6047.2023年12月3日(日) 法を犯して金儲けに執着する国会議員

 岸田内閣の支持率が過去最低を記録し相も変わらず低空飛行を続けている最中に、自民党内の派閥の中でも有力な派閥の会計責任者らを、先月神戸学院大の上脇博之教授が政治資金規正法違反容疑で告発した。

 とにかく真っ当な国会活動をしない悪賢い政治家が増え、近年彼らは国民をないがしろにして金儲けのために政治活動をやっているのではないかとの印象が拭えない。つまり金儲けのための政治屋である。政治家の「資金集めパーティ」は、政治資金規正法により収支報告書に記載するよう義務づけられている。ところが、2018~21年の収支報告書には、安倍派1,900万円、二階派950万円、茂木派600万円、麻生派400万円、岸田派200万円、計約4,000万円もパーティ券収入分が記載されなかった。上脇教授は、これはほんの氷山の一角だと不信感を募らせていたが、東京地検特捜部が疑問を抱き、内偵を進めていたところ自民党の最大派閥である安倍派(清和政策研究会)が、所属議員が販売ノルマを超えて集めた収入を裏金として組織的に議員にキックバックしていた疑いがあることが判明した。特捜部は、大掛かりで意図的だとして政治資金規正法違反容疑で立件すべく調査中である。

 安倍派のケースでは、派閥の収支報告書には、収入として議員のノルマ分だけを記載し、それを超えた分は収入に記載せずに議員側にキックバックして、派閥の支出としても記載せずに運用していた。キックバックを受けた議員側も自らの政治団体の収入として記載せずに、ノルマを超えた分は裏金になっていた。

 そして今朝の報道によると安倍派の裏金作りに次いで、二階俊博元幹事長の派閥・志帥会でもパーティを巡る収支報告で巨額の不記載が明らかになった。その金額は、直近の5年間で安倍派と同じく1億円を超えるものと見られている。東京地検特捜部は、安倍派に続いて二階派にも政治資金規正法違反容疑で立件を視野に調査を続ける。他の派閥の違反もいずれ露見して摘発されるだろう。

 それにしても最大派閥である安倍派による組織的な裏金作りは、衝撃的であり悪質でもある。そして、派閥の中で権限を発揮できる事務総長らは質問に対してはっきり応えず、一層疑念を深めている。松野博一官房長官は「政府の立場での答えを差し控える」であり、西村康稔経産相は「個々の政治団体の話で、政府の立場としてのお答えは差し控えたい」で、塩谷立元文科相に至っては、キックバックの仕組みはあったと思うと述べた直後に、事実を確認しているわけではないと前言を撤回し、その後、これから事実を確認すると語り、最後には今日の取材はお断りするといった案配である。皆言い訳を考えたが、中々悪知恵が思いつかずに「逃げの一手」で答えようとしない。

 「キックバック」という言葉について今朝の「天声人語」氏によると、その意味が直ぐには分からなかったようだが、我々旅行業界人にとっては使い慣れた言葉で、航空会社とよくキックバックのやり取りをしていたものだ。ただ、悪人政治屋らと異なり、我々はキックバックで得た収入を必ず、収入として計上し、航空会社でも支出として計上していた筈である。国民を騙し、こっそり法の網をかいくぐって組織的に私服を肥やすような悪事を重ねるのは、悪漢政治屋だけのようだ。はっきり言って世の中の極悪人は政治屋である。今朝のTBS[サンデーモーニング]で政治評論家の寺島実郎氏は、国会議員を3割削減するべきだとはっきり言われた。大賛成である。

2023年12月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6046.2023年12月2日(土) 「アレ」が今年の新語・流行語大賞に

 今年の新語・流行語大賞に「アレ(A.R.E.)」が選ばれた。プロ野球日本シリーズでしきりに伝えられた阪神タイガースの岡田彰布監督の言葉である。阪神は38年ぶりに日本一になったが、シーズン中「優勝」という言葉は、プレッシャーになるためにそれをぼかして言った言葉だった。知らなかったが、2021年の「リアル二刀流/ショータイム」、22年「村神様」に続いて3年連続でプロ野球関連の言葉が選ばれたようだ。

 実は、「アレ」に関連したこんなこともある。今月22日に知人でもある「日本維新の会」所属の青島健太・参議院議員のパーティが開かれる。その案内状を手にした時、パーティのテーマが「アレ やります!」というもので、首を傾げた。元々「日本維新の会」は私自身賛同出来ないので、青島議員に参院選当選直後に個人的なお付き合いは別にして「日本維新の会」には賛同出来ないので、政治家としての青島健太議員の言動には賛成できないと直接青島氏に伝えたらそれでも結構だということだった。その後も互いに連絡は取っているが、今回のパーティについては欠席の返信ハガキにこの謳い文句というか、ネーミング「アレ やります!」が品格を欠くと記して投函したところである。青島議員も元プロ野球選手だったから、「アレ」がすんなり胸に入るのかも知れない。

 さて、戦時中住んでいた兵庫県芦屋市が、地味ながらも最近2つの話題で注目されている。ひとつは、高級住宅地でもある芦屋市が、今年5月の市長選で全国で史上最年少の市長を当選、誕生させたことである。26歳の高島岐輔新市長が現職市長を破り新市長に就任したのである。市長はエリート・コースである地元灘中、灘高から東大へ進学しながらも中退して、ハーバード大学を卒業したばかりのエリートである。地元でもかなり評価が高く、若さと高学歴が注目を集めている。

 先日町職員に対するパワハラ行為が問題視され、町議会で不信任案まで提出された愛知県東郷町の井俣憲治町長が、自身の母校愛知大学を自慢したかったのか、職員らを「三流大学を出た職員ばかりだ!」と暴言を吐いていたが、高島市長の経歴を見たらどんな気持ちだろうか。少しは大人しくなるだろうか。

 もうひとつは、その高島市長が新教育委員に元さいたま市教育委員長を任命するよう提案したが、議会で反対多数により否決された。市長選では、若く爽やかな印象と優秀な経歴を評価されて現職市長を破った英才市長も、現実的な地元行政のスタートで躓いてしまったのだ。いろいろ意見があるようだが、市長が推薦した教育委員候補者は教育面では東大講師も務めるほどの教育専門家ではあるが、芦屋市からかなり遠い埼玉県に居住して、頻繁に芦屋市を訪れることが出来ず、市内の学校現場を知る機会も少なく、行事への参加も難しいのではないかと危惧されたようだ。一番の難点となったのは、その委員候補者は、他にも多くの役職を抱えているので、芦屋市の教育が最優先されるのかどうかが懸念されたことである。その辺りは、新市長もあまり考えなかったのではないだろうか。

 高島市長も部分的な現実は見えるが、全般的に地元の庶民生活面にはまだ目が届かないようで、今後よほど考えないと当初の長期的な教育改革の信念や計画が、幻想となってしまう恐れもある。

2023年12月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6045.2023年12月1日(金) アウシュビッツ収容所に関する拙稿

 所属するNPOの定期機関紙に毎号拙稿を2つばかり書いているが、そのひとつに1,000字程度で連載中の「世界遺産物語」がある。11月号に「負の文化遺産・アウシュビッツ強制収容所」について、6年前に訪れた感想を記した。それを私のHPに掲載し、出来る限り読んで欲しいと思い、機会を捉えて知人や友人らにメールで知らせている。それに対して友人らからいろいろコメントをもらうことがあるが、昨日知りあいの菱山郁朗・元日本テレビ政治部長から「とても深い感銘を受けました。これまでで最高の秀逸原稿です」と過分にお褒めのメールをいただき、その後追伸で「友人知人に転送します」と再びメールをいただいた。菱山氏からは、毎度それなりの評価をされたメールをいただいているが、これほどまでに高く評価していただくと張り合いはあるし、嬉しく思っている。これまで地道に毎日書き続けている本プログ執筆にも力を与えてもらえる。

 その世界遺産について執筆するに当たり、これまでに訪れた200か所近い世界遺産の中で、どの世界遺産を取り上げるか、いつも考えるのだが、次号では前号にアウシュビッツについて書いた経緯から、ホロコーストで多くの犠牲を被ったユダヤ人が、今ではそれとは反対にパレスチナ人を壊滅せんばかりに攻撃している現状から、エルサレムの世界遺産を取り上げるのがタイムリーではないかと思っている。今から11年前にイスラエルを訪れた時、パレスチナ領内のベツレヘムにあるイエス・キリストの生誕の地だった「聖誕教会」や、「嘆きの壁」、キリストが十字架に磔にされたゴルゴダの丘の「聖墳墓教会」、イスラム教信徒の聖地「岩のドーム」を訪れたので、それらについて触れてみたいと考えている。でも、1,000文字には収まりそうもないのが、やや気がかりである。菱山氏のコメントは嬉しく本当に有難いと思っている。

 さて、日本人にとっても忘れられない人物、ヘンリー・キッシンジャー元国務長官が一昨日亡くなった。享年100歳だった。アメリカの国務長官として華々しく活躍され、世界中を目まぐるしく飛び回り、ノーベル平和賞受賞など歴史的な史実にもその名は刻まれている。

 だが、ユダヤ人系ドイツ人として生まれついた運命のせいだろうか、その人生においてとりわけ戦争や紛争に関わることが多かった。一番印象に残っている事象は、同盟国である日本には一切話さず頭上を飛び越えて、当時国交がなかった中国を極秘裏に訪れ、ニクソン訪中のお膳立てをして、その後の1979年カーター大統領の下で米中国交回復を実現させたことである。

 しかし、ユダヤ人としての出自のせいもあり、その現実的な考えは、平素から外交面で発揮された。彼は国益の追求こそ国家の本性であり、力の均衡によってこそ国際秩序は守られると考えていた。それは、ベトナム戦争でカンボジアへの爆撃や、チリの社会主義政権の転覆に関与したり、国益のためには手段を選ばなかった点に見られ、その活動は功罪相半ばすると思われる。沖縄返還交渉でも大きく関わったが、今もその手法には傷跡が残るような、緊急時に沖縄への核兵器の持ち込みを秘密裏に合意したことが、その後日本にとっても重荷となった。

 1973年にはベトナム和平協定を成立させ、ベトナム戦争は75年に終結した。その功績は大なるも、どうも我々日本人の立場から見るとひとり芝居をやっているような印象が強かったように感じる。今後はこういうタイプの政治家はあまり現れないと思う。

 今日パレスチナとイスラエルの7日間に亘る戦争休止が終わり、また戦闘が始まった。この戦争の行方は誰にも分かるまい。古来対立してきた両国の争いは今に始まったことではない。休戦は難しいと思う。

2023年12月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6044.2023年11月30日(木) 「絶対安全」の米軍オスプレイ、屋久島沖に墜落

 暦の上で今日は秋の最終日である。このところの寒さも厳しく、今日北海道・陸別町では全国でも最低の-13.9℃だったという。今年は秋らしい季節は、あまりなかったような気がする。そんな秋の終わりに際して、とんでもない事故が起きた。

 アメリカ空軍の輸送機オスプレイが屋久島沖で墜落した。絶対安全で多用な行動に有効との前触れで、自衛隊も2018年度からアメリカに強引に購入させられた横田米軍基地所属の最新型ヘリである。現在UH-2型7機とCV-22型13機のタイプを保有している。ところが意に反して、絶対安全とPRしていた自衛隊の宣伝が空言のように、アメリカ空軍は、通常の訓練中に事故に巻き込まれたと他人事のようなコメントを発した。乗員の数も何度か修正のうえ、最終的に8人と伝えられたが、少々軽口に思える。自衛隊も現在佐賀基地をはじめとして住民の反対を押し切り、オスプレイの常駐を画策しつつ、アメリカ軍にも必要以上の気遣いをしている。墜落現場で捜索と乗員救出に当たっていると述べたが、すでに日本の海上自衛隊に1人の遺体が収容されている。昨晩も海上自衛艦は夜を徹して海上で捜索を行うと語っていたが、まだ7人も行方不明であるとして、今夜も一晩中捜索に当たるという。この日本側の行動についてアメリカは自衛隊に感謝の気持ちを伝えたが、これもアメリカ軍への配慮であり、普通日本国内の山中で日本人が遭難しても、夜を徹して捜索することはない。日本政府は、アメリカ軍側に対して、安全が確認出来るまで飛行を中止するよう要請したが、現時点ではアメリカ軍は容認していない。しかし、陸上自衛隊は保有するオスプレイの飛行を当面停止する。

 よもやの事故に続き、相変わらず日本側のアメリカへの忖度には些かうんざりである。近年鹿児島県の離島を中心に、オスプレイなどアメリカ軍の軍用機が着陸する回数が増えている。今嘉手納基地移転計画で政府と対立している沖縄県では、玉城知事が素早く「直ちに訓練を中止すべきだ」と語って、沖縄防衛局と外務省沖縄事務所に、海兵隊所属機も含め原因究明までのオスプレイの飛行停止を求めた。当分このオスプレイの墜落事故がメディアのエンタメ番組などでも話題になることだろう。

 さて、コロナ渦の影響が薄れつつある中で、インバウンドを主に国内各地の観光地への観光客の増加が目立っている。一部の有名観光地ではオーバーツーリズムが、懸念されている。そんな時に、国際空港でカウンター業務や荷物の運搬のような地上業務を手掛けているスイスポートジャパン労働組合が、時間外労働などに関する労使協定を今月限りで止めると経営側に通告し、航空機の運航に影響が出る可能性が出てきた。同社は業界大手4社のひとつであるが、コロナ渦で減った国際便が再開した昨年10月以降仕事量が急増し、人手不足が続いている。来月以降航空機の欠航が続出する可能性がある。航空業界のみならず、インバウンド観光業界にとっても無視出来ない点である。

 今や3年以上に亘って感染が拡大していたコロナのせいで、多くの業界がそれぞれ固有の深刻な問題に思案投げ首である。バスやタクシー業界では、運転士不足に苦難して、在庫車に空きが出て、タクシー乗り場には、タクシーがあまり来ないようだ。

 しかし、考え方によっては、この機に乗じて近未来的に景気の動向を予測して早めに対策を立てることなどを考えたら、「瓢箪から駒」で案外良いアイディアが生まれるかも知れない。

2023年11月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6043.2023年11月29日(水) 日大アメフト部、ついに廃部に

 昨日当ブログで取り上げた日大アメフト部の大麻事件と日大理事会内のガバナンスについて、今日日本大学本部は「競技スポーツ運営委員会」を開き、同部の廃部を正式に決定し、併せて林真理子理事長の減給、酒井建夫学長と澤田康広副学長の辞任を発表した。あまりにも唐突な廃部の決定に驚いている。

 日大アメフト部と言えば、学生アメリカン・フットボール界の名門で、過去に21回の大学チャンピオンを含めて数々の栄冠を獲得し、栄光の伝統を築いてきた。チーム名「フェニックス(不死鳥)」もスキャンダルにより不本意にも「フェニックス」ではなかったことを証明してしまった。

 それにしても現在大学から無期限活動休止処分を受け、関東学生連盟からも出場停止の処分を課せられている名門アメフト部が、本気で大学本部とアメフト部が一体となって取り組むべき再生の機会と努力もせずに、安易に廃部を決定したことには、これがアメフト部のみならず、日大全体にとっても正しい選択と解決方法だろうか、疑問が残るところである。運動部の活動は、在学生にとって息抜きの楽しみであり、光明であり、救いであり、誇りでもある。運動部が強力であれば、殊更気力にも向上心にもつながる。大学にとっても学生たちへ努力、練習、勝利などは、彼らの教育の一環でもある。それを止めてしまう決断をあっという間に下したとは、少々早計に過ぎたのではないだろうか。

 今回の廃部決定の過程で、今後どうしたらアメフト部を立ち直らせ、再建させることが出来るかとの話し合いがまったく行われなかったようだ。どん底に落ちたアメフト部を、外部の有識者の声を聴くなりして、反省したうえで、再び第一歩から再スタートさせるためにどう対応すべきかの議論がまったく欠けていたと思う。これでは誇れる全盛期の実績を作り上げたOB部員らに対しても申し開きが出来ないのではないだろうか。実際あるOB部員は、残念であり、復活できることを期待していた。大学はもう面倒で手に負えないとばかりに、アメフト部の活動を一刀両断に切り捨ててしまったのは、あまりにも不見識であり理不尽だと思う。今後日大の歴史に禍根を残すことになるのではないだろうか。これまで違法を行った不幸な事例を頭に入れたうえで、大学内、外部識者、アメフト部OB・部員らを交えて広く知恵を借り、次善の策を徹底的に話し合うことは出来なかったものだろうか。

 今回のトラブルには、経営者である理事会のガバナンスの欠如があったことは明らかで、内外からも指摘されている。林真理子理事長には、大麻所持の事実と副学長が所持していたことは伝えられなかったという。理事の中で恐らく知っていたのは、運動部を統括していた澤田康広副学長だけだったのだろう。この廃部決定という処分は、大学内はもちろん、他大学においても恐らく他人事ではないのではないか。日大は短兵急に結論を出さず、一時的な部活動休止処分を課したうえで、広く意見を聞いて最終決断を下しても良かったのではないかと思う。そんなことすら出来ないようでは、大学は学生たちに夢を与えられないと思う。当分の間、この大学スポーツ廃部問題は、議論を呼ぶことだろう。

2023年11月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6042.2023年11月28日(火) 日大大麻事件の泥沼化、理事会の内紛へ

 日本大学アメリカン・フットボール部員の違法薬物事件を捜査している警視庁が、大麻と認識していながら密売人から薬物を譲り受けたとして、また新たに3年生部員を麻薬特例法違反容疑で逮捕した。これで8月、10月に続き3人目の逮捕者である。こう度々逮捕者が出るようだと、正に「どこまで続く泥濘ぞ」である。大学の運動部としての存在の意義が問われ、存在自体が消滅し兼ねない。アメフト部の寮から麻薬らしきものが発見され、寮に住む部員らの無法が罷り通っていたことが次々に明らかにされている。

 その一方で監督すべき大学当局は、露見時の初期対応からその後の対応、及び対策が世間を納得させるような常識的なものでなく、理事会内の一致した管理体制に疑念を持たれている。ガバナンスの欠如とも言われる由縁である。流石に監督官庁の文部科学省は、来年度私立大学への助成金を日大に支給せず、日大が大学内の情報伝達や警察への連絡が遅れたガバナンス上の問題について、調査のうえ報告書を提出するよう求めた。大学のトップ組織である理事会を運営する林真理子理事長、酒井建夫学長、澤田康広副学長らの間に、対処方法や責任のなすり合いで意見が対立している。理事会として、林理事長に減給、学長、及び副学長には辞任するよう勧告した。ところが理事会内の言動を巡って対立が一層激化し、理事長がスポーツ競技担当の澤田副学長の責任を追及し、学長と副学長に辞任を迫り、これを副学長が納得しないと拒否した。

 そして、昨日辞任勧告の回答期限となり、副学長は学長とともに辞任勧告を受け入れると応えた。しかし、同時に副学長は、林理事長に対して辞任を迫るパワハラを受けたとして、1千万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こしたのである。ここまで経営陣が対立するようでは、組織としての体をなさない。確かにアメフト部員の不祥事は続いたが、それを止めさせ、堅実な運営を図る手段を講じなければならない大学トップの組織が、こんな体たらくではガバナンスの欠如では済むまい。

 田中英壽前理事長の背任事件という不祥事の温床となった旧体制からの脱皮と決別を掲げて現体制はスタートしたが、新体制発足から1年余で再び組織の刷新を迫られる事態となった。その元凶ともなった澤田副学長とガバナンス欠如の責任を取らされ辞任せざるを得なくなった酒井学長にとっては、納得出来ず、悔やんでも悔やみきれない胸の内だろう。

 しかし、「日大理事長の職を面白半分で引き受けた」林理事長にしても、毅然とした理事長らしい行動が見られなかった。これまで組織体の運営、管理、監督の経験がなかった林理事長は、再々発足する日大を果たして立ち直させることが出来るだろうか。薬物事件や理事会の意思決定などの経緯を調査した、第三者委員会綿引万里子委員長は、先月31日の記者会見で林理事長と澤田副学長が対立し、組織内が内紛状態にあることについて、「今のような状態を続けていたら日大は再生出来ない」と厳しい見解を述べている。

 今一番悩んでいるのは、日大の学生たちだろう。就職活動中の学生は、希望の企業から大学名を尋ねられた時、自分が日大生であると話すことにためらいがあると述べていた。学生たちを指導、監督すべき立場の大学経営者が彼らを悩ませ、コンプレックスを抱かせるような状況を生み出しては、酷というものではないだろうか。こんなふしだらな理事会が存在することで、マンモス大学・日大の再生は可能なりや?

2023年11月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6041.2023年11月27日(月) 就職志向により先行きの景気が読める。

 今日の朝刊に就職情報会社が2面に跨る全面広告を掲載していた。就職活動中の大学3年生が、実際に社会人となる2025年3月卒業時の彼らの人気企業ランキングを紹介したものである。

 特徴的なのは、一番人気は6年連続伊藤忠商事で、今世紀に入ってこれほど長く大学生の就職希望でトップの座を占めたのは、初めてだそうだ。そして、私が注目したのは出版会社が、2位講談社、3位集英社、7位KADOKAWA、9位小学館、の4社もベスト10入りしたことである。

 近年メディアの中でも新聞業界と出版業界は業績に低落傾向が目立っていただけに、意外な感を抱くとともに些か驚いている。一種の知的産業とも言われるこれらの業界へフレッシュな俊秀が入社すれば、近未来にこれらの業界を底上げしてくれ、それは社会的にもインテリジェンス機運の高揚に繋がると思う。

 その他に気付いたのは、コロナ渦が一段落して、人々が外へ出る機会が増えたのか、JTB、ANA、JALなどの観光関連企業が順位を上げたことである。その一方で、同じ観光業と関連性があり安定した経営の大手鉄道会社が、前年の57位から77位に下がったJR東日本が顔をのぞかせている程度にまで下がったこと以外、どの鉄道会社も100社以内に顔を出していない。かつては安定企業として上位に君臨していたメガバンクや、生保などの保険会社の人気も低迷している。

 それにしても大学生の企業志向によってある程度景気の先行きが読み取れるのは、興味深いことだと思う。

 さて、人口が減少し、地方の過疎化による交通手段が懸念されている。先月から「改正地域公共交通活性化再生法」という長たらしい名の法律が施行されることになった。地域の足をどう確保すればよいのか。赤字ローカル線をどう再編すればよいのか、鉄道事業者と沿線自治体を国が後押しする制度である。一応3年以内を目途に、鉄道の存続やバスへの転換に向けた方策をまとめる予定である。鉄道の存続にしろ、バスへの転換にしろ、かなりの出費が予想されることを考え、国が費用の半額を補助する計画である。

 東京のような大都会に住んでいると気が付かず、つい見逃しがちであるが、地方都市にとって鉄道路線廃止は生命線であり死活問題でもある。最大の難題は、経費を償う収支改善である。地方の鉄道は乗客が減るばかりで、鉄橋、トンネル、線路などの維持、修繕などに掛かる多額の経費も負担になり、経営上の視点からつい赤字路線の廃止に考えが向かいがちである。自治体からは定時運転と大量輸送が出来る鉄道を出来ればそのまま維持したいとの声が強い。地方の鉄道、例えば、JR西日本の広島、岡山を通る芸備線の一部について、JR側は廃線を視野に入れているが、自治体は存続を望んでおり、両者間の調整をまとめるのも大変である。

 現在自治体と鉄道事業者の間で、解決策が検討されている。確実な輸送が出来る交通機関としては、鉄道ほど利便性の高いものはない。通勤、通学に欠かせず、車を運転出来ない高齢者の足でもある。それだけに利用者、及び自治体にとっては代替手段に頭を痛めることになるが、鉄道から路線バスに替えても利用者にとって使い難いということであれば、それほどメリットはない。そこで費用を自治体が負担することによって鉄道を維持するか、或いは全面的にバスに切り替えるか、各地で検討中である。

 10年以上も前のことである。ある時九州の地方都市をぶらついていた時に、日中ひとりで空いたJRに乗ってのんびり巡って珍しく、且つ穏やかな光景に心打たれたことがある。その時感じたのは、ブームになりつつあったインバウンドをうまく地方の列車の旅に利用すれば、外国人旅行者にとって、バスでは見られない日本の穏やかな地方風景をゆっくり堪能し、日本の良さも分かってもらえる。そんな印象に残るような旅行を企画出来るのではないかと思った。インバウンドにとっては、新しい旅行計画の利用に、鉄道事業にとっては利用者増加に、こういう苦難の時でもあり、ぜひインバウンドと地方鉄道のコラボを活用してみてはどうだろうか。

2023年11月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6040.2023年11月26日(日) 充実したゼミと仲間のお陰で楽しいコンサート

 半年ぶりに浅草公会堂へ大学ゼミの有志仲間が集まった。今日は、格別寒いとの予報が出ていたが、実際朝から小雨交じりの雨模様で肌寒かった。東京の最高気温が、今季最低の5.5℃だった。これなら浅草界隈も人出が少ないだろうと楽観していたところ、いつもと変わらず浅草界隈は観光客でどこもかしこも人が溢れていた。特に、コロナ前と同じように外国人観光客の姿を数多く見た。

 浅草公会堂へは、ゼミ仲間のひとりがアマチュア・オーケストラでチェロを担当し、今日は半年に1度の定期公演会が開催されるので、出かけたわけである。いつもと同じように聴衆は、楽団員の知り合いが多いようだが、熱心に聞き入っていた。今日期待していたのは、演奏される曲目が私の大好きなチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番で、あの出だしが何とも言えず感動的である。大学受験浪人中だった当時、チャイコフスキー国際コンクールで、当時23歳だったアメリカ人ピアニストのヴァン・クライバーンが優勝して衝撃的なデビューを飾った名曲である。それを初めてラジオか、テレビで聴いて感動し、すぐにLPレコードを買い求めた。爾来この曲がすっかりお気に召して、実家でよく聴いていたものである。

 今日は、その名曲をピアニスト脇岡洋平氏が力強く演奏し、オーケストラと見事に合奏してくれた。藝大出の著名なピアニストとの合奏だけに、オーケストラの楽団員も大分緊張を強いられたようだ。もうひとつの演奏曲は、同じチャイコフスキーの交響曲第4番だった。聴いていて自然と胸に入り込んでくる名曲だったが、初めて聴いた知らない曲だった。

 終演後、予定のある友人は帰ったが、残った9人で会食をして楽しいひとときを過ごすことが出来た。大学を卒業して60年が経過したが、ゼミで学んでいた仲間とは今も時折会って、本音を曝け出し心置きなく話が出来るというのは、幸せなことだと思っている。今では皆それぞれ仕事からは退き、後期高齢者として自由な生活を送っている。

 在学中、サブ・ゼミの講師をしてもらった大学院生の親しかった先輩が、去る8月に亡くなったことが悲しいニュースだった。今日は食事の前に全員でほんの30秒程度だったが、黙とうを捧げて、世話になった先輩を偲んだ。

 大学では、私は個人的には山岳クラブに属していたが、ゼミでは社会政策を学び、良き恩師に恵まれ、勉学でも部活動においても充実した大学生活を送ることが出来た。ゼミの合宿では猪苗代湖で勉学の一方、湖周辺をハイキングして思いっきり楽しんだことも懐かしい思い出である。その流れというのが、今日のコンサートであり、その後の楽しい会食だったと思っている。その意味でも、誰にも負けないほど有益で充実した学生時代を送ることが出来たと自信を持って言える。それもゼミで良き師、良き先輩、良き友人に恵まれたお陰である。次回は来年の七夕の日である。楽しみに待ちたいと思う。

2023年11月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6039.2023年11月25日(土) 日本一の高層ビル「麻布台ヒルズ」オープン

 昨日日本一高いビル(330m)と言われる「麻布台ヒルズ」が公開された。まだ未公開の付属施設や、ビルがあり、グランド・オープンというわけではないようだ。いずれ他の付属施設は今後順次公開されることだろう。都市ビルとしてはかなり緑地スペースを取り、屋上部には庭園など緑の部分が多く、広場には果樹園などもあり、環境への配慮が覗える新鮮さが売り物のひとつでもある。敷地面積8㌶超で、その3割が緑地スペースだという。昨日オープンしたメイン・ビルは、主にオフィスや、商業施設、最上部13階層に高級マンションが入るが、店舗も150店が入居する。隣接される2つのレジデンス棟には、主に高級マンションが予定されている。年間3千万人が利用する予定だというから、かなり期待の高い皮算用だと思う。

 思い出すのは、今から十数年以上も前だったと思うが、隣の六本木ヒルズ最上階の宴会場で開催した母校・湘南高校OB東京有志会で、当時森ビル社長だった森稔先輩が、この下の道路を含む土地を総合開発する計画を進めつつあると話されたことが強く印象に残っている。森社長は完成を見ることなく、亡くなられたが、それが今このような立派なプロジェクトとして立ち上げられたことを感慨深く感じる。

 昨日は店舗や、屋上部の庭園には家族連れも多く訪れていたようだが、ここの5,6階には毎年人間ドックを受診している慶應病院予防医療センターが、信濃町から移転して来た。来年8月以降の人間ドック検査は、これまでの信濃町の慶應病院ではなく、ここで受診することになる。その際じっくり見学してみたいと思っている。

 さて、パレスチナで今対立の焦点である一時休戦と人質解放問題について、昨日午前7時(日本時間午後2時)から4日間の予定で戦闘が休止された。気がかりなのは、イスラエル軍が常々公言している短い一時休戦である。イスラエル軍は、休戦の直前にガザ地区の住民に向けて声明を出し、「戦争はまだ終わっていない。人道目的での戦闘休戦はあくまで一時的だ」と強調した。そのうえで、報道官が、「ガザ地区北部の制圧は長い戦争のうちの第1段階で、我々は次の段階に備えている。今後は次の段階に向けて計画と準備に集中する」と述べた少々攻撃的な発言が気になっている。

 一方のハマスの旅団報道官は、長期戦に向けてあらゆる準備が出来ており、徹底抗戦を続けるとイスラエルをけん制した。それに対してイスラエル国防相は、「これは短い休止に過ぎない。その後は激しい戦闘が続き、人質解放のためハマスへ圧力をかけることになる。戦闘は少なくとも2か月は続くだろう」と心底から休戦を望んでいるような気持ちは見られない。イスラエルのユダヤ教徒とイスラム教徒パレスチナ人が、止むことなく憎しみ合っている現状では、この諍いは半永久的に止むことはないのではないかと懸念している。これからも多くの犠牲者を生むことになる。両国上層部の過激で攻撃的な公言では、今回の一時戦闘休止も国際世論への単なる配慮であり、根本的な戦闘休止とはならず、例え今後も一時的な休戦はあったとしても、これからも戦争状態は止むことなく、悲劇はいつまでも続くことだろう。パレスチナとイスラエルの国民ばかりでなく、人類全体にとっても憂うべき状況である。

2023年11月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6038.2023年11月24日(金) 政治家への献金の不条理と韓国従軍慰安婦訴訟

 どうも不透明ですっきりしない事象がある。

 ひとつは、国会議員の政党支部の政治資金である。2021年の政治資金収支報告書の調査で分かったことであるが、国会議員が代表を務める政党支部が、企業や団体から献金を受けるケースの中に怪しい処理があることである。正に癒着を防止するために改正政治資金規正法により禁止されている政治家個人への献金の一歩手前である。政党支部への献金を政治家への寄付に振り替える抜け穴的な資金の流れを行っている政治家が大分いるようだ。

 そして、驚くことは、約700人の国会議員の中で、430人の議員が代表を務める政党支部が、1万2千の企業や団体から約34億円もの多額の献金を受けていたという。その内自民党政党支部が、約31億2千万円で他の野党に比べて圧倒的に多い。献金を受けた自民党政党支部を覗いてみても、上位には1位麻生太郎副総裁、2位田村憲久元厚労相、3位伊東良孝衆院議員、4位茂木敏充幹事長、5位萩生田光一政調会長のように、ほとんど自民党有力者の顔ぶれが揃っている。これについて、政治に詳しい岩井奉信・日大名誉教授は、「企業や団体も政治参画の権利は当然ある。ただ、政党支部のほとんどは議員個人の団体の性格が強く、献金は議員が見返りに便宜供与する疑念につながる」として、節穴だらけの現法を改正すべきだと主張している。現在のルールはずる賢い政治家に都合よく利用されかねない。国会議員は国民のために活動するより、自分の私服を肥やすために活動しているとはよく言われる。この政党支部への献金などは、まさにその典型だと思う。

 さて、もうひとつ気になった案件は、一向に終止符が打たれない旧日本軍の従軍慰安婦問題と元徴用工の損害賠償問題である。日韓請求権協定を韓国は日本と合意したことにより、いずれも解決したとされていた。だが、実際にはその趣旨が生かされていない。昨日ソウル高裁が下した元慰安婦への賠償金の支払いを日本政府に求めた判決には、元徴用工の問題同様に日本政府は遺憾の意を表明した。長い歴史的な裁判であるが、釈然としないのは、ひとつは日本政府が1965年に当時の韓国政府と結んだ「日韓請求権協定」により、日本政府は当時の韓国の国家予算に匹敵するほどの無償供与3億㌦の他に、有償供与として2億㌦を提供し、前記の通り日韓間の財産・請求権、及び慰安婦問題は完全、且つ最終的に解決とされた。

 それが韓国側から無視され、剰えソウル高裁判決では、「国家には他国の裁判権が及ばない」とする国際法上の「主権免除」を配慮せずに、日本政府に対して損害賠償すべきとの判決を下したのである。当然日本は高裁判決を受け入れる筈もなく、これでは事態は一向に前へ進まない。現在96歳になった元従軍慰安婦のひとりは、韓国流の逆転勝訴に喜びを表した。だが、事態は彼女の求める方向には進まないだろう。現状では、これ以上解決の光は見えない。日韓請求権協定は韓国政府が国家の責任の下に受け入れたものであり、この先は韓国政府が韓国国民に対して元慰安婦や、或いは元徴用工を納得させるよう努めるべきであると思う。

2023年11月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com