近藤節夫の《ブログ》


充実したホームページに仕上げていこうと、毎日目を凝らしながら書いております。本欄には、出来るだけポジティブな意見や、気軽な独言、時には戯言を書込んで、自分の気持ちを表しながら楽しく読んでいただけるよう心がけたいと思っております。意見の主張というより、感じたままを日記風に書き綴って参ります。身勝手な意見や、独断的な表現も見られると存じますが、どうぞご賢察下さいますようお願い致します。皆さまの忌憚のないご意見をお寄せいただければ有難く存じます。
1174.7月31日(土) スイス「氷河特急」転覆事故原因
1週間前スイスで「氷河特急」が横転転覆して日本人観光客が死亡したが、昨日事故調査局が事故原因は運転士の速度制限超過と断定した。それまで日本の専門家あたりが気候の寒暖差によるレール損傷とか、車輪のせり上がりとか、道床の弛みとか、いろいろ言っていたが、何のことはない。単純なスピード違反だったわけである。
しかし、どうも納得がいかない気がする。本当にスピード違反だけが原因だろうか疑念がある。というのは、鉄道会社としては鉄道、及び施設の整備不良が原因だとなると会社全体が責任を負い、完全な復旧工事を終えるまで運行許可が出ない。最高の稼ぎ時に長期間の運行休止は絶対に避けたいところである。一人の運転士の責任として処分してしまえば、後に残らない。さらにスピード違反との根拠に、あまりにも運転状況の詳細な原因を発表したのはでき過ぎと思われても致し方がない。
制限速度が時速35kmのカーブ区間から55 kmの直線区間へ入った時点で加速したため、まだ最後尾の1両前の車両が35km区間にあるにも拘わらず55 km区間のスピードで走行して最後尾車両が脱線したと分析したのである。このピーク・シーズンに稼がなければとの想いは、事故調査結果を発表する前にすでに平常運転をしていたことでも分る。
本当のところは分らないが、天下の「氷河特急」にしては先を急ぎ、事故調査は杜撰で作為的な匂いを感じる。
さて、昨日東京・足立区の住宅で戸籍上111歳の男性のミイラ化した遺体が見つかった。ミステリアスなことにこの人は、すでに30年前ごろに亡くなっていたと見られている。もし生きていれば東京都内で男性最高年齢者だった。この間年金はきちんともらっていた。しかも、足立区の高齢者お祝い金には申請書まで提出してちゃっかりいただいていた。難しい問題をはらんでいるだろうが、年金をいただいていた家族の責任はどうなるのか。行政は年金を出すわけだから、しっかりチェックできなかったものだろうか。罪人扱いされて幻の最高齢者は、あの世で恨んでいるのではないだろうか。
それにしても世知辛い世の中になったものだ。
1173.7月30日(金) 臨時国会召集、西岡武夫氏参議院議長に
毎日暑い日が続いているが、このところ朝のテレビ番組は決まったように熱中症対策を解説している。
この暑い中を昨日お隣の日夏さんが引っ越して行かれた。4年ほど居住しておられたが、昨日挨拶代わりに拙著「停年オヤジの海外武者修行」と共著「知の現場」を差し上げようと持参して立ち話をした時、先日亡くなられた「知的生産の技術研究会」名誉顧問・梅棹忠夫先生についていろいろ話し合った。日夏さんも梅棹先生に傾倒されておられると伺ってちょっと嬉しい気持ちになった。「知研」から機関誌「知研フォーラム」へ梅棹先生に関する文を寄せてもらいたいと連絡があったので、書いてみようかと考えている。ただ、梅棹学については民俗学でも特異な研究であり、あまりにも奥が深くボリュームも多く、とても手に負えない。そこで、梅棹先生も強く影響を受けたという登山について書いてみようと思っている。
さて、日夏さんが去って、この後オーナーの西本さんが入居される。西本さんは3月にJETROニューヨーク支店から帰任されたが、現在岐阜所長をなさっている。子どもさんの学校関係の都合でしばらくしてから入居されると言っておられた。子どもの時分転居の多かった自分自身の体験を振り返っても、転居は大変だとつくづく思う。
参院選を受けて今日から臨時国会が召集された。多くの新人議員も登院したが、柔道の谷亮子さんも元気に初登院された。ロンドン・オリンピックで金メダルを狙うには、国会議員兼職は荷が重いのではないかと心配する。
参議院は野党が多数を占めてねじれ現象である。これから与党・民主党は国会運営に相当苦労されるのではないか。参議院議長に民主党の西岡武夫氏が、副議長に自民党の尾辻秀久氏が選出された。過去と異なり自民党は議長を野党から選出すべきと主張していたが、結局折れて議長は第一党の民主党から選出することに決まった。流石に慣例を覆すような主張は他の野党からも同意を得られなかった。
新議長になった西岡氏は変節の人で、個性的でアクの強い議員である。過去に自民党政調会長や文部大臣を歴任したが、パフォーマンスばかり目立っていた典型的な世襲議員であり、かつて新自由クラブ幹事長を務めていた頃には、母親が国会までしゃしゃり出て代表だった河野洋平氏に文句をつけていたほどマザコンでもあった。長崎の地元民の間ではまったく人望がなく、その後衆院選で敗れ、長崎県知事選に敗れて苦労したようだ。74歳にして少しは人間的に成長しただろうか。
それにしても良識の府・参議院の議長としての識見・力量には疑問符がつく。
1172.7月29日(木) 分かりにくい年金申請書類
数年前年金問題が大きな社会問題となり、社会保険庁の杜撰な事務処理と台帳の改ざんがその原因であると指摘され、世の非難を浴びたのはまだ記憶に新しい。その当時年金問題を国会で徹底的に追及したのが、現在の厚生労働大臣・長妻昭氏だった。今度は立場が変わり厚労相就任直後に、行方が分らない年金受給資格者を徹底的に探す努力をすると国民に約束した。社会保険庁の過去の不真面目な業務の有様が次々と明るみに出て不信感が極度に達し、ついに昨年社会保険庁は解体され、新たに日本年金機構として再出発した。だが、まだまだだなぁと感じた。
今月10日に妻が65歳となり、年金受給者の資格を得た。間もなく申請書類が送付されてきた。申請者である妻が書き込み方が分らないというので、7年前に同じ手続きを行った経験から申請書類をチェックしたが、確かに分かりにくい。今日を含めて日本年金機構「ねんきんダイヤル」へ電話した回数が実に3度である。親切に教えてはくれるが、やはり分かりにくい。
なぜこれほど分かりにくいのか考えてみた。申請書類とともに多くの添付書類を提出するのだが、その説明が複雑で多すぎて、その結果説明が充分行き届かず分らなくなることである。例えば、要求される提出資料が多すぎるうえに、その提出資料がすべて説明書に明記されているわけではないのだ。
妻のケースだと、住民票、戸籍謄本、振込銀行の残高証明書、課税証明書、年金手帳のコピー等々と提出書類が多い。しかも、まとめてこれらの書類を教えてくれるなら良いが、そうではなく必要だと説明書にも書かれていない。後になってその書類は必要だと要求されると、再びその書類を受け取りに行かなければならない。
今日は、「ねんきんダイヤル」に電話で確認して申請者の課税証明書が必要だとの説明を受けた。銀行の貸金庫に保管してある申請者の夫、つまり私の年金証明書から年金コードを書類に書き写すことになった(先日貸金庫にある年金手帳の年金番号を書き込んだばかりである)。その後区役所支所で課税証明書を受領して、帰宅したら「ねんきんダイヤル」から電話があり、私への説明が気になったのでと言いながら、改めて妻の年金手帳のコピーが必要と言うのである。こうなるとまた貸金庫へ行かなければならない。
果たして7年前はどうだったか。はっきり思い出せないが、これほど複雑なことはなかったのではないかと思う。これでは大抵の人は申請書を書くのが億劫になってしまうのではないかと心配である。
どうして、これほど年金申請手続きが複雑怪奇になってしまったのだろうか。確認する項目や内容が多いのは理解できる。こんな状態だから、未だに5千万件も不明になっていると聞いても、やっぱりそうかとつい納得してしまう。新しい年金機構では現実に即したシステムを導入した筈であるが、これでは前途遼遠だ。やれやれである。
1171.7月28日(水) 死刑制度は議論を提供するか。
今朝死刑囚2人の死刑が執行された。昨年7月以来1年ぶりである。今回の処刑は何もかも異例である。
千葉景子法務大臣が、法相として初めて執行に立ち会ったことにまず驚いた。法相は先日の参院選で現職ながら落選して、現在では民間人である。そのうえ元々法相は、死刑廃止議員連盟のメンバーで、心情的には死刑執行に反対の立場にあった筈である。当然ながらいくつかの疑問が呈されている。興奮したある議員の如きは、部屋の中で冷房と暖房を同時に使用しているようなものだと気炎を上げている。
記者会見でも、報道番組でも質問者が、選挙に落ちて暫定的?大臣が、まもなく辞める前に、執行命令を出したのは問題であると尋ねたり、また仙石官房長官にしても期限前だから問題はないと答えたり、些かピントがずれており、党内外でもトンチンカンな議論が出て喧々諤々である。実は、法相は参議院議員としての議員期間が切れる今月25日の前日に命令書に署名していた。これに対して駆け込みという声が一部にある。これもナンセンスである。
法相は法務省内に勉強会を立ち上げ、死刑制度の存廃を含めたあり方を検討したい意向を持っている。だが、それならもう少し時間をかけて執行と勉強会は別途に考えるべきではなかったかという気がする。それにしてもこの件に関して、暫定的な大臣とか、議員でもない大臣が云々との発言が聞かれたし、仙石氏のように、大臣かつ議員としての正当な権限行使のような発言があったが、まったく不勉強であり、憲法をよく知らないのではないか。
憲法第68条には、国務大臣の過半数は国会議員でなければならないと条文に書かれている。つまり半数近くは民間人でも良いし、現実にこれまで民間人で大臣を務めた人は、数えられないほどいる。直近では、増田寛也・元総務相や竹中平蔵・元金融担当相がそうだった。その点では、落選した千葉法相がそのまま大臣の職に就いているのは決して異例でもおかしいことでもない。だからこの点で法相の資格や、行為を糾弾するのはおかしい。
大臣職にいることがおかしいと詮索するより、死刑制度を真正面から捉えて議論すべきではないか。その点では、駆け込み執行の印象を与えた今回の処刑は、被害者の遺族の気持ちは理解できるが、些か性急に過ぎたのではないだろうか。
1170.7月27日(火) 堺利彦の孫・近藤千浪さんの死
去る6月11日、片山正彦さんの「ここに記者あり!」(岩波書店刊)出版記念会に出席した。その際入れ替わり立ち代り片山さんや、主人公?の「記者」村岡博人氏に縁深い人が挨拶されたが、その中に近藤千浪さんがおられた。
今日片山さんから出版記念会の時のスナップ写真を送っていただいたが、添えられた手紙に近藤さんがその直後にガンで亡くなられたと記されていた。片山さんと近藤さんとの出版記念会前後に交わされたメールやりとりのコピーも添えてあった。近藤さんと村岡氏の写真も同封されていたが、一瞥してどういう意図かあまりよく分らなかったが、片山さんの手紙を読んで納得した。
寡聞にして知らなかったが、この近藤さんの祖父が社会主義者・堺利彦だったとは驚いた。「万朝報」の記者でもあった堺の著書は、学生時代に断片的にしか読まなかったが、社会主義運動同志の幸徳秋水、片山潜、山川均、荒畑寒村、河上肇らの著書は随分読み込んだので、堺が別の世界の人間のような気がしなかった。
ノンフィクション作家・鎌田慧氏のコラムによると近藤さんの母、つまり堺の娘の近藤真柄さんは市川房枝と日本婦人有権者同盟の運動をした人だという。父親の近藤憲二氏は、大杉栄と伊藤野枝の遺児を育てた人だった。そろって社会主義と博愛主義に貫かれていた家族である。今にして思うと近藤さんと少しでも話をしなかったのは惜しかった。享年68歳だった。
それにしてもわざわざ手紙に添えて写真まで送ってくれるとは、片山さんは親切な方である。おかげで久しぶりに今年百周年を迎えた大逆事件以降の明治・大正期の社会主義運動を思い出した。
今日午後記者会見で衆議院議員・辻元清美氏が社民党を離党したと発表した。いつもパフォーマンスが目立つ人だが、理由は釈然としない。小党での限界みたいなことを言っているが、それならもっと不利な立場の無所属になって、これからどうやって自己主張をやり国民の期待に応えようというのか。今回もパフォーマンスばかりが目立って、この人は言わんとしていることがよく分らない。
敢えて弱い人たちのために闘うときれいごとを言っているが、かつて「ワーク・シェアリング」を悪用して議員秘書給与流用事件を犯して議員を辞職したような人に本当にできるのか? ある新聞には、「辻元氏民主党へ」と書かれていた。民主党からの三顧の礼を待っているのはミエミエである。辻元氏にはどうも大義が見られない。こういう器の小さい人間でも政治家集団の中では、それなりの存在感を示せるというのがまたシャクに触る。
1169.7月26日(月) ポル・ポト政権虐殺事件に判決
僅か4年のポル・ポト政権時代に約170万人の国民が虐殺された。すでにポル・ポト将軍は1998年に亡くなっているが、彼が残した負の遺産は大きい。
今日プノンペンで事件当時虐殺に関わった元収容所所長に対する裁判が開かれ、懲役35年の刑が下された。こんな一介の裁判で納得するほど国民の気持ちは穏やかではない。何せ国民の四分の一がひとつの政権、ひとりの独裁者によってこの世から抹殺されてしまったのである。ちょうどベトナム戦争が終末に近づいていたので、世界的な関心がこの事件に強く及ばなかったことも不幸だった。
なぜ自国の国民を国の最高責任者で、当時クメール・ルージュ(赤いクメール)書記長だったポル・ポト将軍が残虐にも殺したのか、今もなお謎に包まれている。
ポル・ポトは共産主義者ではあったが、彼は真の革命、そして平等な共産社会を作り上げるまでには相当な時間がかかると考えていた。そんなに待てないと考えた彼は、そのためには私有権を主張する家族制度を打破する必要があると信じきり、親を殺した。生まれたこどもは親と生き別れさせられ、家族の破壊を続けたということになっている。随分無茶な理屈であるが、共産主義が目指す財産の共有とか、私有財産の禁止が行過ぎると、独裁者の思うままになってしまう。スターリン、毛沢東、金正日らの半生に見るまでもなく、結局国民には私有財産を禁じ国民には我慢を強いていながら、自分だけは巨額の財産に囲まれ、思いのままに権力を行使していた。
ポル・ポト事件の真実は今もってあまり伝わっていない。これだけの人間をいとも容易く葬り去った罪状を暴き、検証することもそろそろ必要ではないだろうか。その過程で共産主義の本性も検証する必要がある。今の中国は共産主義を標榜しているが、果たしてカール・マルクスが初めて考え出した頃のセオリーに叶っているだろうか。かつて「物言えば唇寒し」のムードが中国全土に漂っていたが、今もそうではないだろうか。それは今も政府の言論封鎖や、国家統制という形で表れる。
今も世界のどこかで似たような事件は起きているかも知れない。その点では世界の良識、力にも限界を感じることがある。
しかし、戦争中とは言え、人間の神経が麻痺するとこうも狂気の沙汰を繰り返すようになってしまうのだろうか。あれから40年近く経つが、考えさせられる悲惨な事件である。
1168.7月25日(日) 神田川、日本橋川、隅田川の川巡りを楽しむ。
このところの炎暑で熱中症により亡くなる人が増えている。かつてはメディアの情報でも熱中症対策なんてあまりなかったと思う。それが微に入り細に入って、どうしたら熱中症を防げるかという話で、水分補給と併せて塩分を摂るようしきりにアドバイスしている。ただ水分を摂るだけでは、体内の塩分が薄まって不足するので必ず塩分補給も欠かさないことが必要だと、繰り返し説明している。こんなくどい塩分補給の話はこれまで聞いたことがないので、水分不足に加えて塩分欠乏で熱中症にかかる人がいかに多いかを表しているといえよう。
その暑い中を今朝早く、神田川の川巡りに出かけた。「江戸城再建を目指す会」の鈴木武朗さんから熱心なご案内をいただき、JR浅草橋駅傍の浅草見附から神田川を遡り御茶ノ水から水道橋へ出て、日本橋川、そして隅田川を佃島から墨田公園前を回って浅草見附まで約2時間の船の旅だった。30人近い鈴木ファンと、「神田川船の会」委員長林さんの名解説で、目から鱗の珍しい話に興奮した。
面白かったのは日本橋川に入ると、そこはまさに高速道路の屋根の下を滑るように走る。われわれの乗った船は屋形船だと考えていたが、そうではなく屋根がなく、今日のような快晴下では汗びっしょりだったが、幸い鈴木さんの事前の「傘持って来て」のアドバイスで、熱中症から逃れることができたが、高速道路の下は格好の屋根となり、吹いてくる風も心地よく快適だった。
皆さんは江戸の文化を守りぬくという一点では、かなりご熱心なので、日本橋の象徴をぶち壊しにした「サマにならない」高架には不平タラタラであるが、偶々今日はその日本橋の「白寿」ということから橋の上では地元の人たちが大掃除をしていたようだ。その橋上から手を振ってもらった。
日本橋川には数箇所江戸時代の石垣がそのまま残されている。林さんの説明を聞くと積石の中には、藩の名が彫られているものがある。島津藩の○に十の字の藩の刻印が目立った。江戸の歴史に思いを馳せながら静々と船は進む。
途中御茶ノ水の辺りが濁っていて臭い感じがしたが、数年前には漸く水が澄んできて鯉が泳ぐようになったのを駅のホームから目撃していたので、その汚れに意外な感じがした。ちょっと残念だなという気がしていたが、水道橋辺りにまで上がってくると徐々に水が綺麗になり、匂いもしなくなった。折角清浄に成りかけている川をもうこれ以上汚さないようにしてもらいたいものである。
それより川のギャングというか、船が走っている隣を後ろから追ってきた水上オートが、何台も何台も旋回しながらスポーツ感覚で追い抜いていく。若い彼らは楽しいだろうが、側にいる者にとっては危険極まりない。林さんによるとこういう水のカミナリ族は、近い内に新条例で追放されるということだった。どこにも傍若無人で、他人に迷惑をかける馬鹿者がいる。
陸へ上がってから隣の屋形船内で、てんぷらを中心にした美味しい食事をいただいた。サックスの演奏あり、自己紹介を兼ねてお話ありで中々楽しかった。元産経記者の佐々木嘉信さんから著書「刑事一代」をいただいた。私も一言挨拶がてら、「知の現場」の宣伝をして再び暑い中をいささか疲労を憶えながら帰ってきた。
1167.7月24日(土) スイス氷河特急で脱線転覆事故
昨日ラグビーの取材の件でクライアントへメール送信したところ、すぐ返事が返って来た。トップ・リーグの試合を満遍なく取材するのではなく、トップ・イーストリーグ加盟12チームの中の栗田工業ラグビー部の公式戦を取材するということだった。取材、写真、インタビューをまとめて同社ラグビー部のホームページ用の資料を作成することのようだ。9月から12月までの土、日に行われる試合の観戦記事であるが、遠くは岩手県北上市から神奈川県内、都下、近いところでは秩父宮ラグビー場と広範囲にまたがっている。
担当者は早速私のHPからラグビー・キャリアを調べたうえで、ぜひにもと乗り気になっていただいているので、スケジュールを調整して何とか多くの試合を取材できるようご期待にお応えしたいと思っている。
今朝のニュースで氷河特急の脱線転覆事故により日本人観光客が1人亡くなったと知り驚いている。まだ事故の原因は定かではないが、ツェルマットからアンデルマットへ向かう途中だったようだ。偶々日本人グループが横転した同じ車両に乗り合わせたために、日本人死者、負傷者が大勢出たようだ。それにしても映像を観るとよくもこんなところで車両がひっくり返ったものだと唖然とする。最近の気象の寒暖差によりレールが異常を来たしたらしいとの情報がある。素晴らしい景色の連続であるアルプス山麓の景観の下で、悲惨な事故が起きたのは残念である。
幕張小学校のクラス会が千葉市内の同級生が経営する中華料理店で行われた。近年参加者も固定してきた。いつもながら元級長の高橋繁くんの面倒見の良さで、クラスはまとまっている。恩師の湯浅和先生が割合早く亡くなられたのが、残念だが、今も湯浅先生への想いは尽きない。椎名誠さんの実兄・研二くんは一昨年亡くなったが、誠さんも湯浅先生のことをよく覚えていた。今日も3月の花見に続いての集まりにも拘わらず、11名が集まった。話は他愛ないことばかりだが、子どものころの気持ちになって気楽に話合えるのがよい。
1166.7月23日(金) 金賢姫、疾風の如く去る。
金賢姫・元北朝鮮工作員が今日午後日本政府特別機で羽田空港から韓国へ帰って行った。僅か3泊4日の慌しい日程だった。鳩山別荘から一歩も外出せず、別荘に篭りきりの状態だったが、その衝撃的な存在感は日本中を席捲したような空気となって流れた。元々参院選とワールドカップは終わり話題が何もない時期を選んで、脚光を浴びるように仕組んだシナリオだったようだ。
それにしても金賢姫が114名を死亡させた大韓航空機爆破事件の実行犯であることはまぎれもない。そのひとりの女性に対するただならぬ警戒と厚遇は、北朝鮮拉致事件の残酷さを考えてもちょっと行き過ぎだったような印象を残した。
野党各党幹部もそれぞれ批判的なコメントを発表している。金賢姫に対する待遇は超VIP待遇と言って憚らない有様である。チャーター機に要した費用が約1千万円で、警戒のために動員された警察官が毎日百人という状態である。すべてことが内密の内に進められ、どんな話し合いが行われたのか情報が一切外に流れず、国費を投入した行為の経緯が分らず、そのやり方が疑問視されていた。彼女が帰国した後になって漸く政府が撮影したインタビュー映像が流されたが、すべてが異例づくめだった。
中井・国家公安委員長は、拉致家族へ勇気を与えることができたと自画自賛していたが、これから拉致問題解決への道筋をどうつけていくのか、肝心な点を実行できなければ高い経費だったということになる。
問題を風化させず、コツコツとでもよいから、きちんと解決への道しるべを示して欲しいものである。
さて、朝日OBで東京ライターズクラブを主宰している児玉進氏から、社会人ラグビー・トップリーグ11試合の写真、インタビューを含めて取材記事執筆の紹介があった。1試合は岩手県で、残りはすべて東京(多分秩父宮ラグビー場で)で取材ということである。いずれも国内最高レベルの試合で興味はあるが、11試合とは随分多くてすべて都合がつくかどうか分らない。児玉氏へもう少し取材の試合が少なければお引き受けできると連絡をとったところ、直ちに電話とメールで返事をもらい、クライアントと直接話し合ってみてはどうかと相手のコンタクト先を教えてもらった。どうなるか分らないが、我侭な希望をクライアントへメール送信した。私にとっては、レベルの高い試合の初めての取材になるので、取材できるとすれば楽しみでもある。楽しみに返事を待つことにしたい。
1165.7月22日(木) 金賢姫への厚遇に疑問の声
金賢姫・元北朝鮮工作員が、拉致事件被害者家族と鳩山前首相の私邸である軽井沢の別荘でこっそり会っているのも話としては奇妙である。個人の住宅を舞台に国境を越えた国家的犯罪の関係者たちが秘かに会って、話し合いをするという点にミステリアスなシナリオと薄気味悪さを感じる。案の定今日発売の「週刊新潮」に場所を提供した鳩山前首相について、これによって次回衆議院選挙に立候補しないと言った前言を翻しても、国民に分ってもらえるだろうとの前首相の軽薄な思惑があると取り上げられているようだ。衆院選と別荘提供がどう結びつくのか分らないが、拉致事件関係者の面会は高級別荘らしい雰囲気の中で、関係者以外は近づけない厳戒体制の中で行われた。そして今日金賢姫は軽井沢から調布まで車でやって来てヘリコプターに乗り換え、江東区のヘリポートへ飛び都内のホテルで拉致家族に会った。
驚いたのは調布から江東区までのヘリ飛行中に相模湾上空から横浜上空を回ったらしい。今日は天気も良かったので、富士山を見てもらうとびっきりのサービスをしたのではないだろうか。
金賢姫に対するあまりの手厚い接待と厚遇に、一部批判の声が上がっている。谷垣自民党総裁もテロリストを国がらみで歓迎しているように受け取られるのは問題であると批判的である。
結局金賢姫から新しい実利的な情報を得ることはできなかった。家族会としては彼女から「被害者は必ず生きています」との激励に力づけられたと言っているが、状況が進展する様子は見えない。気の毒なのは犠牲になっている拉致被害者と家族である。
さて、今日の日経夕刊に東洋英和女学院大学・村上陽一郎学長が昨今流行気味の言葉の無意味な省略について批判的なエッセイを書いている。私の思う通りである。そもそもテレビの雑な話し言葉から徐々に乱れてきたと考えている。特に呆れたのは、言葉について責任ある立場のNHKが気安く下賎な省略語を使い出したことである。
例えば、民間テレビが地上デジタル放送のことを「地デジ」と言い出したが、それを真似てNHKも「地デジ」と言い出したことである。どうしてこんな乱れた略語を使用するのかと思っていたが、村上学長もそう感じたようだ。もうひとつ同意見なのは、「目線」という言葉である。以前からどうして「視線」ではダメなのかと不思議に思っていた。村上学長もそう書いていて、次のように分析している。「何となく、きちんと言えば、素人で、省略すると、業界に近い、玄人っぽい、その方面に通暁している、というような思いがあるのでは。如何にもそれはさもしい根性ではなかろうか」。まったくその通りである。その意味ではさもしいチャンピョンはNHKだろうか。
1164.7月21日(水) 毎日暑い! 暑い!
ここ数日雨の降らない地域では、猛暑となっている。雨が降れば洪水を引き起こし、各地に大きな被害をもたらしている。一方で、好天気のところでは多数の熱中症患者が出ている。館林市内の38.9℃を始め、北関東ではほとんど35℃前後である。 ロシアでは旱魃が心配され、南半球ではチリやボリビアで大寒波による死者が出ている。地球温暖化のせいとは一概には言えないだろうが、それにしても極端から極端に走る気象には油断がならない。明日の天気予報をみるとほとんどが最高気温30℃をオーバーしそうである。とにかく暑い。
EU内の隣国同士、ハンガリーと国境を接しているスロバキアの街・シュトロボに住むハンガリー系住民に対して、ハンガリーがハンガリー国籍を与えると勧誘して話題を提供している。陸続きの向う三軒のような地勢なので、両国の間でもお互いに異国という感じがしないのかも知れないが、法律的にはそれぞれひとつの独立国である。それにしてもハンガリーも自分たちの都合だけで、よく他所の国にチョッカイを出すものだ。
十数年ほど前、チェコで学校訪問を終えた後、スロバキアの首都ブラチスラバからシュトロボを経てドナウ川に沿ってブダペストまでやってきたことがある。その時は、ブダペストの夜景の美しさに陶然としたものだが、今ふっとシュトロボの街を思い出した。ドナウの女王と呼ばれるほど景観の美しいブダペストが、ブダ地区とペスト地区を総称してブダペストと呼ぶと聞いたのはその時が初めてだった。ヨーロッパの古都はどこも美しい。それは景色の美しさばかりでなく、都市計画の素晴らしさもあると思う。最近はBSテレビで都市めぐり番組を観ることが多い。訪れた都市を放映する時は懐かしい気持ちで楽しむが、訪れたことのない都市の場合は好奇心で観る。
昨日テレビで新しく建設された国会議員会館を紹介していた。総費用として約1,700億円が投資されたそうである。国会議員一人当たりに換算すると約2.5億円である。会館内部は議員個室が広くなり、それほど必要としない設備も作られ、贅沢三昧である。さらに今回当選した参議院議員は、登院1週間で1ヶ月分丸々の給料(230万円)がもらえるそうだ。これを一部にはおかしいという議員はいるが、国会議員大勢としてはその声は表に出てこない。自分たちのことにはいつも甘いばかりでなく、国民感情意に介さずの姿勢でぬくぬくとしている。こんな人たちに国を任せて果たして大丈夫だろうか。
1163.7月20日(火) 金賢姫・元死刑囚が来日
今朝4時元北朝鮮工作員の金賢姫・元死刑囚を乗せた日本政府特別機が羽田空港に到着した。そのまま異例の厳重警戒の中を早朝の都内を駆け抜けて軽井沢へ向かい、驚いたことに鳩山前首相の別荘へ入った。
電光石火の早業で金賢姫が来日したことの背景には、昨日何となく感じた韓国の北朝鮮に対するイラついた気持ちのしっぺ返しがあるのではないかと推察していた。
ところが、今朝のテレビの報道番組を観ていると「コリア・レポート」の辺真一氏が、韓国政府は卑劣極まりない北朝鮮の拉致事件で北を非難し、さらに金賢姫を使って大韓航空機爆破事件を引き起こした北の責任を糾弾することによって、韓国哨戒艦沈没事件に対する北の責任を国際社会にアッピールして北を追い詰めようとの思惑があると話していた。他方で韓国国民の気持ちとしては、金賢姫が日本へ行くことについて釈然としない気持ちを抱いているのではないかという。金賢姫は大韓航空機事件115名の犠牲者の遺族に対してまだ一度も面会も謝罪もしていないので、訪日について韓国国民は必ずしも納得していないのではないかとも言っていた。
加えて日本国内にも出入国管理法に反するとの声とともに、大韓航空機爆破事件の際日本人の偽造旅券を使用した公文書偽造の疑いもあるとの指摘もある。中々問題は複雑である。
4日間の滞在中に拉致事件家族会の方々に会って、少しでも彼らの気持ちを慰め、被害者の生存への期待を持たせようとの意図が、少しでも叶えられれば結構である。
辺氏は事件解決のためには、日本と北朝鮮政府代表者が話し合いのテーブルについて、解決へ向けた具体的で実効性のある話し合いを行うことが先決であり、併せて日朝政府のトップ同士が会見することが重要であると語っていた。
北の頑固で悪質な姿勢はそう簡単に変わるとも思えない。北にはどこの国も手を焼いている。北朝鮮から一番頼りにされている中国は、北にばかり配慮しないで迷惑を蒙っている国々のことを考え、もう少し大人の対応ができないものだろうかと聞きたい。さもなければ金正日総書記の早い他界を希うより方法はないのではないか。
今日の朝日夕刊一面の「人脈記―毒に愛嬌あり」を呼んでゾッとした。1969年新年参賀の際、昭和天皇に向けてパチンコ玉を打った奥崎謙三が、その後彼を主人公としたドキュメンタリー映画を撮られていた時に、奥崎が「中隊長を殺そうと思う」と言い監督は震え上がったという。翌年12月に実際に中隊長の自宅を訪れ応対に出た長男を改造拳銃で発砲し逮捕された。
昭和天皇に戦争責任ありと思い込み、従軍したニューギニア戦線で無謀な処刑を命じた中隊長に対してもその責任を問い詰めるべく、追い回していたらしい。
似たような話はビルマ慰霊団や、中部太平洋戦没者遺骨収集事業の際にも聞いた。戦火の中で味方の上官を狙って弾を撃ったという元兵士からも話を聞いた。戦地で苦労された私の知っている方々はほとんど亡くなられたが、今でも時折戦争の話を聞くとやるせない気持ちに捉われる。
1162.7月19日(月) 元死刑囚に超法規的手続きが取られるか。
1987年に起きた大韓航空機爆破事件犯人の金賢姫(キム・ヒョンヒ)元死刑囚が明日来日すると発表された。北朝鮮による拉致事件被害者家族、特に北朝鮮で接触があったという横田めぐみさんの両親に、めぐみさんの様子を直接伝えて励ますことが目的だそうである。以前から日本政府は韓国政府に対して事件解決策のひとつとして、日本人拉致の事情を知るキム・ヒョンヒを日本に招き、知っている真実を話す機会を与えてくれるよう要望していた。だが、実際には北朝鮮に配慮する韓国が日本の要望を受け入れることはなかった。
しかし、ここへ来て微妙に状況が変わってきた。金大中大統領以降韓国と北朝鮮が太陽政策の下で表向き友好的な外交関係を樹立していたからである。ところが、現在の李明博大統領になって俄然対応が変わった。そこへ、先般勃発した北朝鮮による韓国哨戒艦沈没事件で、韓国は北朝鮮に対して攻勢に出た。しかしながら、韓国国民の北に対する憤懣やる方ない気持ちは、国連安保理でも積極的に取り入れられなかった。韓国にとってはやり場のない気持ちを、北朝鮮が嫌がることで鬱憤を晴らそうと考えたのではないか(これは私見)。それが、今回のキム・ヒョンヒ来日許可である。これで日本国内に北朝鮮の悪辣なやり口を暴露することによって北への憎悪の気持ちが燃え上がれば、願ったり叶ったりである。韓国と日本の思惑は果たしてどんな結果を生むだろうか。
日本サイドは割合冷静に受け止めているが、このキム・ヒョンヒと拉致家族が会うことを歓迎する空気は少なくないように思う。
しかし、昨日元入国管理局OBが、懲役1年以上の実刑判決を受けた外国人受刑囚に対して入国ビザを与えないのが出入国管理法であると語って、キム・ヒョンヒの来日について疑問符をつけた。法制度上はこのOBに一理ある。ダッカ事件に次いで超法規的手続きを取ることになるのだろうか。結果は明日判明する。
1161.7月18日(日) 恥知らずな鳩山由起夫・前首相
6月に総理大臣の座を降りた鳩山由起夫氏は、その直後に総理大臣を務めた権力者が国会議員として政界に留まり、影響力を与えるのは好ましくないので、次回の総選挙には立候補せずに政界を引退すると述べたのは納得できたし、ある面で潔かった。
それが突然のように、昨日になって再考すると言い出した。選挙区の後援者の声として代弁させているが、まず本人の意向であることは間違いないだろう。こういうのは「朝令暮改」というより、「ウソ八百」とか「裏切り王子」というのではないか。
鳩山氏の節操のなさは、できないことをできると言い、発言がおかしいと指摘されると、そう受け取られたのは遺憾であり、本意はこうだと居直ることである。同時に発言があっちへ行ったり、こっちへ来たりでまるで言葉に一貫性がなく立場がぶれることである。その挙句にカネを誤魔化し、毎月母親から1800万円ものお小遣いをもらっていながら脱税行為を行っていた。政治家としての置き土産である普天間基地移設問題未解決は、そのやり方において最も稚拙な方法であり、天下に大恥を晒した。
こういう幼稚で世間知らずの政治家を、国家のトップに戴いていたのは、あまりにも国民にとって不幸だった。次の総選挙で静かに舞台を去るということから、敢えて幼い思考回路を糾弾するつもりもなかったが、開き直って復活するとなると冗談じゃないと言いたい。
こういう恥知らずな人間を国会に再び送るという愚は、いくら後援者の声とは言え、断固止めさせるべきである。
首相を辞してからすっぱり議員職を辞めた小泉純一郎元首相の行動を少しは見習ってはどうか。尤もその前にマザコンのお坊ちゃまとしては、母親に相談する必要があるのかもしれないが・・・・。
折りも折り今日は「ネルソン・マンデラの日」と呼ばれている。アパルトヘイトに抵抗して撤廃させたネルソン・マンデラ前南アフリカ大統領の92回目の誕生日である。28年間の獄中生活に耐え、ついに黒人の自由を勝ち取り、ノーベル平和賞も授与された。この精神的に屈強の抵抗主義者に比べると、何とも鳩山前首相のか弱さにはがっかりである。
1160.7月17日(土) 目玉の「国家戦略局」構想が頓挫
数日前から各地を襲った豪雨により、多数の犠牲者が出た。7月にこれだけ局地的な降雨は珍しいと思う。岐阜県の可児市内を流れる可児川の洪水には、河川敷に駐車していた運送会社のトラックが十数台も流されるハップニングがあった。新築家屋が流されたり、お年寄り夫婦が押しつぶされた自宅の下敷きになって亡くなったり、自然現象とは言えあまりにも気の毒でならない。
さて、昨年の民主党政権発足とともに大風呂敷を掲げ、政権の目玉となるはずだった「国家戦略局」構想がずるずると後退して、ついに局への格上げを断念して「国家戦略室」のまま、菅首相への単なる助言機関に留まることになった。
「大山鳴動して鼠一匹出ず」の類である。司令塔役、総合調整役と見られ、各省が個別に提出する予算要求を全体的に調整する機能を持つと見られていた。国民からも大きな期待を寄せられていた。それは、各省の官僚にとっては耐え難いところだったであろう。この点でも政治主導的役割を果たすと期待されていた。だが、民主党政権はあっさりその考えを捨てた。
これで民主党政権の目玉のひとつは雲散霧消した。抜け殻のような組織自体は残るが、設立の動機と理念は失われ形骸化しただけであり、まったく存在する意味を持たない。これで、今後政権が後退を繰り返すのでなければ良いがと思う。
菅首相が首相就任以来、小沢一郎前幹事長と一度も会っていない不自然さの中に、民主党内部の複雑な人間関係と陰湿な権力構造を感じる。このままでは、昨年の政権交代の意味も成果もまったく期待できなくなりそうだ。
いつも裏切られるのは、政治家に給料を出し、仕事を与えているわれわれ国民だ。
1159.7月16日(金) 消費税を真剣に議論せよ!
参院選における民主党の大敗を巡って、民主党内では責任論が持ち上がっている。執行部の責任を問う声も数多くあったが、枝野幹事長は菅首相と9月の代表選までは現体制を維持することを確認し合い、執行部がすぐに責任を取って役職を辞任するようなことはない。ところが、今日行われた参院選反省会では全国の県連会長から相当な批判が出た。候補者選定の方法を巡って小沢前幹事長と鋭く対立していた静岡県連会長が、大敗と静岡選挙区の選出方法の責任を取り、小沢氏の離党勧告を行った。選挙の余波を巡ってまだまだ党内抗争があるようだ。
これまで菅首相と民主党内の反省としては、消費税論議を首相が唐突に公表したことが大きな問題とされていた。事実そう主張した県連会長も多いようだ。それが、静岡県のケースは戦前から燻っていた定員2人の静岡選挙区に2人の候補者を立てた結果、ひとりは当選したが、当初の目標通り2人当選とは行かなかった。県連会長に言わせれば、これは強引に2人擁立を押し進めた前幹事長の犯した罪であるという。
消費税については、今度の選挙の結果だけで消費税値上げ提案が敗戦の原因と短絡的に公言するバカな国会議員が多い。それは手法上の問題であって、首相の公表前には消費税の値上げそれ自体には、財政上の問題からそろそろ国民に説明して真剣に議論を進めるべき時に来ているとの認識が高まっていた。それが今の状態では消費税問題に触れることすらタブーとしてしまった。
そんな消費税問題がまたお蔵入りしそうな時に、国際通貨基金(IMF)が一昨日日本に対する今年度の年次審査報告書を発表した。外から言われてしまったのである。
「消費税の控え目な引き上げを手始めに、財政再建を11年度から始めるべきだ」と提言されてしまったのである。現在の5%の消費税を11年度から10年程度かけて段階的に15%まで引き上げるよう具体的なロードマップまで提案されてしまった。ギリシャ財政危機がいくら深刻とは言え、一国の財政政策にここまで踏み込んで提案するようなことはまったく異例だと思う。日本のメンツも丸つぶれではないか。しかし、今の民主党の腰砕けとも言える及び腰では、いつになったら消費税問題をはっきりさせてくれるのだろう。
1158.7月15日(木) 駒沢大学公開講座前期終了
駒沢大学マスコミ研究所公開講座前期が終了した。受講生の中に気の利いた幹事役の女性がいて、講師2名を交え、18名で大学近くのスナックで懇親会を行った。最後の第1時限授業は大泉克郎講師による「高度情報社会のメディア・リテラシー」と室井敏男講師による「報道されないスポーツ界の光と影」で、前者に関しては大平正芳首相について近くで取材して感じた印象を臨場感を交えて話された。大平首相の突然の死については、当時文部省教員海外派遣団の事前研修会を筑波で行っている最中だったので、よく記憶している。歴代首相の中でも人柄の良かった首相という印象が強いが、政局のつばぜり合いの最中に亡くなられた記憶が強く残っている。大泉講師は、その当時大平番で邸宅にもよくお邪魔していたという話だったが、やはりそばにいて人となりをじっくり見ている人は、よくご存知だなぁと思う。
後者の第2時限目室井講師は、スポーツ取材を長年務めていただけに、スポーツ全般に詳しいが、今日は前回に引き続き、話題の大相撲について話された。特に行司・式守伊之助の個性的なパフォーマンスが面白かった。
懇親会では出席された受講生と気楽に話をすることができたが、大学近所のスナックのママさんが大学の後輩とは思いもよらなかった。後から参加された大泉講師夫人も後輩で、幹事役の藤田さんも後輩、ほかにも後輩がいて、何人か集まるとこの種の集まりには必ず後輩がいる。先輩として少しは敬意を払われるような存在になりたいものである。帰宅したら12時近くになっていた。
1157.7月14日(水) デモンストレーション講師として講演
講師登録をして、これまでにも何度か講師を務めたことがあるNPO「シニア大楽」の講師紹介センターが、地方自治体の生涯学習企画担当者に向けて講師を紹介し、その選出についてノウハウを教える講座が今日飯田橋で開かれた。
先日私もデモンストレーション講師を務めることを申し込んだ。希望者60人の中から私を含め15人が選抜された。企画は人気も上々のようで、各自治体から幅広く100人の申し込みがあり、会場の都合で70人に絞った。各企画担当者は終始熱心に講師の話に耳を傾けていた。
スピーチは8分以内という制約があったので、皆さんそれぞれ不完全燃焼の気持ちに捉われたのではないだろうか。私は「海外旅行の楽しみ方と世界遺産の味わい方」のテーマでパワーポイントを使って、割合普段通り話すことができた。生涯学習のテーマとしては、人気のある海外旅行を取り上げたので、受け入れられ易いという利点があったと思う。
最後に講演のまとめとしてNPO顧問で、桜美林大学名誉教授・瀬沼克彰先生が総括された。15人の講演者のうち、5点法で満点の人は3人と話されたが、終了後瀬沼先生に挨拶した時、有難いことに私は3人のひとりに入っていると随分お褒めの言葉をいただいた。生々しい体験談と、危機一髪のハップニングについてジェスチャー入りで話したことを評価していただいたようである。8分間スピーチの直後に、「これは面白い」という好意的な囁きが聞こえたことと、栃木市の担当者から挨拶いただいたことなどで感触は良いと思っていたが、まずまずの評価にとりあえずホッとした。これから講師の話をいただければありがたい。
瀬沼先生は、最後に中々興味深いことを話された。それはわが国では生涯学習について積極的に学習行動を起こす人は実際には少なく、ほとんど顕在的学習関心と潜在的学習関心に留まっているという。それは、わが国では学習暦社会として学習した実践体験を評価するシステムができていないからだと指摘された。日本では単位を得るとか、ライセンスを得るように形として残る学習体験でないと、仕事面で評価されない現状からまだ意欲的な学習志向者が少ないと述べられた。
それに、生涯学習に取り組む活動として、今後行政は人を減らし、場所の提供を減らし、企画、募集、運営の分野への関与は減るだろう。それを住民がボランティアとしてどれだけバックアップし、主体的に行動できるかが今後の生涯学習の課題と言われた。
1156.7月13日(火) ゾルゲ事件のドキュメント
日本ペンクラブの例会で西木正明さんと話し合った。西木さんは日本ペンクラブ環境委員長を務めておられ、今日のミニ・スピーチで、絶滅奇種動物について話された岩崎さんを推薦した人でもある。
西木さんは早大探検部でキャプテンを務めたが、その時のバイス・キャプテンが高校ラグビー部の後輩であり、前鎌倉市長だった竹内謙さんである。初めて知ったことだが、謙さんの祖父・竹内キンタロウ氏はゾルゲ事件の尾崎秀実の弁護士だった。父上はロッキード事件の弁護人だった。西木さんは謙さんの祖父が弁護した詳しい事情や尾崎の人となりを間接的に知っている謙さんが、ゾルゲ事件に関する謙さんサイドのドキュメントを書くべきだと度々謙さんにアドバイスしていると言う。その点で同じゾルゲ事件に連座したブーケリッチ氏の子息である山崎洋さんを知っている私が、情報を提供することによって謙さんが知る尾崎秀実に重ねて書けるなら、好都合ではないかと考えが一致して近々謙さんにこの辺りの事情を話して、ゾルゲ事件について謙さんがドキュメントを書くようアドバイスすることになった。
幸い今日は山崎さんを知っている人に何人か会った。その中で「主婦の友社」の創立者の孫で社団法人出版文化国際交流会専務理事の石川晴彦氏は、世界各地で出版フェアを開いているという。最近もベオグラードでフェアを開き、山崎さんの奥さんに会ったが、当人には会えなかったと残念がっていた。
例会を終えてから小中さんや、小中さんを慕う人たち13人が有楽町のヤキトリやで景気づけして解散した。その後小中さんと須藤甚一郎さんと一緒に自由が丘でいっぱいやって遅く帰ってきた。
1155.7月12日(月) 民主党、参院選で惨敗
朝から昨日の参院選の結果を分析してテレビも新聞もてんてこ舞いである。特徴的なことは、民主党が大きく負けて改選議席を54から44議席にまで落とした一方で、下り坂だった自民党が38議席から51議席へ伸ばし、多少息を吹き返したことである。ほかには新しい政党「みんなの党」が、一気にゼロから10議席を獲得して非改選議員を含めて11議席となり、議会で議員の質問提案権を獲得し、参議院でキャスチングボートを握ったことである。
民主党の惨敗の象徴的な現象は、1人区の8勝21敗である。3年前には23勝6敗だった。野党各党は民主党がこれだけ負けたので責任を取って首相は辞めるべきと主張している。菅首相は9月に代表選があるので、それまで自分を含め現体制のまま進めたいと言っている。今回落選した千葉景子法相も引き続き現職に留まる模様である。民主党の敗北により、参議院における民主単独過半数はもとより、国民新党が議席を失ったので、与党過半数も取れなかった。これでこれからの国会運営は一段と難しくなる。
昼間から夜へかけて各党代表者が選挙結果を踏まえて討論会を行ったが、いずれも民主党のマニフェスト違反を責めている。ところで、日本の政治に詳しいあるイギリスの大学教授に依れば、「マニフェスト」とは「構想」の意味であって、約束とか公約のように拘束された意味ではなく、変更することは充分考えられると言っている。一方、「みんなの党」の渡辺喜美代表は選挙前から「アジェンダ」「アジェンダ」と声高に叫び、この「アジェンダ」を「政策課題」と訳しているが、辞書を引けば「協議事項」とある。似たような意味ではあるが、かつて文部省の海外教員派遣団にお供した当時、アメリカの教育委員会の先生方はあまりそれまで聞いたことのなかった「マニフェスト」や「アジェンダ」という言葉を頻繁に使って分りやすく説明してくれた。その時の私の印象から言えば、教育現場でも分りやすい意味で使われ、それほど強制力を持って使われた難しい言葉のようには考えなかった。事情は違うが、どうして日本語で言えば分ることを外国語で分かりにくくしてしまうのだろうか。
今日の朝日夕刊が労働組合や業界団体の「集票力」は、軒並み激減していると分析している。比例候補の得票から割り出したものだ。日教組も落ち、全国建設業協会も落ち、気になっていた日本遺族会も落ちた。遺族会は自民党から出馬した水落敏栄さんが苦戦の末、2回目の当選を果たした。だが、水落さんの獲得票、13万2千票は、3年前の23万票からみるとかなりの落ち込みである。次回の参院選ではもっと苦戦することははっきりしている。水落さんとは何度も一緒に戦没者遺骨収集事業でマリアナ諸島を訪れた。堅実な仕事ぶりと指導力が買われて、6年前遺族会世襲議員として参議院議員に選出された。その間参議院文教委員長を務めたが、戦没者遺族の数が年々減っていくことと、遺族会の先細りを気にされていた。今現実にこのような集票のトレンドをみると、確かにあまり明るい展望が見えない。20年以上に亘って一緒に神聖な仕事をしたということに懐かしさを覚えるとともに、多少の寂しさを感じる。
いろいろなことを考えさせられた今回の参院選である。
つけたしのようであるが、今暁行われたサッカー・ワールドカップ決勝戦、オランダとスペインの試合は延長戦の末、1-0でスペインが初優勝を飾った。場外で話題になったのは、8試合の勝敗予想を見事に当てたドイツの水族館の蛸と、煩い音のブブゼラだった。これでやっと熱気と嬌声から解放される。
1154.7月11日(日) 参議院選挙の結果は?
今日は戦後22回目の参議院議員選挙の投票日である。いつも通り妻と近くにある息子たちの母校・東深沢小学校へ出かけた。散歩がてら同じ深沢1丁目にある将棋の羽生名人宅前を通り、ぶらぶら歩いて行った。投票終了時間の夜8時を待ってNHKではすぐに出口調査の結果から早くも「当選確実」者を発表した。手際が良いというのか、システムが完備されたのか、最近の速報の出し方には驚くばかりだ。アフガニスタン大統領選挙のように、発表までに1ヶ月以上もかかったのではとても今の時代には合わない。
さて、夜9時半を回ったところで、改選数121議席のうち、残りは36になった。この時点で元プロ野球の石井浩郎(自民)や柔道の谷亮子(民主)が当選を決めている。この不透明で不景気の時代にあって難しい国政を担うのに、これまで政治家としての勉強も訓練もほとんど積んでこなかった人が、有名人だからとか、素人の純粋な視点からとか言って、簡単に国会議員になれるのは釈然としないが、やはり有名人は強いとつくづく思う。まもなく全当選者が決定すると思うが、マス・メディアが予想した通り民主党は過半数を獲得できそうもない。菅首相就任直後に跳ね上がった民主党の人気回復も、その後の消費税値上げの発表の唐突さと稚拙な説明のために、各党の集中砲火を浴びて人気は急落した。最終結果はまだ分らないが、早晩決まるだろう。
ところで今回当選した議員は、参議院不要説、参議院議員数削減案についてどう思っているだろうか。共産党、社民党以外はほとんど議員定数削減を提案しているが、これまでのところその動きは一切ない。格好の良いことは威勢良く言うが、自分の身に降りかかるようになると、突然黙ってしまう。この後各党はこのマニフェストに盛った議員削減についてどういう行動をとるだろうか。
序に言えば、石井浩郎氏や谷亮子さんにも消費税問題や普天間基地移設問題についてご意見を伺いたいところである。
1153.7月10日(土) 鎌倉市の事業仕分けを見学する。
民主党政権になってその手法が大きく脚光を浴び、評価されている「事業仕分け」を鎌倉市が行うと「事業仕分け」の生みの親である「構想日本」から案内をもらったので早速申し込み、今日鎌倉市役所へおっとり刀で駆けつけた。
作業は市役所内の3つの会場に分けられ、それぞれコーディネーター1人、仕分け人3人、市民仕分け人2人からなるチーム編成の下に事業説明者として市役所各事業担当課長、及び職員が出席して対応された。熱心なオブザーバーが各会場に集まり、資料に書き込みをしながら真剣にやりとりを聴いていた。ある程度予想していたスタイルで、事業の継続、中止、改善等の結論を出すものだった。主導的な役割を務める構想日本のスタッフは経験豊富で慣れているので、ツボを外さず追求していたが、市側は必ずしも的確な応答ができず、多くのオブザーバー監視の下に事業の継続を断念せざるを得ない結論に追い込まれることもあった。
事業仕分けの対象になった事業は「30」あり、その中で学校教育、生活環境、健康福祉、地域安全が21事業もあり、一方で財政に関する仕分けは行われず、まさに財政問題を袖にするくらい豊かな市の財政事情を窺わせる。実際あるグループの仕分け人だった海東英和・前高島市長(滋賀県)が鎌倉市は高島市に比べ豊かだという発言が何度か飛び出した。
3つの会場をそれぞれ訪れ「こども安全パトロール」「子ども会館の運営」「観光振興支援事業」「社団法人鎌倉市シルバー人材センター運営費補助金」の4つの仕分けを見学したが、押しなべて経費のムダ、事業のダブりについて質問が集中していた。4つ目の補助金の件では、説明者があまりにも不慣れで適切な説明ができず、補助金の打ち切りという結論になった。
特に関心を抱いていた観光課の観光振興支援事業については、仕分け人から鎌倉が武家社会・武家文化のはしりであることの認識が乏しいと追求され、伝統的なイベントである流鏑馬や薪能は良いが、俳句大会やビーチフェスタ、花火大会のような鎌倉の個性がそれほど発揮されないものへの補助金に疑問が呈された。また、これだけ国を挙げて外国人旅行客へのアッピールをしている時に、国際観光都市である鎌倉市がインバウンド市場に対して何の積極的な企画も支援事業も見られなかったのは、少々意外で疑問を感じた。
初めての見学だったが、真剣な仕分けは結構面白かった。各仕分けが30分という極めて限定された時間内に行われたのも、緊張感が継続維持された要因ではないか。
この「事業仕分け」は、経費節約を図り、ムダを削り、市民の目を通しているので効果的であり、国の事業でも自治体でも今後益々注目されるのではないだろうかと感じた。
1152.7月9日(金) 民主党やや苦戦か。
明後日参院選投票日を控え各党党首の遊説における演説も相当ヒートアップしてきた。今朝の朝日新聞の予想では、意外にも民主党がかなり苦戦すると見られている。鳩山辞任・菅首相就任直後は、落ち目だった民主党の支持率が40%台から一気に60%まで復活して、首相交代により稚拙な普天間基地移設問題の対応による民主離反を食い止めていた。非改選議員を含めて参議院の過半数は60議席以上であるが、それを凌駕する勢いだった。
ところが、菅首相の消費税値上げ発言以降、その発表手法を巡って叩かれっぱなしで首相の思惑とは裏腹に、全野党はもちろん連合を組んでいる国民新党でさえ菅政権攻撃を強めている。
民主は単独過半数のために60、国民新党と合わせた与党過半数のためには56議席が必要で、改選数の54議席が首相の責任追及のボーダーと見られていた。それが当選者数は49議席を境目に計算されるようになった。いずれにせよ限りなく40人台の可能性が強くなった。それに比べて、「みんなの党」の勢いがよい。自民党も久しぶりに元気を取り戻したようだ。自民党が勢いをつけてきた理由は、「1人区」で大敗した前回の徹を踏まない作戦が図星だったようである。
この流れの逆転現象を考えてみた。今日テレビ・ニュースで見てみると明らかに消費税作戦が失敗した。各党が菅首相の消費税発言を槍玉に挙げて攻撃している。以前に比べて新党が乱立気味のこの選挙では、公平に報道すると野党の出面が増える。その野党がそれぞれ民主党を攻撃する。同じ消費税値上げを打ち出した自民党も、自らは消費税値上げをしないような口ぶりで民主党の値上げを、マニフェスト違反だとか、自民の背中に乗っていると批判している。これで画面から流れてくる声としては、民主の消費税値上げ批判一辺倒となる。
このムードを考えると、いくら良かれと思っても国民の懐具合に痛く響く発言は、よほどTPOを計算しないと自らに降りかかってくる。菅首相も深謀のうえ、自民党の10%消費税値上げに便乗して、争点をつぶしてしまう作戦のはずだったが、他党の動きを読めなかったのは悔いが残るだろう。
さあて日曜日の選挙結果はどう出るだろうか。
1151.7月8日(木) あの岸首相が安保条約の範囲拡大に抵抗したとは・・・。
今年5月政府は作成後30年経った文書を原則的に公開することとした。その第一弾として、昨日外務省は60年安保条約改定の交渉記録を主とする外交文書を公開した。
昨日公開された文書では、安保改定に当たり当時の岸信介首相は条約の適用範囲が、当初アメリカ政府が提示したのは「極東」ではなく、もっと広い「太平洋地域」だったことに強いショックを受けた。朝鮮半島や台湾で有事の場合に日本も戦争に巻き込まれる恐れがあると考え、何とか直接日本に影響が及ばない、より狭い地域をアメリカに提案したとされる。
何度か日米両国間でやりとりをした結果、漸くアメリカも日本の要望を受け入れ安保条約の適用範囲は「極東地域」と決められた。1959年の衆議院外交?委員会の質疑で、その極東の範囲に関する質疑が行われたことをまざまざと思い出す。質問者はその後横浜市長になった日本社会党・飛鳥田一雄氏で、答えたのは藤山愛一郎外務大臣だった。その時藤山外相はまだ極東の範囲について充分理解していなかったようで、答えがあやふやで飛鳥田氏の質問に翻弄され、掲示された大きな地図に示された極東の範囲がぐらぐら揺れていたことを思い出す。今から思えば、その時はまだ範囲が確定していなかったわけである。
それにしてもアメリカの要求にひれ伏していた岸首相が、国家の安全上条約の範囲について精一杯抵抗したことには、あの強情者の岸首相にも一かけらの良心があったのかと意外な気がした。この文書公開は初めてだそうだから、これからも新しい文書が公開されると意外な事実が明らかにされるのではないかと思う。
今東京・台場で開催されている「東京国際ブックフェア」は、電子書籍化元年を象徴して、関係者がどっと押し寄せているらしい。新しい端末機種が随分販売されていて、中国企業が大分日本市場を狙っているらしい。
その電子書籍化計画中の「知の現場」は、寺島実郎氏から書籍化承諾の連絡が入ったと連絡があった。これで取材した21人のうち、北康利氏の拒否を除く20人の方々から承諾いただいたことになり、8月の発行となる。自分の文章が電子書籍化され、多くの読者の目に書籍ではなく、端末で読んでもらうというのはこそばゆいような気にもなるが、楽しみでもある。後は出版社でやってもらえるので8月の発行を楽しみに待ちたいと思う。
1150.7月7日(水) 二男が結婚届を提出
二男の崇史が今日新潟市役所に婚姻届を提出して、高橋すみれさんと新家庭をスタートさせた。3年前新潟へ転勤して暢気に独身貴族を謳歌していたので、37歳という年齢を考えるとそろそろ身を固めて欲しいと思って四月に妻と新潟を訪れ、それとなく話をしたところだ。その後2度すみれさんに会ったが、田舎の娘さんらしく温和で地味な感じの良い娘さんなので、わがままな息子にはちょうど良いのではないかと思っている。結婚式は、東京と新潟の中間点・軽井沢の教会で9月に挙げる予定だ。お仲人を立てることもなく、家族とごく親しい友人数人程度で簡略に済ませるというので、われわれの時代とは随分変わったものになっていると思う。
わが家にとって二男の結婚は大きな行事のひとつであるが、心配するほどのこともなく、自分で似合いの伴侶を見つけてくれたのでほっとしている。9月に軽井沢で結婚式を挙げて家庭内の行事はすべて終わりで、親としては一応の役目を果たせたと考えている。
さて、JN協会編著「そこが知りたい 観光・都市・環境」について、先日の編集会議に出席できなかった同じ共著者の北村嵩さんと待ち合わせ、JR四谷駅前にある交通新聞社を訪れ邑口さんに会って、北村さんを紹介しながらいくつか問題点を話し合った。はっきり言ってまだ書籍のサイズが明確に決まっているわけではない。A5判にするのか、B6判にするのか、決定していない。目次に番号をつける問題も残っている。これからは邑口さんに編集者の立場から、踏み込んだ適切なアドバイスをいただけるようお願いした。北村さんは大学の授業を持っているので、中々執筆の時間が取れないようで、8月10日の締め切りまで間に合いそうもないようなことを言っていた。私は何回か推敲を重ねて今月末までに邑口さんへ原稿を送ることを約束した。
昨日NHKが大相撲名古屋場所の中継中止を決定したが、各方面で反響が出ているようだ。その中で千秋楽に優勝力士に授与される天皇賜杯と総理大臣杯その他諸々の賞を、相撲協会が辞退することを申し出だ。これだけ賭博が問題になって、優勝力士に対して天皇杯を授与することが良いのか疑問視されていた。珍しく日本相撲協会としては賢明な判断を下したと思うが、これも理事長が謹慎しているお陰かなと思う。
今朝警視庁による各相撲部屋への家宅捜索が入った。いよいよ野球賭博の本丸である、胴元へ切り込むための証拠固めであろうか。だが、相撲部屋を家宅捜索する前に本家本元の相撲協会を捜索すべきだと思う。どしどし進めてもらい原因を表沙汰にして賭博問題の解明を図ってもらいたいものである。
1149.7月6日(火) 梅棹忠夫先生ご逝去
今日はいくつかのニュースにショックを受けた。まず、民俗学者で文化勲章受賞者の梅棹忠夫先生が亡くなられた。享年90歳だった。梅棹先生は私も34年間に亘って関わっているNPO法人「知的生産の技術研究会」(知研)の特別顧問にもなっていただいている。知研創立40周年の今年お亡くなりになったのも深い縁を感じる。直接お会いしたことはないが、そのご活躍ぶりには随分影響を受けた。特にわれわれの会に名前をいただいた名著「知的生産の技術」は135万部も販売され、長い間ベストセラーとなって多くの読者から愛読されていた。もちろん私にとっても愛読書のひとつであるが、もうひとつ梅棹先生の名を高めた労作は「文明の生態史観」だろう。象牙の塔に篭っている学者ではなく、中学時代から山岳部で登山に熱中し、動物の生態学を専攻しフィールドワークを中心とする梅棹学を確立した。今年になって先生の近著「山をたのしむ」(山と渓谷社発行、2940円)を買い求めたが、まだ読んでいない。近い内に読んでみようと思う。
八木会長、久恒理事長は何度かお会いしている筈なので、私以上にショックを受けているのではないだろうか。先生のご冥福を心よりお祈りしたい。
次のショックは申し込んだ書籍が届けられなかったことである。先月早稲田大大隈記念タワーで開かれた「60年安保闘争50周年記念写真展」で懐かしい写真を見たのだが、その折安保記念書籍の申込用紙が置かれていたので、買い求めるべく翌日郵便為替で送金した。ところが2週間経っても何も送ってこない。どこへ連絡すべきか悩んだが、インターネットで調べると準備委員会のHPを発見したので早速メールで抗議がてら問い合わせた。これに対してウンともスンとも言ってこない。すでに3週間無しのつぶてである。さすがに堪りかねて改めて今日強く抗議した。1時間も経たない内にすぐお詫びのメールが届いた。さすがに驚いたようだが、ノー天気にも発送が予定より遅れたというだけだ。改めて私宛に正式に詫び状を送り、書籍もできるだけ早く送るとの内容だった。まったく無責任にもほどがある。こんな仲間と一緒にあの安保を闘っていたのかと思うとがっかりである。
もうひとつのショックは些か次元が低い。NHKは名古屋場所の相撲中継の中止を決定して、テレビ中継開始以来57年にして初めてテレビ放送なしの本場所となった。やはり世間の強い批判を意識したせいだろう。国民が注目する名古屋場所となったが、このていたらくで果たして相撲協会は再生の可能性を示してくれるだろうか。
これはショックとは違うが、今日多摩美術大の市民講座は最終回となり終了証をいただいてきた。今日の講師は詩人で写真家でもある吉増剛造氏で、6年間同大で教鞭をとられ、その後サンパウロ大学の客員教授も務められた。ブラジルの専門家であり、夫人が日系ブラジル人である。面白いと思ったのは、ブラジルの荒野に見られる「蟻塚」に興味を持たれて、その生態について研究されていることである。1996年NHKのBSで放映された「わが心の旅」のブラジル訪問時のDVDでも「蟻塚」へのアプローチを紹介してくれていた。詩人となるとやはり、凡人とは異なるご性格のようで中々ユニークな発想をされている。講義は物珍しい話を聞けて愉快だった。
1148.7月5日(月) 「知の現場」電子書籍化の可能性高まる。
秋田英澪子・知研事務局長より連絡があり、「知の現場」の電子書籍化に関して取材した21人の先生方の電子書籍化諾否についての中間報告を受け取った。海外出張中の寺島実郎氏を除き、20人の先生から回答があり、ただひとり「NO」と返事があっただけで他の19人の方は「OK」と快く了解いただいたそうである。
「NO」の回答をいただいたのは、先月29日付本ブログで予想したように、やはり評伝作家の北康利氏だった。信念のようで一切電子書籍化の申し出は断っているようなので致し方ないが、私が取材した感触からするとそもそも断ることが予想されること自体、他の方とは異質な空気と垣根を感じた方だった。いずれにせよプライドが高く、あまり情緒的な方ではないので、私としては折角取材してまあ良い原稿が書けたと思っていただけに、北氏の取材記だけが電子書籍化ブックに掲載されないのは、不本意であり残念である。まあ、こういう人もいるということで納得するより仕方があるまい。
明日寺島氏が帰国するので回答を待ってから書籍化へ踏み出すようだが、東洋経済新報社としてもまだ5冊目だという。8月には実際に手に取ることができるようだ。どんな風に仕上がるのか楽しみに待ちたいと思う。
さて、今日名古屋場所の番付が発表されたが、ここに解雇、また謹慎の力士の名が載っている。これでは発表を一週間遅らせた意味があまりないのではないかと思う。尤もこの番付は5月末にはもう刷り上っていたようだから、こんなことなら敢えて遅らせて発表することもなかったのではないかと思う。
その名古屋場所を前にして、今晩NHKがスペシャル「大相撲は変われるのか」という特集を組み村山弘義・理事長代行、コラムニスト・天野祐吉氏、NHK記者に、名古屋から中継で武蔵川理事長が参加して討論が行われた。武蔵川理事長の話を聞いていると口では戦後最大の危機と捉えていると言いながら、相撲協会の懲りない体質、心から反省していない点、身贔屓、自浄能力の欠如、外部意見によって改革されたくない本心、言い訳等々が透けて見えた。
特に天野氏が協会理事会に外部の理事を加えるよう強く提言していた。今も村山氏を含めて外部理事は何人かいるが、あくまで外にいて協会理事会には出席していないようだ。これでは理事でいる意味がない。結局「名」だけで「実」は取れなかったようだ。それもこれも自分たちの相撲協会の世界を外部から指図されたくない、自分たちだけですべてを遂行したいという内向きの論理がありあり伺える。
これではダメだ。相撲協会もこのままではどうしようもない。こうなったらやはり思い切って解散して新しい組織として再スタートした方が良いと思う。
1147.7月4日(日) 消費税値上げの腹の内は15%か。
昨日に続いて消費税論をひとつ。昨日の朝日新聞トップ記事は、「消費税 首相発信続く」と題して8段の大きな扱いである。それによれば、自民党の10%の消費税導入に対して、民主党が同じ10%をひとつの目安にするということから、参院選の争点つぶしが狙いだったと書かれている。ところが、基礎年金、老人医療、介護などの社会保障費に充てると考えられていた消費税値上げ分に、今問題となった「財政健全化」の改善を追加するとなると、消費税を10%上げたぐらいではとても足りないらしい。
菅内閣は先月閣議決定した「財政運営戦略」で、国債の元利払いを除いた単年度の支出を借金なしで賄う「プライマリーバランスの黒字化」を2020年度までに達成する目標を掲げた。このためには2012年度から消費税を毎年2%ずつ15%まで引き上げる必要があるという試算結果が出された。
やれやれである。世界では20%の消費税が通り相場となっている時に、日本では5%から10%に上げることに賛否両論があり、そのために政党同士で角突き合わせている状態である。ここへ来て漸く10%への値上げが議論されるようになり、参院選の焦点となった。それが、10%へ上げることに賛否があり、何とか反対論を説き伏せて実行するにしても、その背後に更に5%の上積みが検討されかねないとは、何とも肩の力が抜けてしまう。
それにしてもどうして背後にある5%を表に出して論争しないのだろうか。内閣府では元々10%ではダメだということが分っていたらしい。
どうも政治家と官僚には、隠蔽体質があるようだ。しかし、こんな騙しあいのようなことは、マス・メディアも嗅ぎ取っている筈だ。メディアも卑怯である。これだから、ジャーナリズムが寂れるわけである。
さて、今日大相撲による野球賭博の処分が下された。大関琴光喜と元関脇の貴闘力(大嶽親方)が解雇ということになった。ほかに11日から始まる名古屋場所の謹慎力士が19名である。武蔵川理事長の部屋から謹慎力士が出たということで、理事長も謹慎となり、理事長代行として近所の法務省宿舎に住んでおられた村山弘義・元東京高検検事長が務めることになった。これも、外部の有識者が望ましいとの文科省の指導によって急遽決まったものである。
初めて外部の人物が協会トップに座ることに対して、一部親方の間から力士の名もうろ覚えの外部の人間が場所中のすべての行事を取り仕切るのは無理だと冷ややかである。相撲界の人間だけですべて事を運びたいとの本心がミエミエである。こんな気持ちでは相撲協会の浄化作業は進まないし、このままなら再び同じ事態を惹起させるのは目に見えている。
相撲が消えるのは惜しいが、一度国の助成を止めてみてはどうか。世間知らずのお相撲さんがどれだけ世間に伍してやっていけるか、思い知った方が良いのではないか。
1146.7月3日(土) 菅首相、消費税発言の無責任
数日前菅首相が唐突に消費税の値上げを口に出したが、それに合せるように民主党内外から異論・反論が噴出して後始末に追われている状況である。どうも選挙前に不利な発言をするとあまり得策ではないように思えるが、そこには菅首相独特の深謀なる作戦があるらしい。つまり、最大野党の自民党がすでに消費税10%へ値上げを打ち出しているので、敢えて戦争を仕掛け、自民党と同罪、或いは相討ちを仕掛けたということのようだ。ところが、その後反対の空気が強く参院選に影響すると思ったのか、不意に消費税値上げとセットで低所得層には還付を行うと遊説先で切り出した。それが、行く先々で首相がしゃべる還付の対象者がばらばらなのだ。年収200万円以下の家庭と言ったかと思ったら、別の都市では250万円、300万円、350万円、400万円と勝手に話している有様である。
菅首相に伺いたい。あなたの消費税に関する持論を一度全部きちんとお話しなさいと。発言はしっかりした制度設計に基づいたものでないし、あまりにも単なる思いつきではないか。これでは、試算する方も大変である。還付の対象者のことを含めて首相の消費税に関する考えがよく分らない。首相周辺もよく分らないようだ。いつ何をしゃべるか分らないので、みんな右往左往して振り回されている。ついに昨日の朝日「天声人語」に、あまりにも首相は軽いと書かれていた。
急に消費税が話題になり出したが、いずれにしろ参院選後には民主党も公に消費税議論を始めなければならないだろう。最近メディアでも日本以外の国々の消費税に該当する税について紹介するようになった。先進国の中では日本の現在の消費税5%というのは、格別に低い。中国は17%、韓国ですら10%で還付なんて優遇制度はない。ヨーロッパ諸国に至ってはほとんど20%を超えている。重税感はもちろんあるだろうが、国民に充分説明して納得を得られていると思うのは、例えばスウェーデンの25%の高税率である。子どもの教育費が大学生まで無料であり、医療費もほとんどかからないので、国民は納得し現状にほぼ満足している点である。
それに比べてわが国では、求めることばかり多く、支払うことにはあまり前向きではない。菅首相の言い方は、低所得層には辛い逆進税の消費税を上げさせてくれれば、見返りに低所得層だけにお返ししましょうと言っている。だが、仮に年収400万円未満の世帯に軽減策を実施すると増税分がほとんどなくなると言われている。これでは話が元に戻ってしまうのではないか。こういうパフォーマンスを「大山鳴動鼠一匹出ず」というのか、「元の木阿弥」というのか、「時間の無駄」と言うのだろうか。
菅さん、もう少ししっかり腹を据えて取り組め!
1145.7月2日(金) 中国人旅行市場の活性化を期待する。
海事会館で共著「そこが知りたい 観光・都市・環境」の編集会議を行い、初めて出版社から担当者が出席された。些細なことであるが、共著を作り上げるのはつくづく難しいと「知の現場」で思い知らされたが、今日も打ち合わせの中で難しさをしみじみ感じた。一冊の書を書き上げるのにそれぞれ思惑があり、スタイル、目次、内容等々で中々考えが一致しない。一応年長者に譲って持論を取り下げたが、今後はもう共著は書けないなと思った。
予定の原稿枚数はすでに書き上げたが、まだまだ内容的に見直して書き直す必要がある。この最中の昨日中国人の旅行制限が大きく緩和されることになり、今後大勢の中国人旅行者が日本を訪れるようになりそうだ。特に、個人旅行者に対してビザ発給条件が緩和されたので、訪日観光客が一気に増えそうである。詳しい事情は分らないが、中国人旅行者に対して日本の観光ビザを日本政府が以下のような条件をつけるというのが面白い。個人ビザは従来年収25万元(340万円)以上の富裕層を対象にしていたが、これを中間層の年収6万元(80万円)にまで拡大するという。これによって対象者は160万所帯から1600万所帯に拡がる。実は、今取り掛かっている共著では、外国人旅行、中国人市場についても頁を割いている。今や中国人なくして何事もできないという感じである。
外国人、中国人が日本を訪れて日本をよく知ってもらうことは大いに結構だと思う。その証拠に日本を訪れた中国人の日本に対する印象はかなり良いようだ。これまで中国の人たちはあまり日本の実情を知らずに、一方的な中国政府の意図的な情報や悪意を含んだ噂によって真実とは異なった実態を知らされていた傾向があった。あまり中国人の日本訪問がない時代には中国政府の反日宣伝で、簡単に反日行動に出る民衆が多くいた。彼らが一度訪れた日本を美しいとか綺麗だとか、日本人を親切だとか、優しいという言葉で判断するのは、本当に日本でそう感じたからだろう。その意味では、中国人にどんどん日本に来てもらって日本に対する認識を高めてもらいたいと思う。これからはもう少し中国国内における公平な日本観を中国人旅行市場の活性化によって高めてもらいたいと思う。
1144.7月1日(木) 日銀短観の景況感というのがよく分らない。
南アフリカから日本サッカーチームが今日夕方帰ってきた。好成績を挙げたので、歓呼の声に迎えられて全員ニコニコ顔である。空港における記者会見も明るいもので、4年後に向けた決意も述べられた。その中で岡田監督は引き続き監督を続けることについては否定的な応答だった。ただ、それはそれとして、昨日のインターネットを見ていると、チリー人が次期監督候補者として挙がり、サッカー協会原技術委員長もすっかり気に入っているようなコメントを述べていた。だが、まだ正式に岡田監督が辞めると決まったわけでもないのに、どうしてこう先走るのだろう。サッカー協会も、技術委員長も少し思慮と良識に欠けているのではないか。
こんな発言を聞いては岡田監督だって心中穏やかではあるまい。岡田監督は、まだ頭の中も整理されていないのではないか。辞めるかどうかは分らないが、まだ辞めると決めてもいない最中に冷水を浴びせられるように後任監督の名前が話題になるのは決して愉快なことではあるまい。
今後監督問題はどんな話になるのか分らないが、サッカー協会の幹部の間でもう少し思いやりのある対応ができなかったものだろうか。それが奮戦した監督に対するエチケットではないだろうか。せっかく日本中に勇気と活力を与える活躍をしたサッカーチームの監督に、感謝の気持ちを表すのではなく、邪魔者扱いをするようでは今後日本人で監督の引き受け手はいなくなるのではないかと心配である。
今日も昨日に引き続き日経平均株価が大きく下がった。前日に比べて191円も下がり、日経平均は9,191円となり、9,000円割れも目前となった。更に今日国税庁が発表した路線価は、対前年6%の下落率で2年連続して下落している。その中で東京は対前年11.3%で全国トップの下げ幅である。大都市圏が軒並み悪化している。
その一方で、今日日銀が発表した6月の企業短期経済観測調査(短観)では、景況感は5四半期連続で改善しプラス1となった。プラスに転じたのは、リーマン・ショック前の2008年6月以来2年ぶりだという。これがよく分らない。これだけ見れば、景気回復を辿っていることになるが、株価は毎日下がり続けている。このアンバランスをどう判断したら良いのだろうか。
1143.6月30日(水) 日本サッカー、惜しくも南アに散る。
ワールドカップ予選リーグを勝ちあがり、決勝トーナメント1回戦に出場した日本代表チームは昨晩南米のパラグアイと対戦し、0-0のまま延長線でもケリがつかず、PK戦の末一人がゴールを外し惜しくも敗れた。全般的には押されていたようだったが、南米の強豪に対して堂々と勝負して惜敗したのは惜しんでもあまりある。勝負は時の運であるが、戦前は予選リーグ3連敗だと酷評され罵声の嵐の中で、よくぞここまで立ち直り勝ち残ってくれたと思う。岡田監督の采配とリーダーシップ、そしてリザーブの選手たちもくさることなく、レギュラー選手を支えた絆の強いチームワークが、結局チームとしてのまとまりを堅持することになり、一丸となって戦えた成果ではなかったのではないか。
一度は「辞めろ!」とまで非難され悪評サクサクだった岡田監督が、今ではヒーローまがいの持て囃されかたである。口の悪い高校の先輩・石原慎太郎都知事もはっきり言っているように、まさに「勝てば官軍」である。それにしても日本のサッカーもレベルが高くなったものだとつくづく思う。今回の善戦をきっかけにして、月刊誌「選択」6月号で指摘されたように、日本サッカー協会の内紛もどきの主導権争いを即刻止めるべきである。そうでないと次はないと協会トップたちは肝に銘じるべきである。
世界中がサッカーに夢中になっている間も景気の先行きに明るさが見えないせいか、先週から株価の下落が止まらない。先週1万円台を割った日経平均株価が、今日今年の最安値を示した。対前日188安の日経平均が9,382円にまで落ちた。ヨーロッパ全体の景気が不安定なこととアメリカの景気回復もまだ先のこととして投資家に見放されたようだ。
さて、夜のNHKニュースで「楽天」「ユニクロ」「日産」の社内事情について紹介していたが、いずれも社内の公用語に英語を取り入れる点に焦点を当てていた。特に、楽天の場合は2012年末までに全社員が英語をマスターして、会議はもちろん社内のメール、会話もすべて英語で行うという。すでに社内食堂のメニューは英語で表示されている。いくら海外との取引が多く、外国人社員が増えたとは言え、ここまでやるかと些か首を傾げたくなる。英語を習い、社内で英語を使うことは大いに結構である。しかし、英語をまったく使わない部署もあるはずである。それを英語オールマイティのような、社内規範は如何かと思う。日本語なら意思の疎通がスムーズな部署で、敢えて不慣れな英語を使うことによって、それが会社全体の営業活動にとって全面的にプラスになるだろうかという点に疑問がある。むしろ、日本語の力が衰え、日本語による表現力が落ちることも考えなければならない。
もう走り出したようだが、他の企業などでも今後同じような問題を抱える可能性があるが、一歩引いて考えて、果たしてアイディアが会社にとって、プラスとなるか、マイナスの恐れはないか、充分精査して欲しいと思う。
1142.6月29日(火) 共著「知の現場」電子書籍化なるか。
知研から連絡があった。昨年暮れに共著として上梓した「知の現場」が電子書籍化されるという。東洋経済新報社からも積極的なアドバイスがあったようで、取材した21人の方々から電子書籍化OKの返事をもらう必要があるとのことである。電子化については、今大きな話題となっているが、出版業界、ライターともども日本ペンクラブでも疑問を呈している最中である。
本書は幸いヒットして仙台地区や福岡地区でもビジネス文書部門でベストテン入りした。これを契機に電子書籍化されて更に販売部数が伸びれば嬉しいことである。
秋田事務局長が21名の方々から了解を取り付けるべく連絡をとることになるが、あまり反対される方はおられないのではないかと思う。私が取材記を書いた4名の方の中でも、文句を言いそうな人はこう言っては失礼だが、北康利氏ではないかと思っている。取材中の印象と取材を終えてすべて話がついて、印刷直前になって突然理不尽なイチャモンをつけてきた経緯からすると忌印である。まあ結果的にどうなるか分らないが、電子書籍化は「知の現場」が評価されているひとつの証ではないかと共著者のひとりとして大変嬉しく思っている。
さて、今日政府は2014年度以降の導入を目標に基本原則として年金制度を一元化することを決めた。「全国民が1つの制度に加入」「最低限の年金額の保障がある」ということを基本としている。これまで何度も議論が出ていた。果たして与野党の間で真剣にこの難問に取り組んでいくことができるだろうか。現状は厚生年金や国民年金、更には公務員の共済年金等職種ごとに制度が異なる。特に公務員の年金が恵まれていることは、周知の事実である。少しでも職種間の公平感を新制度に取り入れて欲しいと願っている。
1141.6月28日(月) 大相撲の大きな危機
日本相撲協会は来月予定されていた名古屋場所を開催することを決定した。昨日特別調査委員会から突きつけられていた勧告文を受諾することにより、開催することを容認された。まあ相撲協会にとってはグーの根も出ない情けない対応である。
先月大関琴光喜が野球賭博をやっていた疑いが週刊誌上に暴露されてから、この一ヶ月以上の間相撲協会内部は武蔵川理事長以下関係者が上を下への大騒ぎである。
今日の臨時理事会で勧告文を受け入れたその内容とは、協会にとっても力士らにとっても極めて厳しいものである。大嶽親方(元貴闘力)と琴光喜が懲戒解雇以上、時津風親方が降格以上の処分で、他に現役力士13名に来場所休場、親方11名にも休場勧告をすることになった。
今日メディアでは各局ともかなりの時間を使ってこのニュースを取り上げ、国内中に深刻な話題を投げかけている。いくつか相撲界の問題点が改めて話題になっている。相撲協会の組織が問題なのは今に始まったことではないが、1,000人の力士に対して50の部屋数は多すぎること、部屋が親方の個人資産で協会が関与できないこと、力士には時間がありあまっているが部屋内でしか過ごせないこと、賭博をやる雰囲気、好きな力士が多すぎること等々が炙り出された。
理事長も自分の部屋の力士に疑いが出たので謹慎ということになった。謹慎沙汰が出たすべての理事、親方、力士は名古屋へは行かず、ひたすら東京で反省するようだ。もう初日まで時間もない。ドタバタで開催して、どれだけファンが観戦されるか心配であるが、今度こそ相撲協会も骨身に沁みただろうから、本気になって出直して欲しいものである。
1140.6月27日(日) 上野・浅草オーケストラ定期演奏会
飯田ゼミの赤松さんが関わるアマチュアオーケストラ「上野浅草フィルハ-モニー」定期演奏会が浅草公会堂で開かれた。妻は神奈川県合唱際に参加のため、一緒に行くことはできなかった。いつも通りゼミ仲間が集まったが、公演前に会場をぐるりと取り巻いていて今までにないほどの長い行列だった。
曲目はグリンカ作曲の歌劇「レスランとリュドラ」序曲、シベリウス作曲「ヴァイオリン協奏曲ニ短調作品47」、ブラームス作曲「交響曲第2番ニ長調作品73」だったが、今まで聞いたことのない曲だったので、正直に言ってやや分りにくかった。シベリウスの曲では、ヴァイオリニスト林原澄音さんが中々力強い演奏をされた。しかし、あまりクラシックに造詣が深くない私には、知らない曲ばかりでいささか退屈気味だった。アンコールで演奏してくれた「ハンガリー狂詩曲」でやっと旧知にめぐり合えたという心境になった。
いつも通り演奏会後奥さんを含め「神谷バー」で3時間に亘る会食を楽しんだ。いつもながらゼミでともに学んだ仲間と卒業後半世紀近くなっても、思う存分言いたいことを言いあえるのは楽しいし、恵まれていると思っている。それにしても赤松さんのチェロを学ぶ前向きな姿勢には頭が下がる。オーケストラ団員の中で最年長だという。来年6月は50回目を記念して、上野の東京文化会館大ホールで開催されるという。益々の発展を祈念するばかりである。
さて、昨日からカナダ・トロントで開かれているG8サミットでは、日本が主張していた韓国哨戒艦の沈没につながった攻撃を非難する首脳宣言を採択して閉幕した。菅首相も韓国の李明博大統領に顔が立ったのではないかと思う。この他に政治的にはイランの核濃縮活動の継続に対して懸念を表明した。
この後開かれるG20でどういう議論が交わされるのか注目したい。
1139.6月26日(土) 経済危機のギリシャが島を売り出した。
一昨日公示された参院選だが、今朝の朝日と日経両紙一面の記事の当選予想数では、両紙の予想がまるで違う。これから選挙戦が進むに従い予想もずっと現実に近づいたものになるだろうが、序盤戦とは言え、同じような取材をしていてこの当選予想数の隔たりは、どうしてこれほど異なるのだろうか。
朝日の「民主 過半数微妙」に対して、日経は「民主『改選54』上回る勢い」とある。朝日が民主党の党首交代による明るい材料と、普天間移設及び消費税増税のマイナス材料による影響を図りかねているという印象である。一方の日経は、経済紙らしく菅首相がはっきり消費税問題を持ち出したことを評価する国民の声を察知した分析ではないかと理解するが、どんなものだろうか。
ところで菅首相は昨日G8サミットへ出席するために、目立ちたがり屋の伸子夫人を同伴してトロントへ出かけた。今年のサミットの議題はもっぱら経済・財政問題である。ギリシャの財政危機のもたらす各国の思惑がどんな形で発揮され、まとまるのだろうか。菅首相は、この後に控えているG20で会う韓国の李明博大統領との会談を控えて、お土産として北朝鮮の韓国哨戒艦沈没事件に対する制裁をG8文書に盛り込むことを要求している。
韓国も北朝鮮への圧力のひとつとして、拉致事件に絡んで、元死刑囚キム・ヒョンヒを日本へ行かせ、拉致事件遺族会と会わせて北の嫌がる、拉致被害者解放運動を加速させようと考えている。北への圧力に関しては、中ロが反対しているのでどういう結果になるか分らないが注視したい。
今日のニュースで驚いたのは、財政危機による信用不安に直面しているギリシャが財政健全化のため、国内にある6,000の島のうち、一部の島の売却を始めたというイギリス・ガーディアン紙の記事である。一度訪れたことのあるミコノス島やロードス島の一部も対象だそうで、ここまでくると住民の国籍はどうなるのか。失政を犯すと結局国民にそのツケが回ってくるということだろう。
1138.6月25日(金) 祝!日本代表チーム。決勝トーナメントへ進出
今朝起きて最初の関心事は、日本がワールドカップで決勝トーナメントへ進むことができたかどうかである。結果は‘YES’だった。早朝実力的には上位のデンマークを3-1で撃破して、同じE組でオランダに次いで2位となり、2大会ぶりに決勝トーナメントに進むことができた。メルビン・駐日デンマーク大使が予想していたデンマーク勝利のスコア3-1を見事に覆してくれた。
今朝3時半にキックオフをして、終ったのが5時を過ぎていたので、よほどの熱狂的ファンでなければ観戦していないだろうと思ったが、視聴率は関東地区で何と30.5%だったというから人気のほどが窺える。負ければフィーバーが収まるかと思っていたが、これでは当分の間熱気は去らないだろう。朝6時ごろの渋谷駅周辺は夜通し眠らず観戦していたサポーターが、嬉しさと興奮のあまり街頭に繰り出して交通を妨害していた。新聞も号外が出る騒ぎとなった。当然朝刊には間に合わなかったが、夕刊はどこもトップ記事扱いである。スポーツでこれほど国中を興奮の坩堝と化すのはサッカー以外には考えられないのではないだろうか。日本はこの後トーナメントで、まず南米の雄、パラグアイと戦う。
面白いのは、大会前に国内で岡田監督と代表チームに囁かれていた非難、悪評、罵詈雑言は聞くに堪えないものだったが、勝った途端に一転して風向きが変わってきた。代表チームと岡田監督の悪口を言う者は誰一人いない。まさに勝てば官軍である。
今朝の勝利は、上杉鷹山の「為せば成る。為さねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり」を実証してくれた。
その興奮の中で、前回大会の優勝国イタリアが、昨日前回準優勝国フランスに次いで予選落ちしてしまった。2分け1敗で1度も勝てなかった。フランスと違い内紛ではないようだが、前回のメンバーとほぼ同じ選手でチームが構成されたので、年齢的に高くエネルギッシュなプレイに欠けるという点があったようだ。監督も前回大会と同じだった。
それにしても番狂わせと言うべきだろうか、前回の優勝国と準優勝国が決勝トーナメントに進めないというほど、世界の力の差は小さくなったといえるのではないか。
思い出すと日本サッカーがまだ弱かったころ、バンコック空港で乗り継ぎのために待っていて、マレーシアとの試合に向かう途次当時の日本チームの監督?だった故長沼健氏と立ち話をしたが、マレーシアは手強いと言っておられた。それが今ではアジアでマレーシアは置いていかれ、日本は1,2を争うまでにレベルを上げてきた。
相撲界の野球賭博でスポーツが穢れつつある中で、すっきりした勝ち方のサッカーチームは、国民に勇気を与えてくれる。このまま持てる力を発揮して、もう一歩でも二歩でも前進して欲しい。
珍しくわが庭でウグイスが啼いている。2週間ほど前にもやってきて啼いていたが、今日の鳴き声は、サッカーの勝利を祝福してくれているのだろうか。
1137.6月24日(木) 日本、決勝トーナメント進出なるか?
参院選が今日公示され、いよいよ来月11日の投票へ向けスタートした。選挙区と比例区の立候補者を合わせて、438名が121の議席を争う。3年前に比べて61名も多いという。新党乱立の影響もあると思うが、やはり昨年の衆院選で政権交代が成って、有権者の気持ちが変わりやすくチャンスと見て立候補した人が増えたのではないだろうか。焦点は与党・民主党が過半数を獲得できるかどうかである。
さて、ワールドカップがたけなわであるが、昨日強豪国フランスが南アフリカに敗れてリーグ最下位となり、決勝トーナメントへ進出できなくなった。フランスは何と前回大会の準優勝チームで、今回も優勝候補の一角にある。このフランスが早々に表舞台から姿を消した原因は、チームとしての力を発揮する以前の問題として、チームの和ができていなかったからのようだ。ドメネク監督と選手との間に溝ができていて、公然と選手が監督批判をするような下克上の雰囲気だったらしい。挙句の果てに中心選手をチームから追放し、それに対してチームメートが練習をすっぽかすほど監督・選手の対立は深刻だった。もともと選手はスター選手を揃えていて技術は超一級品だが、その分エゴが強くて監督も往生していたらしい。結局いくら実力があってもチームプレイのサッカーで、チームワークが乱れては持てる力を発揮できないということである。
決勝トーナメントへ進出できるかどうか、この数日内にほぼ決まる。マス・メディアもヒートアップして、いよいよ日本の決勝トーナメント進出を賭けた対デンマーク戦が明日払暁に行われる。勝てばもちろん進出できるが、引き分けでも決勝Tへ進める。全国的に盛り上がってサッカーファンは寝られないと思う。いつも白河夜船の時間である午前3時半のキックオフでは、とても観戦する気持ちになぞなれない。日本チームの決勝トーナメント進出を祈りつつ「おやすみなさい」。
1136.6月23日(水) ケルト文化はユニークで個性的だ。
今日の多摩美大の講座は、ケルト人文化に関する幅広い内容だった。講師は鶴岡真弓・同大教授で、ダブリン大学トリニティ・カレッジに留学されたこともあり、ケルトの歴史、美術、音楽、文学に造詣が深い。中々おしゃれな先生で、講義中もベレー帽を被ったままで洒落たシャツをお召しだった。やはり美大の先生ともなるとセンスの良い身だしなみが必要なのかな? アイルランドの歌姫と云われるエンヤと映画に出演したこともある、ハーフの顔立ちをした美人講師である。NHKのラジオ番組にもしばしば出られているようだし、お話では10月には作家・山崎豊子氏とクロアチアを歩いた番組がフジTVから放映される。話すことがいっぱいあって、予定の講義時間を20分も超過した。
専門家らしく深味のある内容をサービス精神たっぷりに話してくれた。アイルランドはヨーロッパの中でも少々異質なケルト人国家で、イギリスに虐げられてきた歴史に、あらゆる文化面と生活面にその特徴が表れているという。ケルト文明はアイルランドから始まってオリエント方面へ移り、黒海、ウクライナまで辿ることができるという。
1992年にダブリン郊外のダン・レエラ市内で学校訪問をした時には、ケルト語の発音に悩まされたことがある。ケルト語の名前がアイルランド人に尋ねても明確な答えがなく、その当人に聞かないと発音が分らないことが何度かあった。
鶴岡講師によると、国土が地勢的に大英帝国ににじり寄られていて、アイルランドにとってイギリスは不在地主のような存在だとか。特徴的な例として、アイリッシュ・ダンスをビデオで見せてくれたが、男女とも上半身は硬直してまったく動かさず、飛び跳ねるようにして下半身をジャンプさせながらタップする。上半身はイギリスに対する姿勢で、下半身がアイルランド本来のものだとは、言われてみてなるほどと思った。このタップがスペインのフラメンコとなり、世界中に広がっていったというからダップ・ダンスのルーツはケルトなのだ。
もうひとつ、個性的なケルト文様について話された。円く巻かれたデザインで、聖書の表紙にも使用されている。アイルランドには、聖書として「ケルズの書」と「ダロウの書」があるが、いずれもその表紙はケルト文様である。
アイルランドはノーベル文学賞作家を数多く輩出しているが、ジェームス・ジョイス、オスカー・ワイルド、ジョナサン・スウィフトら文豪のほかに、小泉八雲がアイリッシュだったとは知らなかった。講師によると八雲の描く海辺と幽霊の世界は、アイルランドの海のイメージに共通しているらしい。
いずれにしても、珍しい内容で中々興味を起こさせるテーマだった。
今日は沖縄戦から65年目の沖縄慰霊の日である。激しい地上戦で約20万人の住民が亡くなられた。菅首相も横路衆議院議長、江田参議院議長とともに、沖縄全戦没者追悼式に参列した。普天間基地移設を辺野古へ決めたことで沖縄県民を裏切ったこともあり、慰霊祭でのメッセージも記者会見でも慎重に言葉を選んで話しているところに申し訳ない気持ちが表われているようだった。
しかし、基地移設問題はこれからが正念場である。どうやって民主党政権は沖縄県民を納得させようとするのだろうか。
1135.6月22日(火) 国宝「倭奴国王の金印」を拝見
福岡市内のNPO会館で「世界遺産150ヶ所を訪ねて」と題してお話した。参加者は25名ほどで年配者が多かったが、皆さん熱心に聴いてくれた。反応はまずまずだったと思う。
終ってから、福岡市立博物館で福岡を舞台にした日本と中国大陸及び朝鮮半島との交流に関する歴史展を開催していて、担当者は私がきっと興味を抱くのではないかと思って推薦してくれたので、終ってから博物館へひとりで出かけてみた。
一番興味があったのは「奴国の時代」と証する展示で、初めて「倭奴国王の金印」と称する本物の歴史的お宝を拝見することができた。高校時代に日本史教科書で、金印の写真を見てから今日まで、大げさに言えば忘れたことがない歴史の証印である。本物と聞いて驚いた。今執筆中の共著の中でもこの金印について触れている。会場は学術的で地味な催しのため、惜しいことに見学者が少ない。しかし、反って係員が丁寧に説明してくれた。福岡県の志賀島という小さな島で発見されたもので、その金印のあまりにも小さいのには意外な感がした。一辺の長さが2.3㎝、高さ2.2㎝、重さが108.7gでほぼ純金で作られている。早速実物大のレプリカを購入した。
その他にいくつかの展示があったが、ある別室でささやかに「戦争とわたしたちのくらし」と称する展示会を開いていたので覗いたら、戦時中の数々の記念品を展示してあった。そこに説明があった「大詔奉戴日」という記念日があったことを寡聞にして知らなかった。何でも「戦地の兵士の労苦を偲び銃後の守りを固める決意の日」というのだそうである。昭和14年から16年まで毎月1日に制定されていた「興亜奉公日」というのが、大東亜戦争開戦直後の17年1月以降、その記念日が毎月8日に日にちと名前が変わったようだ。
福岡の伝統的な行事や、貝原益軒ら昔の福岡出身の偉人に関する展示も案外面白かった。
さて、大揉めの大相撲がぐじゃぐじゃである。日本相撲協会生活指導部長で協会の窓口として度々会見に顔を見せていた陸奥親方が賭けゴルフをやっていたとの上申書を提出した。このざまは一体何だ?と言いたい。理事、親方、現役力士らが、どっぷり相撲ではなく賭けに浸かっていたと知らされては、開いた口が塞がらない。過去のスキャンダルの対応例から考えても、相撲協会の自浄能力を疑わざるを得ない。今や次の名古屋場所が果たして開催可能できるのか危うくなってきた。
来月4日に臨時役員会が開かれ、名古屋場所開催について結論を出すらしい。しかし、今月28日には番付も発表するようだから、その後の開催不可となったら番付はどうするのだろうか。まったく人騒がせな相撲協会と恥辱に塗れた力士たちである。
1134.6月21日(月) あやふや、二枚舌の菅流弁舌
明日の講演のため福岡へやって来た。日本航空に乗るのは久しぶりだが、離陸前機内で「多くの航空会社がある中で日本航空を選んでご搭乗下さいましてありがとうございます」とのアナウンスがあって驚いた。お高くとまっていた日本航空が、乗客に対してこのようなお礼の言い方をすることはこれまでなかった。やはり厳しい経営環境の中で、できるだけ腰を低くして乗客の同情を買いたいというところだろうか。敢えて言えば、もう少し早く利用客に対して感謝の気持ちを表すことに気がついていれば、会社がこれほど崖っぷちに追い込まれることはなかったのではないだろうか。
さて、菅首相が消費税の値上げを発表したことに対して異論百出であるが、首相は先日の発表について手直し修正した。消費税値上げの発表と同時に、世論調査による菅政権への支持が大きく落ちたせいであろう。党内外の批判や世論を配慮したのか、或いは4年間は値上げをしないと約束した鳩山前首相の言葉を慮ったのか、ニュアンスを少々変えて参院選が終ったら税制の抜本改革、なかんずく消費税の値上げに取り組むと今夕の記者会見で強調した。まず、すぐにも値上げとの間違ったメッセージが伝わったようだが、それは間違いであるとの首相の釈明はおかしい。自分のしゃべったことがどう受け取られようと、それは話した方に責任があるのであって、自分の言葉に責任も持てない総理大臣では国民が迷惑する。更に消費税の値上げについては、2~3年の時間をかけて、或いはそれ以上になるかも知れないが、しっかり与野党間で議論を詰めていきたいと消費税議論は長期戦であると示唆した。この発言も国民を惑わせる。国民は参院選が終ったらすぐにも、或いはその直後に衆議院を解散してその後に値上げとのスケジュールを予想したと思う。
今日の会見内容を聞いていると、自分で一方的に話しておいて、その捉えられ方が不味いと思うや、一歩下がって真意はこうだと修正するのが菅流なのか。いずれにしろ政治家の発言というのは、いつもその裏を考えないといけないとは何とも疲れることである。
そんな中ですっきりしたのは、女子ゴルフのショップライトLPGAクラシックで、宮里藍選手が優勝したことである。ゴルフはよく分らないが、今シーズン4勝目だそうである。それより日本人初の賞金ランキング一位となったことが高く評価されている。
1133.6月20日(日) 中国人民銀行、人民元切り上げを発表
今日は父の日だが、嬉しいことに先週長男夫婦が1週間早く夕食をご馳走してくれた。偶然にも今日6月20日は亡父の誕生日でもある。8年前に93歳で亡くなったが、晩年まで割合健康で母の方が父より20年近く前に他界してから広い鵠沼の家でひとり生活していた。その点では精神的にもタフだったと思う。
さて、菅首相が消費税を上げると発表したことに対して、各党各人喧々諤々である。今朝のTBS「サンデーモーニング」で、民主党の消費税値上げに対して、準レギュラーの田中秀征・元経済企画庁長官が吼えていた。まるでボロクソである。どうしてそれほど興奮して攻撃するのか。確かに菅首相の発表のタイミングと手順は上手くないし、国民に約束を破ったことに対して釈明も説明もない。しかし、財政事情が窮地に追い込まれているので、事情は分る程度のことは言ってもよいと思うのだが、とにかく舌鋒鋭く批判し続けていた。4日前にこの番組のレギュラーでもある岸井成格氏の講演を聞いた時、岸井氏は、田中氏の政治的意見は、定点観測的に非常に参考になると仰っていたが、今朝の発言のようにけんもほろろでは、定点観測もあったものではない。
いよいよ中国も人民元の切り上げを決断したようだ。以前からアメリカ政府等に散々人民元の切り上げを要請され、のらりくらりと先延ばしにしていたが、やっと踏ん切りをつけた。
しかし、中国人民銀行の言い方は限定的で「人民元為替レートの弾力性を強める」との発表であり、「人民元相場のドルへの固定を解除し、再び人民元を上昇させていく意思を示すものだ」と受け取られている。世界の為替相場から考えれば、人民元は安く、その中国の安い労働力で各国とも中国から輸出攻勢をかけられ、貿易の不均衡をもたらしていた。一方で中国人労働者の賃金の安さが、中国各地の工場労働者の間でストライキを引き起こし、工場閉鎖に追い込まれているところもかなり多くなった。共産主義国家・中国で労働者が賃上げを求めてストライキを決行するとは、レーニンも毛沢東もあの世でびっくりしているのではないか。
トヨタの中国工場でもストが頻発して工場が稼動しない有様で、これまで安い労働力に目をつけ、中国へ進出していた企業にとっては難問を抱えることになった。
ところで、昨日サッカー・ワールドカップで日本はオランダに惜しくも0-1で敗れてしまった。実に惜しい試合だったが、もとより実力的には元々勝負にならない。オランダの世界ランク4位に対して、日本は45位である。この惜敗というのが、ワールドカップ人気をまたヒートアップさせている。次はデンマーク戦であるが、得失点差でリードしているので、引き分け以上で日本が決勝トーナメントへ出場できる。
戦前は人気も盛り上がらず、予想も悪かったが、先日の1回戦でカメルーンに勝ってから、一気にフィーバーした。オランダ戦の惜敗により、更に熱狂ムードは加速して、25日のデンマーク戦まで、またじわじわとテレビも新聞も国内を熱狂の渦に巻き込んでいくのだろう。ちょっと煩過ぎる。
明日は福岡へ講義に出かけるが、空模様が気にかかる。
1132.6月19日(土) 消費税10%へ値上げか?
一昨日菅首相が来月の参院選のマニフェスト発表に当たり、消費税を(自民党が打ち出した)10%に上げることを参考に議論の対象にしたいと語った。増税分は社会保障費に充てる考えを示唆した。早くも党内外に波紋を呼んでいる。
ここで一番問題なのは、昨夏の衆院選では向こう4年間は消費税を上げないとマニフェストで約束したことである。世論調査によると消費税値上げに対しては国民からはかなり理解が得られているようだ。それもこれも過大な赤字国債発行により、財政危機が叫ばれ、一方ではバラマキと揶揄される支出増大で将来に対する不安から、消費税値上げも已むなしとみられたからである。にも拘らず、いとも簡単に公約を破り一気に10%という消費税率へ話を持っていったことには、問題が残る。
この時期に消費税10%をぶち上げた根拠には、来週カナダで開催が予定されるG8サミットで、増税で財政再建を訴えれば各国首脳の理解が得られるとの狙いがあるようだ。
いずれにしても消費税値上げはある程度理解できる。ただ、それには決定のプロセスに問題があった。決定と公表に至る前に充分議論を戦わせ、その過程が国民に伝えられ、了解を得られることが必要だった。時間の関係もあるかも知れないが、その辺りの過程を手抜きした印象がどうも強い。
それが証拠には、一応閣僚了解事項と言いながら閣内から小沢氏に近い原口一博・総務相の如きは首相とは一線を画す構えのようだし、山口正彦・農水相も納得していない様子である。民主党内では小沢一郎・前幹事長に近い党員は同意していない。首相には参院選までに党内を統一見解でまとめる必要がありそうだ。
自民党は自分たちが打ち出した10%という線を、菅首相が唐突に言い出したことに対して、盗人猛々しいみたいな発言をする下品な役員もいる。同じ10%の中身について堂々議論すれば良いではないかと思うのだが、どうもお互いにライバル意識むき出しである。
連立を組んでいる国民新党は反対、社民党も反対、共産党はもちろん反対で、結局民主党の消費税率値上げに対して素直に賛成を表明したのは、元々増税論者だった「たちあがれ日本」代表の与謝野馨氏だけである。
しかし、赤字が溜る一方の国家財政を考えると、漸く増税に対する議論が持ち上がったことは佳しとすべきである。与野党それぞれの税制論を主張して参院選を戦って欲しい。
1131.6月18日(金) 不祥事続きの大相撲は立ち直れるか?
先月の大相撲夏場所中に大関・琴光喜の野球賭博について一部週刊誌が取り上げたが、当の琴光喜が関与を否定して、うやむやのまま時間が経過した。それがこの数日間野球賭博に関連して相撲界関係者が大きく取り上げられ、ついに琴光喜も前言を翻して賭博に絡んでいたことを告白した。琴光喜の親方が来場所の出場辞退を申し出て受理され、事態の沈静化を図ろうとした。
ところが、その後次々と賭博をやったという親方と力士が名乗り出て、このところ協会役員が連日文部科学省へ事情説明と釈明に参上する始末である。
昨日は元貴闘力の大獄親方が告白したかと思うと、今日になって時津風親方、豊の島、豪栄道、豊響ら有力力士が続々と自白した。すでに相当数の現役力士と親方が野球賭博に関わっていたことが明らかになっているが、この後更に有力な力士が告白するようなことがあったら、来場所の開催が危ぶまれる事態になるのではないか。人気の面だけではなく、経営的にも厳しい事態が予想される。文部省からは日本相撲協会理事会があまりにも統治能力がなさ過ぎると呆れられているし、番組に懸賞金を提供している企業は手を引くことも検討中である。
文科省の言う通り、相撲協会幹部の経営者としての能力とモラルはあまりにもお粗末であり、また社会人としても幼さ過ぎる。
財団法人日本相撲協会としては、これまでのスキャンダルや不始末、更に法律に悖る違反行為に対して世間が納得する凛とした処罰や、相撲界再建への道筋を示して来なかった。卑しくも相撲協会は公益法人で税の優遇を受けている。現状は社会通念に疎い未熟な集団が、だぶついた資金を自由に使い、幻の権力と威厳を行使して、政府の緩い庇護を良いことに相撲という国技を弄んでいたような気がしてならない。
この世間知らずの集団・日本相撲協会は組織体としてまったく機能していない。トラブルは闇に葬って頬被りである。流石に文科省も今度ばかりは、放ってもいられず、外部の意見を取り入れて何らかの処置を行うだろう。
私は個人的には次のように考える。ある一定の時期をメドに、日本相撲協会と同理事会を解散して、広く人材を求めてできる限り経営感覚と教育指導のできる人たちで理事会を再結成して、極力相撲界出身者が理事となる機会を減らして出直したらどうだろう?
今のままの相撲協会では、いずれ伝統の大相撲をつぶしてしまうのではないか。相撲の大好きなフランスのシラク前大統領もがっかりするのではないだろうか。
1130.6月17日(木) 江戸城復元図完成報告会
江戸東京博物館でNPO法人「江戸城再建を目指す会」主催による「江戸城寛永度天守『復元図』完成報告会」が開かれた。しばらくぶりで会の催しに参加したが、小竹直隆理事長の情熱的な指導力と、スタッフの周到な事前準備で報告会は大成功だったと思う。
城郭建築の研究家である三浦正幸・広島大学大学院教授が「寛永度天守はこんなに壮大で、美しい姿だった!」と題して、幕府大棟梁が遺した江戸城寛永度天守絵図について、他の安土城、大坂城、姫路城、名古屋城、宇和島城の立面図と比較しながら、その大きさや特徴等を分り易く説明された。
引き続いて照明デザイナー・石井幹子氏が「夜空に照らされた江戸城―東京の新ランドマークをつくろう」のテーマの中で、夜の照明効果について、更に諸外国に比べて日本の都市には観光の目玉がないので、仮に江戸城を東京湾岸にでも作れば夜景が美しく、観光地化が期待できると話された。だが、これは後段のシンポジウムで、小竹理事長が江戸城再建場所はオリジナルの天守跡地でなければならないとはっきり断言された。
その後両氏に加えて大田道灌公第18代子孫・太田資暁氏と、日本総合文化研究所代表・西川壽麿氏が参加され、小竹理事長がコーディネーターとなって「江戸城が再建されたら日本は甦る」というテーマでシンポジウムが行われた。この中で三浦教授の日本文化におけるオリジナル性と木の文化の観点から、元の天守台へ再建するのが望ましいとの主張が説得力を持っていた。結論は木造建築により往時の姿で復元したいとの声に集約された。
小竹理事長の巧みな司会進行で、ユーモラスに時間の配分もよく、楽しい雰囲気の内に、江戸城再建の声を盛り上げていった。
印象的だったのは、多くの参加者が三浦教授の専門的、かつ学術的な話に引き込まれていったことである。特に、再建に当たっては1割方の人はオリジナルの木造建築よりコンクリート製を望んでいるようだが、その前提として恐らく耐久性の理由で木造建築よりコンクリート製を選択しているのではないかと推測される節がある。しかし、城はしばしば改築、再建されることもあるので、材料の再利用や、本当の意味での耐久性、材質の過重負担、室内の雰囲気、林野庁の国有林内に城郭に適した建築材が植林されている点などを考慮すると、むしろ木造建築の方に利点が多いと説明されたのは意外で、これまで考えていたこととはむしろ反対だった。それにしても三浦教授の明快な説明には頷けるだけの説得力があった。
最後にCGによる再建江戸城の雄々しい外観の姿と、日本文化の伝統的な奥床しさを見ていて感動を憶えた。とりわけ内部の廊下周りと畳の和室を見ていると木造建築以外では意味がないと感じた。
江戸東京博物館第1ホールは定員450席だそうだが、参加者が溢れ出て530名の方が来られたそうである。前途は遙遠であるが、皆さんの気持ちが盛り上がっているので、江戸城再建目指して小竹リーダーの下に前進するのみである。
今日はメディアの取材も多かったようで、早速18:15からNHK「首都圏ニュース」で放映され、(後で録画を観ると)小竹理事長がインタビューに応えられていた。懇親会には着任間もない溝畑宏・観光庁長官も出席された。民間にもおられた経験があるので、本プロジェクトの主旨を充分理解され、観光振興の大きな仕掛けとして捉えていただき、早速パフォーマンスを示され気合を入れておられた。
これから組織内部の声を一層盛り上げて、念願成就のために国民運動にまで広げていく強い意思と心構えが必要であるが、とりあえず経過報告会としては素晴らしく盛り上がったイベントとなり感動した。
何とか生きている内に、ライトアップされた江戸城の格調高い姿を拝んでみたいものである。
1129.6月16日(水) 岸井成格氏講演会と60年安保写真展
久しぶりに「ふるさとテレビ」の月例セミナーに出席した。国会議事堂裏の憲政記念館で開催されたセミナーで、毎日新聞特別編集委員・岸井成格講師が「波乱の政局を読む」と題して1時間余に亘って持論を分り易く解説された。永年政治部記者として取材に当たられていただけに、政治の内部事情と政治勘に勝れていてあまり知られていない興味ある話をされた。
そのひとつはサッチャー・イギリス首相が来日された時、並み居る日本の首相経験者を前に、首相の資格に関する質問に応えて、サッチャー首相は日本の首相資格についてイギリス人に聞くほど、日本には国家のリーダーたるべき人材はいないのかと逆質問をして、オーバーな表情で嘆かれたという話である。
もうひとつは、最近中国政府がアメリカ政府に対して、全アジア・太平洋海域の安全保障のために、東太平洋をアメリカが、西太平洋は中国がコントロールしたいと秘かに申し出たそうである。そのためには、南鳥島が日本領土であるのが邪魔であるとか、なぜ日本領なのかとか、沖縄近海の公海が狭くて沖縄諸島が気になるような話をしたらしいが、今更ながら法衣の下に鎧を着た中国の覇権主義がミエミエで、中国が経済成長に乗って何でも事が通ると思っているその傲慢さには嫌悪感すら憶える。
中々歯切れの良いスピーチだったが、岸井氏は今月24日には、毎日新聞社編集主筆になられるそうで、これから毎日新聞紙面編集の全責任を負っていくことになる。一時大腸がんを手術されたようだが、お見かけしたところお元気そうなので、益々の健筆を期待したいと思う。
セミナーを終えてから慶応出身の岸井氏が客員教授をしておられる早稲田大へ行った。明日まで「60年安保50周年記念行事」の一環として大隈記念タワーで報道写真展が開かれていることを知ったからである。早大キャンパスを訪れたのは早大受験の時以来ほぼ半世紀ぶりである。街と大学キャンパスが融合しているような印象を受けた。展示写真はそれほど多くはなかったが、それでも懐かしいものが大分あった。当時の新聞と記念雑誌が興味を惹いた。スペース中央部では、安保闘争の流れについてビデオが放映されていたが、樺美智子さんの死とアイゼンハウアー大統領のハガチー新聞秘書来日騒動、そして強引な手法で安保を成立させた国会の様子などが懐かしいものだった。
それにしても、当時の学生は現在に比べると服装はほとんど学生服で地味そのものであるが、信念とか行動は迫力があった。それに植物系で無機質な学生はほとんどいなかったように思う。
エレベーターで一緒になった同じような年頃のおばさんは、今の学生はだらしないとしきりに嘆いていた。
夜テレビ朝日で池上彰の「学べるニュースSP!」を観ていたら、ラグビー誕生についてデタラメを言っていた。結構役立つ番組で真面目な取材をしているし、いつも池上氏が分り易い解説をされるので、楽しみに観る番組のひとつであるが、最早ラグビー通の間では定説となっているラグビー誕生の話があまりにもお粗末なエピソードに創り上げられているのには驚いた。大した取材もせずよくもこんな嘘っぱちをでっちあげるものだと呆れ返ってしまった。返事はないと思うが、とりあえずTV局にメール送信で注意してやった。
1128.6月15日(火) 安保条約改定50周年
60年安保闘争が、結局岸信介首相による国民への最大級の裏切り行為によって終結させられたのは、ちょうど半世紀前の今日6月15日である。あの時は実に悔しかった。国会周辺だけでも10万人を下らないデモ隊による異様な雰囲気に取り囲まれていた。結局安保条約は6月20日未明に自然成立となった。この日同年齢の東大生・樺美智子さんが警察の暴力により亡くなった。それまで何回となくデモには参加していたが、どういう事情だったか、この日は国会デモへ駆けつけなかった。母が節夫もデモへ出かけていたら、惨事に巻き込まれたかも知れないとほっと胸をなでおろしていた。
あれから日米安保は、10年後の改定時になっても大きな変化は起こらず、今日まで延々と継続され、ついには先般の沖縄・普天間基地移設問題でも日米政府は、普天間を辺野古への移設で合意した。先日外務省外交文書密約裁判で勝訴した西山太吉氏が、安保条約は内容的に大分変質していると言われたが、一旦改定された60年安保が、いつまでもクビキとなって、日本国内の基地問題の重しとなっている。
日米合意を遵守して普天間移設問題に取り組んでいくと話した菅首相も、一昨日の「はやぶさ」帰還と昨晩のワールドカップ緒戦勝利がよほど嬉しかったのか、2連勝だなどと浮かれていないで、国民を納得させるような説明をして欲しいものである。
さて、先日倉敷出身の出井猛氏から麹町・弘済会館で開催のセミナーにお誘いを受けた。講師は、大原美術館理事長・大原謙一郎氏である。「倉敷から日本を考える」と題して1時間30分余に亘り持論を交えて、倉敷という土地柄、倉敷人について明快に話され、80人の聴衆に感銘を与えた。
印象に残った話は、倉敷は町村合併でも陣取りのように地域を広げていくのではなく、クラスターと呼ばれるような葡萄の葉のように、吸収都市を取り込むのではなく、個性をその地で生かすと話されたことと、民間や町衆の行う行事は、祭りでも学校創設でも持続可能であり、これが官が行ったら持続不可能だったと言われたことである。大原氏は倉敷の文化や住民気質について、かなりの自負を持っていると感じた。元々企業経営者であるが、文化に造詣が深く、話に深みがあり全体的に分りやすい内容だった。
1127.6月14日(月) 小惑星探査機「はやぶさ」7年ぶりに帰還
昨晩小惑星探査機「はやぶさ」が、7年ぶりに地球へ帰還した。今朝の新聞やテレビでも、そのニュースが大きく取り上げられ、感情移入したのか涙ぐんで解説するテレビ・キャスターもいたくらいである。少々専門的過ぎて打ち上げた意図や、その飛行功績については詳しくは分らないが、7年の飛行と60億kmの飛行距離には驚かされる。想像もできない遥かなる宇宙の果てである。地球から3億㎞も離れた、東京ドーム3個分くらいのサイズの小惑星「イトカワ」へ着陸して、カプセルがそこの砂を採取したらしい。しかも大気圏へ突入する直前に地球の写真まで撮って地上へ送ってくれた。何より凄いと思うのは、何度も故障して一時行方不明になり帰還が3年も遅れたうえに、一度途切れた通信機能を再び回復して電波を地球へ送ってくれたことである。宇宙航空研究開発機構(JAXA)のスタッフの辛抱強い努力が実った。
これから回収されたカプセルからどんな新事実が解明されるのか期待が膨らむ。昨日オーストラリアの砂漠に落下する前に大気圏へ突入した後、「はやぶさ」が流星を引っ張るように飛行して分解したが、カプセルはそのままパラシュートを開いて無事着地した。素晴らしい光景を映し出してくれた。久しぶりに宇宙の素晴らしさを画面から教えてくれたように思う。カプセルは直径30㎝、高さ15㎝、重さ6㎏の小さなものだそうである。
それにしても月以外の惑星へ到達して戻ってきたのは、世界で初めての成果で、落ち目と見られていた日本の宇宙航空技術の高い水準を世界に知らしめた点でも特筆ものである。
ワールドカップの大騒ぎの陰で地味ながら、こういうロマンのある科学技術が日本の存在感を示してくれたことを誇らしく思い、深い感動を覚えた。
ふっと別の「隼」を思い出した。言わずと知れた大東亜戦争で活躍した陸軍航空隊の戦闘機「隼」である。飛行第64戦隊(加藤隼戦闘隊)の皆さんと何度もビルマへ慰霊巡拝に行ったものだが、その中心だった皆さんはすでにほとんど亡くなられた。初めてビルマを訪れてから早くも40年が経つ。この慰霊団が縁で国家事業である戦没者の遺骨収集事業を長年に亘ってお手伝いさせていただいた。これも私にとってはロマンを感じさせてくれる旅行だった。
1126.6月13日(日) 世界平和度で日本は第3位
つい最近イギリスの経済誌「エコノミスト」が公表した「世界平和度指数」で、日本は149カ国の中で堂々第3位にランクされた。治安状況やテロの危険性、政情、軍事費支出など20項目以上を集計して算出した数値を基に割り出した順位だそうである。日本より上位の1位はニュージーランド、2位はアイスランドで最下位はイラクである。経済が破綻に近いアイスランドの2位というのが、些か首を傾げるところであるが、何となく納得できる。日本より上位の2つの国は、近くに危険な国がないことが高く評価されたそうだ。日本の近くには北朝鮮が存在することがマイナスになっている。こうなると例え貧乏でも近くに危険な人物がいない方が幸せだということになる。
この数値がすぐプラスに活かされるということはないが、安心して旅行できると外国人から見られることは「観光立国」を売り込んでいる日本としても追い風となるのではないか。日本に長く滞在している外国人にインタビューすると、「夜遅く一人で歩いても安心」「女の一人歩きができる」「物を置いても盗られない」と、普通の安心感覚を持っている。
庶民感覚でも周囲に危険を感じないということは有難いことであるし、貴重なことである。だが、ピリピリするような危険感覚が少ないのも世界的に問題な「平和ボケ」とか、他人のことに気を配らない嫌な雰囲気が当たり前になる恐れがあるから、別の面でちょっと心配でもある。電車内でお年寄りが乗っても若者の中には携帯や漫画本に夢中になったり、居眠りしたフリをして席を譲ろうとしない不届き者が増えている。
因みにこの平和度で北朝鮮は139位、中国は80位、韓国は43位だった。平時における治安の悪さで悪評高い、南アフリカは121位だった。今ここでワールドカップが開催されている。
さて、昨日菅首相はマニフェストに掲げた月額26,000円の子ども手当ての満額支給を断念し、現行の13,000円の上乗せ分は保育サービスなどの現物支給を検討することを表明した。結局衆議院選挙のマニフェストは、頓挫することになった。
しかし、元々財源に乏しく満額支給は当初から疑問符が付いていた。普天間移設問題と同じように結論を先延ばしにした末に、諦めることになった。有識者の意見を聞いていると、どうしても無理なら国民に充分説明して方針転換することも検討した方がよいとアドバイスしている。鳩山政権は頑固に無理押しをして自らを追い詰めてしまうところがあった。消費税問題にしても、向う4年間は税率を上げないといっているが、法人税収入が激減している中で、あまり実行できもしないマニフェストを振り回すと益々窮地に追い込まれる。
そんな中で今朝の日経紙にイギリス・カーディフ大学日本研究センター所長クリス・フッド氏がマニフェストについて提言している。まず、日本とイギリスとではマニフェストに関する考えが異なる。イギリスではマニフェストはあくまで構想で、野党時代に掲げたマニフェストを与党になって修正するのは何ら問題がない。日本ではそれが憲法のように扱われていると指摘している。
子ども手当てにしろ、消費税の増額にしろ、苦しい財政状況を懇切に説明して変更するのは、むしろ国民には親切だと思う。菅政権はこの苦しい懐具合の中で参院選をどんなマニフェストを示して闘っていくのだろうか。
1125.6月12日(土) 大人気ないサッカー日本代表チームの行動
サッカー・ワールドカップが南アフリカで開幕した。連日開幕前の様子をテレビで放送しているが、今回はどういうわけか、日本国内では今ひとつ盛り上がりに欠ける。その原因として考えられるのは、岡田代表監督のベスト4入りを目指すという当初の決意とは裏腹に、大会前のテストマッチで3戦3敗のうえ、たった1点しかゴールできなかった決定力不足が期待を昂揚させない原因であろう。
もうひとつの原因として考えられるのは、大会自体より南アフリカの治安問題にあると思う。前回のドイツ大会に比べて地理的にも遠く、治安の悪さが度々報道され、観戦に行くには危険が多すぎるような伝えられ方では、つい二の足を踏んでしまう。1日平均50件の殺人事件があると聞いては、腰が引けてしまうのも無理からぬところである。日本とはすべての面でかけ離れた世界で行われるイベントというのが、馴染みにくいもうひとつの原因だろう。
20年近く前に訪れた時の南アフリカの治安も考えてみると異常だった。ヨハネスブルグ市内の大手商社支店長のお宅に招かれた時、門前でしばらく待たされた。その理由は防犯用に庭内に放し飼いされている猛犬を繋ぎ止めるためであった。これにはぶったまげた。
今日から約2週間の間、毎日13,500kmも離れた地から熱い実況放送が届けられるのだろう。その中で今朝の朝日新聞にちょっとがっかりさせるような記事が掲載されていた。最後のキャンプ地・ジョージにやってきた日本代表チームが、空港で出迎えてくれた現地のファンを一顧だにせず、足早にバスへ乗り込んでファンをがっかりさせたようだ。監督しかり、中心選手の闘莉王しかりで、大勢のファンの期待を裏切った。選手たちはせっかく出迎えてくれた地元の人たちをひどく失望させたようだ。記事については友人のひとりがメールで知らせてくれた。今回の日本チームを応援する気になれないし、期待もできないという。確かに記事を読んで感じたのは、チームの仕上がりがうまく行っていないせいか、チームに明るさとか、のびのびしたリラックスムードがないような気がする。
しかし、試合の内容と結果はもちろん最重要であるが、考えようによっては、ファンサービス精神とか、選手が備えているべき人間性は、それ以上に大事である。今日のサッカーブームの到来や、日本がワールドカップに出場できるようになった陰には、ファンから支えられてきた歴史があることは誰でも分っている。そんなことは選手たちは当然承知していると思うが、日本サッカー協会は日本代表チームの監督を始め、全選手に事前にその点を確認し、ファンを大事にすることをチームに伝えるべきだった。この様子では今回は日本代表チームに大きな期待はかけられそうもないが、精々無様な試合展開だけは避けて欲しいものである。
1124.6月11日(金) ももこさんのご主人急逝
今朝メールを見たら、小中陽太郎さんから払暁4時娘さんの夫が亡くなられたとショッキングな伝言が入っていた。手遅れだったと書かれていたが、急逝の原因について詳しいことは分らない。娘さん、ももこさんの夫は韓国人で鄭さんと仰る。まだ若いのにお気の毒だ。葬儀関係については韓国の人がよく面倒をみてくれていると感謝の気持ちを書いておられる。お仕事の関係もあるのだろう、今日大邱市から帰国すると知らせてくれた。小中さんご夫妻とももこさんのお気持ちを考えると何と言葉をかけていいのか分らない。心より鄭さんのご冥福をお祈りし、ご遺族の皆さまにお悔やみ申し上げたい。
今日は二つの予定があった。ひとつはJN協会の観光セミナーである。講師は横山善太・㈱JALUX特別顧問で、日航OBらしく昨今話題になっているJALについて外から容易には分り難い内情や、JALとJASの合併話の裏話などを話された。合併話では私が知り合いのJAL社員から聞いた風聞のような話とは随分違った。やはり実際にそういう深刻な問題に関わった人から内部の話、特に両社の合併比率決定の経緯を聞くと大分印象が異なる。目から鱗が落ちるような話だった。
二つ目の予定は、夕方プレスセンターで開かれた片山正彦氏の「ここに記者あり!」(岩波書店発行)出版記念会である。片山氏には2年ぶりにお会いした。モデルの村岡博人氏も出席された。サッカー元日本代表選手だった割には、小柄な方だ。入れ替わり立ち代り親しい人たちが、村岡氏と片山氏を誉めておられた。参加者は150名あまりだったが、ほとんどメディアの人たちだった。今ジャーナリズムの危機が叫ばれているが、それを裏付けるように冒頭挨拶された元共同通信役員の原寿雄氏が、自民党政府から機密費をもらっていたジャーナリストがいる。それが近日明かされるのではないかと言われ、ジャーナリストは襟を正すべきだと強調された。
片山氏にも、北岡和義氏、菱山郁朗氏にもお会いした。
先週土曜日の寺前さんの出版記念会とは趣も異なり、片山氏のお人柄や個性的な面が表れていたように感じた。
1123.6月10日(木) 新生民主党にひ弱さ
今朝二男が宿泊ホテルへ迎えに来てくれたので、車で一緒に二男のフィアンセの自宅へ向かい、その後新潟市内のホテル・オークラで彼女の両親と一緒に食事をした。食事中もいろいろ話をして、彼女も、両親もとても良さそうな人に思えたので安心した。これを機会に息子も本当の意味で独り立ちして欲しいと思っている。
新しい政府がスタートして人事も何とか収まった。朝日新聞世論調査によると、鳩山内閣の最後の支持率が僅か17%だったが、菅政権の支持率は60%に上がった。民主党もイメージが変わったように受け取られたようで、印象が良くなったようだ。これは菅首相に期待というより、小沢前幹事長を追い出したことが大衆受けしたのだと思う。実績と真価はこれからだと思う。小沢氏と菅首相との駆け引きは、これからが本番である。
当面の課題は、参議院選挙で民主党がどれだけ議席を獲得できるかだと思う。60議席取れれば民主党独自で参議院は過半数を制することができる。小沢氏は当然その60議席を目指していた。ところが、菅首相は勝利の境界は50議席だと言い、ハードルをぐっと下げた。最初から自分自身にキズがつくことを恐れたのではないか。その参院選は投票日が来月11日に決まる線が強くなってきた。
国会会期延長の件では、連立相手の国民新党とうまく調整できない。民主党には強いリーダーシップ、強さ、強引さ、力があまり感じられないような気がする。その点がどうも気になる。
新潟へ行っていてメールをチェックしていなかったが、小中陽太郎さんから娘さんの夫が昏睡状態にあるとびっくりするメッセージをいただいた。すぐお見舞いの言葉を送信したが、回復されることを心より祈るばかりである。
1122.6月9日(水)民主党は真剣にマニフェストを作れ!
4月以来、また妻と新潟にやって来た。新潟市へ転勤中の37歳の二男がやっと結婚の意思を固めた。先日突然のように本社へ出張序に彼女を連れてやって来た。明日新潟市内の彼女の自宅へ挨拶に行き、相手の両親ともどもホテルで食事をする予定である。今の若者はわれわれ世代の考え方とはかなり違い、どちらかと言えば自分中心である。親戚や会社関係、友人関係を考えると結婚式は東京で行うことを勧めたが、東京と新潟の中間地点で家族だけに祝ってもらって結婚式を挙げたいという。本人たちの意思が固いので、まあ認めることにした。今秋軽井沢辺りの教会で挙式ということになりそうだ。彼女の両親はどう考えているのか分らないが、娘の良いようにと言っているようなので、それならそれで良いと妻も納得している。
昨日発足した菅政権は、「強い経済、強い財政、強い社会保障を実現する」ことを追及し、「最小不幸社会」を目指すという。財政を強固にするということは、現段階では社会保障の充実と相容れない点もある。特にその基本である増税議論については、比較的理解のある閣僚が、党の垣根を越えて他党と話し合いたいと言っているので結構だと思う。今頃になって増税を検討しようというのが、そもそも遅いのだが、それでも現在の厳しい財政状況を考えれば、どんどん進めて欲しいと思う。実際今日長沼昭・厚労相が来年度予定の子ども手当ての満額支給は難しいと発言した。やはりそうなるのかと残念な気はするが、最初からマニフェスト通り実施するのは曲芸だと思っていた。満額支給にした場合、年間5.4兆円の支出である。
今朝の朝日社説に公約の見直しを率直にと書かれていた。約束通りできないことを有権者に率直に謝罪し、これからどうするか説明し、参院選で信を問うことを提言していた。特に、子ども手当ては当面満額見送るとはっきり書くべきだろうとも提言している。
昨年の衆議院選では、マニフェストに大盤振る舞いをやって、民主党は政権を取ったのはいいが、反って自分たちの首を絞めてしまった。
1121.6月8日(火) 菅直人新内閣スタート
菅内閣が発足した。今度は社民党が離れ民主党と国民新党、2党による連立政権である。新政権は「脱小沢」を主唱しているが、本当にできるだろうか。昨日の民主党両院議員総会で党役員人事を決定し、了承された。しかし、その場に小沢氏はいなかった。小沢グループの役員は「しばらく静かにして欲しいと菅代表が言っていたので・・・」と問わず語らず漏らしていたが、もうお互いの鞘当てが始まっている。
内閣官房長官に小沢氏と距離を置く仙石由人・前国家戦略相を、党幹事長に一部の反対を押し切って菅首相に近い枝野幸男・前行政刷新担当相を任命して脱小沢色を強く打ち出した。
ところが、昨晩の「ニュースZERO」で村尾信尚キャスターがゲスト出演した枝野氏に政治の透明性について質した。そのひとつは、枝野氏は政治の透明性を主張しながらも、小沢氏の金銭問題に関する証人喚問をはぐらかして、村尾氏から言っていることが矛盾していると指摘された。枝野氏は憮然としながらも、自分は弁護士なので法律は分かる。法的責任の問題には防御権もあり、そのことには一定の配慮をしなければならないと証人喚問に慎重な姿勢を示したことを村尾氏が突いたことを指している。枝野氏は小沢氏の反撃を恐れてか、深く小沢氏を追い詰めるような発言をしていない。更に枝野氏はこれから自分は団体や企業から献金は受けないと、きれいごとを言って透明性について力説していたが、村尾キャスターの言う通り、言うことがまったく矛盾している。
沖縄の首長らは揃って、普天間基地移設について菅首相が日米合意をベースに進めるという談話に強く反発している。辺野古移設は認めないといい、徳之島の町長は日米合意から「徳之島」という言葉を削ってもらいたいとまで言っている。沖縄にしてみれば、日米合意にはまったく自分たちの意見が採り入れられていない。これが過去から現在に至るまで蚊帳の外に置かれていた沖縄の気持ちである。鳩山前首相は普天間問題をこじらせて職を辞したので、沖縄ではこの問題は仕切り直しだと考えている節がある。一応日米合意は形成されているが、そう簡単には問屋は卸さないのではないか。
そのほか、最大の問題は財政再建だろう。今の借金財政では、早晩行き詰まることははっきりしている。この経済不況下に税収は落ち込み、当然増税が話題になる。妙に気の合う亀井静香・金融・郵政担当相と原口一博・総務相は、経済立て直しのために今すぐにでも必要な財政出動を行う必要があると、国債発行をなお推し進めようとしている。
しかし、与野党とも全般に消費税増税はある程度やむを得ないと考えている。それならもう少し消費税議論や、財政再建について真剣に議論を闘わせて欲しい。
とにかく新政権が船出した。鳩山前首相のようにぶれることなく、国民に約束したことはきちんと守って、実行してもらいたいとつくづく思う。
1120.6月7日(月) 外務官僚の狭量にがっかり
国際経済が先行き不透明になり、特にヨーロッパ市場ではギリシャの経済破綻、アイルランド、スペイン、ポルトガル、イタリアなどの景気低迷でお先真っ暗という状況である。そこへ新たにハンガリーの財政不安が囁かれ出した。ハンガリーはEU非加盟国であるが、アメリカの先行き不透明感もあって世界的な株価下落となってしまった。今年3月以降日経平均は下りっぱなしで、11,000円台だったのが、今日は9,500円台にまで下がってしまった。日経平均株価も今年に入って最大の下げ幅で対前日380円安である。景気は回復傾向に向かっているとの報道が多いが、この調子だと一体いつ景気のよい話が聞かれるのだろうか。
菅新首相の下で新閣僚と民主党人事が決められつつある。明日認証式を行うようだが、まだ農林水産大臣が決まらない。ほとんど再任だが、赤松農水相だけが、更迭される破目になった。口蹄疫が大騒ぎになった時、こともあろうにキューバでカストロ将軍との対面を望んで時間を空けていた。その時間中にゴルフをやっていたとの週刊誌の誤報に、生憎口蹄疫問題が頂点に達して、噂が増幅され監督官庁としての責任を問われることになってしまった。
一方、今日の人事で中国特命全権大使に決まったのが、丹羽宇一郎・伊藤忠商事㈱相談役である。激職だった社長・会長職を退いても多くの職を務められ、アメリカ駐在も長く、海外での人脈が広い。
しかし、新聞報道を見ると、政府内部にも、外務省内部にも、外交交渉に慣れていない丹羽氏の大国の大使職には疑問を呈する向きがあるようだ。何を馬鹿なことを言っているのだと言いたい。この外交交渉というのが、曲者なのだ。最近だって外交密約文書で外務省が国民を騙した一件が明らかになったばかりではないか。日本の外交官には、率直に言って本当の意味で国益のために粉骨砕身精一杯努める気配が感じられない。長年に亘り海外とのビジネスに携わり、虚虚実実の駆け引きの修羅場を踏んだ丹羽氏なら、遊びまわっている全権大使よりよほど国家・国民のことを考え、働いてくれると思う。民間人に重要職を奪われそうな外務官僚の妬みではないか。丹羽氏は、外務省が決めたルールの下で出来レースのような交渉ごとをやる以上のことをやってくれると思う。
丹羽氏にはこれまでのプロの外交官がやれなかった以上のことをやってもらって、外務省と外務官僚の鼻を開かして欲しいものである。
1119.6月6日(日) パレスチナ・ガザ地区周辺がまた騒がしい。
上海万博が開催されて1ヶ月余りが経過した。開会直前の熱気を帯びた盛り上がりに比べ、その後報道はトーン・ダウンして詳しい情報はあまり伝えられず、何かトラブルでもあったのかと多少気にしていたところ、再び大きなニュースになった。日本館で予定していた「SMAP」の公演を、警備上の理由から中止することになり、万博事務局から正式に連絡があった。何でも韓国館で先日有名タレントのショーで大勢のファンが押しかけ行列が崩れて負傷者が出たことがその一因らしい。
入場者数も当初の期待に反して予想を大分下回っていた。大阪万博の総入場者数を上回る7千万人を目指していたが、危うくなってきたので、連日国を挙げて中国人団体を動員しているらしく、一時は1日20万人を割っていたのが、最近では50万人を超えているというから、その動員力には舌を巻く。
しかし、中国人がすぐ持ち出すメンツとかプライドのために、無理してまで国がかりで人集めをやるのはどうかと思う。実際その気になれば、人口過剰の中国だから大阪万博の入場者数を追い越すのは、そんなに難しいことではないと思う。
さて、今国際的に外交・政治問題化しているのは、北朝鮮による韓国哨戒艦沈没事件だが、欧米を中心により以上に世界の注目を集めているのは、先月末パレスチナ・ガザ地区への支援船をイスラエル軍が強引に拿捕し、9人の死者を出した事件である。ところが、昨日イスラエルは再びガザ支援船の行く手を阻み、今度は抵抗しなかった支援船をイスラエルの港へ曳航した。
イスラエルとパレスチナ自治政府の言い分は真っ向から対立している。イスラエルは、ガザ地区を支配するイスラム過激組織・ハマスへの武器密輸を防止する目的があると言い、一方の支援団体は、公海上で海賊行為により拘束されたとイスラエルを非難する。
そもそも事件の背景には双方の根深い不信感がある。2008年末のイスラエル空軍のガザ地区への大規模攻撃により、市街区は壊滅的な打撃を受け、復興はまだ進んでいない。イスラエル政府はハマスの軍事拠点に使用されるとして、建築資材の搬入を認めていないからであり、ガザ地区住民は電気も充分供給されず、不自由な生活を強いられている。イスラエルのネタニヤフ首相は、ガザに人道上の危機は存在しないと言い、ガザ地区住民の苦境に同情する気はさらさらないようだ。
流石にこのイスラエルの乱暴な行為に対して、世界中から非難が浴びせられているが、イスラエル寄りのアメリカは、今回もイスラエルを非難することはせず、支援船に対してガザへ接岸せずにイスラエルの港に入るよう要請した。
だが、5月の支援船拿捕の際多くの犠牲者を出したトルコでは、エルドアン首相がイスラエルの蛮行に対して直ちに国家テロと断定し、両国間の外交関係を見直すことを示唆している。これまで中東諸国の中では唯一イスラエルと友好的だったトルコが関係見直しを言い出したことは、イスラエルの中東地域における孤立化が一層深まる懸念がある。
とにかくパレスチナ問題は複雑で難しい。こういう面倒な問題が仮に日本近海で発生したら、タフな外交交渉力とディベート力に欠けるわが国は、恐らくやられっ放しだろう。
1118.6月5日(土) 寺前秀一・加賀市長出版記念会
菅直人・新首相就任についてアメリカのオバマ大統領が公式に歓迎の意を表した。メドベージェフ・ロシア大統領と温家宝・中国首相からも祝電が寄せられた。
しかし、いずれにしろ外交上の儀礼的なお祝いであり、格別菅首相の理念や行動力を評価するとか、国際社会をリードしていくために相互の連携を深めようというほど強い期待感が表れたものではあるまい。オバマ大統領のコメントは、普天間基地移設問題に関する日米政府間の合意を確認しようと本音が透けて見えるメッセージである。最近の日米関係がギクシャクしている中で、取り立てて新味のある祝福のメッセージのようには受け取れないのではないか。詰まるところアメリカの指図に従って、粛々と合意事項を遵守することを求められているに過ぎないと思う。
水面下で行っている役員人事と組閣工作については、菅首相は小沢グループを締め出そうと考えているようだ。脱小沢による清新なイメージを打ち出して、政権浮揚を狙っているようだ。鳩山前首相が小沢氏と二人三脚を組んでいたように見せかけてはいたが、鳩山氏にとって小沢氏の存在は目の上のたんこぶとなっていた。これをより気持ちの通ずる菅氏に、小沢氏と刺し違いすることによって菅新政権の環境整備をして、菅氏に借りを作らせたのではあるまいか。
一方、小沢氏から間接的に、9月に党代表の任期が終る次回代表選挙では、菅氏以外の候補者擁立を考えているとの声が流れ、対菅戦争が燻り始めている。早くも菅派と小沢派のつばぜり合いが始まった。この国民無視の陰険な争いによって、再び国民に愛想をつかされるようなことにならなければ良いがと思う。
さて、午後東洋経済新報社ビルでJN協会理事である寺前秀一さんの出版記念会が開かれた。寺前さんは昨年10月高崎経済大学教授を辞めて、加賀市長選挙に打って出て当選された。このほど現職市長として著書「観光・人流政策風土記」を出版されたが、国交省に勤めておられたころから観光分野に関わり、大学地域政策学部観光学科でゼミを持たれていた研究成果をまとめられたものである。今取り掛かっている「そこが知りたい 観光・都市・環境」執筆上参考になりそうである。
私自身過去2回主催した出版記念会とは大分趣が異なり、やや異色にしてアカデミックな試みで、司会者抜きのまま寺前氏は寺前観光論について1時間近くに亘って熱弁をふるわれた。参加者は立ったまま寺前教授?の話を神妙に拝聴するという段取りだった。加賀は寺前氏誕生の地ではあるが、加賀を離れてからかなり時間が経っているので、土地の雰囲気を理解するのは大変だったようだ。特に、合併市町村の場合は、複数の旧自治体に対して平等な行政を行う難しさについて述べられた。
断片的に話された内容の中で、九谷焼について、本家が伊万里焼であるとの説があるというのは初耳だった。しかし、この本家論については疑問が呈されていて、真偽のほどは現時点では分らないらしい。
1117.6月4日(金) 菅直人氏が第94代総理大臣に
菅直人副総理が今日の民主党代表選挙で代表に選出され、その後衆参本会議の首相指名選挙で、第94代61人目の総理大臣に指名された。一昨日鳩山前首相辞任以来の動きから落ち着くべき人に落ち着いたというのが世間の見方だろう。
今日の代表選で菅氏は昨日唐突に出馬宣言した樽床伸二氏に圧勝した。問題はこれからである。アメリカ政府は時差の関係もあり、正式なコメントを発表していないが、ABCは過去21年間で15人目の首相であるが、薬害エイズ問題を解決して国民の人気を得たとか、久しぶりに世襲政治家でない首相が選出されたとアナウンスした。明日アメリカ政府がどんなコメントを述べるか注目してみたい。
今朝からテレビでは民主党代表選やら、その後の専門家の分析などがあったが、首を傾げるマス・メディアの取材コーナーがあった。かねてから目立ちたがり屋の噂のあった菅直人夫人伸子さんへのインタビューである。代表選で選出された直後に自分をファースト・レディと呼ばないで欲しいだの、「首相夫人」と呼んでもらいたいだの、まだ国会で総理大臣に指名されていない内から、すでに呼んでもらいたい「首相夫人」の気持ちになってしまっている。「首相夫人」としてやる気満々である。自分が総理大臣になったわけではなく、「首相夫人」になったのだということを自覚して亭主を補佐する行動をするべきではないだろうか。言っても分らない人だろうが、鳩山幸夫人にしろ、菅伸子夫人にしろ、良きパートナーとして亭主を支える役割をきちんと果たすならともかく、亭主を差し置いてあんまり派手なパフォーマンスで注目を集めるようなことは見苦しいのでやめてもらいたいものである。
当面内閣閣僚の任命と組閣を8日以後に延ばすという。従って認証式もそれまで行わない。それなら、代表選ももう少し時間を置けば良かったのではないかと思う。戦略か作戦があるのか、中々電光石火とはいかないものだ。菅首相が小沢一郎氏にはしばらく静かにして欲しいと公言したことが、政界に波紋を呼んでいる。幹事長として絶大な権力を誇っていた小沢氏をやりにくいからと言って、隠居同然に処することが果たしてできるだろうか。やり遂げれば菅氏の評価はさらに上がるだろう。
菅発言は小沢陣営にどんな衝撃を与えただろうか。現在のところ菅氏の周辺には、小沢氏と距離を置く人が動いているが、彼らが組閣と民主党役員人事の中心になるようだと、自民党の年中行事だった民主党内の抗争に発展する可能性がある。
まだ、沈黙を続けている小沢氏が、今後自分たちの処遇を巡ってどういう行動に出てくるか。波乱含みの新政権の船出ではある。
ところで、今日は21年前天安門事件が発生した日である。あの時北京大学反体制派学生で事件の中心人物として中国政府から追われ、アメリカに亡命して現在台湾に在住しているウアルガイシ氏が、麻布の中国大使館に正門から飛び込もうとして警戒中の警官隊に取り押さえられ、逮捕された。ウアルガイシ氏が秘かに訪日中であるとは知らなかった。しかし、中国がマークしている人物のこんな行動で外交問題に発展しなければ良いがと思う。
1116.6月3日(木) 始まった次期民主党代表選挙の暗躍
日本中を震撼させた鳩山首相と小沢幹事長辞任のニュースが、朝刊一面を独占し、テレビニュースやワイドショー番組でも大きく取り扱っている。今日の駒沢大学講座でも2時限とも、その原因とか、新代表予想が話された。
明日民主党代表選挙が行われるが、昨日早々と菅副首相が立候補を表明したが、今日新たに樽床伸二・衆議院環境委員長が名乗りを挙げた。51歳で当選5回の実績があるのだが、寡聞にしてその名を知らなかった。
明日の新代表選出は、新しい党として生まれ変わってもらうために、カネの問題を抱えている小沢幹事長と抱き合い心中を図った形となった鳩山首相の意向がどれだけ反映され、今後民主党が清新な政党として生きていけるかの試金石となる。岡田外相、前原国交相、枝野行政刷新相、仙石国家戦略担当大臣ら大物閣僚は相次いで菅支持を宣言した。こうなると流れが一気に菅支持へ傾いていたが、これがまた新しい政党のイメージを誕生させることにならないのではないかと小沢シンパは、樽床氏を応援することになった。ところが、夜になって小沢派は、自主投票することになった。これで菅氏に決まりである。
自主投票になったことは、小沢氏が積極的に動かないということだ。しかし、どうもやり方が陰険になってきたようだ。菅氏支持グループは、小沢色がつかないことを画策している。また、いつもながらの永田町の暗躍が始まった。これで果たして新生民主党として再出発できるのか、些か疑問符がつく。
明日の結果を待って考えるより仕方があるまい。
1115.6月2日(水) 鳩山首相、ついに退陣
ついにと言うべきか、やはりと言うべきか、鳩山首相が退陣することになった。今朝からテレビは大々的に報道し、各地で号外も出たようだ。
わが家で購読している朝日の夕刊はベタ白「鳩山首相退陣」であり、日経も「鳩山首相退陣表明」でほぼ同じで、トップの見出しも両紙とも「小沢幹事長も辞任」でまったく同じである。各紙とも論調はほとんど同じで、その原因は普天間基地移設問題の無様な結論と政治とカネの問題である。
昨日から様子が急に変わったので、何か動きがあるとは感じていたが、余りにも唐突だった。だが、本ブログでも度々書いたが、鳩山首相は一国を率いていくリーダーの資質を欠いていたことは間違いない。今日辞任を表明した挨拶の中で、「政権与党の仕事に国民が徐々に聞く耳を持たなくなってきた」ということを述べていたが、何をバカなことを言っているのかと思う。この人は自分がやってきたことに反省の気持ちがまったくないようだ。国民が聞く耳を持たなくなったのは、なぜか。首相自身が軽率な発言で実行力が伴わず、挙句の果てに裏切り行為をやったからではないか。その点を国民が糾弾しているのではないか。思い違いも甚だしい。引かれ者の小唄のようなことばかり言うのは、自分の業績に自信がないからではないか。首相の座ばかりか、この人は政治家としてもやっていける資質がないのではないかと思う。
こういう無能な人を最高位まで上り詰めさせたのは、政治制度と選挙制度にも問題がある。一時は、世襲制についてかなり疑義が出て、世襲政治家の芽を摘むような制度が出てくるかと思いきや、いつのまにか萎んでしまった。
結局首相にしろ、幹事長にしろ、政党内の有力者の間に多くの世襲政治家がいる以上、締め付けを覚悟のうえで大胆不敵な世襲決別案を考え、国民が納得のいく世襲議員を誕生させない法案を編み出さなければ、馬鹿な世襲政治家は失くせないのではないか。
明後日民主党新代表が決まり、鳩山内閣が総辞職して、衆参本会議で首相指名選挙を行い、来週初めには新首相が所信表明演説を行う。問題はその後の参議院選挙である。今回鳩山、小沢が辞任したのは、この二人が看板になっていては選挙に勝てないとの狡猾な打算が働いたからである。昨日から、新制度・子ども手当ての支給が始まった。今月下旬にはカナダでサミットG8が開かれる。この難局をへなへな民主党で乗り切っていけるのか。
次の代表、つまり新首相候補として菅副総理が名乗りをあげた。
1114.6月1日(火) ザンジバルのからゆきさん
今日の多摩美大の講座「都市を美術とともに歩く」は西江雅之講師の「ザンジバル島のStone Townを歩く」という異色のテーマだった。1960年代から世界各地、80カ国以上を歩いて研究された。その中で、ありきたりの国ではなく敢えてunusualな国をターゲットにしてみたと言われた。西江講師は長年早稲田や東京芸大で教えてこられたが、タイトルとしては文化人類学者、言語学者と仰っている。
小さな島・ザンジバルの特異性をいろいろな角度から説明され、多くのスライドを見せてもらったが、その視点と多様性が面白いと感じた。知らなかったことが3点あった。
ひとつは、アフリカ大陸東海岸の南北帯、スワヒリ民族帯がイスラム文化であるということだった。しかもあまりイスラムの象徴であるミナレスが市街地に見られない。それでも、イスラム文化だと説明された。1968年に訪れたケニアのモンバサ海岸もこのゾーンに入るが、その当時モンバサではほとんどイスラム情緒は感じられなかった。この点を質問したらモンバサにもイスラム教会がたくさんあるということだった。
他のふたつの話は、ヴァスコ・ダ・ガマが航海に出る80年前に、中国から2万人単位でいかだのような船で中国人がアフリカ東海岸に辿り着いたという新説と、150年前にこの地に大勢の「からゆきさん」がいて、1920年ごろにも10人ほどの「からゆきさん」がいたらしい。彼女たちは、東南アジアに売られて行き、その後どういう事情か、地の果てまで売られていったようである。
かつてボルネオのサンダカンで、山崎朋子著「サンガカン八番娼館」の主人公だった「からゆきさん」が母国日本に背を向けて建てられたお墓をお参りしたことがあるが、ふっとそんな哀愁を感じさせる話だった。
それにしてもザンジバルのような小さな島に850の言語があり、700以上の異言語による聖書があるとは驚いた。興味深い講座で西江講師の話も予定の1時間半を大幅に超えてしまった。
さて、この数日鳩山首相の総理大臣としての力量について外野の声が喧しい。今日は辞職するか、続投かと話題は一気にヒートアップした。来月に控えた参議院選挙を睨んで、今の首相の不支持率では戦えないという参議院議員の切ない声が辞任論を後押ししている。ドン小沢幹事長と輿石参議院議員会長、鳩山首相による三者会談で話し合ったが、今ひとつ踏ん切りが悪く結論は出ない。このままでは反って目前の選挙に悪影響が出るのではないだろうか。
1113.5月31日(月) 民主党はどう動く? 鳩山首相辞職か?
福島社民党党首が閣僚を罷免され、昨日は社民党が全国幹事長会議で連立内閣から離脱することを決定した。朝日新聞が実施した直近の世論調査では、内閣支持率が下り坂を転げ落ちている。遂に支持率は半月間で4%も下落する17%となった。同時に不支持率は前回の64%から70%に上がった。原因は最近の政策実行のぶれと普天間基地移設のどたばたにつきる。
鳩山首相は昨日済州島で日中韓首脳会議に出席し、今日は首相官邸で中国の恩家宝首相と会談した。その後首相は職を辞める気はないと辞任論をきっぱり否定した。しかし、このまま首相の座に留まっていて大丈夫だろうか。党内でも若手を中心に鳩山辞職論が浮上しているようだし、首相自身が小沢幹事長、輿石参議院議員会長を交えて善後策を講じているらしい。徐々に強くなる風圧にひょっとすると一両日中に続投か辞任か、動きが出てくるかも知れない。
政治がダメになったと思ったら気象もおかしくなってきた。このところ気温アップダウンが激しく、ここ2日間は肌寒かった。今日も昼間は少し暖かかったが、夜に入って幾分冷えてきた。
これは日本だけでなく、ビルマの気候も同じようだ。記録的な猛暑に見舞われて最高気温を記録して、暑さによる死者が増えているほかにも、水不足が深刻のようだ。今月12日には、ラングーンで42.5℃になり、42年ぶりの記録だそうだ。それが連日というのだから、ほとんど冷房設備のない住民には堪らない。以前マンダレーで48℃という気温の中を歩いたことがあるが、とても長く外にはいられる気温ではなかった。どうも地球が少しずつおかしくなっているのではないだろうか。
さて、先日来依頼されていた短い評伝を書き上げ、ある程度任せてもらって印刷・製本を一気にやってしまった。家族とご親戚に配るということから部数も十数部だけだったので、敢えて印刷業者には頼まなかった。
幸いパソコンの個人講師から、紙面割付の仕方、表紙の全面印刷のやり方等を教えてもらっていたので、印刷までは苦にならない。案外気を遣うのは印刷用紙で、表紙用・文章用の紙質から用紙の厚さ等を決めるのが案外面倒で、特に両面印刷用の用紙でも表と裏では紙質が異なっていたり、それを同質のものを探したり、思わぬ気苦労もあった。最後に製本テープで仕上げたが、中々見映えのする冊子ができ上がったと思う。これを依頼主に早速宅急便で送った。依頼主が手にしてみて何と仰るか分らないが、一仕事終えてほっとした。
今日嬉しいニュースがひとつあった。東京六大学最終週の早慶戦で母校慶応が宿敵・早稲田を破り、11シーズンぶり・32回目の優勝を飾った。よっしゃ!
1112.5月30日(日) 存在感がなくてもいざとなればやってのける国
国連本部で4週間に亘って核不拡散条約(NPT)再検討会議が開かれているが、非核国と保有国の間で中々意見調整がつかず、5年前の前回同様何らの結論もまとまらないのではないかと懸念されていた。それが、土壇場で最終文書の合意にこぎつけた。完璧ではないにせよ、一応開催した成果はあったわけである。
そこには、議長を務めたカバクチュラン・フィリッピン国連大使が自身の体調不良を押して最終文書採択のために奔走した涙ぐましい努力があったようだ。今国際社会における核問題の問題児は、イランと北朝鮮である。しかし、本当に恐れられている核保有国はイスラエルで、今回もイスラエルとイランをどう説得して核軍縮と核不拡散の方向へ両国を誘導するかということが課題だった。議長は、イラン説得のためにブラジルとトルコ首脳に電話で協力を頼み、同時にアメリカが対イラン追加制裁決議草案でロシアと、中国と合意したことが大きい。
イスラエル説得に当たっては、エジプトがアメリカを説得して譲歩を引き出し、一方の立役者となった。
日本国内では普天間基地移設問題の陰に隠れて、それほど注目されていなかったが、被爆地の広島や長崎では前回開催の際は明るい展望が見えなかっただけに、今回の合意を素直に評価している。しかし、それにしても日本の存在感は薄い。本来なら唯一の被爆国を切り札に、核の怖さを一番アピールできる立場にいるはずである。
翻ってここ数日間の民主党と鳩山首相の言動を見ていると、膠着状態にあって外交交渉のテクニックと決意を示したフィリッピンとエジプトの足元にも及ばない。経済力が弱く、普段はその存在感が薄くても、いざとなれば国際問題では他国のために一肌脱ぐ心意気と周囲の信頼感が素晴らしい。
日本外交の秘密主義と官僚機構は、このグローバル化の時代には時代遅れではないか。それに、現状で諸外国と向き合ってタフな外交交渉をやれる人材が果たしてどれだけいるだろうか。これは教育問題であるかも知れないが、小手先ではなく、全体像を描いてことを処する智恵と行動力を培った人間を育成するには、現在のわが国の機構ではだめなのかも?
1111.5月29日(土) 外交密約裁判の西山太吉氏から話を聞く。
いやぁ、今日は素晴らしい話を沢山伺った。話されたのは、外務省外交文書密約事件で38年間に亘り日本政府を相手に戦ってきた、元毎日新聞記者・西山太吉氏である。裁判自体はすでに今年4月東京地裁から勝訴の判決を得て、改めて多くの人が知るところとなったが、国としてのメンツだろうか、負け戦を覚悟で国が控訴したのでまだ完全決着とはなっていない。しかし、本件に関する限りこれまでの経緯と証拠、関係者の証言により判決を覆すのはほとんど不可能に近い。
朝日新聞社会部OB十日会が主催した「『ジャーナリズムのいま』を問う市民講座」第1回の講演者として話題の西山さんが、「沖縄密約の今日的な意味」と題して話された。場所は有楽町のラクチョウビル内の成城学園のクラブである。会としてもうひとり西山裁判の原告団のひとり、柴田鉄治・元朝日新聞記者が前段の話をされた。柴田氏がまだ海外特派員として活躍していたころ、海外便りをよく読んだものである。
今年79歳になられる西山さんは、血色も良くテーブルに拳を叩きながら熱弁を揮われた。不正を許せない熱血漢の面目躍如である。お二人とも異口同音に協調されたのは、国民が罪を犯せば法によって国に罰せられるが、国が罪を犯しても罰せられないのはおかしいと仰ったことである。国は国民にウソをついてはならないという戒めには、それをやると安保条約の変質とか、外交密約という問題につながると警告された。60年安保闘争に参加した立場を考えると、もう少し現在の安保について改めて勉強してみることが必要だと反省させられた。
印象的で眼から鱗のような話を随分なされた。西山さんが特に強調していたのは、「安保条約の中身は60年安保、70年安保、沖縄返還、2006年日米合意へと時間の経過とともにまるで変わってしまった」ということである。そして、55年体制以降、外務・防衛官僚によって日本の外交・防衛は進められ、大きな厚い壁ができて、外部の力では風穴を開けることすらできなくなっていると危機感を述べられた。今度の勝訴もやっとドリルで穴を開けた程度だという。話題の抑止力なんかとても当てにできない。
2006年日米合意の下に作成されたロードマップは、当時のラムズフェルド国防長官と守屋武昌・防衛事務次官の間で調整のうえ作られて磐石に固められており、そう簡単に作り直したり、破棄することはできない。今度の普天間基地移設の原案回帰もこのロードマップに沿っている。
新たに認識させられたのは、鳩山首相の祖父・一郎元首相とその後の石橋湛山・元首相は、ともに党人派であり、真剣にアメリカに対して日本のあるべき立場を主張し、政治理念を行動に移した。アメリカが危惧する中で、鳩山一郎は日ソ国交回復を果たし、石橋湛山は日中国交回復を目指した。アメリカに言うべきことも主張した。サンフランシスコ平和条約締結後は、沖縄の施政権を返還して6年後に米陸軍の撤退を、さらに6年後に空・海軍も日本からの撤退を要求していた。
残念ながら石橋は健康上の理由で僅か3ヶ月の短命内閣に終わり、実績は残せなかったが、長く首相の座に居たら、その後の日本は大分変わっただろう。
しかし、その後を継いだ岸信介以降の首相は官僚であり、自分たちの領域と権益を頑として守り、安保条約を法制化して固定化した。党人派なら自主独立、中立、反戦、反核、反基地を貫き自主外交路線を歩むのに対して異なる保守の道を歩んだ。官僚が法制化して固定化した安保には、まやかしが多く、事前協議には核配置、旅団配備、直接行動などが盛られているが、実際その通り協議できる保証はない。沖縄返還に当たって「核抜き・本土並み」を標榜したが、実際にはアメリカの要望はすべて飲んでいる。非核三原則にしても、「3」原則ではなく、「2.5」原則で、陸上はともかく日本の軍港に核は持ち込まれている。
他に大きな問題として沖縄に駐留する米軍にかかる経費はすべて日本が負担している。今や在日米軍の経費の75%は日本が負担している。また、世界に点在する在外米軍の駐留費用の50%は日本が負担している。世界で呆れられているこういう事実を外務・防衛官僚は一切国民に知らせようとしない。
今回の辺野古移設案は、2006年の日米合意のロードマップに基づいていて、アメリカはロードマップに戻って来るのは当然との受け止め方であった。民主党政権発足時に「CHANGE」の精神で、真剣に検討し、精査してアメリカと激論を交わして変更させる気持ちがなくては、この堂々巡りも致し方ない。
政治を監視するのは、マス・メディアだと言っておられた。若いジャーナリストの間には、優秀な人も大勢いる。むしろ彼らを殺してしまうのは、上に立つ人が問題だと言っておられたが、何もこれはメディアに限ったことではない。
ほかにも参考になる有益な話を沢山お話いただいた。数は少ないが、世間にはこういう気骨のある立派な人もいる。
とにかく今日一日は有意義な話を聞くことができて、充実した気持ちでいっぱいである。西山さんに感謝!感謝! 併せて真面目でタイムリーな企画を計画された主催者の労に対しても感謝の気持ちである。
1110.5月28日(金) ビルマのドキュメント映画と福島大臣罷免
ビルマ軍事政権下で自由を抑圧されているビルマ人の生活と、軍政に対して民主化を求め行動を起こした僧侶と市民のデモ風景を赤裸々に描いたドキュメンタリー・フィルムが公開されている。
先日報道番組で鳥越俊太郎キャスターが、この映画について解説され、ぜひ多くの人に観て欲しいと推薦しておられた。ビルマとビルマ人については、人一倍懐かしさとともに拘りがあり、ぜひこの映画「ビルマVJ」を観てみたいと思っていた。副題は「消された革命」と付けられていた。VJとはビデオ・ジャーナリストを意味している。
今日渋谷の「シアター・イメージフォーラム」で観賞したが、小さな劇場で座席は150席ほどで観客は僅か十数名程度だった。確かに多くのジャーナリストが激賞するように、スクリーンからは危機感と臨場感が充分伝わってくる。今年のアカデミー賞長編ドキュメンタリー部門へノミネートされただけあって、ストーリー性はないが、ビルマ軍事政権による非民主化政策と国民の民主化デモの説得力と訴求力は、手法や放送機材が未成熟な中で相当な効果を上げている。特に2007年9月、予想を遥かに上回る一般市民の声援を受け、僧侶と一般市民10万人からなるデモ行進が実現した。仮に市民が武器を持っていたら内戦状態にまで突き進んだと思われるほどの盛り上がりを見せた。
僧侶が政治には関わらず普段から尊敬されているビルマで、あれだけ大勢の僧侶が一丸となって行進し、市民が路上やビルの窓から拍手したり、隊列に加わるような勇気ある行動と光景は、軍政側を一時ひやりとさせたのではないか。
結局軍治安部隊による武器を使った強制排除により、無抵抗のデモ隊は壊滅させられてしまったが、その精神と残り火は確実に次なる人々に伝えられる筈である。実際その映像は「ビルマ民主の声」から、オスロの本部へ送られ、そこで編集されたニュースは世界中へ伝えられた。映像は時々刻々と小型ハンディ・カメラで撮影され送られてくる画像とともにナレーションが厳しい状況を伝えてくれる。ビルマ軍政が何と言おうと世界はビルマ政府の強圧政治と民主化を求める市民の姿を知ってしまったのである。
市街風景とビルマ人が歩いている懐かしいシーンを見ていると、40年前初めてビルマを訪れた当時の姿が走馬灯のように甦ってくる。特にシュエタゴン・パゴダ境内へ通じる参道の階段から上がったパゴダの広間に集結した人々の姿は、ノスタルジアが感じられて、あの温和なビルマ人がこんな暴動の中へ巻き込まれている現状には、同情を禁じ得ない。
ほとんど隠し撮りによる映像のため、必ずしも鮮明な画像ではないが、日本人ジャーナリスト長井健司さんが、ビルマ軍の発砲により路上に倒れて死亡する映像も写っている。
プロのカメラマンではなく、アマチュアカメラマンの域を出ない普通の市民が、危険を冒しながら撮影した映像を集めた珍しいドキュメント手法であるが、反ってそのリアリティは想像以上に伝えられたのではないかと思っている。
現実的には、相も変わらずビルマ政府は頑固に民主化を押さえつけようとしている。世界中が監視している中で、果たしていつまでこの非民主化路線を継続していけるのだろうか。軍政幹部にも早く目覚めて欲しいものである。
随分衝撃的な映画だったが、とても良かった。ビルマの現実をより多くの人々に知ってもらうためにもぜひ多くの人々に観てもらいたい映画である。早速知人、友人にメールで紹介したところ、直ちに3人から反応があり観てみたいという返信をもらった。
夜のニュースによれば、政府は普天間基地移設に関する日米共同声明で、辺野古を明記したと発表した。その他にも米軍訓練地の徳之島への一部移転も併せて発表された。地元は辺野古も、徳之島も反対している。これを敢えて正面突破することになった。更に消費者・少子化担当相の福島瑞穂・社民党党首は、今日も辺野古明記なら署名しないと主張し、最後まで政府案に歩み寄れず、鳩山首相は福島大臣を罷免することになった。社民党としては、本音を腹に収めたままで納得できない案を受け入れてまでして政府案に同意はできなかった。それはかつての村山連立政権で党是を抑えて他党に配慮した結果、社民党らしさを欠いてその後の凋落の道を辿った思い出したくない過去があるからである。
それにしても当分喧しいことだろう。
1109.5月27日(木) 社民党は連立を離脱するのか。
昨日から福島瑞穂・社民党党首は政府の閣僚でありながら、普天間基地移設問題で政府の対応に対して不満を述べている。日米合意案の中に移設先を「辺野古」と記入し、閣内では記入せずにぼかすことについてダブル・スタンダードだと強く異議を唱えている。福島党首は社民党役員会でも辺野古と明記されるなら署名しないと述べ、あくまで反対を押し通すと主張した。こうなると、政府案がまとまらない。連立政権離脱や大臣辞任、さらには大臣罷免の話も聞かれる。
偶々今日鳩山首相の呼びかけで全国知事会が開かれた。ここでも首相自身と首相の手法に対して、厳しい声が浴びせられた。首相を支持する声は極めて薄い。松沢神奈川県知事の如きは、首相のやり方を厳しく批判して、挙句の果てに首相を名指して「無能」という言葉まで使った。連立政権も、民主党も、全国知事会もまったく智恵を出せない。総選挙時に謳った「普天間基地移設⇒海外移設、最低でも県外移設」のスローガンが最初から怪しく、やはり頓挫したのだ。はっきり言って最初から実現の可能性は少なかった。それを煽るだけ煽った結果が、自分たちの首を絞めることになってしまった。最初からボタンを掛け違えていたわけである。自民党議員は、元の自民党案に戻っただけではないかとこき下ろしている。
明日には、政府内で福島党首をどう処遇するかの結論が出るようだ。それにしても、相変わらず鳩山首相に国権の最高指導者としてのリーダーシップが見られない。まったく嫌になる。
さて、もうひとつ国外の大事件である韓国哨戒鑑沈没事件の影響は、朝鮮半島を一触即発の危険な状態に追い込んでいる。韓国内も緊張感が高まっているようで、この時期になぜ北朝鮮が敢えてこのような暴挙に出たのか、いろいろ憶測を呼んでいる。専門家は、最近のデノミ失敗により国家経済が破綻状況になった北朝鮮の上層部が国民の批判の目を逸らすために危機感を煽ったという説、また金正日の後継者問題が原因とも指摘する。1983年のラングーン事件、87年の大韓航空機墜落事件の際も国内に問題を抱えていた。だが、ふたつの事件の直後にラングーンと同じ社会主義国家だった東ドイツを訪れたが、そこには特別不穏な空気はなかった。今度も何もなければ良いがと願う。
1108.5月26日(水) 福島社民党党首は基地移設問題でどう動くのか。
昨日沖縄を訪れ、仲井真弘多・県知事と会見した福島瑞穂・社民党党首が、普天間基地が移設されることに関して断固反対の考えを語った。特に「辺野古」という地名をはっきりさせたことを問題視している。鳩山内閣閣僚の間で充分な根回しをせずに、社民党が反対している辺野古への移設を前提にした政府案をアメリカに伝え、アメリカからもほぼ同意の感触を得たことが、大臣の職にある福島氏を焦らせたようだ。
しかし、このプロセスを見ているとまず鳩山首相にリーダーシップが欠けている。次に閣内で大事なアイテムを話し合うことをしなかった。また、大臣の要職にあるにも拘わらず福島氏は社民党党首として個人的な行動に走った。まだ、いろいろ問題点があるが、このドサクサに国民は呆れている。沖縄県民は当然怒っている。
この閣内不統一の行動に対して、閣僚は口々に福島氏に対して不満を述べているが、さりとて閣内収束に誰ひとりとして行動を起こそうとはしない。自民党からは社民党を連立から切ればよいのではないかと茶々を入れられる始末だ。
それにしても、思っている以上にアメリカとの話し合いは早かった。同意を得られる腹づもりがあったと思うが、それでもアメリカは釘を刺すことを忘れなかった。移設担保である住民の了解を得ることである。この住民の了解が一番難しい。日米両国で話をどんどん進めて、結局そこだけが未解決のままということが一番心配である。
さて、最近とかく評判の良からぬ日本相撲協会がまた新たな問題を抱えてしまった。先の夏場所中に大関琴光喜が野球賭博をやっていたと週刊誌に報道され、警察に事情聴取された。これが大きく広がるかと思いきや、別のスキャンダルが表面化した。
昨夏の名古屋場所中に暴力団が砂被り席で相撲を観戦していたことが分った。この席は維持会員と称する、相撲協会に一定額以上の寄付をした後援者用のもので、取り持った二人の親方が理事会で事情を聞かれるようだ。以前から興行を行う相撲協会と暴力団とは結びつき易いと言われていた。今回の切符手配の背景には、どうやら獄中の親分にシャバの幹部がテレビを通してメッセージを伝える意味があったらしい。
相撲協会もこのところの不祥事続きにうんざりしているかも知れない。しかし、元はと言えば相撲協会のゆるふんによる身から出た錆である。協会には親方を始めとする全力士への指導がどうも徹底していないようだ。財団法人である日本相撲協会に、こう度々スキャンダルを起こされるのでは、監督官庁・文科省としても何らかの規制や、立ち入り検査、指導等を行わざるを得ないのではないか。
1107.5月25日(火) 今秋国際ペン東京大会開催
日本ペンクラブの第54回総会がいつも通り東京會舘で開かれた。今年は国際ペン大会が9月に開かれるので、阿刀田高会長を始め役員が話すのは、もっぱらその話題ばかりである。決算書類は賛成多数で承認された。
国際ペン東京大会は26年前に井上靖会長の下で開催されて以来26年ぶり3回目のことである。2回目の時はやはり会員だった父も参加した。9月23日から30日まで京王プラザホテルと早稲田大で開催されるが、スケジュールの概要について担当理事の吉岡忍氏が説明された。運営経費は中々厳しいと言っておられ、浅田次郎氏のごときは、出版社の門前で腹を掻っ切ってでも資金を分捕ってくるなどと威勢のよい発言をしていた。外国からは中国の高行健氏のようなノーベル賞受賞作家、カナダ人作家マーガレット・アドウッド女史、キャスター小宮悦子さんらも憧れているアメリカ人作家サラ・パレッキー女史らも参加されるようだ。
総会後のパーティに先立ち、先日亡くなられた前会長・井上ひさし氏を追悼して黙祷した。会食中西木正明氏に、過日営業休止宣言をしたインターネット新聞社がなぜ休業に追い込まれたかを尋ねてみた。西木氏は、インターネット新聞代表だった竹内謙氏と早大探検部部員同士で親しいので聞いてみたわけである。西木氏によると理由は2つあり、そのひとつは大きなスポンサーが広告を取り止めたことであり、もうひとつはライバル間の競争が激しくなったことだそうである。西木氏は竹内氏がそう簡単にへこたれる人間ではないので、近い将来必ず復活させてくれるでしょうと話してくれた。いつか竹内氏本人に会って直接聞いてみたいが、この荒波に負けずに再び立ち上がって欲しいと願っている。
他に何人かの会員とも立ち話をしたが、みんな異口同音に鳩山首相の言動に対して批判的だった。その鳩山内閣の閣僚で、社民党党首の福島瑞穂・消費者少子化担当相が今日沖縄を訪れ、仲井真県知事と会談した。協力して沖縄に基地を増やさないために頑張ろうと話し合ったと記者団に語った。知事も有難いとは感じただろうが、相当面食らっただろう。政府がすでに腹を決めた以上、いくら福島党首が反対を叫んでもその可能性は限りなく小さい。福島氏は社民党党首かも知れないが、閣僚でありながら、堂々閣内不統一発言をしている。これに対して首相は、閣僚の行動としていかがなものか、と言っただけであり、社民党党首としての行動ならやむを得ないとまで言っている。鳩山首相のこの厳しさのない発言に、「正体見たり」が汲み取れる。このずぶずぶ内閣ではもうまったく当てにできない。一刻も早く次ぎの首相を決めるべきだと思う。
1106.5月24日(月) 鳩山首相は職を辞するべきだ。
鳩山首相が昨日沖縄を訪れ、普天間基地移設について辺野古移設案を提示して沖縄県知事を始め沖縄県民を怒らせた。今日の新聞・テレビでも鳩山首相はボロクソに言われている。14年前に首相就任3ヶ月でクリントン大統領から普天間基地返還の約束を取り付けた橋本龍太郎元首相が、沖縄へ15回も訪れたのに比べて、間際になってやっと訪れた鳩山首相は本気度が大分違うと、橋本内閣で経企庁長官を務めた田中秀征氏が述べていた。
今日の朝日夕刊「素粒子」欄にこういうことが書かれている。
「怒、怒、怒、怒。沖縄の人々が掲げた1文字にこもる思い。普天間移設、『最低でも県外』という自らの言を忘れたのか、鳩山首相よ。沖縄より米国との協議が大切なのか、日本政府よ。『地元の理解が不可欠』ではなかったのか、米政府よ。本当に努力をしてきたか、本土に住む私たちよ。沖縄の痛みを自分の痛みと感じる努力を。怒、怒、怒、怒。この文字が努、努、努、努に見えてくる」。
公衆の面前で総理大臣が頭を下げ、お詫びとも言い訳とも知れない言葉を漏らし、県庁入りのルートを変えれば、抗議する県民から「逃げるな!」と言われ、一国の最高指導者としては何とも情けなく恥ずかしく哀れな姿だった。これほどミゼラブルな立場に追い込まれたのは、まさに首相自身に責任があるが、はっきり言ってもうこれ以上わが国の政治を鳩山由起夫に任せることはできない。政治家としての政治理念も明確なポリシーも持ち合わせていない。ことを為すのに右往左往して決断力がない。もう好い加減に辞めてもらいたい。とても総理大臣の職を続けるのは無理だ。鳩山首相の政治手法を見ているとこれ以上職を続けると、日本を一層救い難い国へ引きずりこんでしまうのではないかと心配になる。あまりにも程度が低い。まったく情けない。
海外のニュースでは、やはり気がかりだった韓国哨戒艦沈没事件に関して、李明博・韓国大統領が毅然として北朝鮮に制裁宣言をした。北朝鮮船舶の韓国領海の通過禁止、南北交流・交易の原則中断などの経済制裁のほかに国連安保理での協議を呼びかけると明らかにした。このほかにも韓国が拡声器で北体制の批判を行うことなどを語ったが、即座に北は応戦すると反論した。一気に臨戦態勢が盛り上がってきた。韓国国内でも緊張感が高まってきた。嫌な予感がする。
小学校5年生時に朝鮮戦争が勃発した。その当時切実感はそれほどなかったが、映画館へ行く度に観るニュースは、朝鮮戦争だった。また2度と朝鮮半島に戦争の危険がやってこないことを祈るばかりである。
1105.5月23日(日) 民主党政権の基地移設の「裏切り」行為
春のお彼岸にお墓参りができなかったので、長男家族とともに先祖と妻の実家の墓参りをした。先に私自身の生前墓もある中野の宝仙寺へお参りして、昼食後に多摩墓地を訪れた。今日の天候は雨模様とのことだったが、昨日多摩墓地のお墓周りの清掃をお願いしておいたので、断るわけにもいかず、予定通り出かけた。5月下旬というのに、肌寒い陽気には些か面食らった。
しかし、雨の中にも拘らず多摩墓地は、いつもお世話になっている石材店には二つほど法事のような集まりがあり、少々忙しなかった。
やるべきことをやらないと気分的にもすっきりしないが、漸く先祖の供養も済ませてほっとしたところである。それにしても、昼過ぎからずっと長男夫婦と孫3人と行動を伴にして、正直のところやや疲れた。夕食も近所で済ませて彼らが9時過ぎに帰った後は、夫婦揃ってしばし虚脱状態となった。
さて、行き詰まった沖縄普天間基地移設問題が動き始めた。今日鳩山首相は沖縄を訪れ、仲井真知事と会い移設案の概要を説明した。県民から県内移設は認められないという強い反対の声が上がる中で、14年前に受け入れを容認した辺野古移設原案へ回帰する辺野古移設修正案を何とか受け入れてもらうより方法がなくなったのである。
しかし、「海外移設、最低でも県外移設」を約束していた鳩山首相としては、当初の移設案に若干手を加える程度にしか、智恵は出てこない。結局多少の修正案でお茶を濁すしか方法がなくなった。だが、ここに大きな問題がある。政府はアメリカと実務者協議を進めていたが、漸くアメリカ側の了解を得られそうな感触を得たようだ。それを今日沖縄にぶつけたようである。
鳩山首相はアメリカの了解云々という前に、まず沖縄県民の了解を得てからアメリカとの交渉を進めると繰り返し言明していた。然るに今政府が行っている交渉内容は、沖縄県民の猛反発を喰らい、早々に尻尾を巻いて逃げ出したものではないか。順序が逆なのである。これが首相の言う沖縄県民の意思を尊重するということなのか。これでは完全に県民に対する裏切りである。
政府はアメリカのお墨付きを得てから、沖縄が絶対反対する案を手土産付きで強引に押し付けようとしているわけである。民主党政権発足時に、これからはアメリカと対等の立場で言うべきことは言うと大見得を切ったが、何のことはない。対等どころかこれ以上の卑屈な態度はないのではないか。民主党政権はアメリカにお伺いを立て、「ご許可」をいただいたので、これを沖縄県民に押し付けるという不道徳な裏切り行為を行おうとしている。これではこの先落としどころをどこに見つけようとしているのか分らない。
1104.5月22日(土) ある旅行会社社長の言葉
今日デパートの眼鏡売り場で、先日眼科で処方箋を書いてもらった、日常用とPC用の二つの眼鏡を注文した。その後家具売り場でリビングルームのソファーを購入した。いずれもカードで支払おうとした。ところが、家具売り場の支払い中係員にカード会社から本人確認の電話が入り、私自身がカード会社係員と直接話をする破目になった。カード支払いでこんなことは初めてだが、その理由として考えられるのは、一定額以上の眼鏡代金をカードで支払って、時間を置かずに再び高い買い物をしたので、カード会社は本人以外の人物が使用したのではないかと早手回しに確認を求めたからではないかと思う。銀行口座には充分残金があるし、変だなぁとは思ったが、最近の振込み詐欺や類似の事件発生もあり、カード会社が別人使用によるものではないかと疑うのも無理はないとも感じた。すぐ住所や生年月日を照合して、カード会社にはすぐ分ってもらえたが、とんだ一件だった。
さて、今朝の朝日日曜版「フロント・ランナー」に阪急交通社・生井一郎社長が紹介されていた。8年ほど大学の後輩に当たるが、同じ旅行業界人としての考え方には同意できるところが多い。ただ、店舗展開に消極的な考え方には疑問を感じる。旅行というのは、未知の土地で未知の人と触れ合うことであり、従って人の接触が旅の原点である。その点で旅行申込者にとって最初の接点の場である店舗を、コスト上の理由から減らしていくという姿勢は素直には納得できない。
しかし、現場を大事にする、旅行は感性である、という個人的な捉え方は理解できる。なるほどと思ったのは、旅行業経営に関する理解の仕方だった。
生井社長は、旅行業は利潤が少ないと言っている。それは正しい。ひとつ頷けたのは、旅行業は在庫管理を必要としないので、メーカーのような余分のコストがかからないという点に触れていたことである。更に付け加えるなら、旅行業では現金取引が多く、そのほとんどは前受金と後払いという旅行業者にとって有利な商取引が多いということである。それらが相俟って旅行業を何とか成り立たせている。
今秋JN協会発行予定の共著「そこが知りたい 観光・都市・環境」で、今観光について執筆しているが、一般にはあまり理解されないであろう旅行業経営の特殊性とか業態などについて、少し突っ込んで書いてみようと考えている。
1103.5月21日(金) 周囲は嫌なニュースばっかり
ギリシャの信用不安がNY経由で東京証券市場を直撃した。今日の日経平均株価は前日比245円安で、終値は年初来最安値9,784円となり、今年初めて1万円を下回った。NYダウも前日比376$安と急落して今年最大の下げ幅となった。
不景気による影響は各方面に表れている。今春卒業した大学生の就職内定率は前年より3.9%低い91.8%で、比較できる1997年以降で過去2番目に低かった。高校生は前年より1.6%低い91.6%だった。男女の差はそれほどないので、全般的に景気が悪いことがこの事態をもたらしている。われわれが就職した1963年は好況だったので、あまり深刻に捉えていなかった。不況の嵐に晒されている今の学生が気の毒でならない。
昨日韓国政府の哨戒艦沈没が北朝鮮の魚雷によるものだとの発表は世界中に衝撃を与えている。韓国は北朝鮮の検閲団派遣の受け入れを拒否し、国連安保理事会での制裁協議の要請を検討中である。同時にフランス外相へ安保理での協力を要請した。アメリカ政府は、北朝鮮を「テロ支援国家」再指定を検討することを考えている。わが鳩山首相は日米韓間でメッセージを検討すると言明した。そこへ今日来日したアメリカのクリントン国務長官は、岡田外相との会談で北朝鮮を強く非難した。多くの証拠を挙げられ、これだけ責められれば、反省し陳謝するのが常識的な対応の筈であるが、北朝鮮という国家は、外見上は土地を持ち、国民を抱えて政治機構を備えているが、国家の体を成していない。国内外に国としての責任を果たさず、外国に迷惑ばかりかけている。
今日は昨日に比べて各国の北非難のステートメントだけで、大きな動きは出なかったが、週明けから少しずつ北朝鮮に対する非難が世界中からわっと浴びせられるのではないか。
どこを向いても今日もあまりグッド・ニュースが聞かれない。今日大相撲夏場所13日目で横綱・白鵬が全勝で二連覇を決めた。横綱・朝青龍が去った後の大関陣がだらしない。
1102.5月20日(木) 韓国艦沈没は北朝鮮による魚雷と結論
夕刊各紙のトップ記事はすべて、3月の韓国哨戒艦沈没は北朝鮮の魚雷によるものとの韓国政府のコメント掲載である。
今日発表された国際軍民合同調査団の報告書は、韓国哨戒艦の沈没を北朝鮮製の魚雷によるものと結論づけた。かねてから予想されていた通りで、やはりとの印象しかないが、韓国政府の必ず原因を突き止め、犯人を厳しく処罰するとの強い姿勢が国際専門家による慎重な調査となった。韓国を含む5カ国の調査団は回収された証拠物品、魚雷の部品などを科学的に調査し、分析した。
北朝鮮による攻撃と結論づけられた根拠は、次の理由による。①回収された魚雷のスクリューの部品は、北朝鮮の魚雷の設計図と大きさや形が合致する。②魚雷後部に発見されたハングルの表記が、韓国が持っている別の北朝鮮製の魚雷の表記方法と一致する。③北朝鮮潜水艦2隻が、哨戒艦沈没の数日前に母港を出て、沈没後に帰還している。
これらの具体的な根拠を否定し、反論するのは至難であろう。これに対して北朝鮮はいつもの通り、早速でっち上げで捏造と真っ向から反発した。更に韓国が制裁措置に踏み切れば、全面戦争を含む強硬措置をとると威嚇的なコメントを発表する一方で、北が派遣する検閲団に物証を見せるよう要求した。
どうも穏やかでない。調査に加わったアメリカは、朝鮮戦争の休戦協定違反だとして「平和への挑戦」と強く非難した。いつものろのろしている鳩山首相も、「韓国を強く支持する。北朝鮮の行動は許し難い」とのコメントを発表した。更に国連安保理で北朝鮮への制裁決議案が提起された場合、日本政府も支持すると述べた。
問題は中国である。毎度きれいごとや、利己的な発言しかしない国としては、今度ばかりは表立って北朝鮮を擁護する言動はしにくいのではないだろうか。遠回しだが、中国政府はこんな発言をしている。「この事件を適切に処理し、朝鮮半島の平和と安定を維持することが、関係各国の人民の共通の願いであり、関係各国の利益に合致する」。自国の利益に絡む事案だと必要以上に動くくせに、不利な立場になると俄然他人事である。これでよくも、他国の交渉に干渉できるなぁとその神経の図太さには脱帽である。
さて、韓国艦沈没は北朝鮮にとって極めて不利であるにせよ、今後当分の間国際的にも厄介な問題となるだろう。
1101.5月19日(水) 口蹄疫が拡大する一方
ギリシャの信用不安がヨーロッパ全域に不安感を煽って、ユーロ価格は下落する一方である。
タイでは政府軍が反政府タクシン派のデモ隊を強制排除に乗り出した。随分荒っぽいやり方で催眠弾を発射したり、威嚇射撃をしてデモ隊に退去を呼びかけている。午後になってデモ隊の代表者が集会を終了すると発表し、代表者が警察に出頭した。警察も全面的に鎮圧したと発表した。ところが、デモ隊の中には、デモ中止の決定に不満を持つ者が多く、中心街の建物に火炎瓶などを投げつけて暴れまわっている。今夜になって市内に外出禁止令が出された。
韓国では3月に不審な火災を起こして沈没した哨戒艦の原因究明がなされているが、北朝鮮の魚雷攻撃によって爆発し沈没したとの説が日増しに強まっている。国際調査団による原因解明のための調査をほぼ終了し、明日20日に韓国政府から調査結果の正式な発表がある。
いずれも国際的にあまり芳しくないニュースばかりである。
国内に眼を向けると沖縄普天間移設問題がデッドロックに乗り上げているが、ここ数日の間に宮崎県で発生した口蹄疫による家畜への影響がどんどん広がりをみせて、牧畜業者にとって厳しい家畜殺処分の範囲が大きく広がった。今日発表された殺処分13万頭とこれまでの処分を併せると、25万頭になった。
ある業者が語っていたが、地域的に伝染地域内にあるが、自分の飼っている家畜は口蹄疫にかかっていない。出荷はできず、殺処分の指図を待っているが、この間6000頭の豚のエサ代が毎日75万円相当かかる。今全頭を処分すると再生産には2年以上の時間が必要で、その間の生活保障、再開のための費用等を考えると辛いと言っておられた。
政府は補償金を出すと言っているが、その場の補償金程度ではとても元の生活を取り戻すことはできないとがっかりしながら話していた。初動の調査発表が遅れたのではないかとの声もあるが、今は伝染を防ぎ、一日も早く影響を断ち切るという決断と実行が求められる。
それにしても暗いニュースばかりで、どうもすっきりしない。
1100.5月18日(火) JN協会総会と多摩美大開講で忙しい一日
今日は二つの予定があった。ひとつは、NPO法人JAPAN NOW観光情報協会の定期総会であり、もうひとつは今年も受講することにした多摩美術大学の外国美術史講座の最初の聴講である。
前者は昨年まで会場はプレスセンターで行ってきたが、今年は生憎会場を予約できなかったということで、松尾理事長が会長職を務めている海事センターが入っている海事会館で行われた。このNPOは、大手企業が会員に加わっていることもあり比較的財政は豊かで、決算書類はほとんど問題ない。決算書類はすべてシャンシャンシャンと承認された。理事の改選も予定通り同意され議事はすべて滞りなく承認された。一応理事のひとりである私も引き続き2年間理事を続けることになった。
日本経済も今や不況で行き場がなく閉塞感から脱却できない。新たな産業の創出も難しい中で、幸い観光は政府の肝いりもあり、成長材料と期待されている。われわれ観光に関わるNPOも日本経済の期待を背負っていると受け止めて、観光振興について、広く執拗に発信していく必要があると思う。その意味でも今秋上梓予定の観光書が少しでも役立てば嬉しいことである。
観光書「そこが知りたい 観光・都市・環境」については、同じ「観光」を分担する須田寛JR相談役から早くも原稿をいただいた。須田さんの新幹線に関する近著もいただいた。とにかく須田さんは原稿を書かれるのが早い。また、全体の構成として須田さんの文章より、私の文章を前に配置することを提言された。いずれ出版社を交えて話し合いをしようということになった。
総会後の講演は、元国交省審議官・羽生次郎氏で「アメリカの高速鉄道計画の将来展望」とアップトゥデートな話題について話された。GW中に前原大臣とともにアメリカへ新幹線敷設採用の売り込みに行った後に、ベトナムへも売り込みに行かれた。その折の現地の対応と印象について語られた。国と民間が一体となったトップセールスの印象として、アメリカの高速鉄道計画を獲得できる可能性は、極めて厳しく楽観できないと話された。そもそもライバルに比べて売り込みのスタートが遅いということと、ライバルの仏独社に比べて、売り込みがパッケージとして一体化されていないことがネックらしい。つまり、ブラジルへの売り込みの例でも分る通り、商社と車両メーカーが協力してセールスをかけているが、肝心の運営会社であるJR社が噛んでいないことに弱点があると指摘しておられた。更に後発だった中国が今や強敵になったと言っておられた。
後者については、懇親会を途中で失礼して、一旦帰宅してから妻に車で多摩美大へ送ってもらい開講時間ぎりぎりに飛び込んだ。
今日は、「都市を美術とともに歩く」シリーズの第1回「アメリカ・ニューヨークを歩く」と題して、笠原恵実子講師が担当されたが、ユニークな授業で中々面白かった。これまでにない教え方だった。副題が付いていて「アーティストの移住、そのbefore/after」と、アーティストの溜り場であるマンハッタン南部、SOHO地区とブルックリンの芸術家の制作意欲の表し方が面白かった。笠原講師は、多摩美大彫刻科大学院を卒業して彫刻家として活動し、長年ブルックリンに居住しながら制作活動を続けているので、その経験談、中でも彫刻家としての視点が興味を惹いた。廃屋に近いアパートが、芸術家が住むことによって地価が上がり、ハイクラスな地域に変貌していくという見方は面白かった。次回以降他の講師の話も楽しみである。
1099.5月17日(月) タイの対立・暴動はいつ収束するのか。
タイの暴動は一向に止む気配がない。このところバンコック市内で対立している政府軍と反政府軍は一触即発の様相を呈している。連日死者も出て内戦のように泥沼になってきた。どうしてここまでもめるのか、理由はあるにせよ多くの人を巻き込んだ戦争ゴッコの感が否めない。もう少し時が経つと戒厳令が敷かれるかも知れない。ふと41年前のタイへの新婚旅行を思い出す。事前に計画を細かく決めずに、現地を訪れてから対応しようと考えていた旅行だったが、生憎マレーシア国内で戒厳令が敷かれ空港封鎖で予定のペナンへ行けなくなってしまった。咄嗟に格別の目的もなくチェンマイへ飛んだことがあった。
その時バンコック市内で泊ったのが、ルンピニ公園前の「バンコック・タワー・ホテル」だった。その小さなホテルは今も順調に経営されているだろうか。毎朝散歩したルンピニ公園は今では軍が封鎖している。また、チェンマイも渡航延期令が出ているようだ。
双方の対立はぬかるみにはまったようで、解決の見通しが立たない。割合温和で人懐っこいタイ人が、よくもここまで粘り強く闘うものだとその根気に感心もし呆れもする。だが、このままいつまでも対立し続けて、ゲバルトを繰り返しているとお互いに共倒れになるのではないか。
実際外国人観光客はタイを訪れなくなり、経済活動は停止され、このままの状態が続けば、いずれ前代未聞の不況が訪れるだろう。不思議に思うことは、こういう場合普通は国連が調停に乗り出すのだが、今回の暴動にはその兆しもない。いつもトラブルの予兆があると、国連は特使を派遣して、場合によっては介入することもあるが、今回はその素振りすら見せない。多分、王家が仲介に乗り出すとでも考えているのだろう。確かに、かつては国内にデモらしい気配が見えると必ずと言ってもいいくらい、国民から敬愛されているプミポン国王がお出ましになり、一言話すと事態は丸く収まったという感じだった。その国王も今年齢83歳でお歳がお歳だけに、自らタフな調停に乗り出すということは考えられないのではないか。
今日も銃弾のようなものが飛び交っている。1966年初めて訪れた外国が「微笑みの国」タイだったせいで、余計タイの動向が気にかかる。
1098.5月16日(日) 沖縄は天気晴朗ならず波高し
妻の元実家の所有者である西本さんが、ニューヨークから帰国の挨拶にご家族揃って来宅された。3年半に亘ってニューヨーク・JETROに勤務されていたが、転勤によりこの3月にご主人はNYからJETRO岐阜貿易情報センター所長になられた。現在岐阜市に単身赴任されている。ご家族は近所のマンションを借りて自宅の賃貸契約が切れる8月を待っておられる。NYへ行かれる直前に生まれたお嬢ちゃんが来年小学校入学とは、実に時の流れるのは早いものだと感慨深い。上の男の子が小学2年生で、これからも転勤があるだろうし、大変だろうなぁと思う。
さて、相も変わらず実行力の乏しい鳩山内閣が、今やぼろぼろである。平野官房長官が、今日鹿児島で徳之島の米軍基地誘致派の有力者と個別に話し合いを持った。正面突破は無理と悟ったか、政府はサイド攻撃で切り崩しにかかってきた。町長、島民が挙って反対の中で、別のルートを通して説得しようとする、住民の気持ちを逆撫でするような手法はいかがなものか。町長も住民も裏切られたような気持ちで憤懣やる方ない。
政府が早く決着をつけたいとの気持ちも分らないわけではないが、政府のやり方がどうも拙速で泥臭い。それに鳩山首相は住民感情が一番大事で、それを尊重すると散々言っておきながら、やることはまったく逆である。
一方日米間で実務者協議を始めたようだが、普天間移設を実現するための政府案(キャンプ・シュワーブ杭打ち桟橋方式と一部徳之島移設)をその前提として話しているなら、その前提自体が壊れかけ暗礁に乗り上げている。それを敢えて解決の見通しの立たない政府案を強引に推し進め、一方でアメリカと政府案を話し合っているようだが、皮肉にもアメリカはすでに桟橋方式に否定的な見解を示しているようだ。では一体どうすれば良いのか。はっきり言ってこういう袋小路に入った以上今のところ打つ手なしというどうにもならない状況にある。
今日沖縄普天間基地周辺を移設反対、基地撤去を唱える人びとが雨の中で、普天間基地の周囲を一人ひとりが手をつないで「人間の鎖」デモンストレーションを行った。沖縄県民、なかんずく基地周辺住民にとっては本土返還後、失望の連続だったという。長らく旧コザ市長を務められた大山朝常氏は、著書「沖縄独立宣言」の副題に「ヤマト(日本)は帰るべき祖国ではなかった」と付けられたという。沖縄県民にとって本土復帰は喜ぶべき結果にはならなかったのか。もしそれが本音だとすると沖縄返還に多少なりともかかわった私としてもやり切れない気持ちである。いつになったらすっきりした気分になれるのだろうか。
1097.5月15日(土) ホームページ開設3周年を迎える。
早いものでホームページを立ち上げ、このブログを書き始めてから今日でちょうど3年になる。何とかブログはほぼ1,100回を連続して書くことができた。幸いHPへのアクセス数も17,000回を数えた。大勢の人に見てもらっていると思うと責任感のようなものが湧いてくる。
ブログはわれながらよくぞここまで書き続けてこられたものだと思う。これも偏に毎日思ったことや感じたことを書いてみたいとの気持ちが強く、疲れていてもその思いを押しやることができなかったからに他ならない。今後いつまで書き続けることができるか、またこの個人的な記録をどうすべきかも考える必要があると思っている。
今日は沖縄返還が成って早38年である。返還闘争で2度ばかりデモに参加したことがあるが、仕事に追われて心情的な反対運動に終ってしまい、自分の行動に必ずしも納得しているわけではない。60年安保闘争と併せ考えると沖縄返還は了としても、その後安保条約が沖縄の足かせになっていることは間違いない。
また、今日は昭和7年に海軍青年将校が時の首相・犬養毅を殺害した5.15事件が起きた日でもある。今や2.26事件同様に5.15事件もメディアで報道されることはなく、日本史で学ばなければほとんどの人が知らない時代になってしまった。日本人は少々過去の歴史を軽視し、こだわりがなさ過ぎではないだろうか。
さて、先日惜しまれつつ亡くなったが、今もニュース性をもってしばしば取り上げられている人気作家・井上ひさしさんが、日本ペンクラブ第14代会長に推されたのは2003年5月の総会だった。その直後会員に推薦されたことを、偶々スイス旅行中に妻からの電話で知った。その総会記録が掲載されている「P.E.N.」358号(2003年7月1日発行)をみてみると、井上新会長が話された就任挨拶が掲載されている。それによると会員になってから理事、常務理事、副会長と駆け上がってきたが、今まではサボっていたので、会長に選出されたのは天罰に違いなく、しばらくはよく働き、過去の埋め合わせをするようにとの天の裁きが下ったものだと「更生の弁」を述べている。相変わらず人を食ったようなスピーチで、井上流のユーモアとサビを利かせている。それでも、井上会長は連綿と受け継がれてきた反核反戦の気風を受け止め、その気風を若い人に渡すことを誓うと真面目なことも言っておられる。その時私を会員に推薦して下さった専務理事・小中陽太郎さんは、井上さんから副会長になって欲しいと誘われたようだが、2トップが揃って左翼系だと野次馬が騒ぐのではないかと、小中さんは辞退してヒラの理事に降りたと伺った。
翌月の「P.E.N.」359号には、早速井上会長の発案により始まった月例会のショート・スピーチの内容が紹介されている。皮切りに会長自身が話された「遅筆生活40年」は、遅筆になった言い訳と時代背景を伝えていて、これが結構面白い。世間には出ていない井上ワールドの真骨頂である。
この号には、6月理事会で承認された新会員が写真入りで紹介されている。私は名前、住所、電話、生年月日の後に、「エッセイスト。ギリシャ政府観光局長賞エッセイ部門入賞。推薦者 阿刀田高、小中陽太郎」と紹介されているが、同時に会員となった同期生には、阿木耀子、菊間千乃、小池真理子、なかにし礼、藤田宣永氏ら錚々たるメンバーがいる。これらの著名人が揃って私同様に阿刀田高氏の推薦を受けているのが、偶然とはいえ不思議な気がする。4年後井上会長の後任として当時専務理事だった阿刀田氏が第15代会長に選出された。
いずれにせよ、文学界の楽屋裏や、著名作家の裏話は、含み笑いするような感じで面白い。
1096.5月14日(金) ビルマの民主化運動が心配だ。
しばらくメディアで大きなニュースとして取り扱われなかったビルマだが、民主化運動の先頭に立っていたアウン・サン・スー・チーさんが自身代表だった「国民民主連盟」(NLD)を解散させたことで、民主化運動も行き場を失ってしまった。これはもちろん彼女が意図していたわけではなく、また望んでいたことではなかった。巧妙な軍政の罠にはまってしまったのだ。軍政のしたたかな戦術的呼びかけに導かれ、辿り着いたところで受け入れられない条件を提示され、拒否した結果がこうなってしまった。今後NLDの政党活動や党員の政治活動は違法とみなされ、摘発の対象になるという。NLD関係者は解党には必ずしも賛成ではなかったが、スー・チーさんが下した決断に従った。他の民主化運動関係者にとっても大きな痛手である。
これからスー・チーさんは、軍事政権に対してどういう方策を取って支持者に約束した民主化運動を進めていくのだろうか。果たしてビルマに民主化は訪れるのか。国際世論はスー・チーさんたちの民主化運動を強くバックアップしているが、それでも国際社会で孤立している軍事政権が、結局そのまま体制を維持して国家を統治しているという理不尽はどうにかならないものだろうか。ここでも軍政をサポートしている中国の後ろ盾が民主化の妨げとなっている。
先日映画鑑賞会で会った映画監督の瀬川正仁さんから著作を送ってこられた。「ビルマとミャンマーのあいだ」という書名だ。副題に「微笑みの国と軍事政権」と書かれている。確かに瀬川さんがビルマを訪れたことは聞いていた。そのビルマで訪れた都市も半端ではない。われわれがビルマを度々訪れていた時代、1970年代には日本軍所縁のミートキーナやラショオは訪問許可が出なかった。航空隊の人たちからは、もう一度訪れてみたいとよく言われたものである。それにも拘わらず、瀬川さんは満遍なく各地を訪れている。許可が簡単にもらえるようになったのか、民族間の対立がなくなったのか、読むのが楽しみになってきた。お返しに、すぐ私のビルマ旅行企画体験を綴った「現代海外武者修行のすすめ」をお送りした。
1095.5月13日(木) 駒沢大学公開講座始まる。
今日から駒沢大学・マスコミ研究所の本年度の公開講座が始まった。夏休みを挟んで12月中旬までのロングスパンだ。今年は木曜日2講座、水曜日1講座を受講する。水曜日の出版関係の講座は前後期で講師が交代するので、前期は受けずに後期の清田義昭講師の講義のみ受講することにした。
今日の講座は、大泉克郎講師による「高度情報社会のメディア・リテラシー」と、室井敏男講師の「報道されないスポーツ界の光と影」である。大泉講師は、一昨年「現代メディアと報道論」を受け持った菱山郁朗講師が日本テレビ政治部長だった経歴と似ていて、同テレビ広報部長として活躍された。またその前は社会部の報道記者として現場で取材活動されていた。
意外だったのは昨年までに比べて両講座とも駒沢大生の受講者が多く、大泉講座では社会人を交えて全部で40人近い受講者の内30人近く学生がいた。学生にとってこの講座で履修単位は取得できないそうだが、それでもこれだけ多数の学生が熱心に聴講するというのは、やはりマス・メディアを目指す学生が多いということだろう。
大泉講師はNTV「今日のできごと」などで真山勇一氏と一緒に仕事をしたことがあり、大分親しいと言っておられた。講師は夏の参院選で「みんなの党」から出馬する噂について、憲法に対する考えが「みんなの党」とは違うのではないかと真山氏と電話で話し合ったとも言っていた。
だが、この真山氏については偶々一昨日のブログにも書いたように、嘘つきでどうも信用ならない。大泉講師は必ずしも早大の1年先輩でもある真山氏の性格や仕事ぶりを評価しているわけでもなさそうなので、次週の講義の際にでも真山氏について話をしてみようかと考えている。
さて、沖縄普天間基地移設問題が暗礁に乗り上げてから、政府の本音が明らかになるにつれ、基地受け入れ反対を唱える沖縄と徳之島にも、いろいろ複雑な事情が浮かび上がりつつある。同じ徳之島内の3つの町でも、飛行場のある天城町と他の2町では対応の違いがあるようだ。受け入れ容認派の人たちの間でも、表立って賛成と言うわけにいかず、とりあえず声を出さないという人たちがいるようだ。政府の話は一応聞いておこうという町長もいる。本音や思惑は、微妙に違うようだ。
すでに政府は公表した移設案をベースにワシントンで事務担当者間の交渉を始めたらしい。そこへ今日になって鳩山首相は、5月末決着先送りについて言及した。アメリカへの約束も、県外移設という国民への約束も守れなかった。心配なのは、今後話が進むにつれて、同じ地区内で賛成派と反対派の住民同士が対立することである。
今日の朝日夕刊「素粒子」欄に、「新釈政界用語集」として「トラストミー」は「できません」「ごめんなさい」の意に変化、また「県外」は「大気圏外を指す。転じてどこでもいい」としてあった。これを皮肉と言わずして何と言う。
朝刊各紙には大きな扱いでひとりの財界人の訃報が載っていた。住友不動産の中興の祖として33年間に亘って代表権を持ち、98歳まで取締役として君臨した安藤太郎氏が、百歳の天寿を全うして亡くなられたのである。そう言えば、古い話だが日本航空社内で‘SUCCESSOR’と陰口を言われ、父親の威光を背に大きな顔をして営業を担当していた尖った子息には、仕事上随分手古摺らされたなぁと思うと感慨一入である。
1094.5月13日(水) 二つの選挙、イギリスとフィリッピン
6日の投票で第1党を獲得したイギリス保守党のデビッド・キャメロン党首が、自由民主党と連立政権を組んで首相に就任することに決まった。連立政権は第二次大戦中のチャーチル首相率いる挙国一致内閣以来で、もちろん戦後初めてだそうである。
今回の政変は新しいことづくめだ。まず、何と言っても新首相の43歳7ヶ月が若く、過去200年間で最年少の首相というから驚きである。連立を組む自民党のクレッグ党首も同じ43歳である。尤も、ブレア元首相だって就任時はキャメロン氏より5ヶ月年長だっただけの43歳だったし、ロシアのメドベージェフ大統領は44歳、アメリカのオバマ大統領は48歳である。政治の世界は、若さが強力な武器になる。こうなるとわが鳩山由起夫首相の63歳はどんなものか。
新政権は13年ぶりに政権を獲得したが、今後自民党との政策調整、実行面であつれきもあるだろうし、すべての面でスムーズにいくとは限らない。ブラウン前政権では積極財政政策を取り、市場介入が特徴だったが、今後は財政再建を積極的に推し進め、公務員給与の抑制などに着手するとみられている。破綻寸前のギリシャと同じ程度のGDPに対する財政赤字が12%台で、赤字解消にどんな手を打つのか手腕を問われるところである。
一方、極東のフィリッピンでも大統領選挙が行われ、ベニグノ・アキノ氏が当選を確実にした。こちらの新大統領も50歳である。アキノ氏は、フィリッピンでは名門出で血筋が良い。父親の暗殺は余りにもショッキングだったが、夫の遺志を受け継いだ母親のコラソン・アキノ元大統領は、24年前に支援者が黄色いシャツを着て「ピープルパワー革命」を巻き起こした。
この国は発展途上国にありがちの汚職、脱税、政治腐敗で国力が上がらず、内外の投資家も資金をつぎ込むのに二の足を踏んでいる。アキノ氏が思い切ってスローガンに掲げていた汚職追放ができるだろうか。政治腐敗が蔓延る土壌だけに、アキノ氏の実行力が問われる。さもないとアキノ家に対抗するマルコス家が虎視眈々と巻き返しを狙っている。マルコス夫人も齢80歳にして、議会への復帰を狙っているというから、執念は衰えないようだ。
1093.5月12日(火) お遊びムードの参院選候補者選び
夏の参議院選挙に各党の推薦を受け、有名スポーツ選手がずらり立候補するようだ。率直に言ってまたか、という感が拭えない。この傾向は年々強くなる一方である。推薦の経緯がはっきりしないが、各党とも努力しないで、名が通っているからと手軽に候補者選びを進めているように思えてならない。実に安易だと思う。
どこかの政党関係者が、あらゆる階層の人びとの中から国会議員を選ぶことは、それなりに意義があると肯定的に述べていたが、少し意味が違うのではないか。これでは何でもありではないか。
その中で民主党小沢幹事長立会いの下に記者会見した柔道の谷亮子選手のごときは、国会とともにロンドンオリンピックで金メダルを狙うという。個人的にいろいろ挑戦するのは大いに結構だが、「二兎を追うもの一兎も得ず」の類にならなければ良いがと些か気になる。
だが、はっきり言ってこの挑戦はちょっとハードルが高くて無理ではないかと思う。今朝のテレビでも鳥越俊太郎キャスターが、参議院選挙を目指すならこの道一本に絞り、オリンピックは潔く諦めるべきだと言っていた。まあこれが常識的な意見ではないか。
この他にも民主党では、体操の池谷幸雄、競輪の長塚智広、自民党から堀内恒夫、石井浩郎、現職ではあるがプロレスの神取忍、「たちあがれ日本」から中畑清が出馬する。本人たちはもうすっかりその気になっている。
これからも有名人が候補者として名乗りを挙げるだろう。政治に本気になって取り組もうと普段から地道に勉強している人なら大いに結構であるが、政党の都合で立たされ、本人に勉学意欲がなく、議決の際に自党のための単なる一票になるのが仕事なら止めてもらいたい。
こんな中でもう一人気になる人物がいる。真山勇一・調布市議会議員である。はっきり出馬を表明していないが、法衣の下に鎧がちょろちょろ見える。元日本テレビのキャスターとして知名度はかなり高いし、かなり能書きも言う。問題はその嘘つき体質にある。拙著「停年オヤジの海外武者修行」の中で実名は挙げなかったが、私が非難したのは正にこの人物に対してである。2001年の9・11テロ直後、取材が難しい時期にテロ取材のために勇ましくワゴンカーでイスラマバードからペシャワールまで走り、案の定郊外の検問所で追い帰されるや、「ここはダメでした。ではもっと南方の検問所へ行って、そこからレポートします」などとぬけぬけと嘘っぱちを言い、ついにその後のレポートをしなかった。あのように視聴者が固唾を呑んで見守っているような場面で堂々とウソをつくような人物は、とても信用できない。
各党ともこんな人物に引っかからないよう、選考には充分注意されたし。
1092.5月10日(月) 上海万博は予定通り賑わっているか。
ギリシャの金融不安から、世界中が2日連続して大幅に下落した株式相場を受け、各国政府や中央銀行が緊急対策に乗り出した。これには日本銀行も協調して融資することになったようである。ヨーロッパの中央銀行はユーロ加盟圏の国債を流通市場から買い入れる方針を明らかにした。これで少しは落ち着くのではないかと思う。今日の東証の日経平均株価は、前日比166円高となった。この傾向がいつまで続くのか、外科手術ではなく緊急手当てだけに、先行きは未だ不透明である。一方でアメリカの格付け会社がポルトガルを格下げする動きもある。
ギリシャの危機状況が、ポルトガルとスペインの財政不安の噂を一層煽っている。両国とも噂を打ち消すのに懸命のようである。特にそれを打ち消す人物、ポルトガル首相の名前が、あの哲学者ソクラテスと同じというのが面白い。哲学者の母国はもっと危ないのだから。そのポルトガルの財政赤字はGDPの9.4%で、スペインは11.2%である。相当危機的状況である。加えてスペインは失業率がことのほか高く20%近い。ギリシャの財政赤字は13.6%で、同じく危機を噂されるアイルランドが14.3%と、いずれも苦しい台所事情にある。とりわけ、ポルトガルには、国内産業があまり発展せず十分整備されていないことが、余計火のないところに煙が立つ状況へ追い込んでいる。
それにしても、日米欧は慌てふためいて、この信用不安を何とか収めるべく懸命の努力を傾けているが、伸びゆくアジアはあまり大きな影響を蒙っている様子がない。中国なぞはびくともしていない風情である。インドしかり、発展途上国のタイ辺りでもどこ吹く風というムードで、相変わらずバンコック市内で政府と反政府デモ隊が対立したままである。
その中国であるが、一向に景気が下火に向かう様子は見えない。ところが、あれだけ大騒ぎした上海万博のニュースが、このところ大きく伝えられないのはなぜだろうか。開幕して今日は10日目であるが、これだけ関連ニュースが伝えられず鳴りを潜めているのは、入場者が予定ほど入らないからではないかとつい下衆の勘ぐりで考えてしまう。予定では毎日平均30万人の入場者を見込んでいたようだが、数日前の発表ではその半分の約15万人とのことだったので、ボルテージも下がったのだろうか。
不思議なくらい各テレビ局で万博関連ニュースを報道しなくなったのは、他に何か原因があるのだろうか。
1091.5月9日(日) イギリスの総選挙は日本にどんな影響を与えるか。
6日投開票されたイギリス議会の総選挙で労働党に代わって保守党が第1党になった。
しかし、定数議席(650)の過半数は獲得できず、保守党は第3党である自由民主党と連立政権へ向けて話し合いを行うことになった。二大政党の見本と見られていたイギリスで、今回のように第1党が過半数を獲得できないという結果は予想外で異例と見られている。
日本人にとって理解され易いようでいて、案外分かりにくいイギリスの選挙制度は、今回のように総選挙で単独過半数を獲得した政党がない場合は、現職首相、つまり労働党政権のブラウン首相は自ら辞任するか、下院で不信任となるまで続投できることである。
選挙前まで労働党は定数(646)の過半数324議席を超える355議席を占めていたため、単独で政権を担うことができた。しかし、今回の総選挙では過半数326議席に対して、第1党の保守党はそれに満たない306議席で過半数に20議席及ばなかった。第2党に落ちた労働党の如きは、ほぼ100議席も失ってしまった。第3党の自民党が大きく進出したという結果ではない。保守党は労働党が失った97議席に対して108議席も増やしたことである。しかし、それでも過半数は取れなかった。政党同士の駆け引きにより党首同士の会談が頻繁に行われるだろう。
200年あまりに亘ってイギリスでは二大政党政治が続けられてきた。ほとんど保守党と労働党が争ってきた主導権争いが、今回また労働党から保守党の手へ移るのかどうか。最近の政権交代では、大きな節目となった1979年のサッチャー保守党政権の誕生、そして1997年のブレア労働党政権がドラスチックな印象として強く残っている。前者は「新自由主義」路線を歩み、後者は「第三の道」路線を進んだ。
しばらくは新内閣誕生のための3党間の駆け引きが行われるだろう。
山口二郎・北大教授は「今回のイギリス総選挙で二大政党の議席が単独過半数に達しなかったことは、二大政党の間で政権をキャッチボールするシステムが変容したことを意味する」と論評し、日本が1990年代から政治改革や政党再編のモデルとしてきたイギリス・モデルが揺らいだともコメントしている。
昨年の総選挙で二大政党化しつつあった日本の政治も、民主党による政権交代が成った。しかも過半数に届かず連立政権を組んでいる状況は、何となく今度のイギリス新内閣を想像させて日英間の選挙結果に同じような現象が表れてきたという感じである。
これで二大政党論が高まりつつある日本の政党政治の将来性にも、疑問符が付けられたとみるべきだろうか。
1090.5月8日(土) 日系人強制収容所・記録映画鑑賞会
小中陽太郎さんから記録映画鑑賞会を行うとご案内をいただいていたので、期待して日本基督教団中目黒教会へ出かけた。映画は昨年すでに公開された「東洋宮武が覗いた時代」で、戦時中アメリカのマンザナ強制収容所に押し込められ自由を奪われた日系人の日常生活を写真家・宮武の目を通して赤裸々に描いたものである。中々の力作で随分考えさせられた。格別際立ったストーリー性があるわけではなく、宮武が撮った収容所内の写真を淡々と紹介しながら、収容所生活を送った日系人にインタビューする型式で、日系人世代間の考え方の違い、日系人二世が442部隊へ参加したいきさつ、アメリカ社会の日系人に対する偏見・印象等を紹介していた。その歴史的事実については、ある程度知ってはいたが、参加者からの話を通して新たに意外な事実も知らされた。
16歳で実際に収容所に強制収容され、戦後まで収容所生活を送った今年84歳になる武間喜美さん、ペルーで生まれ、アメリカへ連行されそのまま収容所生活を送った77歳の大阪・池田市の坪井寿美子さん、今上天皇のご学友として知られる元共同通信記者・橋本明氏ほかがショート・スピーチを行った。南米に暮らしていた日系人がアメリカ国内の強制収容所に抑留されていたとは初めて知った。南米から連行された2,200名のうち、ペルーからは1,700名もの日系人が連れて来られたという。橋本氏は日系人二世が率先してアメリカ軍へ従軍した理由とか、アメリカ人の人種差別観、9・11テロ直後のイスラム系住民に対するアメリカ人の嫌悪的感情は真珠湾攻撃直後の在米日系人に対する気持ちと同じだと話された。
それにもうひとつわれわれが誤解していることに気付かされた。これは収容所とは言え、内部で強制労働を科せられていたわけでなく、3食付で働かなくてもよく、看守も厳しい人が少なかったようで割合自由が許されていたような印象だ。その点でナチスのユダヤ人強制収容所とは大部様子が違っていたようで、実際収容されていた日系人がその点について正直に告白している。
ロスアンゼルス在住のすずきじゅんいち(鈴木潤一)監督が、奥さんで元女優の榊原るみさんと参加され、制作の意図や息子アーチー宮武を始めとする取材者について説明された。驚いたのは鈴木さんが母校湘南高の後輩だったことで、奇遇にお互いにびっくり。
終了後、恵比寿ガーデンプレイスのオイスターバーで小宴となり、樋口裕一・多摩大教授、外務省密約裁判原告団のひとり・北岡和義さん、目黒区議・須藤甚一郎さんら普段から親しい人たちと、橋本明さん、鈴木さん夫妻ら15~6名くらいがわいわい食事を楽しんだ。その後、中目黒へ戻り改めて一杯やってから帰宅した。中々有意義な一日であった。
小中さんは奥さんともども教会でお世話役をやって、最後まで皆さんに気を遣いながらあれこれ面倒をみておられた。いつものことながら頭が下がる思いである。
1089.5月7日(金) 政治も経済も大荒れ
政治も経済もここ一両日はメタメタである。政治とは普天間米軍基地移設問題である。今日普天間基地のヘリ部隊移設候補地に予定されている徳之島の3人の町長が首相官邸で鳩山首相と会見した。首相はこの席で公式に沖縄県民の負担軽減のために、徳之島に基地機能の一部を受け入れて欲しいと要請した。
しかし、町長側が過日の島民集会の決議である受け入れ反対の声を踏まえて、首相に強く反対の意思を伝えた。これに対して首相は何度でも話し合いをしたいと持ちかけたが、町長側は何度やっても平行線であるとして再度の会見を断った。首相は沖縄へも再訪する意欲を示しているが、これもどうなるかわからない。これで普天間基地移設問題は完全に行き詰まった。これから政府はどんな手を繰り出すのか。まったく見通しが立たない。
他方、経済面で急に暗雲が垂れ込めたのは、ギリシャへの緊急融資の付帯条件に反対する国民のデモにより、ギリシャ経済が不安視されたことによる。その結果昨日の世界的な株価低落の影響が今日も続き、2日連続して大幅下落である。東証日経平均株価も昨日の361円安を受けて、今日も331円の下落である。専門家もこの先どうなるのか予想がつかないと論評している。
ギリシャ経済もこれからどうなるのかまったく見当がつかない。信用不安は当分納まる気配が見られない。さてさて難しい局面に立ち至ったものである。
ところで、先月辺りから両眼ともしょぼつくことが多く、気になっていた。疲れやすいのと見にくいので、一度眼科に相談してみようと思っていたが、今日名医としてテレビにも出演した近くの高瀬眼科で診てもらった。結局眼鏡が両眼とも合っていなくて白内障が始まっているという。そしてドライアイでもあるということだった。パソコンをやり過ぎることも警戒した方がいいとアドバイスをいただき、PC用の眼鏡処方箋を作成してもらった。白内障の兆候が現れてきたのは、やはり年齢的な影響が表れてきたのではないかと考えている。近日日常生活用とPC用の二つの眼鏡を作ってもらおうと思っている。取り敢えず名医の診断を受けて、PC使用禁止の厳命はなく、気持ちは幾分落ち着いた。
1088.5月6日(木) ギリシャが危ない。
先日EUとIMFが、ギリシャに対して厳しい条件をつけたうえで約14兆円の緊急融資を決定したが、ギリシャ政府が呑んだ条件をギリシャ国民が納得せず、昨日激しいデモ騒動を引き起こし3人の死者を出した。
テレビを観ると1999年とその翌年宿泊した「ホテル・グランドブリターニュ」脇の王宮前で騒ぎを起こしている。これから相当の負担をしなければならないギリシャ国民の心情も分らないわけではないが、労働者に対する甘い待遇と年間10兆円と言われる脱税がギリシャ財政赤字の最大の原因である。ギリシャの累積赤字は実に33兆円である。こんな待ったなしの破綻状態に追い込んだのは、ほかならぬギリシャ政府と政府のやり方に甘えた彼ら自身の責任でもある。自らまいた種ではないか。特に、今回の支援に対しては同じEU圏内諸国の中でもドイツが最後まで反対していた。仮にギリシャ政府が国民の要求に屈したら、EU諸国が黙ってはいないだろう。現在ギリシャの国債がEU諸国の銀行に買われているので、ギリシャが破産したら、連鎖して銀行が窮地に追い詰められ、また他の国に財政破綻の恐れが生じてくる。
それでなくてもポルトガル、スペイン、アイスランド、イタリア辺りも怪しい雲行きとなってきた。前2国はすでに格付けが下げられている。さらにもう一段階下られるとの噂もある。ヨーロッパ全体に連鎖的な恐慌の不安が襲ってくるかも知れない。
ソクラテス、アリストテレス、プラトンの3賢人を輩出した長い歴史と伝統を誇るお国柄であるが、甘い蜜ばかり吸っていたギリシャ丸もエーゲ海を漂流し始めた。荒波の中で沈没しないか心配になってきた。
案の定今日の日経平均株価は、3月11日以来の大幅な下落となり、361円も下げて終値は10,695円にまで落ちた。NYを始め、各国の株式相場もみな大幅な下落である。漸く景気も立ち直りかけてきたと囁かれる中で、暗い話題が再び襲ってきそうである。
さて、1日に開幕した上海万博の出足は上々の様子だったが、意外にも短期間ながら入場者数は予定していたほど伸びないようだ。その中で昨日になって北朝鮮館が突然閉館した。毎度周囲を煙に巻くのが得意な国ではあるが、これには流石に上海の万博事務局も呆気にとられているようだ。察するところ昨日北京入りした、金正日総書記のお世話に万博北朝鮮館のスタッフが借り出されたのではないかとの憶測が乱れ飛んでいる。いずれ真相は判明するだろうが、相も変わらず北朝鮮という国は人騒がせな国である。
1087.5月5日(水) 文化大革命は中国にとってプラスだったか?
NHK・BS放送が開始されてから今年でちょうど20年になる。これを記念していくつかの作品が再放送されている。その中でも過去に放映されたドキュメンタリー作品で、各種の賞を受賞した意欲的な作品をアーカイブスとして再放送している。
先日「民衆が語る中国激動の時代~文化大革命を乗り越えて~」が放映され録画しておいたが、今日やっと全部を観ることができた。何せ4回で4時間分の長編である。中国の文化大革命(1966~76)については、当然のことながら断片的には知っているが、自分の知識がかなり怪しいものだということも分った。
文革中に中国首相のまま亡くなった周恩来、文革とともに国家主席の座から追放され、不遇の死を遂げた劉少奇、さらに改革解放で今日の中国経済の礎を築いた鄧小平らの業績、そして国民が彼らに寄せていた気持ちを、多くの関係者へのインタビューを通じてこれほどリアルに表現しているのには感心した。劉少奇なぞは、反革命の張本人としてあまり良いイメージで伝えられていなかったが、このビデオでは、良識の人で国民のために奉仕して、挙句の果てに毛沢東に裏切られた悲運の人ということになっている。歴史の評価もそうだが、人物評価もどれだけ公平にできるか、難しいものだ。
私の文革に対する理解も不充分ではあるが、文革にばかり気持ちが入り過ぎて、それ以前の1958年に始まった「大躍進政策」を見落としていた。実は毛沢東は中国全土の農村に「人民公社」制度を導入して失敗した「大躍進政策」を取り繕うため、四人組や紅衛兵を使って文化大革命を仕掛けたようだ。また中国共産党内での権力闘争、敢えて言えば劉少奇に集まりつつあった権力を、毛沢東は奪還しようとして反革命打倒と見せかけたクーデターを企てたとのストーリーは、迂闊ながらこれまで気がつかなかった。その点で言えば、大躍進政策も文化大革命も独裁者・毛沢東によって計画されたライバル追い落とし運動だったと思う。何も考えず、ひたすら四人組の指令に従った当時の若者が気の毒である。今も文革に対する評価は定まらず、あまり踏み込んでは「偉大な指導者・毛沢東主席」を傷つける恐れがあり、中国政府としては腫れ物に触るように扱っている歴史事件である。
池上彰著「そうだったのか! 中国」(集英社刊)にもかなり詳しく書かれているので、もう少し腰を据えて読んでみたいと思っている。
1086.5月4日(火) 鳩山首相、基地移設猛反対の中を沖縄入り
鳩山首相が首相就任後初めて沖縄を訪れた。訪問の目的ははっきりしている。すでにメディア等で報道されているように、地元に対して普天間基地移設政府案の説明と説得である。政府は普天間基地施設を二つに分散して移設しようというのである。その候補案のひとつは辺野古海上の桟橋案であり、もうひとつは徳之島への施設移設である。
まず、仲井真・沖縄県知事と稲嶺・名護市長に会って政府の素案を説明したが、案の定辺野古案は断固反対された。住民大会に出席した首相はここでは四面楚歌だった。地元は約束違反だと首相を強く責める。
この次は東京で徳之島の3人の町長との話し合いが持たれるが、町長らは早くから米軍基地の受け入れに強く反対している。とても首相の思う通りには進まない。
首相はこの問題を今月末までに解決すると言い続けているが、かねがね漏らしていた腹案があると言っていたのは、キャンプ・シュワーブの海上桟橋と徳之島に分ける分割案であると分った。昨年の総選挙で「海外移設、最低でも県外移設」は、いかなる成算があって首相の口をついて出たのかまったく分らない。この発言も首相周辺では、今頃になって選挙公約ではなく、首相が話の中で個人的に発言したものだと言い逃れを言っている。常識的にみてもこの発言は明らかに国民に公約として受け止められている。普天間基地移設は現時点では完全にデッドロックに乗り上げた。最早月末までに解決する糸口も可能性も絶望的となった。
厳しい言い方かもしれないが、鳩山首相は政治家、ましてや一国の総理大臣としての資質に欠けるようだ。政策の理念と政策の実行をどういう段取りで、誰と話し合ってどういう風に作業を進めるべきかということについてまったく分らないようだ。これでよくも政治家をやっていられると思う。首相の取り巻きも悪い。日米問題、並びに日本の防衛問題に関する重要アイテムを抱えて首相自らが沖縄へ乗り込もうとしているにも拘わらず、深く関わるべき官房長官、外務大臣、防衛大臣らが誰ひとりとして首相に同行し、首相ひとりの話し合いに任せずに、内閣の連帯責任者として立ち会おうとしないのか。無責任の謗りを免れまい。
それにしても、連立政権を組んでいる社民党や国民新党の対応、各閣僚らの行動や対応も首を傾げるところである。まるで反応なしの他人事扱いである。社民党の福島党首に至っては、今もって海外移設とわめきちらしている。これで鳩山首相は完全に袋小路に入り込んでしまった。この様子では、事態は解決のメドが立たず、こじれる一方である。
この難局に当たって、鳩山政権はこれからどうやって問題を打開し解決へ導こうとしていくのか。
1085.5月3日(月) そろそろ真剣に憲法論議をするべきでは?
今日は憲法記念日である。日米安保や沖縄基地、核問題が話題になるたびに憲法議論が持ち上がるが、憲法について正面から国民的視点で議論や論点を取り上げ、これからの日本にとって憲法改正、なかんずく「第9条」をどう取り扱うかについて真剣な議論が闘わされたことがない。
朝日新聞の直近の世論調査によれば、改憲が必要だとする人は47%、不要とする人は39%で、3年前の調査の際前者33%、後者49%だったことに比べれば改憲賛成者が大分増えている。しかし、9条だけを考えると改正反対者が67%と全体の三分の二を占める。これは国民にとって、相変わらず9条が戦争への抑止力となって欲しいとの願いが強いからだろう。
それにしても僅か3年間にこれだけ国民の気持ちが動くのは、それだけ将来に不安を抱いているからである。もうこうなったら真剣に憲法を議論するより仕方があるまい。憲法を改正するのかしないのか、はっきりさせれば、わが国の防衛問題にも見通しが立ってくる。例えば、沖縄の米軍基地問題等は、日米安保問題を抜きにしては解決できないのではないかと思える。そうだとすれば、根本的な問題として憲法問題をやり過ごすことはできないと思う。
さて、毎週日経日曜版に連載されている瀬戸内寂聴さんのエッセイ、昨日付「奇縁まんだら」に、作家武田泰淳・百合子夫妻と評論家・埴谷雄高との酒にまつわるからみが面白おかしく書かれている。武田夫妻は高校ラグビー部のチームメート・大島泰毅くんの叔父叔母に当たるので、メールで記事について知らせてあげたところ直ぐ返信があり、読んでいないという。それならと今日彼にその日経記事を郵送した。
夫妻の作品はひとつも読んでいないので、コメントは書けないが、いつか大島くんが言っていたことを思い出す。武田泰淳は旧姓を「大島泰淳」といって、旧制浦和高から東大文学部に進んだが、官憲に検挙されて退学した。その後養子縁組で大島姓から僧侶の武田姓に変わった。大島家は名前に「泰」という字を付ける。大島くんもそうだが、父上、同じ高校ラグビー部の後輩で、東大ラグビー部で活躍した二人の弟さんの名前にも「泰」という字が付けられている。大島くんのメールによれば、夫妻の一人娘で写真家の花さんとはしばしば会っているとあった。いつか武田作品を読んでみようと思っている。
1084.5月2日(日) 葛西JR東海会長の中国嫌いは異常ではないか?
鳩山政権の新成長戦略の柱のひとつに、「技術・システムの海外展開」というのがある。その足がかりとして前原誠司・国交相がJR2社、車両会社トップらと訪米してアメリカ政府の高速鉄道構想にインフラセールスを開始した。すでに政府はインドに原発技術提供の、ベトナムには原発や高速鉄道セールスを開始している。
わが国の鉄道技術水準は世界でも最高レベルにあるが、それでもフランスとドイツが強敵と看られている。そこへ近年はスペイン、中国、韓国が参戦して、今後は激しい受注合戦が繰り替えされそうだ。日本は、過去において中国、韓国の新幹線導入競争で敗れ、独自の技術を海外で生かせなかったが、初めて台湾の新幹線で車両以外の鉄道敷設、駅施設工事を受注し、施行した。
日本では、政府が漸く本腰を入れて官民一体の大型海外プロジェクトへ協力体制を整えるようになったことは、資金面で優位に動けるようになったということだ。今後の成果を期待したいと思う。
ところが、月刊誌「選択」5月号によると、今回前原大臣の訪米に同行した葛西敬之・JR東海会長が、大の中国嫌いで通っているそうである。そのこと自体個人的な感情で困ったことではあるが、どうしようもない。問題は葛西会長の中国嫌いが度を超えていることにあるようだ。中国政府の外交や経済政策に反論があるというなら、正々堂々議論することができるが、単に中国を蔑視するかのごとき中国嫌いでは、いずれ人種差別主義者と軽蔑され誰も相手にしなくなるのではないだろうか。
例えば、新幹線京都駅には、JR西日本とJR東海の管轄地域があるそうだが、JR東海管轄地域では中国語の表記がないそうだ。JR西日本地域ではちゃんと表記があるだけに余計奇妙な感じがする。これでは自社の顧客へできるサービスを怠っていると非難されても反論できまい。この低次元の不親切な対応に葛西会長の意向が反映されているようだが、これでは個人的な遺恨、或いは私怨と言われても仕方がないのではないだろうか。
しかし、真相はどうあれ、公務に私情を交えては拙い。ましてや、社会的にも影響力のある大会社の会長職にある人物だけに、その与える影響は少なくない。モラル的にも好ましくない。こんな私情を業務に持ち込むようでは、経営者としての感覚を疑いたくなる。JR東海もこんなボスの意向を慮って営業分野に、歪んだ配慮をするようでは、社内の士気にも影響するのではないかと思う。
今後葛西会長がアメリカの鉄道建設工事入札の際、人種差別感や中国蔑視感が表れやしないかと懸念される。今どきこんな駄々っ子のような大物経営者がいるなんて、とても信じられない。
1083.5月1日(土) 中国の栄光と恥部
今日上海万博が開幕した。これから10月一杯向う半年間開催される。北京オリンピックに次いで、中国政府はこの上海万博を絶好の国威発揚の場と捉え、全力を注いで246カ国・地域が参加する過去最大規模の万博にしようと目論んでいる。1970年の大阪万博では、幸い仕事上何度も訪れる機会があり、人気のアメリカ館やソ連館を長い間並んで月の石を見たことも懐かしい思い出である。その他にも大阪の花博や、つくばの科学万博を訪れたことも記憶に残っている。
これから当分上海から発信されるニュースがメディアを忙しなくさせることだろう。とにかく最近では国際的なニュースの発信源として、中国の存在感は圧倒的なパワーを与え続けている。NHKドキュメンタリー番組のアーカイブスの中でもかつての人民中国の懐かしい映像をいろいろな角度から放映しているが、観てみたい番組も多く、気がつくと録画しては改めて観賞している。中でも文化大革命が始まった1966年から76年までの中国史は興味深かった。
今や世界中が中国に振り回され、中国の同意なしにはことが進まないキライすらある。それは一にも二にも、その成長著しい経済力に負うところが大きいが、中華思想に捉われた中国は、自らの立場を有利に持ち込もうとして、少なからず国際社会と摩擦を生じて、外から顰蹙を買っているのも事実である。
今日の夕刊をみても、万博以外に中国を主題とした記事として、①知的財産権保護、②南太平洋のカツオ漁、について中国のやり方に対して批判的な内容が掲載されている。他にも最近中国海軍艦艇が公海とはいえ、八重山諸島の間を堂々と通過したり、何かと話題を提供することが多い。
その中でも①については、アメリカ通商代表部(USTR)が年次報告書で、知的財産権保護が不充分な「優先監視国」として、中国、ロシア、インド、カナダなど11カ国を指定した。これら11カ国は昨年も優先監視国だった。
これらの国々は、これまでは違法な模倣品の横行などに焦点が当てられてきたが、今後は中国などが海外の技術を模倣し国産化することにUSTRは神経を尖らせている。巧妙な手口で模倣を模倣と思わせないテクニックである。中国政府はことあるごとに知的財産権の保護には国を挙げて注意を払っていると口では言っているが、キャラクター商品の模倣品や、今回の上海万博のPR曲のパクリなどを見ていると、物真似は中国の体質だとしか思えないので直ぐになくなることはないのではないか。
1082.4月30日(金) 袋小路の鳩山首相が、世界の100人とは?
発言がぶれるうえに実行力がない、我らが鳩山由紀夫・総理大臣が驚くなかれ、アメリカの週刊誌「TIME」5月10日特別号で「世界で最も影響力のある100人」の指導者25人のひとりに選ばれた。先日の核安全サミットに出席した各国首脳の中で最大の敗北者とワシントン・ポスト紙から酷評された同一人物とはとても思えない持ち上げ方である。アメリカのマス・メディアも少々辛口が過ぎたと思ったのか、「対等な日米関係」「政治の主導」などは達成できていないが、「事実上、一党支配だった国から民主主義が機能する国に変えたことはほめる理由として十分」という首相にとっては、漁夫の利のような理由で選ばれた。結局は鳩山首相の実績や期待度を評価したわけではなく、「CHANGE」を選択した日本国民の行動を賞賛したものだ。鳩山首相もこんな理由では、気恥ずかしくてあまり話題にされたくないのではないだろうか。
その鳩山首相が4日に沖縄入りするという。果たして四面楚歌の中で気の弱い首相が、したたかな現地の首長らを相手に言いたいことを言うことができるだろうか。
さて、先日ギリシャ政府がEUとIMFに緊急支援を要請したが、ギリシャの返済能力が疑問視され、中々色よい回答をもらえなかった。EUとIMFは、ギリシャ政府に①全労働人口の25%を占める公務員数と給与の削減、②年3回の賞与の廃止、の条件を付けたうえで、支援することをほぼ承認することになった。これでヨーロッパの信用不安が少しでも消せればよいが、スペインとポルトガルの格付けも下がっているので、いつ他国へ飛び火するか分らない。
一昨年駒沢大学・マスコミ研究所主催の公開講座を受講したが、その講座のうち「報道メディア論」を講義された片山正彦講師から、近刊著書「ここに記者あり!」(岩波書店刊)を送っていただいた。帯表紙に原寿雄氏が推薦文を書いておられる。同年この原氏の岩波市民講座も受講したが、お二人とも共同通信なので、そんな関係だろう。その記者というのは寡聞にして知らなかったが、村岡博人という共同通信社記者で、生涯現場記者として記事を書き続けた。驚いたのは、村岡がサッカー元日本代表のゴールキーパーで、ロッキード事件の刑事被告人だった佐藤孝行代議士に殴られたり、ソ連のスパイから濡れ衣を着せられたこともあるという。中々気骨のある人のようだ。GW中に楽しみに読んでみようと思っている。
1081.4月29日(木) 今の政権では普天間基地移設問題は解決しない。
幸福度というあまり聞きなれない言葉があるが、一昨日内閣府が日本人の幸福度というものを発表した。10点満点で6.5点だそうである。幸福度なんて基準が必ずしも明確ではないし、人によって感じ方も判断の尺度も異なるので比較は難しい。日本の幸福度は、無作為の15歳から80歳までの4千人を対象にしたものである。これに対して一昨年のヨーロッパ28カ国の幸福度の平均は6.9点だったいう。
幸福というのは、主観的なもので外からあまり数字で推し量るものではないと思う。今わが国では、幸福度を左右する象徴として高齢化、年金、子育て、教育、治安等々の問題が考えられるので、現況からみて余計に幸福度が低下する傾向にある。日本とヨーロッパ間の幸福度の差が実際にどの程度のものなのか何とも言えないが、今夕NHKニュースで報道していた、ブータンという一見貧しい国の国民が感じる幸福度が97%というのには些か考えさせられた。GDPの比較だけなら、ブータンは日本の二十分の一である。しかし、彼らは言う。幸せとは近所付き合い、家族との語り合い、仲良く暮らすこと、などと言っているのを観ていると、現在の日本から消えつつある情景であるだけに、経済が発展するにつれ、人びとの情感や幸せな気持ちが薄れていくということを表しているのではないか。
さて、普天間基地移設問題がデッドロックに乗り上げて、結論を出す期限があと一ヶ月後に迫ってきた。だが、のらりくらりの政府が固めたとされる腹案はまだ公表されていない。国民の心配をよそに、期限内に解決する兆しはまったく見えない。
今朝の朝日新聞によると大体固まりそうな案として、鹿児島県徳之島に普天間のヘリ部隊の一部、1,000人を移し、更に辺野古に桟橋を作って滑走路を建設する分離方式を考えているらしい。これは元々アメリカが同意する気がない徳之島への海兵隊移設問題である。仮に沖縄案を強引に押し進めても、日米間の話し合いは紛糾し、まとまらないのではないか。
それにしても、今頃になって社民党の福島瑞穂・社民党党首がテニアン案を主張し出したのには開いた口が塞がらない。テニアンもサイパンも受け入れを歓迎すると日本側に伝えていたのは、もう大分前の話だ。今頃になって窮地に追い詰められて、突然のように言い出すから余計にややこしくなる。民主党もダメなら連携している国民新党や社民党も話にならない。一体このていたらくに落としどころをどこに見出そうと言うのだろうか。
1080.4月28日(水) 1独法に埋蔵金が1兆4千億円とは?
昨日行われた独立行政法人を対象とする事業仕分けで、「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」に1兆3千5百億円もの利益剰余金があることが明かされて問題となり、機構はその場で利益剰余金を国庫に返納するよう求められた。この独法のスタートは鉄道建設公団であり、それに旧国鉄清算事業団がくっついたもので、当初はそれほど豊かな財務状況ではなかったが、事業団の抱える国鉄保有地を高く売却したり、JR3社(東日本、東海、西日本)の株式売却益を管理したり、更に国からの補助金などの収入により、埋蔵金と称せられる資金が溜ったものである。国交省や機構は抵抗したようだったが、返納せよとのお沙汰で国へ返納することになった。
偶々今日麹町の海事会館で今秋発行する観光関係書の関係者5人が集まって編集会議を行った際、元運輸事務次官で、鉄道建設公団総裁でもあった松尾道彦・JN協会理事長から伺ったが、国鉄保有地を高く売って資金を増やすべく努力しても資金の使途については制約が多く、新幹線建設資金として使うことは認められなかったという。一連の事業仕分けで主催者側は、事前に調査はしただろうし、この席で独法の説明を受けたが、事業仕分けの現場でいきなり廃止とか、縮減とか、継続ということをいとも簡単に一刀両断にできるものだろうか。拙速に走らなければ良いと思う。
それにしても1兆4千億円という大金が、1独法に保管されていたという事実を関係者はどう考えるのか。1兆4千億円という大金は、私が大学経済学部に入学した時、経済原論の安川正彬講師が最初に経済学を学ぶ学生なら覚えておくべき数字だと言われた金額である。それは1959年の国家の一般会計予算とまったく同じ金額なのである。国民の視点で言えば、どうも関係者は少し金銭感覚が鈍いのではないかと思わざるを得ない。
今日の夕刊紙で大きなニュースが3つある。ひとつは、赤坂プリンスホテルが来年3月に閉館されるという寂しい話である。都心の一等地にあり、建築家・丹下健三氏のその垢抜けたデザインのせいもあって一時は、華やかでランドマーク的な存在だった。何度か利用したことはあったが、ついぞ宿泊することはなかった。閉館の理由は、建物の老朽化に伴う営業不振だそうだ。立替られる建物はオフィスビルに変わる。
二つ目は、今月限りで閉場する歌舞伎座が千秋楽を迎えたことである。新しく建て直される新歌舞伎座は、オフィスとの複合ビルとなって3年後に生まれ変わる。大学生の頃、丁度父が明治乳業㈱宣伝部長の時、会社がPR企画で歌舞伎座とタイアップしていたので、運良く毎月のように歌舞伎を観に行く機会があり、多くの名優の芝居を観ることができたし、小学校の恩師・湯浅和先生とも一緒に観劇したことがある。残念ながらそれ以降社会人となってまったく歌舞伎座へ足を踏み入れたことはないが、再建されるとは言え、やはり寂しさが募ってくる。
もうひとつは、東京株式市場で日経平均株価が一時300円を超える終値287円安となり、昨年11月のドバイ・ショックの円高株安以来の大幅な下落となった。その理由は、金融不安で支援を要請したギリシャが格付け会社S&Pから格下げされたことにより、欧米の株式市場が下落した影響を受けたからと言われている。ちょっと明るい材料が見えてきた経済市況だが、まだとても安定した回復基調に入ったとは言えないようだ。
1079.4月27日(火) 法曹関係が慌しい。
一昨日鳩山首相の資金管理団体をめぐる偽装献金問題で首相に対する検察審査会の結論は不起訴相当となった。それでも議決は、毎月1,500万円の資金提供を母親から受けていることを首相自身がまったく知らなかったという説明に対して、素朴な国民感情からして考え難いと疑問を呈した。
結局権力の頂点に立つ人の周りには見えない壁があって、検察の手が及び難いということなのかもしれない。
かつて派閥の1億円献金隠し事件の際、橋本龍太郎・元首相も起訴されなかった。この時政治家本人がまったく不問に付されるのはおかしいとの疑問が上がったことがある。
そして、今日小沢一郎・民主党幹事長に対する検察審査会の出した議決は、鳩山首相に対する不起訴相当とは反対の起訴相当だった。敢えて言えば、小沢幹事長と鳩山首相とは、ウソをついていたかいないかが異なった判断が下された理由だと思う。これで今後また時間がかかるが、とりあえず本件に関しては国民感情としては納得がいくのではないか。検察当局は3ヶ月内にどういう判断を下すだろうか。
今日公訴時効を廃止する刑法、及び刑事訴訟法の改正案が衆議院本会議で可決、成立した。これは逃げ得を失くすことを最大の目的としている。殺人などの凶悪犯罪が目だって増えてきたが、犯人逮捕に至る割合が年々低下している。被害者の遺族から時効廃止を求める声が根強く、今日改正法案が通ったことにより、あくまで犯人逮捕へ向けた捜査活動が続けられることになった。
しかし、時効廃止によりいくつかの問題点も指摘されている。その一番目は、冤罪が発生する恐れがあるということ、第二に証拠や証人が無くなりつつあること、第三に捜査体制の継続により、捜査人員が足りなくなるということ、等々が心配されている。だが、ある日を境に犯人が自由に動けるようになるという事態は、遺族にとっては許し難いし、耐えられないのではないか。その点では今日の時効廃止決定は、国民感情からしても受け入れられると思う。
偶々放火により岡山県の夫婦が殺害された事件が今夜12時に時効となることをにらんで、法律改正を急いだ。これから法律専門家の間でも議論が闘わされるだろうし、現場でも難しい問題が出てくると思う。言えることは、一日も早く犯人を捕まえることと、逃げ得を許すなということである。
1078.4月26日(月) ゾルゲ事件シンポジウム
先日社会運動資料センター代表の渡部富哉氏からシンポジウムの案内状を送っていただいた。麻布台にある在日ロシア大使館で「第2次世界大戦におけるリヒャルト・ゾルゲの諜報活動の意味と役割」と題する興味深いシンポジウムが開催されるとの内容で、すぐ往復ハガキで申し込み今日午後出かけてみた。ロシア大使館内部へ入るのは初めてだったが、やはり大国意識の強いロシアらしく中々立派な建物で、門前は機動隊が警戒して物々しく、ハガキを見せて閉じられた正門脇の木戸口から入らせてもらった。シンポは2階の大レセプションホールで行われた。参加者は個人的にゾルゲ事件について学んでいる人がほとんどのようだが、年配者が多い。それは、取りも直さずゾルゲ事件自体が現在の日本では関心が失われ、それに伴い若者からも興味が失われている表れではないかと思った。
ロシア大使館が会場を提供し、わざわざ本国の軍事史研究所から研究員V.Loto氏を招き、ミハイル・ベールイ駐日大使がスピーチされるほど、このシンポに熱を入れているのは、祖国の英雄となったゾルゲの評価を訴えるという狙いの他に、5月7日に迎える露独戦争(大祖国戦争)勝利65周年記念日を祝うという意味もある。大使の話では、第2次大戦で2,700万人の犠牲者を生んだ旧ソ連では、ゾルゲの評価は低かった。それが1964年のフルシチョフ時代になって漸く再評価され、今では祖国救済の英雄とされている。
百名を超える参加者が、3人のパネリストが休憩15分を挟んで4時間半に亘って語る話を熱心に聴講した。
加藤哲郎・一橋大学名誉教授は、ゾルゲ事件を東京とモスクワ、上海からだけの視点ではなく、アメリカ、ベルリン、その他の土地における活動を合わせて精査する必要があると話された。
渡部氏は、独特の論調できつい指摘をされた。今までの尾崎秀実論、従来のゾルゲ論を見直すつもりでいて欲しいと言って、特に川合貞吉に関する人間性とか、虚偽の弁明について厳しく批判していた。昨年明治大学で行われたシンポジウムでも、川合貞吉に対する批判が繰り返された。「生きているユダ」を著した元日本ペンクラブ会長・尾崎秀樹は、尾崎秀実の実弟でもあるが、兄の死刑の理由を調べるために最初に接触したのは、その川合貞吉だった。秀樹は川合を同志とまで言っていたが、その川合がゾルゲ事件の真実を曲げて伝え、ウソで固まった文まで書いていたとは信じられない。私にとってはまだまだ謎だらけの事件である。
まあとにかくゾルゲ事件には、いろいろな見方や考え方がある。中には穿った意見もある。中国が公開していない情報が明らかになれば、ゾルゲ事件はまた新たな展開を見せるかもしれない。とてもすべてを研究しきれない。それにしても今日のシンポジウムは中々意欲的で、今どき中々珍しい試みだと感じた。
1077.4月25日(日) ギリシャは財政破綻一歩手前
火山噴火したアイスランドは一昨年来苦しい財政状況が続き、各国から不安げな視線が注がれていた。まだ国家経済が破綻していないが、一歩手前である。噴火は踏んだり蹴ったりである。一方、同じように債務超過に陥り破綻寸前だったギリシャが、ついに国際通貨基金(IMF)とEUへ支援要請に踏み切った。
パパンドレウ現政権の前政権時代に隠していた巨額の財政赤字が発覚し、一気に財政危機が表面化した。これからギリシャ国民は耐乏生活に耐えていかなければならない。2009年の財政赤字は、実にGDPの12.7%に当たる。
ギリシャでは元々個人収入は低いが、公共サービスが割合行き届いていて、教育費は大学院まですべて無料で、医療費も格別に安いという。それでいて税率が特に高いということはなかった。このアンバランスが財政を圧迫した。
しかし、朝日新聞によれば、問題はむしろ「超巨大な政府」にあったようだ。人口が僅か1,120万人でありながら、公務員が100万人もいて全労働人口の四分の一を占める。大学生の就職人気はダントツに公務員がいい。給与や年金などでも仕組みが複雑で、個人事業主は推定年収で税金を徴収するみなし課税を採用するなど好い加減な点も多く、こういう雑駁な点にメスを入れないと抜本的な解決にはならないと思う。借金をしてもその半額が年金支払いに向けられるようでは、財政基盤が固まる筈がない。
パパンドレウ首相からは、前政権から沈みゆく船を引き継いだと恨み節も聞かれるようだが、わが国でも対岸の火災視していられる場合ではない。毎年累積していく財政赤字は、早く手を打たないと早晩第二のギリシャ化しないとも限らない。
情けないことに自分自身のために金稼ぎと名誉欲にはあくせくするくせに、国家のために責任を持ち長期的な視点で財政政策を考え、将来の国家のために禍根を残さないよう配慮するようなまともな政治家と官僚はほとんどいない。
1076.4月24日(土) 子ども手当てにびっくり支給申請
どこまで条件を満たしているのか不明だが、こんなケースもあるのかと驚いたのは、まもなく支給される子ども手当てに対してなされた、ある在日韓国人の支給申請である。兵庫県尼崎市在住の韓国人男性が市役所にタイで養子縁組した子どもの手当てを申請した。この男性の妻はタイ人で、子どもは全員タイに住んでいる。在日外国人で海外に住む子どもに対する手当ては、認められていないわけではない。
男性は市役所に養子縁組を証明するタイ語で書かれた数十ページの書類を提示したという。厚労省の見解は、①年2回以上の親子の面会、②来日前に親と同居暦がある、③継続的に生活費などを送金、等々を満たしていることが条件である他に、このケースは制度の趣旨に合わないとして支給の対象外と尼崎市へ回答したという。
しかし、あまりにも異常なのは、この男性が養子縁組したのはタイ国内の修道院と孤児院の子どもで、何とその数が554人というのだから、首を傾げざるを得ない。仮に月額13,000円を全員に支給したとすれば、年間の受給額は8,600万円余りという。来年度からはその倍額になる。
真実は分らないが、これは誰が考えたっておかしい。子ども手当て受給狙いであることは想像がつく。しっかり調査をしたうえで、毅然と対応すべきである。
朝日夕刊掲載の「徳田秋声、軍国主義を暗に批判」という記事が目についた。戦時中軍部を正面から批判する勇気のある作家や評論家、学者はあまりいなかった。私の尊敬する河上肇博士でさえ、政府のあらゆる圧力に耐え切れず、信念を貫くために研究から身を退く「没落宣言」をしたくらいである。
記事によれば、小林修・実践女子短大教授は「時局に批判的な文学者が報国会に背を向けたのに対し、秋声は主要組織の中で、冷静に消極的批判を展開しようとしたことがうかがえる」と言っている。秋声の非戦的行動は寡聞にして知らなかったが、秋声の研究家・故野口富士男氏の評論に興味が湧いてきた。野口氏はどう分析しているのだろうか。
1075.4月23日(金) 外交密約裁判で外務省が控訴先日外務省外交密約文書問題で、東京地裁は外務省の文書紛失に関して、その紛失を認めず、探して情報公開せよとの判決を下し、原告が完全勝訴した形となった。原告である西山太吉さんの執念が実り、一段落したと思っていたところ、一昨日になって外務省はこの判定に不満を示し控訴した。見つからない書類を公開しろというのは無理な話で、判決には承服できないとの言い分である。
この判決を世間は高く評価していたので、まさか国が控訴するとは思いもよらなかった。しかし、外務省は敢えて控訴に踏み切ったのである。原告団の一員に加わっていた小中陽太郎さんが、外務省の控訴がないよう願って中日新聞名古屋本社版にその思いを寄稿されたが、小中さんからわざわざそのコピーをメールで送って下さった。小中さんたち原告団の思いは報われず、外務省は控訴した。これからどういう経過を辿るか何とも言えないが、落ち度は外務省にあることははっきりしている。密約あり、肝心の書類を紛失したりで結論は分っているが、これからも無駄な時間と費用がかかると思うと原告団にとってはいたたまれないだろう。
さて、まもなく上海万博が開催される。万博事務局はトラブルのないよう、予行演習を何度も繰り返して万全を期している。最近の中国を見ているといろいろ懸念されることが多い。すでに予行演習でも入口で押し合いへし合いだった。それより万博PR曲が日本のシンガー・ソングライターの岡本真夜の「そのままの君でいて」をパクったと事務局に苦情が寄せられた。どうやら本当らしく、今事務局と岡本側との間で話し合いが行われている。その他にも、中国のパビリオンがかつて日本館として展示されたパビリオンに似ているのではないかとか、万博マスコット人形がアメリカ製マスコットと酷似しているのではとの指摘があったり、これからもひともんちゃくありそうだ。
全体の入場者数を過去最高の大阪万博を追い越す7千万人を予想しているようだ。せいぜい半年間の開催期間中事故を起こさないよう無事に所期の目的を果たすことを祈るばかりである。
1074.4月22日(木) 政治家は常人と同じ脳と心臓を持っているか。
この6月から高速道路料金が変更になる。料金体系が複雑過ぎてすんなりとは理解できない。自民党政権末期に現在の軽・小型乗用車を上限1,000円とすることが決まった。これに対して昨年の衆議院選挙で民主党はマニフェストに高速道路無料化を謳い、国民に支持された。ところが民主党は来る6月から最高額上限を2,000円にするとの方針を打ち出した。無料どころか値上げである。理由は財源不足だそうだから、かなり好い加減なマニフェスト作成だと呆れていたところ、一昨日になり豪腕小沢一郎・民主党幹事長がマニフェストに反することは国民から受け入れられないので、再考するように鳩山首相に物申した。こうなると小沢に弱い鳩山としては、再検討を約束せざるを得ない。これでまた朝礼暮改的方針変更と思いきや、今度は管轄の国交省・前原誠司大臣が受け入れられないと反発し、鳩山首相に直訴して、条件つきながら再び値上げ案が実行されそうな雲行きである。こんな調子であっちへ行ったりこっちは戻ったり、一向にまともな方向へ進まない。
一連の流れを見ていると、ここにも鳩山首相のひ弱さと信念の欠如が垣間見られる。まったくリーダーシップが発揮できないのである。政府としてどうするのかとの強い方針や哲学がまったく見えない。民主党政権発足以来声高に主張していた「政策一元化」はどうなった? 豪腕小沢に言われるとすぐ腰が引ける。これではとても普天間基地移設問題なんか解決できないのではないかと不安に駆られる。
それにしても、当初マニフェストで国民に無料と約束したにも拘わらず、逆に値上げというのはどうもいただけない。前原大臣はメンツをつぶされたと思っているのかもしれないが、高速道路建設案がまかり通って、財源不足から高速道路料金値上げ案が出てきたその時、マニフェストとの整合性に当の大臣はもちろん、政府内で誰も何の疑問も感じなかったのだろうか。前原大臣はその辺りの自らの不明について後ろめたく思わないのだろうか。国民にとっては極めて大事なことだが、政治家の間ではどうでも良いような問題なのだろう。
オオカミ中年の舛添要一・前厚労相が今日ついに自民党に離党届を提出した。一旦改革クラブに入党して改革クラブを道づれに「新党改革」を立ち上げようとの魂胆である。舛添氏は改革クラブの政党助成金をそのまま引き継いで、自分は「舛添新党」党首に納まろうとの腹積もりである。舛添氏は自民党の参議院比例代表選挙で、自民党支持層により選出された議員である。谷垣総裁、大島幹事長が舛添氏は議員を辞職して自民党に議席を返すべきだと不満を述べていたがそれも一理ある。
改革クラブの代表者・渡辺秀央氏は舛添氏が改革クラブに入党したのだから、「舛添新党」ではないと言っているが、改革クラブの議員の間には舛添氏の行動に疑問を抱く人もいる。そういえば、渡辺代議士が自民党議員時代に海外視察旅行で渡航のお手伝いしたことがあるが、嫌味な人だったことをふっと思い出した。
昨日もこのブログに書き込んだが、益々政治家のオツムは劣化している。最早救いようがない。
さて、昨日の気温は都内で32℃程度だったが、今日は10℃と急激に冷え込んだ。まるで真冬の気候である。各地で積雪があった。このところ一日置きに暑くなったり、寒くなったり目まぐるしく変化している。このため野菜が値上がりして一般家庭の家計を苦しくしている。いつになったら春風駘蕩となるのだろうか。
1073.4月21日(水) 政治家どもの知能が相当劣化している。
アイスランド火山噴火による飛行停止の影響も漸く落ち着いてきたようだ。すでに最初の飛行キャンセルから5日目である。何とか成田空港からも定期便が飛び出した。
それにしても世界的にこれだけ大きな問題になりながら、この問題の将来の危機対策について、どこの国からも解決策を論じようという前向きな意見が表れてこないことが不思議でならない。これは自然現象なので、今後も突然爆発したり噴火する可能性がある。日本だって火山列島上にあり、今回の火山噴火を対岸の火災視できない。日本の政治家もダラシナイが、他の国々の首脳も似たりよったりでどこかボケているような気がする。ましてや、18日に営まれたポーランドの故カチンスキ大統領の国葬出席を予定していながら、結局空港閉鎖で目的地へ行けず国葬に欠席した、オバマ米大統領、サルコジ仏大統領、メルケル独首相、チャールス英皇太子、サバテロ・スペイン首相、ハーパー・カナダ首相ら錚々たる大物が、みんな目的を果たせなかった。自分たちもことの重大さが分っているはずなのに、一歩も前へ進もうとしない。
目先のことだけに計算高いのか、哲学がないのか、どうも近頃の若手?政治家は、あまり信頼できそうにない。一段落したら改めて将来的な課題として取り上げるだろうか。注目してみたい。
さて、また新党結成の動きが出てきた。一旦記者会見をしながら、「大山鳴動鼠一匹出ず」の狼中年・舛添要一氏が、また「出るぞ出るぞ」の姿勢を示し出した。次の総理大臣として一番人気の舛添氏がこういう形で自壊自滅するのがもったいないような気もする。あるジャーナリストが証言していたが、今朝の東京新聞一面に自民党のある幹部が舛添要一氏に対して離党勧告したという記事が掲載されていたという。これで尻に火がついた舛添氏が浮き足立ったのかもしれない。
それにしても何とまあ次元の低い政治ゴッコをやっているのだろうか。
もうひとつ、今日の国会論戦で呆れた党首討論のやりとりがあった。谷垣自民党総裁の鳩山首相に対する質問で、「ワシントン・ポスト紙の核安全サミットの最大の敗北者と呼ばれているが、どう思うか」と尋ねられて、「確かに同紙の言う通り私は愚か者かもしれないが・・・」の発言には、呆れかえった。谷垣総裁も怒り心頭と言った。一国の総理大臣としてのプライドも矜持も見られない。これが国を代表する総理大臣の言うことか。実際「情けない」の一言である。結局政治家なんて誰でもなれて、誰でも無責任なことが言えるということなのか。
1072.4月20日(火) また新党結成か。
元気の良い知事、橋下徹・大阪府知事が大阪の改造を目的に、新たに「大阪維新の会」と名乗る地域政党を発足させ、現在の大阪府の行政組織改革を目指すと宣言した。これには一部の大阪府議、大阪市議、堺市議らも参加して、23の特別区を抱える東京都同様に行政単位を特別区化して、大阪都設立を目指すということらしい。今のままでは大阪府は行き詰まるとの知事の危機感の下に、抜本的な構造改革を狙った試みのようだが、元々大阪市長と考えが合わずに悉く対立していて、ついにキレた末に一歩踏み出したきらいがある。実現すれば、大阪市は特別区として大阪都に組み込まれて大阪市が消滅するので、大阪市長の考えとは元々相容れないものだろう。考え方としては面白いし、詳しく知りたいと思っていたが、今朝の新聞には小さな記事としてしか取り上げられず、マス・メディアが食いつく内容ではなかったのだろうか。とかくパフォーマンスが派手で目立ち勝ちの知事の行動に新聞が飛びつかないのは少々意外だった。いずれにしても線香花火のような話題にしか過ぎなかったのだろうか。
NHK「ニュースウォッチ9」で、サイパン玉砕の際自決した日本人出征兵士の日章旗を還すために、アメリカ人元軍人の甥夫婦が新潟を訪れた話題を報道していた。日本人兵士とその遺族が判明して無事に返還されたが、身に詰まされる話だった。
かつて毎年のように厚生省の大東亜戦争戦没者遺骨収集団にお供して、サイパン島を訪れ黒衣役としてお手伝いしたことがあり、戦争の惨劇をサイパン戦に参加した元兵士や、島民から直接聞かされていたので他人事ではないような気がする。
今回身元が判明したのは、前回放映された時に日の丸に書かれていた兵士の名、家族の名が決め手になった。しかし、山中に追い詰められ自決したとされる兵士の遺骨は戻っていないという。サイパンでは他の戦地に比べれば、戦没者数に比べて収容された遺骨の数が割合多い方だが、戦死した兵士の鉄兜の中から持ち出された日章旗が還りながら、肝心の遺骨が還らないというのが、何とも残念な気がした。
1071.4月19日(月) 鳩山政権の支持率は僅か25%
一昨日自民党の舛添要一・前厚労相が大勢の記者を集め会見を行った。すわっ!自民党離党+新党結成か?と受け取っていたメディアは、「大山鳴動鼠一匹も出ず」に肩透かしを食らい、同氏お決まりのぬか騒ぎに終った。パフォーマンスの好きな政治家らしい人騒がせな顛末だった。これからも当分党内で執行部批判を続けるつもりだろうが、ある自民党中堅議員が言っていたように、狼少年もどきの行動をやっているようでは信頼できないので、同調する議員はいないだろうと醒めた見方をしていた。
一方で昨日地方自治体の現・元首長による新党結成の共同記者会見が開かれた。その名も「日本創新党」と呼称する。国会議員は誰一人参加せず、山田宏・東京都杉並区長、中田宏・前横浜市長、斉藤・前山形県知事らが中心であるが、やはり外からは醒めた声が強い。「地方からの改革」を主張しているのに、現時点、或いは過去に地方行政の責任者でありながら、地方自治を放ったらかして、国会議員を目指して何ができるのかとの批判的な声があがっている。
先日旗揚げした新党「立ちあがれ!日本」からもどうもオーラが感じられない。そんな折も折り、鳩山政権と民主党の支持率がどんどん低下している。今朝の朝日新聞の世論調査をみると、その支持率は危険水域の30%を下回り、何と25%である。不支持率に至っては61%となった。もう完全に国民から見放されている政権である。「天声人語」では、あのどうしようもなかった麻生前首相の存在感に比較しても劣るとまで酷評されている。それでいて、穏やかな顔に似合わず権力志向はかなり強いようだ。だが、最早政権末期の様相で救いようがない。
昨日徳之島で普天間米軍基地移設受け入れ反対の島民集会が行われ、全島民25,000人の内、15,000人が集結して基地反対の熱気が島内に充満した。これまで公式には徳之島へ移転という発表はなかった。しかし、メディア情報により、移設が現実味を帯びてくるようになると、島民としては放置できない。これから民主党は正式に徳之島案を自治体に打診し、説得に当たるようだ。今の状態を考えると島民が受け入れる見通しはまったく立たない。徳之島案は難しいのではないか。来月末までに決着をつけると公言した鳩山首相だが、時間的にも現状から推してまず不可能に思えてきた。この辺りのもたつきが一層支持率を低下させている原因である。
もはや鳩山首相にとっては正念場である。どうすべきか。自分の発言、約束に責任を持つべきである。
1070.4月18日(日) アイスランドの火山噴火が航空路を乱している。
どうやらアイスランドの火山噴火が、ヨーロッパ内国際航空便の運行休止やら、空港閉鎖などに大きな影響を与えて国家間の移動にかなりの障害が表れ始めたようである。人の移動もさることながら、医薬品や、電子部品、生鮮食料品等物資の輸送面で相当影響が出て、極めて深刻な事態になっている。ヨーロッパ内の移動でも、ホテルが満室で予約できなかったり、入国ビザを求められる国民がビザなしで入国できず、空港のトランジットルームに留め置かれるケースもある。空港内で寝泊りする人、所持金が減って頭を痛めている人等々千差万別である。
2週間前にゼミの先輩・利光國夫さんから奥さんと一緒に今日からイタリアへ旅行すると聞いていたので、火山噴火と空港閉鎖で果たして順調に旅行できるのかどうか少々気になっていた。特に今回は南イタリアを中心にローマ、ナポリ、カプリ島、アルベロベッロを楽しみに巡ると聞いていたが、ヨーロッパ航路のフライト状況は悪くなる一方だ。
予定通り旅行へ出かけられたかどうか気になって、電話してみたら奥さんがすぐ電話に出られた。やはりフライトは飛ばず、自宅を出発寸前に旅行会社からキャンセルの連絡があったという。拍子抜けしてしまったと話された。でも考えようによっては、出発した後で同じような事態になったら最悪の場合帰ってこられなくなる恐れもある。それを考えれば不幸中の幸いと頭を切り替えておられた。
それにしても身近の人の間にもこういう形で影響が及んできた。
今日ヨーロッパ系航空会社が、火山灰が流れる空域のアッパーゾーンと、ロウアーゾーンをテスト飛行した結果、飛行に大きな問題はなさそうだということから、場合によっては近日中に航空会社の飛行再開が予想される。いずれにしろ現時点でヨーロッパに欠航便を抱える国は29カ国である。
いつになったら、気兼ねなくヨーロッパの空を飛行機は飛ぶことができるだろうか。
1069.4月17日(土) 異常な自然現象の発生
シベリア鉄道に乗るために新潟空港からウラジオストックへ向かったのは2003年3月だった。あの時もJR新潟駅前の「東急イン」に前泊した。7年振りの新潟の今朝は市内にこそ雪は見られなかったが、一部県内をはじめ各地に降雪があった。東京都内でも4月としては1969年以来の雪となり、一時上越新幹線も運行を見合わせダイヤが乱れた。
妻の父親が新潟へ転勤となり市内に住んでいた昭和20年に、妻はこの新潟で生まれた。生誕の地、「学校町」について、ホテルで場所の見当をつけ、タクシーで訪ねてみることにした。運転手の説明を聞きながら案内してもらい、周辺で何枚か記念写真を撮った。妻も今まで気になりながら生まれた土地を訪れる機会がなかったが、漸く目的を果たすことができた。やはり嬉しそうで、その後二男のマンションを訪れても話題はそれだった。
二男には十日町名産と言われる「へぎそば」を食べさせてくれる蕎麦店「小嶋屋」でご馳走になった。その名物蕎麦は知らなかったが、中々味のある蕎麦で旨かった。息子もあと一週間で37歳になるというのに、高級賃貸マンションに独り住まいで未だに結婚する気がない。現代の若者と同じく独身貴族生活をエンジョイして困ったものだ。晩婚傾向の現代、身近にひとつのサンプルを抱えることになった。世間並みの話をして早く所帯を構えるよう勧めたが、果たしてどうなるか。
さて、中国青海省の地震は死者が1,100人を超えた。世界中から注目されているが、15日に別の自然災害が発生した。アイスランドで火山が噴火して、死者は出ていないようだが吹き上げられた火山灰が空中を浮遊してヨーロッパ北部上空を流れている。飛行中の航空機にとってはそれら火山灰がエンジンに吸い込まれるのが最も危険らしく、ヨーロッパで多くの空港が閉鎖され、それに伴い航空会社も欠航せざるを得なくなった。JALもANAも16日は欧州便が途中で成田へ引き返したり、キャンセルしている。航空便の欠航により、移動手段も大きく打撃を受け、航空機の旅客はユーロスターや、自動車へ代わった。列車は満員で、移動が思うままにならない。国際会議でも各国の首脳が目的地へ辿り着くことができず、国連も当面スタッフの派遣を見合わせる。
こんな状況下で先日亡くなったポーランドの故カチンスキ大統領の国葬には、アメリカのオバマ大統領、ロシアのメドベージェフ大統領も出席の予定らしいが、果たしてポーランドへ無事到着できるのかどうか懸念されている。それよりも故大統領の遺体が葬儀当日までに葬儀場へ移送できるのか心配されているくらい、今回の火山噴火は世界中に大きな影響を与えている。
さらに火山噴火で溶けた氷河の水で洪水が発生して付近の住民が避難を始めている。最近の日本の気象も様子がおかしいが、世界的にも地震、津波、火山噴火、等々が発生している。一体なぜこういう自然現象の急変が一時的に発生しているのだろうか。疑問と不安にぴたりと応えて納得させてくれる解説が見当たらない。
1068.4月16日(金) 中国政府の愚かな言論封殺
二男が4年前に転勤以来勤務先である新潟へ行かなかったので、妻ともども1泊2日のスケジュールで新潟を訪れ、新潟駅前のホテルで本ブログを書いている。他には何の計画も立てなかったので、特別に訪れる名所旧跡もなく、その意味ではあまり建設的な旅行ではない。
二男に会う前に時間があったので、「朱鷺メッセ」に行ってみようと考えた。調査不足とはこんなことも言うのだろう。観光コースにも入っていて市内バスも寄る場所なので、ついトキを飼育しているか、関係資料を展示している博物館ではないかと思ったが早トチリだった。何のことはない、コンベンション会場だった。「メッセ」という名の通り、日航ホテルに隣接された国際会議場で、早トチリもお粗末と言えばお粗末だった。メッセの隣に31階建ての高層ビルが建っていて、その屋上の展望台から佐渡も見渡せ雪山も見える展望が素晴らしく観光客が押し寄せると聞いたので、行ってみた。確かにその点では中々のビュースポットだった。可笑しいと感じたのは、「ベフコばかうけ展望室」というその名前だった。「朱鷺メッセ」を勘違いして訪れた場所が、「ばかうけ」というのは、いかにも馬鹿にされたようで情けない。
夕食は久しぶりに二男と寿司店でゆっくり嗜むことができた。
中国青海省の大地震は、死者が800人に迫っている。あまり素直でない中国政府は各国からの援助を断っている。まったく馬鹿げている。こんなことで苦しむのは、自国の住民であることが分かりそうなものなのに、中国政府は敢えて有難い援助の手を断わろうというのだから、血迷っていると云うべきか、思慮不足もいいところだ。中国政府はチベット族が多い地区では下手に外国人が入って実情をありのままにリポートされることを恐れているようだ。日本やアメリカなどは、救援・復興活動に取り組むとの声明を出したが、中国は外国からの救援隊の受け入れに消極的である。被災地までは遠く、外国の救援隊が現場に到着するのはかなり遅れるとか、四川大地震よりも政治的に敏感な地域に外国の部隊は受け入れられないと明かしている。台湾当局も、日本赤十字社も現地の混乱を理由に被災地入りを謝絶された。
しかし、中国当局の真意ははっきりしている。共産党中央宣伝部が主要メディアに対して軍や救援隊による救助の遅れを批判する報道を禁じたり、被災者を慰問して回る共産党幹部の活躍を強調する報道を支持したり、詰まるところ通達では政府批判の報道を禁止し、党員を称揚することにある。
ワシントン・ポスト紙では、核安全サミットの最大の勝利者は胡錦濤主席とヨイショしたが、救助が必要な被災者に救助の機会を与えず、事実を報道して、国民を惑わせて将来に禍根を残すことになりはしないか。言論弾圧がかつてのスターリン批判を引き起こした過去の実例を、現在の中国の指導部は気がつかな