657.2009年3月1日(日) 活躍する日本ノルディック・スキーチーム

 早春の候となった。庭の梅と椿が見事に開花して目を楽しませてくれる。

 一昨日ノルディックスキー世界選手権複合団体で男子チームは14年ぶりに金メダルを獲得したが、今日はジャンプ団体で銅メダルを獲得した。女子ノルディックチームも先日世界選手権距離競技で、過去最高の4位入賞を飾っている。あまり期待されていなかっただけに、思いがけない活躍につい嬉しくなる。

 5日からは野球のWBCが始まる。3年前の第1回大会に比べて大分熱が入っているように感じる。これが野球の世界選手権大会といえるかどうかは何とも言えないが、各国とも力を入れてきて大会自体が盛り上がってきたことは間違いない。日本チームもオープン戦の成績を見る限りまずまずの仕上がりのようなので期待したい。

 夜のNHKスペシャル「プーチンのリスト」を見て、改めてロシア・ビジネスにおける生き残るための権謀術数の駆け引きに背筋が冷える思いだった。中々よく取材された番組で、こういう政権の中枢まで入り込んで報道するドキュメンタリーは民間テレビでは中々お目にかかれない。やはりこういうじっくり取り組んだ取材番組では、NHKに一日の長がある。国家資本主義と呼ばれるように、ロシアでは民間企業でも政府の要望を聞き入れなければまず干され、挙句の果てには立ち行かなくなる。実質的には相も変わらず国家管理がはびこっている。政府の方針に背いた経営を行えば、いずれは取り潰される。完全に国家管理経済体制である。共産社会時代と何にも変わっていない。これがロシア流自由主義だというのだから恐ろしくなる。番組は政権の中枢、企業秘密に近いところまでよくぞ食い込んだと感心する。明日後編が放映されるので、楽しみにしたい。

 小沢民主党党首の発言は、今日は日経紙の社説が厳しい論調で取り上げていた。そしてこう切り捨てていた。「小沢氏は思い込みを捨て、日米関係、特に日米同盟の機能を虚心に勉強し直す必要がある」と。

2009年3月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

656.2009年2月28日(土) 不安を煽る小沢発言

 今朝いつものように血圧を計ってみたら普段よりかなり高い。最近血圧が上がり気味で森内科医とも相談しているところだが、最初計測した時に上が188になったので大慌て。いつも3回計って中の数値を採ってグラフに記入しているのだが、あまりに高くて遂に5回も計ってしまった。結果的に188、177、190、179、192となった。どうも調子が悪い。気になったので、今日は数回計ってみようと考え、その後昼間に2回計ってみたところ159、155とどうもぱっとしない。夕方妻が湯河原から帰ってきたので、歩いて自由が丘まで軽い外食に出かけた。多少気晴らしになったのだろうか、帰ってきて計ったら131まで急降下していた。実は、このところ集中的に税務申告の準備に忙殺されていることが、血圧を上げることにつながっているらしい。今日も帳簿のつけ洩れのないよう何度も確認しながら、初めて分りにくい書類記入という厳しい体験を味わっている。今年をうまく乗り切れば、来年こそもっと要領よくできると思っている。とにかく早く書類を仕上げたい。血圧が上がらないようにセーブしながら、ボチボチ精力的にやって何とか申告期限までに間に合わせようと思う。

 一昨日の本ブログに民主党小沢一郎党首の在日米軍の再編をめぐる発言について書き込んだが、今日になってマス・メディアの報道もどっと表に出てきた。今朝の朝日新聞には社説のほかに、第4面の1/4のスペースを割いて批判的な記事が掲載されている。

 「第7艦隊でアメリカの極東におけるプレゼンスは充分だ」という小沢発言の真意を巡って、朝日社説は小沢党首に具体的な説明を求めている。小沢氏の発言からは、米軍は日本の防衛にそれほど必要としないとも受け取れる。ならば、自衛隊の現状で日本周辺の防衛は問題ないのか。そうなら、軍事予算は益々膨れ上がって自衛隊というより、これは軍隊と呼ぶべきものとなるのではないだろうか。そうだとしたら、完全に憲法に違反する。発言内容が疑問だらけである。真意を質した記者に対して、「日本の防衛は出来る限り日本が果たしていけば、米軍の負担は少なくなる」と応えた。朝日は生煮えの説明と言っている。実際、この時期にあまり得策ではない発言をしたが、小沢党首は何を狙ってこういう発言をするのか。

 深く考え過ぎると問題が一層複雑になるが、まず現在の日米安保体制下で日本の希望がアメリカに対して通るのか。遡ると日米安保体制は60年安保条約改定により確定したが、これに問題はなかったか。60年安保闘争に関わった立場からすれば、大いに問題ありと言いたいが、小沢党首はこの原点を斟酌したのか。

 いずれにしろ、当分この小沢党首の不透明発言が政界を煙に巻くだろう。

2009年2月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

655.2009年2月27日(金) 初めての降雪に2.26事件とノルディック優勝を想う。

 朝から寒いと感じていたら2℃以下だという。その内に雪が降り出してきた。この冬初めての雪で、今を盛りと開花中の庭の梅とのコントラストも中々風情がある。妻は学生時代の友人とこの雪の中を湯河原へ出かけた。

 考えて見れば、73年前の昨日は「2.26事件」が勃発した日である。あの朝もかなり激しい雪が降って、その時の皇居周辺の神秘的な光景が、この事件を一層ドラマチックなものに仕上げたのではないかと思っている。その2.26事件も、昨日は忘れられたように、どこのマス・メディアも取り上げなかった。過去の歴史はどんどん置いていかれる。これで良いのだろうか。

 しばらくしてフジテレビの田中雄気さんという方から電話があった。「構想日本」政策委員で、前・新銀行東京の代表補佐だった丹治幹雄氏と連絡がとれないかとのお尋ねだった。直接コンタクトはとれないので分らないとお答えしたが、考えてみればメールのやりとりをしていた時期があったので、メールアドレスは手元にあった。

 田中氏は丹治氏が先日新銀行から提訴された一件で、丹治氏にコンタクトしたいとのことだったので、「構想日本」の加藤秀樹代表に連絡されたらよいのではないかとアドバイスした。田中氏は丹治氏と私の「年金」に関するやりとりをホームページで読んで、私の考えに同調していた。他にも元民放テレビ社会部長と大手生保の次長からも、丹治氏の意見には賛同しかねる。私の意見に同感と言っていただいている。

 さて、最近ぱっとしない事件続きだが、今日スキー・ノルディック世界選手権複合競技で日本が団体優勝を飾った。スキー複合競技は、かつて90年代初めに荻原兄弟らの活躍で、日本が毎年のように優勝していたものだ。冬季オリンピックでもアルベールビル、リレハンメルの2大会連続で団体金メダルを獲得した十八番だった。それがいつの間にかメダルどころか入賞すら覚束ない成績となった。

 それには理由がある。ヨーロッパスキー界の日本いじめ、ジャパンバッシングである。ジャンプが得意の日本勢の進出と活躍に、ノルディックスキー本場の北欧勢がメンツをつぶされたと感じたのか、日本にとって不利なルールに改定したのである。それ以来、日本はジャンプでも複合競技でもまったく振るわなくなった。ジャンプと距離の総合点で争う複合競技だが、前半のジャンプが得意だった日本にとって、ジャンプが重視されなくなった。ジャンプで貯金していた日本選手が後半の距離競走で貯金を失ってヨーロッパ勢の後塵を拝するようになった。以後まったく勝てなくなった。

 今日の栄冠まで、血のにじむような努力が積み重ねられてきた日本のスキー界にとっては、久々の快挙である。ざまぁ見ろ、ヨーロッパ野郎、とでも言いたいところだろう。

 それにしてもヨーロッパのスキー界も底意地が悪い。自分たちが不利と見るや、すぐにルール変更して自分たちに有利な条件で競技しようとする。こういうのは、本来スポーツをやる資格がないと思う。柔道もヨーロッパ流になって、日本古来の武道の色彩が薄くなり、一本をとる柔道から、判定で際どく雌雄を決する競技スポーツに変わって来た。そういう傾向に対して異義を唱えようにも、国際柔道連盟の役員に誰1人日本人が名を連ねていないのだから、手の打ちようがない。こういうように表面的にきれいごとを言っているが、ヨーロッパというところは案外したたかで、自分に不利なことはやらないのだ。

2009年2月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

654.2009年2月26日(木) 小沢民主党党首の思惑は?

 案の定麻生首相とオバマ大統領との首脳会談は外国ではあまり高い評価を受けていないようだ。普通ならその直後に会食をするのが正式なプレトコールだが、それをカットした点や、余命幾許もない首相にアメリカが期待出来ない点を各国のマス・メディアは皮肉っているのだ。最初に日本に出し抜かれたという彼らのやっかみもあるだろう。一方、麻生首相は日米トップ会談を自画自賛して成果を強調している。今朝の衆議院予算委員会でも冒頭に先日のサハリン訪問と併せて、帰朝報告をした。

 まだ新聞では大きく報道されていないが、昨日民主党小沢党首が、アメリカ軍の日本駐留は海軍(第7艦隊)だけで充分だとしゃべった。案外小沢党首の本音かも知れないが、この発言が一部で物議を醸している。自民党からは現在の日米安保体制下では現実的ではないとの声が出ている。小沢党首は米軍や自衛隊についてかなり詳しく勉強している。独自の防衛論も持論として温めている。だが、発表の仕方がいかにも唐突で、民主党内でも当惑気味で対応がバラついている。小沢党首の意図はどこにあるのか。割合小沢氏はアメリカに対して強い姿勢をとる。政権政党である自民党にとっては厄介な発言であろう。

 現在日本に駐留する米軍は、空、陸、海兵隊、海軍(第7艦隊)を併せて約3万人である。それが第7艦隊だけなら3千人程度でいいことになる。小沢党首は自衛隊があれば、横須賀を中心に展開している第7艦隊だけで東アジア海域の防衛は間に合うと考えているようだ。

 この考えが的を射ているかどうかは何とも言えないが、責任ある立場にいる政治家がいとも簡単に持論を開陳すること自体問題ではないか。同じ党内でてんやわんやの状態では、周囲に統制がとれていない印象を与える。後先考えずに、思いつきのように持論を口外するのは、別の意味で心配である。

 酔っ払って支離滅裂も困るが、根回しもなく周囲への影響を考えることもなく、思いついたことをぺらぺらしゃべるのも軽薄のような気がする。これでは、例え政権交代が実現して民主党が天下を取っても、党首の失言が懸念される。

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653.2009年2月25日(水) 麻生首相、オバマ大統領とトップ会談

 昨日は麻生首相がワシントンでオバマ大統領と初めて首脳会談を行った。先日来日したクリントン国務長官が手土産に持ってきてくれた晴れがましい話である。オバマ大統領が会談の相手として最初に選んだ外国人首脳である。そして今日オバマ大統領は、議会で大統領として初めての施政方針演説を行った。こういうアメリカ合衆国大統領として、忙しく世界中から注目を集める時期に、日米首脳会談を行った意味は大きいと思う。

 国民の支持率20%を割った麻生首相サイドとしては、ラッキーな話を政権浮揚のきっかけにしたいところだろう。しかし、アメリカサイドには何か含むところがあるのではないかと疑わしく思うのが、下衆の勘ぐりではなく普通人の考えだろう。会談を終えてから両首脳が隅の方で後ろ向きになって、通訳を交えてひそひそ話をしていたのがどうも怪しい。これからアメリカの動き、特に海外における自衛隊の支援活動と経済支援を注視していくことが重要だと思う。

 経済不況は歯止めが利かなくなった。マツダの滞米輸出対前年は73%減というのだから、すごい。輸出関連産業が軒並みダウンして、1月の貿易赤字も統計を取った30年前以来最大幅の落ち込みである。国立大学では収入の低い家庭の子女の場合、例えば東大のケースでは家計が年収4百万円以下なら学費を無料にするという。こうなると鉄砲の無駄撃ちにも見えてくる。その前に教育予算でやることが他に沢山ある。大学生の場合はアルバイトという道がある。しかし、全国にある小中高で耐震建築が成されていない学校はどうするのだ。こちらの方が優先順から言えば先ではないかと思う。

 昨日小中陽太郎さんから、アムネスティで小中さんの知り合いの方のエッセイについてコメントをして欲しいとメールで原稿を送信してこられた。その方は中々の冒険家のようで、ヒマラヤ方面の旅行記を書かれたので、小中さんは旅行記なら私のコメントが良いと考えられたのではないかと思っている。ゆっくり読んでから僭越にならない程度にコメントを考えたいと思っている。

 昨日は急遽酒のペンクラブの西山編集長から「酒だより」の2月会合記を書くよう頼まれたが、今他にもいくつか頼まれている。少しずつ書く機会も、分量も増えてきた。依頼があれば出来るだけ書いてみたいとは考えている。

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652.2009年2月24日(火) 日本酒造り四方山話

 株価の下落が止まらない。今日で東証は3日連続の値下げである。その前提であるニューヨークのダウ平均も下がりっぱなしである。いつになったら上向きになるのだろうか。

 今月は「酒のペンクラブ」例会が新橋の「酒坊いそむら」で行われた。場所が分りにくく近くまで辿り着いていながら、犬のように界隈をぐるぐる回っていたというお粗末。

  皆さんが話されるのはやはり先日の佐賀の旅である。みんな良かったと好評である。酒蔵を初めて訪れた経験から感じたことは、地場の産業である日本酒は、あまり手広くしないで、ましてや全国展開などは考えない方がいいと申し上げた。日本酒製造の振興は、地域の活性化につながる。安定した経営を目指し地元と協力しながら地域、そしてその周辺だけで販路を確保しておけばよいのではないか、と僭越だが個人的な考えを申し上げた。全国展開を試みようとの気持にも尊いものがあるが、下手に広告費や物流に多額のコストをかけることにより出費がかさんで経営が立ち行かなくなる。まあそんなことをお話した。

  今日は多くの差し入れがあり、特に会員のひとりが佐賀から送らせた小松酒造の特別純米酒「万齢」、同じ佐賀組が持ち込んだ井手酒造の「虎の児」を始め、他にも5種類ほどの原酒、生酒の持ち込みがあった。あれこれ飲み回っているうちに些か酩酊気味となり、寒いそぼ降る雨の中を遅からず、早からず帰宅と相成った。

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651.2009年2月23日(月) 昨今の就職事情

 不況のせいで学生の就職活動も例年になく厳しいようだ。今朝の日経就職特集を見ていると社会の動きや時代性を感じ取ることができる。半世紀近く前のわれわれの就職戦線はあまり深刻に悩むこともなく、4年生の夏になってから決めることが出来た。景気は悪くもなく周囲もあまりガツガツした感じはなかった。まあ好い時代だったと言えるかも知れない。

 今年の就職戦線を見て気づくのは、人気企業ベスト10内に運輸観光業企業が4社もランクアップされていることである。こんなことはかつてなかった。このほかに銀行が4行で、後は我々の時代と同じ東京海上がトップを占めている。昨年は3位だったトヨタが最近のイメージダウンで46位にまで落ちている。

 士・農・工・商・犬・猫・エージェントと自虐的に考えていた観光業が上位に上がってきたのには昔日の感があるが、それにはそれなりの理由があるようだ。近年学生の間には全般的にサービス業志向が強く就職希望者が多い。具体的には、仕事が面白そうというのが企業選びの重要視点になっている。観光業に永年携わってきた立場から率直に言うなら、「実情がまるで分っていない」。表面だけしか見ていない。楽しそうだとの気楽な視点からしか見ていない。どの仕事でもそうだが、内情はそうは簡単には分らないものだ。中でも旅行業なんか、内部の仕事がどれだけ苦労が多いかという点では、ほとんど学生には理解されていないのではないか。

 例えば、「苦情処理」「相手のプライドを傷つけないで説得する」「長い時間お年寄りの話し相手になってあげる」等々にどれだけ対応する気持があるか。そのうえ忍耐、体力、清潔感、誠実さ、明るい性格等が求められる。特に、旅行は商品としての形が見えないだけに苦情に対して論理で対応することが難しい面がある。

 果たして観光業志望の学生が苦情処理や、裏方的な仕事についてどんな考えを持っているのだろうか。それでもなお好きな仕事だからと初志貫徹することが出来るか、試練が待っている筈である。

 それにしても自分自身の就職活動からもう半世紀近くなる。

 今夜10時からNHKスペシャルで「菜の花畑の笑顔と青春」と題して、昨年アフガニスタンでタリバンに殺害されたNGOスタッフ、伊藤和也さんのドキュメントが放映され、深い感銘を受けた。最近刊の拙著「停年オヤジの海外武者修行」186頁に「2008年8月NGO活動中の若き日本人農業技術者が誘拐され殺害された」とのくだりで触れているが、それがまさにこの伊藤さんである。ここまでアフガニスタンに溶け込み、献身的な農業指導により地元民の強い信頼を勝ち得た姿を見せられ、こういう地道で有意義な活動をしている日本人には頭が下がる思いである。嫌なことの多い昨今、世間ではあまり騒がれないながらもひたすら利他的な活動に従事する人たちのドキュメントに爽やかさを感じる。

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650.2009年2月22日(日) 日本に二大政党制は根付くか。

 今朝の日経紙「風見鶏」欄に「『両雄』は並び立つか」というテーマが取り上げられている。

 格差社会及び対立社会でないと対立軸が見出せないので、日本では2大政党制は成り立ちにくいと、アメリカ社会の例を挙げて興味深く検証している。アメリカ社会には、北部と南部、金持ちと低所得層、白人と非白人の対立というより異なったジャンルの人々が存在し、そこに2大政党が存立する基盤があるとエズラ・ボーゲル・ハーバード大学教授は指摘する。そうだとするなら、都市と地方、失業による格差の広がり等が拡大している現在の日本社会には均質性を失わせ、2大政党成立の条件を満たしていると言えるのだろうか。

 エズラ・ボーゲル教授は日本には本質的に人種や所得水準が均質化しているために対立軸を提示できる余地が少なく、そのことが2大政党制が日本で根付かない原因だと分析している。しかし、私は元来日本人の精神的な根底に論争を好まない温和な性格があるので、必ずしも外的な均質性のゆえに2大政党制が生育しないとの説が的を射ているとは思わない。アメリカ人の間では対立軸があまり露骨に見られない日本社会の特徴から言えば、一般に日本には2大政党は育ちにくいと見られがちなのであろう。

 このテーマの背景には、民主党の岡田克也副代表が昨年12月アメリカの有力シンクタンクの関係者と会食した時に、アメリカの対日政策について苦言を呈したことがきっかけとなっている。アメリカでは日本の政治体制の下では、同根の政党が入れ替わって政権を握ろうとも日本の外交政策は不変であると考えている人が多い。次の総選挙で仮に民主党が政権をとっても、アメリカは日本政府が従来の自民党政権の考え方をそのまま踏襲すると考えている。それは、アメリカ人は小泉純一郎元首相が「アメリカについて行けば間違いはない」と発言したことを信じきっていることにある。これに岡田副代表は、小泉発言は宰相の言葉としては(哲学も、理念もなく)恥ずかしいと異を唱えた。そして岡田副代表は更に「アジアのことでは日本をもっと信頼して任せてほしい。例えば、アメリカは東アジア共同体にアメリカも加えるように求めてくるが、同盟国の日本を信頼してもらいたい」とはっきり意見を述べた。

 それにしてもアメリカに対してはっきりものを言った日本人政治家を久しぶりに見た思いである。

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649.2009年2月21日(土) 中川前財務相の馬鹿さ加減と神谷不二氏の死

 辞めた大臣に追い討ちをかけるのは少々酷だが、それにしても低俗極まりない中川昭一・前財務大臣のパフォーマンスは少々度が過ぎていた。その中川氏の行動に、別の無作法なパフォーマンスがあったことがまた暴露された。あの国辱的な記者会見の後、帰国便出発までのごく限られた時間に閉館時間を過ぎたバチカン博物館を見学した。普通に見学していれば何の問題もなかったが、酔っ払った勢いで触れてはいけない美術品に、柵まで乗り越え触って警報ベルまで鳴らしてしまった。

 どうしてこういう無作法な人物が、権威を揮えるポジションに座ったのだろうか。こういう人物は普段から行動が可笑しい筈であるし、普通なら問題ばかり起こして高い地位にはつけないと思う。中川氏の行動はどう見ても常識から大きく外れている。やはり、政治、それも世襲政治家の家柄という特殊な世界にだけ許される非常識な王道にあるのではないだろうか。

 バチカンの日本大使にしろ、中川氏に付き添った玉木外務省国際局長にしろ、しきりに中川氏を庇った発言で弁明し、自分たちはその時は目を離していたとか、離れた場所にいたとか、どうしてこれで大臣の案内役が務まるのか不思議でならない。周囲が中川氏の傍若無人の振る舞いを放って、酔っ払いのなすがままだったということになる。注目される場における、注目される人物の言動、所作に対して、周囲があまりにも無為無策、無神経だったのではないか。

 中川氏の破廉恥な行動を伝える記事の脇に神谷不二氏の死亡公告が載っていた。一瞬目を奪われた。

 久しく表舞台から姿を消していた。享年83歳というのだが、われわれの学生時代には日米問題の専門家、国際政治学の権威として華やかに活動していた。決して共鳴するものではなかったが、大阪市立大学教授として「中央公論」や「文藝春秋」にもしばしば鋭く提言したり、斬新な論考を発表していた。右派の論客といっても良かった。

 大阪市立大から慶応大法学部教授へ転じて、しばらくは健筆を揮っていたが次第に表舞台で活躍する機会が減っていった。英哲な人ではあったが、やや才走り過ぎた感があり、保守的な思考が必ずしも右寄りの実務的な人々から受け入れられなかったことが、活動の場を減らしていった大きな原因だったのではないかと考えている。ある意味では一世を風靡した人であるが、一時は華やかな舞台に立った論客だっただけに一抹の寂しさを禁じえない。

2009年2月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

648.2009年2月20日(金) 少数民族の言語は消え去るのみ

 景気が悪いと心配していたが、昨日のNYのダウ平均株価は6年4ヶ月ぶり、今日の日経平均株価も一時7,400円を割り、バブル後最安値となった。東証全33業種中31業種が下落した。月曜日に内閣府が発表した今年度第3/4半期のGDPは、マイナス12.7%の落ち込みで、実に35年ぶりだという。政府も追加経済対策を検討している。 

 しかし、ふらつきよろめき視界不良の今の政府が、来年度の第1次予算案すら通せず、政治空白の現状で、果たして追加経済対策まで頭が回転するだろうか。マス・メディアが報道しているように、今の麻生政権はまったく何も出来ない政府である。死に体と言ってもいい。だが、可及的速やかな手を打てないのは、やはり政治家の質、能力のレベルが一般人と比べて格段に低いことが原因だと見ている。突き詰めれば、現在の政治家の輩出システムに問題があると思う。結論ははっきりしている。一日も早く政治家の世襲制度に何らかのメスを入れる必要がある。問題が起きているのは、みんな世襲政治家の周辺である。ここから目を逸らせてはならない。

 さて、世界に言語は約6,000あるという。そのうち程度の差こそあれ、消滅の危機に瀕している言語が約2,500あると言う。旧約聖書によって紹介されたノアの洪水により増えた言語が、今度は逆に衰退の道を辿るとは何とも皮肉で寂しい感じがする。日本でもアイヌ語が最も危険な状態にある言語だそうである。今や話す人が少なくなり、アイヌ文化も絶滅の瀬戸際にある。

 国立民族学博物館の崎山理・名誉教授によれば、話し手が固有の文化を持っていれば独立した言語であると捉えている。アイヌ語が危機に瀕しているのは、一義的には話し手が最早15人に減ってしまったことによる。千島列島やサハリンで伝承されていたアイヌ文化が、その場を失ったことにより言語も失ってしまったからである。そういえば、かつてサハリンの博物館を訪れた時に陳列品の中にアイヌ民族関係の展示物が多かったことが強く印象に残っていたが、ソ連に島を召し上げられてからアイヌ民族もアイヌ文化も風前の灯となってしまった。

2009年2月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com