5333.2021年12月19日(日) 企業の自衛策と自然災害防止策

 かつて日本の経済発展を象徴するマンモス企業と思われていた「東芝」が、身から出たサビとは言え、今では赤字会社に転落して悲運をかこっている。同じようにかつて繁栄した企業が、自らの力の劣化や時代の厳しい波を受けて落ちこぼれていく例も数限りなくある。

 ところが、今朝知ったタイヤ産業国内最大手の「ブリジストン」の大規模な事業再編には呆気に取られた。かつての名門企業の斜陽化現象とも言える。ブリジストンはタイヤ業界では、世界でも「ミシュラン」と並ぶトップ企業である。そのブリジストンが打ち出した会社再生策とは、労働現場の切り売りである。グループ全体で約14万人の全従業員のうち、2つの事業に従事する約8千人を売り渡した事業先へ転籍させて働き続けさせるという。表向きでは雇用は一応保証されているように見えるが、今後の売却先企業の経営政策次第では、そのまま社員として居続けることが出来るかどうかは分からない。転属させられる従業員にとっても、「ブリジストン」の名に憧れて入社した人も多いと思う。彼らにとっては、会社の都合で知らない会社へ派遣されるようなものだ。

 2つの事業部門の売却とは、ひとつは防振ゴム事業を中国企業に、他のひとつは自動車部品などの化成品ソリューション事業を投資ファンドに売却するということである。今回の事業売却に伴い工場の中には閉鎖する部門も出て来る。会社は、一昨年時点で国内外にあった約160か所の拠点を2023年までに4割方減らす方針だというから、例え切り売り事業部に所属しない従業員にとっても他人事として黙って見過ごすわけには行かないだろう。

 ブリジストンは、2020年12月期の決算で、コロナ禍による自動車の生産削減の影響もあり売上高が前期比▲15%、当期利益は実に69年ぶりの赤字となった。安定した雇用先だったブリジストンから突然の転籍要請に従業員のとまどいや不信感も募っている。当面待遇や雇用は保証されるにせよ、売却先企業の雇用下にあっては、必ずしも永久に維持される保証がないからである。会社の営業不振を会社の責任ではなく、従業員にしわ寄せされることへの焦燥感と不安があるようだ。今後これは会社内だけの問題で済むだろうか。或いは、温厚な社内労働組合が一波乱仕掛けることになるだろうか。「石橋財閥」も鼎の軽重を問われることになりそうな難しい問題である。

 さて、去る10日にアメリカ中西部、及び南部を巨大な竜巻が襲い90余名の人命を奪ったばかりだが、16日フィリピンでは台風22号が襲来し、セブ島で人家を損壊し住民に100名を超える犠牲を与えた。空中写真を見る限り平坦な土地で遮る壁がない。強風、豪雨が襲ったらひとたまりもないだろう。そうかと言ってこれらの平地を城塞のような防護壁で囲うようなことも出来ず、手の施しようがない。ただ、こういう自然災害の原因を突き止め、何とか防止策を講ずることが、最大の防護柵と言えよう。その意味では、これら2つの自然災害も二酸化炭素の排出による地球温暖化が招いたものと考えられている。近年盛り上がっている地球温暖化対策が、行い得る最大の自然災害防護柵であると言えるのではないだろうか。

2021年12月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5332.2021年12月18日(土) 江田五月・元参議院議長逝去

 寡聞にして知らなかったが、元参議院議長の江田五月氏が、7月に肺炎で亡くなられていた。今日の夕刊で初めて知ったが、体調が悪いという噂はまったく耳にしていなかった。早速参議院議員会館で江田氏を紹介していただいた元日本テレビ政治部長の菱山郁郎さんにメールで江田さん死去の報道に驚いたことを知らせたところである。

 運命のいたずらであろうか、かつて社会党書記長だった父江田三郎氏が亡くなったのは五月氏の誕生日だったという因縁があるくらい、江田父子のつながりは強かった。しかし、知性的な父親に勝るとも劣らないほど知性の人だった息子の五月氏は、当時威勢の良かった社会党内では策士が多く、党内では持てる能力を存分に発揮することは叶わなかった。父子ともに信念と理想への思いを成し遂げる前に無力化する運命に翻弄された。父三郎氏は党内左派から激しい突き上げを受けて社会党を離党し、新党結成して参議院選挙に臨もうとした直前に亡くなられた。裁判官の職を投げ打って父親を引き継ぎ政治家になった五月氏も、政治の流れを掴み切れず、その後岡山県知事選で落選したりもした。それ以降はあまり目立った政治活動は控えて、一議員として淡々と議員生活を送っていたが、人望もあり裁判官だった経歴を生かして中立的な参院院議長に就任することになった

 何年か前に前記の通り菱山氏の案内で国会を見学した後に、参議院議員会館で菱山氏から江田五月氏をご紹介いただいた。五月氏は東大生時代に学生運動で退学処分を受けたくらい過激に行動していたこともあり、年齢的には4年ほど差があるが、私のよく知っていた全学連書記長だった清水丈夫氏をご存じかどうか尋ねたところ、意外にも名前も顔を知っているが、特に親しい間柄ではないと仰った。東大スト事件では、清水さんが先頭に立っていたので、当然江田氏はご存じだったと思っていたが、肩透かしを食らったようだった。

 それにしても数多くいる国会議員の中で江田氏は良識派で、ぶれないリベラル政治家だったと思う。昨今の麻生、安倍、菅ら元首相らに比べて遥かに真面目で理性と知性が備わった政治家だった。だが、彼らとは立ち位置が異なったが故に、総理大臣のポストに就くことは出来なかった。

 お会いしていても誠実さが滲み出るようなご性格であり、腹に一物の政治家の中では純粋過ぎたことが、海千山千の国会議員の中で力を発揮出来なかったのではないかと思っている。私より3歳若い。惜しい人材を失ったものである。

 今日はもうひとり著名な市井人の訃報を知った。北朝鮮拉致被害者連絡会つい最近まで代表を務めていた飯塚繁雄さんである。私と同年の享年83歳である。昨年亡くなった横田滋さんから代表を引き継いで14年間、その職を務めた。生前一向に前へ進まず解決の見通しが立たない拉致問題家族会を代表して、厳しい試練にあいながら家族会を支えていのは、言葉に表せないご苦労があったことと思う。家族会の人たちも年々年老いて先行きは明るいものではない。

 奇しくも昨日は日本人拉致を国策として実行した北朝鮮の金正日最高指導者が亡くなってちょうど10年目だった。北朝鮮では全国的に追悼式が行われたが、生前拉致被害者を日本に返すと小泉元首相に約束していながら、北朝鮮は不誠実にも「拉致問題は解決済」と繰り返すばかりで一向に解決への扉を開こうとしない。飯塚さんもやりきれない思いで冥界へ旅立ったことだろう。

 岸田首相も拉致問題は最大の課題と安倍元首相以来の約束事を念仏のように唱えているが、その解決への道筋はまったく見通せない。どうしたことだろうか。夕刻になって漸く岸田首相は、飯塚さんに申し訳ないと語り、全力を傾けて拉致問題解決に努めると話した。

 遥かにお2人のご冥福をお祈り致したい。

2021年12月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5331.2021年12月17日(金) 収束しないコロナ旋風と日大事件

 コロナ旋風が一向に衰える気配がない。一時下火に向かい出したところへ、南アフリカで発症した新型コロナ変異種・オミクロンが徐々に世界中に広がり、今や世界的な流行となっている。

 ジョンズ・ホプキンズ大学の統計資料によれば、世界のコロナ感染者は2億2千万人以上、死者は533万人を数えるそうだ。強い感染力を持つオミクロンが、イギリスで昨日8万8千人という連日過去最多の驚くべき数の発症者を出している。理解し難いのは、ジョンソン首相が国民に対して行動に気を付けるよう注意喚起をしているが、飲食店や夜のバーなどに営業規制を行うわけではなく通常通りの営業を行い、お客もほとんどマスクを着けていない有様である。日本と比較するなら、人口はイギリスの6千8百万人、対して日本は1億2千万人である。感染者数はイギリスの8万8千人に対して日本では昨日ほんの190人だった。イギリスの方が、約8百倍も感染者が多いということになる。それでいて、テレビ画面で観る限り、日本ではマスクを着用している人がほぼ100%近いが、イギリスでは国民の2/3程度しかマスクを着けていない。これではいつまで経っても国内の感染者は減らないのではないかと懸念している。これは首相が何と言おうと国民一人ひとりの意識と心構えの問題であり、彼らが気を引き締め行動するよりコロナ感染を防止する手立てはないと思う。その意味では海洋国家として世界に君臨した大英帝国の末裔たちも、少々無神経過ぎるのではないかと思う。

 お隣の韓国もこの3日間連日7千人を超える感染者が出ている。2度のワクチン接種済の国民は80%で、日本を上回っているのにこの現実である。やはり気の緩みが大きいのではないか。

 さて、先日漸く結論が出たと思っていた日本大学背任事件も、田中英寿・前理事長を解職させて開かれた久しぶりの記者会見で、大学として田中前理事長の解職、日本大学事業部の廃業など今後の外部有識者による再建策を公表した。これに対して所管の末松信介・文部科学相は今朝の記者会見で極めて厳しい見解を述べた。これまで発令したことがない措置命令を念頭に置いて、学校法人としての行政処分を行う可能性を示唆したものである。即ち日大側に一連の問題をめぐる再発防止策の策定や、田中前理事長への損害賠償請求の検討などを求め、1月中旬までに報告を求め、その内容が不十分であれば私立学校法に基づく行政処分も検討するとした。今まで所管の案件であったにも拘らず、文科省は案外対岸の火災視的対応だったが、漸く本気で日大事件にメスを入れる気構えを表した。特に、田中前理事長の行為と対応がいたく文科省を怒らせたようで、日大側が求めてもいなかった田中氏への損害賠償まで言及するとは、あまりにも意外なことである。これに対して期限までに、果たして自浄能力を喪失した日大は、きちんとした再建策を打ち出せるだろうか。他人事ながら興味深い行く末である。

 今朝10時過ぎに大阪駅近くの繁華街でビル火災が発生し4階の医院で、24名が亡くなった。30分で消火したにも拘わらず、これほど多くの犠牲者が生れたのは、医院の入口近くで火が噴き出して逃げ道を塞がれ、あっという間に火に包まれた一酸化炭素中毒によるものと見られている。火事の原因は放火と見られている。

2021年12月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5330.2021年12月16日(木) 官僚はどうして世間の常識に疎いのか。

 この2日間に国の行政において不信感を掻き立てる事象が2件も明らかになった。

 ひとつは、国土交通省が建設業の受注実績を表す国の重要な統計資料を国交省が書き換えていた件である。悪質なのは、建設業者から都道府県に提出された資料を、国交省が自治体の担当者に指示して書き換えさせていたことである。悪の上塗りは、会計検査院が昨年1月に気づき、国交省は都道府県に書き換えを止めるよう指示した。だが、書き換えは今年3月まで続けられていたという。会計検査院もこれでは存在する意味がない。国交省の言い分が奮っている。突然大きく減らすと数字に大きな影響が出るから、書き換えたそうである。国交省の役人は一体何を考えているのか。この統計資料は日本の国内総生産(GDP)の推計にも使われるというから、こんな感覚で国の行政に携わること自体理解出来ない。

 この件について昨日国会の衆議院予算委員会で、岸田首相は書き換えを認める一方で、事態が改善していることを強調したが、その重大さをどの程度認識しているのだろうか。不安は残る。

 もうひとつ不信感を抱かせられたのは、森友学園への国有地売却をめぐり財務省の公文書改ざん問題で、国を訴えていた原告側の請求を国が受け入れ、あれっという間に幕引きとしてしまったことである。これは文書の改ざんを強いられた財務省近畿財務局職員だった赤木俊夫氏が自死して、妻が国に損害賠償を請求した裁判である。これまで妻は夫が自死するに至った原因と経緯について、国に情報公開を求めていたが、国は要求に応えていなかった。そのために妻は裁判によって要求に応えてくれることを求めたのだが、昨日国は夫人の請求を受け入れ終結としてしまった。国はこの問題から中途半端に降りてしまったのだ。金で解決すれば良いとでも思ったのか、夫人にとっては、金だけの問題ではなく、必ずしも真相が解明されたわけではなく、納得の行かない形で国の目論む終焉になった。我々国民にとっても、国が夫人に支払う請求額の原資は、国民の税金である点を踏まえて夫人が不承不承納得するという状況にはならないことを求めたい。

 さて。午後日本橋三越前のコレド室町3ビル内展示場で、友人・近藤總さんの個展を鑑賞に出かけた。題して「私の『ギュスターヴ・モロー』展」である。ギュスターヴ・モローを敬愛している友人は、武蔵野美大で商業デザインを学び、早くから自らの作品を商業化してきた。新聞広告に関係する数々の賞を獲得し、日本版「プレイボーイ」誌表紙を飾ったことがあり、日本のみならずアメリカでも腕を振るっている。会場が空いていたせいもあり、すべての作品について彼から説明を受けた。普通の感覚ではとても考えられないようなデザインを見ると、一種の天才ではないかと思う。市川学園中学時代の同級生である友人の活躍ぶりは嬉しいことである。益々の活躍を祈っている。

 

2021年12月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5329.2021年12月15日(水) 年賀状の準備とクリスマス・カード郵送の時節

 今日の東京都内も相変わらずの寒さだった。昼前になってやや暖かくなり最高気温は昨日より8℃も高くなったが、逆に最低気温は昨日より0.7℃低い3℃だった。

 今朝妻が東京医療センターに心臓の検査のため、出かけたが、結果は21日に判明する。大病の恐れがないことを祈るばかりである。現状では虫垂炎の手術を1月5日に行う予定である。私は昨日の医療センターでの検査結果を持って相談すべく通い付けの松本整形外科に行った。数値は若干上がったが、服用薬も減らすことになったので、よろしいのではないかとの松本医師のお話しだった。午後休診ということもあり、医院は普段以上に混みあって、結局待たされたのは何と2時間を超えていた。

 その帰り道ヤマダ電機自由が丘店へパソコン・プリンターのインクを新旧交換出来ないか掛け合いに立ち寄った。賞味期限の切れたプリンターがいよいよ動かなくなったので、先週土曜日にプリンターを買い替えたのだが、そのため古いプリンター用のインクが無駄になってしまった。6千円分ほど無駄になるので、あまりにも勿体ないと考え、購入したヤマダ電機へ払い戻しか、または新インクへの交換を願いに行ったわけである。大分前に購入当時の領収証があれば、払い戻しは出来ると聞いた記憶があったので、そうしたまでだった。係員に相談したところ、快く交換してくれることになった。新しいインクの方が若干安いので、その差額分は現金で返済してくれた。救われたような気分である。もし、交換してもらえなかったら、6千円分のインクをむざむざ無駄にしてしまうところだったが、ホッとしたところである。多少の希望があれば、ダメモトでトライしてみるものだと、得心したところである。

 さて、今日から全国の郵便局で来年の年賀状の受付が始まった。私自身の原稿はすでに出来上がっているので、新しいインクで新しいプリンターを使って年賀状を印刷し、相手のお名前を万年筆で一人ひとり書いて500枚弱の年賀状を仕上げて、期日までに投函するばかりである。

 年々書く年賀状が減るように、クリスマス・カードも極端に枚数が減ってしまった。そこへ今日ミクロネシア連邦のジョン・フリッツ駐日大使ご夫妻から例年通りクリスマス・カードを送っていただいた。同時に随分立派なミクロネシアの来年のカレンダーも別便で送ってもらった。2014年に拙著「南太平洋の剛腕投手」上梓以来ご厚誼をいただいている。

 今年は海外へ送ったクリスマス・カードは、たったの2枚だけになってしまった。最盛期の10数枚に比べると随分寂しくなった。でも、例え送るカードは少なくなろうとも、一人ひとりの宛名書きを丁寧にしていると彼らの顔が瞼に髣髴として浮かんでくる。今年創立150周年を迎えた千葉市立幕張小学校の恩師だった故湯浅和先生から、在学中に手紙の書き方、年賀状の作法、心構えというものを丁寧に教えてもらったが、今もその気持ちだけは忘れていないつもりである。

2021年12月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5328.2021年12月14日(火) 巨大な竜巻とビルマ人から年賀状辞退

 10日夜(現地時間)から翌朝にかけて、アメリカ中西部と南部に大きな竜巻が襲い、ケンタッキー州を中心に88人を超える死者が出た。行方不明者も多数いることからかなりの犠牲者が出ることが懸念されている。平地に建てられた大きなろうそく工場が完全に破壊されている写真を見ると、遮る壁がない更地では風を防げないのではないかと空恐ろしい気持ちになる。

 日本はアメリカなどと異なり広大な平野がほとんど見られないので、砂漠地帯特有の竜巻に襲われる可能性はほとんどないと言っていい。大分昔のことになるが、スーダンか、エジプトの砂漠深く訪れた際に、突然突風に襲われたことがある。その時、強風から身を守るために砂地に座り込んだが、その近くに大きな丸いくぼ地があり、その中で風がぐるぐる回ってその後回ったまま風は飛び去った。この時、これは一種の竜巻ではないかと思ったことがある。幸い日本の国土の7割は山林地帯で竜巻は起こり難いが、今度の竜巻を地球温暖化の影響が表れたと語った評論家がいた。仮にそうだとするなら今世界的に注目を集めている、地球温暖化防止対策は竜巻被害防止にも効果的だと思える。

 さて、今年も残り少なくなり、年賀状の準備に取り掛かったところである。今日もまた訃報を受け取ったが、やはり気分が暗くなる。今年は例年以上に年賀状辞退の連絡が多い。特に、学生時代にともに南北あるプルなどへ登り親しかった山岳クラブの同級生が、この1年で3人も旅立ってしまったことは大きなショックである。

 その中で今日いただいた年賀状辞退の送り主は、東京都内に住むビルマ(現ミヤンマー)人女性だった。40年前ごろにビルマで知り合った、ビルマ人らしからぬ明るい性格の女性で、30年ほど前に日本人男性と結婚して東京都内で生活していた。ところが、数年前にその夫に先立たれ、今は娘さんと2人で生活している。日本に来てからお会いしたことはないが、年賀状の交流だけは毎年欠かさず続けていた。彼女は長らく日本人の中で生活していたせいもあり、日本流儀に溶け込んだのか、「喪中につき年末年始のご挨拶をご遠慮申し上げます」と日本調の年賀状ご辞退のハガキをいただき、少々驚いている。誰が亡くなったのか、ハガキを見るとウータウンセイさんと仰る彼女の92歳の父親だった。ここまで日本に溶け込んだとすれば、もう充分日本でやっていけるだろう。不幸にして、今ビルマでは国軍が権力を収奪して戒厳令が布かれている。とても一時帰国もままならぬ状況にあると思う。彼女には気の毒ではあるが、悲しみを耐えてこの苦しい時を乗り越えて欲しいと願っている。

 偶々今夕の朝日新聞には、一面トップに5段抜きの全面2/3のスペースを割いた大きな記事で、「ミヤンマー 街に人出は戻ったが・・・」との見出しでクーデター勃発後10か月経った今のビルマの現状を伝えていた。国軍の国民に対する弾圧は続いているようで、この最中にこの世を去ったお父上はどんな気持ちだっただろうか。気の毒でならない。

 今日は東京医療センターで膠原病の一種、RS3PE症候群の毎月1度の定期検査日である。先月の数値CRP=0.15、 HbA1c=6.3から、CRP=0.29、HbA1c= 6.4へと、やや数値が上がり医師も首を傾げていたが、全般的には回復傾向にあるので、服用薬プレドニン4錠は、3錠に減らしましょうということになった。

 今日は寒かった。都内の平均気温は4.5℃、最高気温は6.4℃ 、最低気温は3.7℃で、本格的な冬の気候となった。これから寒い日が続くのだろう。後期高齢者はよほど気をつけなければいけない。

2021年12月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5327.2021年12月13日(月) 国家独立を問う住民投票

 地球上には今以て宗主国と呼ばれる母国と、その属国となり植民地のまま現在に至っている国がある。アジア、アフリカ諸国は、長年列強国の支配下に置かれていた国が多かった。第2次世界大戦は、植民地解放戦争でもあった。戦後旧植民地が続々と独立し、今では植民地と言える国は稀となった。

 そんな中で、昨日地球上に残された旧植民地のひとつ、南太平洋のフランス領ニューカレドニアで、1853年にフランスが領有を宣言して以来、フランスからの独立是非を問う住民投票が実施された。ニューカレドニアは、一面で「天国に一番近い島」とも呼ばれている。独立については、フランスとの間で3回の独立を問う住民投票ができるとする協定が結ばれていて、今回が最後の住民投票である。2018年の第1回、昨年行われた第2回に引き続き独立反対派が勝利を収めた。しかし、その独立への動きは少しずつ独立派に有利になり、その差は僅差になっていた。今回実施された第3回住民投票では、どちらが勝利を収めるか、広く注目されていたが、昨日開票の結果は、意外にも圧倒的な大差で独立反対派が勝利した。

 これにはいくつかの要因があるようだが、独立派にとって最も決定的な敗北の原因となったのは、投票期日をめぐるフランス政府との対立から、独立派が多数投票ボイコットに回ったことだった。投票率は前回2020年の85%を大きく下回り、43%にまで落ちた。この結果、前回独立派が得た得票が48%だったにも拘わらず、今回は僅か3.51%に過ぎなかった。一方、独立反対派は96.49%の得票を得た。この結果、ニューカレドニアはフランスに留まることになった。マクロン大統領はこの結果を歓迎し、一方独立賛成派の指導者は今回の結果は認められないと述べている。

 もうひとつ大きな要因は、中国問題である。ニッケルの原産地でもあるニューカレドニアは、一帯一路で途上国へ進出し続けている中国にとっては、絶好のターゲットだった。しかし、フランス政府は、何とか住民の支持を得ることによって中国からの中国流経済進出を防ぐことが出来そうである。今後ニューカレドニア政府は、フランス政府と協力して経済発展に力を注がねばならないだろう。

 ところで、かつての先進国と発展途上国の間で繰り返されてきた、独立国家への脱皮が、思いがけず先進国家内にも燻っていた。

 イギリスとイギリス内の一部スコットランドの間で交わされていた国家分裂論争である。それは、去る5月に行われたスコットランドの議会選で、イギリスからの独立を掲げる地域政党・スコットランド民族党が勝利したのである。同党は、2014年に次いで近日2度目の住民投票を目指している。どこかニューカレドニアの住民投票と似ているところがあるが、歴史的な点で大きく異なる。実は、スコットランドは、1707年にイングランドと合併するまでは独立国だった。合併で独自の議会はなくなり、自治権と外交権は認められているが、自主権は大きく損なわれた。そこへイギリスのEUからの離脱により状況が大きく変わった。今後住民投票が実施され、スコットランドは新しい独立国家となるのだろうか。サッカー、ラグビーのようなスポーツ界では、以前からイングランドとは別にスコットランドというひとつの国の代表チームを送り出している。スコットランド独立の行方も注目していきたい。

2021年12月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5326.2021年12月12日(日) 迷路入りした交付金10万円

 いま国と地方自体体の間でぎくしゃくしている問題に、10万円交付金がある。子育て世代を少しでも助けようとの趣旨の下、18歳以下の若者にひとり10万円を支給するものだ。ところが、これが分かり難い。特にマイナンバーカードを取得している人、或いは取得しようとする人にポイントを与えようとしている。未だ全国で40%しかいないマイナンバーカード取得者をもっと増やして、デジタル時代に相応した体制作りを目指しているが、説明不足もあって話が宙に浮いている状態である。自治体の意向に沿った支給を政府も考えているようだが、まだ一致の結論は出ていない。未だ迷路に入ったままだ。

 それよりもっと騒がれているのは、政府は当初所得制限を設けていなかったのに、その後年収960万円を超える世帯については除外するという条件を付与したことと、政府は10万円の内現金で5万円、残りの5万円はクーポン券支給と方針を変更したことによって経費の増加につながり、自治体との間でもめている。

 18歳以下の家族がいない我が家では当然支給されるいわれはないわけであるが、支給対象の家族のいる保護者の発言が気になることがある。それは、彼ら受給者の言い分には、非受給者の気持ちを配慮しない様子が見られることである。それは、クーポン券より現金の方が好都合だから現金を全額すぐにも欲しいという発言である。彼らの言い分には、もらえない人たちを思いやる気持ちが窺えず、もらえるものなら、1日も早く現金でくれと言わんばかりである。それらの資金の出処は税金であり、それには我々非受給者の支払った税金も含まれているのだ。その点に思いが至るなら外で声高に現金で欲しいと主張するようなことは、遠慮してもらいたいものだ。何人もの受給者の同じような声を続けて聞いていると腹が立つこともある。周りに配慮しながら発言して欲しいものである。

 さて、一昨日の夜BSテレビ東京で「昭和は輝いていた」という歌謡番組を観たが、その番組で司会役の武田鉄也と合田道人・日本歌手協会会長の会話の中で、戦前「陣中髭くらべ」を唄ったコロンビア・トップにつき、2人は互いにトップは戦時中加藤隼戦闘隊に所属していたとお互いに言った。だが、この話はトップ氏が国会議員になったころに自らの軍歴に箔をつけるために虚言を弄したもので、当時これを知った加藤隼戦闘隊(六十四飛行場大隊)戦友会の幹事を怒らせ、トップに面会して謝罪させ、その後はこの発言をしないと約束させた事実がある。私はこの話を幹事さんから直接聞いていたので、昨日テレビ東京にメールで事実と経緯につき説明文を送った。そして今日電話でテレビ東京の担当者と話して主旨を関係者に伝えることを約束させた。

 古い話で今や隼戦闘隊員はほとんど他界されたが、間違った話が伝わってはあの誠実だった幹事さんの気持ちが無駄になると思い、余計な口出しをしてしまった。それにしても噂話というものは、知らないところでいつどんな形に変わって伝えられるか分からず怖いものだ。これでは、故人もあの世で安らかに眠れないだろう。

2021年12月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5325.2021年12月11日(土) 日大事件の教訓

 日本大学が元理事による背任事件や、田中英寿前理事長の所得税法違反による逮捕などの不祥事で、世間から厳しい視線に晒されているが、ノー天気の大学本部は長い間記者会見を開いて大学の立場や考え方を伸べる機会を設けなかった。3年前のアメフト部の違反タックル問題の際も会見を開かなかった。その日大が昨日漸く記者会見を開いた。学長を兼務する加藤直人・新理事長が、冒頭謝罪したうえで、田中前理事長とは永久に決別すると決意を語った。先月田中前理事長が職を辞任すると述べた蔭では、田中氏は日大とのパイプを切らすことなく院政を敷いて、いずれ理事長に復活することを目指すだろうとの憶測があった。昨日の新理事長のコメントは、そういう声を抑えて、田中氏には今後「出入り御法度」を公に約束したのだ。田中氏の退任は、辞任ではなく解任としたことで、退職金も功労金も支払われないという。

 この一連の事件により、一番傷ついたのは現役学生たちである。学生たちに与えたショックと失望は計り知れないものがある。実際就活中の日大学生は、世間の日大のイメージ・ダウンを恐れ、就職に不利に響くのではないかと懸念している。偶々日大には危機管理学部という学部があるらしいが、在学生は入学前にはよもやこのような事態になろうとは想像も来なかっただろう。

 今回のスキャンダルによって日大は財政的にも大きな打撃を受けた。毎年日大には私学助成のための補助金として約90億円が支給されている。末松信介文科相は厳正に判断すると発言し、世間の目もあり、処分としては厳しいものとなるだろう。慣例によれば、一旦支給額がゼロとなり、その後徐々に復元され、5年後に元通りの支給額に戻るという。

 田中前理事長は、所得税法違反を問われた。しかし、収賄と見做される金額については、背任容疑で逮捕された理事が提供したと自白したにも拘らず、逮捕されても頑なにその受領を否定していたが、ついに本日になって現金受領を認めた。多額の現金が自宅内で見つかり、帯封を付されたままの現金束まで見つかり、夫人の携帯録音に受領したことに礼を述べ、夫が感謝しているという主旨を述べたことが分り、万事窮すと考えたのだろうか。

 疑問が多い今回の日大事件であるが、大学当局がガバナンスを失い、自浄作用もなく1人のワンマン経営者・田中英寿氏が権限を一手に掌握し、誰も理事長に反対意見を述べることが出来ないような怖い空気が漂う理事会だったことなどが、結果的に今日のあるまじき事態を招いた。

 理事全員を入れ替えて、一部外部理事を入れて本来の学園経営というものはどうあるべきか、と反省のうえに立って再生を期すより術はないと思う。ひとたび方針を誤ると、取り返しがつかなくなる点を真摯に反省し、新たな出発を期してもらいたいものである。

 学内に似たような病原を抱えた他の私立大学も、この日大事件を他山の石として私学の在り方というものを真剣に考え直して欲しいと思う。

2021年12月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

5324.2021年12月10日(金) 母校高校ラグビー部TVで紹介?

 先日母校ラグビー部OB会会長から、来る13日(月)22:00にBSテレビ東京で「THE名門校 日本全国すごい学校名鑑」と題するシリーズ番組に母校が紹介され、その中で文武両道の模範としてラグビー部の活動が取り上げられると聞いた。僭越にも知人、友人にも観てもらいたいとメールで連絡を取ったところである。

母校ラグビー部は私が3年生になって主将を務めていた当時は、負け試合が多かったが、近年は大分実力をつけて来た。ところが、神奈川県は強豪校がひしめいており、過去にも全国大会で優勝した慶應、相模台工業、桐蔭学園など実力校が多く、桐蔭学園なぞは、昨年と今年の2年連続で全国制覇を成し遂げているほどである。母校は公立校の中ではかなりレベルは高いが、私立の強豪校の壁を突き破るのは中々厳しく、トーナメントではいつもベストエイト入りを賭けた試合で跳ね返されている。今秋もインターハイ県予選のベスト16入りを賭けた3回線で、選りによって全国大会3連覇を目指す桐蔭学園高を相手に戦うことになり、善戦はしたが60-0で敗れた。しかし、桐蔭学園は全国でも屈指の強豪校だけに、次の準々決勝戦では、127-0、準決勝では105―7の結果で、対母校戦を遥かに上回る大差をつけ圧勝しているくらいである。母校もくじ運にさえ恵まれれば、ベスト4ぐらいまで行けたかもしれない。いずれにせよ、13日の放映を楽しみにしている。

 今日は久しぶりに電車に乗って代々木まで出掛けた。いつも通り歯の定期健診である。歯科医からは、よく歯を磨いているようで現状では問題はないとのことだった。以前に抜歯してから初めてその重要性に気が付き、1日3回の歯磨きを欠かさなくなったが、まさに「遅かりし!由良助!」である。

 帰路は代々木駅からJR渋谷駅で通常通り東急東横線ではなく、寄り道してJRから東急田園都市線に乗り換えたのだが、工事中の渋谷駅構内の複雑な構造のため、分かっている筈なのに乗車すべき田園都市線の渋谷駅構内へ中々辿り着けない。表示の仕方もおかしい。元来た道を戻っているような感じにもなり、ついに東急の駅員に尋ねる無様ぶりだった。元鉄道員がこんなに迷うようでは、認知症ではないかと勘違いされかねないが、JR、東急ともに駅構内の標識が分かり難いことは事実である。久しぶりの渋谷だったが、田舎っぺ丸出しだった。
 さて、困ったことになった。パソコンとともにいつも愛用しているプリンターが故障して、機能不全に陥ってしまった。最近やや具合が悪くなっていたのを承知のうえで、アブノーマルなまま騙しだまし使用していたのだが、ついにプリンター自体が動かなくなってしまった。いつも相談しているITコンサルタントの小糸さんに連絡を取り、新しいプリンターに買い替えることに決めた。これから年賀状を印刷しなければならない時期でもあり、時間がないので、出費もやむを得まい。

2021年12月10日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com