ブログ・ご意見番の意見

 充実したホームページに仕上げていこうと、毎日目を凝らしながら取り組んでおります。淡々と書き続けてきただけで、10年2月に初めて4桁の大台1000回を、そして奇しくも74歳の誕生日に当たる2012年「文化の日」に連続2000回を、15年7月31日に3000回、18年4月26日に4000回、21年1月19日に5000回を数えました。ここでは、出来るだけポジティブな意見や、気軽な独言、時には戯言や想い出を書き込んで、自分自身の気持ちを素直に表わしながら楽しく読んでいただけるよう心がけたいと思っております。意見の主張というより、感じたままを日記風に書き綴って参ります。身勝手な意見や、独断的な表現も見られると存じますが、どうぞご理解下さいますようお願い致します。皆さまの忌憚のないご意見をお寄せいただければ有難く存じます。

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2923.2015年5月15日(金) 安保関連法案閣議決定に嫌な予感

 政府は昨日の臨時閣議で安全保障関連法案を閣議決定した。法案は今日国会に提出された。歴代の内閣が踏み込まなかったパンドラの扉を開け、危険な伏魔殿へ一歩踏み込んでしまった。政府・与党が一体となって憲法違反をやってしまおうということだ。しかも姑息な術を使って、憲法の周囲を回遊しながら憲法の解釈を変えるという言語道断な荒業を使って素知らぬ顔で安保法制案などという危険極まりない法律を作り上げてしまった。

 昨夕の記者会見で安倍首相は、世界の平和と安定にこれまで以上に貢献していくと述べたが、むしろ逆行して世界の紛争と混乱のために法整備を施行しようとしているのではないか。

 関連法案は自衛隊法など10法案を束ねて改正し、新法案を併せて、国民の理解を得られないうちに拙速に法制化しようというものである。この法案はひとつひとつどれを取ってもすんなりとは分かりづらい。実際安保法制を作成した専門家が麻生派国会議員の夫人らに説明したが、一向に理解されなかったという代物である。議員だってどの程度分かっているのか。そんな難解な法案をどうやって国民に分かってもらおうというのか。しかも説明・解説の時間をほとんど取らず法制化してしまおうとの魂胆である。こんな実情と空気が分からないのが、理解力にやや欠ける安倍首相である。

 記者会見で首相はこれらの法案の重要なポイントを5つばかり述べた。すべて首を傾げるものである。これはひょっとすると安倍首相には誰か影武者がいて、首相は口をバクバクしているだけで実際には首相はその背後にいる影武者に言わされているのではないかとの疑念を抱いている。

 その安倍首相の主張する重要ポイントは、

①積極的平和主義を掲げ、世界の平和と安定に貢献⇒抽象的過ぎて矛盾している。海外へ軍隊を派遣し、参戦することがなぜ平和に貢献するのか。
②あらゆる事態を想定し切れ目のない備えを行う。⇒独善的に考え過ぎている。海外 派兵は反って切れ目が生まれるのではないか。
③抑止力がさらに高まり、日本が攻撃を受ける可能性は一層なくなる。⇒どうしてそんなことが言えるのか。攻撃を受ける可能性は高まるばかりである。
④厳格な歯止めを定めた。限定的に集団的自衛権を行使する。⇒米軍の要請によって日本独自の限定的な行動は取れなくなる恐れあり。
⑤アメリカの戦争に巻き込まれることは絶対あり得ない。⇒考えが甘すぎる。日米同盟とは相互に助け合うことである以上アジアでの戦いにアメリカ軍から要請されればこれを助けることを求められ、自然にアメリカの戦争に巻き込まれることは必定である。

 安保関連法案の成立によって戦争に巻き込まれる可能性は一層高まり、自衛隊は国防軍となって前線で戦うことを求められる。生命を落とす隊員も多くなる。現在の自衛隊員は国家、国民を守るために任務を果たすことを言葉尻では知っているが、憲法を学んだ彼らは戦いのための武器を持たないと信じている。況してや戦うことなぞ頭の中にはない。朝日新聞が自衛隊員や、その家族に感想を尋ねているが、かん口令を敷かれているせいもあって中々本音を聞き取ることは難しいようだ。しかし、隊員のひとりは首相の「自衛隊員は自ら志願し、危険を顧みず、職務を完遂することを宣誓したプロフェッショナル」とのお世辞に対して、「現場を知らない官僚や政治家が作り上げた法案。隊員が殺し、殺される、血なまぐさい話がさけられている」と本音を告白している。

 何と言っても現場を知らない政治家がやることは、説得力も真実味も感じられない。安倍首相は犠牲者が溢れる戦争がお好みなのだろうか。ならば、自分が戦地へ言ったら良いのではないか。

 折も折今日は昭和初期のあの暗い混迷の時代に、海軍青年将校によって時の犬養毅首相が暗殺された5.15事件が勃発した。同じような時代が訪れないよう願うばかりである。

2015年5月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2922.2015年5月14日(木) 2014年度経常収支黒字を計上

 昨日財務省が発表した2014年度の国際収支統計によると経常収支が7兆8千億円の黒字となった。東日本大震災以来4年ぶりの増加である。増加したからと言っても、かつての右肩上がりの好況時に比べればまだまだ及ばない。10年前には経常収支の黒字は20兆円を超えていた。07年度までは右肩上がりで貿易収支も好調だった。それが08年度から下がり始め、一気に悪くなったのは東日本大震災からである。貿易収支はそれまでの黒字から赤字になり、それは今もって解消しきれていない。ただ、13年度を底にして14年度は赤字とは言え大分好転したので、そう悲観的になることもないと思う。

 14年度未だ肝心の貿易収支がマイナスではあるが、全般的に好景気を取り戻したのは円安に伴う輸出の好調であり、同時に原油価格が安くなったことが大きい。東日本大震災以降電力エネルギーを火力発電に頼るようになり、その結果原油の輸入量が増え、それが高値だった。安い原油価格体制がいつまで続くか分からないが、その間に収支構造の変革などを通じて安定的な国際収支システムを作り上げることを検討すべきであろう。

 今回の好決算は、思いがけない科目によるところも大きい。その最たるものは、新聞各紙にも取り上げられている「旅行収支」である。

 かつて旅行収支は真っ赤っかだった。実に55年ぶりの黒字だというからすべての旅行業者にとって初体験であろう。つい最近まで貴重な外貨を持ち出す日本人海外旅行者が増える一方で、日本に外貨を落としてくれる外国人旅行者の数が少なかった。それが巷間噂されるように近年外国人観光客が増え続け、かつては100万人単位でしか訪れなかった彼らが、毎年のように増え続け、今では15百万人近い外国人が日本を訪れ、外貨を使ってくれるようになった。これにより14年度旅行収支は前年度5千億円の赤字から、一転して2千億円の黒字となった。この他に日本資本の海外会社の稼ぎで日本に支払われた収益が全般的に大きく貢献している。更にあまり注目されていなかったが、知的財産権使用料が2兆円近い黒字だった。

 旅行業がこれほど持て囃されるようになるとは今昔の感に堪えない。長年旅行業に携わって来て、外国人旅行(インバウンド)用のパッケージツアーまで企画した厳しかった経験から申し述べれば、外国人旅行者が今になって急激に増えているのは、円安効果とか、日本の魅力が見直されたとか、周辺アジア諸国の経済成長とかの好要因はいろいろ考えられる。しかし、観光庁は時々恰も国家の力が大きな力となったような発言をするが、はっきり言えることは旅行業者と観光業者が一体となって、これまで地道に努力してきた努力とその成果が漸く実りつつあるということであり、国の公的機関がやってきたことはほんの僅かであると言いたい。ざっくり言えば、それより海外旅行者が増加していた頃は、わが国の外貨の準備高によって海外旅行者が持ち出す外貨が左右された苦い経験がある。

 まずは海外旅行者の持ち出し外貨枠を上げたり下げたり調整することによって外貨管理体制を厳しく締め付けたのである。当時はまるで海外旅行する人は悪者扱いされているのではないかと国の締め付けを恨んだ時期もあったくらいである。こうした苦労を乗り越えて今漸く観光収入が国家経済に貢献するようになった。これは上記のように旅行業者と観光業者の努力の賜物であると声を大にして言っておきたい。決して国の手柄なんかではない。この点では国の貢献度は大分低い。

2015年5月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2921.2015年5月13日(水) ベトナム戦争記録映画‘ハーツ・アンド・マインズ’を観て

 昨日ネパール、インドで先日のネパール大地震の余震とされるM7.3、M6.3の大きな揺れが連続的に起こり、90名近い人々が亡くなった。今朝6時過ぎにはわが家でも4年前の東日本大震災の余震とされるM6.6のかなり大きな地震があった。また、昼前には沖縄・竹富島でも震度2の地震があったという。世界中のナマズが暴れまわっているのだろうか。

 さて、昨日台風6号が襲来しなければ今日は伊豆下田からのんびり車で帰って来る予定だったが、旅行は止むを得ずキャンセルした。昨夜来激しい風雨が家屋を叩きつけ、今日はその影響からだろうか、朝から強い日射で夏日のところも多い。そこで久しぶりに映画鑑賞することにした。

 先月30日ベトナム戦争終結40周年記念講演会の折に手にしたパンフレットに魅入られるように新宿の武蔵野館へ行き、ベトナム戦争を扱った「ハーツ・アンド・マインズ」(原題‘HEARTS & MINDS’)という「ベトナム戦争の真実」と副題が付けられたドキュメンタリー映画を観た。その命名の謂われは、ジョンソン大統領が演説で最終的な勝利はベトナム人の意欲と気質(ハーツ・アンド・マインズ)にかかっていると語った言葉に由来している。テーマ通り戦争記録を重ねたもので、1975年ベトナム戦争終結の年に「アカデミー賞最優秀長編ドキュメンタリー映画賞」を授与された作品である。だが、この佳作映画公開にはアメリカ連邦政府の上映中止を提訴した裁判も含め、厳しい抵抗があり、一部に公開されテレビでも放映されたが、漸く40年ぶりに公になった。すでに戦争の主役はほとんど亡くなり、画面で懐かしい顔に対面することになった。敢えて言えば、とかくの話題を提供し、存在感の強かった2人の南ベトナム大統領、グエン・バン・チューとグエン・カオ・キの姿が見られなかったのが少々寂しい気がした。

 ベトナム戦争とは一体何だったのか? とか、アメリカは真にベトナムの平和を願い戦ったのか?すべて悲観的である。アメリカは自国の国力誇示、版図拡大のためと新兵器実験の場としてベトナムを利用したことは明らかである。例えば、ウェストモーランド最高軍司令官の「アジア人の生命は安い。人口が多いから」とアジア人を軽蔑したような発言には、ベトナム人を虫けらぐらいにしか思っていなかった傲慢さが窺える。

 映画の中でとりわけ印象的なことが3つあった。ひとつは、戦争中センセーショナルで衝撃的だった、ベトナム軍兵士がベトコンの疑いをかけられたベトナム人のこめかみにピストルを当て殺す直前の写真であるが、この映画の中でその動画を初めて見たことである。その直後ベトコン兵は路上に倒れ、彼の頭から真っ赤な血がホースの水のように勢いよく飛び出たショッキングな画像である。2番目はフランスの外相がダレス米国務長官から望むなら原爆2発を提供すると囁かれていたと語ったことである。どちらかが、本気で原爆使用を考えたならベトナムに原爆投下もあり得たのである。3番目は、ラストシーンで殺された父親の傍に大きな声で泣き叫ぶ3人の子どもの哀れな姿だった。土葬される時その上に飛び降りようとした妻と周りで泣きじゃくる子どもたちの声が耳から離れない。

 アカデミー賞受賞作品に推されただけに、その狙いである反戦アピールはずば抜けている。今晩のNHK「クローズアップ現代」で第2次世界大戦時にアメリカで敵性人として日系人に対する非人間的な待遇がなされたことを紹介していたが、今日の映画とこのテレビ番組を見終わって、改めてアメリカ人の日本人を含むアジア人への蔑視感情を思い知らされた。この様子ではアメリカ国内の黒人騒動は当分納まらないのではないだろうか。

2015年5月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2920.2015年5月12日(火) 安保法制ひたすら戦争へ向けて

 昨日自民・公明両党が新しい安全保障関連法制で合意した。日米同盟という錦の御旗を隠れ蓑に米軍に代わって露骨に自衛隊海外派遣を急ぐ動きに、無法と幾許かの危うさを感じる。

 やはり心配していたように憲法改正への動き、自衛隊の海外派兵、海外紛争に積極的関与、等々右へ右へと傾斜する政府・自民党の腹の内が少しずつ見えてきた。恐れ入ったのは自民党の極右的考えに、こともあろうに「平和」を党是とする公明党が手を貸したことで、これは国民を愚弄し裏切る欺瞞的行為である。これでは宗教団体をバックにする公明党は存在する意味も価値もないのではないか。少なくとも政治活動で「平和」を唱える以上つべこべきれい事を言わず、「平和」を主張して連立から離脱するか、さもなければとっとと解党すべきではないか。今のままでは公明党支援者のみならず、国民を騙し打ちしていることは明明白白である。

 今更言うまでもないが、今安倍政権が推し進めようとしている外交、防衛政策は明らかに憲法違反であり、国民を裏切る悪質な違法行為である。それを総選挙で獲得した多数の議席に物言わせ、今や傍若無人に立法府を撹乱している。

 憲法第9条では、「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」と明確に規定し、その第2項では「前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」とはっきり定義している。

 だが、自民党の先輩たちは、憲法で「陸海空軍の戦力は保持しない」ことを約束したにも拘わらず、まず自衛隊という軍隊を創設し整備したのである。自衛隊は誰が見ても軍隊以外の何物でもない。今日安倍首相は自民党OBだった祖父・岸信介の意を受け継ぎ、国際紛争解決の手段として自衛隊を積極的に紛争国に派遣し、認められていない筈の交戦権を行使しようというのである。これほど日本国民のみならず、世界中を欺く理不尽があり得ようか。

 あまり話題にされないが、海外紛争国へ派遣される自衛隊員はどういう気持ちで政治家たちの不毛の論争を聞いているだろうか。イの一番に戦地へ派遣され、尊い生命を失う可能性が高いのは彼ら自衛隊員なのである。彼らは憲法違反の命令によって危険な地へ向かわなければならない。自衛隊員らは無風状態に安住する政治家らの自己本位な持論によって戦地へ派遣され、自ら危険を避けた政治家によって彼らの身代わりをさせられるのである。仮に戦争が勃発し、徴兵令が施行されても絶対戦地へ赴かない政治家が口先だけで、平和を叫び、若者を戦地へ送るのである。

 安保法制について言い訳はいくらでも言える。他国が侵略してきた場合などを言うが、これまで70年間まがりなりにも平和を維持して来られたのは、少なくとも1億国民が平和憲法を守り他国への紛争に干渉しなかったからではないだろうか。

 政府・自民党の国民懐柔術は自衛隊を「専守防衛」から「先制攻撃」へ変質させようとしているように見えて仕方がない。

 近年とみに思考力が劣化した自民党議員たちは、国際社会における混迷の本質が分からなくなり、やみくもに武器さえあれば安心と考えている。彼らは思考回路も狂ってきたが、法律の作成から施行までの流れやルールについて、決められた手順も踏まずに走りだしてから法整備を行うことを是としている。安倍首相からして、安保法制をアメリカ議会で今夏までに発効させると、まだ国会を通過していない法案について言及し確約までしてしまう無法者なのである。

 「国際貢献」「切れ目のない対応」「日本の平和と安全に資する」などと体裁の好い表現をしながら、10もの法律を一気に一括改正してしまおうという乱行をどうして止められないのか。公明党の責任も重いが、その他の野党は何をやっているのか。朝日以外の新聞論調や放送メディアの弱腰も気になっている。

 今夕の朝日新聞「素粒子」欄にこんなことが書かれている。ちょっと長いが引用してみる。

 「切れ目が欲しい

  平和と戦争との

  自衛隊と米軍との

  乱立する『事態』の

  憲法9条の内と外との

  戦闘地域と後方支援との

  平和と積極的平和主義との

  10本一括の安保法制改正案の

  普天間返還と新基地建設との

  アベノミクスと富国強兵との

  日本の存立と中東の掃海との

  米国の思惑と日本の追従との

  首相の願望と国民の希望との

  一休みし頭を整理するための」

2015年5月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

2919.2015年5月11日(月) 悲喜こもごも、トヨタ2兆円超の利益、シャープ1億円に減資

 今年は例年になく台風の発生が多いらしい。フィリピンの東にあった台風6号が今日沖縄を直撃し、新たにマーシャル諸島周辺に7号も発生した。

 実は妻が伊豆下田方面を旅行したいと言い日程調整のうえで、明日の夜下田セントラルホテル宿泊を予約し、明朝出かける予定だった。ところが生憎台風6号が選りによって明日、明後日と下田方面を直撃するという予報を聞かされることになった。伊豆半島を旅行している2日間台風の中にいたのでは何のために旅行をするのか分からない。予報を聞いて止むを得ず宿泊をキャンセルしたが、直前解約ということから違約金30%を支払う羽目になってしまった。滅多にない妻との国内旅行を直前になって悪天候のためにキャンセルせざるを得ない点は不運だと思って諦めるよりないが、キャンセル・チャージまで支払うのがルールとは言いながら、なんだかもったいないような気がしている。これも悪天候のせいである。

 明日旅行する筈だったが、今日は空を見上げて見れば雲ひとつなく真っ青である。とても台風がやってくるようには思えないが、気象予報では間違いなく明日から2日間伊豆半島は完全に大雨に襲われるそうだ。なんだか恨めしい気がしている。

 さて、最近経済界で大向こうを唸らせる悲喜こもごものビッグニュースがあった。ひとつは景気の良い話で、その主役はトヨタ自動車である。何と今年3月期決算で2兆7千5百億円の営業利益を計上した。ひとつの企業だけでこれだけの利益を生みだすというのは途方もないことで、日本の企業全体でも2兆円を突破した利益を計上した会社はトヨタが初めてらしい。どうしてこれだけ稼ぐことができたのか、他企業としては羨ましいところであろうが、アクアやプリウスのようなハイブリッド車がヒットしたことや円安効果が大きいようだ。

 振り返って大学1年生だった当時の国の一般会計予算が1兆4千億円だったことを思えば、トヨタ1社の利益だけでその2倍も稼いだことになり、正に昔日の感に堪えない。

 トヨタ好景気の一方で、寂しいのはかつて関西産業界の華でもあった企業の凋落である。その代表格が軽電気のシャープである。ここ数年不景気風に見舞われ、赤字企業へ転落し深い泥沼から抜け出せなくなってしまった。かつては大型液晶テレビがヒットして、テレビCMでも女優吉永小百合を起用して意気揚々と華やかにテレビ生産亀山工場の企業戦略を売り込んでいた。2007年1月に三重県立亀山高校で韓国への修学旅行へ出発する生徒たちに、安全な海外旅行について旧知の校長から講師を依頼された時のジョークのような懐かしい思い出がある。その折JR亀山駅に降り立ちタクシーに乗った時、ドライバーがシャープ亀山工場へ行きかけた。当時はシャープも好景気で見学者が数多く訪れたために私もそのひとりと思われ、行き先を「亀山高校」と伝えたつもりだったが、ドライバーは「亀山工場」と聞いたように思ったと恐縮していた。

 そのシャープが新規工場を開業して増産に努めた挙句に販売不振に陥り、まもなく工場閉鎖から本社用地売却、そして台湾企業から買収の話が出てすっかり落ちぶれてしまった。シャープの決算は2012年以降毎年赤字を計上し、累積損失を計上するまでになった。先日主力2銀行が資本支援を行うことを発表したが、それでも再生策は不十分で、ついに思いきった外科手術を行うことになった。

 シャープが減資を行うことに決定したのである。現在1218億円の資本金を1億円にまで減らすのである。大きく膨らむ累積損失を一掃し、財務体質の改善を図るとは言え、経営破たんしていない大企業が99%以上の減資を行うのは極めて異例で当分話題になりそうだ。株価はストップ安となった。この措置によって近日上場廃止に追い込まれ、会社は「中小企業」と見做されることになって、税法上の優遇措置を受けられるようになるという。

 日本経済の浮き沈みに連れて、個別企業の栄枯盛衰も甚だしくなったものである。今でも思い出す平家物語の冒頭の言葉が現世にも生きているのだろうか。

 「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響あり。沙羅雙樹の花の色、盛者必衰のことはりをあらはす~」

2015年5月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com