アメリカ中間選挙の結果、上下院ともに野党の民主党が共和党を圧倒した。アメリカの現地時間3日の今日、中間選挙の投票が行われ同日開票された。昨日からテレビ各社でも現地駐在員の直近の情報をかなり詳細に伝えている。開票途中で、上院は民主党53に対して共和党41議席で、民主党は過半数51議席を上回り、残り6議席が未定だった。他方、下院は435議席すべて改選で過半数は218議席であるが、民主党はすでに214議席を獲得して、残り96議席もあり、あと4議席で過半数ということだ。過半数獲得は間違いないだろう。
この中間選挙はアメリカ国内ばかりでなく、世界的に大きなイベントで世界の隅々から注目を集めている。共和党にとって牙城だったテキサス州が、広く関心を持たれている中で、ここを民主党のタラレコ氏に敗れたことが大きい。トランプ大統領は、途中の選挙結果を知って「私は候補者名簿に載っていなかった。もし、載っていたならば我々は圧勝していた筈だ」とSNSに投稿したようだ。確かにトランプ氏は大統領職という行政の長であり、立法の連邦議会の議員ではないが、いつもながら相変わらず皮肉と負け惜しみばかり言っている。
同時に実施されたジョージア州知事選でも民主党の勢いは衰えず、民主党のボトムズ氏が当選確実となった。ボトムズ氏は黒人女性で、州知事に黒人女性が成るのはアメリカで初めてのことである。
テキサス州でも民主党のタラレコ氏が勝利を収めたが、ここでは知事選でも民主党州議員イノボサ氏が現ショックの共和党アボット知事を破り、テキサス州で初めてのラテン・アメリカ系の州知事になることが決まった。
上下院ともに民主党が過半数をほぼ確保して、世界中でその結果に大きな関心を持たれているが、気がかりなのは、異質な性格のトランプ大統領だけに、国内外の政策で反対、嫌がらせが増えるのではないかという懸念である。
まず、内政では減税、移民政策、財政支出など重要政策の法案が極めて難しくなることである。得意の嫌がらせでは、民主党が起草する法案に対して拒否権を行使するとすでに述べている。大統領の拒否権を覆すには、上下両院で2/3以上の賛成が必要なため、民主党も新たな政策を立案出来ない。
心配なのは、外交である。その第一は「アメリカ第一主義」による関税がリスクとして残る。また、これまでの強気の言動や外交姿勢が、益々過激化するのではないかと警戒されることである。他にも専門家が指摘するだろうが、これらの点は日本に対しても同じであろう。アメリカ国内で思い切った政策が実行出来ないとするなら、議会の制約を受けない日本へ外交、通商面で圧力が強まる逆風となる心配がある。外交面では、防衛費の増額、駐日米軍帆経費負担増などと、日本の頭越しの外交で中国、ロシアなどと突発的に安保上の取引を行うことである。髙市首相ら日本政府の外交手腕が問われることにもなりかねないので、首相らはトランプ大統領にご機嫌取りばかりでなく、言うべきことははっきり言わなければならない。
今日は朝から晩までトランプ一色だった。今晩放映のNHK・BS「アナザー・ストーリー」では、「トランプタワーの誕生」とのタイトルの下に、ニューヨーク5番街に聳え立つ豪華なトランプタワーの建設にまつわる建設当時の裏話や、青少年時代のトランプ氏を紹介していた。これからトランプ大統領の言動と、政策実行に絡む話題が多く報道されることだろう。
それでも他に対して迷惑と嫌がらせばかりしている大統領が、窮地に陥る共和党敗戦は小気味良い。共和党の敗戦を喜びたいと思う。