3864.2017年12月11日(月) 日本人の新たな世界的活躍のイメージ

 今年のノーベル賞は日本と関係のある人物や組織が受賞したことで、例年とは少し変わった印象を受ける。昨日オスロで行われたノーベル平和賞授賞式では核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)が受賞した。101カ国の468団体が参加している組織だが、授賞式では日系カナダ人のサーロー節子氏が受賞講演を行ったり、広島と長崎の被爆者らが出席した。また、ストックホルムで行われた文学賞授賞式には日系イギリス人のカズオ・イシグロ氏が出席したが、イシグロ氏は長崎生まれである。

 近年は日本人の受賞者が多くなったが、例え日本人が受賞しなくても日本と関係の深い外国人が受賞する現象が目立っているのは別の意味で心強い。

 さて、このところスピード・スケートのワールドカップで日本人女子選手の活躍が目立っている。アメリカのソルトレーク・シティで行われた第4戦の今日、1000mで小平奈緒選手が世界新記録で優勝した。2位も日本の高木美帆選手である。前日はパシュートで女子3人のチームがやはり世界新で優勝した。この種目で日本チームの世界新記録優勝は3回連続である。小平選手は500mでも優勝したし、1500mではパシュートの優勝メンバーのひとり、高木美帆選手が優勝した。大したものだと思う。こうなると2月の平昌オリンピックが楽しみだ。あとはまだ調子の上がらない昨年まで常勝を誇っていたスキー・ジャンパーの高梨沙羅さんの復調に期待したいところである。

 ところで今日こんなことがあった。今朝自由が丘駅まで車で家内を送る途中、目黒区立宮前小学校前の上り勾配の直線道を走行中、突然T字路の横路からタクシーが飛び出して右折し私の前を通り過ぎて行った。一旦停止を怠った明らかな交通違反である。咄嗟にブレーキを踏み、クラクションを鳴らしたのだが、次の信号停止でも運転手は知らん顔である。帰ってからタクシー会社の名前をネットで調べて、プレート№、場所と時間を書いてメールで危険だと注意したところ、30分ほどしてタクシー会社から謝罪の電話があった。運転手もこの件は承知していたということから、記録されているドライブレコーダーを使って今後安全教育をしていきますと恐縮していた。その後しばらくしてお詫びとお礼のメールもあった。苦情解決は直ちに行動することが大切だ。その点でこのタクシー会社の対応は素早く納得が行った。

 それに引き換え、これまでの経験上メディアの意見、苦情に対する対応は不誠実で話にならない。返事すら寄こさないことが多い。これまでの経験上朝日新聞社、日経新聞社、テレビ東京はまったくお話にならない。NHKは訂正の約束はするが、その約束を守ろうとしない。

 今日のタクシーのルール違反の件は一瞬ハッとしたが、その後の丁寧な対応に救われ悪印象は失せた。やはり客商売というのは、敏感である。

2017年12月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3863.2017年12月10日(日) ノーベル平和賞受賞に際し日本政府へ厳しい声

 師走も半ばになりこのところ寒い日が続く。当分この寒さが続くようだ。昨日セルビアのヴァイオリニスト豊嶋めぐみさんから頂いたメールによれば、現地では霙から雪に変わるという。

 そんな寒い中で今日オスロではノーベル平和賞授賞式が行われた。平和賞以外の授賞式は、アルフレッド・ノーベルの生誕地スウェーデンのストックホルムで行われるが、平和賞だけはノーベル自身の意向によりオスロで行われ、今年は国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)が受賞の対象となった。

 ICANは国連で圧倒的多数の賛成を得て成立した核兵器禁止条約を結実させることに貢献したことが高く評価され受賞することになった。ところが、被爆国である日本政府はこの条約に冷たい対応を取り、原爆被爆者ら関係者から非難の声が聞かれている。一歩譲って、核兵器を所有する国と所有せず廃棄を求める国との間に隔たりがあることは理解出来ないこともない。しかし、核兵器を無くしたいという国際世論を考えれば、唯一の被爆国である日本が核兵器を禁止する条約に賛成しないということはどう考えても不合理で理解出来ないし、この条約に賛成した国々から不信感を持って見られて当然である。

 一旦ことがこじれて世界戦争になれば、核兵器が使用されることは間違いない。これは人類の滅亡を意味している。現在核保有国が保有する核弾道の数は、1980年代に比べれば1/4近くに減少している。しかし、依然として現在世界9カ国の中ではロシアの7,000発を筆頭にアメリカ6,800発、フランス300、中国270、イギリス215、パキスタン130~140、インド120~130、イスラエル80、北朝鮮10~20発と推定されている。このうち1発でも使用されれば、反撃して拡大使用され破滅への道を辿ることは明白である。恐ろしい人間抹殺兵器である。

 どうして日本はこの核兵器禁止条約に賛成出来ないのかと言えば、同盟国である核保有国アメリカの核の傘の下にいるので、アメリカに盾突くことが出来ないからである。河野太郎外相は次のように言っている。①政府には国民の平和と安全を守らなければならないという責務がある。②アプローチは違っても核廃絶というゴールは共有している。③北朝鮮の核の脅威が現実となる中、日本は「非核三原則」を堅持しているので、核抑止はアメリカに頼るしかない。外相のコメントは詭弁に過ぎない。問題の本質から逃げているとしか思えない。外務大臣が国家、国民のことを考えていないと言っても好い。かつては自民党内でも比較的リベラル派と見られていた河野外相も、大臣の椅子が近づくに連れて保守化傾向を強めている。その挙句がこのコメントである。

 これに対して平和賞授賞式で被爆者の日系カナダ人サーロー節子氏は、授賞式前に、核兵器禁止条約について日本や、アメリカ、カナダ政府などは見下した態度を取っていると手厳しい。特に母国日本に対しては、日本政府が国連に核兵器廃絶決議案を提出しているが、言葉だけではないか、ふりをしているだけだと強く批判していた。そして今日の授賞式では被爆体験から「がれきの中で聞いた言葉を今皆さんに繰り返します。『あきらめるな、押し続けろ、光の方にはっていくんだ』」と訴えた。

 また、フィンICAN事務局長も「核兵器を終わらせるか、私たち人類が終わるかの選択をしなければならない」と述べ、すべての国が核兵器禁止条約に参加すべきだと訴えた。

 彼らの日本政府への厳しい言葉を政府、河野外相はどう受け止めるのだろうか。

 サーロー氏はこうも言っている。「日本政府が核保有国との橋渡しをするなら、自分たちに反対している相手の問題がどこにあるかを知る必要がある。ICANと語り合わず、核兵器禁止条約の交渉会議にも出席せず、なんで橋渡しができますか」と。

2017年12月10日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3862.2017年12月9日(土) アメリカ、国連安保理事会で孤立

 案の定アメリカは完全に孤立してしまった。今朝未明に開かれた国連安全保障理事会の緊急理事会で、エルサレムをイスラエルの首都として承認するとのトランプ大統領の発言が各国から厳しい批判を浴びた。これまでアメリカに同調する国は当事者のイスラエル以外に見当たらない。アメリカは完全にその孤立ぶりが浮き彫りになった。このままでは問題は解決しない。一番手っ取り早いのは、難しいとは思うが、アメリカが大統領の発言を撤回することだ。ここはアメリカ人の良識を期待するより術はないと思う。大統領を差し置いて連邦議会が発言を承認しないことである。

 どこまで本当か分からないが、つい最近トランプ大統領の話しぶりがろれつが回らない点があると一部メディアで伝えられた。本当ならすぐ次の手を打たなければいけない。後継者によって大統領の発言を取り消してもらうことだ。だが、こんな他人の不幸を期待するようではお終いである。事の真偽はともかく、こういう緊急時に妙な噂話が出て来ること自体アメリカに病巣があるということではないだろうか。

 さて、このところ日本海沿岸に北朝鮮籍の旧式の木造船がやたらと漂着して沿岸市町村の住民に不安を与えている。先月から急に漂着船が増えて、中には死体も数多くある。

 そこへ昨日北海道松前町の無人島へ一時避難していた木造船が、地元警察が任意取り調べ中につないでいたロープを切断して逃走し、海上保安庁監視船が追いかけ捕まえるという寸劇があった。無人島では、漁業者用の避難小屋から何の目的か、1千万円近い電気製品を盗み出し、窃盗罪で逮捕される事態になった。

 どうしてこうも北朝鮮籍の船が日本にやって来るのか。先月1カ月間だけで28件が確認されたという。北朝鮮では生活が苦しく慢性的な食料不足に加え、国が「冬季漁獲戦闘」と称して漁を戦闘、漁師を戦士と呼んで漁獲高にノルマを課して荒波の日本領海へ駆り立てているというからすごい。普通の常識では考えられないような国家が最前線の労働者を危険に追い込む施策を堂々とやっている。

 仮に朝鮮半島有事なら、北朝鮮から多くの難民が日本に押し寄せて来るだろうとまことしやかな噂がいよいよ現実味を帯びて来た。

 他にまるで次元は異なるが、東京都内の由緒ある神社で実際に起きた訳の分からない凄惨な殺人事件にびっくりした。当事者たちが日本刀で殺害したり自殺して運転手を除く3人が亡くなった。その舞台が江戸時代から伝わる江戸3大祭のひとつ、深川八幡祭が行われる富岡八幡宮だというからびっくり仰天である。伝統ある富岡八幡宮は創建が寛永4年(1627年)で、江戸勧進相撲発祥の由緒ある神社である。境内には「横綱力士碑」があり、今年6月には横綱に昇進した稀勢の里関が手数入りを行った。また、5年前にはお祭りに天皇・皇后両陛下が臨席なされた。ところが、この名門神社で血なまぐさい尊属殺人事件が起きた。大分以前から宮司の地位を巡って姉弟の間で諍いが絶えず、宮司だった父親の後にそれぞれが宮司となってこの10年以上の間2人のトラブルは近所でも有名だったというから舞台が神社であるが故に恥ずかしい話である。

 賤しくも氏子にお説教をするような崇められる宮司が、日本刀を振り回して尊属殺人を行うとはただ絶句するばかりである。富岡神社は神社本庁から除籍処分を受けて、空席だった宮司の座に現在の姉が自分たちだけの判断で踏襲したというから神社本庁も早や手に負えなくなったのではないだろうか。

 時代が変わって我々が想像出来ない事件が、起きるようになった。この先日本はどうなってしまうのだろうか。

 非常識という点では、北朝鮮も富岡八幡宮も似たようなものか。

2017年12月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3861.2017年12月8日(金) トランプ大統領の「首都エルサレム」案に非難轟々

 今から37年前の今日ビートルズのジョン・レノンが暗殺された。ビッグニュースだった。偶々その時旧文部省の教員海外派遣団にお供してフランスのマルセイユに滞在していた。テレビで事件を知り驚いたが、現地では号外が出てホテルのボーイさんまで噂話をしていた。実はその前日の7日、明日は太平洋戦争開戦記念日になると先生方と話し合っていたところだった。翌年以降ニューヨークを訪れる度に暗殺現場でもあり、ジョンとオノ・ヨーコが住んでいたダコタハウスの前を通る都度ビートルズのことを想ったものだった。

 そして戦争に因縁めく開戦記念日の今日は、アメリカのトランプ大統領の愚かでノーテンキな発言が世界中を揺るがせている。「エルサレムをイスラエルの首都と正式に認める」と突然宣言し、同時に現在首都テルアビブにあるアメリカ大使館をエルサレムに移転するよう国務省に指示したとの発言である。エルサレムの扱いは、当事国であるイスラエル政府とパレスチナ自治区政府との間の和平交渉の場で決めるとの約束だったし、国連もそう確約している。それを部外者であるアメリカが無視し、僭越にも他国の首都を決めようというのだから、あまりにも無謀で不遜であると言わざるを得ない。案の定世界中からアメリカに対して非難の声が挙がっている。我が意を得たりというのは、当事国のイスラエル一国のみである。同盟国のイギリス、フランス、ドイツの他に、ロシアや中國、当然ながらイスラム諸国から厳しい非難が浴びせられている。国連のグテーレス事務総長もイスラエルとパレスチナの和平の可能性を危うくし、この一方的な措置に対して強く反対している。

 アメリカ議会はこれまでクリントン大統領時代の1995年、エルサレムの首都承認と大使館移転を法制化した。ところが、歴代大統領は緊迫した状況を考えその実施を延期してきた。大統領の取り巻きも一様に慎重だった。それにも拘わらずトランプ大統領は強引にパンドラの箱をこじ開けてしまったのである。トランプ大統領は今のままでは事態は解決出来ないので、イスラエルとパレスチナ間の争いに新しいアプローチを始めると得意げだったという。現状把握がまるで出来ていない。

 気になるのは、日本政府の対応である。世界中が猛烈に非難しているこの首都移転という失態に対して、アメリカとの緊密な同盟関係の故にアメリカ政府に対してはっきり‘NO’と言えず、忠告や、再考を促すようなこともなく、ひたすらあいまいなまま日本の立場を表明していない。アメリカの出過ぎた行動に忖度して、まったく動こうとはしないのだ。

 過日も国連で採否を問われた核兵器禁止条約が圧倒的多数で承認された中で核所有国は悉く反対した。これに対して被爆国である日本はアメリカの核の傘の下にいる立場から棄権を選択して、条約賛成国から厳しい対応を迫られている有様である。これもアメリカに対する忖度が過ぎることが原因である。

 また、在日米軍基地における様々の不祥事の対応についても言える。対応を自治体に任せてアメリカ政府に対して国としてきちんと改善を申し入れることをしない。これでは国としての責務を回避してはいることにならないだろうか。いつか長崎原爆被爆者代表が安倍首相に対して面と向かってあなたはどこの国の首相ですか、と詰ったことでも推し量れる。現状は、情けないことに日本はアメリカに対して何も言えないロジックに嵌まっているということである。果たしてこれで日本は主権国家と呼べるのだろうか。

 トランプ大統領とアメリカも酷いが、日本の行動だって無責任で恥ずかしい。

2017年12月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3860.2017年12月7日(木) 気骨あるジャーナリスト原寿雄氏他界

 元共同通信社副社長で編集主幹の原寿雄氏が先月30日に亡くなられたと今朝の朝日新聞で知った。2段抜きでかなり大きく取り扱っていた。ジャーナリストの間でもよく知られた方で、2008年12月岩波文化セミナーが開催された際、駒澤大学講師を務めておられた同じ共同通信出身の片山正彦氏から紹介されて全4回講座に出席し、いろいろ示唆を与えてもらった。

 原氏は冴えた目で現実を直視し、信念の固いジャーナリストで、ジャーナリストとしては理想的な新聞記者だったと思う。行動派で菅生事件の際現場に張り込んで、犯人は共産党員であるとの警察のでっち上げを暴いた本物の記者だった。

 セミナーの受講者はほとんどが新聞記者だった。そのセミナーで原氏へ質問したのは、その年の1月韓国のソウル郊外の利川市で倉庫が大爆発を起こし、40数名が亡くなった惨事についてだった。事故の晩遅くTVニュースで現場のすさまじい様子を知り、翌日の朝刊にどのように書かれるか待っていたところ、それっきりテレビでも新聞でもまったく事故について報道されなくなったのだ。因みに地元の朝鮮日報には記事が掲載されていた。私は2つのテレビでそのニュースを観た。それにも拘わらずその日以降国内では隣国の大火災はまったく報道されることがなかった。

 偶々セミナー前月の同年11月に韓国で開かれた「国際老人福利交流文化祭」で高齢者の福祉に関するシンポジウムにパネリストとして日本からただひとり招かれ、ソウルから通訳の桂さんとともにバスで会場の東海岸・束草市へ向かった。その途中利川市近くを通った時、桂さんに事件について尋ねたところ韓国では大騒ぎだったと話していた。これほどの事件が瞬間的に報道された後、日本では報道管制が敷かれたかの如く頬被りされてしまったのである。

 この不可思議な経緯については、NPO誌「知研フォーラム」(2009年11月1日号)に「なぜマス・メディアは真実を伝えようとしないのか?」と題して寄稿した。これについてセミナーで原氏にジャーナリストとしてどう思うかと質問した。ところが、生憎原氏はこの事件をご存じなかったし、他の受講者も誰ひとりとして知らないようだった。この事故は日本では密かに隠蔽され、メディアはもちろん、一般にも事件に蓋を被せてニュースを伝えなかった。完全に報道抑圧、メディアによる隠ぺい工作である。そこには、政治的な思惑が見え隠れしていた。犠牲者の中に中国人労働者が含まれていたことから、事件直後から当時の胡錦濤主席や温家宝首相の名前が再三登場していた。日本政府にも何らかのプレッシャーがあったのではないだろうか。

 原氏がこの大惨事をご存じなかったことから、私が期待するような回答をいただけなかったことは残念だったと思っている。

 しかし、原氏が講義で話されたことの中で2点、今も印象に残っていることがある。それは日本は戦争責任をきちんとつけていないということと、ジャーナリズムは戦争を抑えることが出来るかということだった。

 その後翌年4月に六本木の国際文化会館で開かれた、原氏の岩波新書「ジャーナリズムの可能性」出版記念会に出席した時、原氏にご挨拶した。その後原氏にお会いすることはなかった。享年92歳だった。骨のあるジャーナリストである原氏の死によって、その生きざまと哲学は果たして後輩たちにそのまま引き継がれるだろうか。

2017年12月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3859.2017年12月6日(水) ロシア、平昌冬季五輪へ参加出来ず。

 昨日からスイスのローザンヌで開かれていた国際オリンピック委員会(IOC)理事会でロシア・オリンピック委員会を資格停止処分として、2018年2月開催の平昌冬季五輪へロシア選手団の参加禁止処分とすることを決定した。冬季大会と言えば、旧ソ連時代からロシア選手の存在と活躍が光り、ロシアの参加は全体のレベルを引き下げることにもなる。それでもなお、IOCとしてはロシアを閉め出さざるを得なかった。前回ソチ大会では、ロシア・チームは地元というせいもあり、金メダル獲得数はトップだった。だが、その当時から資格停止の原因となったロシア・チームのドーピングに対する噂は、絶えることはなかった。昨年のリオ・オリンピックでもドーピング疑惑のため大会に参加出来なかった。個人的な行動というより、国がらみでドーピングに関わっている悪質なものと見做されていた。

 これに対してロシアはIOCの処分を受け入れる気持ちはなく、逆にロシアなしでは五輪ではなく、侮辱を我慢せず、オリンピックをボイコットすると息巻いてIOCの処分に対する逆恨みを述べた。これでは、解決される見通しも立たない。

 さて、悪い予感が当たってしまった。やはりあの目立ちたがり屋のアメリカのトランプ大統領が、昨年の大統領選におけるユダヤ人からの献金へのお返しとして、ユダヤ人の念願である「イスラエルの首都エルサレム」を認め、大使館を現在の首都テルアビブからエルサレムへの移転を準備するよう指示したと明らかにした。これにより今後パレスチナ問題は益々混迷を深めていくものと懸念される。

 元来エルサレムの地位は、イスラエルとパレスチナの和平交渉の過程で決定するとの歴代アメリカ政権の立場から転換し、一歩踏み込んだことになる。これによりパレスチナ自治国を始め、周辺アラブ諸国からの反発は免れない。

 アメリカ歴代大統領の中で最低とされるトランプ大統領は、「アメリカ・ファースト」のアメリカ至上主義を世界中にアピールし、気に入らない外部の意見には一切耳を傾けようとせず、世界中から顰蹙を買っている有様である。これまで関係国が積み上げて来た環太平洋経済連携協定(TPP)から離脱し、地球温暖化防止のためのパリ協定からも脱退し、世界中から総スカンを食らっている。世界の空気が読めず、自分たちさえ良ければ良しとして、事の善悪が分からず、利己心のみで行動する典型的オポチュニストでもある。

 このニュースを受けて東京証券市場では、株価が一時500円以上の値下がりで、終値は445円も下がった。政治的な影響ばかりでなく、世界の経済界にも大きな影響を与える大事件である。アメリカ社会はこの傍若無人のいかれ大統領の手綱を締めることが出来ないのだろうか。

 おめでたいニュースは、同じ深沢1丁目の住人、将棋の羽生善治さんが竜王のタイトルを奪取して史上初の「永世7冠」となったことである。詳しくは分からないが、いろいろ話を聞いていると大仕事を成し遂げたようだ。益々の精進と活躍を期待したい。

2017年12月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3858.2017年12月5日(火) トランプ大統領の身勝手な首都エルサレム構想

 お騒がせ人物のトランプ大統領がまたまた不穏な発言をするのではないかと見られている。イスラエルの首都を現在のテルアビブからエルサレムへの移転を考えているとアメリカのメディアが予想している。近々発表すると見られているが、これに対してフランスのマクロン大統領が電話でトランプ大統領に警告した。

 そもそもトランプ大統領がイスラエル寄りの立場を突出させるようになったのは、昨年の大統領選でユダヤ人団体から献金を期待してからである。加えて最も信頼する補佐官、娘婿のクシュナー氏がユダヤ教徒であるせいもある。戦前ヨーロッパ社会で徹底的な反ユダヤの粛清を受けたユダヤ人には、ほとんど支持者、共鳴者がいなかった。それが第2次世界大戦後反ユダヤの空気は消えた。むしろユダヤ人の経済力を当てにする人々が増えた。トランプ大統領には経済力は備わっていたが、さらにアメリカ実業界で活躍する財界人の半数以上がユダヤ人と言われている中で、彼らの力に頼る一面もあった。ユダヤ人社会から精神的、物質的支援を得るためにも彼らの母国イスラエルへの肩入れの姿勢を示す必要があったのではないだろうか。

 ただ、現実問題としてエルサレムが首都だと国際社会から承認を得るのは中々容易ではない。パレスチナ自治国が他のアラブ系民族とともに、エルサレムは自分たちの首都であると譲らないからである。1967年第3次中東戦争によりそれまでヨルダンが抑えていた東エルサレムがイスラエルに占領された。その時私はヨルダンの首都アンマンからイスラエルには行けなかった。実際にエルサレムに入ることが出来たのは、あれから45年後の2012年になってからだった。

 トランプ大統領は、大統領就任後イスラエルを訪れ、「嘆きの壁」の前で大統領独特のパフォーマンスを行った。自らの利己的行動に過ぎない。身勝手な考えで長年に亘る世界的政治対立点の変更を考えることは止めるべきであろう。少しは良識があるトランプ大統領以外のアメリカ人も、他の国の人々も、自分のためだけに行動する恥知らずのトランプ大統領の浅はかな行動にブレーキをかけるべきである。

2017年12月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3857.2017年12月4日(月) 米朝戦争の可能性は?

 北朝鮮が核実験やミサイル発射を続けて国際社会へ向け挑発行為を行っているが、これに対して国連安保理が再三経済制裁を課している。しかしながら、その効果は北朝鮮にとってそれほど致命的なものとはなっていないようだ。今日から韓国各地でこれまでで最大規模の米韓合同軍事演習が始まり、再び北朝鮮に軍事的圧力を加えている。これに対して北朝鮮は意固地になって対米非難を繰り返している。「朝鮮半島情勢を一触即発の核戦争の局面へと追い込む重大な軍事的挑発だ」と自分たちの核実験やミサイル発射の暴挙を棚に挙げ喚き散らしている。

 何となく嫌な戦争の足音がひたひたと近寄ってくるような気がする。そんな折も折アメリカでは、メディアの間でティラーソン国務長官更迭の動きが姦しく伝えられている。国務長官は、北朝鮮に対して対話を主張している唯一と言っても好い民間出身の閣僚である。だが、このニュースは寂しいことだが、国務長官は現在のトランプ政権が身の回りの閣僚をほとんど軍出身者で固めている中で孤立しているような印象を与える。

 もしこのまま好戦的な軍人強硬派が政権内でイニシアチブを握れば、米朝戦争に発展する可能性が十分考えられる。そうなれば、わが国に甚大な影響と被害が及ぶことは明らかである。現在安倍首相は、北朝鮮への圧力重視を唱えて、アメリカがその言動をすれば、直ぐトランプ大統領に口裏を合わせるように激しい口調で北朝鮮を非難している。しかし、トランプ大統領の口車に乗らずそろそろ次の手、手段を考え直してみては如何であろうか。

 北朝鮮の核開発技術は、直近の弾道ミサイル「火星15」発射でかなり高い水準まで到達したことが証明された。これを北朝鮮は核兵力が完成したと自信たっぷりに主張している。一旦戦争の火ぶたが切られれば、今では北半球の国々はほとんど北朝鮮の射程圏内に入り、核戦争の戦禍を被る恐れがある。

 圧力一辺倒でダメなら北朝鮮の恫喝に屈するようだが、背に腹は変えられない。そろそろ「押してもダメなら引いてみな」と考え直すことも検討してみてはどうだろうか。尤も安倍首相の頭の中は、基本的に右翼思考で固まっているうえに、柔軟な頭脳を持っているようには見えないところが悩ましいところだ。

2017年12月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3856.2017年12月3日(日) 恒例のクラシック定期演奏会を楽しむ。

 毎年2度に亘って恒例となった上野浅草フィルハーモニー管弦楽団の定期演奏会がいつも通り浅草公会堂で行われた。毎年夏冬に開かれる度に学生時代のゼミ仲間が、ゼミ出身のチェリスト赤松晋さんを応援がてら鑑賞に出かける。今日も妻と連れだって出かけた。仲間たちと奥さんらを含め20名ほどのメンバーが、クラシックの名曲、シューベルトの「ロザムンデ序曲」、「交響曲第7番未完成」、メンデルスゾーンの「交響曲第3番スコットランド」の演奏を楽しく鑑賞した。

 このオーケストラはプロではないが、メンバーであるセミプロの人たちが日頃から練習に努めて年に2度その成果を発表される。1988年には台東区と姉妹都市である音楽の都ウィーンで演奏したというから見上げたものである。これまでの努力は大変なものだったと思う。赤松さんも最年長になって若者と同じような肉体的負担を背負いながら、チェロにメロメロの気持ちを込めて我々の期待にも応えてくれる。いつまでこの素晴らしいオーケストラ活動を続けられるか何とも言えないが、無責任なゼミ仲間は未来永劫に続けてもらいたいと願っている。次回は7月1日に決まったようだ。まだ楽しみは続くことになる。

 演奏会が終わってから浅草で会食会に参加した。気の置けない仲間と酒を飲み交わしながら弾む会話は何物にも代えがたい喜びである。この席で私も気まぐれに9月に訪れたアウシュヴィッツ収容所や「命のビザ」の杉原千畝レガシーについて話をした。気張らずに自由に話せることが何といっても素晴らしい。これもこのようなアトホームなゼミの雰囲気を残していただいた恩師飯田鼎先生のお人柄によるものだと思っている。良き恩師と良き仲間に恵まれて幸せな学生時代と社会人人生を送れることは、実に幸せなことだとひとしきりその想いを噛みしめている。

 来年の赤松オーケストラは、果たしてどんな名曲を演奏してくれるだろうか。今から楽しみに待ちたいと思う。

 今日は会場へ行く前に洒落たうどん店で腹ごしらえした後、雷門周辺を暫しぶらついた。これまであまり気にも留めなかったが、やはりここはかつて東京、江戸の商業の中心だったところだけに老舗のお店がたくさんある。食べ物店にしても蕎麦屋、うどん屋、とんかつ屋、寿司屋、蒲鉾店、海苔店など、狭い路地裏にまでしぶとく生き残って、それなりの存在感があることに感心した。アーケード街では、古い日本の玩具屋で、紙細工や竹細工商品などを売っていて、つい孫用にいくつか買い求めてしまった。改めて浅草の魅力を再認識した次第である。

2017年12月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

3855.2017年12月2日(土) 幸徳秋水と管野スガを想う。

 月刊誌「選択」が今年に入ってから「をんなの千一夜」と題する連載を始め12月号で第9話になる。執筆者不詳の記事が多い「選択」の中で、失礼ながらどういう履歴の方か分からない石井妙子氏という筆者が、中々興味深いことを書いておられる。副題は「管野須賀子憂国の『書く女』」と題されている。

 管野須賀子とは明らかに「管野スガ」のことで、久しぶりにこの女性の名前を目にした。彼女は幸徳秋水の下に身を寄せ大逆事件で秋水とともに、まだ29歳の若さで処刑された人物として、社会思想史上ではその行動と男関係でもしばしば登場するヒロインである。彼女については、僭越だが、大学ゼミ時代に社会主義思想と社会主義者を学んでいて、当時の社会主義運動に関わっていた社会主義者や思想家を調べている過程でしばしばその名と行動を目にした。大学ゼミで関心を抱いて関連書もかなり読んだ。大逆事件は、明治43年明治天皇の暗殺を計画していたとして、社会主義者、無政府主義者ら24名が大逆罪で逮捕された社会的に衝撃的な事件だった。本当のところはよく分からないが、スガは男を渡り歩いた末に思想的に師と崇めた妻のいた幸徳秋水と同棲し、生活をともにしたと言われている。荒畑寒村の「寒村自伝」が出てすぐ買い求め読んだが、今もわが手元にある。その中で寒村は恋人のスガが、寒村を捨てて秋水の下へ走ったことを恨みがましく書いている。その時はスガとはひどい女だと思ったが、父親が武士で、明治維新後は裁判官や弁護士をしていたというから相当なインテリ家庭に育ったことが分かる。また、結婚生活も夫の浮気で離婚したり恵まれなかった。それでもスガは頭脳明晰で新聞記者として腕を揮い、社会主義思想で共鳴した幸徳秋水ともども非戦論者として戦った。

 石井説では、スガが秋水をたぶらかせた魔女とか、男を渡り歩いた女と言われたのは、恩師幸徳秋水を尊敬する弟子たちが、秋水がスガに夢中だったと誤解したせいだと推察している。だが、スガは肺病を患っていて自らの命に未練を見せることもなかった。往生際の好い女性としても知られている。

 久しぶりに管野スガの生き方を紹介する記事に出会い、なぜか懐かしさを憶える。

2017年12月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com