5809.2023年4月9日(日) 徐々に難しくなる鉄道会社の経営

 コロナ禍で経済界は大きな打撃を受けたが、中でも観光業界は行動の自粛要請などもあり旅行客が激減し大打撃を受けた。更に2020年4月政府が緊急事態宣言を発したことにより、宿泊施設や飲食業界は言うまでもなく観光地のお土産店なども多大な影響を受けた。それでも今年に入ってから少しずつ新規感染者も減少し、政府もいくつかの規制を撤廃した。この間観光業への直接的影響とは若干異なるが、首都圏の鉄道会社も大分影響を受けていた。全般的に利用客が大きく減少したが、コロナの影響が少なくなっても一度減った乗客が中々元へ戻らないことに鉄道会社は頭を抱えている。最近あまり鉄道を利用することはないが、時折乗車した時に車内が随分空いていると思ったことが何度かある。そのひとつの原因は、企業、特にIT企業などでリモートによる在宅勤務を奨励したことである。まだコロナ以前のような勤務体制には戻っていない企業が多いことである。

 乗客が減少すれば、当然ながら鉄道会社の収入は減少する。それでも経営に打撃を及ぼさない範囲内ならいくらでも対応出来るが、それが鉄道会社の収益を圧迫して赤字になるようだと鉄道の安全管理面にも影響が現れる。社有地の売却や、終電時間の見直しなど何とか経費の削減を進めているようだが、背に腹は代えられず、鉄道各社は一様に運賃の値上げの検討を始めた。そしてこの20年来運賃値上げをしなかった鉄道各社が揃って国土交通省へ運賃値上げを申請する事態となった。今年3月からJR東日本、小田急、東武、西武、東京メトロ、相鉄、西鉄、4月からはJR西日本、京阪、阪神、阪急が値上げを実施した。更に来年4月からJR東海が値上げを実施する。

 鉄道会社の経営は、本業より付帯事業の方が大変である。鉄道本業では運賃収入が収益となり、かかるコストが経費として出費され、その差が会社の利益となる。しかも現金収入で前受金であり、確実な収入が確保出来る。電車が混雑すればするだけ利益が増え、コストを抑えればその分利益が残る。鉄道会社へ入社間もないころは、駅でラッシュアワーに見習い駅員として混雑した乗客を電車内へ押し込んでいた。それが経営上プラスになったわけである。その後経理部に務めて経営の実態を多少なりとも知るようになると、本業にだけ集中すれば鉄道会社の経営は問題が起きないと知り、亡父から鉄道会社の経営は小学校を出ていれば出来ると皮肉っぽいことを言われたことを思い出す。それが、今ではラッシュアワー利用客には定期券代を割り引くとか、国交省が値上げ分と値引き分で収支を均衡させるよう求め、計画以上の利益が出た場合、利用者に還元する仕組みを作るよう要求し、かつての単純経営がそう簡単ではなくなったようだ。

 しかし、都内の鉄道駅では安全上プラットホームから転落を防止するためのホームドアを設置するなど経費の増加が著しい。その反面ホーム上に駅係員の姿があまり見られず、安全対策上チグハグな印象を受ける。かつて夢中になってホームで汗を流していたことと、下っ端ではあったが、経営の一面を見たことから鉄道経営の今昔を想い懐かしさと現代の経営の苦労を思っている。

2023年4月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5808.2023年4月8日(土) 物事への関心事で若者とずれ?

 毎月定期的に糖尿病医院で検査をしてもらっている。基準数値のHbA1cは昨年1月から6月にかけて6.0から6.4だったが、まあ安定している感じで医師からもまずまずと言われていた。その後更に好転しこの1年間は6.0を下回り5.8~5.9を示すことが多かった。ところが、今日数値は僅かに上がり再び6.0へ戻ってしまった。医師には多少上がってはいるものの安定していると言われたが、それでも気分的には少々がっかりしている。まあ来月の検診でどうなるか。更に上がらないことを願っている。

 ついては、余談であるが、今日医院で女性看護師2人と、先般NPO紙に寄稿した世界文化遺産の古代都市「ペルセポリス」について話をしたところ、2人ともペルセポリスを知らなかった。高校の世界史で習わなかったかと尋ねても2人とも知らないと言い、それはマニュアックな都市ですねと言うので、スタンダードだと応えた。古代ペルシアが繁栄した当時の首都で、BC4世紀にマケドニアのアレクサンドロス大王によって壊滅させられ現在に至るまで手つかずでそのまま残った歴史的由緒のある古都だとざっと説明したところ、笑いながら調べてみますと言っていた。

 実は、先日女子大生の2人の孫娘が我が家に滞在した折に、60年安保闘争について気軽に尋ねてみたところ、2人ともまったく知らないと言っていた。これこそ落胆した。学生時代に60年安保闘争に参加していたことを祖父として初めて話したのだが、どうも空振りだった。関心事ではないのか、知らないのか、或いは現代の政治に無関心な学生には、一般的に無関心だったのかは分からないが、それにしても歴史上あれだけ社会問題となり、今も日米同盟の柱ともなっている日米安全保障条約の延長、廃棄を問われた昭和を代表するデモの経緯を全く知らなかったとは、がっかりというよりむしろショックだった。どうも私には若い女性に限らず現代の若者との間に世間の意識、関心は単なる温度差以上に大分ずれがあるように感じて愕然とした次第である。

 さて、先週いつも通りGoogleから3月分のブログ・アクセスの概要を知らせてくれた。私のブログの内書いた日時と、どんな話題が興味を持たれたのか、私自身も関心があるので、毎度楽しみに連絡を待っている。3月では一番アクセス数が多かったのが、2021年11月29日に「アメリカのお節介と置き土産」と題してハガティ前駐日米大使が離任に際して、しゃべった日本政府への不遜な要望である。アメリカの軍事予算は対GDPで3.5%以上であり、日本は中国の動向に照らして軍事的貢献が不可欠なのに足りない、せめてGDPの2%に引き上げるべきだと提言したことである。まったく余計なお節介である。この傲慢な要求に腹が立って不満をぶちまけたことが受けたのだろう。

 2番目にアクセスが多かったのは、今年3月4日「高市早苗氏のような3流人物が大臣とは?」だった。自分の粗相と不作法を棚に上げて公文書が偽造されたとの傲慢な主張を繰り返して、一向に責任を取ろうともしない現職大臣を批判した内容である。3番目は、かなり古いブログで、2009年9月13日「奥穂高のヘリ墜落事故に思う」で、遭難しかけていた登山者を救助するために奥穂高で救助隊員がヘリから降り救助作業中に飛行中のヘリが墜落し乗員が死亡するという悲惨な事故だった。今自衛隊ヘリが沖縄・宮古島周辺で行方不明の最中でもあり、偶々このヘリ事故を思うと何とも言えない因縁を感じるが、これは業務を遂行中に起きた事故で殉職された乗務員に同情の気持ちを覚えた。

 いずれも読んでいただいた人たちの心に届いたことを嬉しく思っている。これからも及ばずながらも誰もが同じように納得し同感してくれる文を書く責任のようなものを感じている。

2023年4月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5807.2023年4月7日(金) 天才藤井聡太六冠、名人戦に先勝

 将棋界の天才と言われる藤井聡太六冠が、一昨日と昨日の2日間「名人戦」第1局に臨み渡辺明名人に先勝した。これから6月にかけて先に4勝した方がタイトルを獲得することになる。藤井六冠にとっては、先ずは幸先の良いスタートとなった。

 渡辺名人は3年前に「名人」のタイトルを獲得し今まで守り抜いてきたが、これまで「棋聖」「王将」「棋王」のタイトルを悉く藤井六冠に奪われている。藤井が勝てば、「名人」獲得の谷川浩司17世名人の最年少記録「21歳2か月」を更新することになる。渡辺名人は藤井六冠に対して過去の対戦成績では分が悪く、3勝16敗と大分圧倒されている。これまで3つのタイトルを奪われ、今また藤井によって名人位まで失えば、無冠となってしまう。それだけに期するところがあるに違いない。それにしても近年では羽生棋士が天才といわれ、一時は当時の全タイトル七冠を独占していた時期もあったが、今では無冠となってしまった。

 私は将棋自体には普段からそれほど関心も興味もなく、子どものころに遊んだ程度でほとんど将棋を指すことはなかったが、こういう若き天才が出現してくると将棋界の棋士としてではなく、勝負事の世界の若き成長株としてその動向に注目し期待してしまう。名人戦が果たして何回戦われるのか、藤井七冠となるのか、興味は尽きない。今後の勝負を追ってみたい。

 さて、陸上自衛隊熊本県分屯地に駐在するヘリコプターが昨日から沖縄宮古島海域で行方が分からなくなった。搭乗員は第8師団長以下幹部8名を含めて10名である。今朝未明になって使用されていない救命ゴムボートが見つかったことや、すでに燃料消費分の飛行時間を経過していることから、何らかの事故により海中に墜落したと見られている。自衛隊ヘリの事故としては、1968年に愛媛県内で墜落して乗員8人が亡くなって以来の大事故である。搭乗していた師団長は3月30日に着任したばかりだった。機種は胴体の長い「UH60JA」だったようだ。楽観視出来ないが、海水へ不時着して乗員の生命だけは救われることを願っている。

 ヘリコプターと言えば、これまでに4回ばかり搭乗したことがある。最初は、今から半世紀ばかり前に三重県明野にある航空自衛隊基地で同じような胴体の長い通称「バートル」と呼ぶヘリに旧陸軍航空隊戦友会の方々とともに乗せてもらった。その時は周辺を軽く周回飛行した程度で、爆音が煩いことが印象的だったが、その後海外で絶景を眺めるために3度ばかり観光ヘリコプターに搭乗してみた。

 最初はブラジルでイグアスの滝を訪れた時である。現地のガイドから流れる滝の水と岩の隙間につばめが巣を作り沢山いるが、ヘリからだとそれが良く見えると言われた。実際ヘリに搭乗してみて滝に接近してみると集団で水をかいくぐり巣の周囲を飛び回っていたのが良く見えた。2度目も滝だった。南アフリカのヴィクトリアの滝上空だった。これも迫力満点で、飛び立って滝に行く前に象の集団を見たことが印象深い。3度目は、妻とニュージーランドへ旅行した時、妻は怖がって乗らず、私だけがマウント・クック上空を飛行した。

 いずれも所謂鳥瞰的に、つまり鳥の目で光景を立体的に眺めることが出来る。今ドローンが大分活用され、これまで思うように訪れることが出来なかった奥深い山中などをくっきりと映写してくれるが、その先駆けとなったのがヘリである。この事故を機に、ヘリ恐るべしとの声が聞かれないことを願っている。

2023年4月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5806.2023年4月6日(木) 甥のジャズ・ライブショーを鑑賞

 一昨日夜横浜・関内のライブ・ハウスでジャズ・ライブショーを行うから来ませんかと甥っ子から先月末に誘いの案内をもらった。残念ながら今回は妻の都合がつかなかったので、ひとりでライブ・ハウスへ出かけた。これまでにも、都内や横浜、鎌倉で行ったライブ・ショーを何度か鑑賞しているが、何年か前に初めてバンドを主宰してショーを行うと聞いた時には驚いた。まさかプロとしてこういう興行の世界で活動するとは考えてもいなかった。甥は大学へ入った当時は、音楽ではなく美術を専攻して学んでいた。それがいつのころからか、趣味で楽しんでいたピアノや弦楽器を嗜み出し、挙句にはそれらを本格的に学んだらしく、仲間とバンドを結成してリーダーに祭り上げられてしまったようだ。父親は官僚であり、祖父は大学教授としてそれなりの実を上げていただけに、若干はみ出して異次元の世界へ飛び出してしまったように思える。それでも伯父である私の目から見ても甥っ子は性格が真面目で、人付き合いも良く、相手の気持ちを配慮する優しい人柄である。まずは、この世界の暗い闇のような道には進まないだろうと確信している。

 そのライブ・ショーでその日はトークとピアノを担当し、サックス、ベース、ドラムの3人と演奏していた。彼は普段からオリジナル曲の作曲にも興味があるらしく、この日も自作の曲をいくつか演奏した。中でも興味深く感じたのは、ベートーベンの♪月光♪とシャンソンの♪枯葉♪を自分なりにうまくコラボレートした楽曲だった。店内には甥のCDの販売も行っている他に、今後の開催のライブ・ショーのパンフレットなども置かれていた。コロナ禍で苦戦していると思うが、その中でもまずまずの活動をしているように思えた。トークも適度にユーモアを交えてお客の笑いを誘ったり、評判はまずまずだったのではないかと思う。私自身も食事を取りながらその場の雰囲気に堪能することが出来た。今後も堅実に自分の目指す道を歩んで飛躍して欲しいと願っている。

 今日は、昨日の話の続きとしてひとつ感じたことを付け加えたい。それは、1日から努力義務化された自転車に乗る場合のヘルメット着用である。昨日ウォーキングの際にどのくらいの人が実際にヘルメットを着用しているか調べたところ、12人の自転車走行者の内たったひとりしかヘルメットを身に着けていなかった。今日はどうだろうと性懲りもなくチェックしてみたところ、同じ40分の間に32人が自転車で走っていたが、何と誰ひとりとしてヘルメットを着けている人はいなかった。あまりにも寂しい。昨日ヘルメットを着用せずに自転車走行中に転倒、ケガをして反省し、ヘルメットの重要さを訴えていたタレントの滝川クリステルさんの警報もまるで功を奏していないようだ。

 いくら努力義務として法によって義務付けされないにせよ、これでは法律が空文化しているようなものだ。警察庁ももう少し法律をつくる以上効率を考えるべきではないか。国の法律が、国民によって守られないばかりか、むしろ法律との間に距離感があるような気がする。こんな調子では、新しい法律を決めようにも国民の気持ちは、新法から離れていくようなことになるのではないだろうか。

 努力義務をもっと義務化に近づけるために、警察庁は自転車走行者にヘルメットを着用するようPRをしたり、もっと頻繁にパトロールで注意を促すようなことも検討すべきではないかと思う。現状は、まるでよその国の法律のようだ。

2023年4月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5805.2023年4月5日(水) 自転車のヘルメット着用義務は?

 4月1日から改正道路交通法の施行により自転車に乗る際は、ヘルメット着用が努力義務とされた。随分強制力のない緩い法律だなと思っていたが、実際に1日以降着用している人はほとんど見かけなかった。そこで今日近所をウォーキングしながらヘルメットを着用している人がどのくらいいるかチェックしてみた。自転車に乗っている人と行き違ったのは、40分間に12人だったが、そのうち何とたったひとりの成人男性しかヘルメットを着用していなかった。他の人はほとんどが家庭の主婦らしく、子どもを乗せている人が多かった。一番転びそうな人がヘルメットを着用していなかったのだ。主婦らは、近くの住宅地を走っているだけで、髪が崩れることも懸念してつい横着を決めているように思える。

 そんな時にネット・ニュースでタレントの滝川クリステルさんが昨日子どもを乗せて自転車で走行中に転倒し、目元の眉の脇を傷つけ10数針縫った顔写真まで披露して、転倒には気を付けてほしいということと、ヘルメットを着用して欲しいと訴えていた。幸い車道ではなかったために大きなケガを負うことはなかったが、子どもが乗っている時の電動自転車は怖いと語っていた。

 一般的に着用しない理由に挙げられるのは、「恥ずかしい」からである。その他には「着けづらい」や、「ヘルメットの置き場所がない」からである。自転車利用者の事故が多く、それも頭部を打撲して致命傷が多いことからヘルメット着用を義務化したのは賢明だったと思う。しかし、そこには上記のように困惑する利用者が多いことから、一気に着用の義務化へ進む前にもう少し検討して着用し易い配慮が必要だったのではないかと思う。あまりにも短兵急だったような印象が強い。まだ当分の間ヘルメットを着用せずに自転車で走行する人は減らないのではないだろうか。

 さて、昨日の朝日夕刊に木村伊兵衛写真賞を受賞された写真家新田樹氏の作品が紹介されていた。写真集「Sakhanlin(サハリン)」である。新田氏は1996年初めてサハリンを訪れた。夕刊に現地在住の朝鮮人の写真が2枚載っている。州都ユジノサハリンスクに住む金公珠さんとロシア人と朝鮮人の両親のもとに生まれた李富子さんという旧日本人である。私はその4年前の92年にサハリンを訪れ、やはり現地の道端で日本名を「福原」という朝鮮人のおばあさん金さんに偶々出会った。日本への郷愁と若干恨みがましいことを言っていた広島県出身の金さんは、久しぶりに私と日本語を話せたといいながら鉄砲玉のようにしゃべくった。そのエピソードについては拙著「八十冒険爺の言いたい放題」に紹介したところだ。金さんと同じように2人の朝鮮人の内、日本語を話す金公珠さんは2014年に、李富子さんは21年に他界されたという。新田氏はその後にもサハリンを訪れたが、今ではロシアのウクライナ侵攻の影響もあり現地を訪れることが出来ないという。李さんが新田氏に歌ってくれた「蛍の光」の後半部が♪~台湾のはても 樺太も 八洲のうちの 守りなり♪だったそうだが、戦後進駐軍の命令により歌われなくなった「蛍の光」4番にはこう書かれていた。♪千島の奥も 沖縄も 八洲の内の 護りなり 至らん国に いさおしく 努めよ我が兄 恙無く♪ 軍国日本を象徴するような歌詞である。

 樺太は戦前日本のために大いに尽くしたということを言いたかったのだろう。彼らの立場を慮れば泣かせる話である。

2023年4月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5804.2023年4月4日(火) WBC日本戦テレビ視聴率、すべて40%超

 一昨日本ブログに取り上げたお役人の天下りの張本人が辞職すると、今朝の朝日新聞がトップ記事で伝えている。国土交通省から「空港施設」へ天下り、自ら副社長就任を強引に主張して希望通りその要職に就いた元航空局長を、元事務次官から東京メトロへ天下った同社会長が来る6月の役員改選で副社長から社長に昇格させるようグルになって「空港施設」へ圧力をかけた一件である。副社長はポストを要求したことを認め、責任を取らざるを得ず辞意を表明した。本事件はこれで一応落着となるであろう。しかし、業務上省庁と許認可権がからんだ民間企業には、不本意ながら天下りを認めざるを得ない屈折した空気があり、「喉元過ぎれば熱さを忘れる」の類で、いずれまた同じような不祥事は繰り返されることだろう。

 問題は、国家公務員法では省庁による再就職のあっせんや現役職員による利害関係企業への地位の要求などが禁じられているが、元職員による圧力がらみのあっせんを縛るルールがないということである。元職でも退職後しばらくの間はまだ影響力があるので、せめて公的年金が支給される65歳までは、このルールを適用すべきではないかと思う。

 さて、もう少し明るい話題を取り上げよう。先日大盛況の内に終わったワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の興奮が未だに冷めやらず、出場した日本人メジャーリーガーがメジャー・リークの開幕戦でも引き続き活躍し、メディアで大きく取り上げられている。

 実は、WBCのテレビ中継全7試合の視聴率は、多くのテレビ番組の中でも軒並みトップを占めたが、予選リーグ全4試合と決勝トーナメント3試合の視聴率は何とすべて40%台だった。とりわけ準々決勝のイタリア戦の視聴率は48%台で計算上ほぼ国民の半分がテレビ観戦したことになる。オリンピックやサッカー・ワールドカップに比べて、野球はCMを画面に流しやすいスポーツであるとも言える。それは、前者が試合開始から終了まで連続的にプレイが続けられるスポーツで、CMを差し挟む機会が少ないことである。それに比べて野球は、イニング終了ごとにCMを流すことが出来る。その点で野球には、中継放送との相性の良さがあるとあるスポーツ・ジャーナリストは語っている。

 ただ、この高視聴率には厳しい問題もあるようだ。それは、近年オリンピックや、サッカー・ワールドカップでテレビ放映権料が高騰しつつあり、WBCでも今後放映権元は高額の放映権料を要求してくることが考えられる。問題は、放映権料が上がったらスポンサーが必ずしもそれに見合ったCM料を支払えるわけではなく、テレビ局としては放映自体は赤字になる可能性がある。それでも多数の視聴者が自社の放映番組を観てくれるメリットと、今後の放映権獲得を考えると権利を手に入れて放映せざるを得ないようだ。

 そもそも最近のプロ・スポーツ界は、観客が支払う入場料で得る収入より、テレビやラジオから得る放映権料の方が遥かに多い。今回のWBCもアメリカ大リーグ機構のMLBが大分本腰を入れて運営に携わったこともあり、今後放映権料は一層高くなることだろう。最悪のケースとしてテレビ放映されないことも考えられる。野球ファンとしてはそうならないことを祈るだけである。

2023年4月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5803.2023年4月3日(月) 大阪は反対の多いIRをどうするのか。

 来る9日の統一地方選で大阪府知事選と大阪市長選も行われる。実は、大阪では2025年に大阪・関西万博が開かれ、会場である人工島の夢洲に大阪府と市が誘致を進めている統合型リゾート(IR)の用地の賃料が不当に安く決められたとして、昨日市民グループがIR事業者と契約を結ばないよう提訴した。

 実はその前段階として、契約締結以前にIRが賭博場であることを理由にIR自体と契約することに大阪府民から反対の声が強かった。しかし、いつの間にやら契約が締結されてしまった。大阪万博は計画当初から海上を埋め立てて人工島を造成し、そこへ賭博場をつくるという計画自体が大阪府と市の強引さによって決定された。2016年松井一郎市長は説明会でIRとカジノには一切税金は使わないと公言した。だが、21年になると液状化が問題となり対策費の負担を巡って市当局内部でIR推進局と港湾局が対立し、同年10月に市長は大阪市議会で公約違反を冒してまで「費用負担は必要」と表明した。その挙句に昨年4月市長はカジノリゾートである夢洲でカジノを行うカジノ事業者から埋立地特有の課題対策への負担が大きいとして対策費の負担を求められ、790億円の巨額の投入を決定した。松井市長の言い分がふるっている。借地料として毎年25億円もらえば、30年で750億円になるというものである。地方行政のトップとしては、おめでたいとしか言いようがない発言である。

 こうしてとかく問題のある賭博場を当面は赤字で発足させ、万博を一見華やかにしようとしている。この後始末はどうするのだろうか。松井市長は9日投票の選挙には出馬しない。お荷物だけを市に委ねて体よくトンズラするつもりである。市の発展などはまったく眼中にないようだ。万博におんぶして悪評高い夢洲賭博場を残して大阪もその尻ぬぐいに追われることだろう。それでも選挙前の予想では、松井市長と吉村知事の日本維新の会が大阪では大分有利だという。まったく選挙とは分からないものだ。
 さて、先月28日に音楽家の坂本龍一さんが直腸がんで亡くなったと公表された。日本人としては珍しいほど海外でも評価され、国内外で映画音楽などを作曲して数多くの賞を授与されていた。中でも1983年に映画「戦場のメリークリスマス」に出演しながら、その映画音楽ではイギリス・アカデミー作曲賞を受賞し、88年には映画「ラストエンペラー」では、アカデミー賞作曲賞とグラミー賞を受賞している。「戦場のメリークリスマス」は、幸いにして鑑賞したが、映画も音楽もとても素晴らしいものだった。音楽家として活躍すると同時に、社会活動家としても反戦、反核運動で市民と一体となって活動し、東日本大震災の被災地でコンサートを行って被災者を励ますことにも熱心に取り組んでいた。

 先日作家大江健三郎氏が亡くなり、今また音楽家の坂本龍一氏が逝った。いずれも一世を画された文化人である。寂しいことである。

2023年4月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5802.2023年4月2日(日) おかしくないか? 天下り天国日本

 霞が関の役人の天下りは知る人ぞ知る話だが、ここ数日話題となっている天下り要求には空いた口が塞がらない。元国交省東京航空局長が強引に「空港施設」会社の役職に就きたいと要求して役員になり、一昨年代表権のある副社長になったが、今回やり玉に挙げられたのは、東京メトロに天下りして会長職にある元事務次官が、会社に割り込んで当の副社長を社長に任じるよう要望したという。国交省には、運輸省と建設省が合体しただけに大事業の許認可権が多く、民間企業が認可を得るために低姿勢で対応するケースが多い。つまりお役所に対して企業は弱い立場にいる。その弱点に付け込み圧力をかけて民間企業へわがままな人事を押し付けているのだ。

 以前にある私鉄会社の友人に聞いた話では、しばしば国交省から役人を受け入れるよういろいろのルートを通して要望があるようで、会社としては何とかそれを逃れようといつも考えているということだった。財務省や経済産業省、農林水産省なども所管の民間会社への役人の第2の人生探しで画策しているようだ。

 それにしても利便はあるだろうが、民間会社が適正な経営をするために知恵と努力を払ってやっているのを、現場の実務を知らない役人が中途で入り込んで権威をひけらかし高給をさらっていくのは、社内のモラル上も良くないと思う。昔から日本はお役人には逆らえないとの冷めた空気があり、押し付けられれば運命と思い、諦めているようだ。後から後から繰り返される悪習慣を見直すべきだと思うが、常に有利な立場の役人が遠慮するようにならなければ、日本のビジネス界からこの悪習は消えないのではないか。「空港施設」会社役員からは、「奴隷のように言うことを聞けとも聞こえる」との声まで出たという。役人側に反省の気持ちがなければ、これはいつまでも引きずっていく、厄介な問題であると思う。

 さて、このところメディアでも取り上げられている「チャットGPT」が、膨大な個人データの収集に個人情報保護法違反の恐れがあると各国の保護当局が調査に乗り出したという。その中でイタリアのデータ保護当局が一部の使用を一時禁止すると発表した。具体的にこれを使用したことはないが、あるテーマについていくつかの情報をインプットしてより論理的で具体的な文章を得たい場合には効果的だとされて、アメリカの大学などでも学生がレポートを仕上げるのにチャットGPTを使用するケースがあるという。しかし、それでは学生が考えたり、ディベートしたりするのに時間を割かないことになり、考えない学生を生むことになり、一部ではその効果について疑問視されている。日本ではまだあまり使用されたという話を聞いていないので、話題にはなっていないが、イタリアの例を考えれば、そう軽々に使用するのはどうかと思う。大体AIの技術発展は良しとして、頭の中までAIに頼るというのは、あまりにも安易で怠惰ではないだろうか。

2023年4月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5801.2023年4月1日(土) 新年度スタート、悲喜こもごも

 昨日は妻とともに近くにある桜並木の呑川緑道を歩いて花見見物をしながら夕食をしてきたが、まだ桜がかなり残っていた。小中校生の入学式ごろまでは、桜に咲いていてもらいたいものだと思う。そして今日2023年度がスタートした。誰しもわくわくした気持ちになる1日であるが、生憎土曜日でもあり、新年度をスタートする新社会人にとっては空振りのような気持ちだろう。

 プロ野球は一昨日開幕したが、今日阪神甲子園球場では、選抜高校野球決勝戦が行われ、山梨学院高校が7X-2で報徳学園を破り、春夏を通じて山梨県勢として初めて優勝を勝ち取った。最近では珍しく最初からゲームセットまで興味深く見続けていた。思い出すと今から69年前の1954年湘南高校に入学した時、母校は選抜高校野球に2度目の出場を果たした。残念ながら1回戦で負けてしまったが、卒業するまでにもう1度甲子園に出られればと願っていた。期待していた我々が3年の時、夏の県予選準決勝戦で敗れて甲子園出場は叶わなかった。爾来春夏とも甲子園には出場していない。今回の初栄冠は、山梨学院高はもちろん、山梨県にとっても誇りとなり、嬉しいニュースとなったのではないだろうか。

 年度の初めとあっていろいろなルールも改訂される。中でも注目されているのは、改正道路交通法の施行に伴い、今日から年齢を問わず、自転車に乗るすべての人を対象にヘルメットの着用が努力義務化された。この背景には近年自転車事故が急速に増加していることがある。特に、交通事故全体はこの数年間3万件前後でほとんど変わらないが、自転車関連事故については、最近の6年間に自転車事故の割合は全事故に対して2017年の33.4%から漸次上昇し、22年は46%にまで増えている。これほど増えるようでは、警察としても手を打たないわけにはいかないだろう。ヘルメット着用によって事故が減少することが期待されている。

 さて、読書離れが始まってから大分時間が経ち、街の書店が閉店となるケースが多くなってきた。本ブログでもこれまで度々取り上げてきたが、遂にここまで来たかという現象があった。

 年度末の昨日、東京八重洲口に45年前に鳴り物入りで開店した八重洲ブックセンターが周辺の再開発の影響もあり、営業を終了したという寂しいニュースである。開店当時から話題になり、訪れてみたいと思いながら勤務先の新宿から離れているのでつい横着を決め込んで行き損なってしまった。地上8階地下1階の大型店舗で在庫書籍は100万冊になると言われていた。一応5年後の2028年に複合ビルに再出店するようだが、その時私は90歳になっているので、果たしてその新店舗を訪れることが出来るか分からない。

 その一方で、3月に同じ八重洲界隈に三井不動産が開発した総合ビル・八重洲ミッドタウンがグランド・オープンした。38階建ビルの上層階はオフィスであるが、中低層階は各種施設が入店し、地下には遠距離バス・ターミナルがあり、レストラン街には、日本の特色ある飲食店が入るなど日本色を強く打ち出している。ミッドタウンは、六本木、日比谷に次いで3番目であるが、交通の便が良い立地にこういう若者好みの新しいタイプの開発ビルが出来るというのも時代の趨勢であろうか。その内我々高齢者は付いて行けなくなるのではないかとうら寂しい気持ちにもなる。

2023年4月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5800.2023年3月31日(金) 米大統領史上初めてトランプ前大統領を起訴

 今朝ニュースを聞いてびっくりした。アメリカのトランプ前大統領がニューヨーク州大陪審で起訴されたというアメリカ大統領史上前代未聞の出来事である。起訴内容は、2016年の大統領選で不倫していたポルノ女優にトランプ氏が、選挙法に触れる一定額以上の口止め料を支払ったことが問われたという、随分次元の低い話である。これに対してトランプ氏は、疑惑を否定し、来年行われる大統領選挙へ立候補を表明した氏に対するバイデン政権の史上最大の政治的迫害であり、無実の人間を起訴するという不当行為であると非難している。それにしてもアメリカの大統領ともあろう人物が不倫問題で口止め料を払って起訴されるとは、さぞやアメリカ国民も恥ずかしく感じていることだろう。

 詳細は近々明らかにされるであろうが、大統領在職時からとかく派手で、異色な言動とその内容が目立っていたトランプ氏だけに、やはりそうなのかと特段場違いとも思わせない行動である。

 個人的にトランプ氏についてその評判を聞いたのは、初めてニューヨークを訪れた1976年10月だった。五番街の巨大なトランプ・タワー前を通った時に現地ガイドからタワーとそのオーナーである資産家トランプ氏について話を聞いたのが最初だった。そのトランプ氏が、その後政治家となり大統領候補者に指名された時、百万長者がついにアメリカのトップの座へ辿り着いたのかと感慨をすら覚えたほどである。大統領在職中の言動には首を傾げる言動が多く、普通の常識人のそれではないと呆れることも度々あったくらいである。3年前にバイデン大統領に選挙戦で敗れて野に下っても、大統領に未練たらたらでバイデン大統領に不満を漏らしていた。昨年1月にはその大統領選でバイデン氏に不正があったと一方的にバイデン氏を批判して連邦議会議事堂へ支持者が暴力的に乱入し、器物破損で過大な損害を与えたほどそのパフォーマンスは些か常軌を逸していた。

 果たして起訴された後にどんな行動を取るだろうか。来年の大統領選へすでに立候補を表明しているが、仮に有罪になっても大統領選では犯罪歴による制約はなく、立候補自体は可能だということでもあり、トランプ前大統領はいかなる手立てを講じて、自らの考えと潔白、正当性をアピールしていくのだろうか。

 ところで、昨日ニューヨークでひと騒ぎがあった。中米グアテマラを訪れる途次アメリカを訪れた台湾の蔡英文総統が、市内のホテルへ入る前に台湾を支援するファンが歓迎の声を上げていた一方で、その道路の反対側には親中派500人ほどが一斉に「中国はひとつ」とか、「台湾独立反対」とシュプレヒコールを上げて蔡総統の訪米と中米訪問に反対し気勢を上げていた。ところが、驚いたことに彼らは中国当局から日当200㌦で雇われた人たちだったと明かされた。こんな嫌らしい手を使ってでも台湾のリーダーの行動に反対を表したいのだろうかと中国の陰湿なやり方にも首を傾げた。日本の自衛隊の敵基地攻撃能力なども考えると、台湾海峡を取り巻く環境は日本にとっても益々厳しくなることだろう。

2023年3月31日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com