6217.2024年5月21日(火) 富士山登山ラッシュによる問題点

 早くも沖縄と奄美群島では梅雨に入ったという。今日昼間兄の高校時代の友人と兄、それに私の3人で二子玉川の眺望の良い30階のレストランでランチをともにするため出かけたが、とにかく外は暑かった。東京都内の最高気温は28.9℃だったそうで、今年になって最高の暑さだった。

 ところで、昨日の各テレビ局の報道番組には、少々驚いた。その話題はNHKのニュースでも伝えられたほど日本の視聴者の興味を惹くものだったと言えよう。

 その話題とは、アメリカ・メジャーリーグの日本人選手2人の活躍ぶりだった。ひとりは、「大谷翔平の日」制定を知らされたその夜にリーグ最多の13号本塁打を放ち、翌日にはサヨナラ安打を打ったドジャースの大谷翔平選手であり、もうひとりは大谷選手がサヨナラ安打を放ったその日に日米通算200勝を成し遂げたサンディエゴ・パドレスのダルビッシュ有投手である。日本人選手の活躍が大分華々しくなり、かつての日米間の力の差がぐっと狭まったのではないかと思える。昨年世界野球選手権(WBC)で日本代表チームは優勝したし、上記の2人以外にもメジャーリーガーとして活躍している選手は大勢いる。

 まだ小学4年生時に千葉の田舎町から初めて後楽園球場へプロ野球を観戦に行った当時、マイナーリーグ3Aのサンフランシスコ・シールズが来日し圧倒的な力を発揮して、日本のプロ野球チームはまるで歯が立たなかった。その後野茂投手が活躍し、更にイチロー選手が活躍し、日米通算3千本安打を達成した当時は、日本でも大騒ぎとなった。だが、メジャーリーガーでただひとり3千本安打を達成した、レッズのピート・ローズが、日本人選手如きにプライドを傷つけられたと感じたのか、冷酷に「高校生の記録と一緒にされては迷惑だ」と日本のプロ野球は高校生レベルだと言わんばかりに侮蔑的なコメントを述べたものである。今大谷選手の元通訳が違法賭博に手を染めていたことが大スキャンダルとして取り上げられているが、意地悪な発言をしたピート・ローズも後年違法賭博に手を出し、野球界から永久追放の処分を受けた。今彼は後悔と恥辱の余生を送っている。

 思い出すことはいろいろあるが、いずれにせよ日本人選手が現在アメリカ球界で活躍し、アメリカ人ファンから歓迎され、喜ばれているのは何とも気持ちがすっきりする。

 さて、世界文化遺産「日本一の山・富士山」に関する問題を2つほど紹介したい。ひとつは、先日来報道されていた山梨県河口湖町のコンビニ前の道路に沿って大きな黒幕を掲げ、コンビニの上に富士山が見事に収まっている光景が見えないように今日町が遮断したことである。それは、コンピニの看板の上に富士山が鎮座するショットがSNSを通して外国人に大受けで、多くの外国人観光客がそのコンビニの前にやって来たことは良いのだが、道路を危険な横断をしたり、私有地に無断で入り込んだりの迷惑行為に、観光客を歓迎はするとは言え、地元の人にとっては痛しかゆしのようである。

 もうひとつの問題は、富士山への登山ラッシュ、特に夜間登山や、登山路上に眠り込んだり、ゴミの散乱などに頭を痛めた山梨県は、今日から登山者数を制限するため登山日を予約して通行料を決済することを開始した。登山者数の上限を1日当たり4,000人として、1人2,000円の通行料を徴収することになった。

 その一方で静岡県でも弾丸登山やごみ放置に頭を痛めており、現在任意で1人当たり1,000円の協力金を求めているが、山梨県のような徴収の義務化や、登山者数の制限については検討段階である。静岡県が一方的な入山料徴収に踏み込めないのは、富士宮市、御殿場市、小山町の登山道がほとんど国有地であるため、県の条例に基づいて入山料徴収や、登山者を制限するのは難しいということから話が進まない。

 富士山の山開きは7月1日で、すでにシーズンが始まっているようだが、性急に決めるのではなく、山梨、静岡両県は多くの意見や考えを聞いたうえで、国や有識者らの意見も参考に慎重に決めることが望ましいと思う。

2024年5月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6216.2024年5月20日(月) イランのライシ大統領、不慮の事故で死亡

 国のリーダー次第で国民の生活と安全は大きく左右される。その意味では、私利私欲の絶対権力を握った指導者に支配される国民は不幸極まりない。第2次世界大戦でナチズムのヒットラー総統の下で自由を抑圧されたドイツ国民や、今日では金正恩・朝鮮労働党総書記支配下の北朝鮮国民は経済不況による日常生活の不安におびえていることは明らかである。

 国家のリーダーには、こんな悲劇が襲うこともある。去る15日、スロバキアのフィッツォ首相が、銃撃を受け重態に陥っている。同首相は昨年9月に、ロシアが侵攻を続けるウクライナへの軍事支援の停止を訴え、議会選挙で野党を勝利に導き、首相に就任して間もなかった。だが、ウクライナへ同情的な国民感情を斟酌しなかった首相に対して、スロバキア国内には首相への非難が高まっていた。犯人は、反ロシア派の71歳の男だった。指導者は国の進路を決定する権限を持っているだけに、それが独裁的で非民主義的な場合には国際的にも大きな影響力を与えることが多い。それだけに反対派の国民からは、命まで狙われかねない。

 ついては、今朝のニュースでイランのライシ大統領搭乗のヘリコプターが悪天候のためにイラン山中で不時着し、山岳地帯ということもあり、思うように救出作業が捗らず安否が気遣われているという報道があった。午後になってイラン国営通信がライシ大統領は、同乗の外相ともどもヘリの墜落事故により死亡したと伝えた。イランには、最高指導者ハメネイ師がいて、その存在と権力の方が遥かに格上である。だが、政治的にはライシ大統領に全権を任されている。差し当たって大きな問題はないが、85歳のハメネイ師は高齢でもあり、後継者問題が懸念されている。パレスチナ・ガザ地区のイスラエル軍による攻撃以来、アラブとイスラエルの対立は、激しくなっており、ライシ大統領の言動が注目されていただけに、イスラム諸国にとっても頭の痛い問題となりそうである。

 そして、今日台湾では蔡英文総統に代わって新たに同じ民進党の頼清徳氏が総統の座に就いた。中台の協力を強化して現状維持の方針を進めると述べた。

 台湾の総統と言えば、初代の蒋介石総統を想い出す。1911年に辛亥革命を成功させた孫文の後継者として、中国国民党を指導し、1928年南京に国民政府を樹立したが、第2次世界大戦後毛沢東の中国共産党に内戦で敗れ、1949年台湾に逃れた。以後台湾で国民党総裁として最高指導者だった。

 その蒋介石は1975年に亡くなるまで国家元首の地位にあった。偶々亡くなる数年前台湾を旅行中にその姿を近くで目撃したことがある。阿里山へ登山電車で向かう前日の午後、台中市内の小高い山へ登って下の方を見下ろした時だった。物々しい軍の警備兵に囲まれた高級車からひとりの病衣を纏った老人が出て来て、周囲を歩いていた。その人物こそが蒋介石だったのである。そこには、同じような高級車が別に1台停車していたが、ガイドによると要人警護の際暴漢からの襲撃を避けるためどちらに総統が乗車しているのか、迷わせるためのカムフラージュ用だと教えてくれた。警備兵は我々にも銃で近寄るなと威嚇したが、こんなシーンも今になってみると懐かしい。

 頼清徳新総統は、前任者同様に台湾海峡を挟む中国に対して現状維持を訴えているが、海洋進出など徐々に国際法を犯してまでも他国領土へ進出しようとしている中国と向かい合うのは、かなりの責任と重荷であろう。新総統は総選挙では民進党の票を大きく減らし、蔡英文前総統に比べても信任票は下落した。人間的には清新な人物に思えるので、これからも日米と手を取り合いながら台湾の存在と主権を守っていけるよう努力して欲しいと願っている。

2024年5月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6215.2024年5月19日(日) 政治家は軽薄な発言を慎め!

 4月に静岡県の川勝平太・前知事が失言したことから知事を辞任し、今月26日に6人の候補者の間で県知事選が行われることになった。そこへ昨日自民党の推薦を受けた候補者を支援する女性支援者が多い中で、応援演説を行った静岡県出身の上川陽子外相のジェンダー平等に反するような演説内容が、物議を醸した。上川外相については、しばしば軽薄な発言をする麻生太郎・自民党副総裁が、美人ではないけど優秀だといって問題になったことがある。

 最初に記事を読んだだけでは、私にもどこが問題なのかよく分からなかった。新聞には、「この方を私たち女性がうまずして何が女性でしょうか」と話したと書かれている。これをこの候補者を自分ら女性が国会へ送り出さなくて女性として何が出来るのか、というような意味で受け取っていた。ところが、「うまず」という言葉が「産まず」という意味で話したようだと受け取られたと知り、これは問題発言と捉えられても仕方がないと思っている。これでは子どもを産まなくては女性ではないと主張しているように受け取られる。上川外相の真意については、語られていなかったが、本当に「産む」という意味で発言したとするなら、「有象無象」を正しく読めず、インテリジェンスが感じられない麻生副総裁とは違い、インテリ大臣である上川外相としては、軽率だったと思われてもやむを得ないだろう。

 ところが、発言してまだあまり時間が経っていない今日午前中に、外相は発言を撤回すると発表した。「私の真意と違う形で受け止められる可能性があると指摘された」ことから、外相もその可能性を懸念して誤解されることを避けようと発言を取り消したのだ。外相は、自身発言の趣旨を「女性パワーを発揮していただき、知事を誕生させようとの意味で申し上げた」と弁明した。

 しかし、今回の外相に限らず一般的に政治家の発言はあまり周囲の空気を理解したうえで発言するのではなく、思い付きで軽く発言する傾向がある。その点は人間的にもどうかと思う発言がしばしば見られる。重い責任を背負っている立場の人間は、それなりによく考えたうえで発言すべきであると改めて思った、今回の上川外相も軽々しい発言である。

 さて、隔月刊のNPO紙に「世界遺産物語」と題して、毎号これまでに訪れた世界遺産について拙稿を書いているが、20年近く前に訪れたことがあるインドの世界文化遺産について珍しいことをネットで知った。それは首都ニューデリーにある「クトゥブ・ミナールとその建造物」である。ここにある歴史的記念碑とイスラム・モスクは印象に残っているが、記念碑の前に立っている高さ7m余の鉄柱については記憶になかった。印象には残っていないが大変珍しいものだそうで、その鉄柱がインドの猛暑や汚染などの厳しい環境の中で、長い年月にも拘らずほとんど劣化せず、5世紀の建造当時と同じような原形を保っているのだそうだ。確かに鉄が錆びずに1,600年間も原形をとどめているのは稀だと思う。鉄が長い間劣化しないで維持されたのは、エッフェル塔のように何層もの特殊塗料で保護されているかららしい。しかし、このクトゥブ・ミナールの鉄柱は、1,600年も前に鉄を加熱して叩く鍛接と呼ばれる、特別な技法による錬鉄で出来たから劣化しないのだという。こういう知識は、この地を訪れた時は知らなかったので、あまり注意して見ることはなかった。この鉄柱が錬鉄で製作されたということが分かったのは、2003年だった。その数年後に訪れたのだが、ガイドさんはここまでは話してくれなかった。何だか残念な気がする。

2024年5月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6214.2024年5月18日(土) ロス市議会、5月17日を「大谷翔平の日」に

 今国会会期中に裏金問題の原因のひとつともなった政治資金規正法改正問題が持ち上がり、各党でそれぞれ検討中だったが、裏金の本家自民党が単独で法案を提出した。いつもなら自民党と公明党の共同提案となるところだが、本件については両党間に大きな意見の相違があり、自民党は独自に自民党案を提出することになった。来週明けには、立憲民主党と国民民主党も共同で提出する予定である。日本維新の会も来週提出する方針である。

 自民党提出の法案では、議員本人への罰則を強化するため連座制を導入し、収支報告書を議員に義務づけて会計責任者が不記載などで処罰された場合は、確認不十分だったとして議員を公民権停止の対象とすることにした。

 また、中々まとまらなかったパーティー券購入者を公開する基準は、現在の20万円から10万円に引き下げる。

 更に党から議員個人に支給している政策活動費については、議員が使途をそれぞれ項目ごとに党に報告し、党が収支報告書に記載することにした。立憲と国民両党提出案では、連座制を強く求めることの他に、党からの議員への政策活動費の支給を禁止することなどが織り込まれている。

 他に議論された、両親が離婚後も父と母の双方が、子どもの親権を持つ「共同親権」の導入を認めた改正民法が可決、成立した。この共同親権という言葉はいくつかの難しい問題を孕んでいる。特に、円満離婚でなかった場合には裁判所が「単独」か、「共同」かを決める。また、子どもの養育費を一方が支払わなかった場合、裁判所が決めるなどまだ複雑な問題があり、自民党案に野党も同意したが、日本共産党とれいわ新選組は反対し、社民党は採決を棄権した。

 さて、微笑ましい話をひとつ。現地時間16日にドジャースの大谷翔平選手が、心臓など4度の手術をした13歳のアルバート・リー少年と試合前にドジャースタジアム内で会って励ました映像が球団から流された。リー少年は、大谷選手に会えるとは思ってもみず、不意に目の前に現れた大谷選手を見て興奮のあまり目と口を開けっぱなしだった。大谷からサイン入りユニフォームを贈られ、「30秒間呼吸できなかったよ」と興奮していた。その表情が何とも愛らしくSNSで伝えられたが、評判は上々のようだった。その後リー少年が大谷を相手に始球式で投げた。大谷は、球団からは夫人と夫婦で始球式を行うよう提案されたが、少年を相手にした。SNS上にも「あんなに輝いている子どもの表情は見たことがない」「涙が出て来た」「最高にすがすがしい気分」だの少年とともに、大谷選手の評判も益々上がったようだ。

 そして17日ロスアンゼルス市議会は、5月17日を「大谷翔平の日」と決定した。これは大谷選手がドジャースに在籍する限り、続けられる。その恩に応えるかのように、今日(現地17日)の対レッズ戦で、大谷選手は2点本塁打を打って勝利に貢献した。いずれにせよ大谷選手の周囲には、「幸せ」、「喜び」の雰囲気が溢れている。日本の選手がこれほどアメリカで持て囃されるのは、稀有のことであり、日本人としてつい嬉しい気持ちになる。

2024年5月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6213.2024年5月17日(金) 選挙における言論・表現の自由の問題点

 昨日ブログに書いた広島県の1市長が7月に行われる東京都知事選に立候補を表明したことは、今日の朝刊にも取り上げられていた。出馬を表明したのは、広島県の石丸伸二・安芸高田市長である。ネットにも良しにつけ悪しきにつけ随分取り上げられている。この問題の前に関心が向いたのは、「市」という自治体についてである。市についてはある程度学んだのは、中高生当時だったが、市としての存立条件は、最低限人口3万人以上ということだった。それが、今では市町村合併、離合などの条件付きなら3万人以上であるが、通常は人口5万人が市を構成する最低条件と言われている。だが、この安芸高田市は現在2万6千人しか住んでいない。

 そしてもうひとつ疑念を抱いたのは、昨日のブログにも触れたが、自治体の首長選に立候補できるのは、その自治体に3か月以上以前から居住していることが条件である。さすれば、石丸市長は7月7日の都知事選投票日の3か月前に東京都内に住民票を移している筈である。そうすると、もうひとつ別の疑問が生まれる。昨日時点で市長は東京都民でなければならないが、そうだとすれば、市長任期中に安芸高田市民ではなくなり、これは信頼して市長に選んでくれた安芸高田市民を裏切ることにならないだろうかという懸念である。

 石丸市長については、ネットの声も姦しい。4年前に自民党の河井克行元法相による買収事件の際、前市長が収賄容疑で辞職した市長選において初当選したのだが、当時37歳の銀行員で清新な印象を与えた。だが、市議会議場で居眠りした議員に恥を知れと批判したり、ネットにいろいろ投稿して、一部では批判もあった。物事をはっきり述べたことが評価される反面、逆に対立を生んで功罪相半ばであるようだ。都知事選がどういうことになるのか現時点では不明だが、カイロ大学卒業という学歴詐称を抱えた小池知事が、どういう形で選挙に臨むのか、これも現状では不透明である。

 選挙と言えば、先日行われた3つの衆議院補欠選挙で、東京15区は自民党から誰も出馬せず、結局当選した立憲民主党の酒井菜摘氏、及び小池都知事の支援を得てかなり下馬評では有利と見られた乙武洋匡氏ら、ほとんどの立候補者に対して、露骨な妨害行為により公職選挙法違反で、「つばさの党」代表者と立候補した幹事長、運動員ら3人が逮捕された。テレビで選挙中の映像を観た限りでもあまりにもやり過ぎではないかと思っていた。つばさの党は、言論、及び表現の自由ということをしきりに述べているが、候補者の選挙演説を妨害するような大音量を拡声器から出して、候補者は話が出来ない状態にし、別の場所で選挙演説を行うべく車を移動させるとその後を追いかけて大きな音の音響で嫌がらせをしていた。これをつばさの党は、憲法上許された行為と言って反論していた。

 その呆れたつばさの党の言い分の根拠には、2019年参議院選挙の際北海道で、自民党候補者を当時の安倍元首相が応援演説した際、ヤジを飛ばした男女を警察が排除した案件があった。これが、表現の自由に抵触する行為であると裁判で主張し、現在控訴審まで進んでいる。だが、このヤジも酷いが、これは政治的な発言に対して聴衆がヤジを飛ばしたという事件で、拡声器を使用して候補者を追っかけ回すつばさの党の悪質な選挙妨害とは大分異なる。

 一般論として言えば、何でもやりたいこと、言いたいことをやってみるという傾向には良識が欠け、世の中の落ち着きのなさ、冷静さが失われてきたようで、寂しい気がしている。

2024年5月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6212.2024年5月16日(木) シャープの「世界の亀山モデル」転落

 今日から気持ちを新たに18年目のブログのスタートである。

 早々にあまりパッとしない話題だが、昨日の朝刊紙上にかつて日本の電機業界の顔でもあった「シャープ」が、TV用液晶パネルの生産から撤退するとのニュースが大きく取り上げられていた。シャープ電機と言えば、テレビ界でも革命児として知られ、2000年代にTVのブラウン管から液晶テレビへ切り替え、特に三重県亀山市のシャープ亀山工場は日本の電機業界の先端にいた。しかし、今世紀初頭一世を風靡し「世界の亀山モデル」とまで持て囃された液晶テレビも、次第に価格面で中国や韓国、台湾製に太刀打ちできなくなり、事業自体も赤字を余儀なくされ、挙句に会社は台湾の鴻海精密工業に買収された。今では、ディスプレイ産業は日本経済の「失われた30年」と自嘲的に言われている。

 実は、私自身この亀山とは、別の意味で不思議な因縁を体験したことがある。それは文部省の教員海外研修団でご一緒した三重県立亀山高校の校長先生から、今世紀初めに同高校生の韓国への海外修学旅行の説明会を開きたいので、高校生にとって海外旅行で留意すべき点について参考になる話をして欲しいと依頼され、お引き受けした。そこで名古屋市内に1泊の後JR亀山駅前でタクシーに乗り、ドライバーに「亀山高校へお願いします」と話した。ところが、初めての土地でもあり、まったく土地勘がなかったので、料金支払いの際、「ここが亀山高校ですね」と念を押したところ、彼もびっくりして「ここはシャープ亀山工場で亀山高校ではない」と応えた。彼は勘違いして「亀山高校」を「亀山工場」と間違えたと謝った。直ぐにそこから亀山高校へ再スタートすることになった。私の言い方が悪かったのか、その辺は何とも言えないが、ドライバーの立場では私が背広、ネクタイを身に付け、ビジネス・バッグを手に提げていたので、亀山工場へ向かうサラリーマンと早飲み込みし、深く考えることもなく亀山工場へ向かったのではないかと思う。その話を校長に話したところ、苦笑しておられた。そのままシャープが企業業績を伸ばしていれば、ジョークにしても冴えただろうが、シャープは今では「落ち目の三度笠」であまり笑える話ではない。だが、私には印象深い亀山詣でだった。

 さて、今日広島県安芸高田市の石丸伸二市長が、今年7月に行われる東京都知事選に出馬する意向を表明した。石丸市長は、4年前当時の市長が大規模買収事件で辞職して行われた市長選で、37歳の若さながら選挙戦を勝ち抜いたが、その後市議会やメディアと対立して何かと注目を集めた御仁である。任期切れを機に都知事選に立候補した理由として、「東京を変えて日本を変えたい。東京の一極集中から全国にわたる多極分散に向かう時が来ている」と語ったが、1期だけで市長を辞めるようでは、反って地方の他極分散政策にマイナスではないだろうか。言い分として「どうしても他にやらなければならないことがある」と述べたようだが、地元民はもちろん東京都民としてもどうもすんなり納得することが出来ない。

 また、立候補にはその自治体の市町村に3か月以上居住していることが条件だと思っているが、安芸高田市長がそれを知らないわけがないと思う。それより何より市長として4年間、やるべきことをやったのだろうか。一方で今のところ小池百合子都知事は、まだ態度を表明していないが、こちらももう任期は残り2か月である。出るなら出るともうはっきり表明すべきではないか。今日購入した文藝春秋6月号上の座談会では、相変わらず評判は頗る悪い。どうなる都知事選!

2024年5月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6211.2024年5月15日(水) ホームページを公開してちょうど17年

 昨日の本ブログに書いたように、「5.15事件の日」については、やはり私の知る限り今日どこのメディアからも取り上げられることはなかった。派手な話題として取り上げられたのは、今日も3本のヒットを打ち、リーグトップとなる12号本塁打を放ったドジャースの大谷翔平選手の活躍と、その大谷選手を騙して彼の銀行口座から約26億円を引きおろし違法賭博に使い込んだ元通訳が裁判所へ出頭したニュースである。

 一方で、転びかかっている自民党ではあるが、憲法改正を考え、防衛費予算を大幅に増額し、敵基地攻撃能力を備え、自衛隊の海外派遣まで考えているように右翼路線をひた走っている自民党に対して、右翼勢力が起こした5.15事件を報道するのは、メディアにとっては不都合だと考えているのだろうか。一般国民があまり5.15事件に関心を抱かなくなっている間に、自民党右翼勢力は着々と「第2次太平洋戦争」の準備に余念がないとでも言うべきであろうか。クワバラ クワバラ・・・。 

 さて、今日は「知の狩人 知の旅人」と僭越なタイトルを付けたHPを公開してからちょうど17年を迎えた。連続6111回である。明日から18年目に入るが、私も現在85歳の後期高齢者であることを考えると、これから先は年齢的にも少しきつくなるので、いつまで続けられるか定かではない。だが、書くことが精神安定剤でもあるので、健康に留意し心身ともに順調に書ける内は書いていきたいと考えている。当面は7,000回を一応の目標にしたい。昨日までにHPへのアクセス数は「364,127」となった。HP上の第1回ブログには、「念願だったHPを公開します」と題して、その日の気持ちを書いている。大きな決意とか、目標は掲げていない、ごく自然なスタートである。ただひとつ誇れることは、今日まで17年の長期間を1日たりとも休むことなく書き続けて来られたことである。この間執筆が難しい環境にいたこともあったし、海外旅行中で移動する難しい立場にいたこともあるが、ひたすら「継続は力なり」を信じて、中学生時代に日記を書き続けた体験から前向きに取り組んできた。まだ60代だった2007年5月15日の最初のブログを振り返ってみると、あの日は沖縄本土復帰35周年だった。その意味では今年は復帰52年になり、今日の新聞の隅っこにその記事が載っていたが、92年前の5.15事件は新聞のどこを探してもそれらしいことには触れられていない。また、私にとって2冊目の著書「停年オヤジの海外武者修行」の上梓の決意を固めた時でもある。

 あのころは、政治的には、今とあまり変わらず疑惑だらけだった政界では、現職大臣、松岡利勝・農水大臣が自殺して大騒ぎだった。相撲界で最多優勝回数を誇って昨年引退した大横綱白鵬が、横綱に昇進したのもこの年5月末だった。あの頃のブログにサラッと目を通して見ると、新聞沙汰となった大事小事が懐かしい。

 いまでは1日の生活の中でブログを書くことが習慣になり、時間的に大きなスペースを占めるようになった。老化現象に立ち向かうために肉体的には、毎日6千歩の目標を立ててウォーキングに取り組んでいるのと同様、精神面の老化防止のために考え考え拙い作文に頭を捻って思考力の減退防止に立ち向かっている。その点で、今では毎日あれこれ考えながらのブログ執筆が、日課となり生活にメリハリをつけ、ひとつの大きな張り合いでもあり、生きがいともなっている。自己研鑽でもあるブログを、これからも書き続けて友人たちが「まだ書いているのか」と呆れさせてみようかと思っている。

2024年5月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6210.2024年5月14日(火) 92年前の明日起きた5.15事件を忘れない。

 1878(明治11)年の今日、内務卿大久保利通が明治天皇に面会するため参上の途上で、待ち伏せしていた6人の男たちに馬車から引きずり降ろされ暗殺された。大久保は、幼いころからの盟友だった西郷隆盛を西南戦争で死に追いやったことから、不平士族の恨みを買っていた。6人の男は、旧石川県人で、加賀藩石川は規模が大きく政府は石川の勢力を削ぐ目的で、旧越前国を福井県に、旧越中国を富山県に分割したといわれている。そのかつては巨大だった石川県が、不幸にも今年正月早々能登半島地震で甚大な被害を被ったのは、何か不思議な縁を感じる。

 今世界中から注視、非難されているイスラエルが独立宣言を行い、イギリスの委任統治から新ユダヤ人国家として建設されたのは、1948年の今日5月14日である。そのような国家にとって大切な日に、ガザ地区で無抵抗なパレスチナ住民を引き続き攻撃している。これでは1国家として存在する意味がないではないだろうか。

 また、南米のパラグアイが宗主国スペインの手を離れて独立したのも、1811年の今日である。

 そして1932(昭和7)年の明日は、戦前の昭和の軍国主義が進行する中で、農村の貧困、政治の腐敗に怒った海軍青年将校らが右翼と手を組み、首相官邸を襲い犬養毅首相を惨殺した5.15事件が勃発した。以後政党内閣の時代が終わり政治は軍部によって奪われ、日本は軍国主義の道をひた走りに上り詰めて行った。

 ここで敢えて明日の5.15事件について取り上げたのは、近年この事件がメディアによって伝えられなくなり、触れることがなくなったからである。これは、同じように4年後陸軍青年将校が起こした2.26事件に比べても話題に上がることは少なくなった。2.26事件も中国への侵略の一歩となったクーデターであるが、日本の民主主義を躓かせた事件だった。軍部の力が強まり日本は軍国主義へ傾斜して、挙句に太平洋戦争へ飛び込むことになってしまった。これら青年将校らのひたむきな気持ちが思想的に問題あるにせよ、当時の政府が民主義的施策を講じておれば、軍国主義へこれほど傾くことはなかったと思える。

 現在中高生の日本史の教科書でどれほどこれらのクーデターが紹介されているかは分からないが、もし教科書で習うことがなければ、この事件は日本人の歴史から消えてしまうだろう。そしてそれは、敗戦を反省することなく過去の歴史を忘れるということであり、再び同じ道を歩む可能性がある。その意味では、メディアがこの事件を取り上げることなくやり過ごしているのは、これらの事件を反省することなく見逃しているということでもあり、ジャーナリズムとしては無責任であり、極めて危険なことである。

 太平洋戦争へ進んだ道筋には、これら2つの事件が大きなきっかけになった。それだけにこの92年も前の明日起きた5.15事件を知り、おさらいすることが必要である。それにしても、メディアというのはどうしてこのニュースを復習する意味でも、テレビや新聞で国民に知らせようとしないのだろうか。斬新なニュースバリューがないと考えるなら、それは現代のあまりにも恵まれた環境と境遇に浸り過ぎたが故に、臨場感的感覚が呆けてしまったとしか思えない。

 メディアは、世界各地で戦争のような残虐で衝撃的な事件ばかり追いかけて、過去における身近に起きた大切な歴史的痕跡と視点を見失っているように思える。もう少し身近の重大な出来事を反省しつつ掘り下げて考えてみることが必要ではないかと思う。

2024年5月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6209.2024年5月13日(月) 日本でもオーロラが・・・。宇宙に異変か?

 ここ数日日本国内ばかりでなく、欧米や、オーストラリア、ロシアでオーロラが見られたとメディアで大きく報道されている。太陽が一度に何か所かで爆発していくつかのフレア(炎)が生まれたことに原因があるようだ。地球上にも電波障害があったらしい。世界中で北極圏でしか見られなかった幻想的なオーロラが、世界各地で見られたということから世界的に大きな話題となった。これがオーロラのようなロマンチックな現象だけならともかく、今後電波障害の他にも地球上で自然現象による災害が発生することが懸念される。実際に今年に入ってから世界各地で自然災害が発生している。元旦の能登半島地震をはじめ、この数日、アフガニスタンの地震や洪水の他に、ブラジルでも南部リオグランデドスル州の州都ポルトアレグレ近くの湖が氾濫し、ブラジル史上最悪と言われる120人以上が亡くなる水害が起きた。二酸化炭素排出による地球温暖化現象以外にも地球を破滅させる要因が明かされて来た。そんな時に好き好んで人殺し戦争をやる愚かな政治家どもの頭はどうかしている。

 日本の政治家も私利私欲が絡んだ無責任な言動を冒していながら、彼らが解決しようとしている裏金問題でさえ未だに解決のメドが立たない。自らの頭の蠅を追えない政治家の質の低下には、世襲政治家が多いこともひとつの大きな原因だと考えている。ところが、政界では世襲政治家を減らすどころか、安易に増やそうとしているからつける薬が見つからない。

 裏金を一番多く手にして詳細を明かさず、税金もびた一文収めようとしない「裏金の権化」、二階俊博・元自民党幹事長が次期総選挙には立たず、れっきとした世襲の3男を立候補させるようだ。そして同じく衆院徳島1区には、三木武夫元首相の孫が立候補する予定である。ところが、世襲議員と言えば、これまで自民党員に限られていたが、このお孫さんを立憲民主党が公認候補として擁立するという。

 4月に行われた衆院補選島根1区で当選した亀井亜紀子議員は、父親が自民党員で元国土庁長官を務めた。長崎3区で当選した山田勝彦も父親が元農水大臣だった。ともにいわゆる二世議員である。いずれも父親は、自民党員だったが、この2人は立憲民主党員である。自民党の世襲を批判していた立憲民主党が、ここへ来て恥も外聞もなく自ら世襲議員を「造成」するとは、呆れて物も言えない。政治の世界では、なりふり構わず行動し、物事の区別や、善悪の区別がつかなくなっているのではないだろうか。こうなるといよいよ政治は真っ暗闇で期待は益々持てなくなる。情けない限りである。

 さて、でたらめな政治家集団とは別の話題だが、こんな記事が目についた。月刊「選択」2023年12月号の「情報カプセル」欄に、外務省が呼びかける国内シンクタンクの支援プロジェクトの補助金公募で、今年度は東大先端科学技術研究センターのウクライナ問題関連プロジェクトが、3年分7億5千万円をすべて受け取ることに決まり、他大学に大きな衝撃を与えたという。その記事が、当のプロジェクトを主導した池内恵・東大先端科学技術研究センター教授の心胆を寒からしめたのか、同教授が選択出版社を名誉棄損で唐突に訴えたという。しかも、同社が首を傾げているのは、事前に教授から裁判について一切の通知がなく、裁判所に「住所秘匿決定」を申し出て訴状に教授の住所記載もなく、住所不明にしている点である。

 池内家と言えば、教授の父親は、ドイツ文学で知られた池内紀、叔父は天文学者の池内了でその筋では学者一家として広く知られている。補助金を受給するのは、教授個人ではなく研究センターであるのに、教授自身あまりの怒りで興奮したのだろうか、教授が個人的に訴えたという。政治家とは別の意味で学者も世間知らずだということを晒したようなものである。学者も世間知らずの人が多いが、その意味では学者も判断力は政治家並みになったとも言える。もちろん「選択」は受けて立つと言う。どういうことになるだろうか。興味深い。その結果を知りたいものである。

2024年5月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6208.2024年5月12日(日) 休戦を避けようとする狡猾なイスラエル

 パレスチナ・ガザ地区へのイスラエル軍の攻撃は容赦なく、停戦交渉お構いなしに続けられている。漸く停戦交渉がまとまりそうな空気の中で、ガザ地区ラファのパレスチナ人たちは、「神に感謝する」などと喜びを口にしていたが、そうは問屋が卸さなかった。イスラエル軍は情け容赦なく攻撃を続け、多くの死傷者を出した。どうして和平交渉中にこれほど露骨で無慈悲な戦闘を行うのか、イスラエル軍の攻撃には世界中から非難が浴びせられている。流石に最大の支援国アメリカも武器の供与には二の足を踏んでいる。

 10日国連は緊急特別会合を開き、パレスチナの国連加盟を支持する決議案の採択を行い、日本やフランスなど143か国の賛成多数で採択した。イギリスなど25か国は棄権し、イスラエルやアメリカなど9か国が反対した。本提案が決議されたことに対して、イスラエルの国連大使は強く異議を唱え、国連会合の場で国連憲章コピーを小型シュレッダーで破り、「恥を知れ!」という捨て台詞を吐いた。

 実は、先月も同じ内容の採択を行い、同じように承認の結果に終わったが、常任理事国アメリカが拒否権を行使して採決は否決された。国連への正式な加盟を決定する権限は、安全保障理事会にだけ与えられている。従って、10日に賛成されたパレスチナ国連加盟が承認されるかどうかは、安保理5大常任理事会において5か国すべてが、ただの1国も否決しなければ承認される。ただ、これまでの経緯を見てみれば、本件に関してはアメリカが拒否権を行使するのは、充分予想できる。

 但し、アメリカはパレスチナが国連を通じてではなく、当事者間の直接交渉によって国家承認を追求するべきであるとの見解を示している。こんな話がまとまるわけはない。流石のアメリカもいつまでもイスラエルの支援国という加盟賛成国の冷たい目の負担に耐え切れなくて、逃げていたいというのが本音のようだ。

 さて、パレスチナ地区における人災に比べて、7日にイランと国境を接するアフガニスタン西部を襲った激しい地震は防ぎようがなかったようだ。2021年8月にアメリカ軍が撤収して以来イスラム主義組織タリバン政権が権力を掌握しているこの国では、全く事後の支援態勢などの対応が追い付いていないようだ。すでに2千人以上が死亡し、負傷者は9千人余りに達している。アラブ系住民が住むこの地方特有のレンガ造りの家屋には支柱はなく、多くの家屋が倒壊した。損壊した住宅は1,300棟以上に上るという。

 更に3日後の10日、アフガニスタン北部では大雨による洪水が発生し、130人以上が死亡した。貧しいタリバン政権が被災住民を手厚く支援するのは難しいのではないかと心配されている。

 前者は、意図的な殺人行為であるが、後者は自然災害による災難である。後者を防止することは、現状では難しい。だが、前者の戦争ごっこは支配者の考えひとつで、止めることは出来る。それをしようとしないのは、イスラエル政府の「ハマス憎し」の頑固一徹さと、アメリカ国内でユダヤ人の財政的支援を期待するアメリカ国会議員の支えがあるからである。

 ところで、昨日ブログに取り上げた大相撲は、今日夏場所初日を迎えたが、早々に珍しいことがあった。大関戦4番勝負は、すべて大関が負けた挙句に、結びの一番で横綱照ノ富士も敗れるという大番狂わせの幕開けとなった。さぁ、今場所は吉と出るか、凶と出るか?

2024年5月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com