5958.2023年9月5日(火) 中国政府と中国国民のあざとい言動

 先月24日に福島原発の汚染処理水を海洋へ放水してから、中国は日本の水産物の輸入を全面的に禁止した。同時に中国国内から根拠のない嫌がらせ、迷惑電話やSNSを福島を主に日本各地に発信して、福島県の商店などでかなり営業妨害となり困惑している。日本政府としても中国政府が科学的な根拠に基づく情報ではなく、間違った情報で日本を非難しているのは遺憾であり、容認出来ないと中国政府に止めるよう要求している。しかし、これまでの中国政府の悪質な日本非難のやり方を考えると早急に改めるとも思えない。

 汚染処理水とは、国際原子力機関(IAEA)が、トリチウム含有量が基準値以下であると科学的に認めた汚染処理後の水のことである。中国は、日本に対してそれを「汚染処理水」と言わず「汚染水」と言い、まったく浄化されていない核汚染水を放水しているかのような情報を中国国内に流し、中国国民の反日感情を煽っている。

 ところが、この中国がこっそり原発核汚染(処理)水を垂れ流しているのである。それもトリチウム含有量が福島のそれより遥かに多く含まれた大量の処理水である。中国政府は、自国の汚染水は黙って公海に放出し、言論統制により国民には一切伝えず、日本が科学的にIAEAから容認された汚染処理水の放水を汚染水の放水と意図的に悪意を以て批判している。中国政府下の官製メディアも「日本は迷惑行為の被害者として同情を買おうとしている」と主張して、日本への批判を続けている。時に国内にSNS上に良識的な声が上がると削除したり、国民に反日的な言動を焚きつけている。いずれ分かるようなやり方は、中国もそろそろ止めてはどうか。流石にアメリカ政府も中国国内の情報伝達と中国人の嫌がらせ行為は、科学的ではなく、あまりにも政治的であると批判する有様である。

 この中国の日本非難には2つの大きな要因があるようだ。ひとつは、最近の中国経済の低迷、特に国民総生産の約3割を占める不動産業界の不振である。不動産業者へ支払った代金を返してもらえず、不動産も入手できない消費者の苦情に政府もやや困惑している節がある。もうひとつは、8月に河北省の避暑地・北戴河で開催された「北戴河会議」で憲法を冒してまでして第3期目の国家主席の座に就いた習近平主席に、これまでほとんど聞かれなかった習近平批判があったことが漏れ伝わってきたことである。それらの問題から国民の目を逸らせるために日本批判を利用しているのだ。先に就任間もなかった泰剛前外相を解任したり、習近平専制君主体制の強引な中国の領土・領海拡大地図が、アジア4か国から強硬な抗議を突き付けられ習体制に揺らぎが生まれているのではないかとも推察されている。それが来る9~10日にインドで開かれる主要20か国・地域(G20)首脳会議に習近平・国家主席が珍しく欠席することになった原因でもある。
 中国政府もそろそろ緊張感が保てなくなっているのではないか。国民への情報及び言論統制は度を超えている。大国中国の破綻は望んではいないが、もう少し良識的な言動とバランス感覚を備えて欲しいと思っている。今のように辺り構わず恫喝的な言動を続けているようでは、その内ロシア、北朝鮮同様に、どこの国からもまともな共存関係を保とうとの気持ちは示してもらえないと思う。そろそろ傲慢国家の看板を降ろしてはどうだろうか。

2023年9月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5957.2023年9月4日(月) 近所づきあい。今は昔「向こう三軒両隣」

 今日は台風12号が熱帯性低気圧に衰えたとは言え、その影響で東日本は雨模様の所が多いようだが、我が家の庭も午前中は雨で草木がしっとり濡れていた。月曜日なので燃えるゴミを出す日でもあり、雨の中では段ボールは控えて空き缶だけを外へ出したが、道路を隔てた目の前の道路の角には、段ボールが山と積まれていた。これはいつものことだが、雨の中では段ボールがびしょ濡れになるのも構わないようだ。私たちが現在の場所へ引っ越してきたのは43年前になる。その当時自宅前は古い木造アパートと空き地内に駐車場があった。そこへ10年ほど前に10軒近くの住宅が建設され若い人たちがやって来たが、昔と違って引っ越しの挨拶はもちろん、普段から近所づきあいがまったくない。せいぜい言葉を交わすのは目の前の2軒のご家族だけである。若い人たちは、ゴミ出しのルールも守らず、強風が吹いたりすると出した段ボールなどが我が家の門まで吹き飛んでくる。私たちが越してくる前から居住しておられるご近所の年配の方々は、道路上でお会いすれば軽い挨拶や、立ち話をすることもある。今も「向こう三軒両隣」の情はある。それがどうして近頃の若者たちは、ご近所と交流をしようとしないのだろうかと以前から不審感を抱いていた。

 引っ越し続きだった自分自身の過去を振り返っても、今までご近所さんとは、親しく気軽に何でも話していた。現在の隣づきあいを拒絶するような空気は、平成年代に入ってから特に目立つようになった気がしている。

 そんなことを考えていた時、NHKで「世界ふれあい街あるき」で「シルクロードの青い都―サマルカンド(ウズベキスタン)」を観たことを思い出した。残念ながらまだ1度もここを訪れたことがない。13世紀にモンゴル軍の侵攻によって一時は廃墟と化したが、英雄ティムールによって一大帝国として復活した。現在世界遺産に登録されている。ウズベキスタンの第2の都市であるが、人口は僅か52万人である。市内には青いタイルのイスラム式建築物が立ち並ぶ姿はサマルカンド・ブルーと呼ばれ、多くの外国人観光客を虜にしている。

 実は、この街の人々がとてもフレンドリーで誰彼となく通りがかりの人にも気軽に声をかけ、自宅に招き、ご馳走までしてくれる。彼らもそれがこの街の伝統で住民もそれが普通だと思っていると言い、自宅内で家族を紹介し、楽しいひとときを過ごすことを待っている印象である。こういうおもてなしの風習は、外国でも途上国の地方都市などに多い。実際私自身インドネシア、タイ、ビルマなどで現地の人たちから受け入れてもらい、忘れられない時を過ごしたこともある。結局都市化が進んで人々がお互いに接触する機会が減り、他人と過ごす時間が無駄な時間だと考えるようになり、少しずつ避けるようになった頃から、人間としての情が失われ出したように思う。

 もっと人や自然と触れる機会を増やすことが、今の世知辛い世を温もりのある社会にし、人々を思いやりのある人にするのではないかと考えている。そういう意味でもサマルカンドの人々の考えと行動力を知ったことは、とても参考になった。健康が許せば、何とか1度サマルカンドを訪れて見たいと考えている。

2023年9月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5956.2023年9月3日(日) 日本バスケットボール・チーム、パリ五輪へ

 このところ日本スポーツ界の力が全般的に上がって、スポーツ・ファンがかなり盛り上がっている。昨日沖縄で開催中のバスケットボール・ワールドカップ(W杯)順位決定リーグ最終戦で、日本はこれまで国名も知らなかったアフリカのカボベルデを破り、アジア最上位が確定して来年開催のパリ・オリンピックへの出場権が決定した。バスケットボール(通称バスケ)のように背の高い選手が有利なスポーツでは、日本は決定的に不利で、他のスポーツに比べても世界のレベルからはかなり遅れ、人気も取り残されている。野球、サッカー、ラグビー、バレーボールはもちろん、女子サッカーにも人気では及ばないかも知れない。

 実際日本バスケ代表の実力は、1976年モントリオール五輪でエジプトに不戦勝して以来ほぼ半世紀の間公式戦で外国チームに勝ったことがない。それがNBAチームに所属する選手も加わるようになり、チーム力も向上し、今年のW杯では格上のフィンランドとベネズエラに勝ち、勢いに乗ってカボベルデを倒し、五輪出場権を勝ち取ったのである。幸い大会がバスケ・ファンの多い沖縄で開催され、熱い声援を受けて選手を力づけたことが大きいが、NBAサンズの渡辺雄太選手や、日本国籍を取得した元アメリカ人・ホーキンソン選手のような本場仕込みの長身選手が加わったことにより、これまでにはない実力を発揮することが出来るようになったと言えよう。今後バスケ・チームの大いなる活躍を期待したいところである。
 ついては、今大会の参加国を見て、昨日対戦したアフリカのカボベルデという見慣れない国があるのに気付いた。偶々昨日日本チームが対戦することになったが、今大会まで寡聞にしてその国名を全く知らなかった。

 改めてこの「カボベルデ」という国を調べてみたところ、1975年にポルトガルから独立したばかりで、その時点で日本とも国交を結んだが、現時点ではお互いに外交官事務所は置いていない。アフリカ大陸から3700㎞も北西部に位置する滋賀県程度の国土に約56万人の人口を抱える小さな島嶼国である。農漁村の島で日本からは遠洋漁業船が補給基地として立ち寄ることが多く、そのためであろうか、日本との貿易は日本の年間5千万円の輸出だけであるが、経済支援では4番目に多い。今回この国は日本人に強く印象に残ったことだろうから、今後交流を深めていければ良いと思う。

 小学生のころは、世界地図でよく外国の地名探しを楽しんだものだったが、その当時ブータンの首都はプナカだった。ブータンという国すら知られていなかった当時、各国の首都名を覚えてはお互いに友だちと教え合っていた。中でもプナカは、名前が面白いと興味を持たれた。だが、今ではブータンの首都はティンプーに変わっている。1955年まではプナカは温暖の地ゆえに「冬の首都」と呼ばれ、1907年には初代国王の戴冠式が行われたが、55年以降プナカは「冬の首都」を返上し、ティンプーが通年の首都となった。この事実もごく最近まで知らなかった。他にも世界にはまだまだ興味深い都市があると思う。手の空いた時に、そんな都市を探してみようかなと思っている。これもバスケのお陰である。

2023年9月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5955.2023年9月2日(土) メディアの支局撤退で地方の情報は?

 またメディアが一歩後退した。北海道新聞社が今月末を以て夕刊の発行を廃止し、今後は朝刊だけになると公表した。30年前のピーク時には、夕刊だけで約78万部を発行していたが、今年7月には23万4千部にまで減少した。そこへ製紙会社から新聞用紙代の大幅な値上げを求められ、更に新聞輸送代、夕刊配達経費などが重荷になって企業努力だけでは吸収し切れないと廃刊に踏み切った。創刊から81年目で夕刊の歴史を閉じることになった。社員の気持ちを思うと切なく同情するばかりである。これで2020年以降、大分合同、徳島、東奥日報、山陽、高知、熊本日日、静岡新聞に続き、北海道新聞社も夕刊を発行しないことになった。これら廃刊の原因は、基本的には近年若者らが本を読まなくなったことから新聞離れが進み、新聞社の経営にも大きな影響を与えることになったと言えよう。

 そのひとつの現象が、新聞の編集面にも表れている。朝日朝刊の一面フロント・ページの対極面に当たる最終ページには、テレビ番組欄が掲載されている。このページは読者がテレビ番組をチェックするために必ず目を通す。それが最近某有名化粧品会社が一面広告を掲出することが多くなった。テレビ番組欄は内部紙面になってしまった。結果的にテレビ番組欄が捜し難くなってしまった。高額の広告料金を支払うスポンサーの要望を優先するあまり読者は二の次になってしまった。CM欲しさに経営の苦しい新聞社も泣く子とスポンサーには勝てなくなってしまったのである。

 5月には101年間発行されていた「週刊朝日」が廃刊となった。朝日新聞社では、復刊を期して「休刊」と呼んでいるが、その可能性は薄いと見ている。一昨年1月には、毎日新聞社が41億5千万円だった資本金を恥を晒して1億円にまで大きく減資した。この減資により毎日新聞社は中小企業の扱いとなり税法上のメリットを得られるというが、いかにもみみっちい印象は拭えない。苦しい経営になりふり構ってはいられなくなったのだ。

 新聞社同様にテレビ局の経営状態も芳しくないようで、今朝の朝日朝刊「多事奏論」によれば、愛媛県八幡浜市内に新聞社、テレビ局が開設していた支局が大分クローズしてしまったようだ。2年前には4局もあった民放支局が今では1局だけになってしまった。更に遡る今から15年前には、前記4民放支局の他に報道機関8社が記者を置いていたが、近年は地元の愛媛新聞、NHK、読売新聞の3社だけになってしまった。これは何も八幡浜市だけの問題ではなく、他の地方都市でも同じような傾向があるようである。このままだと地方の地方ならではのニュースが、これまでのように全国に届けられなくなる恐れがある。

 かつては新聞記者になろうと希望していた時期もあった。それを諦めざるを得なくなった当時は随分悩んだものの、新聞だけは毎日読み続けて今日まで血とも肉ともしてきた。現在でも2紙を購読している。それらから得る知識、情報はどれほど今日になっても私の執筆意欲を掻き立ててくれているだろうか。知識と情報はテレビより新聞から得ることの方が多い。願わくば、これ以上メディアの衰退がないよう望むばかりである。

2023年9月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5954.2023年9月1日(金) 関東大震災発生から100年

 100年前の今日午前11時58分に関東大震災が起き、10万5千人もの尊い生命が失われた。その悲惨だった1日を忘れないために、また再発に備えるために、今日は「防災の日」と呼ばれている。

 関東大震災は、とかく当時の東京市内の廃墟が紹介されることが多いが、実際の震源地は神奈川県の相模湾北西部だった。従って旧東京市内に劣らず、横浜市でも大規模火災が相次ぎ、地震より火災による死者が10万5千人の内9割を占めたと言われている。経済被害も多く、当時の国家予算の4倍となった。

 多くの犠牲者の中で案外軽視されがちなのは、正確な数は分かっていないが、朝鮮人の死者・行方不明者が多かったことで、その数は全体の1~数%と見られている。中でも今以て外交問題となっているのは、朝鮮人虐殺事件である。大震災発生の混乱の中で、「朝鮮人や共産主義者が井戸に毒を入れた」とのデマが流れ、それを真に受けた官憲や自警団などが、多数の朝鮮人や共産主義者を虐殺したとされる事件である。その犠牲者の数は正確には分かっておらず、数百名から約6千名になると推定されている。

 東京日日新聞(現毎日新聞)紙上に「火に見舞れなかつた唯一つの地として残された牛込の二日夜は、不逞鮮人の放火及び井戸に毒薬投下を警戒する為め、青年団及び学生の有志達は警察、軍隊と協力して、徹宵し、横丁毎に縄を張つて万人を附し、通行人を誰何する等緊張し、各自棍棒、短刀、脇差を携帯する等殺気立ち、小中学生なども棍棒を携へて家の周囲を警戒し、宛然在外居留地に於ける義勇兵出動の感を呈した。市ヶ谷町は麹町六丁目から、平河町は風下の関係から(此所新聞紙破れて不詳)又三日朝二人連の鮮人が井戸に猫イラズを投入せんとする現場を警戒員が発見して直ちに逮捕した」。

 真偽は別にして、かなり朝鮮人に対して厳しい差別的な対応をしたことが想像出来る。この大震災に合わせて官憲は、この機に乗じて社会主義者や無政府主義者らも身柄拘束し、殺害した。甘粕事件もこの直後に起きた。大震災は社会的に大混乱を引き起こし、時の政権や右翼にとって弾圧する好い機会になったとも言える。

 関東大震災から1世紀が経過した今日、大震災は歴史上衝撃的な事象と捉えられてはいるが、格別大きな社会問題とはなっていない。しかし、多くの朝鮮人がいわれもなく虐殺された事実については、日本政府は未だかって謝罪をしていないとして韓国内や北朝鮮国内では日本政府に対して謝罪すべきであるとの声が根強く残っている。

 2011年の東日本大震災以来、近い内に再び首都圏を中心に大震災が勃発するとの警戒予報が伝えられ、対応策等についてしきりにテレビ等で啓発活動が行われている。大震災当時旧東京市内に居住していた両親が、生前関東大震災で体験した恐怖感を度々話してくれ、体験上事前に避難の準備をしておくようにと話していたので、その必要性は承知している。しかし、今もこれという「いざ! 鎌倉!」に備えた準備はせいぜい飲料水を蓄えている程度である。それ以外に格別なことをしているわけではない。我が家が道路より3mほど高い敷地にあることも油断させている原因である。

 30年以内に首都圏直下型地震がやってくる確率が70%もあるという。さあ!どうする?

2023年9月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5953.2023年8月31日(木) 西武百貨店池袋本店、悲観的スト実施

 まさかと思われていた西武百貨店池袋本店が今日終日ストに入った。1962年の阪神百貨店のスト以来百貨店のストとしては、実に61年ぶりのことである。すでに昨日からニュースはメディアを通じて広く伝えられていたが、かつての西武鉄道の子会社がストに突入するとは全く想像外のことだった。以前とは組織、体制、経営方針が変わってしまったとは言え、かつて堤一族が支配した西武グループは、ストをしない会社として知られていた。

 私が社会人となった1963年当時からしばらく、鉄道業界では毎年春闘によりストを決行する国鉄の国労及び動力車労組と私鉄総連各社は、総連に加盟していない西武、及び加盟してはいるが総連に同調せずスト権を行使しなかった小田急は、1年中電車が停まらないと話題になっていたものである。西武百貨店はその当時西武鉄道の完全子会社で、社内ではストと言う言葉さえ聞かれなかったほどだった。それが、堤一族が西武鉄道の経営権を手放すにつれ、経営上大阪のそごうと合併して、更に経営権がそごう・西武からセブン&アイHDに移ったころから百貨店とコンビニの営業形態及び経営観の違いからか、メインのコンビニは伸びるが百貨店の経営が芳しくなくなった。百貨店の赤字も年々累積され、池袋本店のように過去4期連続で赤字を計上し、この間コロナ渦により営業収益が大幅に落ち、累積負債総額も約3千億円になり、そごう・西武の経営は苦境に陥っていた。

 セブン&アイHDも将来の展望が開けないと判断したのか、躊躇いもなくそごう・西武の全株式をアメリカの投資ファンド会社、フォートレス・インベストメント・グループに約2,200億円で売却することを決めた。フォートレス社は、ヨドバシ・カメラを池袋店の旗艦店と考えた。おしゃれで高級志向の西武百貨店は、その安売り家庭用量販店のイメージを嫌ったが、計画ではヨドバシの売り場シェア拡大により、これまでの優良店舗の面積が減って従業員の一部が解雇されることが明らかになった。組合はヨドバシ入店についてセブン&アイと話し合ったが、結局物別れに終わっていた。

 スト権の行使とは、一般的に労組が経営者と交渉し、交渉決裂の場合止むを得ず実行するものであるが、双方ともに失うものが多い。本件は西武労組が経営者であるセブン&アイと交渉しようとしても、経営者側は西武池袋店を売却することを決めていたので、セブン&アイにとっては大きな問題ではなく、前向きの結論は得られなかった。

 今日開かれたセブン&アイの臨時役員会では、改めて明日付でそごう・西武のフォートレス社への売却を確認し、決議した。これにより西武の従業員の何%かは、解雇されることになるだろう。

 地元商店会でも池袋駅東口に長年構えていた西武百貨店池袋本店のお洒落なイメージは、大きな存在感と吸引力となって地元へ多くの顧客を呼び込んでいたと認識し、評価している。豊島区長らもともども西武株売却に反対し、池袋駅周辺の商業発展のためにもこれまで通り西武百貨店が営業を継続することを望んできた。今それは儚い幻となってしまった。

 ところで、セブン&アイHDの祖業イトーヨーカドーの創業者・伊藤雅敏氏が掲げた同社の社是は以下について誓っている。

 ◎私たちは、お客様に信頼される、誠実な企業でありたい。

 ◎私たちは、取引先、株主、地域社会に信頼される、誠実な企業でありたい。

 ◎私たちは、社員に信頼される、誠実な企業でありたい。

 果たして世間を騒がせているこの一連の流れの中で、セブン&アイHDは社是を守って実行しているだろうか。

 今晩今年最高の満月が見られる筈だったが、空には雲がかかって見られなかった。

2023年8月31日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5952.2023年8月30日(水) カンボジアで軍人の世襲首相就任

 38年間に亘って長期政権を担ってきたカンボジアのフン・セン首相が突然引退を宣言し、後任に45歳の長男、前陸軍司令官のフン・マネット氏が就任することが、去る22日カンボジア下院で承認された。フン・セン前首相は、首相を辞めたとは言え、背後で国の首脳らを操る気であり、実際与党人民党党首に収まり、来年には国家元首代行でもある上院議長に就く意向のようでもある。政界に未練たっぷりである。これでは引退ではなく、息子の施政ぶりを監視し、時には保護者として、また後見人として手助けしてやろうとの親バカぶりが垣間見える。とても民主主義国家とは言えない。

 1977年にポル・ポト派を離脱してベトナムへ逃げ、その後ポル・ポト派を壊滅させたフン・セン前首相はポル・ポト派の虐殺と圧政に苦しんだカンボジア国民にとって救国の父として、国民の圧倒的な支持を得て長年同国を支配してきた。四半世紀ほど前にカンボジアを訪れた当時、かつて内戦で荒れ果てた国土は落ち着き、国民は安定した社会体制の下に生活しているように見えた。そのフン・セン前首相に代わるフン・マネット新首相は、父フン・セン氏がベトナムに亡命した年に生まれ、その父親から首相の座を譲られたというより相続された典型的な世襲政治家である。いかに優秀だとしても、政治家として未経験の息子に身勝手に首相職を譲りたいがために、息子が初出馬の際いきなり断トツのトップ与党の比例名簿1位に据えて難なく当選させたが、これは非民主主義的、かつ私的に息子を国のリーダーに据えることであり、息子自身の能力が国民から支持されたというわけではない。実際7月に行われた下院選挙でフン・セン氏率いる人民党が、定数125議席の内120議席を獲得した圧勝によって政権基盤を固めたが、その背景には最大野党だったキャンドルライト党を書類の不備などを理由に排除したことが大きい。

 このように政治経験の浅い首相が、いくら強力な後ろ盾がいるからとて、これから多難なカンボジアの政界の舵取りをして行けるものだろうか。

 フン・マネット首相はアメリカのウエスト・ポイント陸軍士官学校を卒業し、ニューヨーク大学で経済学の修士号を、イギリスのブリストル大学で博士号を取得するなど欧米との縁が深い。これまで前首相は中国との関係を深めつつあったが、欧米志向の息子に代わって今後の外交はどうなるか注目されている。しかし、元々軍人であり、父同様に中国重視の姿勢を見せており、来月には中国を公式訪問する予定であり、保守的で覇権国家の道を歩むのではないかと懸念される一面もある。

 カンボジアは近年中国への接近から、今国際的には民主主義国家へ向けて進んでいないと厳しい声がある。日本政府としても民主主義を根付かせるべく90年代にカンボジアの和平に積極的に関わり、自衛隊が国連平和維持活動(PKO)に初参加して文民警察官を殺害されるような犠牲も払いながら、93年に初の民主的な選挙を実現させた。だが、2010年代になって中国が最大の援助国になってから状況は変わった。カンボジアの将来は、中国との蜜月を築くことによってより以上に発展することが出来るのだろうか。はたまた中国との関係は崩さずとも欧米志向と見られるフン・マネット首相が、民主主義的政治を実施する気持ちがどの程度あるか、注目されるところである。

2023年8月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5951.2023年8月29日(火) 気骨あるジャーナリストの取材行を国が認めず。

 今年6月東京地裁で日本政府に対して訴訟を起こしたフリー・ジャーナリストがいる。一部にはかなりその名を知られている元信濃毎日新聞記者の安田純平氏である。2015年シリア内戦取材のためトルコ国境からシリアへ密入国した直後に武装勢力に捕らえられ、18年10月に3年4か月ぶりに解放され帰国した。その2か月後再び海外取材へ出かけるべく自らの旅券を申請したが、国によって拒否された。海外の厳しい現場取材をベースにしている安田氏にとっては、死を意味するような処遇である。安田氏は処分撤回などを求めて国を提訴したのである。

 憲法が保障する移動の自由である外国への旅行に必要な旅券の申請を、なぜ安田氏は拒否されたのか。安田氏は今回の旅券発給拒否は国際信義に反すると主張している。というのは、12年と15年にも安田氏はシリアへ密入国している。シリアのアサド政権は、外国人ジャーナリストの入国を認めないため、欧米メディアもやっていたように反政府側が支配する地域での取材は、非正規の国境越えしかなかった。政府はトルコから安田氏解放の条件として、安田氏を今後出国させないという理不尽な約束をさせられたという。

 また、安田氏が解放された背景には、日本政府がそれなりの身代金を支払ったとの噂も聞こえる。安田氏に批判的な匿名の人物らから、身代金は国民の税金から支払われているので安易に行動するなとの投書があったようだが、一番大切な論点が欠けている。それは、安田氏のようなフリー・ジャーナリストが身を賭けるようなことまでして危険な戦闘地域に潜入して取材するからこそ、生々しい現地の真に正確な情勢が伝えられるのである。加えて、国が個人の旅行のための旅券発給を拒否してブレーキをかけることは、「行動の自由」、「言論の自由」、「報道の自由」を制約することでもあり、明らかに個人の自由を束縛する憲法違反行為である。

 何といっても安田氏に国外旅行を中止させようとする政府の判断は、個人の行動を国が縛り付ける一種の抑圧行為であり、不条理で認めがたい。更に安田氏のような優れたジャーナリストが真実を伝える現場に足を運ぶことが出来ないことは、その種の情報に枯渇している国民にとっても不幸なことである。

 私は、安田氏を個人的には存じ上げないが、知識はもちろん、正義感、向上心、冒険心などを兼ね備えたジャーナリストとして卓越した人物であると信じて、早くからその行動力を買っていた。2018年10月にテロリスト集団から身柄を解放された日とその3日後に彼への見方と行動について、本ブログにも取り上げて疑問を呈している。私自身も戦地のような危険な土地で、身柄を拘束された経験があるが、それは正規軍隊と警察によるものであった。その点では安田氏は密入国した戦地でテロリストに捕らわれたので、深刻さの度合いは異なるとは思っているが、身の毛がよだつ体験となったことは共通していると思う。その意味でも安田氏の拘束された時の恐怖感と臨場感は、理解出来る。

 少々気がかりなのは、安田氏の旅券発給が認められなかったことについて、一部のメディアを除いては、その実情についてあまり報道されていないことである。自分たちの仲間である不運なフリー・ジャーナリストに対して、メディア全体でもう少し支援する動きがあっても良いのではないかと思っている。

2023年8月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5950.2023年8月28日(月) 1日4千歩で死亡リスク減少

 余程のことでもない限り、毎日ウォーキングは欠かさないよう努めている。以前は1日1万歩を目標にしていたが、このところ5千歩前後が普通になってしまった。特に最近は暑いので、出かけはするが、歩数はどうしても減少気味である。

 今月上旬にヨーロッパ心臓学会が発行している医学誌に、興味深い報告書が掲載された。1日約4千歩であらゆる原因による死亡リスクが減少し、心筋梗塞などの心血管疾患による死亡リスクについては、約2千3百歩で効果が出るという情報にホッとしている。これは、ポーランドのウッジ医科大学研究チームが、22万7千人を対象に7年間のデータを分析した結果、「1日1万歩が健康維持に必要な魔法の数字と言われて久しいが、5千歩未満でも効果が期待できる」と伝えたものである。

 このニュースを知って大分気が楽になった。あまり無理せずに4千歩を超えることを当面の目標にしようと思っている。

 さて、数日前に人間ドックの正式な報告書が慶応病院から郵送されてきたので、今日それをもって前立腺の基準数値PSAがやや高めの心配があり、昨年に続き泌尿器科クリニックを訪れた。医師は全般的に数値がやや高いが、年齢も影響するので、特に心配というほどのことではない。だが、気になるなら局部のMRI検査を受けたら良いとアドバイスをいただいたので、一昨年と同様早速自由が丘にあるメディカル・スキャニングで予約してもらい、明朝受診することになった。

 どちらかと言うと予防医学的には鋭意積極的に対応しているので、一昨年も検査の結果はそれほど心配することはないとのお話だった。今年もそのつもりで明日MRI検査を受けてみるつもりだ。

 さて、このところ消費者物価の値上がりが激しく、多くの食料品や日用品で値上げが見られるようだが、特に円安が進行してから原油を輸入に頼っている石油、ガソリン価格の高騰が止まらないようだ。レギュラー・ガソリンの全国平均価格は、ついに180円を突破して1ℓ当たり181.3円まで値上がりして200円台が目前となり、一般家庭の消費者はもちろんであるが、ガソリンを使用する運送業者、バス、タクシー業者などにとっては営業上かなり厳しいようだ。政府は9月末に期限切れとなる価格抑制のための補助金を延長する方針のようだが、それでも大量のガソリンや灯油を使用する企業からは悲鳴が上がっている。

 5年前に車を処分して現在は車に乗ることはなくなったが、今車の所有者は相当な出費を余儀なくされていることだろう。あの頃は1ℓ当たり135円ぐらいだった。それが、180円台だというから、車の維持費も増え、ある程度経済的に余裕がないと車を所有することも出来ない時代になったということが言えるかも知れない。

 世知辛い世の中になったものだ。

2023年8月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5949.2023年8月27日(日) 福島原発汚染処理水放水への反響

 去る24日政府の方針の下に、東京電力は福島原発汚染処理水を海洋に放水を始めたが、中国政府の強硬で身勝手な抗議に対してきちんと説明し説得する必要がある。中国の言い分と抗議の気持ちは理解出来ないこともないが、自国の安全基準を上回る汚染処理水を13か所も無断放水したことを隠しながら、中国は日本の国際的な科学的安全基準をクリアした放水を、一方的に誹謗する不条理で身勝手なやり方だからである。

 まず、中国は科学的根拠を一切考慮しない国であることを承知しておく必要がある。国際原子力機関(IAEA)が、福島の汚染処理水は安全基準以下であると科学的に認めたが、中国政府はこれを歯牙にもかけず、日本が行った汚染処理水という言い方ではなく、あたかも日本は汚染されたまま放水したと強弁し、世界中の人々に何世代にも亘って健康上の負担を負わせていると一方的に非難し、3日前から日本の水産物の輸入を全面的に禁止する行動にまで及んだ。報道統制下にある中国国内では、国民は政府の言葉を額面通り受け取ったせいか、昨日辺りから非礼にも中国から日本へ嫌がらせの電話や、メールが数多く送信されている有様である。北京の日本大使館では、トラブルを恐れ日本人ピアニストによるイベントまで急遽キャンセルしたほどである。また、韓国内でも尹錫悦大統領は、汚染処理水の放流を容認しているが、反対する市民も多く日本大使館にデモ隊が押しかけ逮捕者まで出している。

 国連安保理事会でも、中国と北朝鮮が日本に対して上記のように間違った批判を行い、日本の国連大使は、IAEAが認める安全基準以下の汚染水を放流したもので、誤った情報を流さないよう厳重に抗議を申し入れたくらいである。北朝鮮こそが、国連憲章違反の核実験を度々繰り返したり、無断でミサイル発射実験を行ったり、散々日本を含む周辺国に迷惑をかけていながら、中国と歩調を合わせて汚染処理水の放水を非難する身勝手ぶりである。

 アメリカでは、日本の対応を容認しているが、中国同様にThe New York Timesなどの主要紙が、「汚染処理水」と書くべきところを「汚染水」と表現している点などは、正しく理解されるような対応策が必要ではないかと思う。その点では、日本の外交筋は、事態がデリケートな問題だけに正しく理解してもらえるようきちんと説明を尽くすことが求められると思う。

 中国は、現時点では話し合いの余地がないとみたのか、明日から3日間訪中する予定だった山口那津男公明党代表に、タイミング的に適切ではないと山口氏に訪中を延期するよう連絡があり、山口氏もショックを受けながらも受け入れた。それほど汚染処理水の放水は中国政府の神経を高ぶらせている。この様子だと日中関係の改善は大分遠のいたと言えよう。

 中国政府の言い分では、日本は今後30年以上に亘って世界に原子力汚染水を放流し続けるとの過大な言い方をしている。あまりにも無責任な言い方ではないか。このままでは中国の理不尽な言い分だけが独り歩きすることが懸念される。これでは日本の説得がまったく効果を発揮されず、外交力ゼロだと言わざるを得ない。

2023年8月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com