1780.2012年3月28日(水) 呆れられている野田首相の外交センス

 NPO法人JAPAN NOW観光情報協会の理事会が開かれた。5月の総会に向けた2011年度予決算の報告及び承認である。12年度は役員が大幅に交代する。健康上の理由もあって、10年近く理事長の職にあった松尾道彦氏が退かれ、新たに副理事長の大島慎子さんが理事長に就かれ、事務局長も交代する。大島さんはこれまで筑波学院大学教授を務めていたが、4月1日付で学長に就任されるという。2代続いて国交省出身の理事長だったが、3代目理事長は航空会社出身の女性学長である。この点でもわがNPOも従来の方針を踏襲するだけでなく、新たな活動をアピールしていくチャンスでもある。

 なお、今まで割合豊かな財務状況だったが、団体会員の中には電力会社、建設会社、運輸会社が多く、震災の影響も受けている会社もあるので、これからは団体会費支出の面で厳しい点もあるのではないかと心配でもある。

 一旦理事会から帰宅して日本旅行作家協会月例会に出席する予定だったが、どうも気分的に今ひとつぱっとしないので、事務局へ電話して出席することをお断りした。迷惑をかけることになったが、健康に関わることなのでお許し願うより仕方がない。

 さて、昨日の本稿でも取り上げたが、野田首相のソウル開催の核セキュリティ・サミットへのスピード出張については、今朝の朝日社説でも早速厳しい指摘がなされた。「日本外交の不在を憂う」と厳しい目で取り上げられ、冒頭から「いやはや、ここまで日本外交の『不在』ぶりを目の当たりにすると、残念を通り越して空しくなる」と呆れられている。さらに「もともと、野田首相は核サミットの主人公のひとりになって当然のはずだ。日本はこれだけの原発事故を経験しているのだ。世界と共有すべき教訓も、ともに解決していくべき課題も山ほどある。北朝鮮のミサイルに対しては、最も切迫した脅威を受ける国ではないか。それなのに、首脳たちとひざ詰めで話し合う機会を、みすみす逃してしまった」と慨嘆している。朝日の主張する通り外交オンチも極まれりである。首相の外交センスも酷いが、ついて行った取り巻きも酷いものである。その側近のひとり、斉藤勁・官房副長官のセリフには開いた口が塞がらない。曰く「首相が出席したことを評価すべきだ」だと。上から下まで関係する政治家は、誰も彼もがみんな外交オンチなのだ。まったく空気が読めないようだ。これではわが国が諸外国から外交オンチの国として相手にされず、見放されても致し方ない。

 ばかばかしいようだが、首相が手抜き外交をやって消費税値上げ法案決定のため急遽帰国したお陰で、民主党は議論を打ち切って消費増税法修正案を了承することができた。だが、与野党間、党内、及び連立を組んでいる国民新党との間に不満の火種を残した。今後これが党内に大きな亀裂を残さなければ良いがと願う。

2012年3月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1779.2012年3月27日(火) どうにも日本のトップの動きが理解できない。

 消費税値上げで国会は与野党間、また民主党内で議論にならない議論が連日8日間に亘って繰り返されているがまったく前進せず、その他にもあまり明るい話題はない。防衛問題は、田中直樹・防衛大臣のお粗末な答弁と対応だけが格好の話題になっているが、沖縄の米軍基地移設問題もデッドロックに乗り上げてしまった。僅かに米海兵隊の沖縄からの移転問題が日米防衛担当部署の間で密かに話し合われているようだが、これには費用の上乗せばかり押し付けられている。日本の負担額がこれまで約2300億円だったが、アメリカの軍事費予算削減の影響を受け、1200億円程度が上積みされるらしい。また、日米防衛当局間では嘉手納基地以南の米軍基地内の施設返還を約束していたが、これも先延ばしされるらしい。安全保障上の問題とは言え、施設はそのまま帰されず、費用は水増しされるのを黙って認めるだけである。こういう相手国の言いなりになる外交交渉を何と呼ぶべきだろうか。

 あらゆる日本の外交はほとんど機能せず、今では韓国のスマートな外交に太刀打ちできないありさまである。昨日から第2回核セキュリティ・サミットが韓国のソウルで行われ、世界の首脳がソウルに集まっている。ホスト国の李明博・韓国大統領はアメリカのオバマ大統領や胡錦祷・中国国家主席らと会って北朝鮮の弾道ミサイル打ち上げに対する非難スピーチを行い、その存在感をアピールしている。李大統領の際立った訴求力に比べて、わが野田首相は消費税値上げの党内対策に追われて昨晩遅くやっとソウル入りする有様である。まったく影が薄いのだ。党内のわがままに引きずられて、首脳外交に遅刻とも受け取られかねない登場では、いくら正論を述べたところで参加国から評価されないし、世界へのアピールという点でも大分弱いのではないだろうか。午前中にサミット会議に出席して福島原発事故に関する反省と今後の対策を述べたとの報道はあったが、驚いたことに、その野田首相が今夕には、官邸で民主党幹部らと会議を行っている。サミットの共同声明が発表された時、首相はその場にいたのだろうか。もし、その前に失礼したとすれば、野田首相は日本の総理大臣として注目されるべき立場と責任があるということが分かっていないのではないだろうか。

 日本は唯一の被爆国として、また福島原発事故の収束対応を行っている最中にあり、わが国の立場はサミットで大いに注目されている。にも関わらず、お先に失礼とばかり帰国して、相変わらずにっちもさっちも行かない消費税値上げの取りまとめに全力を傾けている。少し緊張感が足りないのではないだろうか。私にはなぜかピントがずれているように思えてならない。残念ながら、これが今の日本の政治のトップのパフォーマンスであり、実態である。

2012年3月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1778.2012年3月26日(月) なぜ危険な原発について国家的、国民的議論を起こさないのか。

 昨深夜東京電力柏崎刈羽原発が定期検査のため停止され、わが国原発54基の内、稼動しているのはついに北海道電力泊原発3号機の1基だけになってしまった。これも5月には発電を停止して日本ではすべての原発が止まる。

 さて、わが国ではこれからこの原発問題に真剣に向き合ってどう対処しようとするのか。わが国にとって喉元に匕首を突き付けられたも同然である。これまでは、他のエネルギー装置の稼動と原発54基の稼動により日本国内で必要とされる電力需要は賄われていたと信じられていた。今その大半を占める原発が機能不全に陥り、経産省や電力会社ら再稼動派は何とか原発再稼動を考え、あの手この手の再開策を考えているようだ。その一方で、福島原発事故以後国民の間に原子力の危険性が広く理解されるようになり、その恐怖感に絶対原発再開反対を唱える人たちが賛成派との間で、激しい議論が闘わされるものと思われる。

 しかし、わが国では残念ながらこんな重要な問題が国を挙げて議論される空気が感じられない。わが国のような未成熟とも言われる民主主義国家では、重要課題について正面切った論争が行われず、時間だけが過ぎ、なし崩し的に前に倣えとばかり、いつの間にか先祖帰りしているケースが多い。実際菅前首相の脱原発発表に対してこれを支持する体制側の声は小さく、言論界の脱原発の声も次第に掻き消されていった。その一方で密かに原発再開、再稼動の動きが蠢きだしている。首相が交代するや野田首相の発言は「原発依存からの脱却」となり、ややトーンダウンしている。その背景には経産省、電力会社、御用学者らの原発稼動賛成派のすさまじい圧力がある。

 そこへ福島原発事故前に電力会社側が原子力科学者へ密かに、深謀遠慮をめぐらす工作を行っていた実態のひとつが炙り出された。全国で最多の原発を抱える福井県から依頼された原発の安全性を審議する福井県原子力安全専門委員会の12委員の内、何と5人が関連団体から何らかの寄付を受けていたというのである。これでは委員が原発は危険だという提言を言い出す筈がないではないか。ほとんどが国立大学の教授である委員らは、賄賂をもらっておきながら、自分たちは科学的根拠に基づいて研究を続けており、寄付などで考えが左右されることはないと白々しい弁解を述べているが、誰がそんな妄想を信じるものか。彼らが賄賂を受け取って原子力の安全性を強調して、やがて原発は稼動への路線を辿るのだ。こういう御用学者には良心のかけらも見られない。とても学者と呼ぶに値しない似非学者たちである。

 またお隣の韓国の原発でもトラブルが発生して稼動を停止した。数日前のトラブルに続いて2度目である。原発で事故を絶滅しようと努力しているのは分かるが、人間が行うことで絶対事故はないと言ったところで気休めでしかない。そのうちに他の国でももっと大きな事故が起きないとも限らない。

 福島第一原発の2号機の格納容器内の水が大分減っていたとのニュースが今日伝えられた。また、汚染処理水が海へ流れ出ているとの報道もあった。使い物にならないので廃炉にしようとしている福島原発で後から後から心配の種が出てくるのである。すでに決定した福島原発の廃炉だってこの先どれほど時間と費用がかかり、いつ片がつくのか分からない。やはりこんな人類を破滅に導くような危ない装置は、廃棄するしかないのではないだろうか。

2012年3月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1777.2012年3月25日(日) 民主党の停滞、対立、自滅と分裂

 消費税値上げは民主党内において大筋で決まっているが、それでも党内には値上げはマニフェストに反するとの声が根強く、反対を唱える小沢一郎元代表らのグループや、条件付容認グループなどがあり政策実行は遅々として進まず、政治の停滞が指摘されて久しい。消費税一件だけでもこんな有様だから、多くの難問を抱えて政治停滞状況は一向に解消されず、民主党政治の劣化ぶりは目を覆うばかりでとても見ていられない。沖縄米軍普天間基地移設、沖縄駐留米海兵隊移転、環太平洋経済連携協定(TPP)、震災復旧、北朝鮮弾道ミサイル発射、税と年金の一体改革、AIJ投資顧問会社の年金消失、原発停止と原発再稼動、東電電気料金値上げ等々、難題が目白押しであるが、民主党政権としては一向に打開の道が見つけられず、昨日は野田首相が消費税値上げについて政治生命を賭けてやるとまで言い出す始末である。増税のための条件をつける、つけないという党内派閥間の未調整で、安易に生命を賭けるような馬鹿な発言はしないでもらいたい。

 どうも民主党内には、異分子が多すぎる。今更ではあるが、民主党員には勉強不足のうえに政治家としての志と心構えに欠けるところが多すぎるのではないか。現在も険悪になりつつある中国との友好関係を改善する意向の下に民主党幹部が北京入りしたが、意見を異にするグループが別々に訪中して国際的恥さらしを演じて呆れられている。次期国家主席就任が予定されている習近平・副主席を、あるまいことか輿石東・幹事長と鳩山由紀夫・元首相が別々に訪れ、1時間の時差をつけて各50分間会談するという茶番を演じているのである。中国側も「同じ党内なのになぜ調整しないのか」と流石に困惑の体である。党内調整もできず、外国に呆れられているのが、今の民主党である。党の代表団が外国の要人に会うことですら党内を一本化できないようでは、もう民主党は駄目かも知れない。これだから日本の政治が一向に前へ進まないわけだ。

 この間隙を縫って新興勢力の大阪維新の会が大きく勢力を広げつつある。異論もあるが、何と言っても野田首相と違い、橋下徹・大阪市長のリーダーシップがしっかり確立され、政治団体として政策目標がしっかりしている。乱暴な自己主張が強く少々やり過ぎの感があるが、本音をズバッと主張するところが、現今の国会政治のだらしなさに引き比べて大衆受けしているようだ。

 昨日は大阪維新の会が主宰する「維新政治塾」が開講したが、国内外から2千余名が参加した。橋下氏は衆議院解散と次期衆議院選へ向けていよいよアクセルを踏んだようだ。これも国政が劣化して前へ進まず、しびれを切らした国民の声が集約された結果だと思う。過去に名を成した政治家の中で、橋下氏が敬意を払っているのは、発言力が強く、リーダーシップを発揮した政治家であり、中でも個性の強い石原慎太郎、小沢一郎、小泉純一郎氏らだそうである。何となく分かる気がする。

 日本の政治を日本人が誇りに思えるようになるには、相当時間がかかるようだし、下手をするとそんな可能性すらないかもしれない。寂しいことである。

 さて、2年ぶりに大阪で開催された大相撲春場所が今日千秋楽を迎えた。久しぶりに充実した相撲が行われ、優勝決定戦の末横綱白鵬が逆転で22度目の優勝を飾った。昨年はスキャンダル続きで相撲界も苦難の道を歩んだが、今場所勢いを取り戻した相撲人気を今後同じようなトラブルで挫折させないよう、相撲界を挙げて努力することが大切である。

 大阪の春場所と言えば、懐かしい思い出がある。京都の中学校を卒業した昭和29年3月に優勝がかかった大阪府立体育館で千秋楽を観た。大関三根山が優勝してその三根山に握手してもらい浮かれて、そのまま優勝パレードについて回った。今思えば、あまりにも無邪気で幼稚な行動だったが懐かしい。あれから58年が経つ。

2012年3月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1776.2012年3月24日(土) 湘南高校歴史館で初代ラグビー部OB会長を偲ぶ会

 母校湘南高校ラグビー部を創部し、初代ラグビー部監督、且つ初代OB会長を務め、今日神奈川県内ラグビー界で母校がそれなりの存在感と影響力を持つラグビー部たらしめた功労者だった岩田明さんが、昨年夏亡くなられた。今日午後先月開館した「湘南高校歴史館」のラグビー部OB・OGへのお披露目も兼ねて、同館内で「岩田明さんを偲ぶ会」が催された。関係者約60名が相集い、スライドを観ながら岩田さんの功績を偲び、心からご冥福をお祈りした。その後近くの中華料理店で懇親会を開催し、第2代OB会長として冒頭に献杯の発声と挨拶を務めた。

 私が岩田さんからOB会長を引き継いだのは、2001年元旦だった。その前年秋思いがけず岩田さんから電話をもらい、自分は翌年元旦開催のOB総会で会長を退くので、その後任を引き受けて欲しい、すでに主なOBには話をつけてあるから会長を頼むと言われた。あまりにも突然の命令にしばし時間の猶予をいただくことにして、その暮れに出かけたカナダの旅行先から承諾の葉書を送ったことを思い出す。後になって岩田さんからラグビー部も国際的になったものだと冷やかされた。

 実は、元旦開催のOB総会で会長職を継ぐセレモニーを行うことになっていたが、その当日になって校内の石段で、しかも正に私の目の前で主役の岩田さんがけ躓いてその石段から転げ落ち、重傷を負うハプニングが発生してしまった。私が咄嗟に携帯電話で救急車を呼ぶ騒ぎとなった。岩田会長はそのまま救急病院へ搬送され、前会長抜きの異例の引継ぎセレモニーとなってしまった。とにかく岩田さんの往くところいずこも話題が溢れていたような印象がある。

 今日の偲ぶ会でもそれぞれOBの思い出話を聞いていると、やはり型破りの話ばかりで岩田さんは個性的な方だったなとつくづく痛感する。あれだけの唯我独尊的行動も、あの時代だからこそできたことなのかも知れない。晩年は岩田さんと若干行き違いがあって、信頼された会長就任時に比べると必ずしも意思の疎通が良かったとは言えなかったが、それでもラグビーを通して「前進」「情熱」「実行」「ファイト」などを身体全体で教えてくれた人だった。黄泉の国へ旅立たれた今になってみると、何とも言えず懐かしい気持ちを抱かせる方である。心よりご冥福をお祈りしたい。

 今日は前顧問の芹澤栄先生、先輩の渡辺誠さん、同期の大島泰毅君、後輩の井出川洋君、鈴木敦雄君、新婚の和田典子さんらにも久しぶりに会えて楽しかった。

2012年3月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1775.2012年3月23日(金) 大飯原発は再稼動への道を歩むのか。

 今朝食事中、先日お会いした出版ニュース社・清田義昭社長から、次号の出版総合誌「出版ニュース」に福島原発事故独立検証委員会が発行したばかりの「調査・検証報告書」について書評を書いて欲しいと電話で依頼があった。400字詰め原稿用紙で6枚、28日が締め切りとのことだった。旬刊誌「出版ニュース」はプロの出版関係者を対象にした権威ある雑誌なので、気持ちはそそられたが、あまりにも時間が足りない。同報告書は私自身まだ冒頭の北澤宏一委員長のメッセージしか目を通しておらず、今から400頁の専門文書を読み通す時間がなく残念ながら辞退させていただいた。

 同報告書については、専門的にして技術的な問題点が当事者へのインタビューによって明らかにされていると言われているが、まだ読んでいないので直感的に言えば、委員長のメッセージの中に大まかな問題点はすべて包含されているように思う。

 午後になって再び清田社長から電話をいただき、今度は清田社長から先日私がお願いした件について回答をいただいた。1週間前ベオグラードの山崎洋さんから、彼が以前故田中一生氏と共訳したセルビアの抒情詩人ニェゴシュの「山の花環」の翻訳書を、できれば文庫本で発行したいので、どこか出版社にコネがないかと訊ねられて清田社長にとっかかりとルートについてお願いした。

 改めて「山の花環」について教えられた。これはかなり大部な作品で文庫本に収めるのは難しいのではないかということと、清田社長がセルビアに詳しい知り合いの学者に尋ねてくれた限りでは、作品自体は中々素晴らしいので発行する価値があるとの回答をいただいた。早速ベオグラードの山崎さんに感想をメール送信して返事を待つことにした。

 さて、経産省原子力安全・保安院が妥当とした福井県大飯原発3、4号機のストレステストの結果を今日原子力安全委員会は了承した。尤も同委員会の斑目春樹委員長は必ずしも安全とはみなしておらず、一次評価だけでは安全性の評価は不十分として、二次評価の確実な実施を求めた。一方安全性を総合的に判断し、GOとなれば地元に再稼動への理解を求め、更にOKとなればいよいよ再稼動となる。果たして再稼動となるのかどうか、まだ問題点が山積しているが、水面下で再稼動派と脱原発派の熾烈な綱引きが始まるのだろう。今日の判断によって、原発再稼動派が力を得て再稼動への動きが進むと、いずれ将来再び想定外のトラブルにぶち当たることは目に見えている。そうならないことを願わずにはいられない。「絶対安全」ということは絶対あり得ないのだから。

2012年3月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1774.2012年3月22日(木) 石原都知事の放言と東京都予算案

 昨日都立の首都大学東京で卒業式が行われ、来賓として出席した石原慎太郎都知事が、祝辞の中で言わなくても良さそうな余計な言葉を発したようだ。私にとって高校の先輩である石原都知事の失言と放言にはこれまで度々面食らったことがあるが、今回もどれだけ本音を述べたのか。都知事は自分の信念として持論を述べたようだが、卒業生に対して中国を「シナ」と呼ばなけりゃだめだなんて子どもではあるまいに、公のお祝いの席で敢えて言うべき言葉だろうか。確かに‘CHINA’はフランス語流に発音すれば、チーナ、或いはシーナである。だが、この言葉は「支那」と呼ばれた戦時中に日本軍が中国へ侵略した歴史から中国人にはあまり良いイメージでは受けとられておらず、相手の中国人が嫌がる言葉を敢えてその中国人に対してぶつけるのは非礼であるし、大人の対応ではないと考えるが、作家でもある都知事はどう考えておられるのだろうか。

 先日の河村たかし・名古屋市長が姉妹提携都市・南京市から来られた南京市の要人らに対する「南京虐殺事件はなかったのではないか」との軽率な発言にしても、残念ながら名古屋と南京両市の友好関係が損なわれ、今年日中国交回復40周年の記念行事も一部には中止されることになってしまった。トップ自らがこれまで築いてきた友好関係をいとも簡単にぶち壊しているのである。

 石原都知事にせよ、河村名古屋市長にせよ、自分の考えとして持論を堅持しているのを詮索することはないが、影響力のある自治体のトップとして自分の考えが正しいかのような、押し付けがましい非礼な発言は自重すべきであるし、誤解されて受け取られないようその発言は慎重であるべきである。

 やや軽率の謗りを免れない両氏には、いつもながら周囲への影響を慮る配慮が少々足りなさ過ぎると思う。

 さて、その石原都知事の平成24年度東京都予算案が記載された「都議会自民党活動リポート」が配布された。

 自分が住んでいる東京都の予算について、実際には普段あまり関心を持つことはないが、よくよく目を通してみるとあまりにも巨額なその予算額に改めて驚く。一般会計が6兆1490億円で、総額は特別会計と公営企業会計(この意味するところがまったく分からない)を加えると、何と11兆7742兆円に達するという。ノルウェーの今年度の予算が12.2兆円、インドネシアが12.3兆円とほぼ同じというのだから、東京都の予算規模がいかに桁外れであるかが分かろうというものである。

 それでも東京都は恵まれている方だろう。国が借金漬けになって税収が支出の半分にも達しない苦しい状態の中で、東京都は都税だけで支出の約2/3を賄っている。これなら予算編成の苦労はあまりないのではないか。2回も続けてオリンピック開催地として立候補することができるわけである。開催地立候補から降りた苦しい財務状況のローマ市に引き比べてみると東京都の豊かな懐具合が分かる。こんなところからも石原都知事の傍若無人で傲慢な態度が現れてくるのだろうか。

2012年3月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1773.2012年3月21日(水) 原発再稼動の動きに警戒警報!

 福島第一原発の事故以来、原発再稼動か脱原発か、の議論が喧しい。今のところ野田政権は脱原発依存の方針を示しているが、どこまで本気なのか疑わしいと思っていたところ、一昨日の朝日夕刊が第一面の「核燃料サイクル認可進む」と題する記事で核燃料サイクルに関わる事業にゴーサインが出されていることを明らかにした。メディアが暴露しなければ分からない。これには一瞬国にだまされたような気持ちになった。

 しかもOKのサインを出したのが、4月に原子力規制庁が発足するのに伴って組織が廃止されることに決まっている、経産省原子力安全・保安院だというのだからふざけている。即ち15日保安院は電源開発の青森県大間原発建設工事に関わる変更計画申請について、技術上の基準に適合しているとして認可したのである。これでは朝日も指摘しているように完全に「駆け込み認可」ではないか。

 さらに記事内容をよく読んでみると、これは東日本大震災によって工事がストップしていたが、ウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料を100%使用する世界で最初の原発で、核燃料サイクルに関わる中核施設のひとつでもある。実は、保安院は先月にも日本原燃のウラン加工施設の遠心分離機の設置を認可している。

 今最も注目されているのは、青森県六ヶ所村の日本原燃が進める国内初のMOX燃料火口工場の建設申請が認可されるかどうかであり、仮に認可されればMOX燃料の加工や検査、貯蔵に関する工事が着手できることになる。これもすでに昨年2月申請が出されたが、震災の影響を受けて審査が遅れているものだ。

 現在核燃料サイクルについては、これまで通り原子力政策の柱に位置づけるべきかどうかを国の原子力委員会が議論している最中である。こんな時期に安全性が完全に担保されていないのに、なぜ先を急いで申請を認可しようとするのか。メディアが報道し、国民が騒ぐと自分たちの思い通りにならないと考える原発推進派グループがこっそり動いて、駆け込み認可を策しているとしか考えられない。元々推進派だった保安院が、組織の解散前に手を打って自分たちの意思を強引に押し通したのだろう。国民に真実を明かさず、秘密裏にことを進める。柏崎・刈羽原発の放射能漏れ、原型炉「もんじゅ」事故、東電福島第一原発事故など最近の大きな事故を考えると、原発再稼動は国民の理解を中々得にくい。ましてやリサイクルとは言え使用済み核燃料の処理を行う施設を認めるということは、いずれ使用済みの廃棄物を排出する原発の稼動を容認するということである。これはそう簡単に認めるわけにはいかない。

 それにしても菅前首相の脱原発宣言、それに引きづられるような野田首相の脱原発依存の方針、ところがそれらから別の軌道を歩むような、一部の利己主義的政治家、したたかな経産省、原子力村の学者、利益本位の電力会社、景気浮揚だけを考える経団連らの中には、政治的画策と陰湿な交付金のばらまきによって、国民の目を避けるようにして巧妙に原発容認へ世論を持っていこうとする一部の勢力がいる。われわれ国民はよほど注意を払い油断ならない彼らの動きをしっかり監視しなければならないと思う。

2012年3月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1772.2012年3月20日(火) 歴史的遺産や行事を広角度で見てみよう。

 今日はお彼岸のお中日である。恐らく一昨日の日曜日以上にお墓参りに行く人々が多かったのではないだろうか。小学校を卒業したばかりの孫に一昨日お彼岸について話をした。昼と夜の時間が同じになることに興味を示してくれた。

 実は日本の初等教育では宇宙、天体、歴史上の暦やしきたりなどについてあまり実務的に教えることがないような気がする。これまで文科省の教員海外教育視察団にお伴した経験から考えられることは、アメリカではどの小学校の図書館にも月刊誌「NATIONAL GEOGRAPHIC」を取り揃えて、子どもたちに自然とか、宇宙について分かりやすく教えていたように思われることである。

 その結果はどうなっているか。最近私自身各地で講師を務める機会が多いが、教育機関の受講生でも「地球が誕生してから46億年」とか、「地球一周の距離は4万km」を即答できる人は極めて数少ない。アメリカでは小学生でも知っているような地勢学の基礎知識である。

 お彼岸について薀蓄を傾けるなら、世界遺産の講義の中でしばしば紹介するのは、アスワン・ダム近くのアブ・シンベル神殿の岩屋の奥に鎮座するラムゼス王の顔面には、お彼岸のお中日に正面から太陽光線が当たる仕掛けになっていることである。また、メキシコのユカタン半島にあるチチェン・イッツァの祭壇の正面の階段の右側手すりには、お彼岸の決まった時刻になると大蛇の影が現れ、上段から下段へ向かって天から蛇が下ってくるように見える。これも古代人が宗教的な暗示から考え出した仕組みであるが、彼らの知恵には驚かされる。

こういう不思議で人智を尽くした工夫が地球上にはたくさんある。現地へ行かないとあまり関心を呼ばないかも知れないが、お彼岸の時ぐらい古代人の知恵について考えてみるのも悪くないと思う。

 一般にこういう文化的な価値のある遺産の名前を広く知らしめるばかりでなく、その歴史、文化、伝統、風俗などを絡ませた価値というものを日本の教育でももっと啓蒙した方が良いのではないかと思う。

 さて、今日午後銀座のナイトクラブで催された慶応‘KBRタンゴ・アンサンブルOB’のプチ・コンサートに、ゼミの利光さんご夫妻と島田さんご夫妻からお誘いを受け、妻ともども鑑賞に出かけた。クラブなんてもう長い間行ったことはないが、今日は妖しいムードもなく貸切の真面目なコンサートなので女性客も多かった。40名程度のお客も楽しいタンゴ演奏を楽しんでおられたようだった。たまにはこういう催しも楽しいものだ。

2012年3月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com

1771.2012年3月19日(月) 社民党の凋落ぶりが情けない。

 もう長い間社会民主党の低迷ぶりを情けない思いで見守ってきた。党勢の落ち込みが甚だしく、党員数は全盛期の13万人から今や2万人のレベルにまで凋落した。更に深刻なのは、国会議員数も今やたったの10人となった。国政の場でも影が薄いのだ。かつて最盛期には200人近い議員がいたことを考えると、ここまで議員数が落ち込んだのは、時代背景もあると思うが、やはり党として国民に支持される活動を怠ってきたからだと考えざるを得ない。

 翻って社民党は、これまで支持基盤だった労働者層や学生層に今どれだけの支持者がいるだろうか。ほとんど何もやっていないので、支持者がそんなにいるとは思えない。毅然としてリーダーシップを取り、国民と党を引っ張っていけるリーダーが党内にどれほどいるだろうか。これもノーである。最大の問題は党内に活力がないことである。戦後社民党(前身の社会党を含めて)が伸展してきた背景には、その支持母体だった第一線の官公労、現場で働く鉄鋼ら大手企業の労働者、国鉄労働者、炭鉱労働者ら、及び学生らの強いサポートがあった。

 組合運動の旗を振っていた社民党が、とどのつまり旗を振らなくなったのだ。戦後日本の労働運動を理論的にリードしていた進歩的学者、大内兵衛氏や向坂逸郎氏らのようなカリスマ的な理論家がいなくなった点も組合運動を減退させた要因のひとつである。総評のように強力だった労働運動総本山が旧連合と合併して、新たに発足した連合が社民党を見限り保守路線へ舵を切ったことも凋落の大きな原因と考えられる。そして新連合は与党民主党の支持団体へ鞍替えしてしまった。強力なシンパだった国労、動労、炭労、炭労は、社民党のシンパとはなり得なくなった。

 確かに今ではかつての国鉄は解散してJRとなり、かつての国労や動労のようなスト権も辞さない強力な組合運動に支えられていた時代は遥か昔のことになってしまった。今では分社化されたJRは、社民党支持者ではなくなった。社民党の支持母体はみな「自然没落」してしまったのである。そんな時新しい風を吹き込むべきリーダーがいなかったことが党の発展にブレーキをかけてしまった。

 労働者の待遇が向上するにつれ、労働運動の低下はある程度予測できたはずである。なぜ学生団体へ呼びかけて学労一体となった労働運動発展の道を探らなかったのだろうか。労働者と学生へ目を向けていると言っていた社民党ではあるが、あまりにも対応が甘い。これでは何もやらなかったのと変わらない。

 連合の力の衰えに比例するように学生運動も完全に勢いを殺がれた。学生のエネルギーの衰えは、基本的に学生自身に問題があるが、社民党のエネルギーの減退とも深い関連がある。

2012年3月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com