907.2009年11月6日(金) アメリカ陸軍基地内で軍医が銃乱射で13人殺害

 トヨタ自動車が最高峰の自動車レース・F1から撤退することになった。すでに日本の自動車メーカーはすべてF1から撤退することを表明している。三菱自動車は、パリダカ・ラリーからの撤退も決断した。やはりこの不景気の時代に、開発費用として毎年数百億円も注ぎ込まなければならないのは相当な負担になる。これまで過大な費用負担が経営の足かせとなっていた。私のようなカーレースに格別関心のない者の目から見ると、カーレース自体の意味や価値がよく分からない。確かに宣伝にはなるだろうし、エンジン開発等に役立ってはいたのだろうが、以前から投資効果を考えるとむしろ足を引っ張っているのではないかとの懸念があった。

 先日まで開催されていた東京モーターショーも、開催前から入場者の減少が心配されていたが、案の定、目標の100万人を大きく下回り、61万余人だった。前回(2007年開催)より開催期間が4日短縮(前回17日、今回13日)されたとは言え、対前年-57%だというから、今後も車の販売に相当暗い影を落とすだろう。日産は今年度決算を大幅に上方修正して黒字1,200億円と予想している。ホンダ、スズキもまずまずの決算に落ち着きそうだ。しかし、国内販売市場で販売台数トップ、またプリウスが5ヶ月連続でトップにも拘らず、トヨタは最終決算が2,000億円の赤字予想だ。三菱ほかの自動車メーカーの前途もまだまだ厳しいようだ。

 今週に入って株価は下がりっぱなしで、まだどこを向いても景気の良い話は聞こえてこない。朝日のコラム「経済気象台」はこう指摘している。「海外投資家の間では日本の株式市場の低迷の原因は、市場原理主義の行き過ぎを批判した民主党政権にある」と。

 ところで、今日アメリカ・テキサス州オースティンにある、フォートフッド陸軍基地内で軍人の乱射事件があり、13名の兵士が亡くなり、30名が負傷した。アメリカ国内では銃による殺傷事件が後を絶たないが、それはすべて民間人による殺傷事件で、今度のような陸軍基地内で軍人が銃を乱射して同僚を射殺するというのは、滅多にないショッキングな事件である。しかも犯人は、同じ基地内の精神科医師だというので、基地内外でも大きな波紋を呼んでいる。兵士の精神的病を治療する軍医は、ヨルダン系アメリカ人でイスラム教徒という出自もあり、基地内でいじめを受けていたらしい。イラク派遣が決まり悩んだ末に自らを治療出来ず、凶行に及んだ。

 フォートフッド基地はアメリカ陸軍最大の基地で、5万人の兵士が駐屯し、基地内には1万7千人以上の家族も生活している。イラクとアフガンへの派兵拠点で、それだけに戦闘行為がもとで精神的な疾患に苦しむ兵士の増加が深刻な問題を提起している。近年心的外傷後ストレス障害(PTSD)など精神的な疾患の増加が目立つらしく、基地内で今年だけで何と75人の自殺者を出しているという。

 表面的な戦死者数だけではなく、その陰には遥かに多くの精神障害を煩っている兵士がいる。いつまで続く戦争か皆目予想もつかないが、戦争は戦闘行為に関わる兵士、その家族や周囲の人びと、そして戦地で被害を蒙る住民の犠牲を考えれば、何としても止めるべきである。ベトナム反戦にも関わったが、最近かつての反戦運動のような国民運動が起こってこない。どんな戦争であっても人類同士の戦いは絶対やめさせないといけない。今日の銃乱射事件はオバマ大統領も特別のステートメントを発表した。相当ショックを受けたようである。その点で日本もインド洋上の海上自衛艦派遣を取り止めることを公表したが、どんな非難があれ、それで良いと思う。

2009年11月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

906.2009年11月5日(木) 松井秀樹の大活躍でワールドシリーズを制す。

 今や日本シリーズの真っ最中で、読売ジャイアンツと北海道日本ハム・ファイターズがプロ野球の頂点を目指して争っている。ジャイアンツが3勝2敗にして王手をかけた。接戦である。勝負は札幌で決まる。

 一方海の向こうのメジャー・リーグでは、アメリカン・リーグのチャンピォン、ニューヨーク・ヤンキースとナショナル・リーグの覇者、フィラデルフィア・フィリーズがチャンピォンシップを賭けて争っていたが、今日決着がついた。ヤンキースが勝って4勝2敗でワールドシリーズを制した。9年ぶり27回目の優勝である。

 意外というか驚いたのは、松井秀樹選手が先制本塁打を含め打ちまくって、全7得点の内ひとりで6打点を記録したことである。シーズン後半になってマリナーズのイチロー選手が9年連続年間200安打を放ち、話題をイチロー選手に奪われがちだったが、松井選手がメジャー・リーグ最後の大一番で暴れまくり、ワールドシリーズMVPの栄誉まで獲得する活躍ぶりだった。

 当初松井選手がここまで活躍するとは予想もしていなかった。今シーズンは怪我の影響もあり、ほとんどDH出場でイチロー選手に比べれば、どことなく地味な存在だった。

 それにしても最後に来て、ニューヨーカーもびっくりの大活躍をするとは、やはり並の選手ではない。今年でヤンキースと契約が切れるようだが、再契約をして来シーズンも一層活躍されることを願っている。

 ところで、試合後のMVP受賞の折り、地元アナウンサーの取材に通訳が立ち会った。7年も経ったのだから松井は完全に理解出来なくても、そろそろ通訳抜きで対応した方が良かったのではないかとちょっと気になった。聞いていると案の定ヤンキースとの再契約に関して、松井が「NYが好きで、ヤンキースが好きで、チームメートが好きで、ファンも大好きです」と答えたが、通訳は‘I love NY, I love Yankees, & I love the fans.’といった訳し方をした。通訳さんは肝心の‘I love the teammates.’ を落としてしまった。チームメートに感謝する松井の気持ちが伝わらなくなってしまった。それに大好きなファンのためにも直接気持ちを伝えた方が、ファンも喜んでくれると思う。やっぱり松井さん、通訳を使うのは止めた方が良いと思う。

 さて、昨日取り上げた鳩山首相の献金疑惑について、今朝の朝日社説が納得のいく説明をするよう首相に求めている。そこへもうひとつ金にからむスキャンダルが、その朝日朝刊トップ記事に取り上げられている。言わずと知れた小沢一郎民主党幹事長の、政治団体のパーティ券収入虚偽記載による政治資金規制法違反である。小沢幹事長は3月に違法献金問題が明らかになり、代表職を辞したばかりである。

 いくらきれいごとを言ってみたところで、党のトップ2人が揃って法律を犯しているようでは、民主党は政党とは言えない。民主党という政党には自浄能力があるのか疑問である。鳩山首相、小沢幹事長は自らの疑惑に関して、いずれも明確に説明責任を果たすべきである。自分の頭の蝿も終えない人間が、国民の生活の面倒なんか見られる筈がないではないか。まったく呆れかえるばかりだ。ともに説明責任を果たして、国民を納得させて欲しい。さもなければ、潔く現在の要職を去るしかあるまい。

2009年11月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

905.2009年11月4日(水) 鳩山首相になぜ金銭疑惑が付きまとうのか?

 国会論戦もたけなわで、政権構想を発表した鳩山民主党内閣が、初めて野党・自民党から質問を受ける新しい構図となった。

 鳩山首相の所信表明演説では、精一杯やろうとしていることを率直に語っている印象を受ける。自民党政権のように言辞ばかり弄してお茶を濁すような誠実味が欠ける話しぶりではない。しかし、どうも閣僚の言葉がぶれていることと、財源が足りない中でどう政策立案をしていくのかとの具体的なプランが示されない。消費税は当分上げないということをマニフェストで約束している。そこで最近急に持ち上がってきたのが、タバコ税の値上げである。値上げの理由を健康と環境問題に絡めて、しかも諸外国に比較して日本のタバコは安いという価格比較論から、反対は精々タバコ葉生産農家とJTタバコ産業ぐらいだと覚悟を決め押し切るつもりのようで、このままタバコ値上げが実施されそうな流れだ。

 それにしても普段鳩山首相は個人的には清潔な感じを受けるが、どうしてこうも不透明な金の問題が後から後から噴出するのだろうか。資金管理に無頓着というか、脇が甘いのか、これだけ連続的に金の問題が浮上するようだと普通なら失脚だ。 

 以前に2005~08年分の収支報告者で、故人や未献金者の名前を勝手に使った偽装献金問題、また同じころ2億4千万円と記載されたパーティ券収入についても水増し虚偽記載が判明した。

 今回首相の資金管理団体が、またもや会計帳簿上偽装工作をしたことが分かり、東京地検特捜部が説明を求めるとしている。

 何ゆえ金満家の鳩山首相が、偽装工作を繰り返すのだろうか。記帳間違いだなどと責任逃れを繰り返しているようでは、監督不行き届きで総理大臣の椅子などに座ってはおれまい。清潔と思われていた鳩山首相の信用はがた落ちである。トップたるものはもっと清潔であって欲しいものである。

 ここ数日間、アメリカのフロリダ州マイアミ市に住んでおられる鹿住一夫さんと仰る、日本人の方とメールのやり取りをしている。昨年もコペンハーゲンから現地でガイドをやっておられる日本人女性からメールをいただいたことがある。稀なケースである。鹿住さんは台北生まれで戦後日本に引き上げられ、日商岩井に勤めて主にカナダに勤務された後、バンクーバーで起業され、現在マイアミ市で会社を経営されておられる。ニューヨーク大学大学院からMBAを取得しておられる。

 今日渋谷のお留守宅から12月に出版予定のご著書「マイアミ発異文化紀行」を送っていただいた。文芸社発行のものである。先日突然メールでマイアミから文芸社についてお尋ねされご返事したことがきっかけである。海外に住んでおられる日本人の中には、日本では考えられないほど元気に活躍しておられる方がいる。鹿住さんは在米40年で現在79歳と仰る。驚くほど元気なご様子である。あやかりたいものだ。

 今晩放映されたNHK・BS番組「プレミアム紀行・夢の聖地」は、1時間半に亘って華道家・仮屋崎省吾氏が、5日間フランス・ノルマンジー地方のジヴェルニーのクロード・モネの庭園で庭師の作業を手伝いながら庭園を紹介する趣向だった。2001年にここを訪れた時、その自然のままのガーデニングでありながら、繊細に手入れされた庭園の素晴らしさに心を打たれたが、今日は庭園の出来るまでの歴史について風景を交えながら説明してくれて、睡蓮の咲く池の様子がよく分かった。仮屋崎氏の活動ぶりもよく、モネの庭造りと絵画に対する思い込みも分かった。全体として一般道を挟んで花の庭園と水の庭園に区分けされているが、水の庭園は後になってモネが土地を買い、周辺住民と揉めた末にセーヌ川支流から水を引き込んで睡蓮の池を作ったというモネの苦労話は知らなかった。教育的で良い番組だった。

2009年11月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

904.2009年11月3日(火) 文化の日は71回目の誕生日

 今日は文化の日である。例年この日は秋の叙勲が行われるが、文化勲章のように科学文化の発展のために貢献された方々が、天皇から親授式で勲章を授けられるのは喜ばしいことだと思う。ところが、政治的色彩の強い勲章の中でも、最高の栄誉とされる旭日大勲章を受勲された11人の内訳は、実業界から3人、政治家が6人、裁判官が2人である。ここでも官尊民卑、政治家厚遇を地で行っている。確かに受勲される方々は国家・国民のために活躍されたことは間違いないだろう。しかし、聞いたところでは受勲者を選考するのは、内閣府で、ここへ猟官運動を行うのは政治家にとってはお手の物だそうだから、受勲者はある程度予想されるらしくその受勲も頷けるそうだ。それにしても、最高位の名誉をいただけるのは、官職に就いた者が圧倒的に有利ということは、やはり日本という国は役人天国だとの考えに一脈相通じるものがあると思う。

 さて、文化の日は、私にとって71回目の誕生日でもある。年々月日の経つのが早く感じられるようになった。幸い若干血圧の高いことと、膝の炎症による投与薬の影響でCRP数値が基準数値から下がらないという2点を除けば、健康的にはさほど心配することはない。

 しかし、湘南高同級生の間でもこのところ鬼籍に入る友人が増えてきた。当然のことだが、やはり健康管理が一番大切であると思う。

 この年になって自分自身秘かに嬉しく思っているのは、好奇心と向上心が一向に衰えない点で、何でもかんでも採り入れようとする強い気持ちがまだ衰えないことだ。著述活動への意欲は相変わらずだし、その素となる旅への意欲も募りこそすれ衰えることはない。

 今年は知研の仲間と初めて取り組んだ共著「知の現場」(東洋経済新報社刊)が年末に出版される。いま最後の追い込みに入っているが、仲間の文章を読んでも魅力的であり、全体として素晴らしい書になるものと期待出来る。序に販売成績も期待出来そうだとつい獲らぬ狸の皮算用をしてしまう。来年上梓を予定している新刊にもボチボチ取りかかり出した。

 来週インドへ行くので、いくつかインド関係の書物を読んでいるが、以前から読みたいと思いながら読んでいなかった堀田善衛の「インドで考えたこと」が、中々インド社会の核心を突いていてその洞察力に納得させられる。欧米的発想から乖離した視点と論点には感心する。流石に直木賞作家だと思う。社会的なアングル、民族、文化、風習、経済、政治のそれぞれの見方が特異で面白い。こういう見方があるのかと感心しながら読んでいる。読者へ社会の本質的な見方とか、国家を分析する目、本の読み方を教えてくれる。久しぶりに目から鱗が落ちる書に巡りあった気持ちである。

2009年11月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

903.2009年11月2日(月) ラグビー人気はイマイチ、人気復活を願う。

 秋はスポーツのシーズンでもある。野球の早慶戦で母校・慶応は早稲田に2戦2勝して勝ち点を挙げたが、それでも優勝は明大に持っていかれた。勝率では上回っても勝ち点が及ばず、2位に甘んじることになった。その悔しさが乗り移ったわけでもあるまいが、全勝校同士の対戦となったラグビーの慶明戦では、慶応が明治を39-5のスコアで圧倒した。

 一時期はラグビーの、とりわけ早明戦の人気が学生スポーツの中ではダントツだったが、今や他のスポーツに押されてラグビーは、隅の方に追いやられてしまった感がある。実際今朝の朝日のスポーツ面は5頁分もあるが、慶明戦ラグビーは、ほんの1/2段ほどしか書かれていない。

 1番大きく取り上げられたのは、日本シリーズの巨人対日本ハム第2戦で、この試合だけで全2面を費やしている。次いで、伊勢で行われた全日本大学駅伝、男女ゴルフトーナメント、野球の早慶戦と東京六大学、ワールドシリーズにおける松井秀樹選手の2試合連続ホームラン、競馬天皇賞、サッカー天皇杯3回戦とサッカー情報、バンクーバー冬季オリンピック・ニュースと続いている。どうもラグビーは分が悪い。7人制ラグビーがオリンピック種目として正式採用が決定したので、これからはもう少し注目されるようになることを期待したい。

 さて、今頃になってと言いたいところだが、やっぱりやっていたかというのが正直なところである。

 今朝の朝日1面トップで扱われていたのが、「拉致機関 金総書記が指揮」である。記事によれば、北朝鮮による日本人拉致事件を計画・実行した朝鮮労働党対外情報調査部が、金正日から直接指揮を受ける形で活動していたことが分かった。国家のトップが他国から罪のない人間を拉致するという大罪を指示していたのである。

 2002年9月日朝首脳会談で、金正日が「特殊機関の一部が妄動主義、英雄主義に走って行ってきたと考えている」と小泉首相に謝罪した情景はテレビ画面でも映し出され、日本中に拉致被害者家族に対する同情の気持ちを湧かせた。その際、悪漢・金正日はすでに犯人には処罰を課したなどという大嘘をついていた。小泉首相と会見した時のあのふてぶてしい態度を思い出すと、金正日のあのいかにも白々しい言葉にさもありなむというのが率直な気持ちである。人間の屑である金正日に対しては今更何を言ってもムダであるが、世界中に害毒を撒き散らし、多くの人たちを悲しみのドン底へ突き落とす行為をいつまでも黙って見ていなければならないのかと思うと、拉致家族ならずとも許し難い気持ちに捉われる。あのイラクのフセイン前大統領ですらいとも容易く黄泉の国へ送られた。何とかして金正日に鉄槌を下す手立てはないものだろうか。

 夜になってカルザイ氏が日程を繰り上げてアフガニスタン大統領に再選されたとのニュースが入ってきた。

2009年11月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

902.2009年11月1日(日) 新しいヨーロッパ東西の壁

 相変わらずバタバタしている間に、早くも晩秋の11月に入った。今月9日には、早いものでベルリンの壁の崩壊から20年になる。あのニュースはあまりにも衝撃的だった。戦後長きに亘って世界を東西2つに分けていた壁がついに壊され、そのウェーブはあっという間に社会主義国家全域へ波及していった。ベルリンの壁の近くにある検問所「チャーリー・チェックポイント」には、沢山の思い出がある。西ベルリン滞在中に日帰り観光で入国したこともあり、カール・マルクス・シュタットへ向かった時もここを通過して東ドイツへ入って行った。その際のバス車体検査に大きな鏡をシャシーの下に潜らせるような原始的な密出入国チェックをしていた。このやり方を見ていて驚きもし、呆れもしたが、これもある意味では懐かしい。東ドイツのビザ取得の手配をした代議士一行の通過もここでもめて、東ドイツへ入国せず、その後衆議院事務局から事情を聞かれたことがあった。代議士が入国しなかったのは、時間がかかった入国手続きにしびれを切らして勝手に引き返してしまったという我侭なもので、周囲が翻弄されたこともあった。とにかく私にとってもいわくつきの検問所だった。それがあっという間にベルリンの壁の崩壊はチェコやポーランドへ波及して、挙句のはてにソ連学校の優等生と見られていたブルガリアやルーマニアに至るまで、彼らの社会主義体制は大きく揺れた。

 社会主義体制が崩れて、民主主義体制になった筈であるが、それが一向に国家の発展とまではいかない。ドイツは同じ民族なので東西統合はスムーズに進展すると見られていたが、中々一筋縄ではいかなかった。東西ドイツの間にあった拭いきれない溝が表面化した。しばらく東側には失業者が溢れる有様だった。2年後本家であるソ連の国家体制も崩壊した。いずれも多くの複雑な国内問題を抱えたまま体制だけは、社会主義から民主主義に変ったのである。

 それが今ヨーロッパに新たな壁が出来つつあるという。その後西ヨーロッパに欧州連合(EU)が結成された。そこへ旧東欧諸国の中から新たなEU加盟国が加わってきた。昔の東西の対立線(国境)が、やや東側へ移動したような対立構造になったのである。現実に元ソ連のロシアシンパであり続ける、ウクライナ、グルジア、アルメニアなどと、旧東欧でロシアのクビキから脱却したポーランド、ブルガリア、ルーマニアとの間に南北に新たな壁ができてしまった。

 しかも、両陣営にはその背後で、ロシアとアメリカの対立が昔とは異なった形で影響力を与えている。その接点となったウクライナやポーランド国民の間には、抜き差しがたい米ロ両国への不信感が生まれつつある。東西対立は形こそ変ったが、姿を変えてまた新しい国境線を構築している。NATOラインと呼んだら良いだろうか。

 日本としては、面倒な外交関係に深入りしたくないため、政治的にまったく接触している様子が見えないし、その詳しいニュースは国内ではほとんど報道されない。だが、その間に世界は刻一刻とチェンジしている。

 さて、9日に予定されていたアフガニスタン大統領選挙の決選投票にカルザイ候補の対立候補として挙げられていた、アブドラ元外相が今日になって立候補を取り止めると発表した。何のことはない。カルザイ側の露骨な選挙妨害が予想され、投票の公正さや透明性が期待出来ず、これでは勝負は決まっていると降りてしまったのだ。仮にカルザイ大統領が再選されても、これではカルザイ2期目の政権の正統性が問われかねないとアメリカ政府も苦りきっている。相変わらずの泥仕合でアフガンの民主化、並びに治安の安定はまた遠のいてしまった。

 これからアフガンはどうなるのだろうか。

2009年11月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

901.2009年10月31日(土) 尾崎秀実処刑65周年と「海ゆかば」

 午後駿河台の明治大学で日露歴史研究センター主催の「尾崎・ゾルゲ処刑65周年記念講演会」が開催されたので、ゼミの池田くんと誘い合わせて聴講した。昨夕図らずも尾崎秀実の実弟・秀樹について書いた峯島正行著「荒野も歩めば径になる」の出版記念会に出席したので、今日は頭の中が「尾崎」に占領されている。

 昨日は小中さんからも尾崎家の人間関係を聞かせてもらった。異母兄弟で21歳も年齢が離れているので、昔のこととは言いながらちょっと尋常ではないと思っていたが、秀樹はおめかけさんの子だと伺った。

 今日明大の講演では作家・西木正明氏が「近衛新体制とゾルゲ事件」、孫崎享・元外務省国際情報局長が「ゾルゲ事件時の国際環境と第二次大戦後の諜報活動」、下斗米伸夫・法政大学教授の「ゾルゲ事件・冷戦・共産党―モロトフ文書から」とそれぞれ専門家が話をされた。

 興味本位に題材を捜し求める作家として西木氏の話が魅力的だったし一番面白かった。孫崎氏はソフトな語り口だが、外務省で長らく諜報部門にも携わっていたせいで、日本人の中でも一番インテリジェンスに詳しいと自画自賛されておられた。ノンキャリアで苦労された休職中の佐藤優氏の話の方がよほど詳細で、相手の懐に入り込み活劇的で興味津々である。それに、孫崎氏はもう少しパワーポイントの使い方を研究して工夫しないと説明が分かりにくい。下斗米伸夫・法政大学教授は、最近ロンドンから帰ったばかりだと話されていたが、留学前にテレビにも度々出演して話している姿を観ているが、今日の話しぶりには少々失望した。もう少し整理して話されるのかと期待していた。話す内容を欲張りすぎているために早口の説明になり、一寸内容が理解しにくい。これは、池田くんに聞いても同じだったので、口幅ったい言い方だが、内容をカットして、もっと整理して、しかもパワーポイントの使い方をもう少し工夫した方がよいのではないかと感じた。

 5時前に池田くんに失礼して、JR西国分寺駅前「いずみホール」で開催の「第3回武蔵天平の郷・信時潔コンサート」に行った。昨年出席したのは、映画監督の篠田正浩氏と山崎洋さんがゾルゲ事件をテーマにトークショーをやったので、出かけたのだが、今年は昨年同様に信時潔の音楽に、山崎さんの平和へのメッセージの読み上げがあるということだった。彼も中々うまいメッセージと挨拶をしていた。1年ぶりに話をすることが出来て良かった。

 司会進行役を務めた田口精一さんと仰る89歳の劇団民芸の俳優さんが、山崎さんがブーケリッチ氏の遺児であることを初めて知ったと言い、かつて出演した「オットーと呼ばれる日本人」の主演俳優・宇野重吉と劇作家の木下順二が存命なら、驚き喜ばれたことだろうと話された。

 これからこの国分寺に信時潔が定着するのだろうが、名曲「海ゆかば」だけではなく、慶応義塾塾歌も良いメロディなので、演奏したら良いのではないかと思う。その他の演奏曲は知らない曲ばかりだったので、余計そのように感じた。

2009年10月31日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

900.2009年10月30日(金) 日航は立ち直ることが出来るか。

 このところ日本航空の再建問題が大きな話題となり、国交省が主導して再建策を考えている。それもいよいよ最終コーナーを回ったようで、昨日公表された再建案は再生組織を根本的に替えるドラスチックなものとなった。

 日航の経営状況を調査していた専門家チーム「JAL再生タスクフォース」は、発足してからまだ1ヶ月だが、前原大臣に報告書を提出して解散することになった。その中身も公表せず、タスクフォース代表の高木新二郎氏も不満を露にしている。結論は、今後日航支援は「㈱企業再生支援機構」に移ることになった。弁護士である高木氏の前職は「産業再生機構」産業再生委員長だった。どうも名前も似ていてわかり難い。そのわかり難いことを「企業再生支援機構」の下に実務の場でやろうとしている。

 最大の問題は、日航自体がすでに2,500億円の債務超過であることで、資金繰りも苦しく、11月中に1,800億円のつなぎ融資が必要で、更に来年3月までに3,000億円の資本増強が必要であることだ。今後は再建を「企業再生支援機構」の下に進めていくことになるが、そう簡単に作業は進まないと思う。

 ビジネスはこのまま実行しながら、債務の処理、事業の建て直しを実施しなければならない。銀行団の債権放棄、赤字路線からの撤退、9,000人の従業員解雇などが考えられているが、最大のネックは企業年金の積み立て不足である。

 この日航の年金問題は一日航だけの問題だけではなく、ひとつの例として広く世間の注目を集めている。国としても年金問題解決が注目の的である。

 しかし、日航のOBと社員の2/3以上の賛成が得られなければ、企業年金契約を変更することが出来ない。現役社員の間では諦めムードで、減額を認める空気があるようだが、現実に現在受給者となっているOBの間では、財産権の侵害として反対する空気が強い。比較的高額と言われている日航社員の給付利回りは現在4.5%だそうだが、これを1.5%にまで引き下げて、年金資産不足額を3,300億円から1,000億円程度にまで減らすことを検討している。一般の国民からすれば、会社が火の車になって、国が救済しようという時に被救済企業は贅沢を言うべきではなく、元も子もなくなっては、話にならないではないかと言いたい。

 在職中日本航空にも随分お世話になっただけに、何ともお気の毒ではある。

 さて、神田の学士会館で「荒野も歩めば径になる―ロマンの狩人・尾崎秀樹の世界」出版記念会が開催されると小中陽太郎さんからご連絡があり、出かけた。ところが、学士会館にはそんな予定はないという。小中さんの携帯へ聞いてみると何と如水会館だという。すぐ近くなので、大して気にすることもなかったが、一瞬どうすべきか当惑した。

 著者の峯島正行氏のお名前は初めて伺ったが実業の日本社で長らく編集に携わっておられた方である。「漫画サンデー」を発行したこともあり、藤子不二雄氏のような有名な漫画家を始めとして、多くの漫画家の姿が見られた。

 如水会館に入った途端「出版記念会ですか?」と尋ねられたが、風体が作家風だったのか。少しずつサラリーマンから遠ざかっていく感じである。

 冒頭に直木賞作家の伊藤桂一氏が挨拶された。尾崎秀樹の娘さんも挨拶された。会場はかなり混み合い折角オペラ「椿姫」のアリアを歌ってくれた時でも、雑談で少々うるさい。作家ならもう少し静かになるのだが、漫画家はどうもうるさいし、服装にしても帽子を被ったままだったり、ラフな格好をしている人が多い。ちょっと雰囲気が違うような感じがする。

 小中さんの挨拶では、尾崎秀樹は台湾で生まれたが、台湾ではスパイの弟と言われ続けて苦労したということを話されたことが印象深かった。帰りに小中さんから都立大学駅の「コーナーポケット」で、ご馳走になる。

2009年10月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

899.2009年10月29日(木) 腰が定まらない各大臣の発言

 ここ数日戦乱の地、アフガニスタンとパキスタンの治安が一層悪化して多数の死者が出ている。アフガンでは米軍兵士の戦死者数が過去最悪となり、パキスタン西北部でもテロリストの攻撃を受けて政府の建物が爆破され、ペシャワールでは昨日90人が死亡している。この政情不安の中で、クリントン国務長官がパキスタンを電撃訪問した。対アフガンにせよ、対パキスタンにしろ、アメリカとしては難しい舵取りを迫られている。

 そんなイライラ感が、とばっちりとなったのか、アメリカ政府首脳は日本に対して不信を募らせている。民主党がインド洋の海自艦の補給中止を公表したことについて不満を表明している。沖縄の米軍普天間基地移設問題でアメリカが呑めない代替案を模索していることについても、否定的なニュアンスの言葉を漏らしている。それより何より民主党がはっきり日本の立場と考えをアメリカに伝えないことが一番悪い。何を考えているのか。早く決めなければならないことをのらりくらりして結論を先延ばししているから、不安感を与え、妙な勘ぐりをされるのだ。子どもじみている。さらに関係閣僚の言うことが、人によってぶれて二転三転している。これではアメリカとしては誰に対して自分たちの考えを伝えたら良いのか分からない。そのせいであろうか、オバマ大統領が来日する前に日米間で意見調整をするべく、岡田外相が渡米する話が持ち上がっているが、アメリカは受け入れに消極的である。

 国会論戦でも大臣のばらばらの発言が鳩山首相への質問になっている。首相曰く「最後は私が決める」。まるで中高の生徒集会と変わらない。

2009年10月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

898.2009年10月28日(水) 2つの海難事故の原因と対応

 昨晩関門海峡で海上自衛隊所属の護衛艦「くらま」と韓国のコンテナ船が正面衝突して、両船とも火災を引き起こした。鎮火するまでにかなり時間がかかったが、幸い死者がいなかったのは不幸中の幸いと言える。観光船で何度もあの海峡を渡った経験から言えば、7,000トン級の大きな船舶があのような狭い海峡ですれ違うこと自体に事故発生の危険性が潜んでいる。門司港と下関港間を往復する観光用のボートでもほんの5分ほどしかかからない。狭い箇所では僅か5~600mの海峡幅しかない。それほどの至近距離で、しかも潮の流れは速く、時間によっては流れが逆流する。もちろん遊泳は禁止されている。

 護衛艦とコンテナ船のどちらに衝突の責任があるのか、今のところまだはっきりしないが、これまでに得た情報から個人的に判断すれば、どうやら海上保安庁海上交通センターに大きな誤った情報提供があったようだ。

 この海域は狭過ぎるために普通追い越しは出来ない。両船ともルールに従い右側通行で航行していた。コンテナ船の前方に速度の遅い貨物船があったので、コンテナ船の要望に従い海上保安庁がコンテナ船に追い越しの許可を与えた。その際貨物船の右側ではなく左側から追い越しさせて、護衛艦の前に飛び出させ、護衛艦と衝突するという事故を引き起こした。

 海上保安庁海上交通センターは何ゆえに判断と指示を間違えたのか。貨物船が左側から追い越させて欲しいと言ったにせよ、時と場所、そしてルールを考えれば、異常な指示であることは明らかである。外国航路の元船長は、この海峡が世界で最も危険な箇所で、追い越しは考えられないと述べていた。

 空で言えば航空管制官とも言うべき海上保安庁海上交通センターなるものが、こんな杜撰で危険な船舶航行コントロールをやっているようでは、船舶も安心して航行出来ないだろう。犠牲者が出なかったせいか海上保安庁からは、一片のお詫びも反省の言葉もない。指示ではなく情報提供しただけで、最終判断は船長が行うべきものだと開き直っている。これは正に相手に責任をなすりつけるものだ。海上保安庁の対応とその後の言動は、無責任になりつつある現代社会の風潮を反映しているものだと言える。

 同じ海難事故でも、24日以来行方が分からなくなり遭難したと見られていた、長崎県鎮西町の漁船「第一幸福丸」が転覆した状態で発見された。八丈島近海で台風20号に遭遇し転覆、漂浪し、4日ぶりに見つかった中で乗組員3名が救助された。船長は亡くなり、他に4名の乗組員の行方は依然として分からない。絶望視されていた全漁船乗組員の内3名の生存が確認されたのは奇跡的であり、必死に生き抜こうとした乗組員の強い生への執着心があったからこそであろう。彼らの生存は、好い加減な海上保安庁の職員に対して、生命の尊さを無言の内に教えてくれる。それにしても、残りの4名の行方を思うと気が重くなる。「幸福」の船名の通り、残りの乗組員の生存を願って止まない。

2009年10月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com