3日前の広島に次いで、史上2番目の原爆が投下された長崎市内の平和公園で、今日午前10時45分から約1時間「長崎平和祈念式典」が開かれた。出席者は広島よりやや少ないが、世界98カ国と地域、及びEUと台湾の代表が出席した。長崎への原爆投下による犠牲者の数は、1945年末までに約7万人、その後の死者を合わせて約20万2千人である。
式典で挨拶された高市首相は、「我が国は、『非核3原則』を堅持しており、『長崎を最後の被爆地に』という誓いの下、『唯一の戦争被爆国』の使命として『核兵器のない世界』の実現に向けた現実的、かつ実践的な取り組みを推進しています。先般の『核兵器不拡散条約(NPT)運用検討会議』は、厳しい国際安全保障環境の下での開催となりましたが、我が国は、被爆地の方々の思いを伝えながら、NPTの維持・強化に向けた結束を各国に呼びかけました」と述べたが、相変わらず「非核3原則」を堅持していると強気の発言をしている。危ういものである。
2018年に国連総長として初めて出席したグテーレス国連総長が発したメッセージを、中満泉事務次長が代読した。メッセージは、「核実験禁止という国際規範も脅かされている。世界の軍事費は昨年2兆9千億㌦に達した。年々戦争のリスクが高まっている。例え、激しい対立の時代でも協力、進歩が可能であることは歴史が示している。長崎が示した核戦争の真の恐ろしさについての教訓に耳を傾ける必要がある。この81周年の記念日に、被爆者の勇気を言葉だけではなく、行動で称えようではありませんか。国連はこの目的を達成するため、皆さまとともに歩むパートナーとなることを切に願ってやみません」という内容だった。
鈴木史朗・長崎市長は、「長崎平和宣言」で「大国による力の支配が横行し、核軍縮に逆行する動きが加速していると危機感を表明し、『長崎を最後の被爆地に』するため、核兵器廃絶と世界恒久平和の実現に向け、歩み続ける」と語った。
広島でもそうだったが、原爆を投下してこのような慰霊祭を毎年開催するようになったのは、アメリカのせいであるが、平和を前向きに希求しようとしないアメリカはグテーレス国連事務総長とは、考えが異なり、今日も何ら罪の意識はもちろん、メッセージすら送って来なかった。
広島市のケースと同じように、2度と原爆は投下しないとか、核兵器は使用しないとか当然のメッセージは発せられるが、現実問題としては核兵器使用の一歩手前にまで追い詰められている。それは、核を保有国がなくす意図がないことが昨今の国際情勢から推察できる。国連の安保理事会5大常任理事国のアメリカ、ロシア、イギリス、フランス、中国がすべて核保有国であり、核放棄を考えない以上核廃絶は残念ながら「夢のまた夢」と考えざるを得ない。被爆者も年々年を重ねて、平均年齢は86歳となった。式典には出席しているが、今年も高市首相と被爆者団体は会うことになっているが、被爆者から首相への発言は止められ、握手だけという決まりだそうだが、これではお互いに会う意味がないのではないだろうか。
このような状況から察すると、悲しいことであるが、再び核は使用され、広島、長崎以上の災禍が地球上のどこかで現実化するのではないかと、ゾッとするような気がしている。