6136.2024年3月1日(金) 暗黒時代に突入する世界の政治

 昨夕唐突にメディアが伝えたMLBドジャースの大谷翔平選手が結婚したとのニュースに、大げさに言えば日本中の若者が興奮していた。出身地の岩手県では盛岡駅前で号外を配ったり、メディアでも大きく扱うほどだった。街頭でインタビューされた若い女性らはほとんどがショックを受けたと語っていた。1人の女性に大好きな大谷選手を奪われたかのようなコメントを多くの女性たちが述べている有様だった。大谷ロスであり、一種の社会現象でもある。まだ、結婚相手については普通の日本人女性だということ以外は、分かっていないが、考えようによっては、こういう話題が大きく取り上げられること自体日本社会は天下泰平である。

 ところが海外へ目を向けると、パレスチナ・ガザ地区へのイスラエル軍の攻撃が益々激しくなり、飢餓状態で食料の受け取りを待っていた人々を銃撃し、昨日も112人が死亡し、760人が負傷するなど多数の犠牲者を生んだ。ハマスの攻撃が始まって以来、すでに3万人を超える死者が出て、人道状況は悪化の一方である。流石にグテーレス国連事務総長もイスラエル軍の攻撃を厳しく非難している。しかし、ハマスを殲滅させるまでは停戦せずガザ地区を攻撃し続けると語ったネタニヤフ首相の言葉通り、イスラエル軍の攻撃に国際社会は、ただ手を拱いているだけのようである。

 ガザ地区が壊滅直前に追い詰められている中で、ウクライナ問題についても明るい兆しは見えない。昨日ロシアのプーチン大統領は、恒例の年次教書を2時間以上に亘って演説した。その中で3年目に入ったウクライナへの軍事侵攻については、「ロシア軍が主導権を握って、更に多くの領土を解放している」と身勝手に成果を強調し、また、核戦略は臨戦状態にあると脅しをかけて、欧米を強くけん制もした。今後の戦況については、多くの領土を解放し、戦争を終わらせ、ナチズムを根絶すると軍事侵攻を続ける姿勢を改めて強調した。プーチンこそが、独裁国家体制の頂点に立ち、思うがままに他国へ侵攻し、他国民を痛めつけており、それがロシアという国を横暴で残虐な国へ導いている点については、触れようともせず、ただ戦果を強調し、自らの功を吹聴している。ナチズムの根絶とは、自らこそがナチであり、その根絶を公言するとは自分自身を根絶するようなものである。ウクライナはとてもナチとは思えず、プーチン自身がナチズムの塊ではないか。核保有を見せびらかし、他国を威嚇するなんて最低の人物である。こんな男が15日から形ばかりの大統領選で当選するなら国際政治はお先真っ暗である。

 いずれにせよ、ガザの戦闘、ウクライナの侵攻は、未だ暗闇の中にあり、明るい兆候はまったく見えない。

 残念ながら上記2つの事例を見ていて、アメリカの存在感が薄れていくのを感じざるを得ない。最近「もしトラ」という言葉が、流行り出したが、もしトランプ前大統領が今秋の大統領選に勝利したら世界はどう変わるかとの不安の声である。仮にトランプとプーチンの2悪と、習近平・中国国家総書記が国際政治の場で顔を揃えるようになったら、地球上は修羅場となるのではないだろうか。

 それにしても世界は破滅と背中合わせの嫌な世の中になったものである。せめて大谷選手の活躍で明るい面を見せてもらい、我々は堅実に法を守り、出過ぎた行動を慎むことしか考えられない。

2024年3月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6135.2024年2月29日(木) 閏日の政倫審に岸田首相率先出席

 今日2月29日は4年に1度の閏日で、平年より1日多い閏年として1年が366日となる特別の日である。今日が閏日となったのは、ローマ暦では3月1日が年始で2月が年末だったことに由来するそうである。この日にお生まれの人で印象に残っている人がいた。5年前に亡くなられた兼高かおるさんである。兼高さんは、私も所属している日本旅行作家協会の会長をされていたこともあるが、一番印象的なのは、ちょうど高校へ入学した1954年に、「世界一周早回り競走」にスカンジナビア航空のプロペラ機で世界一周の世界記録を達成したことである。まだ自由に海外旅行が出来る時代ではなかったが、海外への憧れが強かった時だけに強い印象を受けたものである。まだお元気だったころの兼高かおるさんとその後旅行作家協会パーティでお話した際、誕生日が閏日なので、まだ20数歳だと兼高さんから伺ったことである。お気持ちはいつまでも若かったのだと思う。拙著「南太平洋の剛腕投手」を執筆中に、お互いに主人公のトラック島アイザワ・ススム酋長に会い、そのユニークで個性的な人柄を話し合ったことがある。兼高さんの兄上は、会社の元上司の慶大同級生だったこともあり、元上司からもしばしば話を伺っていた。どういうわけか、今日閏日になると4年に1度しか年齢を重ねない?兼高かおるさんのことが懐かしく想い出されてくる。

 さて、4年に1度という珍しい閏日に、衆議院で政治倫理審査会が公開開催され、岸田首相が出席した。これまで開催された9回の政倫審に歴代首相が出席するのは初めてである。この政倫審の開催要項については、自民党内で調整が難航し、当初非公開としてテレビ取材も許されず、どこまで真実が分かるのか疑問視され、野党やメディアからも批判的に報道されていた。そのため予定通り政倫審がどういう形で開催されるかがまったく分からなかった。そこへ昨日になって唐突に岸田首相自身が率先して政倫審に公開で出席する意向を示した。これにより非公開希望だった他の5人衆も右へ倣えするよう期待したようだ。事実そうなった。

 しかし、首相が自民党総裁としてメディアに説明責任を果たして行きたいと述べたことは、自民党内では幾分ショックだったようである。首相の意図は、今まで各議員が説明責任を果たすよう求めながらも、それは議員個人が決めることとはっきり各議員に要請することは無かったが、率先して出席すると語ったことは、党内に強烈なパンチを浴びせ、派閥からは場違いな不満すら噴出したようだ。しかし、こうでもしないと今批判を浴びている裏金問題に決着が付かないと判断した岸田首相の行動力には、その行為と決断に敬意を表したい。

 今日午後NHKテレビでその様子が公開された。今日は首相と二階派事務総長・武田良太元総務相の2人が出席した。首相の答弁を見た限りでは、野田佳彦元首相とのやり取りが興味深かった。首相が2022年に首相として7回もパーティを開いたのは異常で、勉強会とごまかさず、どう見ても政治資金パーティであり止めるべきだと、繰り返して追求した結果、「首相としてパーティを開催することは考えていない。在任中はやらない」との回答を引き出した。安倍元首相が開いていた桜の花の下のパーティなんか、金輪際やらないと言ったわけである。全党的にそうならなければ、これ自体は必ずしも成功とは言えないが、それでも首相自らが公開の場に出席し、説明したことは、それなりの成果である。

 最大派閥の麻生派会長の麻生太郎副総裁や、茂木派の茂木敏充幹事長、羽生田光一前政調会長らが、いつも騒がしいにも拘らず、すっかり沈黙してしまったのがどうも陰湿で薄気味悪い感じである。

2024年2月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6134.2024年2月28日(水) 驚く拒否権乱発、無断商標登録、カスハラ

 昨日の本ブログに国連五大常任理事国にのみ認められている拒否権の特権廃止をアピールしたところ、偶々タイミング良く今朝の朝日新聞「オピニオン&フォーラム」欄に「国連の存在意義」とのタイトルで国連の現在の問題点について、3人の有識者が揃って現在の国連の機能不全について問題点を指摘している。戦前の国際連盟時代から日本の満州事変や、ドイツのポーランド侵攻、イタリアのエチオピア侵攻を止められなかった無力さ、更に戦後国連になってからも、国連安保常任理事国・ロシアが隣国へ侵略することなどはとても想定されなかったとある大学准教授は厳しく批判している。国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)に関わり現地で活動している医師グループの統括責任者として活動している医師は、命を救うのは停戦であるが、それが常任理事国の拒否権行使によって実行されないことを嘆いている。もうひとりの日本国連学会理事長は、国連は時代遅れだと断言し、加盟国すべてを拘束する安全保障理事会で5つの常任理事国に与えられた強大な権限「拒否権」行使のために、安保理事会は機能しなくなったとまで述べている。

 しかし、アメリカとロシア、中国が権力誇示のためにこの特権行使で指導権を取ろうと必要以上に拒否権を行使する結果、これを排除するのは相当難しい状況にある。世界に自分勝手な人が増え、良識ある人々が少なくなったせいでもある。

 さて、今年MLBのエンゼルスからドジャースへ移籍した昨年の本塁打王・大谷翔平選手の話題が、今月キャンプインして以来連日報道され、どこのTV局もスポーツニュースは、大谷選手の話題から始まる。そして昨日オープン戦初出場でいきなり2点ホームランを放ち、ドジャース・ファンを興奮させて益々盛り上がり、今年のシーズンはこのまま大谷ブームに終始するのではないかと思っている。

 そこへ驚くようなニュースが齎された。「大谷翔平」の名を中国福建省のある企業が商標登録を申請したそうだ。洋服や水着などに使う商標として申請したそうだが、その企業に問い質すとどこまで本心か、「大谷翔平」を全く知らず、偶然名前がダブったと公言しているそうだが、大谷選手が世界的に名を知られるようになったのに便乗して商魂逞しくしたのは疑いようがない。だが、これだけ有名になった選手の名を本人の了解も得ずに、身勝手に登録するとはあまりにも人騒がせで、モラルの欠片もない企業である。大谷選手本人が知ったら何と思うだろうか。ネットを見ていると、いつものことながら中国人のずる賢い手口には非難轟々である。

 現状では、登録申請があったが、登録が認められたわけではない。かつて中国でも人気のあったフィギュア・スケーター羽生結弦選手のように、現実には登録は認められなかった例もある。それにしてもこの企業の本音は一体何だろうか。

 今日は、現実に目の前で驚く出来事があった。印鑑証明書が必要になったので、午後2時ごろ世田谷区役所玉川総合支所の担当窓口へ入った途端、中年男性の威嚇するかのような大きな怒鳴り声が聞こえた。カウンターで2人の女性係員を相手に罵詈雑言を浴びせていたのだ。書類を書きながら別の案内係に「これはカスハラですか?」と尋ねたところ、苦笑しながら「そうです」と応えられた。先日小池東京都知事が、カスハラについて対応を取ると言っておられたが、このように実際に公衆の面前で出没するのだ。それにしても区の対応は些か拙いと思う。大勢の人がいる中で係員がカスタマーから大声でやり込められているのに、いつまでもそのままの状態である。他の人びとがいることもあり、誰か別の係員が人目に付かない別の場所へ導いたら良いのではないか。このままではカスタマーは図に乗るばかりではないかと思う。結末を見ることもなく役所を去ったが、怒鳴り散らす男性はもちろん悪いが、役所の対応も少々拙かったと思う。そこにいた人たちはただ茫然としているだけだった。それにしてもカスハラはこんな風にどこでもあり得るようになってしまったのだ。情けない話である。救いは小さな子どもがその場にいなかったことである。

2024年2月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6133.2024年2月27日(火) 国連常任理事国の特権・拒否権廃止を

 今日は全国的に風の強い1日だった。東京でも八王子市内で最大瞬間風速28.1m/s、都心で 26.2 m/sと今年最高だった。通行人が風に押されて前へ歩けない姿がテレビで放映されていた。また、渋谷では強風により街灯が倒壊する有様だった。強風の中をウォーキングに出かけ、極力風の抵抗を避けるよう建物の塀際を歩いたが、それでもかなり風はきつかった。

 さて、ウクライナ戦線で優位を保っているロシアにとって、ややショッキングなニュースがあった。それは、北大西洋条約機構(NATO)へ加盟申請していたスウェーデンの加盟が認められ、200年間に亘って中立国を維持していたスウェーデンが、NATOにとって32番目の加盟国と決まったことである。これによりロシア軍艦船がバルト海を通過することが難しくなった。2022年にロシア軍がウクライナへ侵攻した脅威に備えて、北欧のスウェーデンとフィンランドは長い間中立だったが、これを機にNATOへ加盟を申請した。フィンランドは翌年23年4月に加盟を認められたが、スウェーデンは置き去りにされ認められなかった。そこには、加盟国であるトルコとハンガリーの2か国が加盟に反対していたからである。トルコとはスウェーデン国内に居住する少数民族クルド人の武装組織の活動を承認しているとトルコ側に不満があり、トルコは加盟に反対していた。しかし、話し合いの結果、加盟に同意することになった。残る反対は、ハンガリーだった。NATO加盟には加盟国の全会一致が条件で、1国でも反対があれば加盟は認められない。その1国がハンガリーだった。ハンガリーのオルバン首相は、ロシアのプーチン大統領と親交がありスウェーデンの加盟には反対していた。だが、その強権ぶりはEUから批判されていた人物である。

 しかし、オルバン首相の意向に反して、ハンガリー議会は、スウェーデンのNATO加盟はハンガリー自体にとってプラスになるとして、188対6の圧倒的多数によりスウェーデンのNATO加盟に賛成したのである。

 ここにひとつ別の問題が提起された。物事を決定するに際して全会一致ということは、関連する事情が複雑であればあるだけ至難である。況してや国境をまたぐ国際的な問題については、意思統一が難しい。特にしばしば問題になるのは、国連の場、とりわけ安全保障理事会の採否の際の拒否権である。5大常任理事国の内1国でも拒否すれば議題は否決される。これによりこれまで幾たびか有益と思われる事項が否決された厳しい過去の現実がある。

 今回のハンガリーのケースは、オルバン首相としては当初反対した。だが、それは国意に沿わないと多数の国会議員が首相らの意に逆らった。結果的に国民の過半数が賛成の議会決議により、加盟反対から賛成に代わった。これによりスウェーデンのNATO加盟に唯一反対していたハンガリーが賛成したことになり、全会一致でスウェーデンのNATO加盟は承認された。それが、前記の通りロシアにとって大きなショックとなった。

 国連安保理事会における重大な討議について考えてみると、5大常任理事国の内で反対の1票を投ずるのは、ほぼアメリカか、ロシア、中国が常態となっている。これにより世界中の人びとがどれだけ幸せの恩恵に浴しなくなってしまうかを考えると気持ちが重くなる。つい最近もパレスチナ・ガザ地区へのイスラエル軍の攻撃を止めさせるための休戦協定がほぼ決まりかけていたが、その停止案についてアメリカが異を唱えて折角の提案が否決されたのである。結果的に同地の一時休戦は流れてしまった。

 多くの国連加盟国の中で、僅か5か国にのみ与えられた「拒否権」という強権によって、重大な事象が左右される。本来国の大小を問わず、ひとつの国は、他国と同等の機会をあたえられるべきであると再認識して、今改めて再検討して拒否権自体を廃止することを検討すべきではないかと考える。多数決制を重視する見地から、現在の国連安保理の常任理事国へ与えられている拒否権の特権は不平等であり、排除すべきであると思う。改めて検討されて然るべきではないかと思う。大国の都合に合わせて彼らの特権をこのまま許すことは、世界平和の足を引っ張るものである。

2024年2月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6132.2024年2月26日(月) メディアは何をしている! 忘れ去られた2.26事件

 88年前の今日、1936年2月26日軍国主義がエスカレートした象徴的な事件、2.26事件が勃発した。事件も米寿を迎えたわけである。軍事国家大日本帝国は中国大陸へ侵略し、遂に太平洋戦争に突っ込み敗戦を迎えて、アメリカ主導の下に民主主義国家として再興された。同時にこの陸軍青年将校による軍事クーデターから戦争へと進み多くの戦死者を出し、戦後になって国土を荒廃させたとの反省に立ち、民主主義国家として再起を期し2度と戦争を起こさないために新憲法に軍備を持たないことを約束し明記した。

 然るに時代の経過とともに、過去の反省を忘れ、軍国主義が再び頭をもたげだしたのである。その典型は、アメリカの要請を受け入れ、軍隊と寸分も違いのない自衛隊を設置し、戦争反対の国民をよそに憲法に違反する軍事国家へ変貌しつつあることである。散々議論された非核3原則は今では空論となり、アメリカの要請により防衛力増強は防衛予算を一気に5年間43兆円に増額し、敵基地攻撃能力を備え、次期戦闘機をイギリスと共同開発するほどの危ういプランである。まったく憲法の精神は無視され、戦争を知らない今の国会議員が身勝手に戦争へ向かって一直線である。財政健全化が懸念される中で、1年間に8兆円を超える防衛予算は破格である。防衛費は、2023年度国家の一般会計予算の7.5%に該当する。

 このように過去の過ちを反省したフリをしながら、防衛省は自衛隊員に部隊単位で靖国神社に参拝させて自衛隊員を洗脳している。一方、国は国民から搾り取った税金を違法な防衛費へ注ぎ込み、再び戦争を仕掛けようとしている。

 現在の自民党政府は再軍備化のお先棒を担いでいるが、昨今国民に不審を抱かれている裏金問題のように、濡れ手に粟でキャッシュバックされた資金を個人の懐に入れ、個人の所得として納税しない行為については、今の確定申告時期に納税者から税務署員に厳しい声がぶつけられている。しかし、国家財政を与る鈴木俊一財務相は、ポケットに入れた裏金を入手した議員に納税せよとは言わず、納税するかどうかは、本人が決めることだと国民軽視の暴言を吐いている。これでは、益々国民の気持ちを逆なですることになる。

 今後益々防衛予算(国防予算)が増え、政治家が入手するパーティ券代の納税を拒否し、2.26事件の教訓を生かさず軍事国家化することなど、現在の国会議員が日本を壊しつつあることから、多すぎる無駄な国会議員を排除する意味で、議会にとって多すぎる議員数をこの際精査したうえで思い切って大幅に削減すべきではないかと思う。

 さもなければ、2.26事件で犠牲となった高橋是清蔵相、斎藤実内相らも浮かばれまい。

 国会議員以上に気になるのは、2.26事件のような軍部クーデターが当時大きな反響を呼んで戦争へ繋がったことを、今日もメディアは一行も、一言も伝えようとしないのは、メディアの責務を放棄していることである。近年メディアは、2.26事件ばかりでなく、政界について本音を主張するのを避けている節がある。批判的な論調が大分弱くなった。メディアの堕落としか言いようがない。これでは、出来損ないばかりの政治家の思う壺ではないだろうか。

2024年2月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6131.2024年2月25日(日) 手紙も年賀状も書かない時代に

 今年いただいた年賀状に今改めて目を通していると年賀状の送り手の気持ちと現状が分かり、思わず心がほころんで来る。その中で高齢になったので来年以降年賀状を辞退したいと書かれた年賀状が結構多いのに、ついに来たかという感慨と同時に時代を感じる。偶々長年交誼をいただいている弁護士さんが、その件についてご自分なりの考えを述べられているのを知り、やはりこういう方もおられると意を強くした次第である。弁護士さんによると70代過ぎの方から今年で賀状終いと書かれた終活の一環だろうと思える賀状をいただくことが多くなったそうである。驚くのは、企業からエコ(環境保護)を目的に賀状廃止のハガキが届いたという。「虚礼廃止」の意味もある。しかし、この会社は今まで虚礼で賀状を出していたことを自白して恥ずかしくないのかと思わず差出人の社長の名前を読み返したそうである。そのお気持ちはよく分かるし、年賀状は虚礼だったのかと考えると唖然とする。そして、この弁護士さんは、暑中見舞いと賀状くらいしか、存在することを知らせる名目がないため、敢えて賀状終いの方にも賀状を送っておられるそうである。

 私もこの弁護士さんのお気持ちがよく分かる。私にも来年以降は高齢のため辞退したいとプリント、或いは添え書きをされた年賀状を大分いただいた。恐らく10枚以上もあると思う。ただ、それらの年賀状の送り手は私と年齢は近いが、私より若い人たちである。弁護士さんの言われるように、せめて1年に1,2度は自分の安否を知人に伝え、相手からも教えてもらってともに息災を喜ぶことは必要ではないかと思っている。企業が虚礼廃止の一環として考えていたなんて論外であるが、弁護士さんが指摘されたように、その企業が年賀状の意味や主旨をよく理解していないことに何とも情けなく思っている。

 最近の傾向として普段からあまり本を読まず、手紙を書かない人が増えたことが、年賀状辞退の背景として考えられる。それに小中学生時に両親からはもちろん先生からきちんと「年賀状」について学んでいなかったことが大きいと思う。小学5年生時に内房の勝山町から千葉市内の幕張小へ転校したが、担任の熱血漢の先生はすべての教科で生徒に熱心に、それこそ痒いところに手が届くように丁寧に教えてくれた。年賀状についても版画の年賀状を作成するよう彫刻刀で版画の製作から、その版画で年賀状を仕上げ、年賀状を書く心構えのようなものを丁寧に手取り足取り教えてくれたものだ。年賀状に魂が籠っていたように思う。

 今考えてみて私自身年賀状に拘るのは、そういう小学校恩師の情熱に打たれた一面もあると思っている。もう嫌だというならこれ以上押し付けることはしないが、とても寂しく残念に思っている。

 これからの若い人たちの中には、普段から本をあまり読まず、手紙を書かず、スマホに夢中になる人が多くなるだろう。彼らが大人になった時、或いは人生を終える前に頭の中には思考力というインテリジェンスがなくなっているのではないかと心配している。

2024年2月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6130.2024年2月24日(土) ウクライナ戦線とプーチンの狡猾な思惑

 早いものでロシア軍がウクライナへ侵攻し本格的な戦闘状態に入ってから、今日でまる2年になった。この先の停戦の曙光は一向に見えない。ロシアはプーチン大統領が国内で独裁体制を固めるため、権力を行使して大統領選の圧勝を狡猾に画策している。来る3月15日から3日間行われる大統領選では、反プーチン体制派の有力候補者を排除してプーチンの代わりはいないとの印象を国民に訴えようとしている。気の毒にも反体制派指導者のナワリヌイ氏は殺害され、ナジェージュジン氏の立候補を受け付けられず、知名度が低く必ずしも反プーチンではない候補者の立候補を受け付けている有様である。民主主義の原則である自由選挙が形を成していない。それが覇権国家ロシアの実態である。

 戦局はここへ来てロシア軍の勢いが増し、先日ウクライナ軍は東部アウディイフカから撤退の憂き目を見ている。ウクライナは欧米からの支援がなければ苦境に陥る。昨日テレビで、ウクライナのゼレンスキー大統領の側近であるポドリャク大統領顧問が、テレビ朝日大越MCに現状を語っていたが、ロシア軍は毎日1万2千発の砲弾を撃っているが、ウクライナ軍はせいぜい1千5百から3千発である。驚くのは、ロシアがあの経済的不況で国民が困窮している北朝鮮から120万発もの砲弾を受け取っていることである。この他にロシアは、イランからドローンなどを供与されている。

 他方、ウクライナ軍は、これまで欧米各国から軍事支援を得ていたが、このところそれも滞りEUから届く筈だった1年間の砲弾が、半分程度しか届いていないという。ポドリャク顧問によれば、ウクライナはウクライナなりに、1)砲弾生産に自国の投資、2)ヨーロッパ・パートナーとの砲弾共同生産、3)自爆ドローンの活用、を検討し、更に長距離ミサイルの必要性も考えているという。

 基本的には、最大の支援国アメリカの協力が必要であり、現在内向き志向のアメリカの世論とアメリカ第一主義を掲げるトランプ前大統領の影響力が気がかりと危惧されている。それでもポドリャク顧問は、こんな言い方もした。仮にアメリカがウクライナに610億㌦を支援したら、その資金はアメリカ国内の兵器生産に使われ、資金の9割がアメリカ国内の経済に残るとの説明である。しかし、長引く戦争、しかも国内が徐々にロシア軍によって破壊されていく中で、戦争拒否反応が強まってきた。国民の勝利期待度も昨年7月の71%から今月には42%にまで低下した。去る8日にウクライナ軍総司令官を更迭したゼレンスキー大統領支持率も2022年12月の84%から、1年後には62%にまで下落した。政府への信頼度は一層落ち込み、52%から26%へ大幅に落ちている。

 懸念されるのは、プーチン大統領がこのまま優位な戦争を続ければ、プーチンのような世界の独裁的な指導者たちが、理想としている独裁政治に自信を抱いてしまうことである。そうなれば、世界で日本を含む民主主義国家と独裁国家との分断が強まる可能性がある。今や民主主義政治の真価を問われているとも言える。

2024年2月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6129.2024年2月23日(金) 天皇陛下、64歳の誕生日を迎えられる。

 今日は国家の祝祭日のひとつ、天皇誕生日である。メディアでは、明後日日曜日までの連休3日を天候や、観光、レジャーの視点から伝えていて、天皇誕生日については昔の天長節に比べればそれほど騒ぐような報道ではなくなった。それでも雨が降る寒い天候だったが、恒例の一般参賀が行われ、天皇は皇后、長女愛子さま、秋篠宮ご夫妻、秋篠宮佳子さまらとともに、参賀に訪れた人々に宮殿ベランダから手を振られご挨拶をされた。スピーチでは例年国民の健康と幸せを祈るとのお言葉を盛り込んでいるが、今年は正月早々に発生した能登半島地震について、犠牲者のご冥福を祈ると同時に、遺族と被災された人々にお見舞いの言葉を述べられた。

 コロナ渦で一般参賀が中止された年もあり、昨年は事前予約制度を取るなど、毎度宮内庁も平穏に行われるよう知恵を絞っている。

 天皇は今日64歳の誕生日を迎えられたが、いつもにこやかで、謙虚な姿勢を崩されず、誠実な印象を与えてくれる。外国の皇室では、近年国王をはじめ皇族らに不祥事が散見され、今では国民からの尊敬や信頼が薄れている国が多いようである。その点日本の今上天皇ご一家は、国民から敬愛され、親しまれ尊敬の対象でもある。天皇ご一家としては、ひとり娘の愛子さまが来月学習院大学を卒業され、日本赤十字社で仕事に就かれるという。愛子さまも大学在学中は、生憎コロナ渦の真っ只中だったために、入学されてから3年生まではすべてオンライン授業で対面授業がほとんどなく、親しいご学友もほとんどいないまま卒業ということになるようである。これからは公務も増えて、社会人としてご活躍されることになるだろう。

 他に現状では、将来の天皇候補として秋篠宮家の悠仁さまの進学問題が難しいようだ。現在優秀な進学校の筑波大付属高2年生であるが、4月から3年生として大学受験が控えている。当初推薦により東大入学を目指していたようだが、その可能性が大分低くなり、さりとて浪人することは容認されていないそうで、現在関係者は都内の相応の大学を調べているようだ。実は、東大に推薦入学制度があることは寡聞にして知らなかったが、その東大推薦入試の2023年度合格率の割合は、志願者253名に対して合格者は88名だった。合格率だけ考えるなら約3倍でさほど難関とも思えないが、その合格者たちは常識を遥かに超えるほどの優秀さで、とてもハードルが高いそうである。週刊誌の記事によれば、悠仁さまの入学大学としては上智大学が有力視されているようだ。皇族が入学されるとなると知名度も上がり学生の人気も高まり、大学経営上プラスになると思うが、受け入れる大学の気の遣いようは並大抵ではないと思う。警備上の問題もあり、他の学生への影響を考えると、痛しかゆしの面もあるのではないだろうか。

 今日も雨が降る中をいつも通り傘をさしてウォーキングに出かけたが、去る11日の建国記念日には日の丸旗を掲げていた家は、僅か1軒だけだったが、今日同じルートを通ったところ雨の中で日の丸を掲げていたのは、11日と同じ家だけだった。昔はほとんどの家で日の丸を掲げていたものだが、今や国の祝祭日に国旗を掲げなくなってしまった。昔は「旗日」と呼んでいたくらい各家庭では門前に国旗を掲げていたが、今では一般的に旗日とも呼ばずに「祝祭日」と呼んでいるからだろうか。

2024年2月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6128.2024年2月22日(木) カスハラ防止法案と株価史上最高値

 ウクライナにせよ、パレスチナ・ガザ地区にせよ、戦斗解決への糸口が一向に見えず、手詰まり状態である。イスラエル軍がガザ地区最南部エジプト国境にあるラファへの軍事作戦を準備する中で、国連安保理事会が開かれた。ガザ地区における即時の人道的停戦を求める会議だったが、無念にもその決議案は否決されてしまった。15か国の内13か国は賛成の考えだったが、常任理事国のイギリスが棄権し、同じ常任理事国のアメリカが反対したために否決という結果になった。アメリカがガザに関する安保理事決議案で拒否権を発動させたのは、これで4回目である。決議案を提案したアルジェリアをはじめ、多くの国々から失望の声が聞こえている。いつもアメリカと対立するロシアと中国が、アメリカの対応を強く批判している。これでラファにおける即時停戦の機会は遠のいてしまった。

 さて、一昨日小池百合子・東京都知事が施政方針演説の中で「カスハラ防止法案」の策定の検討を表明した。このカタカナ4文字は何を表すのか、直ぐには分からなかった。カスタマー(顧客)ハラスメントの略だと知り、絶対的に「顧客には口答えできない」とか、「お客様は神様」みたいな間違った考えや、顧客の理不尽さや我がままが、近年商売上でも露骨に表れてきたのかとこうなってしまったビジネストークには失望している。東京都としても止むにやまれず法案を検討したようだが、すでに昨年10月に東京商工会議所、経済・労働団体、外部の有識者らの検討会でアイディアが出されているようだ。ただ、罰則などはなく理念条例が適当と考えられているようだ。

 現実に民間の商取引や、公務員との話の中で理不尽で過剰な要求をしたり、従業員への暴言や脅迫、サービスへの不当な言いがかりのような迷惑行為により、心的プレッシャーを感じる人が大勢いるらしい。

 顧客との商取引で多少の意見の相違や、食い違いからもめることはあり得るが、顧客が恫喝や脅しのような言動に及ぶことは自分の有利な立場を悪用したハラスメントと受け取られても止むを得ない。ただ、それが商取引の範囲内で許されるものであるか、また無理な要求を通すために脅しとしてプレッシャーをかけていないか、などその境目を超えた場合の弱い立場側に心理的な負担を与えることは充分あり得る。

 かつて、実際に営業活動に従事していたころに、他人にはとても勧められないが、自分なりに会得したクレーム解決法がある。常識的には認めてもらえないだろうし、法的場面では忌避されるようなやり方であるが、簡単に説明してみよう。

 それは、不本意な言いがかりであっても顧客から散々文句を言われた後に、表面的には堪えて「申し訳ありません」と言って頭を下げることである。相手がガミガミ言ったとしても、また同じ「申し訳ありません」を繰り返す。相手が「『申し訳ありません』ばかりではなく、何とか言え!」と興奮して譲歩の言葉を催促したら、また「申し訳ありません」と応える。このやり取りが繰り返され、その都度「申し訳ありません」と繰り返して頭を下げる。流石に相手も度々の「申し訳ありません」に閉口して「他に何とか言え!」と言ったら、また「申し訳ありません」と言う。文句を言われている間中応えは「申し訳ありません」だけである。最後には相手もこの言葉のやり取りにうんざりして「勝手にしろ!」と捨て台詞を残して去って行く。こういう筋書きである。土下座など多少の演技も必要であるが、これが長年の営業活動で身に付けた不本意、かつ効果的な近藤流苦情処理テクニックである。

 不条理な言いがかりのような苦情を真面目に働いている人にぶつけるなんてことは、まともな人間のやることではない。都知事のカスハラ防止法案で、久しぶりに昔の苦情処理場面を想い出した。

 ついては、夕方になってびっくりするようなニュースが伝えられた。日経平均株価が35年前のバブル期につけた史上最高値38,957円を破る39,068円を記録したのである。アメリカの半導体大手の好決算に引っ張られ、日本でも半導体関連銘柄に買い注文が集中したことが大きく影響したようだ。それにアベノミクスで日銀が大規模な金融緩和を開始し、それが今の円安に繋がり、輸出の好調と外国人投資家が日本株を購入したことが株価上昇に寄与したことが大きい。裏金問題で評判の芳しくない安倍政権の置き土産が、史上最高値の株価を記録するとは世の中も皮肉に出来ているものだ。

2024年2月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6127.2024年2月21日(水) 地球温暖化による海面上昇で島が水没?

 予報通り今朝から寒く雨が降っている。庭の白梅と白椿もほぼ満開で風情が高まって来た。願わくば、野鳥の来訪を待っているところだが、まだ時折やって来る程度である。部屋から外を眺めているとやや寒々しい。暖かくなったり寒くなったり、今週は週末にかけて真冬の気候が続くようだ。実際昨日東京都心の最高気温が23.7℃だったのが、今日の最高は13.2℃で10℃以上も下がった。三寒四温なんてもんじゃない。それでも小雨の中を駒沢公園まで日課のウォーキングに出かけた。先日ほんの一分咲き程度だった河津桜がほぼ満開に近く見事だった。

 天候不順でつい気にかかるのは、将来的に二酸化炭素放出に伴い地球温暖化による気候変動が進み、これからは気温上昇により環境面、生活面で生物に与える試練が厳しいものになることである。これは世界的な傾向で、昨日のテレビ報道によるとスイスやイタリアのスキー場の雪が少なく、営業を休止したスキー場が大分あるようだったし、アルプスの氷河も年々消え、流れ出た雪解け水で道路も遮断される状態である。国内ではこの1月の平均気温が13.14℃となり8か月連続して対前年月比で過去最高になっている。これまで最高だった2020年に比べても1.2℃も上昇している。気象庁は、今年の夏の長期予報を出したが、全国的に平均気温が平年より高くなる見込みと発表した。赤道付近の海面水温が高くなるエルニーニョ現象の影響がインド洋まで及び、日本の南方の高気圧の影響に伴い日本列島に暖気が流れ込むと見られている。

 この地球温暖化現象は、海洋に影響をもたらし北極海の気温が図抜けて上昇しているという。シロクマの生活にも影響を与えているのではないだろうか。北海道大学など日本の研究チームもグリーンランドで北極海周辺の調査を行っている。最近インドネシア・ジャワ島に地震の影響から海水流入があり、その影響が懸念されている。同じジャワにある首都ジャカルタにもかなり海水が流れ込んだようだ。

 海面上昇と言えば、地球上で過去10年間に海面が10cm以上も上昇しており、海抜の低い島々では海水の流入防止対策に苦慮している。南太平洋ではツバル島の水没化がよく話題になり心配されているが、中部太平洋の「気候変動に沈みゆく島」と言われているマーシャル諸島のキリ島の水没が身近に迫っている。このキリ島では、2015年2月にかなりの海面上昇があり、島内に大量の海水が流れ込み、島の9割が浸水した。2100年までに居住不能になると考えられている。周囲が約3㎞、人口は約200人で、15年の浸水で島から離れた人が多く、人口が半減してしまったちっぽけな島である。

 島民は、生まれ育った故郷を去りたくないと頑丈な壁で囲いを構築するとか、敷居を高くするなどと、自営対策を講じているが、島の水没などは考えてもいない子どもたちは、島を離れてアメリカへ行きたいと無邪気なことを語っていたのが、哀れを誘う。

 日本にとっても決して他人事ではない。このまま地球温暖化が進めば、日本列島近海の離島などでも海水流入の可能性が生じて来る。極力パリ協定に倣い、二酸化炭素放出の削減を図る自助努力の他に、排出量世界一のアメリカと2位の中国に対してCO2の削減に努めるよう説得する責任もある。

2024年2月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com