去る13日にロシアのプーチン大統領が北方領土4島の択捉島へ上陸して施設を見学したり、住民と会話をしている姿が伝えられた。プーチン氏が北方の島を訪れるのは初めてであるが、ウクライナ戦争の状況もあまり芳しくない中で、敢えて旧日本領だった択捉島を訪れたのには、当然ながらプーチン氏とロシアの日本への思惑があるのだろう。
このニュースを受けて高市首相は、「北方領土は歴史的にも国際法上もわが国固有の領土であり、日本国民の感情を傷つけるものであり、断じて容認できない」と強く抗議した。茂木外相も駐日ロシア大使を外務省に呼び出し、強く抗議した。これに対してロシアは、ラブロフ外相が日本の批判は明らかに礼儀の一線を越えたとして武藤駐ロシア大使を呼び出し、協議するとしている。
ロシア側の言い分は、日本が承認した第2次世界大戦降伏文書には、北方領土を戦勝国である旧ソ連が戦後支配することが記載されているという。しかしながら、この降伏文書がミズーリ号艦上で交わされたのは、1945年9月2日のことであり、日本の降伏と半月以上のずれがある。旧ソ連が択捉島など4島を占領したのは、その降伏文書調印直前の8月28日から9月8日までの期間である。その一方、日本は、8月6日と9日に広島と長崎に原爆が投下され、日本の戦闘能力はほぼ無力化した。そのうえ8月15日に天皇の玉音放送により日本は降伏したことを全国民に周知させた。そのような事実があって日本は最早降伏したことが明かされたにも拘らず、旧ソ連は4月に日ソ中立条約を一方的に破棄して、8月9日より対日戦争を開始すると独善的なアナウンスをした後に、日本が降伏文書に署名して北方領土が旧ソ連の領土であるということを承認させられたとしても筋が通らない。おかしいし、誰が認めるだろうか。全てに利己的なロシア政府は、常に自国の都合により自国優位な持論を相手国に押し付ける傲慢さをむき出しにするのだ。
今回のプーチン大統領択捉島訪問には、国内外に行き詰ったプーチン側の苦肉の策と、ウクライナ侵攻に日本がロシアに制裁を課したことに対する対日牽制があったと考えざるを得ない。北方領土問題が一向に活路を見いだせないのは、この辺りの経緯を国際的に訴える宣伝活動が、従来の日本政府にも欠けているからである。交渉相手国のペースに巻き込まれず、主張すべきは主張するとの一貫した信念のもとに日本の持論主張を展開することを考えないといけないと思う。現在の政治、外交の方針では相手国の言いなりになるばかりである。
さて、今日甲子園で高校野球準々決勝が行われ、優勝候補の横浜高校は順当に大谷翔平選手の母校・花巻東高を6-0で下した。その横浜高校を強豪校に育て、監督として春夏合わせて5回もの優勝を飾った渡辺元智氏が昨日死去されたことが分った。渡辺氏の功績により、今や横浜高校は全国的な野球強豪校となった。今日の横浜高の試合をTV観戦していたが、エース織田翔希投手が156㎞のプロはだしの速球を投げたが、いつも明るい顔をしてスマイルを見せていたことと、攻守交代時に相手校選手からボールを手渡してもらった際に丁寧に帽子を脱ぎ、礼をしていた姿に見惚れた。野球だけに卓越しているのではなく、人間的にも優れた選手だと感心した。たかが高校野球であるが、教えられるところも多いものである。