただいた自分の島「森島」について私に話してくれた。その直後に私はトラック島へ渡りすでに亡くなられた相沢酋長の長女にその話をしたところ、そんなことは誰も知らないと言われた。そのどんでん返しが興味深く拙著のエピソードに採り上げて書いた。それを読んだ森さんが海外へ出発するため成田空港へ向かう車内から電話をかけてこられ、その島は目の前で酋長が自分に贈るとはっきり言い、その場に証人としてミクロネシアの当時のモリ大統領もいたと仰り、拙稿に随分おかんむりだった。元総理大臣のお怒りもあり、また相沢酋長は口が軽いと現地でも呼ばれていたので、森さんに贈られた無人島「森島」もその場限りの発言だったのではないかとストーリーを書いたのだが、森さんのお気に召さなかったために後ろ髪を惹かれる思いでこの部分をそっくり削除した。あれから早や7年が経つが、拙著の中で唯一心残りの箇所となっている。

 森さんは拙著の出版記念会にも出席され、スピーチもしてくださった。拙著を後援会出席者に配るからと900冊も購入してくれた。恩義のある方だけに昨日の発言は遺憾であり残念である。

  偶々今日は観測史上一番早い「春一番」が吹いた。もう目の前に春が来ているというのに、どうにも春らしい心が温かくなるようなワクワク感が湧き上がって来ない。

2021年2月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5014.2021年2月3日(水) 嫌われ者はコロナ、プーチンとミヤンマー軍

 世界中が新型コロナウィルスの恐怖に襲われ、その防止対策に早や根を上げている状態である。日本では、一時に比べればその勢いはやや沈静化したとは言え、相変わらず毎日のように緊急事態宣言下の経済活動の懸念や、感染者の対応などが報道されている。日本航空、全日空、JR東日本など大手交通関係が、軒並み約3千億円の赤字になると予想されている。そこへ中小企業を中心にコロナ倒産が千件もあるという最悪の状態になってきた。比較的好調なのは株価ぐらいで、今日も日経平均株価は前日比で284円も上がっている。

 急がれるワクチンの接種であるが、遅ればせながら日本では今月初めに医療従事者に行い、次いで4月から高齢者約3千万人に接種を開始する予定のようである。

 ワクチンについても世界各地でいろいろ話題がある。国民の3割がすでに接種を終えたイスラエルでは、接種に時間がかからないようだ。少々急ぎ過ぎの感がある。問診はほとんどなくすぐに接種するという。一方でイギリスのアストラゼネカ社のワクチンに高齢者の治験実績が少ないとして、フランス、スウェーデン、ドイツなどでは65歳以上の高齢者の接種は当分避ける方針だという。世界でもアメリカに次いで、1千万人を超える感染者を出して2番目に多いインドでは、感染者拡大にも拘わらず無料のワクチンを周辺国や南アフリカへ配布して随分感謝されている状態である。

 こんな暗い世界の中で、あまり政治的な動きが伝えられない最近のロシアでは、反政権活動家ナバリヌイ氏の身柄拘束を巡って釈放を求めるデモが広がっている。氏もこれまで詐欺事件に巻き込まれて有罪判決を受けたが、その判決について物議を醸している。プーチン政権としては、正面から反プーチンを唱えるナバリヌイ氏がよほど目の上のたん瘤なのであろう。だが、プーチン大統領は昨今ほとんど公衆の前に姿を見せず、湖畔にある収賄で手に入れたと悪い噂の豪華宮殿に引きこもってシグナルを送っているようだ。2000年に大統領の地位に就き、絶対権力を手中に収めて、憲法に則り一時的に4年間だけ大統領の地位をメドベージェフ首相に譲ったが、再び大統領に復帰するや、憲法を改正し現状では2036年まで大統領の地位に居座り続けることが可能となった。憲法を自らの欲望でどうにも出来るのが、民主主義国家とはとても呼べない。

 ところでプーチン政権のそのやり方は、昨日クーデターで現政権を倒したミヤンマーのミンアウンフライン軍事政権の志すところと同じである。ミヤンマーの現憲法では国会議員の議席の1/4は軍人に割り当てられているが。憲法改正には議員の75%以上の賛成が必要である。すると憲法改正には軍関係議員が、少なくとも1人以上の賛同が求められる。ほとんど不可能である。これでは憲法改正は絶望的で、このまま議会に軍人が居座り続け、民主派は過半数を得ても思い通りに政治を行うことが出来ない。ここまで非民主的であるとは知らなかった。ミヤンマーの人たちは親切で優しく、素晴らしい国民性であるが、政治だけはまったく前時代的で国民に目が向いていない。昔ビルマでは旅行で随分お世話になったが、当時親しくなった人たちは今どうしているだろうか。気になるところである。

2021年2月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5013.2021年2月2日(火) 例年より1日早い節分

 今年の今日、2月2日は節分に当たるということである。例年なら明日3日が節分で、その翌日が立春というのが日本の暦である。ところが、今年は地球の公転周期に微妙なずれが生じて、明治30(1897)年以来、実に124年ぶりに節分が1日繰り上がった。歴史を遡ってみるとこの年カナダでは日本人や中国人移民の排斥法案が可決されて、鉄道工事などの肉体労働に日中両国人の労働者を雇用することが禁じられた。カナダでも唾棄すべき差別が始まった時代だったことが判る。なお、1984年には、1日繰り下がって4日が節分だった。これも珍しく当時37年ぶりと言われた。節分の豆まきも今年は新型コロナウィルスの影響でほとんどの神社で行われないようだ。

 先月8日から始まった3回目の緊急事態宣言が7日に期限切れとなる。このところ新規感染者数がやや減って来たので、どうなるか注目されたが、今日政府は対象の11都府県のうち、栃木県を除いた10都府県では更に緊急事態宣言を1か月延期することに決定した。春が1日早くやってくるので、コロナも1日でも早く終息して欲しいものである。

 さて、拙著「八十冒険爺の言いたい放題」については、ホームページにアップしようと小中陽太郎さんに推薦文か書評を200字前後でお願いしたところ、快くお引き受けいただき、すぐにメールで送っていただいた。また、最大の旅行専門誌「週刊トラベルジャーナル」編集長に紹介文を掲載してくれるようお願いしたところ、昨日引き受けてもらえると了解の連絡をいただいた。同誌は、前著「南太平洋の剛腕投手」の紹介文も掲載していただいた。ほとんどの旅行会社では同誌を定期購読しているので、若い社員向けに効果的であると思っている。有難いことである。

 ところで昨日軍部のクーデターが発生したミヤンマーでは、拘束されたアウンサンスーチー国家顧問やウィンミン大統領が軍により解任され、24名の新閣僚が任命された。国連では安全保障理事会を開催し緊急協議を始める。アメリカのバイデン大統領は、2016年に経済制裁を解除したが、再び制裁を課すと述べた。そのスピーチの場面で新聞が写されていたが、ミヤンマーのことをビルマと書いてあった。かつてのビルマは今ではほとんどミヤンマーと称する国が多くなった中で、旧日本軍ならともかくアメリカの新聞が今以てビルマと表現していたとは意外だった。

 大好きなミヤンマーが世界から厳しい目で見られるのは耐えがたいことであるが、この軍事政権を退却させるには各国が一致して軍事政権に毅然とした対応をする必要がある。しかし、米中対立の狭間でミヤンマー国内に一帯一路による石油輸送管を設置し、ミヤンマーに存在感を残したい中国が、果たして他国と足並みを揃えることが出来るだろうか。

2021年2月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5012.2021年2月1日(月) 拙著の販促とミヤンマー国軍によるクーデター

 拙著「八十冒険爺の言いたい放題」の販売状況が気になっていた。僭越だが、内容的には同じ旅行書には負けない自信がある。多くの識者からも評価をいただいている。出版社が発行後の販促活動において思い違いがあったのか、紀伊国屋書店で調べても存在が分からないという心許ない状態だった。幸いこのところ漸く全国書店の販売ルートに乗っかったようだ。はるかぜ書房の鈴木社長は、いろいろな売り込み方を考えているようだが、今最も力を入れているのは、アマゾンの旅行書ジャンルでベスト10入りを目指すことだと聞いた。そしてこのところネットを覗くと各書店が拙著のPRをしてくれている。拙著は当初このジャンルで3千位前後にいたようだ、日を追って順位を上げ、3百位から80位前後にまで伸びてきているという。今後ベスト10入りを果たせれば、販売に弾みがつくという。

 鈴木氏は、ジュンク堂書店とは長いお付き合いがあるようなので、同書店の系列に働きかけて一層の販促につながることを期待している。在庫も少なくなっているようなので、重版に備えて初版の校正漏れに手を入れ修正しておくようメールでお願いした。これからどれほど販売数が伸びるか、楽しみになってきた。

 さて、今日ミヤンマーから暗く悲しいニュースが伝えられてきた。夕刊を開くと一面トップに大きく扱われている。ミヤンマーでは今日の国会開会を前に、ミヤンマー軍が国営テレビを通じて非常事態宣言を出し、アウンサンスーチー国家顧問とウインミン大統領、与党幹部らの身柄を拘束したと発表した。国軍のトップ・ミンアウンフライン司令官は軍が政権を掌握し国を統治したと明らかにした。同時に国会開会を延期すると一方的に表明した。いわゆる軍によるクーデターである。

 昨年11月にスーチー氏が党首を務める国民民主連盟(NLD)が、総選挙で8割もの議席を獲得して圧勝したが、その5年前の総選挙で軍政権を打倒してNLDが与党になって以来、軍部はNLDに対する不満が高まっていたことが背景にある。

 軍は民主的な選挙では多数派を勝ち取れないと見たのか、昨年の総選挙で与党に不正があったと与党に対してその対応を迫っていた。それが国会開会の当日強引にも腕力で政権を奪い取ったのである。当然国際社会で非難の声が上がっている。アメリカでは、ホワイトハウスが「最近の選挙結果を変えようとするいかなる試みにも反対する。こうした措置が取り消されなければ我々はその責任者に対して行動を起こす」とまで言及している。同時に、グテーレス国連事務総長も「国家顧問と大統領が議会開会直前に拘束されたことを強く非難する。軍の指導者に対してミヤンマー国民の意思を尊重し、いかなる立場の違いも平和的な対話を通じて解決されるべきだという民主主義の規範を順守するよう求める」との声明を出した。

 ミヤンマーの議会は、議席の1/4を軍部が占めているが、国軍系の最大野党・連邦団結発展党(USDP)は議席を失い、民主派議員に圧倒されつつあり、昨年の総選挙で更に議席数を減らしたことで、存在感が低下しつつあることに不安を感じて武力に訴えたのではないかと推測する。

 ロヒンギャ問題も国際世論はミヤンマーに味方せず、最も好きな国のひとつであるミヤンマーが、軍事政権国家となって世界から取り残されないことを願っている。

2021年2月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5011.2021年1月31日(日) イギリスが行った香港市民への支援策

 新疆ウィグル地区とチベット自治区における少数民族に対する中国人民政府の抑圧が大きな問題を提起しているが、一昨年来香港の自治も危うくなってきた。特に昨年香港において国家安全維持法が施行されて以来、香港において保障された1国2制度が有名無実化され香港の自治が危機に瀕している。

 その最中に香港の旧宗主国だったイギリスが、香港からの移民を受け入れる特別ビザの申請受付を始めるという。そもそも問題の発端は、中国が香港返還の際イギリスに返還後50年間は1国2制度を遵守するとの約束を一方的に反故にしたことにある。イギリスはその時点で中国政府に約束違反であると強く抗議すべきだった。それをあまり強い態度にも出ず、この期に及んでイギリスは香港に居住していると自由が脅かされると感じる香港人の支援に乗り出したのだ。

 しかし、イギリスがこれまで世界の植民地で行った植民地政策、とりわけ分割統治は、決してその国の人びとと宥和するようなものではなく、逆に痛めつける非道なものだった。それが今では中国に対して理不尽だと叫んでいるが、かつての大英帝国時代に犯した自らの罪にてらしてみると好い。自らの残像とも言えるものである。

 このほど上梓した拙著「八十冒険爺の言いたい放題」にも過去のイギリスの罪について触れている。アデンにおける植民地政策とロヒンギャ族発生の原因である。特に後者はイギリスが強制的にロヒンギャ族を現バングラデッシュ領からミヤンマー領内へ移住させたことが遠因である。その点についてイギリスは、これまでまったく責任を取ろうとしていない。その他にも私自身がイギリス政府から受けた無責任な所業を書いた。私が受けた無責任な所業とは、植民地アデン(現イエメン)のビザを東京の駐日イギリス大使館で発給してもらったが、その僅か1週間後にアデンは独立した。そのため私はそのビザではアデンへ入国出来なかった。大使館は当然独立について承知していた筈で、無効となると分かっていながら私にビザを発給した。結局役に立たないビザの代金を支払わされた。国家ぐるみの詐欺とも言える。

 イギリスは、自ら蒔いた種を刈り取る気持ちがないばかりか、相手国民が大迷惑を蒙っても無視するのはイギリス流儀のやり方である。果たして、香港の人びとがイギリスに当面居住を許されたところでどこまで心底から彼らを支援してくれるだろうか。

 それにつけてもそれ以上に非民主的なのは、中国である。イギリスが香港市民を受け入れるとの行為に対して、中国政府は厚顔にも「主権侵害」と反発を強めているが、香港市民の自由と自治の権利を侵しているのは、間違いなく中国政府ではないか。中国政府はきれいごとで一見辻褄が合っているようなことを叫ぶが、よくよく注意してみると自らが他国の自治を侵害しているのだ。

 こういう民主とか、自治の自由について、取り敢えず現状では侵害されない我々日本人は香港市民に比べて幸せというべきだろうか。

2021年1月31日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5010.2021年1月30日(土) 確定申告書類作成にてんてこ舞い

 今2020年の確定申告の書類作成に慌ただしく取り組んでいる。以前にも書いたが、パソコンを使用せず、スマホで申請するなんて時代の先端を行くようなことはせず、アナログ的にひとつひとつ手作業で時間をかけて金銭元帳に書き込んでいる。効率が悪いことは承知のうえで恐らく呆れる人もいるだろうが、今更新たにデジタル化する気はない。

 作業をやっていて2020年は、思いがけず不労所得?が2つもあったことに考えが至った。ひとつは、全国民に支給された特別定額給付金であり、妻の分と合わせて20万円である。もうひとつは、手術を受けて生命保険会社から受け取った保険金である。これが支払った手術代金より多かった。手術とは、昨年秋国立東京医療センターで受けた左眼白内障と左足動脈瘤の2つの手術である。この会計上の処理方が分らず、どう処理すべきか青色申告会に尋ねてみた。いずれも納税する必要がないので、敢えて申告する必要がないとの回答だった。だが、申告しないと振り込まれている預金通帳の残高と合わなくなるので、その辺りも聞いてみたところ、それでは借方に「普通預金」、貸方に「事業主借」として給付金と保険金を計上してはどうかとアドバイスされそのように扱った。書類を書き上げるには、まだ数日かかりそうだが、これが終われば取り敢えずホッとすると思う。

 さて、新型コロナウィルスの影響で東京オリンピックをはじめ、多くのビッグ・イベントの開催が危ぶまれている。昨春のセンバツ高校野球は、出場校が決定しながらも感染拡大により大会は中止となった。夏の全国大会も中止となった。今年はどうなるだろうか、何とも言えない難しい環境の中で昨日出場校32校が決まった。

 しかし、観客を入場させるとの方針のようだが、いろいろ制約を設けるようだ。従来の大会のように各出場校の応援団がブラスバンドとともに派手に応援する光景は見られそうもない。また、コロナの感染者数次第では、途中から入場に別の制約をつける可能性もある。1954年高校へ入学した時母校は選抜に出場したが、応援には行かなかった。しかし、1回戦で敗れてしまった。

 ざっと32出場校を見てみると、時代の移り変わりと傾向が窺える。出場校の中に私立校が圧倒的に増えたことだ。特に野球校と揶揄されるような高校が今年も何校か出場している。大学付属校も8校選ばれている。全体の1/4が進学の心配がない大学付属高校であり、中でも東海大学付属高校が3校も出場するのには、ちょっと驚いている。伝統校の中ではレジェンド中京大中京高と県立岐阜商高が2年連続で、それぞれ32回目、30回目の出場である。高校野球の強豪校も一極集中の影響か、大都市から選ばれる傾向が目立つようになった。

 春は選抜からと言われるように、白球に快音、そして若々しい高校生の溌剌としたプレイには、随分元気づけられる。早くコロナが終息して欲しいとの願いと同時に、コロナ禍にあっても13日間無事に選抜大会が開催されることを願って止まない。

2021年1月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5009.2021年1月29日(金) 世界経済は一部を除き不況

 このところ朝から晩まで、テレビは新型コロナウィルスに関する情報番組をやっている。現時点では、今月8日に11都府県に発出された緊急事態宣言のせいか、多少感染者は減っている。しかし、専門家が望む感染者減には至らず、2月7日までの期限に緊急事態を解除するか、或いは延期するかしきりに議論が行われている。現状では解除は難しいとの考えが官邸内や専門家から挙がっている。

 コロナは世界経済にも大きな影響を与えているが、アメリカ経済も大きく落ち込んだ。にも拘らず、株価ばかりが上昇していた。そこへ実情を表しているというべきか、商務省が発表した2020年の実質国内総生産(GDP)は、前年比▲3.5%でリーマン・ショック後の2009年(▲2.5%)以来となるマイナス成長に沈んだ。第2次世界大戦終了後の1947年以降で最大の落ち込みである。旅行が制約され航空業界もどん底に近い落ち込み状態であるが、航空機製造会社ボーイング社も2020年の決算では、1兆2千億円の大幅赤字を出した。明らかにコロナの影響である。

 しかし、この不況下にも拘わらず好況に浸っている企業もある。例えば、IT大手のアップルやフェイスブックなどは、売上、利益とも過去最高を更新したというから羨ましい。これは、コロナの感染拡大に伴うデジタル化の進展が大きい。テレワークが普及したことも利益に幸いしたと言える。

 国別でも累計感染者が僅か899人でコロナの影響をほとんで受けていない台湾では、GDPが2.8%上昇したというから、いかにしてコロナを抑え込めるかが景気のバロメーターとなる。

 さて、話題をちょっと大相撲に変えてみよう。今日元横綱の栃ノ海が亡くなった。小柄ながらも業師で横綱にまで出世し優勝は3度だった。私と同じ昭和13年生まれだが早生まれで、私より8か月ほど年長だった。実は、この栃ノ海が横綱になった力士の中で最長寿だったという。82歳10か月だった。同じ昭和13年生まれの横綱に柏鵬時代という一時代を築いた柏戸と佐田の山がいた。栃ノ海は技で、柏戸は力と硬軟対照的な横綱だった。栃ノ海とは異なり柏戸は58歳で他界した。五島列島出身の佐田の山は79歳で世を去った。昭和13年生まれの3横綱は同世代の私にとっても懐かしい力士である。

 大相撲初場所は終わったばかりだが、両横綱が初日から休場し、最近の場所での休場が多過ぎるとして相撲協会から警告を受けた。両横綱は3月開催の春場所で鼎の軽重を問われる。初場所はコロナの影響で初日から16人もの力士が休場する意外な本場所となった。観客数も制限して極力コロナの危険から遠ざけようとの試みが行われた。その中で前頭の大栄翔が埼玉県出身力士として初めて天皇賜杯を手にした。

 2か月ごとに開催される本場所は、感染から防げないとして7月の名古屋場所からずっと両国国技館で場所を開催している。3月の大阪春場所も国技館で行われることが決まった。大阪のタニマチもさぞや困っているのではないだろうか。

2021年1月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5008.2021年1月28日(木) 革共同議長・清水丈夫さん再び顔を見せる。

 昨日聖徳太子不在説にびっくりしていたところへ、今日も私にとって衝撃的なニュースがあった。昨年9月15日に半世紀ぶりに世間へ姿を見せたとして警察をはじめ公安当局、マスコミからマークされていた中核派の元全学連書記長、革共同委員会議長の清水丈夫さんが、昨日再び姿を見せ記者会見を行ったとのニュースが今朝の朝日に載っていたのだ。これまで警察は清水さんの動向を追っていたそうだが、その割には、9月にしろ、昨日にしろ清水さんの身柄を拘束するようなことまではしなかった。清水さんはマイクを前に「革命情勢が到来した。労働者階級に訴えようと思った」と述べたが、近年中核派は反基地、反原発を訴えているという。

 昨日に続けてご近所の小中陽太郎さんに電話で連絡し、しばし清水さんのパフォーマンスについて話し合った。偶々母校湘南高校ラグビー部は今年創部70周年の記念すべき年を迎えることになり、このほど創部70周年記念誌を発行した。私も拙稿を書いたが、その中に親しく、かつ一緒にプレイした部員として2年後輩の故竹内謙・元鎌倉市長と1年先輩の清水さんに纏わる想い出と印象を記した。入手次第小中さんに送ることを約束した。

 そして午后になって高校ラグビー部で主将だった私を助けて副主将を務めてくれた大島泰毅くんが、昨晩のTBSニュースを観たかと電話をかけてきた。彼は清水さんがスピーチしている姿をじっくり観たという話だった。ラグビー部でともに戦った仲間同士でしばし懐かしい話をした。

 それにしても清水さんと会ってじっくり話をしてみたいが、今や清水さんは外部との連絡が取り難い固い組織の中の中心人物になってしまい、個人的に会うことはほとんど夢となってしまった。しかし、例え会うことは叶わなくても清水さんの信念と一貫して揺るがない言動に敬服している私としては、いつまでも清水さんを見守って、清水さんが本当に目指したものは一体何だったのだろうかを突き止めてみたい。

 今日驚いたもうひとつのニュースは、新型コロナウィルスの感染者がついに世界で1億人を超えたことである。新聞によると地球上の人類の78人にひとりがコロナに感染していることになる。今もその勢いは一向に衰えることがなく、1日当たりの新たな感染者は60万人になった。その中で多少なりとも希望の持てるのは、ワクチンの接種が漸く現実味を帯びてきたことである。未だ接種を受けた人は、人口の0.8%だというから人類が全員接種を受けることを考えると気が遠くなる。日本でも一般的には、高齢者から接種を受けることが出来る。しかし、その予定が当初3月下旬とされていたが、4月1日以降に順延されるようだ。

 すでにミヤンマー、ネパール、インドネシアなど途上国でも接種が始まり、イスラエルなどは人口の3割が早や接種を受けたという。ワクチンへの交渉は早かったようだが、どうして日本では後手にまわることになったのだろう。

2021年1月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5007.2021年1月27日(水) 聖徳太子は日本にはいなかった?

 今日は意外なことを知った。朝日新聞の「文化・文芸」欄に国文学者・中西進氏が「人生の贈りもの」としてインタビュー連載の中でいろいろ語っている。今日の連載で、中西氏の東大学生時代の国文科同級生で、先日亡くなった作家・半藤一利氏と対談した時に半藤氏が聖徳太子はいなかったと思うと述べたことである。こんな歴史上重要な人物の存在感を覆すような話を半藤氏が亡くなってから知っても、今更半藤氏に確認しようがない。中西氏は万葉集の研究で知られ年号「令和」の決定にも関わったが、4年前までは日本ペンクラブ副会長をされ、総会の折に何度かお話ししたことがある。話好きなせいか、スピーチもつい長引いて拍手で降壇を促されることもあった。

 実際朝日朝刊「文化・文芸」欄で公に聖徳太子不存在説を話されても当惑するばかりである。実のところ半藤説は本当だろうかと疑問を抱いた。小学生のころから聖徳太子の名前を授業で何とも聞かされ、日本最初の十七条憲法を制定した人物と言われ、飛鳥寺をはじめいくつかのお寺に聖徳太子像がある。また、現在の1万円札は福沢諭吉であるが、それ以前は聖徳太子だった。生年月日まで分かっていて唐突に現存しなかったと言われても困る。あれほど歴史上の事実を追及するのに熱心だった半藤氏が、何故そのような悩ましいことを、いくら親友とは言え中西氏に語って謎を残したまま冥界へ旅立ったのだろうか。

 鎌倉幕府が成立したのは、1192年と考えられていたが、何年か前に実際には1185年の方が相応しいということから、頭の切り替えをして「イイクニ」から「イイハコ」と考えるようにした。鎌倉幕府の成立については多くの専門家が精査、検討したうえでそうしたのだろう。だが、聖徳太子がいなかったとは、半藤氏だけの考え、推察ではなかったのだろうか。今更聖徳太子なんてこの世にいなかったなんて言われても、確たる証拠があるならともかく思い付きのように言われても困る。

 ところが、この話を近くに住んでおられる小中陽太郎さんに電話でお話ししてみたところ、その話は以前にもかなり信憑性を持って伝えられたと仰った。調べてみたら良いのではないかとアドバイスされたので、早速ネットで調べてみると2つの説があった。聖徳太子は「いた」、とも「いなかった」とも結論は得られなかった。いずれも聖徳太子が「厩戸王」の名で、十七条憲法制定、官位十二階の制定、遣隋使の派遣など後世に残る数々の偉業を成し遂げた。そして厩戸王が後世聖徳太子と呼ばれるようになった。それなら聖徳太子はいたことになるが、それがそうでもないようだ。このため、近年日本史教科書には、聖徳太子の業績があまり掲載されなくなったという。日本歴史上の変更があるのだろうか。

 こういうことなら、ここは半藤一秋氏にもう少し生き伸びて、聖徳太子不存在論に積極的に加わって。一石を投じて欲しかったと思う。

2021年1月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5006.2021年1月26日(火) 本塁打王ハンク・アーロン氏亡くなる。

 去る22日アメリカ・メジャー・リーグで活躍した黒人ハンク・アーロンが86歳で亡くなり、野球ファンの間でその死を惜しまれている。黒人最初のメジャーリーガーとなったジャッキー・ロビンソンと並んで、黒人選手差別の範としてその都度名が挙がる英雄である。アーロン選手は、1974年それまで不滅の記録と言われていたベーブ・ルースの714本のホームラン記録を塗り替えたことで野球ファンから高い評価を受けた選手である。しかし、白人選手の記録が黒人によって破られることに嫌悪感を抱く白人ファンから度々嫌がらせを受けていた。その後もホームランを打ち続け、生涯755本を放った。その記録はバリー・ボンズ選手に破られるまで33年間もメジャー・リーグ記録として輝いていた。

 1960年代は、アメリカでもキング牧師らの主導による公民権運動が盛んで、表向き人種差別がなくなったように見えたこともあった。だが、その後も噴火山のように露骨な差別が表面化することがあり、その度にアメリカの「自由」「民主」「平和」が問い直された。一旦収まったように見える人種差別が、これまでにも地下に潜行しながらしばしば表に顔を出すことがあった。

 それが大統領としては自国内の白人・黒人の差別を持ち出すわけにもいかず、アメリカは移民を差別するような言動で振舞ったトランプ前大統領の下で分裂と対立を煽るようなパフォーマンスを見せるようになった。そのトランプ前大統領をアメリカ国民のほぼ半数が支持していたわけである。つまり、トランプ氏が差別について過激な言動をしなくてもアメリカ国民の間には、かなりの差別主義者がいるということである。

 そのように黒人選手にとって厳しい環境に晒され、白人選手に負けずに幾多の記録を達成したのは、アーロン選手の実力もさることながらその精神力の強さに負うところが大きいと思う。

 今から20年前、ニューヨーク同時多発テロが発生した年の5月に次男と、アトランタを訪れブレーブスの試合を観戦した。球場内の展示スペースにはアーロン選手の胸像が置かれていたのを覚えている。最後の2年間はブリューワーズに所属したが、活躍の場はほとんどブレーブスで、地元のブレーブス・ファンから愛されていると感じた。

 今やアメリカでは多種多様なスポーツが好まれ、多くの国民の間でプレイされている。そして、そのスポーツのほとんどは黒人選手が活躍している。黒人選手がいなければ、アメリカのスポーツ界は、それほどの強豪国でもないくらいである。それほどリスペクトされるべき黒人選手が、独立以来影になり日向になり人種差別の嫌がらせやパンチをくらい続けているのである。

 果たしてバイデン新大統領は、少しでも差別を解消するような積極的な政策、言動を取ることが出来るだろうか。

2021年1月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com