5828.2023年4月28日(金) 2067年、百歳以上の高齢者が出生者数を上回る。

 昨今話題になる少子高齢化問題の中でも、とりわけ懸念されているのは、出生者数の減少である。このままでは日本の人口は益々減るばかりである。一昨日厚生労働省が公表したデータに依れば、2070年には日本の総人口は、8千7百万人にまで減少する。しかも、その内約1割が外国人だという。70年の出生者数は、45万人にまで減るというからこのままいけば早晩国が亡びることになる。それを救っているのが、外国人の増加である。20年には総人口の2.2%しか居住していなかった外国人の割合が、70年には実に10.8%になるというから驚く。だが、こういう大事な問題を外国人を当てにして良いものだろうか。このように出生数が減少する中で、高齢者数が減るわけではない。こうなると単に日本の総人口が減ることを悲しんでいるだけではなく、多くの問題が浮かび上がってくる。その最たる問題は、働けない高齢者が増える一方で、働かなければならない働き手の数が減少することである。これでは経済も減速し、日本の将来はお先真っ暗である。

 そもそも人口減少の最大の問題は、若者が段々結婚をしなくなったことが大きい。因みに女性の初婚年齢の平均は、21年から70年の間に、27.2歳から28.6歳に、50歳で未婚の女性は、15%が19.1%に、1人の女性が出産する子の数は1.3人が1.36人になり、夫婦が生涯に得る子どもの数は、1.83人が1.71人となる。そして、平均寿命は男81.58歳が85.89歳に、女87.72歳が91.94歳になる。この間の笑えない現象として、67年には、100歳以上の高齢者の人口が50万人に達して、出生者のそれを上回ることである。

 以上のような将来像から、明白に見えてくるのは働き手不足である。その中でも、先ず介護業界と運送業界にしわ寄せがいく。30年代以降には、人口減少によって日本はマイナス成長に陥り、60年には世界でも突出して人口が増え続けているインドにも国内総生産(GDP)で追い抜かれるという悲観的な未来像がある。

 ところで、昨日の朝日夕刊一面に紹介された81歳になる2人のアメリカ人女性の80日間世界一周旅行が大変興味深かった。介護問題ばかりが取り上げられる中で、こういう若者顔負けの高齢者のエネルギーには元気をいただける。かつて兼高かおるさんが、私が高校に入学した1954年ごろにPAN AMERICAN航空で「80日間世界一周」を実行して世間をアッと言わせて、その後長らく話題になっていた。2人の女性、医師と写真家の親友同士が5年前に計画を思いつき、日本を含む7大陸、18の国々と地域を訪れ、宿泊費の予算は1泊33㌦だったという。私が1966年と67年に1か月弱を東南アジアとアフリカ・中東を武者修行をした当時の宿泊費は1泊約10㌦(当時の外為レートは1㌦=360円)だったというからあまり変わらない。

 彼女らの旅行コースを辿ってみると、アメリカ・ダラスを起点に、アルゼンチン、南極、チリ、スペイン、フィンランド、イタリア、イギリス、ケニア、タンザニア、ザンビア、エジプト、カタール、インド、ネパール、日本、マレーシア、インドネシア、オーストラリアを経てダラスへ戻っている。私は、これら18か国の内、まだアルゼンチン、南極、チリ、カタール、ネパールの5か国を訪れていない。日本では横浜と東京に滞在したようだが、日本ではマスクを着用している人が多かったことと、訪れたどの国よりも英語を話せる人が少なかったことが印象に残っているようだ。それにしても、武者修行とまではいかなくても、海外を自由に旅行したストーリーを知るとつい興味をそそられ嬉しくなる。私自身、コロナ終息後に果たして変形性関節症という症状を抱えてもう1度海外へ行く気持ちになれるだろうか。

2023年4月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5827.2023年4月27日(木) ゼレンスキー氏、習主席と電話会談の真意

 今月社会人となった奈良県生駒市に住む長男家の初孫が、最初の赴任地が決まったと長男から連絡があった。初孫は先月立命館大学経済学部を卒業し、今月初日本鋼管㈱と川崎重工㈱の合併会社・JFEホールディングス㈱の傘下にあるJFE物流㈱の入社式を終えて教習所に入り、昨日辞令が交付されたようだ。最初の赴任地は岡山県倉敷市の西日本事業所に決まったと知らせてくれた。先月会った時に、「初心忘るべからず」という主旨のことを話したが、いつまでも新鮮な気持ちで仕事に前向きに真面目に取り組んで欲しいと願っている。

 さて、昨日ウクライナのゼレンスキー大統領と中国の習近平国家主席が初めて電話会談を行ったとのニュースを聞いて、本心かな? 中国の狙いは何だろうと信じられない気がした。ウクライナからの要望のようだが、ゼレンスキー氏は両国の発展に推進力をもたらすと語り、一方の習主席は大国の責任として傍観することも火に油を注ぐこともないと消極的な発言だった。二枚舌でなければなければ好いと思っている。これまでの中国のロシア寄りの姿勢から推測するなら、中国がウクライナに肩入れすることは考えられない。中国は意思疎通を図ると言い政府の特別代表をウクライナに派遣すると表明した。一方戦争の当事者であるロシアはこの動きをどう受け止めたのか。ロシアとしてはこれまでのロシアの行動に対して常に精神的にも物質的にも支援してくれた同盟国・中国のアンチ・ロシアとも受け取られかねない動きに、内心ショックを受けていると思う。だが、ロシア外務省ザハロワ報道官は「我々の原則的な手法と中国が2月に公表した姿勢が広く一致していると確認できた」と本音かどうか分からない、やせ我慢のようなコメントを公表した。侵攻以来終始ロシアを精神的にバックアップしてきた中国は、国連の場においても常にロシアに同調していた。それが国際世論からロシアを袋叩きするのを防止したり、ロシアが核を使用することにブレーキをかけさせたり、大きな役割を演じてきた。果たしてこれからロシアを支援している中国とウクライナがいかなる話し合いを行うことになるのか、この折角の機会が失われないよう両国ともに賢明なる話し合いを進めて欲しいものである。

 昨日の本ブログにアメリカの次期大統領選に、高齢の民主党バイデン大統領と共和党の同じく高齢のトランプ前大統領が打って出ることを取り上げたが、その後アメリカ国内では、物語の続編が1作目ほど優れていることはほとんどないとして、作られるべきではないと続編「バイデン・トランプ対決劇場」には白けた空気が流れているようだ。実際に続編が上演されるのかどうかは現段階では何とも言えないが、その可能性は高まっている。だが、2人の再出馬を望むアメリカ人は僅か5%で、どちらも出馬しないことを望む人が38%だそうだから、アメリカが民主主義国家だと自認するご両人には、自らの引き際を考えることが大事ではないだろうか。

2023年4月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5826.2023年4月26日(水) 日本人、スーダンから無事避難

 去る23日、知床観光船沈没事故が発生してちょうど1年となった。26人の船員を含む乗客の内、まだ6名が行方不明のままである。観光船会社の安全管理が不備だったことが事故の原因とされ、国の安全管理基準も問題とされ責任を問われた。

 そして昨日、JR西日本・福知山線で列車脱線事故により107名もの犠牲者を生んでから早くも18年が経過した。これはカーブで運転士がスピードを出し過ぎたことから列車が脱線し線路際のマンションへ突っ込んだ大事故だった。この原因についてJR西日本はスピードの出し過ぎを反省し、カーブ地点の列車のスピード制限をするよう規則を改めた。

 いずれも防ごうと思えば、防げた事故である。その点では、昨日漸く日本人の国外脱出を無事終えたスーダンの在留邦人避難は見事と言えるものだった。スーダン国軍と対立する準軍事組織RSFが、停戦に合意しながらも約束が順守されない危険な状況の中で、自衛隊、外務省、現地日本大使館の打ち合わせと連携の下に、サウジアラビアや韓国など他国の協力・支援を得て避難が実行された。中でも韓国は5人の日本人を車両で目的地まで運んでくれたという。落伍者もなく日本人の退避は遂行することが出来た。これには、一昨年アフガニスタンでタリバン政権が再び政権の座に就いた際、混乱する現地から日本人を避難させるのに一部手遅れがあり、救出がスムーズに運ばなかった。今回はその失敗を糧に、早めに準備を進め、ハルツームから陸路を2台の車両に分かれ、ルートも別々にして700㎞以上離れた沿岸都市ポートスーダンまで約30時間かけて移動させ、その後自衛隊機によりジブチまで移送した。

 そのジプチには、かなり以前に1度だけ訪れたことがある。1968年1月エチオピアからアデンに行く途中、ジブチで航空機を乗り換えた時だった。その時アデン行プロペラ機を待っているしばらくの間ジブチ空港周辺をぶらついたが、樹木がほとんど見られず太陽がまぶしく暑苦しかった印象がある。とにかくスーダンを脱出した人たちも日本に無事帰国させるまでは、気を緩めるわけにはいかない。

 さて、来年のアメリカ大統領選に当たって、民主党のバイデン大統領が再選出馬を表明した。共和党ではすでにトランプ前大統領が再挑戦を宣言している。若者の国・アメリカのトップの地位を、2人の高齢者が争うことになるのだろうか。2人の立候補に対して民主、共和両党の支持者の賛同は芳しいものではない。バイデン氏立候補に対する民主党支持者は賛成が26%、反対が70%、トランプ氏の方が多少ましで賛成35%、反対60%である。今後どれだけ賛成者を上乗せ出来るだろうか。

 バイデン氏が2000年の大統領選に勝利を収めた時は、ハリス現副大統領が民主党候補として次の大統領を狙うのではないかと考えられたが、ハリス氏には副大統領就任後さして実績がなく、後継者としては消えてしまった。一方のトランプ氏は、退任後スキャンダル続きで支持が大分落ちている。しかし、共和党のライバル候補がどんぐりの背比べで、トランプ氏に勝てそうな強力な人材もいない。それでもバイデン氏は、トランプ氏が相手なら勝てると思ったのか、老骨に鞭打って出馬を決めた。ただ、バイデン氏は現在80歳であり、アメリカ大統領の激職に耐えられるのか。実際普段でもその歩き方や、話し方を見ていると今ひとつパンチや迫力が感じられない。周囲からも健康面で不安視されている。すでに過去の大統領の中でも最年長であり、仮に再選されても辞める時には、86歳になっている。

 一方のトランプ氏にしても現在76歳で、バイデン氏より4歳若いだけで、いずれが次期大統領になろうとも世界のリーダーとしては最年長者である。現在プーチン・ロシア大統領は70歳、習近平・中国国家主席も69歳で高齢者であるが、フランスのマクロン大統領は45歳、イギリスのスナク首相は42歳である。バイデン氏はもちろん、プーチン氏も習近平氏もそろそろ身の退きどきを考えた方が良いのではないかと思う。

2023年4月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5825.2023年4月25日(火) 「日本維新の会」の急伸と秘めた瞬発力

 この度の統一地方選の結果を見て、かなり議席を伸ばした「日本維新の会」の伸展ぶりに、聊か度肝を抜かれた感がある。どうしてこの政党がここまで画期的に議席を伸ばすことが出来たのか、詳しくは分からない。しかし、自民党の上を行くほどの極右政党で、憲法改正、軍備拡張や、カジノ賭博場に住民の反対を押し切ってまでも開設計画を進めたり、1度は住民投票で否決された都構想を復活させようとしたり、大阪府民を無視するかのような傲慢な姿勢にはとても賛同する気にはなれない。それでも投票率が下がり気味の中で、この党だけはかなり得票率を伸ばしている。その最大の理由は、右翼的であろうと防衛費増大に賛成など極めて明快に自党の公約を主張するからであろう。遠慮して口籠ったような言い方はせずに、反対意見を正面から受け止め論破するなど物事を躊躇することなくはっきり言うことが分かり易く、聞く者の胸に伝わるのだろうか。

 「日本維新の会」はこれまでは、大阪を地盤にその勢力を拡大しつつあった。それが、統一地方選前半戦で奈良県知事を当選させ、後半戦では衆議院和歌山県補欠選で勝利するなど、初めて大阪以外から知事、及び衆議院議員を当選させた。そして今回首都圏でもその勢力を大きく拡大させた。東京では市町村議選、区議選で従来22人の議員を73人にまで急増させた。目立ったのは、選挙区内でトップ当選をした議員が多く、議員選があった都内41市区の内、11市区でトップ当選を果たし、江戸川区では、1位と2位を占めた。神奈川県内では改選前の僅か2議席が、25議席にまで伸び、埼玉県に至っては0議席だったものが、5議席獲得となった。

 「日本維新の会」は、当面野党第1党の立憲民主党を標的に、野党第1党を目指し、国会の場においても自民党はもちろん、公明党をも脅かし始めたと言えると思う。

 従来の政権は交代の都度少しずつ党員、議員を増やして行った印象が強いが、この「日本維新の会」の伸展ぶりはドラスチックで、従来の流れを一気に変えて政権獲得を目指すという空気を感じる。前記のように私自身はとても同党のやり方や考え方には否定的であり、昨年同党推薦で参議院議員に初めて当選した知人の青島健太氏に、「これまでの青島健太とは今後とも付き合えるが、日本維新の会の青島健太議員とは付き合えない」と皮肉っぽい手紙を送ったら、彼からはそれで好いと言ってこられた。

 しかし、ここまで勢力を伸ばした「日本維新の会」の成長ぶりには、代表者や幹部らの努力があるのだろうが、そのエネルギーには日本の政治を変えようとするパワーを感じる。これまでは大して評価していなかったが、今後はこの政党の言動から目を離せなくなりそうだ。

 さて、今日午後セルビア在住のヴァイオリニストの豊嶋めぐみさんが足の静脈瘤の治療のため一時帰国したので、ゼミの友人と3人で新宿駅にて待ち合わせ、今月14日にオープンしたばかりの上層階に高級ホテル2つが入る47階建て高層ビル「東急歌舞伎町タワー」を話のタネに見学し、新しいカフェでゆっくり話をしようということで出かけた。天下の東急グループが鳴り物入りでオープン・セレモニーを行ったばかりで、さぞや豪華な建物だと思っていたが、入り口からして派手にチャラチャラしたような雰囲気で、中に入ると賑やかな飲食店街が騒音の中でお客さんを受け入れていた。あまりにも想像とはかけ離れていて5階のレストラン・カフェに入ろうとしたら、開店は来月19日だと丁重に断られてしまった。高級感のある雰囲気を期待していたが、率直に言って少々品のないビルで期待を大きく裏切られてしまった。周囲も歌舞伎町らしく飲み屋街で若者が多く、果たして高級ホテルとしてやっていけるのか疑問に感じた。

2023年4月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5824.2023年4月24日(月) 統一地方選で気づいたこと

 昨日行われた統一地方選後半戦の結果は、「日本維新の会」を除いて各党とも不本意な結果に終わったようだ。特に立憲民主党は今が限界ではないかと思えるほど捗々しいものではなかった。酷かったのは「政治家女子48党」で、昨年の参院選で当選したガーシー氏の当選以降公職選挙法に基づく選挙では誰ひとり当選出来ないお粗末さだった。党名の変更も党内でもめている状態でこれでは政党と名乗る資格がない。一昨日の本ブログに取り上げた自称党首の大津綾香氏の如きは、目黒区議選でも下位で見事に落選してしまった。衆参補欠選5か所の内、自民党は4勝1敗だったが、その1敗は和歌山1区で自民現職を「日本維新の会」の新人女性が破ったものである。

 今後の選挙を見て新しい現象が現れたことを知った。それは、千葉5区で当選した自民党新人女性候補と、兵庫県芦屋市長である。前者は両親が新彊ウィグル出身でアメリカの大学を出てから国連職員として勤務した、千葉県とは縁もゆかりもない34歳の落下傘候補である。後者は灘高、東大卒後にハーバード大を昨年卒業したばかりの26歳の史上最年少市長である。この2人に共通して言えることは、選挙区にはこれまで住んでおらず地元とは格別のゆかりもない。ただ、2人ともアメリカの大学で学んだ履歴からすれば、地元ばかりではなく鳥瞰的視野が備わっていてその目線は必ずしも地元密着型ではないことが想像出来る。これまで地方自治首長選では、地元に腰を据え地元以外のことは目に入らないというタイプの年配の議員が多かったが、千葉県市川市周辺や、芦屋のようにいずれも田舎臭の感じられない垢ぬけた土地では、そろそろ脱皮する時を迎えたようだ。旧態依然の自民党体質ではこれからは立ち行かなくなる可能性を感じさせてくれる。

 1例として、東京都北区長選ではこれまで5選された区長が、88歳の高齢の故に過去に支持を受けていた自民党・公明党の支援を得られず、敢えて無所属で出馬したが、新たに自民・公明党の支持を得た女性候補者に敗れた。現在88歳ということは、任期末には92歳を迎えることになり、いくら本人が大丈夫だと言ったところで、周囲には不安があるだろう。こうした頑固で古いタイプの候補者がひとりまた消えていった。

 今すぐにということはないだろうが、今後10年後20年後には公職選挙の立候補者の顔ぶれは大分変わっていることだろう。

 さて、スーダンの日本人退避情報であるが、滞在する日本政府の関係機関の職員らが、国連の職員を退避させる車列に加わり、ハルツームを離れたという。スーダン国軍とRSFは、アメリカ、イギリス、フランス、中国の外交官と市民を国外退避させると公表した。その他にサウジアラビアも自国民150人超を退避させた。20日には、空港周辺が危険だとして国外脱出は難しく中止を発表していたドイツも、同じくオランダと同様に自国民を専用機で避難させた。

 スーダンに取り残されたままの日本人は一体どうなるのだろう。

2023年4月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5823.2023年4月23日(日) 統一地方選後半戦の投票日

 今日は世田谷区長選と区議選の投票日である。投票所はいつも通り息子たちの母校・区立東深沢小だ。今朝はやや肌寒かったので厚着をして出かけた。投票所から少々大回りをしてウォーキングを兼ねて自宅まで戻ってきた。意外だったのは、案外多くの人が投票所におられ、投票用紙をもらうまで少々並んで待ったくらいである。大学生の時選挙権を得てから、投票を1度も棄権したことはないが、今日も一応の責任を果たした。結果は今日中に判明するかどうかは分からない。選挙結果を知るのが楽しみでもある。

 国際的に注目されているスーダンの内戦が激しくなり、外国人の国外退避がスムーズに実行出来ない難しさがあるが、その避難を難しくしているのは、航空機が飛び立つハルツーム空港が使用出来ないからである。国外脱出をしないと述べていたアメリカが、アメリカ人70人を脱出させたようだが、それはアメリカ大使館脇からアメリカ軍のヘリコプターとV22オスプレイで空輸したようだ。現地に自衛隊が駐在していない日本は、ジブチへ迎えの自衛隊機を飛ばして待機態勢に入った。しかし、スーダンの首都ハルツームから約1,200㎞も離れたジブチへどうやって安全に避難民を運ぶことが出来るかが問われていたが、ハルツームからポートスーダンまで670㎞を陸路で移動してそこからジブチまで船舶利用するような話が出ている。多少期待出来るのは、内戦の当事者である国軍と対立する準軍事組織「即応支援部隊」(RSF)の間で21日から3日間の停戦協定を結んだことだ。だが、舌の根も乾かぬ間に砲撃が聞こえて、どこまで安全に避難する人たちを移動させることが出来るだろうか。一部の声では、個別に国軍とRSFから停戦の保証をしてもらい、その間に脱出することだという。日本人60人の運命はどうなることやらまだ不透明である。

 アフリカでは、このスーダンの内戦が今や危険信号となったが、各国ともロシアのウクライナ侵攻以来ロシア産原油が入手出来なくなり、エネルギー危機をもたらすことになり、石油価格が高騰した。世界的エネルギー不足はスーダンの危険なケースとは異なるが、ウクライナ侵攻によりアフリカ西岸のセネガルで海洋油田の掘削が期待され、セネガル沖合に大きなプラントが建設され、新たなエネルギー資源の開発が急がれている。ただ、得るものがあれば失うものもあり、セネガル沿岸の漁業従事者にとっては、プラント周辺への立ち入りが禁止され、漁獲量が大幅に減り生活が厳しくなったことは致命的である。日本政府もマダガスカル沖合にエネルギー資源開発のための投資を行っているようだが、現地住民を痛みつけることだけは避けてもらいたいものである。

 さて、これまで寡聞にして知らなかったが、今日4月23日は母校・慶応義塾の開校記念日だそうだ。大学へ入学してから64年も経つのに迂闊だった。ただ、日本一番古い大学として起原は、1858(安政元)年ということは、もちろん承知している。開校記念日というのは、1909(明治42)年に決められたそうである。これからも母校が益々発展して社会へ有能な人材を送り出してくれることを期待している。序でに言えば、今日はイギリスの文豪シェークスピアの生まれた日(1564年)でもあり、亡くなった日(1616年)でもある。

2023年4月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5822.2023年4月22日(土) 非民主的な世襲政治に拍車か?

 明日は統一地方選後半戦と衆参議員補欠選の投開票日である。最後の追い込みということから朝から近くを街宣車が走り回っている。我が家は、世田谷区と目黒区の境界のすぐ近くではす向かいのお宅は、目黒区内である。そのため、世田谷、目黒区両区の候補者の街宣車が入り込んでくるし、近くには目黒区の全候補者のポスター掲示板がある。

 そこでポスターを見ていて気付いたことだが、区議選のレベルでは、あまり有名人の世襲議員は立候補していないが、有名人を利用しようとする候補者が結構いるものだ。所属する政党の代表者などは佳しとして、著名タレントの学校の後輩であるとして写真まで載せている候補者もいる。少しでも票稼ぎをしたいため、なりふり構わずあらゆる得票源を拾い集めている印象である。中でも一番驚いたのは、今回目黒区議選に立候補した30歳の大津綾香女史である。今月9日に行われた神奈川県知事選に「政治家女子48党」から立候補して、長年の不倫を謝罪したばかりの黒岩祐治知事に敗れた直後に、すぐに目黒区議選に同党党首として名乗りを上げている。その彼女もポスターに元NHKアナの「池上彰氏の娘役」と書いて池上氏の知名度を利用している。明日の開票結果が見ものであるが、今や政治家が自身の能力だけではなく、否むしろそれより他の虚実入り混じった知名度や評判を頼りにして選挙に打って出るという印象が強い。これも世襲議員が親族や親戚から受け継いだ「世襲資産」をそつなく運用し安定した選挙を戦い、勝って長きに亘り議員となる根拠にしているのと同じことである。

 また、こんな世襲継承者同士の選挙もある。東京台東区長選である。5選を目指していた前区長が、急死した後急遽都会議員の息子が立候補した。対立候補が元衆院議員で父親も衆議院議員だった二世議員女史である。地元民はこれをどう受け止めているのか分からないが、狭い地域でもあり、4選も経験した前区長を支持しようという流れになっていたムードも強いように思うが、果たしてどんな勝敗になるだろうか。いずれにせよ世襲継承者同士の戦いである。

 一方で、明日の衆議院補選で注目を集めているのは、やはり世襲選挙である。今や世襲県とまでいわれるようになった長州山口県2区と4区の補選である。2区は岸信夫前防衛相を父に、安倍晋三元首相を伯父に持つ岸信千世氏が元議員の弁護士・平岡秀夫氏と争うが、やや有利に戦っている。安倍元首相の地盤だった4区では、元下関市議が安倍元首相夫人らの支援を得て一歩リードしているという。

 こうしてみると世襲か、或いは有名人の名を借りた選挙の色がいつも以上に濃くなってきた。こうなると本当に日本の政治を良くしようとする真面目な候補者より、受け継いだ世襲資産を後生大事にミスなく政治活動を行う候補者の方が有利な時代になってきたと言えると思う。世の中のことを知らずにそれほど勉強もせず、ただ後援者巡りだけは欠かさない律儀?な政治家が、能力のある真面目な政治家より当選するチャンスが多いという情けない、ひ弱な政治構造が日本にも定着することになるのではないだろうか。

2023年4月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5821.2023年4月21日(金) 岸田首相狙撃事件容疑者の狙い

 去る17日和歌山市内で選挙応援のための街頭演説を行う直前に岸田首相へ向けて爆発物を投げ、逮捕された容疑者の事前の行動が何かと話題になっている。自宅のある兵庫県川西市市議会議員選に立候補しようとしたが、被選挙権がないことと立候補のための供託金を都合出来ず、誰でも同じ権利であるべき被選挙権や、資金の有無などで差別された公職選挙法の規定を巡って国家賠償請求訴訟を起こした。中でも昨年の参議院選では年齢30歳に満たないために立候補できずに、精神的苦痛を受けたとして国に10万円の損害賠償を求めて神戸地裁に提訴した。

 ところが、容疑者の行動に対してネット上にある有識者が納得して、公職選挙法を見直すべきだとの考えを語っているのには些か驚いた。容疑者の主張を認めるなら、被選挙権の年齢制限を撤廃すべきであるということになり、同時に立候補により候補者の活動にお金がかかることに目をつぶるということでもあり、これこそ公平公正をカムフラージュして無法を許すということになる。法律を作成し、市民にそれを公正に守らせることに水を注すような言動であると思う。容疑者が、地裁に提出した書面には、安倍元首相銃撃事件で元首相は亡くなったが、世論の反対が多くありながら元首相の国葬を実施したことは、民主主義への挑戦であると批判していた。同時に旧統一教会のようなカルト団体と癒着したことと、国会議員が世襲により限られた一部の政治家に恩恵をもたらしているとしてこれらにも厳しく批判した。

 24歳の若者が普段社会人として働いた経験がなく、身勝手な意見を述べることは彼に言わせれば個人の自由と言いたいところだが、その前提として肝心な社会人としての責任を果たしているとは言えないと思う。

 ただ、現実を鋭い目で見ていることはある面で評価出来る。例えば、安倍元首相は旧統一教会との関係、特に選挙における支援などは、安倍家3代に亘り続けられたようで、真っ当な意見が旧統一教会を支援したことにより、かなり歪められたと言える。更に言うなら、世襲国会議員の跋扈である。世襲議員とは、「父母、義父母、祖父母のいずれかが国会議員、または3親等内の親族に国会議員がいて、同一選挙区から出馬した候補」と一応定義づけられている。日本の世襲国会議員は各国の中でも飛びぬけて多い。2021年に実施された衆議院選挙では、全衆院議員465人の内131人の世襲議員が当選した。小選挙区制が導入されて以降12名の首相の内、菅義偉、野田佳彦、菅直人の3人を除く残り9人はいずれも世襲議員である。現在の岸田内閣の閣僚20名の内、岸田首相を含む12名が世襲である。これほど多くの世襲議員が国の政治を操っていのだ。民主主義に悖る行為として非難されている容疑者の言い分の内、旧統一教会との関係と世襲議員の跋扈を批判したことだけは納得できる。

2023年4月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5820.2023年4月20日(木) スーダンで印象深かった3つのこと

 アフリカのスーダンで内戦が勃発し、同国内の治安が憂慮されている。ことの発端は、2021年軍事クーデターにより30年近く国を率いた独裁者バシル政権を倒した国軍の2人の司令官が、その後互いに対立し国軍と準軍事組織・迅速支援部隊(RSF)に分かれてそれぞれの指導者となり、主導権争いの挙句に内戦となった経緯という低次元の話である。

 国内では内戦によりすでに270人が死亡した。あまりにも市内の中心部で砲弾が飛び交うために思うように外出も出来ない有様だ。アメリカは、自国民の安全の見地から危険が横溢しているスーダン国内からアメリカ人を国外脱出させることは考えていない。ドイツでは、輸送機による自国民150人の救出を計画したものの空港周辺で激しい戦闘が起きており、救出計画は困難だとして中止した。日本政府もスーダン在住の日本人を救出するために自衛隊機をジブチに待機させたままで、彼らを自衛隊機に搭乗させることが難しい苦境にある。果たして日本の救出計画はどうなるのだろうか。

 スーダンは普段あまり世界の脚光を浴びるような国ではない。だが、他のアフリカ諸国同様に、地下資源が豊富でその中では金の埋蔵量が多く、先進国が金を求めてスーダンに接近する。この内戦勃発直後に早くもロシアが軍隊を派遣すると公表した。取り敢えずは、ウクライナ戦火を収めた後に金の採掘権を得ようとの魂胆であろう。ウクライナ侵攻で世界中の非難を浴び、世界が注視する中でよくぞ火事場ドロボー的な行動が取れるものだとロシアの阿漕なやり方に呆れるばかりである。

 ついては、スーダンと言えば半世紀ほど前に1度だけ訪れたことがあり、今以て印象深い事象が3つばかりある。

 そのひとつは観光スポットとして知られる青ナイルと白ナイルの合流地点である。首都ハルツーム市内の崖の上から眼下に水煙を噴き上げて2つのナイル源流の水が混ざり合う様子を見学したことである。迫力満点だった。

 2つ目は、偶々ハルツーム滞在中に国内の交通ルールが変更になり、車の左側通行が右側通行に変更になったことである。夕食を食べようと市内のとあるレストランに入ったところ、支配人からちょうど良い日に良いところに来たと言い、今晩12時を期して車が反対路線を走るようになるので、きっと衝突事故が起きるからそれまでここにいて見ていなさいとふざけたことを話してくれた。食後そこに居座って真夜中になった時、近くの交差点から大きな音がした。支配人が言う通り、どうやら車が衝突したようだった。支配人はニタリとして、予想通り事故が起きた、現場を見に行ったら好いと無責任なことを言っていた。

 3つ目は、ホテルのロビーで偶然居合わせた地元の若者と物々交換をしたことである。私がジョニー・ウォーカー1本を上げて、若者からは子どものチーターの毛皮をもらったことだ。今ではチーターの毛皮なんて持っていたら税関で取り上げられてしまうが、当時はまだルールも穏やかだった。毛皮は実家に置いたまま今ではどこにあるか分からなくなってしまったが、スーダンの懐かしい思い出である。

2023年4月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5819.2023年4月19日(水) なぜ大阪人はIR推進者を支持するのか?

 このところ暖かい日が続いている。今日も午後ウォーキングに出かけたが、やや暑いと感じた。今日の最高気温は石垣島の29.1℃だったが、関東でも山梨県大月市の28.5℃をはじめ、千葉県市原市27.3℃、群馬県高崎市27.2℃、茨城県古河市26.4℃が夏日だった。世田谷区も25℃だった。昨今あまり外出することはないが、今後夏の蒸し暑さを考えるとうんざりさせられそうである。

 さて、今や伸張著しい「日本維新の会」の勢いと鼻っ柱の強さは留まるところがないが、我が家の近くでも区議会選に候補者を立てている。今維新の会が注目を集めているのは、先日の統一地方選で地盤の大阪選挙区で大阪府知事、大阪市長を当選させ、更に自民党内の内輪もめの隙を突いて奈良県知事選でも初めて自党の候補者を当選させたその勢いの故である。加えて同時に行われた地方県議会選においても圧倒的な勝利を収めたことである。この「日本維新の会」の勢いにたじろいたのか、自民党は同党に妙に気を遣いだした。その典型が、同党が推進している人工島「夢洲」における統合型リゾート(IR)建設計画を保留していたが、直ちに承認したことである。自民党が「日本維新の会」に忖度した結果であることは間違いない。

 そもそもこのIRなるものが、大分きな臭い。国内外からお客を呼べる巨大な観光施設、岸田首相も世界に発信する観光拠点と推奨するが、体の好い大型賭博場、即ちカジノである。計画が噂に上がった段階で地元住民からギャンブル依存症が蔓延るとして賭博場建設に強い反対の声が上がった。主宰者である大阪府と大阪市は、ギャンブル依存症を防ぐためと称して規制を作った。それが、「7日間で3回、28日間で10回まで」しか賭博場に入れないことを説明しているようだが、ギャンブル依存症に嵌った遊び人にとっては、何のハードルでもない。誤魔化しようはいくらでもある。主宰者の皮算用では、年間3千万人の入場者を見込み、その内7割、つまり2千万人強の日本人がギャンブルに熱中するわけだ。しかも、年々歳々増えていく。これでギャンブル依存症が防げると考える方がよほどどうかしている。

 会場の夢洲は埋立地で地盤が安定していないため、基礎工事にかなりの投資が必要である。2016年12月に松井一郎前市長は、IRに税金は一切使わないと公言していた。ところが、実際にはカジノ事業者連合が、埋立地特有の対策費の負担を市に要求し、松井市長はこれに応じて790億円をカジノ事業者に支払う事態となった。それでも松井氏は昨年1月に、施設には公費は入りませんと空とぼけている案配である。

 この公費は大阪の住民の肩にのしかかってくる。どうにも理解出来ないのは、ここまで住民を裏切る自治体を住民が信頼して選挙で支持することである。大阪府民と市民の気持ちがどうにも理解出来ない。

2023年4月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com