5323.2021年12月9日(木) 同じような行動を行う独裁者国家

 暫くミヤンマーの動きが報道されないと思っていたところ、旧ラングーンのヤンゴン市内でスーチー国家顧問の肖像画を掲げたデモ隊に国軍の車両が意図的に突っ込み、死傷者を出したとのニュースが伝えられた。その翌日ミヤンマーの裁判所がアウンサンスーチー氏に禁固4年の判決を下した。この裁判自体が、法廷の場所も分からず、秘密裏に開かれ弁護士にもかん口令が敷かれている有様である。国軍は恩赦を与えて刑を2年にしたが、そんな姑息なことをやっても意味がない。スーチー氏への量刑は現時点で合わせて100年というから、茶番も好いところだ。民主的に選ばれたスーチー氏が率いる国民民主連盟による政権を暴力によって倒し、政権幹部をひっ捕え彼らを押さえつけておきながら、2023年8月までに総選挙を行うなどと言っても誰も信用しやしない。欧米各国は国軍によるクーデターを強く非難したが、今またこの判決を民主主義への侮辱と批判し、国連人権高等弁務官が恥ずべき裁判と厳しく非難している。初めて当時ビルマと呼ばれていたミヤンマーを訪れたのは1971年だったが、当時は軍人上がりのネ・ウイン大統領が支配していた。だが、ネ・ウィン大統領は、クーデターで権力者になったわけではなく、時とともに引退された。インヤ・レーク湖畔で休憩中に大統領の車列が通ったが、元日本人兵士に対して窓を開けて手を振ってくれた。それほど親しみを感じさせる人物だった。現在のミンアウンフライン国軍司令官とは、人間的に別格のようだ。

 こういう時にミヤンマーのミンアウンフライン国軍最高司令官と同じように独裁的権力を行使してきたカンボジアのフン・セン首相が、自らの権力行使をアピールするかの如く、来年1月ミヤンマー訪問を両国間で合意した。

 今来年2月開催予定の北京冬季オリンピックに、新たな問題が生じている。昨日アメリカが外交団を派遣しないと公表したのに続いて、オーストラリア、イギリス、カナダなどもアメリカに同調して外交団は派遣しないと述べた。その最大の原因は、中国が新疆ウイグル自治区で冒している人権蹂躙につき欧米は証拠を呈示して激しく抗議しているが、中国は事実ではないと突っぱねた挙句に、それは中国国内の内政問題であり、他からとやかく言われる筋合いではないと取り合おうとしない。中国政府の対応は、指摘された問題点に誠実に応えるということではなく、問題の入口で示された懸念に対して筋違いの回答を行うことである。どうやら独裁国家というのは、ミヤンマーにしろ、カンボジアにしろ、同じような行動を取るものだ。

 国連安保理事会でミヤンマーに対する制裁決議が行われようとしたが、中国とロシアが反対した。似た者同士と言ったら良いのか、どうも習近平、プーチン、フン・セン、ミンアウンフラインら国家を独裁的に支配する権力を奪った者は、行動規範においてどうやら同じ穴のムジナのようだ。

2021年12月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5322.2021年12月8日(水) 戦争は忘れられたのでは? 開戦記念日に想う。

 80年前の今日太平洋戦争が海軍によるハワイの真珠湾攻撃、及び陸軍によるタイのシンゴラ、マレーのコタバルへの上陸作戦によって開戦の火ぶたが切られた。私はまだ3歳だったので、記憶にはないが、翌年家族が兵庫県芦屋市へ転居した後のことはかなり覚えている。よく近くの学校(現芦屋高校)の空襲を知らせる警戒警報の半鐘が鳴り響いていた。その後房州勝山町(現鋸南町)で終戦を迎えたが、ここでは度々米軍機の襲来で防空壕に避難したことが強烈な印象として残っている。その後30年ばかり経過して、戦友会の戦跡慰霊団や、厚生省主宰の戦没者遺骨収集事業に携わるようになり、戦争とは切っても切れない関係になった。

 戦争を回顧するテレビ番組などを観ていると、絶対2度と戦争はやってはならないという反省の声が繰り返される。だが、今の安穏とした時代になってかつての悲惨な戦争は忘れられたのではないかと思うことがよくある。一般の人びとの感覚はもとより、実際の政治の世界では、自衛力を増強し、戦争放棄を謳った現行憲法を蔑ろにしたような言動が高まりつつある。実に怖く悲しいことである。

 最近政治の世界で防衛費の増額とか、アメリカへの配慮でアメリカから軍事物資の購入を主張する政治家が多くなった。とりわけ高市早苗・自民党政調会長は、先の総選挙前に計上予算の内国防費の増額を求め、それは2兆円規模に上るものだった。彼女はいずれ総理大臣を目指すと語っているが、こういう超保守的政治家に一国はとても任せられない。

 いつも靖国神社に参拝しているようだが、遺族会や、戦友会が行う慰霊祭で戦没者のご遺族の近くで身近に立ち会ったら、いかに戦争で身内を失うことが悲しいかが分ると思う。仮に戦争になっても自らは戦地に行く可能性がない人には、臨場感が分からないのだ。そういう人物が好戦的な言動を行うことは、戦没者に対しても失礼極まりないと思う。

 さて、昨日‘Google Search Console Team’からいつも通り11月の本ブログ・アクセス数の結果をメールで教えてくれた。アクセス数1位は、2013年9月12日の「川勝平太・静岡県知事のやりたい放題」だった。その年の6月に知事に再選され自信過剰で思い上がっていたのか、全国学力調査で静岡県の小学6年生の国語の成績が全国で最下位だったことに憤慨し、成績の下位100校の校長名を公表すると公言して顰蹙を買ったことについて書いた。早大教授時代には、事務局の女性にセクハラを犯したり、最近も総選挙で浜松市の候補者を応援するために、ライバル候補者の出身地である御殿場市を愚弄するような表現をして不評を買った。そしてその直後に美人は仕事が出来ない方が良いような比喩を述べて非難されたばかりである。どうもこの御仁は失言、放言が抑えきれないようだ。こういう非常識で、教育者とも思えない人物が県立大学学長を務めていたナンセンスにも呆れるばかりである。

 なお、アクセス数2位は、19年4月4日の「日本ペンクラブの不条理な言論抑圧」であり、第3位は07年10月5日の「元全学連書記長・清水丈夫さんの思い出」だった。これは、一昨年高校ラグビー部の先輩・清水さんが半世紀ぶりに世間へ姿を見せた時、メディアが大騒ぎで報道し、そのことを書いた。それ以来毎月この項目がトップだったが、漸く3位に下がったほどである。ある面で、いかに清水さんが非凡であるかを物語っていると思う。

 このように拙稿に多くの方が目を通していただいたことに感謝の気持ちである。世間をしっかり見て、真実を見極め、本音をきちんと書きなさいと激励されていると考えている。

2021年12月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5321.2021年12月7日(火) アメリカ、北京五輪に外交団を派遣せず

 1日に妻が東京医療センターで受けた大腸の内視鏡検査の結果を心配していた。まだポリープをすべて除去していない。ひょっとするとがん細胞があるのではと気になっていた。幸いそれは杞憂に終わったが、心臓を見ると血の流れがスムーズでない心筋シンチという薬剤負荷があり、放っておくと心筋梗塞になる恐れもあるとのことで今月中に心臓の検査を受けることになった。かねがね気になっていた虫垂炎の手術は、来年1月に受けることも決まった。どうもぱっとしない健康状態になってしまったが、ぼやいていても始まらない。取り敢えず、目先の検査と手術を無事クリアすることが先決だ。

 私は3か月ぶりに眼科で診てもらったが、案じていた通り右眼の白内障がやや進んでいるので、3か月後にもう一度診て更に進んでいるようなら手術という予定で行きましょうということになった。

 夫婦揃って昨年来健康面に少々支障を来すようになった。これは加齢ということも考えられるが、それだけに日頃の健康管理と予防医療ということが大切でると改めて思う。

 さて、昨日本項で米中対立について懸念していることを取り上げたばかりだが、今朝早々に具体的な一手がアメリカによって発表された。2か月後に迫った北京冬季オリンピック・パラリンピックにアメリカ政府は外交団を派遣しない「外交ボイコット」を行うと発表した。最近になってアメリカはそれらしいことを仄めかしていたが、その空気を感じ取っていた中国としては、招待する予定がないので影響がないような発言をして、事前に影響を和らげるべく努めていたようだ。

 選手団は当然参加するが、外交団を派遣しないと公表したことは、中国の本音としてはショックである。同時に、アメリカが独断専行するなら、断固対抗措置を取ると反発している。駐米中国大使館は、「アメリカのいかなる政治家にも招待状は出されておらず、『外交的ボイコット』は降って湧いたものだ。このうぬぼれた行動は政治的なごまかしでしかなく、オリンピック憲章のひどい歪曲だ」と強く非難した。

 アメリカが今この強硬策を取ったのは、今までの中国政府の新疆ウィグル族に対するジェノサイドの人権抑圧など数々の非民主的行動に対する非難であるが、最近の女子テニス選手が前副首相によってセクハラを受けたことを当該選手が公表してから、彼女の所在が明らかではなくなったことに対して、アメリカが中国政府の対応を人権弾圧として抗議したものである。

 本件について、アメリカではごく普通に受け取られているが、中国国民はアメリカが仮想敵を抑圧しようとしているとか、アメリカが来なければ開催しないのか?そうではないだろうとか、中国国民には中国政府がこれまで行ってきた非民主的政策が充分分っておらず、ただ中国がアメリカに批判的な行動を取られたと憤慨しているのが、気がかりである。

 岸田首相は、日本の立場について国益を考え総合的に判断するとして決断を先延ばしにしているが、自民党内にはアメリカに同調して出席すべきではないとの意見があるようだ。中国側に配慮することは人権抑圧問題を厳しく非難しないということになりがちであるが、アメリカに同調すれば日中関係がよりこじれる可能性がある。従って、中立的に考えれば、現時点では外交団不参加を決めても、むしろ失うものが多いように思う。日本はアメリカに忖度することなく外交団を送った方が良いと思う。

2021年12月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5320.2021年12月6日(月) 昭和天皇の戦争観と中国式「民主主義」

 太平洋戦争開戦日を目前に控えているせいか、このところメディアで太平洋戦争関連のニュースや、ドキュメンタリー番組が目立って放映されるようになった。それらの中で意外だったのは、昭和天皇の戦争へ前のめりのスタンスだった。それは、昨日付朝日朝刊に掲載された「昭和天皇 開戦『覚悟』の秋」と題された百武三郎侍従長の日記から伺い知ることが出来る。

 これまでは、天皇は軍部の開戦論に対して反対されていたと一般に伝えられていたと思う。だが、今年になって侍従長の遺族から東大に寄託された百武日記によると、開戦直前に開戦を前提に戦争終結策を思案したり、開戦後は戦果に満足し積極的な作戦を求めたり、戦争に前向きな姿勢を示した時期もあったようだ。時には、天皇の気持ちが先行する様子を懸念した木戸幸一内務大臣が、ときどき先行するのをお引止めしていたとの表現が見られる。昭和16年9月ごろまでは、開戦に慎重だったと受け取られている。しかし、徐々に開戦消極から容認へ気持ちが傾いていったのには、「早期開戦論を抑え、外交を尽くすべきだ」と説く有力な後ろ盾を欠いていたからでもあった。スタンスが変わりつつあったのは、海軍の作戦・指揮のトップだった海軍軍令部総長を長年務めた伏見宮博恭元帥の存在が大きかったようだ。伏見宮は昭和天皇より年長で、日ロ戦争で実戦経験を有し、天皇と直接面談した際「開戦しないと陸軍に反乱がおきる」とまで述べて天皇に開戦を迫ったことが、天皇が開戦を決断する大きな原因になったと、日本近現代史の権威・加藤陽子東大教授は推察している。一度にテレビ・ドキュメンタリーを観られないので、いくつか録画しているが、改めてじっくり観てみたいと考えている。

 さて、このところ米中対立がエスカレートしている。中国が行った人権抑圧と覇権国家的行動が、それまでの経済的対立は別にして、政治的な対立を一層激化させることになった。アメリカのバイデン大統領は、中国を「専制主義国家」と決めつけ、中国政府を非難したことが火に油を注いだ。これに対して一昨日中国政府は、自国を「質の高い民主主義を実践」してきたと主張する新たな白書を公表した。この中で、中国は中国式民主主義を創造したとか、民主主義は多様なものであり国によって形態が異なり、国が民主的かどうかは、その国の国民が判断することであり、外が口を挟むことではないと反論している。この反論は、中国の後ろめたさの裏返しだと思う。中国は自国民に判断させるような包容力がなく、強圧的に自国民の自由を抑圧する一方だからである。その最たる証しが、国民の意見を汲み取る気がなく、自由選挙を認めず、すべて共産党の思い通りに上位下達の政治を行っていることでも明らかである。

 この辺りに中国政府の狭量な視点があり、真実を捉えていないひとりよがりな考えが読み取れる。中国政府には誤解と物事の読み違いが多過ぎ、それを他に押し付けるきらいがある。

 新疆ウィグル族への人権抑圧、香港1国2制度の破壊、南シナ海侵略と人工島建設、自由投票制度の不履行、報道の不自由、義務教育での中国語以外の禁止、など、挙げたらキリがないほど中国が非民主主義国家でないことは歴然としている。そもそも中国が「民主主義国家」とか、「社会主義国家」と唱えること自体ナンセンスである。まったくそのいずれとも対極にあるからである。

   思い上がっている中国は、自国の行動を反省することなく、恐らくこのまま突き進むだろう。当分の間米中の対立が融解しそうもないことは、何ともしようがないが、実に残念である。

2021年12月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5319.2021年12月5日(日) 不思議な足の痛みと最後の福岡国際マラソン

 最近著名人の突然の訃報を耳にすることが多い。去る3日誤嚥性肺炎で作家の新井満さんが死去された。享年75歳である。新井さんは芥川賞を受賞されたれっきとした作家であるが、意外と言っては失礼だが、抒情詩の作詞・作曲もされる。今から十数年前の日本ペンクラブ総会後のパーティで、自身が作詞・作曲された「千の風になって」について、そのキッカケとなった友人の死について話をされ、その直後にピアノを弾きながらこの曲を唄われた。パーティ後にお話しをしてサイン入りの同DVも購入した。「千の風になって」が、テノール歌手・秋川雅史によって歌われ大ヒットしたのは、その後のである。随分印象的な出会いで、今でもその時の情景を思い出すことがある。とても残念な気がしている。

 さて、1日から痛み出していた右足踵の上部が、昨日夜辺りからその痛みが退いた。不思議なもので、どうして痛みが発生したのかまったく分からず、同時に痛みがどうして退いたのかも思い当たらず、首を傾げるばかりである。実際今朝になってほぼ痛みはなくなった。階段の上り下りに不自由することもなくなった。どうしてこんな突発的な痛みに襲われたのだろうか。この4日間は右足を地面に押し付けると痛みを感じていた。それから解放され、取り敢えずホッとしている。これなら従来通り思い切って歩くことが出来そうだ。一昨日医師からウォーキングを止められたし、ちょっとした外出も出来ない有様だった。しかし、直ったのは佳しとして、今後同じような症状が不意に襲ったらと思うと少々気になる。再発しないことを祈るばかりである。

 話は別だが、毎年12月第1日曜日に開催されていた福岡国際マラソンが、今日の第75回を最後に、来年から実施されないことになった。今日は最終回である。全国に数々あるマラソンの中で、歴史、伝統、レベルなどで最も名を知られたマラソンである。残念! 惜しいという以外に言葉がない。

 近年マラソンは市民参加型レースが増えているが、その典型が東京マラソンである。この福岡マラソンは個人記録として2時間50分以内の選手しか走れないとか、市民参加型にするには道路が狭すぎるとか、問題も多く、加えて新春に行われる実業団対抗駅伝に参加する企業から、選手を参加させるには日程がきついというような理由で、必ずしもウェルカムではなくなった。費用対効果の一面もあるようだ。長い間主催者のひとつであった朝日新聞社も不本意ながらも手を引くことになった。

 思えば、まだ福岡市での開催が定着する前に同マラソンは各地を転々として、1954年は鎌倉で開催された。鎌倉市役所前をスタートして七里ガ浜海岸通りから藤沢市内を通り戸塚で折り返し、再び鎌倉へ戻り旧江ノ電鎌倉駅前をゴールとしたコースだった。我が実家の裏の県道を往復路を選手たちは走り去って行ったものである。当時高校1年生だったが、雨の中で傘をさして家族総出で応援していたものだ。田中茂樹、山田敬蔵ら日本の有力選手はぱっとせず、優勝したのはアルゼンチンのゴルノ、2位はフィンランドのカルボーネン選手ら外国人選手の独壇場だった。その懐かしい想い出の朝日マラソンもついに幕を降ろすことになった。このマラソンで活躍して名を上げた瀬古利彦氏も無念の心境を語っていた。感慨無量である。

 今日は福岡国際マラソンと並んで秩父宮ラグビー場でも、伝統の関東大学対抗戦ラグビーの早明戦が行われた。ずっとテレビで観戦していたが、内容的には終始押され気味だった早稲田が、粘り強い明治の攻撃を凌いで17対7で勝った。暮れから正月にかけて行われる全国大学選手権には、関東対抗戦グループからこの早明の他に、母校慶應と優勝した帝京、日体大の5大学が出場する。

2021年12月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5318.2021年12月4日(土) 無観客で五輪開催経費軽減

 今朝からITコンサルタント小糸武彦さんに来宅していただき、いろいろ問題点が出ていたPCを診てもらった。プリンターも故障してしまった。それほど頻繁ではなくても今まで使っていたアプリが画面から姿を消してしまったり、あまり使わないアプリの使い方を忘れてしまったり、年齢のせいもあるが、自力で解決出来ないことが多くなった。少々情けない。これから来年の年賀状を作成しなければならないので、PCを使いこなせないと何かと不便である。

 先日知り合いを通して2022年の年賀状を500枚送ってもらったが、昨年は600枚注文して少し余らせてしまった。年々送る年賀状は減りつつある。加えて昨日時点でご家族が他界され来年の年賀状を辞退される人がかなりいて、すでに手元には23通もご連絡いただいている。特に寂しいのは、親しかった大学の登山クラブの同級生が3人も逝ってしまったことである。この調子では、来年の今頃は書く年賀状が、更に減っているのではないかと想像する。

 来年は寅年なので、年男ということになる。7回目で年男であるが、イギリスのエリザベス女王も年男ならぬ年女ということになる。あのご高齢で未だ公務を務めておられる女王を見習い、もう1度年男となってから冥界へ旅立ちたいものである。ついでながら、「資本論」を著した社会経済学者、カール・マルクス(1818~1883)、フランス革命後に恐怖政治家と呼ばれて処刑されたマクシミリアン・ロベスピエール(1758~1794)も生きていれば、来年は年男ということになる。

 さて、今夏開催された東京オリンピックとパラリンピックの大会経費について、意外な報告があった。新型コロナウィルス感染拡大の影響で、今大会はほとんどの競技が無観客試合となり、見込んでいたチケット収入が大きく落ち込み大幅な赤字予想で、東京都や国による追加経費負担が避けられないと見られていた。ところが、無観客で開催したことにより、海外関係者の入国を大幅に削減して簡素化したことや、輸送費や宿泊費などを抑制出来たこと、無観客開催により警備などの人件費やコロナ対策費を削減することが出来て、結果として全体の大会経費がかなり削減されたようだ。

 それでも当初大会招致時の計画では、大会経費総額は7,340億円だったが、大会1年延期やコロナ対策費として、昨年末には予算ベースでは、大会経費は約1兆6,440億円と倍以上に膨らんでいた。だが、上記の理由により最終的には大会経費は、この金額より下回りそうだということが分った。ホッとしたが、観客の入場料収入より予定する警備費やその他の経費の方が高額になるというのは、意外であった。どうも信じがたいが、それなら今後テレビ放映料などを当てにして、観客入場を認めないことも考えるスポーツらしからぬ大会が開催されることも考えられる。

2021年12月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5317.2021年12月3日(金) 山梨と和歌山に地震

 一昨日の夜から右踵の上部辺りが痛み出し、そのままにしておいたところ、昨朝ベッドから床に足を降ろすと痛み出し、歩行し難く痛みを伴う。そのまま昨晩も就寝して痛みは感じなかったが、今朝も床に足を降ろして立ち上がると痛む。歩くと右足を引きずるようなことになり階段の上り下りが特に辛い。原因は思い当たらず、このまま放って置くのも予防医学の視点からも如何かと思い、かかりつけの松本整形外科へ相談に出かけた。

 松本医師に状況を説明して患部を診ていただいたが、これという病状ではないようで、多分アキレス筋が炎症を起こしているのではないかと仰り、レントゲン検査をしてもらった。明細書を見ると「慢性疼痛疾患」と記載されていた。右足をインサイドパップで押さえつけ、暫く動かさないようアドバイスされた。毎日続けているウォーキングも当分ストップをかけられ、思い切って歩けない不便さはあるが、それもやむを得ないのではないかと思っている。だが、原因不明のまま無理をしないでじっとしているのが少々辛い。

 さて、今朝まだ眠っていた6時37分ごろグラグラッと室内が大きく揺れた。地震である。山梨県の富士五湖が震源地のようで、マグニチュード4.8、震度5弱だった。近くの富士山が活火山でもあり、心配されたようだが、火山活動とは直接の関係はないと発表された。今日午前2時20分前後に2度に亘り、震度4と3の地震があったそうだが、それはまったく感じなかった。

 そして、午前9時28分ごろ今度は和歌山県紀州水道を震源地とするマグニチュード5.4、震度5弱の地震が発生した。同じ日の午前中に2つの離れた地域が地震に襲われるのも珍しいと思う。御坊市役所は業務中で市職員は建物の外へ退避したが、十数秒間も揺れていたという。

 最近東北地方の太平洋岸で地震が頻発しているので、近い将来大地震が起きなければ良いと思っていたが、1日に2度までも地震の襲来があると今後よほど用心しないといけない。

 それにしてももう2年以上に亘って新型コロナウィルスに苛まれ、日常生活も安心して過ごせない状態で、まだやり残している大事な人生の後半2年を持ち去られたような気持ちになっている。そこへ新たなオミクロンなどという新型コロナが出没して、社会生活はゆとりのないものになった。飲み屋で思い切り飲んでみたいというようなことを望んでいるわけではないが、好きな時に人出を気にせず、自由に外へ出かけられる平凡な生活が蘇ってくれることを切に望むばかりである。

2021年12月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5316.2021年12月2日(木) オミクロン感染で多くの課題

 南アフリカで検出された新型コロナウィルスの新種変異株「オミクロン」が、各国に拡散し始めた。日本でも昨日ナミビアの外交官が第1号と判定されたが、それ以前に入国していたペルー人がオミクロン第2号と判定された。

 コロナの感染者は着実に減り続けているが、オミクロンの出没で第6次緊急事態がやってくるのではないかと懸念の声も聞かれる。国交省は、昨日航空会社2社に対して日本行の予約を停止するよう求めていたが、それだと年末に帰国を予定している海外在住者が帰国出来ないことを考慮して政府は急遽方針変更して日本人については取り止めた。お隣の韓国では、コロナの感染者数が盛り返して過去最大の感染者が記録される日が続いていたが、昨日オミクロン感染者が5名判明した。アメリカでも1名感染者が判った。それにしても各国、各都市にコロナの与える影響は計り知れない。

 今月9日に大阪で開催予定だったフィギュア・グランプリファイナルが中止に決まった。来年2月開催の北京冬季オリンピックの選手選考も兼ねていたので、開会が迫っている中で、対応が難しいようだ。

 視点はずれるが、こんな統計もある。森記念財団都市戦略研究所が、毎年発表している「世界の都市総合力ランキング」というのがある。最近発表された2021年版によると、総合ランキングは6年連続で第1位ロンドン、5年連続2位でニューヨーク、3位東京、4位パリ、5位シンガポールとなり、このところスコアを伸ばしていたロンドンとニューヨークの勢いが止まり、3位東京と4位パリが追い上げているという。その原因としてコロナが影響しているようだ。

 特にロンドンは、「航空旅客数」が下落し、「交通・アクセス」、「経済」でも従業者数の減少などによりスコアを落とした。ニューヨークは、「経済」、「研究・開発」を伸ばしたが、ロンドン同様にコロナの影響で「交通・アクセス」が苦戦して、「居住」部門が大きく落ちた。

 その一方で、東京は「働き方の柔軟性」で昨年の41位から2位に大きく改善され、「居住」は12位から9位にまで順位を上げたことが3位維持に大きく寄与した。

 以下ランキング上位都市に、8位ソウル、10位上海、17位北京、36位大阪などが入っているが、日本の都市では42位に福岡が入っているだけで、横浜、名古屋、札幌、京都などが45位以内に入っていないのは、何とも残念である。

 いずれにせよコロナが各都市の経済、社会、観光面で大きな障害となったことは事実である。何とか目に見えないコロナを絶滅させなければ、未来は開かれて来ない。それにつけてもいつもまたか、やっぱりと思わせるのが欧米人のコロナ現象である。オミクロンが検出される前の最近ベルギー、ドイツ。オランダなどで政府が打ち出した厳しいコロナ対策に対して、群衆がデモ隊となって猛反対していたが、このオミクロン発症により、デモは収まってしまった。各政府もホッとしているのではないだろうか。政府がロックダウンに近い制約で押さえつけようとすることに対して、民主化抑圧と言って庶民はすぐ反対行動を起こす。しかし、もっとマスクを着用するなど、コロナ防止のために身近に出来ることはいくらでもある筈である。この辺りが比較的おとなしく自分のためばかりでなく、周囲への感染を配慮して思っていても自分の為だけでは直接行動に移さない日本人とは大いに異なる。国が異なると国民の言動の表し方は随分違うものだと改めて思う。

2021年12月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5315.2021年12月1日(水) 立憲民主党新役員人事決定

 今日から師走である。寒くなるかと思いきや、夜中にかなりの降雨があったが、日中は暖かく都内の平均気温が20.3℃で、12月の平均7.6℃に比べると大分高かった。

 昨日から各界で人事が動いている。政界では、昨日立憲民主党代表選が行われ、4人の立候補者の中から泉健太・前政調会長が代表に選出された。47歳という若さがあるだけに、話し方に明るさと明瞭さが見られる。ただ、気になるのは、民主党員として初当選して以来、希望の党、国民民主党、そして現在の立憲民主党と度々所属政党を変えてきた。人間性までは分からないが、この辺にやや腰が軽いような印象を受ける。新代表は、今日政党の執行部を公表した。それによると、幹事長に西村智奈美氏、政調会長に小川淳也氏、当代表代行に逢坂誠二氏を指名して、代表選の対抗馬をそれぞれ要職に就けた。泉代表の指導力と政治力が問われる。とかく話題にされるのは、11月の衆議院選で共産党と手を組んだことが、イメージダウンにつながったのではないかという意見が、一部党内に燻っている。就任のスピーチで、泉新代表は、今後共産党との共闘について言葉を濁していたが、共産党内からは共闘について不満や不安は出ていない。立憲民主党としても、早めにどうすべきかを自らの口から明確に述べるべきである。

 次いで、昨日逮捕された田中英寿・日大理事長が辞任すると述べた。刑事罰は今後の捜査と裁判によって決まるだろうが、日大理事長という要職にいながら、背任、収賄、所得税などいくつかの罪を犯してこのまま職に留まっていたら、益々世間の風当たらいは厳しくなるだろう。これまでと観念したのか、ついに辞任を申し出たようだ。辞任なら退職金に類するいくばくかの慰労金は支給されるだろう。ただ、院政的な行動を危惧する声もあり、逮捕された事実から解職すべきとの厳しい声も出ている。さあ、日大の良識はどう判断するだろうか。事件の決着はまだついていない。

 本件については、3年前のアメリカン・フットボール部の暴行事件の後でも、理事長と日大理事会は記者会見を開いて公に語ることがなかった。今回も現時点で理事長、及び大学側は何らのコメントも発表していない。全国大学の中でも2番目に多い私学助成金を支給している、監督官庁の文部科学省も今度こそ厳しい対応を迫るだろう。日大は、理事会を含む上層部が真摯に対応し、事実を洗いざらい曝け出し説明し、反省のうえ出直すしかないだろう。

 もうひとつの人の消息であるが、歌舞伎役者で人間国宝の中村吉右衛門さんが先月28日に心不全で亡くなられていたことが分った。兄の中村白鴎とともに歌舞伎界を背負って立つ役者だった。「仮名手本忠臣蔵」の大星由良之助や、「義経千本桜」の平知盛のような当たり役をこなしたが、喜寿77歳だったというから、これから歌舞伎人生仕上げの舞台を迎えようとしていた時期なのに、実に惜しまれる。

2021年12月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5314.2021年11月30日(火) 新たな変異株「オミクロン」、日本で検出

 朝刊の一面を見て2つのビッグ・ニュースに目を瞠った。昨日すでに各テレビ局が伝えてはいたが、そのひとつは、25日に南アフリカで検出された新型コロナウィルスの変異株「オミクロン」について、政府が全世界からの外国人の新規入国を停止すると発表したことである。これまでの措置ではこれほど急速に厳しい対応を取ったことはない。前回菅前首相が取った対応は、緩やかで水際対策で後手との批判があり、岸田首相はそれを教訓にしたという。政治決断はとかく生ぬるく、遅れがちであるが、この度の岸田首相の果断的な決断力は佳しとすべきだと思う。

 今回の「オミクロン㈱」は、強い感染力があるようだ。南アフリカでは以前に「ベータ㈱」が検出されている。日本をはじめ、イスラエル、イギリスなどが入国を全面禁止したことに対して、南アフリカのラマポーザ大統領は差別だとそれらの国々を強く非難している。日本国内でアンケート調査をしたところ、岸田首相の決断を評価すると同意したのは、何と約82%もいた。やはり、下火になりつつある国内の感染傾向ではあるが、再びぶり返すことを危惧している人が多いと推察出来る。岸田首相の決断が効果的であることを期待したいと思っていたところ、今日昨日南アの西隣ナミビアから入国した駐日ナミビア大使館員が、オミクロンに感染していたことが分った。これからも気を許せない。

 さて、もうひとつのビッグ・ニュースは、大分前から取り調べを受けていた日大の田中英寿・理事長が所得税法違反の容疑で、昨日逮捕されたことである。2人の側近、元理事と医療法人元理事長がすでに逮捕され、田中理事長にリベートを手渡したことを自白した以上、逮捕は時間の問題と見られていた。しかし、リベートをもらっていながら、理事長は強く受領を否認していたが、受け取ったリベート約1億2千万円の税務申告をせず、約5千3百万を脱税した所得税法違反の容疑で逮捕されたのである。理事長本人は、相変わらず頑なに受領を否認している。

 日本で最大規模の学校法人日本大学のトップが、学園の資金を背任したと言うこと自体異常で許しがたいことである。理事長は自ら教育の場にいながら裏金の取引が話題になることを恥辱だと思わないのだろうか。学生から集めた授業料を掠め取ろうとの魂胆が許せない。実際日大生に尋ねてみると、対面授業が減り、教育の意味と価値が減じている中で、何とか収めた授業料を奪い取る理事長には、呆れ果て憤慨している。内部の組織で権限が田中理事長に一極集中して、これまで日大理事会はまったく機能していなかったと言われている。理事長は大学経営のことを考えていたわけではなく、単に私利私欲の鬼だったことが分る。自宅に1億円余の現金があったというが、これだけの大金を自宅に保管していたという金銭感覚も教育の場の理事長としては、認識がずれているのではないか。日大の今のザマでは、あまりにも学生たちが気の毒である。

2021年11月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com