1710.2012年1月18日(水) 東大、秋入学に全面移行か?

 今朝の日経と朝日夕刊の一面トップは、いずれも東大の秋入学への移行記事である。話は前々から出ていたし、早稲田大商学部で実際に一時期実施していたので、それほど驚くほどのことではないが、テレビでも取り上げるほど話題を集めたのはなぜだろうか。

 われわれの感覚では、教育期間というのは桜の時期である4月に入学し、3月に卒業するタームが馴染んでいる。どうして現在の入学時期を敢えて半年も遅らせるのかと言えば、今のままでは日本の大学がグローバルな競争に勝てなくなるからだという。世界の大学の入学期はほとんど9月である。どうしても日本人の学生で欧米への留学を希望する者にとっては、他の秋入学国からやってくる学生より不利であることは間違いない。事実東大自体が世界大学ランクで年々その番付を落としている。その点に危機感を持った東大が、春入学を廃止し、国際標準である秋入学への全面移行を求める中間報告をまとめた。

 さて、こうなると東大の結論はそれで良しとして、東大だけが突出する大学の制度で、制度自体が今後機能するのか。学生を受け入れる企業の立場もいろいろ思惑があってそれぞれの考えがあるようだ。年間春と秋の2度も就職試験を行うのは、企業にとっても負担であるに違いない。ただ、海外への留学生で優秀な学生を採用できると評価する声もある。私が心配するのは、東大だけがこの制度移行で良いのかどうか。下級学校の六三三制度をこのままにして良いのだろうか。また、東大生だけが、4.5年~5年も在学することになり他大学生より1年遅れることになるが、その点はどうなのか。

 どうも理解できないのは、こんな大事なことを実行しようというのに文部科学省の顔が一向に見えないことだ。仮に大学入学時期を半年ずらすだけに留まらない。日本の会計年度というのは、毎年4月に始まり翌年3月に終る。すべてのスケジュールがこの会計年度を基準に実行されている。そうだとするなら、学制のみならず企業の会計年度も含めて、国の会計年度も移行することを検討すべきではないだろうか。現在の状態を見ると、東大だけに宿題を課して文科省は対岸の火災視である。これだけの大きなテーマを扱うのに、国がまったく関与していないのは少々無責任ではないだろうか。この先どんな結論が出るのだろうか。

2012年1月18日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1709.2012年1月17日(火) 阪神・淡路大震災から17年

 今日は阪神・淡路大震災が発生してからちょうど17年目に当たる。中心地の神戸では、鎮魂を祈る慰霊行事を始めとしていろいろな催しが行われた。昨年の東日本大震災と連携した取り組みも行われたようだ。各テレビ局でもいろいろ趣向を凝らした取り上げ方で、震災に立ち向かうための現実的な試みや心がまえを紹介していた。

 その震災の影響で原発事故を引き起こした東京電力が今日、震災後火力発電に注力したために経費が膨れ上がったので32年ぶりに値上げを申請すると、無神経な発表をした。昨年西沢社長が近々値上げをしたいと思っているが、電力会社にはその権利があると臆面もなく不遜な発言をして、各界から広く顰蹙を買い、経産省からも苦言を呈せられた。手厳しい反発に懲りたのか、今日の西沢社長は意外に神妙な態度で会見に応じていた。

 しかし、はっきり言うと東電の社員は元々高い給与をもらっている。少しでもその高給を削りコストを減らすという発想は生まれてこないものか。今課題となっている消費増税に対しても、政治家も公務員も自ら身を削ることを求められている。実際今度ばかりは、国会議員数の削減と公務員給与削減を実施せざるを得ないだろう。ひとつの案として、国会議員数は小選挙区で5名、比例代表区で80名の削減が検討されているようだ。公務員給与の引き下げも、昨年は見送られたが、今年こそはそう甘い汁を吸うわけにはいくまい。

 それに引き比べ、民間会社とは言え、役所と同じように経営が安定して高い碌を食んでいる国策会社の東電社員から、身を削るというような話が聞かれないのは片手落ちではないか。企業年金に手をつけるという話も聞かない。自分たちの権益だけは、断固として守ろうとする。やはり半官半民の会社は楽なものである。普段からこんな調子だから、簡単にやりやすい値上げに頼る。取りあえず電力使用量の多い企業の電気料金を17%程度値上げするという。この根拠もはっきりしない。そして一般家庭用電気料金も、値上げしようという腹積もりのようだ。

 重大な原発事故を引き起こしたという責任を負う東電は、まず自ら自分たちにかかるコストの削減を行うべきであり、その後に値上げするならその科学的にして数字的な算出根拠もしかと明示すべきであろう。一方的な値上げは到底容認できない。

2012年1月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1708.2012年1月16日(月) ホルムズ海峡海上封鎖が心配だ。

 いま世界的に不安定な財政問題から信用不安が俎上に上がっているが、政治的、外交的にも問題が山積している。

 イランの核開発に対する国連決議にも拘わらず、イランが核開発を進めたことに対して、アメリカが経済制裁を強め、それに同調してEU諸国もイランに対する経済制裁を課し、イランの原油購入を控えることを決めた。アメリカはわが国に対しても、イランから原油を購入することを控えるよう圧力をかけてきた。日本政府は提案を受け入れ、他のアラブ湾岸諸国から購入する意向を示した。

 問題は、あちらがダメならこちらからと簡単にはいかないことだ。政府は早速サウジ・アラビア政府と貿易交渉を始めた。ところが、それよりもっと深刻なのは、イラン政府が他国の原油を積んだタンカーが通るホルムズ海峡を封鎖すると発表したことである。これでは折角他の湾岸諸国から石油を仕入れてもそれを日本まで運んで来ることができない。喉元を押さえられたのでは、話にならない。更なる問題は、アメリカがもしイランが海峡を封鎖したら武力を行使すると述べたことである。

 しかし、イランにとってもホルムズ海峡封鎖によってタンカーの航行を止めることは自らの首を絞めることにつながり、自国経済にとっても苦しく痛し痒しである。ましてや自国の原油を輸出できないことになれば、外貨がまったく手に入らなくなる。結果的に徐々にボディ・ブローが効いてイラン経済にも悪影響を与えるようになる。

 日経朝刊「私の履歴書」に現在トニー・ブレア元英首相が執筆している。今朝はこんなことを書いている。在任中の1999年アメリカで「国際共同体の原則」として、「独裁体制を打倒する介入は、われわれに直接の脅威がない場合でも正当化できる」と提唱したという。ブレアは、コソボ紛争で民族浄化の名の下にセルビアが民間人の虐殺を行っている事実を見逃すのは道徳の問題と考えた。これがNATO軍による空爆となり、その後地上軍の投入も検討したことによってセルビア軍はコソボから撤退した。この強硬策がブレアの「力の対決」のバックボーンになっているようだ。

 いまブレアのイギリス人的セオリーに従えば、イランのホルムズ海峡封鎖に対抗して武力行使も辞さないという論理が生まれてくるのもむべなるかなと思う。それは安易に戦争を呼び、石油は高騰し、景気が一層悪くなるという悪循環を生むことになる。ブレア流「力と力の対決」構想は、今日の現実社会で果たして世界平和に貢献できるだろうか。

 昨日のヨーロッパ国債の格下げに伴うユーロの信用不安により、今日ユーロ相場が急落した。円に対するユーロは11年ぶりの安値となった。イタリア国債の2段階格下げに合わせるように、昨日イタリアの豪華大型客船が座礁して多数の死傷者を出したが、船長がイの一番にトンズラしたというからこのイタリア人船長は何を考えているのか。まったくスカッとしたニュースが聞かれない。

2012年1月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1707.2012年1月15日(日) 世界のリーダーを選ぶ選挙の1年

 今日は父の命日である。10年前に93歳で亡くなった。割合母が早く逝ったので、父は20年近く鵠沼の広い屋敷にひとりで生活していた。会社を退いてからは静かな鵠沼の地に馴染み、湘南地方の環境が気に入って自由気ままな生活を送り、近所に所帯を持っていた弟や妹がいろいろ世話をやいてくれていたとは言え、やはりやもめ暮らしは寂しかったに違いない。

 生前あまり親孝行らしいことはしてやれなかったが、それでも私の旅行の話を熱心に聞いてくれた。一度は私の企画したヒット商品・ツアーにひとりで参加したが、生憎旅行先で体調を崩し、途中でひとりJALに面倒をみてもらいながら帰国したことがあった。もっと親孝行をしてあげられれば良かったと思っているが、すでに後の祭りである。来月初めに弟夫婦、妹夫婦とわれわれ夫婦で七里ガ浜の鎌倉プリンスホテルで食事をともにすることになっているが、何の不安もなくのんびり暮らしていた鵠沼時代の生活について話題が尽きないことと思う。

 さて、今年は世界リーダー国のトップの選挙、或いは選挙なしの交替が行われる。交替が決まっているのは、中国の国家主席が胡錦濤氏から習近平氏への政権移譲であるが、昨日台湾のトップを決める、総統選挙が行われ接戦を制して現職の馬英九国民党主席が、対立候補である民進党の蔡長廷氏を破り再選された。結局対中関係改善への支持が強かったということだ。今回の総統選挙では、早くから中国との付き合い方、つまり中台関係にどう取り組むかが大きな争点だった。深まりつつある中国との関係の中で、馬氏がこれまでの安定した中台関係の過程で経済が発展したことを訴えたのに対して、蔡候補は台湾独立志向を明確に打ち出していた。結局現状の中台関係が生み出す経済的なメリットが高く評価され、馬総統を再選することになった。中国政府はほっとしているようだが、意外にもアメリカ政府も「この数年の両岸関係改善の素晴らしい取り組みが続くことを期待する」との声明を出した。中台関係にさしあたって緊張感が生まれないことを期待してのことであろう。

 これから3月のロシア大統領選、5月のフランス大統領選、8月の韓国大統領選、そして11月のアメリカ大統領選へと続く。その都度世界の株式相場、ひいては景気が左右されることもあり得る。どうやら落ち着かない一年になりそうである。

2012年1月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1706.2012年1月14日(土) ベオグラードで演奏される慶応義塾塾歌

 ベオグラードに住む友人の山崎洋さんから大きな封筒に入った手紙をもらった。封筒の中に手紙とセルビアの日本語観光パンフレットが入っていた。日本人バイオリニストとしてセルビアで活動している豊嶋めぐみさんと東江(アガリエ)貴子さんのピアノ伴奏によるコンサートが、いよいよ3月14日にベオグラードで開かれるとの連絡だった。「海ゆかば」の作曲家・信時潔が好きな豊嶋さんへのリクエスト曲として、信時が作曲した慶応塾歌を演奏してくれることになったとの知らせで、私にもぜひベオグラードへ来て聴いて欲しいとの内容だった。信時潔の曲を各地で演奏している豊嶋さんに山崎さんが、塾歌をベオグラードでも演奏してくれるよう個人的に頼んでいたものだ。

 山崎さんにはゼミの友人でアマチュア・チェリストの赤松晋さんから塾歌のテープと楽譜を提供してもらい送ったところだ。3年前に信時が生涯を終えた東京・国分寺で、豊嶋さんの演奏を聴いたが、その時は「海ゆかば」をしんみり聴くことができた。だが、残念ながら塾歌を聴くことはできなかった。「海ゆかば」については、慰霊祭などでこれまでにも度々聴いている。やや重苦しい感じがするが、中々良い旋律で心に訴える素晴らしい曲だと思う。尤も詩は大伴家持というのだから、聴いていてしみじみ心に響くのも当然だろう。だが、大東亜戦争への協力の歌と誤解されることもあり、一部地域では演奏を断られることもあるという。

 手紙によれば、塾歌は良い曲だそうだが、芸術性の点ではやや問題があるように書かれていた。是非来いと言われても、一寸準備が間に合わないし、現在痔の治療中でもある。彼はセルビアの世界遺産・ストゥデニツァ修道院とソポチャニ修道院を案内してくれると言うが、今回出かけるのは難しいと思う。

 シューマン、モーツァルト、バッハの名曲と並んで「海ゆかば」と塾歌が演奏されるようで近くなら何が何でも駆けつけるところだが、一寸今回ばかりは現地へ行くのは諦めざるを得ない。

 さて、今日はけたたましかったり、慌しかったり、メディアからのニュースは目まぐるしい一日だった。11日に広島刑務所から脱走した服役中の中国人殺人未遂犯が昨日広島市内で捕まった。凶悪犯で狭い広島市内を逃げ回っていたので、メディアが過剰なまでに反応して大騒ぎだった。逮捕されてやれやれである。刑務所が工事中だったとは言え、その監視体制はお粗末としか言いようがない。加えて直前に監督官庁の法務大臣が、この件ではなく内閣改造で辞めることになったが、これは偶然だろうか。

 国際的には、アメリカの格付け会社、S&P社がフランスなどヨーロッパ9カ国国債の格付けを引き下げた。一瞬まさかと思った。これまでフランスの財政はあまり不安視されていなかったと思う。それが、ここへ来て一転危うくなった。フランスとともにオーストリア国債も引き下げられた。危険水域にあるイタリア、スペイン、ポルトガルは2段階の引き下げである。この影響は、外貨稼ぎのドル箱であるアテネのアクロポリスの閉鎖で見学できなかったり、ローマのコロッセオの壁が崩れたり、観光面でも様々な弊害が現れている。この状態が更に進むとユーロ圏の分裂へ発展しかねない。

 一体いつになったら、この世界経済不況の状態から脱出することができるのだろうか。暗澹たる思いである。

2012年1月14日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1705.2012年1月13日(金) 野田改造内閣発足

 野田改造内閣が発足した。改造の大きな目玉は、前幹事長の岡田卓也氏を副総理として迎えたことだろう。消費税増税論者の岡田氏が持論を通して正面から増税を国民に訴えるようだ。こうなると増税反対の小沢一郎氏との対立も再び起きてくるのではないだろうか。

 政権発足以来4ヶ月が経過した時点で、先月問責決議された二人の閣僚もこの機に退任することになった。そのひとり、一川保夫・防衛大臣は就任時のノー天気な発言に加えて、その後も沖縄県民を怒らせる無責任な言動で顰蹙を買っていたが、退任確実になった3日ほど前にモンゴルへ公務出張している。当然安保問題の打ち合わせのために、モンゴル国防省と会談をしている。まもなく辞める大臣が、防衛問題について政府間で外交交渉するという話はあまり聞いたことがない。神経を疑いたくなるような非常識なパフォーマンスを仲間内の誰一人として取り止めるよう忠告したり、諌める人物がいないことが情けない。これはモンゴル政府に対しても礼を欠くことになるのではないか。民間企業なら絶対あり得ない。事柄も費用もまったく無駄にするわけだが、この問題について当人はもとより、出張命令を発令した野田首相は何を考えているのか。野田首相の本当の気持ちはどうなのか。はっきり国民に説明すべきだと思う。

 野田総理以下18閣僚の第2次野田内閣の中にも、最早私より年長者は1歳年上の前田武志・国交相だけになってしまった。若い閣僚の中でも私の見るところでは、玄葉光一郎・外相、安住淳・財務相、小宮山洋子・厚労相があまり実績を上げる活躍をしたようには見えない。彼らの力量と実績が気になって、交替もあり得るとみていたが、留任だった。もうひとふん張りしてもらわないと、次の改造では離任ということも考えられる。

 さて、今夕の日経紙に興味深い予測が載っている。イギリスの大手銀行HSBCが発表したもので、それによると2050年の世界経済規模ランクは、国内総生産(GDP)で中国がアメリカを抜いて世界一になると予測している。この他にもわが日本がインドに追い抜かれて第4位に落ちている。この判定は、ややアジア諸国を高く評価しがちで、フィリピン、インドネシアがベスト20に入っている一方で、ヨーロッパの中で堅実な北欧や、小なりとも1人当たりGDPの高いルクセンブルグや、ニュージーランドが20位以内にも入っていない。どこまで信用して良いのか分らないが、こういう見方や判断基準も世界のプロの中にもあるのだと考えると面白いものだと思う。

 最近民主化の兆しが見えてきたビルマで、今日収監されていた受刑者651人が釈放された。その中にかつて当時のトップ、タン・シュェ氏と力関係でつばぜり合いを演じていた、元首相キン・ニュン氏が含まれていた。ビルマをよく訪れていた20年前ごろには、ビルマでネ・ウィン大統領の後継者と目されていた一人だった。いつの間にか失脚して自宅軟禁処分だったようだが、そのキン・ニュン氏も今日解放となった。久しぶりに見るキン・ニュン氏の笑顔である。

 これでビルマの民主化に拍車がかかるかというとそう楽観はできない。1988年の反政府デモで中核となって活動した学生グループのリーダーが解放されたのは可としても、財政的に苦しいビルマ政府が欧米先進国の経済封鎖を解いてもらう条件のひとつである全政治犯の釈放ということから、万止むを得ず取った一時的な措置のような気がしてならない。依然として民主化運動に関わった活動家500~1500人が今なお収監されているという。早く民主化されたビルマを見てみたいものである。

2012年1月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1704.2012年1月12日(木) 日本とアメリカの政治的土壌の違い

 今秋のアメリカ大統領選挙に向け、3日共和党アイオワ州党員集会でロムニー前マサチューセッツ州知事が勝利を収めた。10日にはニューハンプシャー州で予備選挙が行われ、ここでもロムニー氏が勝ち次期大統領へ向けて順調な滑り出しをしたように思える。

 ところで、今日池上彰氏のテレビ解説で知ったことであるが、アメリカ独立以来歴代44人の大統領の内、J.F.ケネディのカトリックを除き、他の43人は悉くプロテスタントだという。アメリカ大統領と言えば宗派的にはこれまでプロテスタントだったのである。それがロムニー氏に限ってはモルモン教徒である。ケネディの場合は、アイルランド系移民の血を継いでいたので、カトリックと聞いても理解できる。それが全アメリカ国民の僅か1.7%しかいないモルモン教だとすると、ロムニー氏は宗教的立場から言えば、ほとんど大統領の目がないとも言える。果たしてロムニー氏は、世評を覆すことができるだろうか。

 アメリカのモルモン教と言えば、ストイックなほど堅実な生活を送り、酒もタバコもコーヒーのような刺激物も嗜まないことで知られるし、収入の内1割を所属する教会に寄付する。布教のためにかかる経費はすべて自己負担である。ユタ州ソルトレイク・シティにあるモルモン教本部を2度ばかり見学したことがあるが、信者が誇る「モルモン教ここに誕生」の記念碑‘THIS IS THE PLACE.’MEMORIALを本部サイト内で確認したことがある。ある意味で極めて真面目で奉仕的な考え方で、それを忠実に守っているのは相当真摯な性格だと思う。

 それに比べると、残念ながら日本の一部の政治家の中には、不真面目で、人を欺いてまでしても利便を得ようとする悪辣な政治家が多いのには毎度のことながらうんざりである。

 直近では、一昨日、昨日と2日間政治資金規正法違反の罪で強制起訴された小沢一郎・民主党元代表に対する裁判である。細かいことは省略するが、この小沢氏の感覚は国民の普通の常識とはまったくかけ離れたものである。これまでの裁判の過程、憶測、小沢氏周辺の発言、偽証罪による立件などから推して、私にはどうも小沢氏がウソ八百を並べているのは間違いないように思えて仕方がない。天下国家以外は関心がないとの不遜な言動には、まず自らの襟を正せと言いたい。小沢氏にこれ以上天下国家を論じられては、迷惑を蒙るのは国民である。さっさと政界を去るべきが、現在小沢氏ができる唯一のことではないのだろうか。資金力に任せて名うての実力派弁護士を雇い入れ、守りを固めるのは立場上理解できないこともない。

 しかし、例えば弁護士というのは正義を主張し、世の不正を暴き、無実の罪を負わされた気の毒な人々に救いの手を差し伸べる人道的行為が原点であった筈だ。その意味では、悪のお先棒を担ごうとする同根の弁護士があぶく銭に血迷い、悪の道を突き進む小沢氏を手助けしようとする行為は、どうも正義という観点から納得できない。

 一部にせよ小沢氏のような政治家が生まれる日本の政治的風土は宗教観がないからだけではないように思える。その点では、アメリカの大統領の方が、日本の政治家より遥かにクリーンですっきりしているように思う。

2012年1月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1703.2012年1月11日(水) 梅棹忠夫先生の教えに学ぶ。

 一昨年7月「知的生産の技術研究会」特別顧問だった梅棹忠夫先生が亡くなられた。先生と直接お話したことはないが、長年同研究会の活動に参加してきて、先生の遺徳というか、業績に触れて、時代の一歩先を歩まれ、われわれに現代社会で学ぶべき基本を教えていただいたと感じている。昨年大災害をもたらした東日本大震災と、その後の原発事故についても梅棹先生はある程度予感していたのではないかと思える節が、先生の言動の中に窺がえる。先生は文明の進化は脅威とも成り得るとまで仰っていた。

 今月2日に放映されたNHK・教育テレビ「暗黒のかなたの光明~文明学者梅棹忠夫がみた未来~」でこんな言葉が紹介された。

 

 「文明はすすみます

 これはブレーキをかけても

 なかなかとまりません

 どんどんとすすんでゆく

 

  いままで文明というものは

 人間が自然を征服して

 ひとつの独自の世界を

 地球上に構築しえたとおもっていた

 

 ところがそれはまったくの

 まちがいであったということです

 じつはわれわれは文明を

 すすめることによって

 自分の墓穴をほっていたんだ

 

 文明というものは

 まさにそういう自分自身の存在の基礎を

 ほりくずすことによって

 成立しているような

 まことに矛盾にみちたものなんだ」

 

 これは梅棹先生が今から40年以上も前の1970年に書いた「未来社会と生きがい」の中のメッセージというか、感想といおうか、冷徹な分析の一節である。先生は東日本大震災も福島原発事故も先刻お見通しで、人類のうぬぼれを戒め、謙虚に生きることをこの至言の中に匂わせていた。

 探検家としてもフィールドワークにひとつの学問的分野を切り開いた先生はこうも言っておられた。「自分の足で歩き、自分の目で見て、その経験から自由に考えを発展させることができる」と。象牙の塔に籠ることなく、実践的に自然の中を歩き、人間は自然界とともに生きるべきだと主張された先生の真骨頂が窺がえる。

 僭越であるが、正に私自身も実際に山を歩き、海外をひとりで行動し、自分なりの行動力学のようなものを会得したと思っている。「まずひとりで行動せよ!そして考えよ!」、そして「若い時にこそ収穫の多い途上国へ一人旅して、五感で現場に漂う生の空気と臨場感をつかんでほしい」と後輩たちに常々語っているのも、今どきの若者がフィールドへ出て身体で自然に触れることや、海外へポジティブに出かけようとしない消極的な姿勢を心配しているからである。

 梅棹先生は亡くなられたが、今もその思想は脈々と生き、新鮮さを保っている。

2012年1月11日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1702.2012年1月10日(火) 世界の経済不況はどうなるのか?

 このブログの書き込みも今日で連続1800回目と区切りのよい回数を数えることができた。2007年5月に第1回をスタートさせてからよくぞ1日も途絶えることなく書き続けて来られたものだとわれながら感心し、誰かさんの言葉ではないが、「自分で自分を誉めてやりたい」。今年夏には2000回というもっとスッキリした節目になる。いつまで続けられるか分らないが、気持ちが続く限りは誰から何と言われようと書きたいことを書き続けて行きたい。

 今年も年初から国内外の景気がぱっとしないニュースばかりが伝わってくる。その最大の原因は、ヨーロッパの財政不安である。今夜NHKの「クローズアップ現代」で通常の30分を75分に延長した拡大版でも、専門家がヨーロッパの他にアメリカの不況も大きな要因に挙げていたが、その理由として金融機関の市場における機能しない機関投資家的行動を挙げていた。アメリカ連邦銀行(FRB)は資金を市場に供出しているが、それが企業や消費者まで行き渡らず、金融機関内に滞留していることが経済を活気づかせない原因と断定していた。ある外国人アナリストは、アメリカの銀行は投機家ではなく投資家にならなければいけないとコメントしていたくらいである。金融資本主義がだめになったと悲観的な見方もしていた。

 ヨーロッパではギリシャ経済が相変わらず不安材料であるが、ここへ来てイタリアの財務状況がいよいよ危なくなってきた。ギリシャ救済の際、ギリシャには認めた比較的緩い救済策をイタリアには適用しなかったからだとも言われている。その結果、イタリアには2月から4月へかけて総額で1000億ユーロの国債償還期限が来るという。日本円に換算すれば、10兆円を上回るくらいの規模である。これがヨーロッパ全体に影響を及ぼしたのか、ハンガリーの様子が一寸おかしくなってきた。現在ドイツとフランスの間では首脳会議が行われている。何とか効果的な対策を講じて乗り切ってほしいものである。

 さて、今日からラスベガスで家電製品の見本市が開かれている。かつては、ソニーやパナソニック等日本企業の独壇場だったが、大分様子が変わってきた。今年はテレビ市場で世界のシェアで1位と2位を占めているのは、サムスン、LGら韓国企業であり、ソニーも新型製品を発表しているが、外国記者の評判は従来の殻から抜け出ていないとあまり芳しくない。世界に冠たる技術力と販売力を誇った日本メーカーも、円高不況の中で落日を迎えてしまったようで何とも寂しい限りである。家電製品だけに限らず、今では車も韓国企業の追い上げが激しく、このままだと製造業はみんな韓国にやられてしまう。何とか日本企業も誇りと力を取り戻して欲しいものである。

 そんな中で嬉しいニュースは、今日チューリッヒで女子サッカー「なでしこ・ジャパン」の中心選手である澤穂稀選手が国際サッカー連盟(FIFA)の2011年度世界最優秀選手に選ばれたことである。佐々木則夫監督も女子チームの最優秀監督に選ばれた。日本人としてはもちろん、アジアでも世界一に選ばれた選手は初めてである。あまり明るいニュースがない中で、久しぶりにほっとする、元気をもたらすニュースである。天晴れである。

2012年1月10日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1701.2012年1月9日(月) 小松左京著「日本沈没」を探し歩く。

 今日は成人の日である。昔は成人の日と言えば、1月15日に決まっていた。それが1月の第2月曜日なんていう欧米スタイルに変わってからちょっとぴんと来なくなった。今年成人になった若者は全国で約122万人を数えるが、過去最少だという。少子高齢化現象がこんなところにも現れた。

 今年も全国で新成人を祝う催しが行われた。毎年のことだが、折角祝ってくれるのに各地で暴れまわるバカな若者が出没して困る。沖縄や広島では毎年決まって新成人がピカピカの正装を身につけ公衆の場で警官隊ともみ合っているが、大人になったのだからもう少し真っ当な自己主張をしたらどうかと思う。震災被災地の成人が割合素直に大人になるに当って、心構えや決意をしっかり述べているのに対して、ルールを破り暴力を揮う彼らの甘ちゃんぶりは度が過ぎる。私なんか20歳の成人式は、出席したくとも浪人2年目の受験間近で父から浪人3年は認めないとプレッシャーをかけられ、暢気にお祝い行事に出席している余裕なぞなかった。

 午後書籍を借りに近くの目黒区立八雲中央図書館に出かけたところ、併設しているパーシモン・ホール前は新成人が取り巻き、図書館に入りにくかったほどで、ここには華やいだ雰囲気が漲っていた。彼らの前途は洋々としているはずだが、相当な苦難も予想される。挫けずに未来を切り開いてほしいと願う。

 さて、図書館で借りようと思っていた書籍は、かつてのベストセラーである小松左京の「日本沈没」だ。同じ小松の「復活の日」は読んだが、小松の名を不滅にしたのは、むしろその前作「日本沈没」であり、東北大震災の翌日の韓国・中央日報紙が「日本沈没」と報道し被災者の気持ちを傷つけたとして物議を醸し、遅まきながら12月27日付同紙で反省・訂正公告を出したほど書名のネームバリューを利用された著名な書だ。先日日経紙「春秋」だったと思うが、トラック島が「日本沈没」に出てくると書かれてあったので、この機会に読んでみようと思った。

 ところが、小松左京が昨年亡くなり、また震災によるイメージのタイミングもあったのだろうか、その「日本沈没」が借り出されていて書棚に見つからない。図書館の係員に調べてもらったところ確かに借り出されていて、今でもウェイティング・リストに20人もの名がリストアップされていると聞いて、借りるのを止めた。その後東横線都立大学駅前の書店で同書を購入しようと思ったが店頭になく、自由が丘駅前の書店で尋ねてもなく、結局今日のところは引き上げることにした。

 実は、昨年末以来エッセイ「トラック島の日系大酋長が見せた大和魂と謎」を、もう少し膨らませてできれば単行本にして上梓したいと考え、内容を膨らませようとしている。トラック島についてももう少し情報を盛り込もうと考えている。佐々木信也さんからもう一度話を伺い、高橋ユニオンズ時代の試合の裏話などを聞きたいと思っている。更に森喜朗元総理にももう一度お会いして、父上の話を伺い、写真も拝借したいと考えている。アイザワ大酋長についても生前お付き合いのあった兼高かおるさんにももう一度会ってこぼれ話などを詳しく聞きたいし、フリッツ・ミクロネシア大使からも大酋長の家族関係についてもっと詳しく聞いてみたい。そしてできれば私自身30年ぶりになるだろうが、もう一度トラック島を訪れ、大酋長の肉親に会ってみたいとも考えている。何とか内容的にも面白く、楽しいドキュメントに仕上げてみたいというのが今年の抱負である。

 ところで、昨晩からNHK教育テレビで「日本人は何を考えてきたのか」と題する12回シリーズが始まった。第1回は「日本人はどこへ行くのか-福沢諭吉と中江兆民」だったが、大変興味深い内容と構成だった。福沢と中江のそれぞれ異なる民主主義へのアプローチ方法と日本の民主主義の過程を、専門家による分析で分り易く解説してくれた。考えるに福沢の「脱亜論」は、純粋に朝鮮の民主化について持論を披瀝し、持論を実行したのに運悪く誤解を呼ぶ結果になり、福沢にとっても忸怩たる思いであっただろう。福沢が官職に就かずしきりに言っていた「一身独立して一国独立す」に対して、国会議員になった中江の「文明に優劣はない」の言葉が印象に残っているが、中江兆民が晩年に語った「わが日本 古より今に至るまで哲学なし」の言葉は、今日の政治家の姿も映し出しているように思う。二人は同じ1901年に福沢66歳、中江54歳で世を去っている。中々の好企画であり、次週以降も期待したい。

2012年1月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com