今日は祭日「スポーツの日」で3連休の最後の1日である。このところ秋晴れが続き、紅葉の季節でもあり多くの観光客が行楽へ出かけている。一方スポーツも花盛りで、プロ野球は日本シリーズへの出場権を争うクライマックス・シリーズ(CS)も始まり、佳境に入っている。今年もセ・リーグで3位の横浜が2位の巨人軍を破り、パ・リーグでも3位の日本ハムが2位の西武を破ったために波乱のポスト・シーズンになりそうである。
私自身個人的にはこのCSの実施自体に疑問を抱いている。日本野球機構(NPB)には、きちんと優勝したチームの意義を失わせるようなやり方は、ペナントレースを実施する優勝の意味を理解していないことが問題であり、こういう折角勝ち取った優勝に難癖をつけるようなCSは中止した方が良いと考えている。
1リーグの試合数はリーグ各6球団がそれぞれ年間143試合をこなしている。それで優勝したチームがリーグ№1の実力を備えたチャンピオンである。ところが、これだけに満足していないのが、主催者のNPBである。金儲けのために、年間ペナントレースと日本シリーズの間に、このCSを強引に組み込んだ。しかし、この試みは、確かにファンを喜ばせはするが、折角1年間戦い勝ち取った権威あるリーグ優勝の価値を損なうものになりかねない。実際過去において、リーグ3位だったチームが日本シリーズに勝ち上がり、これに勝って「下剋上」日本一と呼ばれた例が2つもある。今年もそうなる可能性がある。
例えば、2010年の日本シリーズは、パ3位の千葉ロッテ・マリーンズが、セ優勝の中日ドラゴンズに勝った。パ・リーグ3位のチームが日本選手権を獲得したのである。セ・リーグの覇者ドラゴンズの権威はガタ落ちである。
つい数日前に中日ドラゴンズの来季監督に決まった工藤公康氏のこれまでの監督としての実績が紹介されている。リーグ優勝3度、日本一5度と書かれていたが、実に不自然である。一般的には、リーグで優勝して日本一を争う日本シリーズに出場の機会が得られる。それが工藤監督のケースは、リーグ優勝3度であるから日本シリーズ優勝は最大で3度というのが常識的である。それが何と5度も日本一に輝いたというから理解に苦しむ。そこには、CSが入り込んだ仕かけがあったからである。常識を覆すCSと言える。
NPBにはプロ野球の運営上肝心な点で配慮が足りない腰の軽さ見られる。今年からそのCSの決定方法も、セ・リーグとパ・リーグは異なる試合決定方式を選んだ。今年は昨年までとは違って、先に2勝してファースト・ステージを勝ち上がってリーグ優勝チームに挑むファイナル・ステージの試合数が、突破に必要な勝利数がセは6試合、パは7試合に変更された。これは、パの優勝チーム・福岡ソフトバンクホークスが2位と10ゲーム差以上あったからだそうである。余程下剋上批判が気になったのだろう。それにしても一般のファンはほとんど知らないシステムを今年になって新たに知らされるということから、事前のPRも不十分である。
この下克上は、日本シリーズの価値を下げ、優勝したチームにとっても何か面映ゆく心から喜べないのではないだろうか。CSは必要だろうか。どうもすっきりしないところがある。