836.2009年8月27日(木) なぜロシアは偽善者として振舞えるのか。

 ケネディ家の末弟、エドワード・ケネディ上院議員が亡くなった。一時は大統領への道を駆け上がる最有力候補だったが、女性とのスキャンダルで自滅した。ケネディ氏はオバマ大統領の支持者だったがゆえに大統領も特別の弔辞を述べていたが、イメージばかり先行して、結局のところ自ら蒔いた種が災いして坂道を転げ落ち、ついに幻の大統領に終ってしまった。

 いかに名家に生まれ、学力が優秀であっても、この大物はセルフ・コントロールが効かなかったようである。40年も前に夜中に湖へ突っ込んだ自動車事故で同乗していた女性秘書を死に至らしめ、彼女をそのまま放置して運転していた本人はその場から逃げ出した。この不誠実で人格を疑わせる行為ひとつとってみても常識ある社会人の行動とはとても思えない。ましてや政治家として、はたまた1国の大統領としては完全に失格である。こういう人物がちやほやされること自体アメリカの気づかれない欠点であろう。死者に鞭打つ気はさらさらないが、ケネディ氏は噂ばかり先行して、政治家としての実績は医療改革以外になかった。

 昨日26日はノモンハン事件発生70周年記念にあたる。例によって、またロシアの舞台露出が激しくなってきた。モンゴルの首都ウランバートルで開催された記念式典には、わざわざメドベージェフ・ロシア大統領がやってきて当時のソ連の大義を強調した。

 今年は第2次世界大戦開始から数えても70周年になる。ロシアは対独戦の勝利を「ファシズムからの解放」といい、ノモンハン事件を「日本軍国主義への勝利」と宣伝している。モンゴルでは「ロシアは戦争だけでなく経済的にも助けてくれた」とロシアへの感謝の声がある一方で、大戦中バルト3国やポーランドなどソ連の圧制を経験した国々では、歴史解釈をめぐりロシアとの間に摩擦が起きている。一方ロシアは7月に欧州安保協力機構の議会が採択した人権と自由に関する決議に「20世紀の欧州はナチスとスターリン主義という2つの全体主義体制を経験した」などと記述されたことに猛反発した。それに対抗するように「ソ連とナチスドイツを同列に扱うのは許せない」との声明をロシア上院で採択し、メドベージェフ大統領はソ連の負の面を強調する歴史観を徹底的に批判した。

 しかし、いくら公平に見てもロシアの国家観はどうしたって怪しいものだ。どうもロシアは覇権主義を振りかざし、自国の歴史評価の修正はヤルタ協定や、サンフランシスコ講和条約などに疑義を呈することにあるらしい。それなら「北方4島は日本が無条件降伏した第2次大戦の結果としてソ連に移り、ロシアに法的に継承された」などと言える筋合いではあるまい。日本の敗戦直前になって、日ソ不可侵条約を一方的に破棄して参戦し、そのうえサンフランシスコ条約も承認していない。さらにドイツ人捕虜と日本人捕虜を過酷なシベリアに長期間抑留して強制労働を課し、多くの犠牲者を発生させた。このナチスをも上回る残虐行為の罪をどう贖うつもりか。まだロシアの反省も贖罪も済んでいない。何を偽善者ぶって我田引水的発言をしているのか。これだからロシアは信用できない。

2009年8月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

835.2009年8月26日(水) 黒い稲妻、トニー・ザイラー逝く。

 昨日オーストリアのアルペン・スキー花形選手だった、トニー・ザイラー氏が亡くなった。1956年のコルチーナ・ダンペッツォ(イタリア)冬季オリンピックで史上初めてアルペン3冠王となった。その後映画界で活躍して日本映画でも主演俳優として出演し、スキーファンのみならず、多くの日本人に愛されたスポーツマンのひとりだった。われわれの学生時代には憧れの選手だった。名画「白銀は招くよ」「黒い稲妻」のカッコいい雄姿が懐かしい。

 2003年にかつてのオリンピック会場だったコルチーナを訪れた時、最初に瞼に浮かんだ人物は、日本人ではザイラー選手に次いで銀メダルを獲得して日本人として、アルペン種目初のメダリストとなった猪谷千春選手と金メダリストのザイラー選手だった。コルチーナのロープウェイ駅にはイタリア、オーストリア、その他の国旗と並んで日の丸が掲げられ、青空の中にへんぽんと翻っている光景が何とも言えず心強かったことを思い出した。聞けば、コルチーナではメダリスト・猪谷選手は最も有名な日本人とのことだった。

 思い返してみると、現在のスキー界では、かつての花形種目だったアルペン、ジャンプ、複合、ノルディック長距離に対して、モーグルとか、エアリアル、フリースタイルなどが人気を高めてきた。しかし、われわれには学生時代に楽しんだアルペン・スキーのスピードと爽快感が忘れられない。

 それにしてもまだ73歳で、猪谷氏は自分より5歳も若いのにと言って嘆いていた。

 奇しくも今年7月に開催されたユネスコ世界遺産委員会で、コルチーナを含むドロミテ山塊地区が世界遺産として登録されることが決まった。実際に現地を訪れて味わった山の中の空気は本当に美味しく気持ちのよいものだった。山の景色、湖周辺の美しい環境、山に囲まれた街の雰囲気、どれをとっても一級品である。今まで日本人が訪れることが少なかったのは、交通アクセスがあまり便利でなかったことによる。30年ほど前にイタリア北東部のボルツァーノを文部省教員視察団とともに訪れた時、当地の教育長からぜひコルチーナを訪れて、イタリアの山の素晴らしさも堪能して欲しいと強く勧められたが、時間的に訪れることは出来なかった。6年前に夢にまで見た景勝地へ初めて足を踏み入れ、素晴らしい観光地へ来ることが出来て芯から幸福感に浸ったものだった。

 ドロミテ周辺が世界遺産に登録されたことは当然とも言えるが、今あの場所で名を上げたザイラー選手の訃報を聞くにつけ、コルチーナと併せ考え感慨無量の思いである。

2009年8月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

834.2009年8月25日(火) 危険な学童集団登山が富山県で行われている。

 昨日のNHK「にっぽん紀行」という番組が「十二歳の成人」と称する興味深いテーマを取り上げ放映した。12歳の成人という言葉に、些かの疑問と興味を感じて観た。それによると富山県のある小学校では、6年生が全員霊峰・立山山頂を目指すことを長い間学校行事として続けてきたという。子どものころ体験した親も、良かったと評価していた。

 しかし、はてと考えてしまった。2泊3日の体験学習として、小学6年生にここまで過酷で危険なエクスカーションを行う必要があるのだろうかと思った。大げさに言えば、生と死の瀬戸際にある学校行事といって差し支えないと思う。

 今夏は北海道の大雪山を中心とする各地の山々で犠牲者を生んだ遭難事故が発生した。そのほとんどが旅行業者の主催するツアー登山による事故である。ゆとりのないスケジュールに、天候の激変、疲労、判断の間違い等がその原因として取り沙汰された。しかし、私の経験上言えば、登山では低山のハイキングならともかく一般的に高山に集団で登ること自体馴染まない。特に、知らない者同士が旅行業者の指定する集合場所で初めて顔合わせするような団体ツアーでは、大切なチームワークが芽生えようはずがない。

 テレビ放映された富山県小学生の学習登山は、旅行業者が主催するようなツアー登山とは異なりあくまで学校が主催するものであるが、その反面別の視点から問題がある。まず、体力的にも未成熟な100名を超える小学生を団体で一度に3,000m超の高山へ連れて行く必要があるだろうか。一言で言えば無謀である。引率する教師らの気苦労も計り知れないものがある。もっと他に幼い6年生の体力に合った教育的な体験学習が考えられるのではないか。高原のキャンプでは駄目なのだろうか。これほど危険を冒してまで12歳という年齢を祝う必要があるだろうか。こんな危険な学校行事を私は聞いたことがない。私も大学生になってから何度かこの立山連峰の主峰雄山(標高3,003m)に登頂した経験があるが、幸い天候に恵まれた。しかし、3,000m級の高山にはそれなりに厳しい道のりがあった。景色は良かったし、天然記念物「雷鳥」を見ることも出来た。だが、そこには危険が背中合わせに隠されているのだ。高山で樹林はなく岩と石ばかりで遮るもののない山頂周辺は1度天候が狂えば、風雨から身を避ける場所がない。しかも痩せた尾根で、突風でも吹けば大人でも危険で、小さい子どもには必死になって岩にしがみついても吹き飛ばされる恐れがある。テレビ放映を観ていても、天候が3日間安定していたわけでもなく、これは引き返すべきだと思ったくらいである。幸いにして遭難事故とはならなかったが、その可能性は頗る高い。

 こういう危険な行事を学校、教育委員会が黙認し、奨励するがごとき対応は児童の生命軽視と思われても仕方がない。彼らが誰もその危険性に気づかなかったり、疑問を唱えなかったとすれば、最早教育者としては失格だと思う。このように教育に名を借りた、その土地だけの特殊で危険極まりない行事は即刻中止すべきであると考えるが、目の前が見えなくなっている富山県教育委員会はどう考えるか。もし来年もこのままこの立山集団登山を強行するようなら、間違いなく遭難の危険性が秘められていることを警告しておきたい。

2009年8月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

833.2009年8月24日(月) 世の中いろいろあら~なぁ

 ベルリンで開催中の世界陸上で、昨日は女子マラソンの尾崎好美選手が銀メダルを、男子やり投げで村上幸史選手が銅メダルを獲得した。女子マラソンは団体でも2位となった。他にも前日男子400mリレーで日本は4位に入賞した。やり投げは、ハンマー投げの室伏広治選手が目立つ活躍をしながら、同じ投てき部門でこれまで国際舞台で活躍する選手は出なかったが、これでようやく曙光が見えてきたかも知れない。村上選手は日本選手権でも10連覇を達成している。これも見上げた好成績である。瀬戸内海の小さな島、生名島の出身で、お母さんの素朴な語り口や、家族、地元の皆さんの声援が微笑ましい。村役場では、早速お祝いの垂れ幕を作るそうだが、その飾らない素朴さが爽やかである。

 観光関係でも変ったことがあった。ひとつは、「世界ジオパーク」に日本から3箇所が選定された。2つ目は、憧れの「オリエント急行」が今年限りで廃止されるそうだ。3つ目は、ドイツ・ハンブルグ中央駅で騒がれた日本人観光客の無神経な行為である。

 「世界ジオパーク」というのは、世界的に貴重な地形や地層を認定している「世界遺産」とはまったく別の評定である。今回日本で認定されたのは、①火山活動による洞爺湖有珠山周辺の地形、②巨大な断層、糸魚川―静岡構造線の特徴的な地質、③火砕流に襲われた島原半島、である。こういう制度があること自体を知らなかったが、かなりアカデミックで、専門的な点もある。2004年に認定制度がスタートして、現在19ヶ国63地域が含まれているそうである。認定された地元では、観光にも好影響を期待して大喜びである。しかし、一見派手な世界遺産に比べて、中々踏み込みにくい地域であり、啓蒙化させて知名度を高めていくのは相当な努力が求められると思う。

 「オリエント急行」が終幕を迎えるとはいかにも寂しい。アガサ・クリスティの推理小説で一躍有名になったが、望みながらもついに私には乗車する機会がなかった。廃止の理由は高いコストと乗客離れとのことである。ヴェネチアでも、イスタンブールでも列車が駅に停車しているところは見たが、廃止せざるを得なかったのは、結局スピードが緩く、運賃が高いというだけの理由ではなく、現代人がゆっくり鉄道の旅を楽しむ心の余裕がなくなったからではないかと思う。廃止を嘆き悲しむ落胆派鉄道オタクには、私自身5度ほど乗ったことがあるタイ・マレー鉄道が別名「オリエント・エキスプレス」であるので、同じ夢をこれに乗って味わって欲しいものである。

 ドイツ・ハンブルグ中央駅の事件は、少々無神経でお粗末だった。去る21日に中央駅ホームのベンチにチェーンで固定された荷物が置かれているのが、警察によって発見され不審物扱いされ、爆発物の恐れありと処理班が出動した。駅は1時間半の間閉鎖され、40本の列車が遅れ、2本が運休した。この荷物の持ち主は近くに観光に出かけていたということが分かったが、鉄道会社からは損害賠償が請求されると看做され、その額は数百万円を上回ると考えられている。地元紙では「文化的な誤解か、はたまた単なる鈍感か」と極めて批判的である。こういうバカ者が世界を歩き回るのは困る。常識的に考えれば分かりそうなものだ。これは平和ボケで外の世界をよく見ず、普段からものを考えない「罪のない」単純馬鹿の日本人が犯した大きなミステークである。これなどは、洒落にもならない。

 総選挙を前に遊説を続けている麻生首相が都内の学生との対話集会で、「若者に結婚するだけのお金がないから結婚が進まず、少子化になるのではないか」と聞かれて、「金がねえなら結婚しない方がいい、おれもそう思う。うかつにそんなことしないほうがいい」と応えた。少子化対策が政府の懸案事項になっている時にどうもいただけない。今更説明する必要もないほど、わが総理大臣はKYで、内部劣化している。お手上げだ。

2009年8月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

832.2009年8月23日(日) 横浜市が来春から歴史教科書を採用

 亡父の元部下で、私自身子どものころからよく存じ上げている横浜市内在住の正木清幸さんからメールをいただいた。もう90歳近い年齢にも関わらず、PCを駆使するポジティブな方で、戦時中は経理部員として従軍され、ビルマ戦線で大層ご苦労された。先日もその従軍苦闘記録を名古屋・中京大学の機関紙に寄稿され、改めてそのご苦労をお労いする思いだった。

 いただいたメールには、神奈川新聞によると横浜市教育委員会が来春から「新しい歴史教科書をつくる会」が編集した歴史教科書の使用を決定したと知らせていただいたものである。実際に戦争に関わった元戦士として、以前から昨今の日本の右傾化を心配されておられたが、横浜市教育委員会の決定はそういう心配を裏付けるものである。

 ところでやはりと言うべきであろうか、今朝の朝日新聞社説も早速「つくる会教科書・横浜市の採択への懸念」として取り上げている。それによると4年前に採択した当時は、つくる会の歴史教科書の採択率は全国で僅か0.4%だった。今では、東京都杉並区、栃木県大田原市が継続して使用することを決めているが、政令指定都市では横浜市が初めてだそうである。リベラルな都市と見られていた横浜市だったが、どうしてこうなったのか、いかにも時世を象徴しているように思える。

 30年以上前に私たちが居住していたころの横浜市は、安保反対闘争で国会議員の先頭に立った元社会党委員長・飛鳥田一雄氏が市長を務めていただけに、革新都市として市民からも信頼されていた。それが、今では中途半端で市長が市長職を投げ出すような保守看板の都市に変った。

 今更つくる会の教科書についてコメントするのも憚られるが、天皇や神話を重視し、近現代史を日本に都合よく見ようとする歴史観が色濃く、中国への侵略、朝鮮半島の植民地支配については不十分で、沖縄戦の集団自決にも触れていない。内容は明らかに義務教育の中で右寄りの教育を行おうというものだが、問題視しなければならないと思うのは、委員会の採決が僅か6人の委員の無記名投票で採用が決まったということである。こんなに大事な問題をそんな少数の人だけで簡単に決めて良いものだろうか。6人の委員に採決の権限はあるが、実際に使うのは教師と生徒であり、30日の横浜市長選に立候補している各候補者にも考えを聞きたいというのが、朝日の意見だ。

 それにしても日本では国民的議論が真剣に成されない間に、一方の方向にぐんぐん引っ張られる流れがいつのまにか出来てしまう傾向がある。それが怖い。

2009年8月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

831.2009年8月22日(土) 外務省のノー天気外交とパンナム機爆破事件の行方

 ビルマ国内に軍事政権の翼賛組織で「連邦団結発展協会(USDA)」といういわくつきの政治グループがある。2003年に民主化運動指導者アウン・サン・スー・チーさんを襲撃した一派である。そのUSDAは今では国際社会の鼻つまみものである。アメリカやEUでもその幹部を制裁対象として入国ビザ発給停止や、資産凍結の対象となっているくらい敬遠されている。

 それが何の意図があるのか分からないまま、日本の外務省はその有力幹部であるUSDA総書記ティ・ウー農業環境相を日本に招待したのである。世間知らずの小野啓一・外務省南東アジア1課長は「農業灌漑相として招待した。日本の農業を視察してもらうことは重要だ」と国際事情を考えない発言で、自分たちの対応は正当性があると言わんばかりで、反省の言葉もない。外務省の幹部がこれでは話にならない。外務省は国際社会のビルマに対する厳しい目をどれだけ分かっているのか、ビルマの実情や国際社会の反応を承知したうえで、このような外務省的唯我独尊ビルマ外交に乗り出したのか。

 ビルマの軍事政権がこれまで行ってきた非民主化政策や、国際世論を敵に回した行為、民主化運動を封殺した取り締まり、国連安保理非難決議、とりわけスー・チーさんを長年に亘って拘留、自宅軟禁してきた実態を考えれば、誰が考えても今回の外務省のビルマ閣僚招待には首を傾げるだろう。ビルマ事情通の秋元由紀氏も「スー・チーさんに有罪判決が出た直後に招待する日本政府の意図は理解に苦しむ」と述べている。

 一昨年5月の反政府デモの際、デモに参加した市民に暴行し、警察当局の逮捕に協力したとされるほどの軍政シンパサイザーの幹部を、よりによってこの微妙な時期に招待しなければならない事情とは何なのだろうか。敢えて考えるなら、ビルマに深入りしつつある中国を牽制するために、小さな楔を打ち込んでおくぐらいのことしか思い浮かばない。しかもティ・ウー大臣は悪名高い軍政の閣僚である。日本の農業を見てもらうなんて、本音を隠すための言い訳にしか過ぎないことは明らかである。そういう空気を読めず国の外交を壊すことを責務と考えているような外務省のノー天気外交官ぶりからは、これから日本とビルマの関係をどのような方向へ導いて行こうとしているのかまったく予測がつかない。

 現代は多重派外交時代と云われる中で、アメリカやEU諸国から非難を浴びるであろう日本の対ビルマ外交が、このまま突き進められるとはとても思えない。

 日本のマス・メディアももう少し詳しく調査して、報道すべきであると考える。それにしても、気になる世襲議員のひとり、中曽根外務相はこの件に関してどれほど関与しているのだろうか。

 昨日スコットランド司法当局は1988年のパンナム機爆破事故の犯人である、アルメグラヒ・リビア元情報機関員が、末期癌で余命3ヶ月であることを理由に釈放しリビアへ追放した。リビアへ帰ってきた犯人を首都トリポリで出迎えたのは、国家の最高指導者・カダフィ大佐と国民の熱狂的な歓迎ぶりだった。まるで英雄扱いである。スコットランドがいくら余命3ヶ月とは言え、何ゆえにこの時期に270人もの命を奪った残虐なテロ事件犯人をアメリカの非難が予想される中で、国外追放したのか。これでは事故による遺族の気持ちはたまったものではない。スコットランド司法当局に対して強い不満を漏らしている。

 この爆破事件は、この当時頻発した一連の反米テロのひとつで、私自身強い関心を持ち、拙著「停年オヤジの海外武者修行」の中でも、ニューヨーク9.11テロ事件の伏線のひとつとなったと書いた。それほど大きな影響を与えたテロだった。

 案の定、今日アメリカのオバマ大統領が「極めて不愉快だ」と怒りを露わにした。大統領報道官も「言語道断。愛する人を失った遺族への著しい侮辱だ」とアメリカ政府は、スコットランド、リビア両政府に対して抗議の気持ちを表した。

 昨年11月リビア政府はアメリカに対して事故の賠償金として、15億$(1480億円)を支払った。事故から20年経ち、アメリカとリビア両政府の間にも緊張緩和の空気が生まれ、リビア政府が絡んでいるとみられた疑念をリビアが認めた形でこの事件は収束するかに見えた。

 一方、AFP通信によると、リビアの最高指導者カダフィ大佐の次男セイフルイスラム氏が、この釈放はイギリスの石油権益と関連していると言い出した。もちろんイギリス政府は否定している。外野から見れば面白いかも知れないが、アメリカ、イギリス、スコットランド、リビアのメンツと利益が絡んだ奇妙な事件に発展しそうな雲行きになってきた。

2009年8月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

830.2009年8月21日(金) アフガニスタン大統領選挙は大丈夫か。

 昨日から行われているアフガニスタン大統領選挙が世界中の注目を集めている。現職のカルザイ大統領にとっては2期目の選挙である。この国の選挙制度そのものがどうも分かりにくい。第1に直接選挙制であるが、ひとりの大統領に対して30人を超える立候補者の多さも異常である。加えて今回は投票率が問題だ。前回2004年に行われた選挙では、70%の投票率だったが、今年は勢力を盛り返してきたタリバンが各地で激しい選挙妨害を繰り返している。住民もタリバンから投票したら、危害を加えると脅かされているというから物騒である。実際各地の妨害テロで多くの犠牲者が出ている。

 これを証明するように、今朝の朝日新聞1面に驚くような写真が掲載されていた。頭から頭巾を被った老婆が示した右手人差し指の先端部から第1関節と第2関節の間まで、紫色の液が付いている。投票を終えた証拠だそうである。これでは、タリバンの標的になるではないか。しかも、どうも野蛮な感じである。投票所の場所でさえ、予定していた場所に設置されたわけではないようだ。こう言っては身も蓋もないが、現状を考えると果たしてこの国に選挙制度そのものが受け入れられる土壌があるだろうかと考えてしまう。仮に問題の選挙が滞りなく行われ大統領が選ばれても、組閣に当って有力閣僚にはそれぞれ思惑があるようで、順調に内閣が発足し、内政、外交を期待通り行っていくことが出来るだろうか。

 新聞評によれば、選挙はカルザイ大統領が過半数を獲得出来ず、決戦投票に持ち込まれて再選され、その過程でアメリカと距離を置く政敵と取引が行われ、カルザイ政権の対米協調路線に多少異変が起きるのではないかと予想されている。アメリカとしては今後も兵力を注ぎ込んでもう少し治安を安定させたいところだ。

 ところで、今ベルリンで開催している世界陸上で男子短距離走が話題をさらっている。昨日200m男子決勝が行われ、ジャマイカのウサイン・ボルト選手がダントツの強さで優勝を遂げた。100mと併せて北京五輪に次いでダブル・チャンピョンとなった。すごいのは、その記録である。200mは19秒19の世界記録で、100mは9秒58の世界記録だった。しかも2位に大差をつけた楽勝であり、見ている人を驚かすのは、その底知れない馬力で、過去にこれほど圧倒的な力で勝利を収めた短距離選手はいなかったのではないか。

 勝てると思ってゴール近くでは手を抜いていわゆる「流す」のである。もう少し真剣に走れば、もっとすごい記録を出るだろうにと思う。本人は決勝では最後まで本気で走って楽勝して、そのうえ世界記録も破るというのだから破天荒な選手である。まあ性格的に生真面目すぎる日本人には馴染めないだろうが、それにしてももの凄い選手が現れたものである。

2009年8月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

829.2009年8月20日(木) 新型インフルエンザが流行しそうだ。

 5月に流行しかかった新型インフルエンザが、ここへきて急速に感染拡大しつつある。数日前日本では初めて沖縄で死者が出てから連続的に3人もの死者が出た。一昨日舛添要一・厚労相は、国内に流行しているとの認識を示した。

 現在甲子園で開催中の高校野球でも学校によっては選手がインフルエンザに罹って大変だ。島根県代表チームの立正大淞南高校は、昨日の試合で登録18人選手中4人が欠場するという苦難を味わわされた。PL学園でも選手が一人欠場した。プロ野球でも北海道日本ハム・ファイターズの4選手が感染しており、選手とファンの交流を当分の間取り止めるという。大相撲にも感染者が発生した。

 インフルエンザが今年の冬に流行すると警戒されてはいたが、この夏に流行するとは、誰も予想していなかったようだ。予防ワクチンの製造を急いではいるが、とても必要量を充足できない。約2,500万人分が手当てされるとみていたが、どうも1,500万人前後しか用意できないようで、不足分は輸入するらしい。それが、流行が早まったために必要量が益々足りなくなる。

 今日厚労省は専門家や患者団体との意見交換会で、ワクチンをどういう基準で接種させるか打ち合わせをして、どういう人にその機会を与えるか、その優先順位を決めようとしたが、決められない。予防接種も、公費負担のある定期接種と全額自己負担の任意接種かも決まっていない。結局9月に決定することになった。子ども団体では身体の弱い子どもを優先的にワクチン接種をと要望し、妊婦や高齢者では彼らにと、また医師会では、患者を診るために、そして患者へ移さないためにも医師と看護師を優先的にとそれぞれの立場から要望して、まだ話がまとまらない。しかし、決まったところで最初の接種は10月からになるという。なぜか打つ手が後手後手に回っている感じがする。いつも通りのノロノロ仕事で、実際に大流行になったらどうするのか。いつもながら、お役所仕事にはうんざりである。

2009年8月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

828.2009 年8月19日(水) 国立追悼施設建設をどう考えるのか。

 今度の総選挙ではマニフェスト品評会の感がある。新聞紙上に紹介された限りで各党の内容を比較してみると、自民、民主、共産を含めて全党が割合一致しているのは、「非核3原則の堅持」「高齢者を支えるため現役世代の負担が重くなるのは避けられない」「外国人労働者の受け入れ」「官僚の天下りの全面的禁止」「国会議員の世襲禁止」などである。

 まあ当然と言えば当然のことである。議員自身の本音は果たしてどうなのか。中でも国会議員の世襲禁止に関しては、自民党は少々距離を置いている。まあ現状から察して当然だろうと思う。しかし、この問題は最近になって浮上してきた。かつては誰もが検討事項であると承知していながら、手がつけられなかった。それは、自民党内の実力者が揃いも揃って世襲議員だったからで、ここへきて漸く世襲実力者の影が薄くなってきたせいであろう。

 ところで、マニフェストには公表されていないが、戦没者の霊を祀る、新しい国立追悼施設の建設についてはどう考えているのか。民主党は党として建設に前向きで、候補地として千鳥ケ淵戦没者墓苑を考えている。共産党、社民党も前向きである。では自民党はどうだろうか。麻生首相は3年前の外相時代に「宗教法人としての靖国神社に解散してもらい、特殊法人化して国立の追悼施設とする」案を公表した。これに当の靖国神社や日本遺族会が反発して、すでに合祀されているA級戦犯の分祀も認めないと言い出した。これに手を焼いた「ぶれる」首相は、最近では「追悼施設を作ったら、靖国の話がなくなるのか」と言っている。つまり、新施設建設反対派に変身したのである。こんな好い加減な考えで、戦没者のことを考えているのだとしたら、戦没者も遺族もたまったものではない。

 問題はそう単純なものではない。こういう永年の懸案、かつ国のために殉死された戦没者を祀る施設に対する考え方が長い間放置されて検討もされず、宙ぶらりんであることが問題なのである。天皇・皇后両陛下が参拝出来る色のつかない、遺族はもちろん国民誰でもが気軽に参拝出来る施設建設について、真剣に議論すべき時はもうとっくに来ているのではないだろうか。

2009年8月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

827.2009年8月18日(火) 金大中・韓国元大統領は何を残したか?

 韓国の金大中・元大統領が今日ソウル市内の病院で肺炎により亡くなった。享年85歳だった。金氏の名はかなり以前から軍事政権下の韓国国内の民主化運動とともに、日本国内にも薄々洩れ伝わっていたが、その名を一気に有名にしたのは、1973年8月、金氏が九段のグランド・パレスホテル滞在中に、韓国KCIAに通ずる一味によって強引に拉致され韓国国内へ移送された、国境を越えた拉致事件発覚である。この事件は当時あまりにもショッキングな出来事として、国内はもとより、海外でも話題になった。私はその当時ちょうどインドからエチオピア、スーダン、エジプトを巡って帰ったら日本で蜂の巣をつつくような大騒ぎになっていて、しばらく何が何だか事情がよく分からなかった。むしろ、高校野球で作新学院の江川卓投手の豪腕ぶりが話題になっていたので、その結果が気になったのを覚えている。

 韓国政府は日本国内において日本の法規を無視して、韓国国内の捜査権を行使して韓国政界の大物を力づくで逮捕して秘密裏にこっそり自国へ連れ戻すという国際法上断じて許されない暴挙を犯した。しかし、韓国政府はこの拉致事件を知らぬ存ぜぬの頬かむりで押し通し、政府はまったく関知しないとのスタンスを取った。結局それは嘘だった。国家が隣国に無断で隣国の自治、法律を蹂躙したのである。その点はとても許されざるべき越権行為である。

 日韓両国間では、過去の事件としてお互いにほじくり返さないという灰色で、曖昧な決着をしてしまった。韓国政府の対応は非礼、かつ傲慢であるが、日本政府の態度も腰が弱く、何ゆえにそこまで卑屈なのかまったく理解に苦しむ。その意味ではこの事件は、いまだ未解決のまま、その主役が亡くなってしまった。真相解明は一層難しくなるだろう。

 金氏は韓国民主化のために、かけがえのない活動をされた。それが、初の南北会談を実現した北朝鮮との緊張緩和を演出し、それによってノーベル平和賞を授与されるという栄誉を得た。しかし、金氏の太陽政策は北朝鮮の裏切り的外交により、金氏の政策に対する韓国国民の反発も強かった。今もなお評価は分かれている。金氏の本音はどうなのか。金氏は拉致について、日本の対応についてあまり多くを語っていない。後味の悪さが未だに尾を引いている。

 ソウル市内の自宅軟禁中の金氏を突撃取材して、韓国警察から目をつけられ追われるように帰国した小中陽太郎さんに、その時どんな話をされたのか一度伺ってみたいと思っている。

 さて、今日総選挙が公示された。30日の投票まで毎日マス・メディアの格好のテーマとなり、さぞや小煩いことだろう。麻生首相と鳩山民主党代表は早くも舌戦を繰り広げている。小選挙区、比例代表区を合せて480議席に対して、1369人が立候補した。

2009年8月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com