5055.2021年3月16日(火) 大企業がエゴで中小企業化するとは?

 新型コロナウィルスの影響を受け、どの企業も四苦八苦している中で「こんな手もありか?」と首を傾げさせたエゴ的奥の手があった。大企業の中小企業化である。具体的には資本金を大企業・中小企業の境界点であるでこの問題が1億円以下に減資することである。これを先月経営面で苦境に立っていた毎日新聞社と旅行大手のJTBがやってのけたのである。それぞれの減資が公表された時、一体どういうことかと気になってはいた。

 そんな折も折、「週刊現代」3月20日・27日号が発売された。同誌に「JTBと毎日新聞『減資』という名の『税逃れ』を考える」とのテーマでこの問題が取り上げられた。「ルールの穴を突けば、大企業は『中小企業』の看板を掲げるだけで、税法上の優遇を受けられる」とある。どういうことかと言うと、法人事業税のひとつで人件費などを基準に算出される「外形標準課税」が中小企業には課せられない。この恩恵により中小企業になるJTBは、今期約12億円の税金を支払わなくて済むことになる。23億円から1億円に減資された資本金は、資本剰余金に振り替えられ、経営が悪化した際の欠損補填などに充てられる。体の好い準備金のようなものである。しかし、一種の禁じ手と言えないこともない。同じように毎日新聞社が41憶5千万円の資本金を1億円に減資して立派な中小企業に衣替えした。竹橋にあんな大きな自社ビルを持ちながらである。しかし、毎日の場合は、このコロナのせいばかりではなく、今や恒常的な赤字企業に落ちぶれていた。2年前消費税導入の際には、社会の公器を主張して軽減税率の対象となった。公器を自称して優遇措置を得ていながら、自社の経営が苦しいとなるといとも安易に減資を行い節税する姿勢には、誰しも違和感を覚える。

 ところが、JTB、毎日ともにあまりいじける気持ちも悪びれる気持ちもないようだ。田川博己・JTB前会長は生き残るためには何だってやると勇ましい。朝比奈豊・毎日新聞前会長は、減資は大した問題ではないと言い切っている。ある経済ジャーナリストは、「大企業が中小企業化し、あからさまに節税するのは『公』に対する責任を放棄する行為と見做される」と警告している。仮に今年度赤字に陥ったJR、及び大手鉄道会社がすべて1億円に減資したら、入るべき国家歳入が消えてしまい日本の財政にとってどれほどマイナスかと考えると、これで良いのかと言いたくなる。手の届くところに美味しいものがあるからと、誰も彼もが取って食べてしまっては、お金もモラルもなくなり、お金亡者だけが蔓延る社会になってしまうのではないだろうか。せめて大企業の経営者は、社会への責任というものを自覚して、もう少し毅然と本業に打ち込む努力を忘れてはならないのではないだろうか。

2021年3月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5054.2021年3月15日(月) ミヤンマー国内で戒厳令発令

 ミヤンマー国内におけるクーデター反対集会に対する軍の鎮圧行為は、ついに国内に戒厳令を発令させる事態となった。これによって軍は国民を外出させないよう抑え込もうとしている。まだミヤンマー全土にではなく、最大都市のヤンゴンに続き、今日第2の都市マンダレーの一部に出されたものであるが、軍はこれによりデモ隊を沈静化させようとの狙いである。これまでは比較的犠牲者が少なかったが、昨日はそれが一気に増え1日だけで38人もの死者が出た。

 戒厳令と言えば、何といっても昭和11年の2.26事件を想い出す人が多いと思うが、平和な時代に生活する現代日本人には、実感としてあまりピンと来ないだろう。だが、どういうわけか私はこの戒厳令というものに妙な因縁がある。これまでに3度も戒厳令のトバッチリを食ったことがあるのだ。

 1967年6月に勃発した6日間戦争によってアラブの国々には戒厳令が布かれたが、その半年後に私はヨルダンを訪れ、アンマン市内を散策中にヨルダン軍兵士に突然身柄を拘束されてしまった。解放されるまでは気が気ではなかった。その後訪れたエジプトでもカイロからスエズ運河へ向かう列車内で、スエズ市滞在許可証不所持との理由で車掌に詰問され、スエズ駅到着と同時に警官に身柄を引き渡され仮収容所へ収容されてしまったことである。これはこれで今振り返ってみると懐かしい想い出ともなったが、当時はその急場を逃れるまでは必死だった。

 3度目はタイでマレーシア国内の戒厳令のトバッチリを受けてしまったのである。1969年5月ハネムーンでタイからマレーシアのペナン島へ向かう予定だった。ところが、バンコック空港カウンターで、マレーシア国内で中国人とマレー人との民族衝突が激化して国内が混乱し、前日戒厳令が発令されマレーシアの空港はすべて閉鎖されたために予定のフライトはキャンセルされたと係官に説明された。已むなく行き先を北部のチェンマイへ変更して当初考えていたコースとは大分様変わりしてしまったことである。そのためハネムーンで予定していたクアラルンプールとシンガポールへは行き損なってしまった。

 とにかく戒厳令なんて普通ではあまりイメージが湧いてくるようなことではない。このミヤンマーの戒厳令が国軍にとって国民及びデモ隊を鎮圧するには好都合となれば、全国各地で少しでも反国軍的動きが見られれば、国軍は彼らを抑え込む手段とするに違いない。国連がしきりに非難の声明をアナウンスしているが、中国とロシアを頼りにしている軍部にとってはさほど効いているようには見えない。やはり世界が一斉に手を取り合って同じ行動をしなければ、無法な軍部は手を退くことはないだろう。このところどうもすっきりした気持ちになれない。

 さて、テレビ局というのは、どうしてこうも情報収集と確認が甘く、手抜かりがあるのだろうか。昨日の本ブログに取り上げたように、東京の桜の開花について今日あるチャンネルでは昨日開花があったと言っていたが、ほぼ同時間帯の他のチャンネルでは、靖国神社でレポーターが視聴者に一斉に桜開花をアピールするジェスチャーをやっていたことなど、誰でも知っている事実をまだ掴んでいないかのようなシーンを放映していた。少々呆れた次第だ。

2021年3月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5053.2021年3月14日(日) 呆れる長崎幸太郎・山梨県知事の発言

 去る10日の記者会見で山梨県の長崎幸太郎知事が話したコメントには唖然とした。今新型コロナウィルス緊急事態宣言下の首都圏を中心に、各自治体が新規感染者を抑え込もうと必死に努力している最中に、最も自粛すべき歓送迎会や謝恩会、花見を遠慮なくやって下さいと言ってのけたのである。山梨県の隣、東京都ではこの1週間は前の週に比べて感染者が増え、「笛吹けど踊らず」の結果に小池知事も苦悩している。偶々今朝家のポストに新聞とともに東京都広報特別号が入っていた。「心をひとつに、トコロン!感染防止」と訴えるB3サイズの広報紙だった。これには、小池都知事が「感染状況の下げ止まりが続いています。ここで気を緩めると、再びの感染拡大、リバウンドが懸念されます。・・・今、総力を結集し、トコトン取り組んでいきましょう」と感染防止対策の更なる徹底を求めている。都知事は、自治体の努力だけでは完全に抑え込むことは難しいと見ているようだが、それでもなお都民にステイ・ホームをアピールしている。ところが、山梨県知事は、そんなことにはお構いなく、自身の発言に加藤官房長官が慎重な対応を求めたことに対して、山梨県はこの1週間ひとりも新規感染者が出なかった結果から、「感染対策に努力している山梨と感染が拡大している東京などを一緒にしないで欲しい」と不遜な反論をした。

 この山梨県知事の唯我独尊的な発言を考えてみると、もし仮に逆の立場だったらどういう対応をするだろうかと首を傾げた。自分たちの言い分だけを口にする知事には、県民も心から信頼することが出来ないのではないかと思う。また、開成高、東大法、大蔵省、衆議院議員3期当選と出世街道を順調に歩いて来たため、現場感覚に疎くて厳しい第一線現場の空気や苦労を知らず、人の気持ちが分からない人ではないかと思う。一方で、125万円の知事給料を返上して1円をいただくようなハッタリ的で周囲をびっくりさせるような大芝居までやっている。

 元エリート官僚が、自治体に天下りしてトップの座に座るというケースが地方の自治体ではしばしば見られるが、自らの出世ばかり念頭にあるような人では、いずれ地元民から嫌われるようになるのではないかと思わせる長崎知事のコメントである。

 さて、相変わらず気がかりなミヤンマー情勢であるが、軍部クーデターによって国民民主連盟(NLD)が政権を追われたミヤンマーでは、国家顧問アウンサンスーチー氏ら幹部たちが揃って身柄を拘束され行動が抑え込まれている。スーチー氏には軍は汚職容疑などを負わせて拘束を引き延ばそうとしている。そこへ若干政治的に明るい動きが見えてきた。NLDの一部国会議員が、連邦議会代表委員会(CRPH)なる組織を立ち上げ、スーチー氏を国家顧問に再任し、「臨時政府」のような形を作りつつあるのだ。これが臨時政府として機能し、国民の支持を獲得しつつあるようなら大いに結構だし期待が持てると思う。これに対して今後軍がどれほど弾圧を強めるようになるだろうか、気がかりではある。

 最後に、今日東京管区気象台は、靖国神社の桜が綻びたことを確認し東京の桜開花を発表した。去年に続き史上最も早い開花となった。ところが、テレビ朝日夜9時の「サンステ(サンデーステーション)」が番組の終わりに、「東京の開花は来週になる」ようなことを話したが、どこまで信じて良いのだろうか。しっかり真実を報道して欲しいものである。

2021年3月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5052.2021年3月13日(土) 北京冬季五輪は大丈夫か?

 昨晩遅くから天候が崩れ、今日は雨模様だと予報が出ていたが、その通り今朝から肌寒く小雨が降っていた。ところが、午後になって降雨が一転激しくなり雷雨がやって来た。久しぶりに雷の音を聞いたような気がする。春の嵐となり関東南部では大雨警報が出た。夕方には小雨になったが、肌寒い1日となった。

 今日は近くの山内クリニックへ出かけ、糖尿病の2月後の状態を診てもらった。このところ安定していたヘモグロビン数値HbA1cが、6.6で先月の6.5から僅かながら上った。昨年12月に6.3を記録してから、1月6.4、2月6.5と上がり続けている。絶対的に悪化しているわけではないが、落ち着いたと思っていただけに、例え僅かとは言え数値が上るのは、ちょっとショックである。ここが正念場であるかもしれない。

 さて、このところ新型コロナウィルスの新規感染者数がぶりかえしてきたようで、東京では先週に比べてやや増えている。この調子だと21日に解除される予定の緊急事態宣言も引き続き延長されるかもしれない。東京オリンピックの聖火リレーも25日にスタートするが、その前に外国人観客の入場を認めるかどうかを決定する予定である。大分状況は厳しくなってきた。日本政府、IOCともに現時点ではオリンピックを中止する気持ちはないようであるが、このままコロナ感染者が増え続けるとしたらそうも言ってはいられないかも知れない。

 ところで2022年の冬季オリンピックは北京で開催予定であるが、中国では習近平国家主席が絶対開催すると広言しPRに努めている。実は、北京大会はコロナも懸念されているが、もうひとつ大きな問題を抱えている。それは新疆ウィグル地区のウィグル族に対する中国の人権抑圧がエスカレートして、国連人権差別撤廃委員会が百万人のウィグル人を再教育と称して施設で拘束していると言及している。学校教育でもウィグル語ではなく、中国語教育を強制しているばかりか、ウィグル族女性へ性的虐待など、非民主的差別は留まるところを知らない。そればかりか、ウィグル民族を民族として迫害し、消滅させるジェノサイド(集団殺戮)が進行しているとの指摘が相次いで報告されている。こういう国で全世界から一流選手が集う国際スポーツ大会を行うことが相応しいのか、疑問が呈されている。加えて昨今香港から「愛国者」以外を一方的に締め出す、中国政府の香港統治方式が批判されている。中国としては、2008年北京夏季大会の折にもその直前にチベット騒乱事件が発生した悪夢がある。中国としては冬季大会を問題なく開催して世界へアピールしたいとの思いがある。それが、習近平国家主席をして積極的に北京冬季大会PRへ駆り立てさせている。その証拠に習主席は、今年最初の視察先にオリンピックとパラリンピックの会場を選んだくらいである。

 しかし、先日の全人代で発表された約束違反の「1国2制度」によって香港市民から「自由」と「民主化」を奪い取る「香港国家安全維持法」が、国際社会から猛烈に非難されているだけに、今後冬季大会がどういう展開になるのか予断を許さない状態である。

2021年3月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5051.2021年3月12日(金) 朝日新聞読者欄に興味を惹かれる。

 このところ暖かい日が続いている。今日東京都内の気温は17℃で4月中旬並みの暖かさだった。やや早いが、昨日広島で全国のトップを切って桜の開花宣言がなされた。今日は福岡でも開花宣言があった。恐らく来週には靖国神社の桜も花開くことだろう。

 今朝の朝日新聞の読者投稿欄「声」を何気なく読んでいて2つの投稿に興味を惹かれた。ひとつは、86歳の男性の「開戦の年、満開の桜の下で入学」というものである。昭和16年に母親に連れられ国民学校へ入学した。その時校門傍の桜が満開だったことをよく覚えているという。戦争ごっこをやって遊び、軍歌も随分歌ったようだ。今の新入生には、平和の歌を口ずさんで校門をくぐって欲しいと願っておられる。私が入学したのは、その4年後で終戦の年、昭和20年だった。両親は勤務と家事から手が離せず、知り合いのおじさんに学校へ連れて行ってもらった。桜については記憶がないが、校門の正面に大きな二宮尊徳像が建立されており、おじさんに像に向かって礼をするよう言われたことを覚えている。入学してから軍歌も歌ったが、間もなく終戦になって戦後の流行歌をお隣のお兄さんのギターに合わせて歌ったことが思い出される。よく覚えているのは、♪鐘の鳴る丘♪、♪青い山脈♪、♪湯の町エレジー♪、♪憧れのハワイ航路♪などだった。今こういう歌はテレビでもあまり歌われなくなったが、時折「懐かしのメロディー」風の歌番組が放映されるとつい観てしまう。

 もうひとつの「声」は、福島県の68歳の会社役員で、「ミヤンマー 国民納得の収拾策を」とある。これは、昨年11月に行われた総選挙でアウンサンスーチー氏率いる国民民主連盟(NLD)が圧勝したが、軍は不正があったとしてクーデターを敢行したことに疑問を呈したものだ。不正が事実というならすぐに再選挙を行い、不正排除のための徹底監視を行う必要性について述べている。この方がクーデターで大量の犠牲者を出したというコメントは正しくない。確かに犠牲者は出たが、他国の似たようなクーデターや騒動に比べれば、犠牲者の数は遥かに少ない。これはミヤンマー人の国民性の故であると思う。もうひとつ興味を抱いたのは、イラワジ川の渡し場でたたずんでいたところ、売り物のブドウを1房くれた見ず知らずの女性のことである。それは旅人への無償の施しであると書いておられる。この行為こそが実にミヤンマー人らしい。今ミヤンマーについて拙稿を2つ書いているが、この国の国民性、民族性は近隣諸国のそれとは随分異なる。その辺りについていくつも例を挙げながら分かってもらえるようペンを走らせている。とにかく旧ビルマは最も好きな国であるが、外国に誤解されることと、経済成長が近隣の国々より遅れていることが残念である。

2021年3月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5050.2021年3月11日(木) 東日本大震災発生10周年

 今日は東日本大震災10周年目に当たる。各被災地では追悼式が行われた。東京では国立劇場において日本政府主催「東日本大震災十周年追悼式」が、天皇・皇后両陛下ご出席の下に行われた。昨年は新型コロナウィルス感染拡大の影響で中止となり、天皇がこの追悼式に出席されたのは初めてである。政府からも菅首相の他に衆参両院議長が出席され、それぞれ追悼の辞を述べた。

 10年前の地震が起きた午后2時46分には書斎でパソコンを叩いていた。突然揺れてしばらく止まない。電線が大きく揺れていた。これは大きな地震ではないかと思った。それがかくも被害をもたらすような大地震になるとは思いも寄らなかった。そしてあれから10年目の今日も同じようにパソコンに取り付いていた。10年間生活が変わっていないと言うことであろうか。

 これまでに確認された死者と行方不明者は、合せて18,425人で、関連死を合わせると実に22,200人に上る。インフラ施設はかなり復旧したようだが、被災者の気持ちとしてはまだ復興したと実感している人は被災者の半分にも満たないという。家族を喪ったりして、気分的にも気持ちを取り戻すことが出来ないからではないかと思う。避難者はなお4万人を超えるという。三陸海岸には造成されても人影のまばらな街があるといい、福島県には7千人もいた町民が1人も帰れない町がある。放射能によって故郷を追われてしまったのだ。

 今日は朝から晩まで新聞、テレビは震災報道に溢れている。朝刊丸々一面を使ったYAHOOの「防災大国から防災大国へ」というカラー広告まであった。

 これからも毎年この日を迎える度に、恐ろしかった大震災を想い出すことだろう。

 さて、イギリスのハリー王子とメーガン妃夫妻が、イギリス王室から出自を理由に差別的な目で見られているようなことを、アメリカのテレビ記者会見で話したことをきっかけにイギリスとアメリカで大きな関心を呼んでいる。メーガン妃の母親がアフリカ出身ということと、メーガン妃に離婚歴があったことから当初から2人の結婚には必ずしも誰もが祝福と言うわけではなかった。結婚後2人はアメリカへ渡り、アメリカで生活を送ることになった。王子はよほど結婚後王室の対応に理不尽さを感じたのか、イギリス王室離脱まで言い出した。偶々この度の騒ぎは、メーガン妃が妊娠中に子どもの肌の色がどれだけ濃いのかとの懸念がイギリス王室内で話されたとテレビで喋ったことがキッカケとなった。ハリー王子夫妻に対する同情の声はイギリスでは低く、出身国のアメリカでは高い。

 ただ、はっきりしているのはイギリスもアメリカも水面下では人種差別感が根強いということである。ハリー王子がメーガン妃と結婚した時、すでに今日の騒ぎは予想されていたと思う。両国では男女差別をしきりに問題視するが、それ以前にアングロサクソンは、人を人とも思わない人種差別主義を絶対的に止めるべきである。さもないと同じようなトラブルは今後も間違いなく発生する。

2021年3月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5049.2021年3月10日(水) 広島に次ぐ犠牲者を出した東京大空襲から76年

 今日3月10日は、76年前に東京大空襲があった日である。その後も5月までに4回のアメリカ軍による無差別爆撃が行われ、東京都内は下町を中心に焼き尽くされ多くの被災者を出した。3月10日の第1回の空爆では、罹災者は百万人を超え、死者の数は11万5千人以上だった。私は房州へ疎開していたが、国民学校入学目前だった。

 故林家三平の妻海老名香葉子さんのもとへ今日アメリカの駐日代理大使から追悼の機会を与えていただいたことに感謝する手紙が届けられた。海老名さんは、疎開していて難を逃れたが、この大空襲で都内にいた祖父母、両親、兄弟6人を一辺に喪った。

 長崎より多く、広島原爆投下に次ぐ犠牲者を出しながら、東京大地震はそれほど注目されて来なかった。今日のテレビ、新聞でも前記海老名香葉子さんのニュース以外関連ニュースは目にしなかった。近年は明日発生から10年目に当たる東日本大震災の被害が大きく報道される一方で、注目は薄れるばかりである。メディアでは数日前から大震災の詳細を伝えて、改めて日本国民に自然災害の恐ろしさを啓蒙している。

 実は一部にはこういう穿った見方がある。アメリカによる東京大空襲を伝えようとしないのは、日米同盟強化を進めようとしている日本政府のアメリカへの気兼ね、或いは忖度があるからではないかという見方である。その点では、東日本大震災を派手に報道すればするほど発生1日違いの東京大空襲を実行したアメリカへの非難が弱まるというのである。少々斜視な見方であるが、なるほどと思う点もある。そういう穿った考えをシャットアウトするためにも、大震災にも大空襲にも同じような気持ちで向き合い、東京大震災についてもっとメディアは取り上げるべきだと思う。

 さて、このところ減少傾向をたどってきた新型コロナウィルス感染者が下げ止まりとなっている。昨日、今日の新規感染者は先週より増えている。

 こんな空気を配慮したのか、政府、東京都、大会組織委員会は海外から来る観客を受け入れることを見送る方針に切り替えたようだ。来る25日より福島を起点に始まる聖火リレーを前に結論を出すということである。今日も国土交通省は航空会社に対して日本向けの航空機搭乗客の人員を減らすよう要望し、日航、全日空はそれに従うと述べた。オリンピック開催の短期間の間にあらゆる方面から大勢の外国人が来日することは、入国に際して諸手続き、医療ケアなどを考えると医療関係者のマンパワーはとても足りない。仮に入国後に新規感染者が発生したケースを考えると、その対応には問題点が多い。開催自体もまだ最終的に決定したわけではない。諸問題をクリアして問題が生じない環境を整備しなければならない。オリンピックが開催されるのかどうかはまだ分からないが、それほど難しい段階に来ている。外国人観客を迎え入れたいが、諸般の事情はそれを許さない。慎重に、慎重に結論を出して欲しいものである。

2021年3月10日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5048.2021年3月9日(火) 2.26事件の世相をアルバムに見る。

 昭和11(1936)年に発生した2.26事件は、日本軍国主義化への動きに拍車をかけた大きなきっかけとなった。私の生まれる2年前だからその当時どんな世相だったのか、以前から興味があった。

 偶々自宅書斎に埋もれたままでその当時の東京下町の日常生活を撮ったアルバム集をじっくり見直した。1974年晶文社から発刊された、「東京昭和十一年」と題する桑原甲子雄写真集である。読書好きだった義父から譲り受けた1冊で、何気なく頁をめくっていると何かしら懐かしい匂いがする。このアルバムに見る写真は昭和9年から18年までまたがっているが、昭和11年を中心に13年にかけて撮影されたのがほとんであり、2.26事件のバックグランドを知るには好都合である。中には終戦直後の疎開先で見たような光景もあって妙に懐かしい。撮影した桑原氏は1913年下谷生まれだから、昭和11年と言えば23歳のころだ。

 説明文を読むと多くのあの戦時体制の世の中のありようが想像出来る。いくつか珍しいと思ったことを拾ってみた。

 1.東京市内のどこにも原っぱがあった。今ではほとんどなくなった。

 2.よく雪が降った。雪の中を下駄で歩く人が目についた。そう言えば、2.26事件の折も雪が降りしきっていた。

 3.紙芝居が出回り出した。

 4.浅草界隈は賑わっていた。

 5.どこの家でもおしめと洗濯物を干していた。

 6.旅館は1泊1円

 7.市電より市バスの方が高かった。

 8.昭和12年には小学生の戦勝旗行列が目立った。

 9.中国大陸へ出征兵士を送ることが多くなった。

 10.路地の入口に「牛馬車、自動車通行止」の立看板が見られた。牛馬車がいかに多かったかが分る。

 11.袈裟をかけた愛国婦人と「盡忠報国」の幟が町のあちこちに

 12.女性はほとんど和装

 幼かったが、戦時中や、終戦直後の記憶は今も脳裏に残っており、いくつか思い当たる事象がある。それにしても軍国化の道を歩んでいたあの当時からしばらくして、「贅沢は敵」と言われるようになった。息苦しい時代だったと思う。私たちを育ててくれた両親たちは、随分大変な時代をかいくぐってきたのだと思う。それでもあの苦難の時代を映し出している写真をこれだけ沢山見ると、当時の現実感をまざまざと焼き付けられる。そう考えると写真とは、偉大な歴史資料であることがよく判る。

2021年3月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5047.2021年3月8日(月) 今更ながら呆れる国会議員の資質

 最近国会予算委員会などで質疑応答をテレビで観ていて低レベルのやり取りに呆れることが多い。質問者はともかく、回答者の説明と内容、そして周囲の閣僚級議員のお行儀の悪い態度を見ていると、こんな人たちに国政を任せておいて大丈夫だろうかと心配になることがしばしばある。最近では、武田総務相が総務省幹部が接待について聞かれて答えている隣で背広のボタンを外して身じろぎもせず、ただボッーと天井を見上げている無気力な姿を見て、質疑を聞いているのだろうか、また質問が分っているのだろうかと気になった。

 今日の参議院予算委員会では、いつも傲慢な態度で下品に存在感を示している麻生太郎副総理・財務相が、ふざけた応え方をしていた。少子高齢化で現役世代の医療費負担が増えている問題で、現役世代の負担軽減策について国民民主党の浜口誠議員が質問したのに対して、菅首相は浜口議員と同じ考え方だと応えたが、その質問を麻生副総理に振ったところ、麻生氏は「いきなり急に振られてね、質問に答えて下さいと言われても、今の質問ほとんど聞いていなかったので」と答弁し、委員会室では抗議の声と笑いが起きた。このご仁は、何のために予算委員会に出席し、質問者に応える場に座っていたのだろうか。国会ばかりでなく、国民を舐め切っているとしか思えない不誠実な言動である。この場面をNHK夜7時と9時のニュースでは、菅首相と浜口議員のやり取りは放映されたが、麻生副総理の質疑場面はカットされていた。総務省がNHKに圧力をかけたのだろうか。元々麻生氏は国会議員には相応しくない常識と能力の持ち主である。政治家としての血筋と裕福な資産を有していたお蔭で今日幸運にも副総理という座に座っていられるだけの話である。子どものように漫画が大好きで読書せず、国会答弁で「有象無象」という言葉すら読めずに笑い者となった過去を持つ。それが今以て謙虚さを持ち合わさず、野党質問者の質問を聞いていなかったとあっては、その場にいる資格がないということだ。質問した浜口議員に対しても失礼ではないか。こういう程度の低い議員に今も要職を務めさせ、辞職を迫る動きもないというのだから、国会議員全体の質と知的レベルも推して知るべしである。

 国会内からの自浄作用が期待出来ないなら、せめてメディアが批判して本人に反省を求め、場合によっては議会から追放することは出来ないものだろうか。知識も常識もなく、業務についても不真面目では呆れ果てるばかりである。
 さて、気になっているミヤンマー情勢であるが、ここへ来てCDM(Civic Disobedience Movement=市民による不服従運動)が広く注目されるようになった。軍事政権に対して服従しないと所属する軍や警察に愛想を尽かして、離脱する道を選ぶ人が増えてきたことである。

 ワシントンの駐米ミヤンマー大使館は、武力で権力を握った軍を自国政権とは認めないとミヤンマーの在外公館の中では初めて軍事政権に反対する意思表示をした。在日ミヤンマー大使館は意思表示をしていないが、一部の書記官らが軍事政権には従えないとCDMを支持した。今まで何度も訪れて多くの親切なミヤンマーの人たちに世話になっただけに、彼らは今どうしているだろうかと心配でならない。

2021年3月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5046.2021年3月7日(日) ミヤンマー・クーデターで分かる中国の進む道

 2.26事件が起きた2月26日前後に、メディアがまったく事件に関する報道を行わないことに苛立ちを感じてこのブログでも書き留めたことが何度かある。昭和天皇が生前最も辛く印象的な事柄として、終戦宣言を発したことと、この2.26事件だったと言われていた。2.26事件は軍国化しつつあった当時の日本を一気に軍事国家へ傾かせた大きなきっかけとなった歴史上の大事件である。私のブログを読んでくれた、台湾に通じている知人が、台湾でも民族問題で台湾史上最も凄惨で3万人もの犠牲者を生んだ虐殺事件だった2.28事件について、日本の2.26事件と同じように台湾国内でも近年関心が薄れてあまり報道されなくなったと教えてくれた。

 その2.26事件記念日から1週間ほど経過して、一昨日NHK・BSで「二・二六事件の全貌~発見最高機密文書で迫る」を観た。これは最近まで公表されなかった海軍の機密文書から事件の全体像を解明していくドキュメントだった。これまでに松本清張著「昭和史発掘」の他にもいくつか事件の関連書を読んでそれなりに事件のあらましは知ってはいたが、このドキュメントで、改めて当時の陸軍と海軍の激しい対立関係を学ばされた。そして安藤輝三、栗原安秀ら事件の主たる将校が事件の1週間前には、すでに海軍軍令部で首謀者と察知されていたことや、避けられたかも知れない青年将校の決起を無残にも無謀なクーデター計画実行犯として貶めたことなどを残念に思っている。しかし、いずれにせよ2.26事件は日本を戦争に導いた大きな足掛かりとなったことを忘れてはならないと思うし、さればメディアもきちんと史実を正しく伝える努力を怠ってはならないと思う。

 さて、軍部が実権を握った現在のミヤンマーでは、このところ相も変わらず軍の発砲事件が頻発して若者が死地に赴かされている。少し雲行きが変わって来たのは、軍や警察から上司の命令に従って市民に銃口は向けられないと所属部署から離脱する兵士や警察官が現れてきたことである。その一部は、国境を越えインドへ脱出している。インドは国境問題など中国との関係が思わしくなくなったこともあり、彼ら避難民に支援すればするだけ、ミヤンマー軍政府は中国を頼るようになり、インドにとっては頭の痛いところだ。

 昨日国連安保理事会が開催され、イギリスが理事国に提示した議長声明原案では、国軍によるクーデターや平和的なデモ参加者への暴力の行使を「非難する」と明記し、状況がさらに悪化する場合は「国連憲章の下で可能な措置を検討する用意がある」と警告している。抗議デモへの弾圧で死傷者が増え続ける中、欧米諸国は国軍の行為を安保理として一致して非難し、国際的な圧力を強めたいとの考えである。しかし、常任理事国で拒否権を持つ中国とロシアは、予想されたこととは言え「非難」など踏み込んだ声明案に難色を示している。中国とロシアは「自由」や「民主化」などお構いなしに、自国にとって利となることなら相手国の立場や主義主張に関係なく独善的な道を自ら選択するということである。ミヤンマー問題解決も難しくなるようで嫌な予感がする。

2021年3月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com