7025.2026年8月7日(金) ベスビオ火山噴火に新たな発見

 『NATIONAL GEOGRAPHIC』日本語版8月号の特集に、「古代ローマ~噴火が封印した日常」と題して、西暦79年にイタリアのベスビオ火山が、大噴火を起こし火砕流が流れ出し近くの都市を壊滅させた爆発について、今まで知らなかった新情報が紹介されていた。埋没し掘り起こされたポンペイの遺跡の近くに、他に2つも同じような都市遺跡があることを初めて知った。初めてポンペイを訪れたのは、ちょうど半世紀前の1976年9月だった。以来何度かポンペイを訪れているが、案内してくれたガイドは、ポンペイ以外の遺跡について語ることはなかった。

 その2つの遺跡はいずれもナポリ湾に面しており、噴火と同時に火砕流によって潰され流された物財は湾の海底に沈んだことであろう。そのひとつはオプロンティスという農業関連の産業で栄えた集落であり、もうひとつはヘルクラネウムといい、漁村であると同時に文化の拠点でもあった。ここには当時「パピルス荘」という別荘があった。そして有名なポンペイである。これら3つの街があったカンパニア地方は、当時豊かに繫栄してエリート階級に人気の保養地だった。同時に、商業、特に貿易や農業の中心だった。火砕流によってこれらの街は20mも積もった噴出物の下に埋もれてしまった。3つの都市のイラスト風の絵を見ていると当時の豊かな生活ぶりが想像出来る。爆発と同時に破壊されてしまったが、煙の高さは3万4千m、火砕流は時速100㎞で山肌を流れ下って行った。幸い人間や物財はかなり原形を留めていた。

 ベスビオ火山、及びその爆発には今以て知られていないことが多い。現地でも未知の部分が多く、調査が進められている。年齢的に考えて私自身もう訪れることはないと思うが、この事実をしばしば訪れた時に知っていれば、ポンペイより大分火山に近かったヘラクラネウムを見学して新しい関心事を見つけていたかも知れない。最も驚いたのは、ヘラクラネウムのパピルス別荘にあって超高温の火砕流にともに呑み込まれてしまった図書室の巻物である。その巻物が革のケースに入れられたまま火砕流を浴びた状態で発見された。それを今流に開こうとすれば、崩れて灰になってしまうとの理由で、AIと3D画像化の技術を組み合わせて見る方法を考えたという。そしてびっくりしたのは、現実にアクティウム海戦の最中に自殺を考えていたクレオパトラについて語られていたということである。実際その巻物のストーリーを誌上の写真に見てただ驚いている。2千年もの長い年月を経過して当時の巻物の内容を保存性の高い金属板からではなく知ることが出来るとは驚異的なことであると思う。

 日本は最近熊本県で発生したように地震が多い。しかし、ベスビオ火山のような爆発的な噴火はなかった。ベスビオ火山の噴火自体が今では興味深い過去の現実であるが、あまり例がない事象であり、興味深い。この月刊誌はいつ何度読んでも楽しく飽きるようなことがない。これからも繰り返し読んで楽しみたい。

2026年8月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com