7117.2026年11月7日(土) 昨今の学生たちの就職人気企業

 来年3月に卒業する学生たちの就職戦線も大体収束したようだ。経済界がやや不況と言われようが、全般的に各業界では人材不足であるようだ。ある就活あっせん企業が、再来年3月に卒業予定者の全国大学3年生の就職人気企業の一覧表を掲出した。我々が就職活動をした60年以上も昔に比べると、当然ながら大分様子が変わった。昔は企業として業績が安定していた名門大手企業が上位にランクされていた。商社、銀行、保険会社、電機、鉄鋼等で、例えば文系では毎年のように人気トップ企業に挙げられていたのは東京海上で、続いて三菱商事、三井物産、日立、東芝、松下電器などだった。ところが、その東京海上が、その後日動火災などを吸収合併し、社名も東京海上日動火災保険㈱となって、今では100位以内にも入らず、生保としては、97位に明治安田生命が微かに顔を出している程度の凋落ぶりである。全体でベスト10は、1位伊藤忠商事、2位味の素、3位東宝、4位に東京ディズニーランドを経営しているオリエンタルランドが入り、5位に今流行りの家庭用ゲーム機製造の先駆けとなった任天堂、6位は大日本印刷、7位KADOKAWA、8位アイリスオーヤマ、9位観光ブームを反映してJTBグループ、10位に全日空が挙がっている。

 我々世代に人気企業だった商社では、伊藤忠商事の他には三菱商事が64位、住友商事71位、丸紅106位、三井物産109位、豊田通商121位、双日189位である。私が勤務した安定経営の鉄道会社も昨今の観光ブームに乗って人気が高いのかと思いきや、30位にJR東日本、126位JR西日本、153位JR東海など旧国鉄系列のJRだけが顔を出し、私鉄は1社たりとも200社の中に社名が見られない。堅実な銀行(42位三菱UFJ)、証券(83位野村證券)などの金融大手もほとんど200位から姿を消した。

 それらに引き換え、意外に思うのは、出版不況と言われ、読者が漸減しつつある書籍を世に出している出版社が、7位のKADOKAWAをはじめ、12位に講談社、13位に集英社と老舗出版社が上位にいることである。出版社入社希望の学生らにその辺りの理由を伺いたいものである。

 最も意外な感想を抱いたのは、公務員志望の学生が多いことである。確かに不確実性の高い世相で、最も安定している職場とも言える官公庁への希望者が多いことに、出版社希望の学生とは異なる期待があると思う。その人気も200企業以内に、41位東京都、77位神奈川県、92位大阪府、122位愛知県、136位京都府がランク入りしている。

 毎年人気企業に挙げられていたパナソニック(旧松下電器)は50位に挙げられているが、他の日立、東芝、ソニーなどの電機会社同様にかつてのように華やかに騒がれることは減った。テレビのCMが減ったこともあるのではないかと思っている。パナソニックは経営的に大きな問題があるわけではないが、期待通りの数字を挙げられず、会社が日本を代表する運動部の活動を若干見直すことになった。野球部、バレー部、ラグビー部などを抱えているが、その中で野球部は今年度を最後に休部することに決定した。野球部はかつてプロ野球界でも活躍した盗塁王の福本豊や、快速球投手山口高志らを輩出し、日本選手権に43回も出場し、2回優勝を飾った名門チームだった。

 こういう若者の企業に対する考えを見ると、現代の変動しやすい経済界における企業の景気や若者らの好みが何となく察知出来る。

2026年11月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com