6426.2024年12月16日(月) 小さな島へ強風被害と余った補正予算

 昨日の本ブログに最近年賀状が減りつつあると嘆き節書いたところ、今日朝日夕刊に最近の世論調査の結果が報告されていた。年賀状を出さないと応えた人が57%で半数を超えた。やはりかぁと少々がっかりした。年賀状を出す人でも枚数は少なく、50枚以下が47%で私同様に200枚以上出す人は、ほんの1%と知り時代の流れを感じると同時に、最早年賀状自体の存在感が失われていると思った。寂しいことである。

 さて、近年植民地という言葉があまり使われなくなった。それでいながら「旧植民地」という言葉はしばしば目にする。現実的にも大国の植民地というものが姿を消しつつある。大分昔のことになるので、最早忘れかけているが、経済学的には、植民地を所有する国を先進国と呼んでいたと思う。従ってドイツのように植民地を所有しない経済力のある国は、経済学的には先進国とは呼ばれなかった。

 一方、フランスは今以て海外にいくつか植民地、或いは国が管理する疑似植民地のような地域を抱えている。実際今年開催されたパリ・オリンピックのサーフィン会場は、パリから遠く離れた南太平洋上のフランス領ポリネシア・タヒチ島だった。これがパリ・オリンピックと言えるのだろうか。これも戦前からのフランス植民地時代の名残である。

 アフリカ東部のマダガスカルに近い植民地のひとつ、コモロ諸島のマヨット島は、現在植民地ではなく、フランス政府から自治権を与えられた海外県となっている。行政首長は、フランス大統領から任命された県知事である。

 そのマヨット島に昨日風速225㎞の強大なサイクロン「チド」が襲い、複数の集落が壊滅状態になった。あまりの被害の大きさに現時点では、どれほどの犠牲者が出たのか不明の状態である。しかし、知事が地元テレビ局に語ったところでは、死者は千人から数千人に達するだろうという。元々それほど裕福な島ではないが、フランスの一部だとすれば、フランス政府も全力を挙げて支援を行うだろう。

 久しぶりに知ったサイクロン被害により惨害を被った小島コモロである。

 ところで、今日の朝刊を読んで愕然とした。自民党が2024年度補正予算、13.9兆円を近々国会に提出しようという矢先に、22年度の補正予算32兆円の内4割近い11.7兆円が年度内に使われていないことが分かった。かつてはこれほど多額ではなかった補正予算額が、コロナ後に急速に増額された。その理由も不明なうちに、新年度の補正予算を決めようというのだから拙速も好い所だ。大体補正予算自体はしっかり投資目標が決まっておらず、好い加減な投資対象と金額を決めているが、大雑把な金額で、とにかく予算を決めることに目が向いている。22年度に折角決めた補正予算が11.7兆円も使用されなかったというのは、ショックである。野党も勢力図を拡大させたことでもあり、今後同じような轍を踏まないようこれは厳しく追及すべきである。

 専門家からも「国の予算の半分は借金。必要のない予算をつけることで規模が膨張し、財政規律のゆるみにつながる。経済対策としても疑問で、生きたお金になるように補正予算の編成を検証する必要がある」と厳しい指摘がある。

 予算を策定した自民党には、確とした政策実行への信念がなく、野党には補正予算策定に当たり細かい分析や方針がなく、メディアにもこれを見逃したままにする無責任がある。国民を除外して関係者の間で身勝手な予算を作成し、これをフォローすることもなく、予算の締めにまで責任を取ろうとの気持ちがないようでは、国会議員としての責任を果たしたことにならないのではないだろうか。

2024年12月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6425.2024年12月15日(日) 年賀状は将来的になくなるだろうか?

 一昨日から年賀状を書いている。今年は何枚書くことになるのか、分からない。というのは近年年賀状を辞退するという連絡をいただいたり、いただく年賀状の数大分少なくなったからである。予め来年度は年賀状を辞退させていただくなどの連絡があればまだしも、その連絡もない知人が大分増えたことで、中には2年も音無しの知人に対しては来年度の年賀状を送るべきかどうか迷っている。そういう人については、来年の年賀状を最後にして、再来年以降送らないということを断り書きしようかと思っている。

 一般的にも年賀状の発売枚数自体が年々減少しているようで、2002年には日本郵便は44億枚発行していたが、今年発行の令和7年用年賀はがき枚数は、10億7千枚だそうで、昨年に比べて25%も減り、過去最大の減少率だそうである。最大枚数が販売された年に比べて、1/4にまで減った。これには、SNSや携帯の普及、経費節約、ハガキ自体を書く習慣がなくなったなどいろいろあるが、経費の節約というのが些か気がかりである。会社などでは節約のために余程の場合を除いて顧客に年賀状発送を自粛する企業が増えたところが多い。そこへ10月からハガキ料金が値上げされたこともある。これまで1枚64円だったハガキ代が、一気に85円と約33%の値上げとなった。数ある値上げ商品の中でも、これだけ一方的に値上げするというのは、値上げの要因はあるだろうが、あまりにも大きいと思う。これが普段からハガキや、手紙を書く習慣を遠ざけるひとつの原因になっているとするなら悲しいことである。

 一般家庭で年賀状を書く習慣が少しずつ消えかかっていることが大きいと思う。振り返って自分自身は、小学校5年生時に転入した学校の担任教師から年賀状を書く極意のようなことを教えていただいた。そしてありきたりではない、版画を彫り個性的な年賀状を作成する面白さと意味を教えてくれた。爾来独身中は、毎年版画による年賀状を作成していたものである。

 ところで、今年は一体何枚ぐらい年賀状を書くことになるだろうか。現時点では見当がつかない。年々減らして、取り敢えず年賀はがきは270枚購入した。かつては、600枚程度PCで書いて知人に送っていたが、彼らも亡くなったり、年賀状辞退を申し出たりして、この2、3年は急激に減ってしまった。何となく寂しい気持ちになるものだ。

 年齢別に年賀状を出した人の割合を見ると、やはり若い人ほど書かないようだ。10代から10年ごとに60代以上までを見ると、年齢が高い人ほど年賀状を書く人が多い。これはやはり、時代の風潮もあるのだろう。

 私自身もいつまで年賀状を書き続けることが出来るか分からないが、心身共に書ける内は、書き続け、友人らの日常の様子を知りたいと思っている。

 それにしても今小学校では、手紙を書くことを教えていないのだろうか。気になる疑問である。新年に果たしてどれほど年賀状を手にすることが出来るだろうか。

2024年12月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6424.2024年12月14日(土) 尹錫悦・韓国大統領、弾劾訴追案可決・職務停止

 今日午後韓国国会で2度目の尹錫悦大統領の弾劾訴追案が採決され、全議員の2/3である200名を上回る204票で採決が成立した。去る7日に不成立となった時とは少々様子が変わり、尹大統領の所属する与党「国民の力」議員の中に、弾劾賛成議員が増えたことにより、弾劾賛成票を投じた与党議員が多かった。第1回の採決では、与党議員が全員議場を退場して採決を棄権したことにより、採決に必要な票数が足りなくなり、採決が不成立となった。尹大統領の弾劾訴追が成立したことにより、憲法裁判所が180日以内に合憲と判断すれば、大統領は失職することになる

 弾劾成立により、大統領が失職するのは、韓国大統領史上廬武鉉大統領、朴槿恵大統領に次いで3人目である。そして、60日以内に大統領選挙が行われる。次の大統領の候補者としてかつて廬武鉉大統領は、見事に復職した例があるが、尹大統領は今四面楚歌の状態で国民の支持は期待出来ず、立候補しても到底当選する見込みはない。最も有力と見られているのは、最大野党「共に民主党」の李在明代表である。しかし、この李代表も起訴に絡む問題を抱えており、近々その判決が下る。もし有罪だと決まれば大統領選への立候補資格を失う。

 仮に李代表が、新大統領となると外交上日本にとっては極めて難しい対応を迫られることになると見られている。また、アメリカでもとかくの噂のあるトランプ大統領の就任により、日米韓の関係も微妙な事態に追い込まれる可能性がある。李在明代表日本に対してみずから「反日闘士」と名乗り、これまで品格を疑うような徹底した反日言動を行っており、日本に対して嫌がらせと妨害行為を行うと懸念されている。現在日韓間に横たわっている懸案に対しても、日本にとって不利になるように振舞うことも充分考えられる。一国のトップの座に就こうとしている人物が、外交上他国に対して極端なまでに悪意の籠った言動を繰り返すようでは、友好的な外交関係を堅持することは不可能と言わざるを得ない。

 今最も懸念されているのは、戦時中の元徴用工に対する賠償問題であろう。三菱重工の韓国内資産を売却して、その金を賠償金に充てろというもので、韓国裁判所はすでに売却せよとの判決を出しているが、尹大統領はこれを履行していない。李代表は遺族の意向を実現するよう行動することだろう。他にも日韓間には、世界遺産の佐渡金山の朝鮮人強制労働問題や、すでに解決済みの朝鮮人慰安婦問題も蒸し返す可能性もある。

 いずれにせよ弾劾問題は、韓国国内の問題であるが日本にとっても影響があり、無視できない問題である。

2024年12月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6423.2024年12月13日(金) 役所が勝手に決めるお役所仕事、2つ

 今日は全国的に寒い1日だったようで、東京都内でも最高温度が8.4℃で今冬最低だった。北海道から東北地方、日本海側にかけては西日本地方にまでかなり積雪があり、猛暑に悩まされた今年もいよいよ本格的な冬がやってきたということである。

 今月3日東京都議会本会議で小池百合子知事が、来年度から子育てと仕事を両立させるための部分休暇を取れる制度を導入すると述べた。そのこと自体はすでに公表していたことで承知していたので、抵抗はなかった。ところが、その内容に一部大きな問題があることが分かった。それは知らぬ間に来年度から「週休3日制」を実施することある。これについては、唐突に表沙汰になったことで、もう少し都の広報紙などで事前に都民に知らせるような配慮が出来なかったのか、1都民としては些か不満である。更に、寡聞にして知らなかったが、東京都が来年度から実施すると目論んだこの「週休3日制」が、何とすでに今年から茨城県と千葉県で導入されていたとは、2度びっくりである。

 東京都はそれほど深刻な問題とは考えていないようだ。フレックスタイム制の運用で、4週間に155時間の労働時間を確保出来れば、現在の土日の休日に加えて1週にもう1日休みを取得出来るようにすることが可能だというのだ。現在1週5日勤務で、1日7時間45分の勤務になるが、これを月曜から木曜まで1日10時間弱働けば、金曜に休みを取得出来て、週休3日にすることが可能になるという計算上可能な制度である。当然現場で働くに当たっては、自己都合ばかり言えないので、金曜に休みを取れるかは難しいと思うが、随分考えたものだなぁと感心するくらいである。小池知事としては、これを定着させて都内民間企業でも導入するよう模範を示したつもりのようである。現状は、労働時間のやりくりだけを考えているようだが、このシステムを採用することによって、費用がいくらかかるのか、どれほどの手間がかかるのかは全く説明されていない。

 必ずしも問題が絡みあうものではないとは言え、一方で今「103万円の壁」問題が政治問題化しており、解決に向けて国会で話し合いが続けられているが、働きたくても税金の壁により働けないという問題がある。小池知事の主張には、この「103万円の壁」が考えられているのだろうか。

 さて、奈良県が主催する韓国人人気歌手が出演する「K-POPライブショー」開催が疑念を呼んでいる。これは来年奈良県と韓国・忠清南道友好都市協定を締結してから15周年となるのを記念して、10月に奈良公園内で無料コンサートを実施する計画である。韓国の人気歌手が出演するよう計画を進めているようだが、9千人収容の会場設営費と警備費などで総事業費2億7千万円がかかる。それを無料で行うことに県議員の間からも、一過性のイベントは税金の無駄遣いとの批判の声が出ている。コンサート費用を含めた今年度補正予算は、来る16日に県議会で採決されるという。この計画は日本維新の会推薦で昨春当選した山下真知事の一存で決めたようだが、県内では維新と自民党との対立が激しく、先月の県議会で異例とも言える決算が不認定となった経緯もあり、「K-POPライブショー」実施もまだまだ一筋縄ではいかないだろう。

 それにしてもこういう費用のかかるイベントを、いくら日韓友好のための行事だとしても事前の話し合いや根回しが必要だったのではないだろうか。どうもその辺りに拙速さを感じてしまう。

2024年12月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6422.2024年12月12日(木) 教育無償化どころか、授業料値上げ?

 10月の総選挙で各政党が訴えた公約の中に「教育無償化」や、「負担軽減」がある。耳障りの好いアピールだが、現実にはその逆で国立大学の授業料が値上げされたり、値上げが検討されている状態である。例えば、東大は来年度から授業料を年約11万円値上げして、64万2,960円にすることを決定した。8%強の値上げで他にこれほど高く値上げされた物価はあまり聞かない。他の国立大学も早晩東大に続いて値上げを決めることだろう。

 そもそも総選挙で各党が、「教育無償化」を訴えていたが、これを幼児教育と小中高の教育費と受け止めていたのではないかと疑念を覚えるほどである。与野党ともにこれほど見事に公約を袖に振ることはない筈である。

 これではアルバイトに励んでいる大学生にとっては、今社会的にも話題となっている「103万円の壁」が、立ちはだかることになる。親から支出してもらう授業料の負担を少しでも軽くしたいと考え、「103万円の壁」を頭に入れながらアルバイトを手加減している。この値上げにより、親の負担も大きくなり家計にも響いてくる。

 私が私立大学を巣立ったのは、1963年で当時の年間授業料は、僅か?3万円だった。それでも当時の保護者にとってみれば、それなりに大きな負担だったと思うが、それが、2021年の私立大学授業料は文系で81万5千円前後である。一概に物価上昇の比較難しいので何とも言えないが、今の国公私立の大学授業料では、保護者が子息を大学に通わせるには、相当家計を切り詰めないとやっていけないのではないかと思う。

 このように政党の公約が、正反対となったにも拘らず、あまり大きな問題とはなっていないのは、政府予算における教育費の削減にあると思う。現在の国の教育予算(文教費)は、2020年代初に比べ大幅に減少している。当時は年間6兆円近かった文教費が、今では4兆6百億円しか支出されていない。すべての支出項目が増額される中で、文教費だけが減額された最大の原因は、近年増え続ける防衛費の増大ある。国立大学授業料の値上げは百億円程度の予算増額で抑えることが出来るが、そうはせずに予算に余裕がないの一言で値上げを止めない。ところが防衛費に関しては、うなぎ上りに予算を増額して、1990年度には4.64兆円だった防衛費が、あれよあれよという間に増え続け、今年度は文教予算の2倍近い7.95兆円にまでなった。この現状を見ていると、アメリカが1か月後にはトランプ氏が大統領に就任するに伴い、日本政府トランプ氏に好い顔を見せるためにアメリカから銃兵器やミサイル関連施設などの購入を大幅に増やすであろうことから察すると、防衛予算は今後年々増え続けることだろう。

 大学生のための授業料に重きを置くか、国土防衛のためと称して防衛費を底なし沼のように増やし続けていくのか、今後の予算編成上の試金石となることだろう。

2024年12月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6421.2024年12月11日(水) ノーベル平和賞授与式の好ましい印象

 日本時間昨晩首都オスロ市庁舎内でノルウエィ国王夫妻らが出席の下ノーベル平和賞授与式が行われた。そもそも12月10日に授与式が行われるのは、賞の創設者アルフレッド・ノーベルの命日にあたるためである。日本被団協・田中熙巳代表委員ら3人が登壇し、ノーベル委員会委員長のフリードネス氏から3人にメダルと賞状が贈られた。賞金は約1億6千万円だという。2010年にノーベル化学賞を授与された高校の先輩、根岸英一博士がいただいたメダルは手に持たせていただいたことがあるが、いかにもずっしりと重く威厳を感じたものである。昨日の平和賞のメダルは直径6.6cm、厚さ5㎎、重さ196㎎だという。

 田中代表のスピーチはかなり説得力のあるものだった。スピーチを聞いた人の間でも、かなり高い評価を受けていた。何といっても田中代表自身原爆被害者であり、長崎市内で原爆に被爆した際目にした生々しい実体験は、聞いた人にはかなり胸に迫るものがあったようだ。それは、授賞式会場外のパブリックビューイングを観ていた人々にも大分アピールしたようだった。ロシアが核を使用しそうだと非難したことについては、ロシア国内では、大学生が核兵器は国際舞台におけるロシアの権威を示すものだとして、世界の声を受け入れず、ロシア人としての言い分を述べるだけだった。これでは日本被団協の長年の努力とノーベル賞自体を軽視し、核戦争へ進ませるだけである。こういった一部の声をどうやって反省させ、核の恐ろしさを知らしめることが出来るかが、これから国際的に考えなければいけないことである

 ノルウェイの国会議員は、田中代表の語った原爆被災の生の報告に対して素晴らし感動したべた褒めだったが、被爆者が心身ともに苦しんだことや、国の補償を受けていないことを初めて知ったと驚いていた。終戦直前の当時ならいざ知らず、今以て知らなかったとの言葉には、少々ショックを受けたが、案外世界の核認識はこの程度でまだ初歩ではないかと思っている。

 それでも良識ある人々からはスッキリと受け入れられたとスピーチの内容を評価していた。フリードネス委員長は、平和賞を日本被団協に授与するという決定は、核兵器は受け入れられず、2度と使用すべきでないという「核のタブー」と呼ぶ国際規範を形づくるうえで、彼ら被爆者の証言が重要だと見ているからだと語ったが、事実田中代表のスピーチは、充分その期待に応えていたと思う。核絶滅は難しいテーマだが、少しは世界の考えは変わってくれれば幸いである。このノーベル賞受賞をきっかけに遅としていようとも核廃絶へ一歩一歩進むことを願って止まない。

 また、国内外に戦争や嫌な事件が頻発しているが、その中でこのノーベル平和賞は明るくすっきりした印象を与えてくれた。流石に平和賞だけのことはある。

2024年12月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6420.2024年12月10日(火) 日本被団協、ノーベル平和賞を授与される。

 今日はノーベル平和賞授賞式が、ノルウェイの首都オスロ市内で行われ。かつて佐藤栄作首相が平和賞を受賞した時は、そのニュースを聞いてとても信じられなかった。国民の間にも意外感とまさかとの驚きがあった。何故だろうか? どうして積極的に平和活動に貢献しているようには思えなかった、佐藤首相に権威あるノーベル平和賞が授与されるのだろうかと多くの疑問があった。それに引き換え、今回日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)に授賞が決定した時は、日本中が感動し、その受賞に喜びを感じたものである。今回の授賞式には、今日代表として登壇する3人以外に、高校生を含め多くの人びとが同行している。それは受賞の対象になった核廃絶運動を長い間に亘って続けて来たその努力してきたその背後に大勢の人たちの支えがあったからである。そして賞を代表として受け取る3人が、投下後すでに79年も経過して、後期高齢者になり、健康上の心配あったからでもある。そのため渡航費と現地滞在費などを含めて約1千万円というかなりの費用が掛かり、とても不足だということから、早速有志らの発想でクラウドファンディング(寄付金公募)を行い、あっという間に約4千万円の支援金を集めたというから、クラウドファンディングの中でも極めて異質なくらい多額の資金が集まった。それほど今年の平和賞受賞には、多くの人びとの支援の下に誠実な核兵器廃絶、平和への祈りと願いが込められていたからだと思う

 ノーベル賞委員会のフリートネス委員長は、日本被団協の平和賞受賞について「我々にとって重要だったのは、日本被団協の素晴らしい活動を強調し、同時に核兵器が依然として問題で、人類への高まる脅威であることを世界に警告することだった」と語った。

 一方で92歳の田中煕巳代表は、出発前から「核兵器は人類と共存させてはならない」としきりに強調していたが、現地入りしてからも現地記者団に「日本被団協は、核兵器廃絶、核のタブー確立のために貢献してきたと自負していた。運動の成果が世界の人びとに広く認められたのである。ロシアがウクライナ侵攻などで核兵器が威嚇に使われているが、核が軽く語られるようになったのは遺憾だ」と指摘し、核戦争誘発への警告を行った。この日本被団協の受賞を機に、核廃絶を巡る国際的な議論が進展することに期待した。

 問題は、この平和賞受賞をきっかけに核廃絶運動が期待通り世界で進展するかどうかである。それは日本政府の姿勢にもかかっている。受賞式を前に、林芳正官房長官が今日の記者会見で、「長年核兵器の廃絶や被爆の実相に対する理解促進に取り組んでこられた」と日本被団協を評価したうえで、政府としても「核兵器のない世界に向けた現実的で実践的な取り組みを維持、強化していく」と訴え、被爆者とも連携していく考えを示した。

 しかし、日本政府はこれまで核兵器禁止条約には参加していない。非核3原則だって怪しいものである。核保有国・アメリカの「核の傘」の下に同盟国である日本が守られているとの淡い希望の中で、アメリカに遠慮して強い核廃絶運動を行おうとしない日本政府の姿勢に疑念がある。核廃絶は、まだスタートしたばかりだと考えている。

2024年12月10日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6419.2024年12月9日(月) シリアと韓国の政治的混乱

 昨日電撃的に伝えられたシリアの反体制派による首都ダマスカス制圧により、アサド・シリア大統領の行方が分からず、いずこかの国へ亡命したのではないかとの噂が交錯していた。

 そして今朝ロシアの国営メディアがアサド大統領人道的な理由で亡命を認められ、家族とともにモスクワに到着したと伝えた。常にシリアの背後には、ロシアが控えていたが、実際に自身が失脚するとなると寂しい晩年を過ごすが、そのロシアになったというのも運命であろう。ただ、今までのように国家権力を縦横無尽に独裁的に振るっていたアサド大統領にとっては、今ではその力もない。ロシアがこんな元大統領をどれほど支援してくれるだろうか。あんまり安楽な生活を送れることはないだろう。

 アサド大統領が国を治めるようになったのは、元大統領だった父親の世襲である。一時的にブランクはあったが、アサド家が国家を牛耳っていたのは、その父親以来、実に半世紀以上に上るというから驚くばかりである。

 今まで訪れてみたいと思いながらシリアは訪れる機会がなかったが、古代文明都市であり今思っても何とか訪れてみたかった魅力的な都市である。だが、国内で内戦や反政府派らの活動によって古代都市、特にアレッポなどはかなり荒れているようだ。

 20年以上に亘り独裁的に国家を支配していたアサド大統領が残した負の遺産は大きく、支配者が代わっても早急に爪痕を消すことは出来まい。特に、反体制派と言っても一様ではない多くの反政府集団があり、独裁政権が倒れた後の新政権がどういう布陣で臨むのか、それによってはまた新たな国内の対立と抗争を招きかねない。

 また、一方で政治混乱を引き起こしている韓国の政情も酷く混沌としている。現状は騒ぎの主である尹錫悦大統領の責任を追及して、検察は大統領を内乱罪と職権乱用の容疑で捜査している。与党「国民の力」の韓東勲代表は、尹大統領の権限行使を制約することを主張し、早期退陣を迫ると公約した。一方の野党「共に民主党」李在明代表は、憲政秩序を破壊する違憲行為として、あくまで大統領の弾劾訴追案を再び国会に上程するという。与野党間は調整がつかず、対立する一方で、当分の間政治の混乱は収まる見通しが立たない。この間国の政治が停止するわけであり、世界の流れに置いていかれることになり、いつまでもこのままにするわけには行くまい。来る14日に再び弾劾訴追案が上程されるが、これがまた不成立になるとしたら、このスピード化の時代に韓国は世界の動きから大きく後れを取ることになる。話し合いの空気が、どうして持ち上がってこないのだろうか。

 韓国よ! しっかりしないと世界から完全に取り残されるぞ!

2024年12月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6418.2024年12月8日(日) 戦争の足音が聞こえる太平洋戦争開戦記念日

 今日12月8日は、言わずと知れた太平洋戦争開戦記念日である。今から83年前に帝国海軍による真珠湾攻撃と陸軍によるマレー半島上陸作戦により、あの屈辱的な戦争の火蓋は切られた。当時はまだ3歳になって間もない幼児だったので、戦争とか、その怖さなどは知らなかった。しかし、その4年後の終戦時には、小学校(当時国民学校)1年生として戦争の怖さを身に染みて知るようになっていた。それは親から教えられたものではなく、実際に空襲警報により防空壕に逃げ込んだり、小学校から郊外授業で先生に連れられて同級生が揃ってお花畑へ出かける途中で、突然米空軍戦闘機編隊に襲われかかった時である。一瞬の間に上空から急接近してきた編隊に、引率の母親先生が「皆さん!伏せなさい!」と両手で大きなジェスチャーをして地面に伏せるよう大声で怒鳴った。今もはっきり覚えているが、編隊の先頭の戦闘機長の姿が目に入ったくらい近づいてきて、我々1年生集団を攻撃しかけていたが突然機首を上げ上空へ舞い上がって行った。後に続く戦闘機編隊も揃って隊長機に続いて上空へ付いて行った。そのまま編隊は空へ消えてしまった。あの時、戦隊長の目に入ったのは逃げ惑う我々幼い子どもたちの姿に、或いは自分の子どもを想い出したのかもしれない。機長の射撃する気持ちは不意に失せ急上昇したのだろう。それからしばらくして先生が、「皆さん、起きなさい」と言った時、戦闘機の攻撃から免れることが出来たのだと分かった。その後成人してからもベトナム戦争や、中東戦争の現場でひやりとする体験を何度か重ねたが、いずれも戦争の恐怖というものを身体全体で感じたものである。

 ともかく戦争の恐ろしさを教えてくれた太平洋戦争であるが、私にとってはその後政府の太平洋戦争戦没者の遺骨収集事業を20年以上に亘りお手伝いすることになって、ご遺族の方々や戦友会の方々にも随分話を聞かされたことも、ひとつの縁であろう。日本はあの戦争で今日まで世界で唯一原爆を投下され、戦争の残虐さを知らされることによって新憲法で戦争を放棄することを誓った。しかし、戦争を知らない、というより戦争の怖さを知らない政治家を含めた世代が増えるに従って、戦争への恐怖心がなくなったようだ。政府も何とかして憲法を改正して条文上に戦争へ関与することを明記しようとし、軍事費も年々増大して、国民には黙って軍事国家へ脱皮しつつある。実に恐ろしいことである。これからZ世代が増えてくるにつれ、戦争の垣根が低くなり、いずれ性懲りもなく戦争へ踏み出すようになるのではないかと空恐ろしい気持ちに捉われることになる。

 12月8日と言えば、お釈迦様が悟りを開いた日、成道とも呼ばれている。戦争とは極めて縁遠い人物である。お釈迦様が太平洋戦争開戦記念日を受け入れ戦争を抑え込んでくれることを願っている。

 しかし、今年の12月8日は、穏やかな日ではなかった。韓国では昨日尹大統領弾劾訴追案が不成立となったが、検察は大統領を内乱罪などで捜査するという。

 そこへ夜になってシリアの13年間続いたアサド独裁政権が崩壊し、大統領は国外へ脱出したとの外電が入って来た。シリアは中東の中でも多くのクルド人を抱えて、国内も不満分子が多かったが反政府運動などは、軍隊の力によって弾圧して、これまで不満の声は海外へ伝わってはきたが、アサド専制君主は揺るぎがなかったように思われた。それが反政府勢力によって首都ダマスカスを制圧されたことにより、情勢は一変し政権は崩壊した。これからシリアはどういう方向へ向かっていくのだろうか。

2024年12月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

6417.2024年12月7日(土) 韓国大統領弾劾訴追案、採決成らず

 去る3日韓国国内に非常戒厳宣布を行い、すぐ撤回して国民に大きなショックを与えた尹錫悦大統領が強い非難を浴びていたが、大統領自身は姿を現さなかった。漸く今朝テレビ演説で混乱を起こしたことを謝罪した。

 そして、今日午後野党が提出した大統領弾劾訴追案が夕刻国会で採決されたが、その直前になって与党議員108人の内107人が議場から退場して可決に必要な数を確保できず、結局野党は改めて弾劾訴追案を提案することになった。今日1日韓国ではこの問題で国中が熱狂的な興奮と抗議に包まれ、国会周辺を中心に各地で「反尹大統領」、「尹大統領、辞めろ!」の声が充満していたようだ。最近の尹大統領の支持率は、選挙で当選した時もそれほど高くはなかったが、今では支持率僅かに16%にまで下落した。直接選挙制で国民から選ばれた大統領がここまで支持率が落ちるとは、話にならない。それには、個人的に金建希夫人に関するいくつかのスキャンダルが災いしている。いずれにせよ、尹大統領が自ら招いた試練である。近々行われる大統領弾劾訴追案に正面から向き合わざるを得ないだろう。

 さて、11月分のブログ・アクセス実績が、去る3日Googleより送られて来た。11月分で上位3位に入ったのには、①24年8月31日「天下り官僚・斎藤兵庫県知事の悪評と愚行」、②23年9月19日「意外な付き合いから知った『世間は狭い』」、③24年3月28日「日本人の識字率は意外に低い」だった。直近のニュースで①の斎藤知事の悪評にはかなり世間の関心が高かったので、やはりと納得させられた。②の意外な付き合いとは回りくどいが、京都市内の中学校同クラスの女子のご子息がN響主任チェリストとして活躍されていて、偶々大学ゼミの親しい友人がアマチュア・オーケストラでチェロを演奏していて、そのチェリスト仲間のひとりが個人的にそのN響チェリストにチェロの指導を受けていたことが判明したことに、「世間は狭い」と感じたものである。その「上野浅草フィルハーモニー管弦楽団」の年に2度の定期演奏会が明日浅草公会堂で開催される。毎回鑑賞していたが、今年は不運にも7月はコロナに感染して鑑賞ならず、明日も体調が必ずしも優れないので、欠席ということになっている。しかし、こういう縁にご関心を抱いていただいた読者には感謝している。次いで、③は24年3月28日の「日本人の識字率の実態は意外に低い」だった。

 積算トータルでは、①には先月同様22年8月16日「つまらない新聞連載小説」だった。これまでこの項目は度々上位3位以内に入っていたので、小説については、新聞小説のつまらなさと轡を並べて、10月には②に11月には③に入った13年9月30日「評価の分かれる盗作作家・山崎豊子さん」が注目されているのも分かる。

 斎藤兵庫県知事が、知事失職後再び選挙で知事に選ばれた原因もよく分からないが、どうも公職選挙法違反があったのではないかと刑事告発されたままの現状である。いずれにせよこのブログも読者の関心と注目度に背中を押されている。今後も正確に論点を突いた事実を書いて、おこがましいが読者の期待に応えたいと思っている。

2024年12月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com