7052.2026年9月3日(水) 土石流を生んだ地球温暖化の責任

 昨日国連環境計画(UNEP)は、地球温暖化により今後数年以内に、産業革命前からの気温上昇が1.5℃を越える見込みだとする報告書を発表した。温暖化対策の国際ルール「パリ協定」では、産業革命前からの気温上昇を極力1.5℃に抑えるとしており、これは事実上世界の目標である。報告書によれば、産業革命前からの気温上昇は約1.4℃に達している。実は、2024年度に初めて単年で1.5℃を超えた。但し、気温上昇は複数年の平均で長期傾向を分析しており、単年で超えても目標が破られたことにはならないという。それでも世界気象機関(WMO)は、26~30年5年間の平均気温が1.5℃を超える確率を高く75%としている。そのためには、大気中の二酸化炭素(CO2)を取り除く必要がある。温室効果ガス排出をなくして、これから再生可能エネルギーへの転換、電化の加速が不可欠とみている。

 報告書は1.5℃を超えると後戻りできない、気候の転換点に達する可能性も高まると警告している。それは、南極やグリーンランドの氷床の崩壊、熱帯雨林の破壊などが連鎖的に起きることでもある。そして小さな島国は水没の脅威にさらされる可能性が高まる。

 実は、今世界中から注視されているネパールの大規模な土石流と洪水が、地元のネパールにとって壊滅的な打撃を与えたが、これに関してネパール政府のカナル外相は、ネパールは大きな代償を払っているとしたうえで、中国、アメリカ、インドを温室効果ガスの主要排出国と名指しして、補償を求めたと公表した。更に外相は、「土石流は氷河崩落が原因と指摘されており、地球規模の気候変動の結果だ」と語った。更に「ネパールの温室ガス排出量は無視できるほど小さい。自分たちが引き起こしたわけではない地球規模の危機に対して大きな代償を払っている」と述べて、前記中国、アメリカ、インドには補償する歴史的責任があると言及した。

 現在二酸化炭素ガス排出量の多い国としては、ネパールが指摘した通り、1位は中国(全排出量のうち約32.4%)で実に全排出量の約1/3を占めている。2位はアメリカ(約12.8%)、3位インド(約8%)である。だが、日本にとっても他人事ではない。それは、4位ロシア(約4.9%)に次ぎ、日本は5位(約2.7%)で、以下6位はドイツ、7位韓国、8位イラン、9位サウジアラビア、10位カナダが排気量ワースト10である。

 今は、行方不明者の捜索に追われてその土石流発生の責任追及は、どこの国も手を付けられないと思うが、一段落したら改めてこのような自然の大惨事を防止するための対策が検討されることと思う。日本も無責任な対応をすることは出来ない。トランプ大統領は、かつて排出量の多さからアメリカはその責任が大きいと責められた際に、自国の経済委縮・減退を懸念して、排出ガスは地球温暖化とは関係ないと怒り、パリ協定から一方的に離脱した過去があるので、果たしていかなる対応をするだろうか。また、断トツに排出ガスの多い中国は、如何なるいいわけをして責任逃れを試みるだろうか。世界には、利己主義と責任逃れが目立ってきたが、地球温暖化に対して大国はその責任についてどう応えようとするだろうか。

2026年9月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com