高市首相は自民党内に頼りにできる議員が少ないせいだろうか、内閣の閣僚の選出に悩んで随分軽薄なことをやったようだ。
実は、来月行われるであろう内閣改造に当たり、役職人事の希望を当選2回以上の自民衆議院議員に提出させたという報道には、唖然とした。アンケート用紙が配られ、そこに希望する大臣など政府の役職、幹事長など党内の役職、衆議院の委員長などの中から最大で第5希望まで回答し、昨日締め切られたという。党内の人事はともかくとして、各省の大臣などは、国民の生活に少なからず影響を与えるものである。大臣となれば、当然担当省庁の専門知識を持ち合わせていないとその役職の業務を全うできない。その意味ではそんな気ままなアイディアより、党内に情報網を張り巡らせて各議員の得意、不得意、性格、人脈、知識などを収集、検討して、適材適所の役職を決めなければいけない。残念ながら今の自民党内にはそれだけの人材と余裕が足りないのだと思う。
なぜこのような安易な手段を考えたかと言えば、議員の個人的な情報が派閥制度廃止により得られなくなったそうで、現状では未だに悪評高い派閥を抱えているのは麻生太郎最高顧問だけしかいないからだそうだが、下手をするとこんな言い訳を言っていると派閥が復活する恐れがある。自民党内の反対を受けながらも今以て派閥を率いている麻生氏のケースは話にならないが、前以て個人別に細かい情報を集めて、しばしば会合や個人面接などでその性格と能力を見抜き、大臣抜擢の際に参考にすべきではないかと思う。
またこのような大臣抜擢法を採用したのでは、本人にその道の素質がなくてもやってみたいと強く主張して大臣に任命した途端、ミスジャッジばかり犯すようなことになりかねない。
どうも政治家というのは、一般人の常識や感覚とは大分異なる。例え不人気になったにせよ、一国の首相を任された高市首相が、何人かの信頼できる相談相手と人事を打ち合わせて、最終的に首相の決断で人事を決め、多少の抵抗にも屈せず、高市流儀を推し進める方が内閣は万全だし、よほど国民の信頼と理解を得られやすいと思う。
さて、世界のお騒がせ男・トランプ大統領がこのほどカナダに対して「自動車、自動車部品、乳製品、アルコールの輸入を巡って、アメリカを他国より不利に扱っている」としてカナダからの輸入品に50%の追加関税を課す大統領令に署名した。近年になって追加関税の連鎖である。かつては、25%だった関税を密輸対策という理由で、昨年8月35%に引き上げた。それを今月50%に引き上げるという。こうなるとカナダも黙ってはいない。カナダのカーニー首相も直ちにアメリカからの輸入品については、50%の報復関税を課すと語った。気がかりなことは、カナダの自動車産業への負担が高まるとカナダで生産している日本の自動車産業にもシワ寄せが来ることである。
アメリカとカナダの関係は、トランプ大統領がカナダはアメリカの51番目の州だと述べたこともあって、その関係は離反するばかりである。今日は、仕返しに五大湖のひとつ、オンタリオ湖をアメリカ湖に名称変更する大統領令に署名したそうだ。昨年1月にメキシコ湾をアメリカ湾に改名した前例に倣ったものである。これは、対トランプ氏ばかりでなく、他のアメリカ人に対する悪評となって返ってくる。今年に入ってアメリカのフックストラ駐在カナダ大使へのカナダ国民の不満が高まる一方で、それは「好ましからざる人物」として、国外退去を求める賛同者が、13日時点で12万人近くにまで増えたことでも分かる。
同じ大陸の隣国同士がケンカ状態では、両国に対して不満を抱えている国家にその隙を突かれるようなことになる懸念がある。トランプ大統領もいつまでも子どものような言動をそろそろ鉾を納めて、少しは大人になって欲しいものである。