世界地図はしばしば見ているが、地球儀をじっくり見ることはあまりない。ここに世界の国々の地勢を知る機会を逸する落とし穴があった。今朝の朝日、読売、ネットでも大きく取り上げられた話題だが、学生時代からこれまで見てきた世界地図は、「メルカトール図法」の平面図だった。ところが、4日の国連総会で各国の面積を正確に反映した「イコールアース図法」の世界地図の使用を促す決議案を賛成多数で可決した。国連総会の場でこのような普段学校で使用しているような地図について採決するなんて考えもしなかった。メルカトール図法による地図が、国の実態を歪めているとアフリカ諸国の提案が認められたものである。圧倒的多数の賛成を得て可決された法案ではあるが、法的な拘束力はない。投票に棄権した国はいくつかあったが、反対したのはアメリカだけである。グリーンランドを自国領土に組み込もうとしていたアメリカは、グリーンランドが小さい領土だと認定されたことが気に入らないのか、これは急進的なイデオロギーだと反発し、反対した。
メルカトール図法では、アメリカやロシアなど赤道から離れた国々は実際より大きく描かれ、赤道上にあるアフリカ諸国や南米のブラジルなどは実際より小さく描かれている。一例として、アフリカ大陸はグリーンランドとほぼ同じ大きさに見えるが、実際の面積はグリーンランドの約14倍の大きさである。「イコールアース図法」が容易に入手して手元で見られるなら、それに越したことはない。
さて、近年ヨーロッパを中心に右翼勢力が支持を伸ばして、政治の世界でも第2次世界大戦前の空気が蔓延り出した。特に、ナチスが力を付けてヒトラーがナチズムを発展させた苦い過去のあるドイツで、困ったことに東部ザクセンアンハルト州では極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が進境著しい。東西ドイツ統一後、旧西ドイツに比べて経済発展がやや遅れた旧東ドイツ地方では、経済的に困窮している国民が多い。そこにつけ入ったAfDは、不法移民や難民申請者を敵視して、民族主義的、排外主義的な言動が目立つようだ。ただ、ナチスはうんざりとばかり、ナチ党と関連づけられることについては、ナンセンスと断罪している。一方、長い間連邦政権を引き継いできたキリスト教民主同盟(CDU)、社会民主党(SPD)はその座を脅かされているが、AfDと手を結ぶ考えはないようだ。
今日ザクセンアンハルト州で州議会選が行われるが、大戦後初めて極右政党に所属する州首相が誕生する可能性があり、今後のドイツ政治を図る試金石となる。
ドイツとは別に、戦時中の同盟国だったイタリアでは政権交代が繰り返され、首相が度々交代していたが、一昨日メローニ現首相が戦後最長の1413日間首相の座に留まったことが話題となっている。保守派のメローニ首相が、異例の長期政権を築くことになったのは、急進右派の支持こそ失ったが、より幅広い中道右派の信頼を得たことが、安定した支持確保につながったようだ。言うべきことは言う毅然とした姿勢は、トランプ大統領にも率直に主張している。この辺りは高市首相も見習ったら良いと思う。