
2011年3月
1387.3月1日(火) 大学入試問題ネット流失の取り扱い
発生から1週間が経ち、行方不明者の安否が気遣われているニュージーランド地震の救出作業が思うように捗らない。依然として日本人28人の安否が不明である。今日になってニュージーランドのキー首相が崩壊したCTVビルの刑事責任を追及する意向を示した。それはそうだろう。いくら国の制度や習慣が異なるとはいえ、周囲の建物が外見上はそれほど大破したとは思えない状況の中で、このビルだけがこれほど木っ端微塵に壊れたのは、このビル自体に崩壊する原因があったからである。現地に駆けつけた家族もビル倒壊現場に近寄れず、黙って遠くから見ているだけとは身を切られるような辛さだろう。とにかく一日も早く安否が確認されるよう祈る以外にない。
国内では昨日降って湧いた入試問題投稿が大きな話題となり、警察も捜査に乗り出した。警察がインターネット掲示板を運営しているYahooに協力を依頼した。これまでこの掲示板にアクセスした投稿者はいずれ絞られるということである。それにしても大学入試真っ盛りで、各大学も入試に当たって対応策の検討を始めた。
文科省も懸念を表明したが、高木義明大臣の記者会見のコメントは「高度情報化社会でこうしたことが起きた。どう防止していくのか、専門家の意見も聞かなくてはいけない」である。何とまぁ間の抜けたことを言っているのか。冒頭に大臣がいきり立って現代の若者を一喝してほしかった。「何たることをやってくれたのか?こんなことをやっては真面目に受験する学生がバカを見るだけではないか?反省しなさい!」ぐらいのことは言ってもらいたかった。
これに関わらず、どうもピントがずれたり、言うべきことを言わなかったり、どうも社会一般に弛みが見られるようだ。
これだから政治家もピントのずれた政治しか出来ないのではないか。これは相当根が深い。
1388.3月2日(水) 今年の確定申告を済ませる。
辛気臭いノルマから解放された。個人事業主としての義務である確定申告を漸く済ますことが出来た。書類を作成するために昨年と同様、手書きのままいくつかゴム印を使って伝票と元帳の書き込みを済ませて、附属書類の整備と申告書を作成した。昨年に倣い何とか書きこんだ確定申告書を昨日青色申告会で見てもらい、修正のうえ申請用の申告書をPCで補正してもらった。それを清書して今日玉川税務署へ提出した。
先日も本項に書きこんだように、昨年手書きの書類作成にほとほと手を焼いて今年こそはパソコンで申請する目論見だった。それが、あっという間に一年が経ち、その間PCによる申告方法を習得しなかったために、気がついたら一ヶ月近くもの時間をかけてやっつけ仕事をする羽目になってしまった。この1ヶ月間の時間のロスと精神的な疲れには自業自得とは言えもううんざりである。青色申告会の顔見知りのスタッフからも、来年の申請こそ講習会でノウハウを身につけてPCによる申告をしましょうと冷やかされてしまった。
まぁとにかく今日でやるべきことは終えた。やれやれである。
それはともかく、玉川税務署の周辺環境はここ数年で大きく様変わりした。話題になっている東急線二子玉川駅周辺の大規模な土地開発プロジェクトが進行していて、駅前開発が以前には想像も出来なかったくらい見違えるような形でスピーデイに行われている。かつて駅前から税務署まで歩いた道路の両サイドに建ち並んでいた旧二子玉川園はもちろん、個人のプロパティーがものの見事に撤去され更地になって、一部にはすでに高層ビルが3棟も建っている。あれだけ群立していた一戸建ての家並みとマンション1棟がきれいに消えてしまった。短い期間内に都内23区内でこれほど鮮やかに土地開発プロジェクトが進められたのはこれまで見たことがない。まだ更地のスペースも大きく、今後最終計画までどのように環境を変えていくのだろうか。
聞くところによると、今月17日には東急不動産が手がけた第一次開発計画に伴う、駅ビル‘RISE’のお披露目があるようだ。今や二子玉川界隈は交通至便な土地柄として東京でも人気の高いエリアとなった。今後の計画として二次開発、三次開発が続けられると多摩川辺りは、とてつもない商業施設とエンターテイメント、そして住環境が一体となって、注目を集める洒落たメガ・シティが誕生するのではないか。
1389.3月3日(木) 大学入試で明らかになった不条理
京都大学、その他3つの私大入試でネット投稿によるカンニング事件があり、受験生はもちろん大学や高校、予備校など関係者、並びに日本中にに大きなショックを与えることになった。それが今日になって急転直下解決した。使用された携帯の持ち主が判明し、その息子である予備校生が今日偽計業務妨害容疑で逮捕されたのである。事件は逮捕された受験生が自ら蒔いた種によって引き起こされたものであり弁解の余地はないが、かつて浪人生活を送った経験から少なからず同情の気持も湧いてくる。
まずこの受験生を叱れ! 受験とは同じ土俵の上で自分の実力を試すことではないのか! 徹底的に反省させよ! そのうえで、まだ若い受験生を極悪人扱いするようなやり方は止めて、彼に立ち直るよう再起の機会を与えよ!
この受験生は今日早稲田大に合格していたことが分った。早大は不正行為が明らかになれば厳正な処分を行うと発表した。
当該の受験生にどうしても同情してしまうのは、2年前に父親が亡くなり、母親に浪人としてこれ以上負担をかけられず、何とか今年中に大学へ入学したいとの強い思いがあったという彼の生活環境と彼の優しい悩みである。それにしても彼が行ったことは、断じて許されることではない。他の真面目な受験生や入試制度の根幹を揺るがすような不祥事である。それでもなお、極悪非道な犯人であるかのような興味本位な扱いはいかがなものかとか、反省したら受け入れてやるべきだとか、温かい同情の声も当然表れている。事件が明るみになってから僅か4日間でこれだけ振幅の激しい両極端の声が出ているのだ。
悪いことは悪い。だが、一方的に決め付けるのではなく、罰を受け反省したら温かい気持で包みこみ、再起の機会を与えてやるのも社会の責任であろう。誤解されると困るが、はっきり言ってタカがカンニングである。今までだってこれに類する行為はあったと思う。ただ、やり方がこれまで以上に影響が大きい方法で、刺激的でみんなが興味を抱いてしまったということが最大の不幸だった。「罪を罰して人を罰せず」という言葉もあるくらいだ。まして、まだ若い青年である。この受験生を追い詰めるようなことだけはしてもらいたくない。
私自身2年間の浪人中は、辛く暗い気持で毎日受験勉強の日が続いた。それだけに罪を犯した受験生の気持は分らないでもない。こういう現代的な事件は今回初めて表面化することになったが、京都大学・松本紘学長が会見の場で、試験場では監督体制は充分だったと自らの非は一切認めようとしない強気な姿勢は、実際監督体制の不備によりこの種の事件が引き起こされた以上、自らも反省し、正すべきは正し、試験監督の方法を考え直すとの謙虚な考え方にならないと、いずれは同じような事件が起こるのではないかと憂うるのである。
事件を起した受験生に少なからず同情するとともに、守れもしないルールを厳正に守っていると嘯く大学側の頑な背反論理は、ことが教育に関することだけに首を傾げざるを得ない。
1390.3月4日(金) 政治家は外国に弱みを見せるな。
今冬の気候は寒暖の差が激しく、時には想像以上の極端な変化に驚かされる。今年に入って積雪は3回もあった。今日も夕方になって近くの駒沢公園に散歩に出かけたところ、いつもより寒さを感じた。公園まで半分も歩かない内にあまりの寒さに散歩を中止して戻ってきた。服装はいつもと同じなのだが、今日は特別に寒い。わが庭の梅も五分咲きぐらいだが、この分ではまだ暖気はやって来ないだろうか。
さて、わが国の政治は停滞する一方で一向に前へ進んでいる気配がない。1日に来年度の予算案が衆議院を通過したばかりだが、それもすったもんだのぶっちらけである。
今日の参議院予算委員会のやり取りを聞いていても、自民党議員が菅首相のリーダーシップの欠如を追及している。例えば16名の衆議院議員の会派離脱、昨日の佐藤夕子議員の民主党離党等々に前原外相の政治資金収支明細書への虚偽記載が加わり、そこへまた外相が国内在住の外国人から資金提供を受けたことが発覚して厳しい追及を受けた。前原外相は率直に謝っていたが、この人はどうも軽率なところがあり、それが以前に偽メール事件で非難されることになり、党代表の職を辞した。その後、大きな失態もないままポスト菅として噂されるようになった。しかし、こう度々軽率なトラブルを抱えるようでは外相も政治家の器としてここまでだと覚悟した方が良い。
首相の立場がぐらぐらしている時に、外相がこんな調子では政治が前へ進むわけがない。このごたごたに外国政府からも完全に足元を見られ、つけこまれている。北方領土問題のロシアの強気な外交なんかその典型である。
昨日NHK・BS放送で中国人有識者4人が日中関係について議論している香港放送局の番組を観ていたら、中国人の対日観を話していた。民主党は政権を掌握してから3つの大きなヘマを犯したと不躾に語っていたが、そのヘマとは①小沢一郎・元民主党代表が600人の子分を連れて中国へ大名旅行したこと、②鳩山前首相の沖縄普天間基地移設問題の幼稚な取り扱い、③尖閣諸島中国漁船衝突事件の稚拙な対応、と僭越にしていとも明快に指摘していた。
更に中国人は欧米から成金と見られているようだが、日本人は政権成金国だとまで決め付け手厳しい。よほど日本人の最近の世論調査に基づく中国人好感度が、かつての60%から最近10%前後に落ち込んだことに対する腹いせのように思える。
それにしてもわが国は完全に諸外国からその統治能力の欠如が見透かされているのだ。これでは外国に物申しても説得力がないのは当然ではないか。
近年経済力の向上につれて自信を持った中国は、元々マイペースを押し付け相手から利を引き出すテクニックに長けている。今日中国の2011年国防費予算が発表されたが、対前年12.7%増で軍事費もアメリカに次ぐ大国へ拡大している。アメリカを始め各国から軍事大国ぶりが警戒されている。だが、中国の考え方は相手の指摘をはぐらかすように体をかわす。李肇星・全人代報道官は国防予算が約7兆5千億円になったことについて、GDPのまだ2%だという捉え方なのである。
とにかくこういう尊大な国に国内の周章狼狽ぶりを見られたうえで、わが国の弱みや急所を突かれたくないものである。
1391.3月5日(土) 中国全人代開かれる。
今日から中国で全国人民代表大会(全人代)が始まった。全人代が開催された人民大会堂に各地方の代表約3千人が集まった。ここで提案された草案が承認されれば、それがこの先中国の5ヵ年計画となる。この「民主的」を装った「非民主的」な決定のロードマップには、所詮無理がある。だだっ広い会場で3千人もの代表者が議論を闘わすのは不可能に近い。つまりすでに共産党幹部会で決定された素案をただ追認するだけの、形式的で非民主的な国策決定の猿芝居なのである。
大体代表とされる出席者も、選挙などの民主的な手段によって選ばれた選良ではなく、共産党地方支部の密室的な環境の中で決められる。中国共産党は天安門事件に懲りて、民主的行動を極力排除しようとしており、この全人代に際して、インターネットによる情報管理を強化すると強調した。自国にとって都合の悪いことは、すべて封じ込めようとの姿勢がありあり見える。特に、中東における民主化の動きが非民主的な中国に波及する、計り知れない民主化運動の影響を何とか食い止めようと必死なのである。少しでも人びとが集まると解散を命じたり、身柄を拘束する。
こうして、中国はどんどん異質な国家となり、心情的に国際社会の中で孤立していく。しかも極端な非民主化国家となって・・・。気の毒なのは、外の世界の動きを知らされることもなく、貧しい中で自己主張も出来ずに我慢させられている庶民である。
今中東で民主化運動が勃発しているのは、すべて長期独裁政権の国々である。その意味では、中国の共産党長期独裁政権は、民主化運動の格好のターゲットである。中国も北朝鮮も早く目覚めないといずれ、エジプトやリビアの二の舞となるだろう。
さて、今日の朝日夕刊をみて、はたと思った。国会議員が無料パスをもらい交通機関を利用できることは周知の事実である。しかし、それが私鉄にも適用され、現在も鉄道・軌道乗車証が日本民営鉄道協会によって発行されているとは寡聞にして知らなかった。JRは旧国鉄が発展した会社であり、旧来ルールに従ってパスを発行しているのは理解出来ないこともない。それでも現在JRパスや航空機に対しては予算も計上されて支払われているらしい。だが、なぜ私鉄やバス会社に対してだけは、現在も無料パスを発行させているのか理解に苦しむ。これでは国会議員の民間会社に対するたかり行為ではないのか。
新入社員時代に駅で改札掛をしていた時、無料パスを見せて改札口を通る乗客がかなりいた。国鉄職員、私鉄社員、警察官、消防官らがその代表だったが、パスを持って改札口を通過した国会議員を見たことがなかった。記名本人ではなく、別人が使用していたのだろう。今では交通機関で無料パスが認められているのは自社社員ぐらいだろう。それにも関わらず、なぜ今も民鉄協会は国会議員だけにパスを提供させられているのか。私鉄に対しては許認可権を振りかざし、相変わらず権威を見せ付けるたかり構造が未だに残っているからである。こういうズルイことがよくも天下の国会議員が平気で出来るものである。ここにも国会議員の意地汚さと甘えの構造が見られる。
1392.3月6日(日) 快男子・巽秀樹くんを偲ぶ。
湘南高校ラグビー部OB会長を務めていた7年の間、副会長として陰で支えてくれた鎌倉の入野耕二くんから、彼の同期生の巽秀樹くんが先月28日に亡くなったと電話をもらった。
今夕桐ヶ谷斎場のお通夜に出かけ最後のお別れをした。会社を辞めてから大分時間が経つのに、葬儀場には多くの参列者が巽くんと最後のお別れに来ていた。やはり巽くんの優しく誠実な人柄が多くの人に最後の別れを伝えるために足を運ばせたのだろう。
ラグビー部関係では同期生が多く、お清めを済ませてから久しぶりに一杯やろうということになり、東急目黒線・不動前駅の近くで店主に誘われるまま小さな店に入り込んだ。巽くんの鎌倉御成中時代からのチームメート6人に、中学時代の友人を交えて、彼の冥福を祈りつつ献杯をして思い出話に花を咲かせた。
6人の中に元鎌倉市長の竹内謙くんもいた。実は昨年からペンクラブの会合で早大探検部で竹内くんの仲間だった西木正明さんに会うたびに、竹内くんは御祖父がゾルゲ事件の尾崎秀実の顧問弁護士だったので、ゾルゲ事件と尾崎について秘蔵の資料を源にドキュメントを書くには最も相応しい人間なので、前からそう勧めているが、一向に書く気がないとこぼしていた。ならば、私も事件に連座したブランコ・ブケリッチの子息で、ベオグラード在住の山崎洋さんをよく知っているので、山崎さんを竹内くんに紹介して事件と二人の関係について重層的に書いたらどうかと勧めてみると西木さんに約束した。よりによって葬儀場で竹内くんにその話をしたところ、事実はその逆のようで、竹内くんが西木さんに資料を提供するから西木さんが書いたら良いと頼んでいた話とのことで、どうもあまり乗り気には見えない。よく分らないが、この次に西木さんに会ったらよく話して確かめてみようと思う。
巽くんは近年になって確認出来たのだが、彼の父上が家内の父や、岡本太郎さん、藤山一郎さんらと同じく慶応幼稚舎で同級生だった。いつか岡本さん、藤山さん、作家・野口富士男さんと義父ら4人の竹馬の友としての交流について書いたエッセイを送ってあげたら喜んでくれた。また、慶応幼稚舎の卒業アルバムを見たら確かに父上の姿が写っていた。巽くんはその写真を持っていないということだったので、2年前にコピーして送ってあげた時に電話でしばし話したのが最後になってしまった。
高校で主将だった私は、巽、入野、竹内くんら多くの素質ある新入生がどっと入部してくれ、ラグビー部も何とか形がつき安心して卒業出来ると同期の仲間と喜びあったことが思い出される。実際巽くんたちが3年生になってラグビー部はめきめき力をつけ、神奈川県内でも実力校にのし上がった。初めて関東大会に出場したのは彼らの2年後輩たちだが、彼らの活躍が刺激になったことは間違いない。実際彼らの3年次に成績からすれば、当然関東大会に推薦されてしかるべきだったが、出場校として推薦されなかった。理不尽な選考基準だとして新聞の神奈川版に大きく取り上げられ、私も当時浪人の身でありながら心配になって母校へ駆けつけたことがある。巽くんはウィングでプレーしてチームの中心選手だった。
巽くんは素直に現役で慶応に進学したが、私は2年間も無駄飯を食ったために大学で同学年生ということになった。彼は法律、私は経済と学部こそ異なったが、日吉キャンパスではしばしば顔を合わせることがあった。その当時全学連書記長として学生運動のリーダーだった、ラグビー部1年先輩の東大生・清水丈夫さんに私はネジを巻かれ、60年安保反対闘争の道へ、彼は即座にラグビー部(慶応独自の呼び方として「蹴球部」という)に入部してラグビー漬けの学生生活を送っていた。巽くんがその俊足を生かして秩父宮ラグビー場を力強く走る姿を想像していたが、残念ながらその夢と期待は叶わなかった。レギュラーとしての素質は充分あったと思うが、人柄を見込まれて中等部のコーチを務めたことが選手としてはマイナスだったかも知れない。卒業後は全日空に入社して定年まで勤めあげた。いつもニコニコした円満な人柄で周囲にソフトで温かい雰囲気を作ってくれた。
聞けば良家の娘さんと結婚されたが、昨年その奥さんにも先立たれた。周囲にはそろそろ亡くなる友人も増えてきたが、それにしても彼は私より2歳若く、まだまだ人生を楽しめる年齢だったと思う。狭い飲食店の二次会でも、巽くんを惜しむ声が多かった。人生は無情である。こういうことなら生きているうちに、せめてもう一度じっくり話をしてみたかった。巽くんのご冥福を心よりお祈りしたい。 合掌
1393.3月7日(月) 前原外相辞任で日本外交はどうなる?
今年の気候は寒暖の差が激しいことは、本稿にこれまでにも書いた。今日の天候も春ならぬ寒さで霙交じりだったが、午前中はずっと雪が降り続け今年4度目の銀世界となった。
しかし、気持のうえでお寒いのはむしろ日本の政治と外交である。前原外相が在日外国人から政治献金を受けて参議院予算委員会で糾弾されていたが、ついに昨日になり外務大臣を辞職することを決意した。
それにつけても日本の政治家が外国人から献金を受けることが政治資金規正法で禁じられていることくらい、政治家なら誰しも承知のはずであり、ましてや前原外相は法律を遵守すべき弁護士出身である。知らないはずがない。どうしてこんなイージーな法律違反を犯してしまうのだろうか。それは政治家共通の卑しさと前原氏個人の軽率な性格に起因するものだろう。
前原氏が辞任するニュースは、早くも外交関係で波風の立つロシアから皮肉たっぷりのメッセージとなって伝わってきた。これまでの外相と異なり、比較的強く日本の立場を主張し、就中北方領土問題でロシアを非難した前原外相は、ロシアにとって御しにくい相手であったことは事実である。その点で外交では、言うべきは遠慮せずに言う前原外相の外交姿勢は、対日問題で自国にとって弱みを抱える外国にとっては煙たい存在だった。つまり外交が弱いと看做されていた民主党政権の中では、物申す外交姿勢は前原外相の立場を強化するに役立ったに違いない。外交カードとして菅首相には強力な味方だったと言える。それにしても前原外相自身墓穴を掘るような形で辞任とは、あまりにもお粗末である。
この後前原外相の後釜をどうするのか。今月外交日程が詰まっている。ほかの大臣と外務大臣を同一視することには問題がある。中国の楊潔箎外相が自分の4年間の任期中に、すでに6人の日本の外相に会ったと言ったようだ。さあ楊外相にとって7人目の日本人外務大臣は誰になるのか。
今行き詰まっている専業主婦の年金救済問題でも、細川厚労相は信頼感のない発言を繰り返している。傍から見ていると菅政権は政治ごっこを楽しんでいるようにしか思えない。どうしたら背筋が通るような政治をやってくれるのだろうか。
少し乱暴だが、この際議員数を思い切って半減するくらい大幅に減少させ、国民が議員の活動を分りやすく監視するシステムを作ったらどうだろうか。議員定数の削減は民主党のマニフェストにも謳われている。本音はともかく党として減らす気はある。議員が少なければ、その行動を監視するのも楽である。国民が議員の一挙手一投足を注視していると思えば、少しは真剣に、真面目に仕事に取り組むだろう。そうでもしなければ仕事で手を抜く悪弊は直らないと思う。今の議員たちは国民と政治を舐めて好い加減な気持で議員職を務めている。まったくどうかしている。
1394.3月8日(火) 日米間に新たな問題発生か。
あれから2週間が過ぎた。ニュージーランド地震の被害者救出活動が思うように進まない中で、地元警察はこれまでの生存者救出作業から、収容遺体の身元確認作業へシフトすると発表し、事実上行方不明者捜索活動の打ち切りを宣言した。そんな厳しい状況の中で、今日日本の国際緊急援助隊第2陣が帰国した。記者会見で隊長は生存者を一人も発見できなかったことが残念だと述べた。
ニュージーランドと日本では生命に対する考え方の違いや、全般的に救出活動の手順と方法が異なるので、行方不明者の捜索を継続しないことに対して、内心では納得していない人も多いと思われるが、あくまで現地の基準で行われるので日本側から日本式手順を主張するわけにもいかず、その方針転換も已むを得ないのかも知れない。語学学校が使用していたCTVビルの崩壊現場だけが悲惨で生々しい。すでに、現地で救出活動を見守っていた家族も一部の人を残して帰国した。しかし、まだ行方不明者が27名もいる。家族にとってはやりきれない思いだろう。
ところで、日米間に新たな外交問題が噴出しそうな気配である。昨年12月にアメリカ国務省のケビン・メア日本部長が沖縄訪問を前にしたアメリカ人大学生相手の会合で、沖縄はゆすりの名人とか、沖縄人は怠け者とか、或いは日本では本音と建前に気をつけるべきだなどと人種差別的で沖縄を蔑視する発言をしたとして、日本政府が当惑するのも当然であるが、沖縄本土では強い反発が起きている。今日になって沖縄県議会でも強い不満が湧き上がり、クリントン国務長官に対してこの発言に抗議し、発言の撤回と謝罪を求める決議を全会一致で可決した。このメア日本部長は3年間に渡って沖縄総領事を務めた人物であり、沖縄の実情には精通しているはずである。明らかに確信犯であると言わざるを得ない。事態がこじれなければ良いが、取り扱いを間違えると話は大きくなって日米関係に亀裂を生じかねない。
下手にこじれると日米安保強化を警戒して、東アジア海域でヘリの自衛艦に対する異常接近など軍事陽動作戦を展開しつつある中国や、北方領土の実効支配を強めつつあるロシアがほくそ笑むだけである。願わくばメア部長が軽率な発言を取り消し、謝罪して矛を収めてほしいものである。
1395.3月9日(水) お粗末な細川律夫・厚労大臣の振る舞い
何と稚拙で無様な対応だろうか。専業主婦の年金救済に対する厚労大臣と政府の対応である。細川律夫氏の厚労相としての無能ぶりには呆れた。そもそもこの年金救済問題を引き起こした旧社会保険庁の手抜き業務によって生じた年金支給未納問題は、厚労省内で救済策を講じた長妻昭・前厚労相が主導してやや不公平な救済策を考え出して、今年1月から実施している。それが昨晩ドタバタでこれを取り止めることになり、新たな対応策を3年間の時限立法として実施することを発表した。
それにしても国の重要な政策としてはメチャメチャなのである。しかも、年金救済策は何たることか厚労省内の一課長の通達で行われていたのである。その中身が不公平だということから、ご破産となりやり直すことになった。加えてすでに実施されているこの救済策を、こともあろうに担当大臣である細川大臣は実施後1ヶ月近くも知らなかったという迂闊さなのである。更に細川大臣は引継ぎを受けなかったと長妻前大臣に責任をなすりつけるような発言をしている。昨年3月に救済策を考え出した時長妻大臣の下で副大臣を務めていたのは誰あろう、現大臣の細川氏なのである。これには恐れ入った。長妻前大臣も不注意だったにせよ、いくら自分が分らず、どう立ち回っていいのかも判断できずとも、前任者に責任をなすりつけて責任逃れをしようとは、あまりにも見苦しくお粗末である。
厚労省というのは、国民の健康や生活福祉を考え、国民生活の向上に資することを目的とした役所である。それにも関わらず、まったく勉強もしようとせずに、都合が悪くなると他人に責任を被せるとは不届き千万である。
こういう何も出来ない人間が国会議員として、大手を振って歩こうとすることが大きな間違いである。大臣はおろか、国民に奉仕どころか国民に負担を強いる人間は、国会議員としても失格である。
さて、昨日反響を呼んだアメリカのメア日本部長の侮蔑的な発言に対して一日明けて非難轟々である。朝日社説は「沖縄への許し難い偏見」として強く非難した。天声人語氏は時を経てもアメリカには差別意識が消えないと指摘している。アメリカ軍の現場の責任者には、どうも異民族を見下す傾向があるようだ。ベトナム戦争中のウェストモーランド司令官の「東洋では人の命は安い」の発言には、ベトナム戦争で投下された爆弾総量が第二次大戦の3倍に当たることで証明されている。人の命の尊さはどこの国の人も同じだと思うが、それがアメリカの軍人には分らないらしい。
明日はそのアメリカ軍に攻撃された東京大空襲から66年目を迎える。
1396.3月10日(木) 竹島を韓国領と認めた国会議員
昨日アメリカのメア日本部長の沖縄県民に対する侮蔑的発言に対して、日本側から大きなブーイングが沸き起ったが、アメリカ政府は即座に公式に謝罪するとともに、メア部長の発言はアメリカ政府の考えとは相容れないとしてメア部長を更迭することを決定した。電光石火の早業である。日米外交交渉(2+2)の開始に当たって素早い対応を見せ日本の反発を和らげようとの思惑である。流石に外交面で遥かに日本の上を行くアメリカらしい間髪を入れない対応である。これによって沖縄県民は心情的にはまだ納得できないにせよ、再発防止をアメリカに約束させて収束へ向かってほしいと思う。
このアメリカのスピーディな対応に引き比べ、今日公になった土肥隆一・民主党衆議院議員がソウルで竹島放棄を認める署名を行った行為の何とまあ思慮に欠ける、売国奴的パフォーマンスであろうか。韓国国内において竹島の韓国主権を認める署名とは、愚かというより、あまりにも幼さ過ぎる。国家、主権、領土に関する国の原理原則に反して、相手国・韓国の主張に賛成するとは、国会議員としての資質に欠けるのではないか。右寄りの「夕刊フジ」1面では、「竹島領有権捨てた菅側近売国奴」とか、「党内外から批判・・・菅はどう処分する!?」と大きな見出しで取り上げられ、土肥議員はボロクソである。よりによってこの御仁は、小沢一郎・元代表を召還しようとしている政治倫理審査会会長だそうである。しかも菅首相の側近と言われ、首相の信頼も厚い。こういう反愛国、反国家的行動に対して、菅首相を始め政府首脳は、ただ遺憾の意を表するに過ぎない。辞職を求める気持はさらさらないようだ。この土肥議員は、ことの重大さに鈍感でこれほど大きな問題になるとは思わなかったとか、もう少し署名文書の内容を精査すれば良かったと、まったく鈍感で無神経なのである。
そもそも日本の外交は、これまでの経緯が領土問題には手を触れたがらず、国内外に領土権を主張し、その主権の啓蒙について説明することをして来なかった。それが、土肥議員の「個人的には竹島は日本の領土とは一概に言えないのではないか」というような軽率な発言に表れてくる。北方領土、尖閣諸島、竹島などの日本近海の領土問題については、義務教育の過程でも歴史的根拠と日本人が在住していた実績をきちんと教えるべきだし、北方領土のように終戦後占領略奪された領土については、国際司法裁判所への提訴を含めて国際的にももっと日本の領有権をPRすべきだと思う。
しかし、一番根源的な問題として外交官に政治力がなく、政治家に政治家としての資質がないのでは、国民としては救われない。
1397.3月11日(金) 最大規模の地震に大津波が襲う。
昨晩から下腹部が痛み出し、いつも通りブログの書き込みの後床に就いたが、今朝目覚めても相変わらず痛みを感じる。その後朝食を済ませトイレで用を足したら少しは痛みが和らいだが、それでも依然として痛む。このまま放っておくのも心配なので、月曜日に森内科に行ったばかりだったが、先生に診てもらった。特別原因ははっきりしないが、今日は絶食して薬を服用してしばらく様子を見ることになった。加齢とともに身体にも少しずつ欠陥が表れている。寂しいことだが、これが現実である。
さて、パソコンを打っていた午後2時50分前に大きな揺れとともにドカーンと地震が起きた。長い間揺れたが、その後に断続的に余震がやってきた。震源地は三陸沖だが、最近同じ三陸沖を震源とする地震があったばかりである。しかも今日の地震はマグニチュード8.8で明治以降最大規模の地震だという。津波は太平洋沿岸を北海道から沖縄までを襲った。まだ死者・行方不明者がどのくらい出たのか分らないが、昼間の地震とは言え、かなりの犠牲者が出たのは間違いなかろう。外へ出たらお隣の小林さんのご主人もおられ、屋根瓦が破損したと言っておられたが、見てみたら確かに大分破損している。雨でも降ったら雨漏りがするので至急修理したいと言っておられた。
私の書斎も本棚から本が落ち、壷も落ちたりしたが幸いクッションで壊れることはなかった。むしろパソコンを2台並行して使用中だったので、慌ててOFFにしたが、プリンターが机から落ちてしまった。
各テレビ局はレギュラー番組に代えてすべて地震関連ニュースである。画面を見ていると津波に洗われる港周辺の状況を映し出している。陸上へ乗り上げた津波が、車と船を一緒にさらって道路を流れていくのを見ていると、津波の恐怖に度肝を抜かれる。JRをはじめ、首都圏の私鉄もすべて運行を中止している。鉄道のターミナルでは大勢の人が溢れ足の確保も出来ず、枝野官房長官が無理して帰宅しようとせずに会社の休める所で時間を過ごすようにと訴える有様である。
地震となると咄嗟に思い出すのは、1999年8月にトルコのチャナッカレで遭遇した20世紀最後の大地震である。あれは明け方でまだ就寝中だったが、長い時間揺れ続けた後に目覚めてボ~ッとしていた。しばらくして逃げようと思った瞬間ぴたりと止まった。余震はなかった。M7で死者が1万7千人だった。とにかく怖かった。今日の大地震は先日のニュージーランド地震の記憶が覚めやらぬ間の大地震である。
地震ばかりはどうなるものでもない。精々被害を最小限度に留めるべく努めるだけである。現在夜9時だが、まだ余震がある。余震が気になって風呂にも入れない。
それにしても猛り狂った自然は怖い。
1398.3月12日(土) 東日本巨大地震ニュースが日本全土を席捲
昨夜中も何度か余震があったが、一夜明けて地震と津波の甚大な被害が明らかになった。しかもまだ余震が続いている中でどれほど犠牲者が出たのか、はっきりつかめない。現時点で1700名は超えると見られている。50カ国以上の国際的な援助の手もさしのべられている。藩基文・国連事務総長の国連を挙げて支援活動を行うとの声明の後、アメリカのオバマ大統領が同盟国日本に対していかなる支援も行いたいとの好意的な発言に合わせて、早速空母「ロナルド・レーガン」始め艦艇を被災地へ向かわせた。
それにしてもこれだけの大災害は専門家も予想出来なかった。太平洋岸に沿って一度に起きた地震ではなく、震源は宮城沖と茨城沖に呼応して起きたようだ。かつてないほどの規模の地震で、20世紀以降世界の主な巨大地震として5番目に大きいもので、過去の国内の津波でもその被害の大きさは明治三陸地震、昭和三陸地震に次ぐものである。これも今後被害が増大すれば被害・犠牲において追い抜いてしまうかも知れない。
映像技術の向上もあって、生々しい被災の状況がリアルに映し出される。それはそれでよく分かって結構だが、自然の牙をこれでもかこれでもかと見せつけられると心寒く少々残酷でもある。
宮城県名取市と気仙沼市が大分ひどく痛めつけられた印象で気の毒に思えてならない。そこへ「陸前高田ほぼ壊滅状態」とのテロップが流れ、引き続き映像が流されて住宅街が津波に押し流されたシーンはあまりにも惨めで観ていられない。
実は、3年前の8月に岩手県陸前高田市、大船渡市と住田町の岩手県の3つの自治体が相互協力している「気仙広域連合」の依頼で、陸前高田市「ふれあいセンター」で「職員研修上級過程」の一環として2日間「図解」と「合意術」の講師を務めたことがある。その2日間「大船渡プラザホテル」に泊り、大船渡の港を見学した。講義当日陸前高田市職員の方にホテルから「ふれあいセンター」まで車で送ってもらって大船渡から峠を越えた時、陸前高田は内陸に位置していると錯覚して海岸から離れたところだとの印象があった。田んぼの中に孤立して建つ一際高い「ホテル1000」だけが、その名前とともに鮮やかに記憶に残っている。すでに人手に渡っていたが、地元出身の歌手・千昌夫が羽振りの良い時に建てたホテルだと聞いた。陸前高田はごくありふれた地方都市というイメージだったが、あの街がまったく姿を消してしまうとは、いささかの哀愁とノスタルジーを感じざるを得ない。
午後3時過ぎになって福島第一原発で爆発が起きたとびっくりするようなニュースが入ってきた。その後8時過ぎに菅首相の記者会見の後で枝野官房長官は原子炉が爆発したのではなく、その入れ物である建屋が内部の圧力により吹っ飛んだものだと説明して一安心という一幕があった。それにしてもこれも想定以上のマグニチュードがこういう事態を引き起こしたようだが、もしそうなら今後原子力発電所建設計画は、大きな課題として新たな安全策を講じることが求められるのではないだろうか。
今日の新聞はもちろんほとんど全紙を地震報道にスペースを割き、テレビは朝からすべて被災地からの報道で、全マス・メディアが報道番組一色に染まった。新聞のテレビ欄を見てもNHKは全番組を地震特集に組んでいるが、民放は一応予定通り番組を編成していたが、全番組とも地震報道に切り替え一切CMもない。
その影響を受けて与野党の対立はしばし政治休戦となり、日本国中ニュースは地震一辺倒となった。本来ならば大きく報道されるはずの「石原慎太郎・都知事4選出馬へ」や、「菅首相も外国人から献金」「リビア政治情勢」等はまったく伝えられず、今日の九州新幹線の全線開通式典も、地震の犠牲者を慮って式典を取り止めたという。プロ野球のオープン戦は開幕まですべて中止となり、サッカーJリーグも今週は全試合を中止にした。
大きく取り上げられなかったニュースの中で、石原知事の4選出馬辺りは評論家諸氏の率直な意見を伺いたかった。このままだと鬼の居ぬ間に自動承認?みたいでどうもすっきりしない。いつもは歯切れの良い石原知事が今度の立候補だけは、出馬宣言までの経緯をみていると素直に納得することが出来ない。この期に及んで出馬するならなぜもっと早く、堂々と出馬宣言出来なかったのだろうか。特に、松沢神奈川県知事が、神奈川県知事を辞めて東京都知事へ鞍替えまでして立候補を決意し、それを石原知事は同志として激励までしていたのではなかったのか。いささか物言いがきつく態度も横柄で、その考え方は必ずしも相容れないが、本音をズバッと物申す点と実行力を評価していた。だが、このパフォーマンスだけは田舎芝居もどきである。誇るべき高校の先輩ではあるが、これから晩節を汚さなければ良いがと願う。
1399.3月13日(日) マグニチュードを9.0に修正
『日本沈没』 これは昨日の韓国・中央日報の第一面見出しである。東日本巨大地震は、発生以来断続的に余震が続いているが、改めて甚大な被害が明らかになってきた。
そのトップは昨日俄かにクローズアップされた福島第一原子力発電所1号機の爆発事故の続報である。昨日の枝野官房長官の記者会見では建屋が破損しただけで原子炉格納容器に問題はないと述べていた。しかし、その直後に3人の被爆者が見つかり最低でも190人に被爆の恐れありと報道された。今日になってみると1号機の事故は生易しいものでないことが判明し、加えて新たに3号機も冷却炉が喪失した。異常事態が発生したのである。3号機は冷却不全となり、安全上の制限値を超える放射線量を観測し、緊急事態に当たるとして経産省に報告した。生憎今日は夕刊が発行されない日曜日であるが、朝日新聞は臨時に「東日本大震災特別号外」を発行した。トップ記事の見出しは「3号機も冷却不全-敷地境界・放射線量基準上回る」と書かれた。えらいことになったものである。
今や東日本巨大地震は世界中から注目されることになり、各国から取材班が殺到している。とりわけ1979年にスリーマイル島放射能漏れ事故を引き起こしたアメリカは、その後原発建設計画を停止していたが、ごく最近になって建設を再開したばかりで、福島の爆発事故は今後の原発計画に冷水を浴びせることになりそうである。
もうひとつ大きな問題は、これだけ情報ネットワークが発達した社会でありながら、仙台市塩浜海岸で波に呑まれた犠牲者の遺体が200体から300体が見つかり、水に浸かっているため収容出来ず、従って身元が判明しないという厳しい情報と、南三陸町で住民1万7千人のうち1万人の安否が不明だというニュースである。どう考えても想像も出来ない。多分予想を遥かに超える速いスピードで地を這うように押し寄せた津波の中に巻き込まれてしまったのではないだろうか。道路は寸断され、衛生携帯も不通となり、停電も当たり前となり、そこへ放射能漏れである。今日の記者会見では菅首相の顔色はまったく冴えず、あまりの甚大な被災状況にショックを受けているように感じた。国民は戦後65年で最大の苦難にぶつかっていると表現した。自衛隊の支援部隊も当初は2万人だったが、一昨日には5万人に増員され、今日10万人に増やされた。テレビの報道も全局が一日中津波関連ニュースを流していた。
そんな中で夕方になってそれまで伝えられていた今回の地震のマグニチュードが、8.8から9.0に修正された。20世紀以降では1952年のカムチャツカ地震と同じく4番目の激震ぶりである。
それにしてもまだ余震は収まらず、相変わらず太平洋岸と上信越地方で地震が起きている。日本中が刻々変わる新しい情報と無残な犠牲者の数に振り回され右往左往している。いつになったらこの行き場のない袋小路から抜け出すことが出来るのだろうか。
1400.3月14日(月) 電力不足に鑑み計画停電実施へ
福島県相馬市内に住む知人・鈴木進一さん家族の安否を心配して震災翌日お見舞いのメールを送った。相馬市の被害が相当大きいと報道されているからである。福島県職員研修の講師を務めていたころ、一度ご自宅に泊らせていただいたことがある。鈴木さんのお母さんを中心に一家5人の温かいご家庭だった。特に連絡はないが、無事であってほしいと祈っている。
ミラノからもお見舞いのメールをいただいた。昨秋「そこが知りたい 観光・環境・都市」の共著者のひとり、大島悦子さんからだ。地震のニュースはイタリアでも大きく報道されて、イタリア人は日本人の落ち着いた対応について感心して、仮にイタリアで同じような地震・津波が襲ってきたら100万人は犠牲者が出るだろうと噂されているとか。
さて、急遽計画停電が発表された。東京電力の電力供給の不足をカバーするために、地域別、且つ時間的に節電をお願いしようというものである。短兵急に計画停電を実行しようというものだから、準備期間が足りず無理や不具合が出てくるのはやむを得ないにしても、変更に次ぐ変更ではその朝令暮改ぶりに東電への風当たりが強くなるのも致し方あるまい。
公共輸送機関である鉄道会社に対しても、重要性とか地域制に倣って一般と同じように計画停電を実施しようとするから、どうしても各鉄道会社によって対応がバラバラになる。今朝から各駅へ殺到する利用者の群れでターミナル駅では延々長蛇の列である。平等でないとの批判も分らないでもないが、公共的な大量輸送機関として鉄道の輸送力とその効果は抜きん出ている。朝晩の通勤・通学の足である鉄道を一般家庭並みに考えることは、いかがなものかと思う。むしろ鉄道運行は優先的に認めてあげた方が、すべてがスムーズに流れるように思う。実際今日国土交通省は、鉄道会社をこの計画停電の対象とはしないよう東電に要請した。
東電の福島原発の事故関係でも、情報が錯綜して真実を明確に把握し難い。テレビでは専門家がイラスト化までして精一杯説明してくれるが、素人には些か分かりにくい。もっと分り易く説明出来ないものだろうか。説明の仕方や情報の伝え方にしても、もう少し工夫を凝らすとか、洗練された説明をするとか出来るのではないかとテレビを観ながら考えてしまう。くどくど説明するより、最初にはっきり危険とか、大丈夫とか言ってくれればそれで充分だと思う。
地震のニュースに目を奪われている間に、4月の都知事選へ立候補を表明していた松沢成文・神奈川県知事が、石原現都知事の4選出馬を踏まえて立候補をしないと発表した。まったくよく分らない。松沢氏は神奈川知事の職を捨ててまで、都知事へ出馬宣言したのに石原現知事の消極的出馬によって夢もビジョンも諦め、降りるとはあまりにも選挙民を舐めていやしないか。こういうことなら、この際石原、松沢ご両人に立候補を辞退してもらった方がすっきりする。
一方、地震によって日本経済の先行きに不安感が漂ったせいか、今日の日経平均株価は今年初めて1万円を割って9620円となった。下げ幅も今年最大の対先週末633円である。東証一部上場企業の90%以上が値下がりして、上がったのは建設会社株だけだったとは投資家も抜け目がない。
1401.3月15日(火) 福島第一原発の放射能漏れが心配だ。
「死亡者3,166人以上、安否不明者16,006人以上、避難者約55万人」
これは朝日新聞社がまとめた今日午前中までの地震に伴う被災者の数である。
東日本巨大地震による福島第一原発の原子炉爆発による放射能漏れが懸念される中で、政府と東電の対応がもたもたしている。どうも官邸と経済産業省原子力安全・保安院、さらに東京電力との間の意思疎通がスムーズにいっていない印象を受ける。それについては新聞紙上でもテレビでもあからさまに指摘されているが、その原因のひとつは菅首相の政治主導があまりにも強すぎるせいで、当初予定されていた東電社長の記者会見が首相の会見に取って代わられたことなどに表れている。東電社長に代わって記者会見に臨んだ首相や官房長官は原子力に関する専門家ではないため、予めレクチャーを受けて会見に臨んだが、質疑ではすんなりと答えられないケースが出てくる。
太谷昭宏氏らジャーナリストは、官房長官が話した「爆発的事象」という言葉を捉えて、「爆発は事故であり事象ではない」と言葉を選んで使用するよう求めたりもしていた。
爆発の原因とか、放射性物質漏洩防止策など原子炉に関する解説をメディアでやってくれているが、なにせ普段関心を持たない理系の専門知識なので中々分りにくい。
こんなギスギスする雰囲気の下に、東京電力の分りづらい対応と説明が遅れて行われている。会見に出席した記者からも厳しい質問を浴びせられて立ち往生する場面もあった。そこへ新たな問題として放射能が大量に飛散したようである。原発近くの20~30km圏内の住民に退避を要請し始めた。危険は益々高まる。その解決策については当事者が自分たちにも分らないというような答え方をしている。国民にとって深刻な問題に対して不謹慎極まりない発言であり、軽率な管理、運転をやっていたとは許せることではない。ことが命に関わることである。しかも、放射性物質は日本だけの問題ではなく、近隣諸国へ運ばれてその地で拡散する恐れもあるのではないだろうか。
テレビ情報番組の中でも、改めてなぜ国が危険な原子力発電を行うようになったのかと疑問に応えていた。それなりの説明をしていたが、中々納得出来ない。新しい国家プロジェクトを進めるに当たって、一番気をつけなければ成らないことは国民に対する安全の担保だろう。それが分っていながら油断して気を抜くところがあったのではないか。
2002年8月に柏崎・刈谷原発を見学した際案内してくれた東電社員は原子炉格納容器の前で、過去の米ロの放射能漏洩事件を参考に五重にバックアップしているので、まず事故は起きないと胸を張って話してくれた。安心していたところ、間もなく同原発で放射能漏洩隠蔽事件が発覚した。絶対ということはあり得ない。その油断が今回の放射能漏れを引き起こした遠因のひとつであるかも知れない。
2日目に入った計画停電も直前までどの地域が対象となるのか分らず、今日になって知らされる有様である。わが家の地域も第4グループということで午前中待機していたところ、同じグループの目黒区の広報車が近くを中止と触れ回っていた。首都圏の鉄道は平常運転の2割から7割が運行されたようだ。
このようにバタバタして的確な対応の取られない状況の中で、今日日経平均株価はまた大幅に下がった。昨日の終値9,620円から1,015円も下がって8,605円となった。一時最大で1,400円も下がったほどである。これほどの下落は2009年4月以来だというから、よほど日本の株式は見捨てられたに違いない。このまま原発懸念が止まらなければ、明日以降も下げ続けるのではないだろうか。
今夜10時過ぎに突然揺れた。静岡県東部が震源地らしいが、マグニチュード6だそうだ。一連の地震騒動はまだまだ落ち着かないようだ。
これだけ気が滅入ることが頻発すると、どうしても気持が暗くなる。いつになったらスカッとするだろうか。
1402.3月16日(水) 東電の対応も稚拙だが、官邸も危機管理が甘い。
朝から晩まで周囲は怒涛のような地震関連ニュースの大洪水である。地震自体がもたらした後始末の処理や整理が思うように進まない中で、地震によって触発された原発の放射線漏れの報道が後から後へと新しいニュースとして伝えられる。福島第一原発の6つの原子炉では次々に不安を駆り立てるような緊急事態が発生する。その都度官房長官、原子力安全・保安院と東電が記者会見で対応し説明する。昨日本欄に書きこんだように官邸は、東電の対応がもどかしいらしく、不安と不信感を憶え、昨日菅首相は自ら東電本社へ乗り込み直接清水正孝社長以下居並ぶ役員を叱責し、「撤退などありえない。撤退したときは東電が100%つぶれる」と不遜にもわめき散らした。
ついには東電本社内に法的根拠のない統合連絡本部を設置して、自らが本部長に、副本部長に海江田万里・経産相と清水社長を任命し、海江田大臣を常駐させるなど些か常軌を逸するような非常識な行動に及んだ。原子力発電は国家事業とは言え、明らかに民間会社に対する政府の強引な介入であり、極めて異常な行動である。日ごろ国会対策で悩みが尽きないとは言え、菅首相の傲慢な性格が破裂したように思える。敢えて前後の見境もないイラカン所業と言っておきたい。
昨日になってフランス原子力委員長は今回の東日本巨大地震に伴う福島第一原発放射線漏洩について危機レベル「6」と判定した。これは「大事故」に匹敵するレベルらしいから、日本国内で虚虚実実の駆け引きをしながら、東電がレベル「4」と低めに判定しようと検討していたのとはわけが違う。因みにチェルノブイリ事故が最高レベルの「7」で、スリーマイル島事故が「5」だそうだから、ちょうどその中間に位置づけられるほどの高い危険度である。
アメリカのメディアでも地震と津波のニュースに関心を寄せながら、一際強い関心を抱かせたのは放射線漏れに関する情報である。
従来原子力事故というと決まって引き合いに出されるのが、ロシアの「チェルノブイリ」であり、アメリカの「スリーマイル島」だったが、今後はこれらに「フクシマ」が加えられることになるだろう。日本は原爆被爆国として「ヒロシマ」「ナガサキ」が、今日国際的な平和運動のシンボルとなっているが、放射線漏洩の好ましからざる都市として、今後は「フクシマ」が名誉なことではないにせよ国際的にも知名度を高めることになるだろう。
それでも現在進行中の放射線漏れが収まり、すべての作業を無事終えた時、「フクシマ」が地震列島・日本の危機意識の象徴として、原発建設の安全のためのキーワードになれば少しは気持ちが救われる。
1403.3月17日(木) 鉄道作家・野村正樹さんを偲ぶ。
今朝の新聞で野村正樹さんの訃報を知る。肺がんにより亡くなられたことに胸を突かれるようなショックを受けた。少々健康を損ねたと漏らしておられたが、私より6歳も若かった、あの野村さんがあっという間に黄泉の国へ旅立ってしまった。サントリー社員時代にミステリー作品でデビューしてサラリーマン作家として名を売ったが、一方で鉄道作家の顔も持っていた。私には鉄道作家としての野村正樹さんにより親しみを感じる。ペンクラブに入会してから野村さんが鉄道オタクで、大学の先輩・後輩という間柄でもあり親しくお付き合いをしていた。私の2度の出版記念会にも出席していただいた。最近では健康が勝れなかったためだろうか、ペンクラブの例会にもほとんど姿を見せられず、気になっていた。
しかし、何といっても野村さんとの交流で一番印象に残っているのは、一昨年暮「知的生産の技術研究会」編著の「知の現場」(東洋経済新報社刊行)を上梓する過程で野村さんをインタビューしてまとめた取材記である。
同書の中で取材した論壇人は21名だったが、唯一野外で取材したのが野村さんだった。敢えて取材場所として野村さんが提案されたのは、デビュー直後の小田急の新型ロマンスカー展望車の先端・展望席だった。いかにも鉄道ファン野村さんらしいアイディアで、今にして思うと新鮮にして強烈な思い出である。
提案をいただいた後早速指定のロマンスカーの展望車座席の先端半分を特別にリザーブした。小田急に関しても、元小田急マンだった私より遥かに専門的な鉄道知識を身につけておられ、薀蓄を傾けた知識をベースに沿線風景や離合する別のロマンスカーの予定時間などを適切に解説してくれた。走るロマンスカーの中でジェスチャーを交えて、並々ならぬ鉄道への愛情を示してくれた。野村さんは「鉄道と二宮尊徳が『知』の原点」と言って憚らなかった。
野村さんと相対してインタビューする取材は、主に新宿駅から小田原までの車中で行われたが、野村さんは二宮尊徳を深く尊敬しておられ、小田原で下車してから取材班一行は二宮尊徳を祀る報徳神社へ連れ立って訪れた。その時宮司の講話などの手配も自ら事前になされた。温かいお人柄で、誰からも好かれ、話していて心の和む素晴らしいお人柄だった。野村さんは「知の現場」の仕上がりを喜んでくれ、昨年の年賀状には「『知の現場』ではありがとうございます。いい本になりましたネ!!」と書き添えてくれた。中々良い装丁に仕上がり、野村さんの話はロマンスカーの宣伝効果もあり、小田急電鉄・大須賀頼彦社長にも気に入ってもらえたので、今日も野村さんをよくご存知の大須賀社長に野村さんの訃報を伝えた。
小中陽太郎さんと、ロマンスカー取材にも同行された「知的生産の技術研究会」の八木哲郎会長にもお知らせした。お二人とも大変驚き、野村さんのご逝去を惜しんでおられた。
書棚には購入したもの、いただいたものを含めて野村さんの著書が10冊ばかり置いてある。その中でも出色は大分前にいただいた自費出版の処女作品2冊である。サントリーへ入社した新入社員時代に出された限定版「ウルトラ70*逸楽のルンバ」と「5時から5時のブルース」である。ぱらぱらっと頁を捲っていると、人懐こい野村さんが今にも後から覗き込んでくるような気がしてくる。
今年いただいた年賀状には昨年夏に撮った、JR品川駅の名物ポスト「0kmポスト」の脇に立つ元気な姿の写真があり、今年は新境地の大作2冊に挑戦するとポジティブなメッセージが書かれていたので、楽しみにしていた。残念でならない。
あの優しい野村さんの笑顔をもう見ることが出来ないのかと思うと心寂しい。心より野村正樹さんのご冥福をお祈りしたい。 合掌
1404.3月18日(金) ノーベル賞受賞者・根岸英一博士の講演を聞く。
大分前から楽しみにしていたノーベル賞受賞者・根岸英一博士の講演会を兼ねたパーティが、六本木・アークヒルズ37階ラウンジで母校・湘南高校OBからなる「東京湘南有志会」の主催により開かれた。ここ一週間の地震騒ぎで実施されるかどうか気にかかっていたが、一昨日になって事務局から予定通り開催されると手紙で連絡をもらった。
しかし、計画停電などの影響により交通事情が予測出来ないので、講演開始時間午後6時の2時間前をメドに会場へ来て欲しいとの要望だった。
同期生の大塚武夫くんと4時に渋谷駅で待ち合わせ、大分早く会場へ着いたが、応接室でほかの先輩と雑談しながら時間を過ごした。
実は昨年11月開催の定例有志会に根岸博士ご夫妻が出席されると伺っていたが、ストックホルムでのノーベル賞授賞式直前のタイミングといい、度重なる各種の祝賀会出席といい、ハードスケジュールによる疲労のため結局会場には来られなくなった。
今日改めて有志会の強い希望と、同期生の森稔・森ビル㈱社長ら幹事の方々のお骨折りもあったのだろう、幸いにして講演会が実現した。テーマは専門的なクロス・カップリングに関するもので、門外漢にとってはその内容は少々難しかったが、何となく分ったような気にさせる話しぶりだった。でも本当のところは、元国土庁次官で、理系から文系へ転じた吉居時哉さんが話されていたようによく分らない。
昨年上梓した共著「そこが知りたい 観光・都市・環境」(交通新聞社刊行)の拙稿の最後に、ダライ・ラマ14世の言葉とともに、根岸博士の言葉「若者よ 海外へ出よ!」を引用させていただいたので、博士にその経緯の説明をして、私の外向きの考えにも共感していただいた。その共著と2008年に書き下ろした「停年オヤジの海外武者修行」(㈱早稲田出版刊行)を博士にお贈りした。博士はテレビで拝見するだけでも優しくお人柄の良さそうなところが見られたように、実際奥様ともども偉ぶるようなところがなくとても気さくな感じの方だった。最近出版された博士のご著書「夢を持ち続けよう!」(共同通信社刊行)にもサインしていただいたし、ノーベル賞記念メダルも持たせてもらい記念写真も撮らせてもらった。
昨年結婚した二男の家内の名前は「すみれ」と呼ぶが、偶然にも博士の奥様が同じ名前で、奥様はほかに平仮名の「すみれ」という名前のお知り合いはおられないと仰って驚かれ、話が弾んで奥様から「若いすみれ」さんによろしくお伝えくださいとのメッセージを承った。
ご夫妻は相変わらずご多忙のようで、2月に日本に来られてから、この先上海、インド、スペインへ寄り、4月21日にアメリカのご自宅へ帰られるというお話だった。
講演会が終ってから別室のパーティ会場でも、参加者全員同窓生ということもあり、先輩、後輩が一緒になってお互い気軽に話し合い、とてもアトホームな雰囲気で、実に有意義で愉しい集まりだった。最後に全員で北原白秋作詞、山田耕筰作曲による母校校歌を声高らかに歌い、根岸博士が益々ご活躍され、2度目のノーベル賞を受賞されることを祈念してお開きとなった。
1405.3月19日(土) ガクッ! 大チョンボ
昨晩根岸英一博士の講演を聞き、博士ご夫妻ともフランクに話し合ってすっかり好い気分になって帰宅した。帰り道自由が丘駅まで一緒だった大塚武夫くんとも今日は良いパーティだったと話して別れた。
それが一転してギョッとなった。折角あれだけ多くの記念写真を撮ったのに、手違いですべての写真を消去してしまったのである。今朝になって慌ててしばしば利用するカメラ店へ電話で尋ねてみたところ、一旦消去したら復元は出来ないと厳しい沙汰があった。もうがっかりである。昨日は講演会の前に博士とロビーの入口で話しながらサインまでいただいている様子を、大塚くんがいろんな角度から撮ってくれ、その出来映えが気に入っていただけに残念である。さらに講演の様子や講演の後に博士が見せてくれたノーベル賞記念メダルを持たせてもらい写真に納まったし、博士とのツーショット、奥様とのツーショット、メダルをアップした写真、加えて一昨年インド旅行した時の200枚を超える写真など記念すべきメモリーをすべてパーにしてしまった。パーティ会場ではラグビー部後輩で元鎌倉市長の竹内謙くんから、先輩を使って申し訳ないけれど一枚撮ってほしいと要望されナイスショットが撮れた。それらがすべてダメになってしまった。撮ってくれた大塚くんにも申し訳ない。早速ご両人にお詫びのメールを送った。即座に元市長から返信があった。「了解しました。大兄にも失敗があることを知り、失敗ばかりの小生にとっては旧人類の同類感を感じる次第です」。
大塚くんからは「大塚問題よりインドの写真が深刻ですね」と反って気を遣ってくれる。
まあわが人生にとって最大の大失態に入る。カメラ店には、先般のお相撲さんの携帯のメール削除では復活できたので、写真もうまくすれば復元できるのではないかと淡い期待をぶつけてみたが、カメラ店によると携帯電話はサーバーに記録が残るが、それがないカメラのピクチャーカードでは無理だと言われてしまった。ちょっと軽率に取り扱ったかも知れない。記念すべき記録をこうして台無しにしてしまった。あ~、こんなヘマをやった自分に腹が立つ。
さて、毎日大々的に報道される地震については、福島第一原発の放射物質漏洩を恐れ、格納容器の冷却化のために外部から特殊車両を使用して注水しているが、安定したとの確定的な効果はまだはっきり表れていない。もしかしたら放射線漏れがあるのではないかと今や疑心暗鬼の各国政府は、自国民の帰国を促した中国や、福島周辺から80km圏外への避難を促したアメリカ政府のようにそれぞれ独自の対応をしている。まだまだ心配である。
一方、昨日それまで円高に推移していた円が一転して円安になった。一時史上初めて76円台を記録した。なぜこういう日本、及び日本企業の存亡を問われかねない事態にも関わらず日本円が買われるのか。かつて学んだアダム・スミスの近代経済学理論と完全に矛盾している。結局以前には考えられなかった世界を股に駆ける投資家などという輩が暗躍して経済原則や経済理論に逆らっているのだ。この傾向に懸念を示した先進各国政府は急遽G7で円安誘導への協調介入をした。結果的に漸く円安にシフトした。この種の国際的な協調介入は初めてのことである。
今後地震災害からの立ち直りを含めて、日本の経済力を証明する円もそれなりの数字を示してほしいものである。
1406.3月20日(日) 開幕近いプロ野球界の愚
警察庁が発表した本日現在の東日本巨大地震による犠牲者の数は、死者が8,277名で行方不明者と合わせると2万人を超えるという。とっくに阪神・淡路大震災の被害を上回っている。連日救援と復旧活動が行われている一方で、今最も気がかりなのは、福島第一原子力発電所の放射物質漏洩の危険である。ここ数日は、自衛隊、警察庁、消防庁の特殊放水車が原子炉へ向けて放水活動を行っている。注水すれば冷却されるとの神話じみた解説に頷いていると、案外うまく行っていなくて依然として危険な状態にあると言われると、いつになったら安全な状態にしてくれるのだと聞いてみたい。避難者が一番知りたいことではないだろうか。
被災地では燃料、食料、水、医薬品が不足しているうえに、輸送手段が遅れている。避難所では電気も制限され暖房は効かず、被災者は疲れ切っている。それでもイライラが講じてエキサイトしないのが、日本人、というより東北人の我慢強いところだろうか。
そんな中で、まもなく春本番の野球シーズンがやってくる。23日から開催される選抜高校野球は時節柄一時開催が危ぶまれたが、予定通り開催が決まった。被災地からも若鷲が甲子園に向かった。
その一方で、プロ野球も開幕を迎える。25日にセ・パ両リーグ・ペナントレースは同時開幕を予定していたが、地震被害を考慮して、特に仙台市に本拠地を持つ東北楽天イーグルスのホームグランド被災も考慮して、4月12日まで開幕を延期することになった。ところがセ・リーグは当初の予定で開催を決定した。それが周囲の顰蹙を買い4日間開催を延期することにした。だが、これでもセとパの開催日に2週間のずれがある。
諸般の事情を考えると、ここはセ・パともに揃って大幅に開幕を延期すべきである。セとパのチーム間には交流試合が組まれている。お互いに歩調を合わせないと最後までスケジュール上に支障を来たすのではないか。シーズン終り近くなって日本シリーズの日程調整にも影響が出てくるのではないだろうか。
選手会もセ・パ同時開催、開幕大幅延期を決議し、コミッショナー、両リーグ会長に対して要望書を提出した。にも関わらず、選手は経営に口を出すなの傲慢な姿勢に抑え込まれた。ここはプロ野球界の最高責任者である元駐米大使の加藤良三コミッショナーが常識的にして、世間が納得する決断を下すべきである。
しかし、日本プロ野球機構から雇われている弱い立場上経営側に強い態度に出られず、本音が聞かれない。
さらに日本プロ野球機構が非常識な判断をしたのは、開幕試合の次週には電力を大量に消費するナイトゲームを開催し、全般に電気量消費の少ないデーゲームの開催が少ないことだ。まったく地震被害のことなんか考えていない。常識的には考えられない。流石に経済産業省、文部科学省も、国民一般に計画停電をお願いしている過程で良識的な判断をしてほしいと苦言を呈している。
これから一波乱も二波乱もあるかも知れないが、こんな社会から理解を得られない反社会的な行動がスポーツの世界で堂々と行われることに当事者が、何の後ろめたさも感じていないことが不思議でならない。新(あたらし)セ会長はヤクルト常務で、経営的判断で引き受けているだけで、プロ野球の発展や、野球ファンのことなんか、まるで考えていないように見える。
プロ野球界とは何とアホな組織なのだろうか。八百長騒ぎが解決できない日本相撲協会と何ら変わらないではないか。これではファンがどんどん離れていくのが目に見えるようだ。
1407.3月21日(月) データ消去も復元可能
カメラ写真のピクチャーカードから記録をすべて消去してしまったミスについて、復元のためのお知恵を拝借したいと昨日メールで友人・知人にお願いしたところ、早速20名近い友人から有益なアドバイスをいただいた。
一番力づけられたのは、高校の友人からもらった、ズバリ「復元は可能」の一言だった。その前にカメラ店店員から携帯メールと違ってサーバーを通していないので、個体から消去してしまったら証拠が何も残らないので復元不可能と冷たくあしらわれてしまっていたからである。
ある理系の大学教授だった友人は、自分たちの世界では一度作成した記録装置が消えてしまうとの認識はないと言って、詳しく処方箋を教えてくれた。こういう場合の救急対応として復元ソフトが市販されているというのも初耳だった。やはりこれまでに相当数の被害者がいたことを表している。
ある友人が「データ復旧センター」と称する専門の組織を紹介してくれた。事情を話してあるので、すぐ連絡するようにと親切な電話をもらった。電話をかけると、担当者は即座に復元は可能と言ってくれた。
同センターに復元をお願いしたのは、市販のソフトなどでは消去の後に試し撮りのように重ねて撮ってしまうと復元出来ないとほかの友人から聞いたが、このセンターにその点を質したところ2枚ぐらいなら大丈夫という話だったからである。私は消去後に2枚ほど試し撮りをした。まあこれでひとまずほっとした。折角ノーベル賞受賞者・根岸英一博士とのツーショットや、ノーベル賞記念メダルを手に撮った記念すべき写真などが、再び復活する可能性が大きくなってきた。やや落ち込んだ気持に少し光が射してきた。それにしても直ぐに役立ってくれる親切な友人がいてくれてありがたいし幸せだと思う。彼らには心から感謝している。
さて、東日本巨大地震は広い分野でその影響を与えている。数日前から福島第一原発の放射物質漏洩に対して取られている処置により、国民は安心したり危機感を抱いたり、発表される情報に毎日振り回されている。現状はともかく現在の危険な状態を早く終息させて、次のステップへ進んでほしいと思う。
次のステップへ向かう前に今度の福島原発は国内外に微妙な難題を投げかけている。国内的には郡山市長が第一原発の原子炉廃止を言い出したことであり、これは今後の原発建設計画に難問を投じることになる。全電力のうちその約3割を原子力に頼っているわが国としては、そう簡単には他の代替エネルギーに頼れない悩ましい事情があるからである。
他方、海外ではアメリカのペンシルヴァニア州スリーマイル島原発周辺住民に与えたショックである。念には念を入れて幾重にもバックアップ態勢を取った福島原発が彼らに不安を抱かせたことで、アメリカの原発計画にも今後影響を及ぼしかねないと危惧されている。
フランスでも、ドイツでも今立ち止らざるを得なくなった。中国はこのまま原発建設を進めていくようだが、世界のエネルギーを各国が今後どう生産調整し、需要をいかに万遍なく補っていくのか、岐路に立たされている。
1408.3月22日(火) 今のところ骨粗鬆症の心配なし
長い間抗生物質を服用しており骨粗鬆症になる恐れがあるので検査してみる必要があるということから、通院している松本整形外科で今月初めに検査してもらった。
今日その診断結果について松本先生に説明してもらった。骨密度というカルシウム量は0.796g/cmで、これは同年齢の平均骨密度と比較して114%、若年成人の平均骨密度と比較しても103%で、骨が多く同年齢者の中では最上位クラスに入るとのことだったので、安心するとともに健康体に産み育ててくれた、今は亡き両親に今更ながら感謝の気持である。
さて、しばらく北アフリカのリビア情勢から目を離している隙に、リビアのカダフィ政権側が反政府側を空から攻撃し続け、一旦は反政府側が抑えていた都市を奪い返し、更に空軍機により反政府側拠点を激しく空爆して政府側が断然優位に立った。空軍を持つ政府軍の優位は圧倒的で、反政府側は追い詰められている。人道上の見地から反政府側の声を受けた国連は、安保理事会でリビア上空の飛行禁止空域の設定を決議した。カダフィ政府に対して攻撃中止を要求し、従わない場合は政府軍機の航路制約を行うと警告した。それでも政府軍の反政府側に対する攻撃は止む気配がなく、遂に一昨日から欧米などの国連多国籍軍は政府軍の拠点へミサイル攻撃を行った。
この欧米軍の介入により、カダフィ政府軍は苦しい戦いを強いられることになったが、反政府軍制圧のため陸路を進軍中である。現時点では、欧米軍はリビア国内への上陸は行わず、その効果は限定的であるが、戦いが長引けばいずれ多くの犠牲者と甚大な被害が増大することは明らかである。それにしても殺人鬼カダフィの下に長らく統治されていたリビア国民の運命を思うと気の毒でならない。
一方、国内で目こぼれしそうになったニュースは、石原慎太郎知事の都知事4選出馬宣言に次いで、東国原英夫・前宮崎県知事の都知事選への立候補表明である。4月10日の東京都知事選に、昨日東国原前宮崎県知事が名乗りを挙げた。派手なパフォーマンスでメディアでは話題の人物で、その動向が注目されていたが、幸か不幸か、東日本巨大地震報道ラッシュの中でその出馬はひっそりと伝えられた。宮崎県知事へ再出馬しないと発表した前後から、東京都知事職へは色気充分だったが、はっきり立候補宣言を行わずに都知事選の出馬は、多くの選択肢のひとつと煮え切らない発言に終始していた。果たして正式な出馬宣言にはいかなる思惑があるのか、大震災の陰の報道では選挙戦術としてそれほど効果があったようには思えない。しかし、それも東国原氏の作戦だったとするなら、今ひとつすっきりしない出馬宣言である。
1409.3月23日(水) 大地震の影響は首都圏にも
今朝カメラ・メモリーの復元を頼んでいた「データ復旧センター」(正式名は『㈱DATA OK』の『データ復旧研究センター』)から復元作業が完了したので、どうやって引渡しをしましょうかと連絡があった。もちろん直ぐ受け取りに伺いますと返事をして、妻と外神田・地下鉄銀座線末広町駅前のオフィスまで実物を受け取りに出かけた。
ピクチャーカードに復元されたのではなく、CDに復元されている。オフィスで画像を見せてもらって、確かに自分自身が撮った懐かしい写真が画面へ次から次へ現れた。宝物でも扱うように急いで自由が丘駅傍のDPE屋へ出向きプリントしてもらった。ほっとするとともに、記録が消失しなくて良かったとつくづく思う。
早速心配をかけた友人・知人に何枚かの写真をスキャンしてJPEGにして、お詫び文を添えて送信した。まったく思いも寄らぬチョンボで無駄な時間を費やしたものだ。でも、不幸中の幸いと言えるのは、友人が本当に頼りになるということ、写真が復活出来たこと、そしてメモリーが消えても復元できることを知ったことである。しかも復元のためのソフトまで市販されているとは意外だった。今回は良き紹介者がいたことで緊急事態発令から連休を含めて僅か4日でトラブルは解決した。この年齢になっても、特殊なジャンルで新しいことを経験し、学ぶことがあるものである。
さて、東日本巨大地震の影響はひたひたと住民に忍び寄り住民の生活を蝕みつつある。福島原発の放射性物質漏れの危険が未だに抑え込めない中で、新たな問題が住民を直撃している。昨日来茨城県産ほうれん草や、福島県産の原乳が放射線の安全基準値を超えるという理由で、政府は生産農家に対して摂取制限や出荷制限を行った。その上いよいよその影響は首都東京にも表れた。東京都水道局は都内23区と都内多摩地区5市の水道水の中に、乳児の許容限度を超える放射線物質が含まれていると発表した。ついに地震の影響は首都圏に及んできたのである。早くもミネラルウォーターの買占めが始まっているようだ。ついにわが家の水道水にも影響が及んできた。乳児を除けばそれほど危険な数値ではないとは言いながら、やはり気になる。場合によっては、これから長期的に飲料水をどうやって確保するかを考えなければならない。他人事ではなくなった。
本来なら華やかに報じられる選抜高校野球が今日から始まり、テレビ放送を観る限り、心なしか例年になく地味な開会式で観客も少なかった。こればかりは現在の社会状況を考えればやむを得ないだろう。
しかし、問題はプロ野球である。プロ野球の開催日については、最終決定されたわけではない。明日臨時オーナー会議で改めて検討し直すという。パ・リーグはともかく、セ・リーグの3月29日開催、4月5日からの東京ドームでのナイター実施、更に東電管内で4月中に開催されるナイター23試合は、政府や一般からとても受け入れられるものではない。星野仙一・楽天監督を始め、メディアからもコミッショナーが指導力を発揮せよとの強い声がある。今日の朝日に読売巨人軍の滝鼻卓雄オーナーの発言が採り上げられていた。ゼミの仲間で親しかった滝鼻くんも最近は忙しそうで、ゼミの会合には出てこなくなった。彼の発言とは「プロ野球の開催はお上が決めることじゃない」と不快感を示したとある。彼らしからぬ馬鹿なことを言っている。滝鼻くんの発言は良識ある世間の声に背を向けるもので、渡辺恒雄・読売グループ会長とまったく同じである。どうしてこんな分りきった世間や政府の意見が読売グループの上層部には分らないのだろうか。自称ポール・ニューマンの滝鼻くんも、すっかりナベツネに取り込まれて世間の空気から乖離するようになった。まあどう転んでも所詮娯楽のプロ野球のことだからと無視することも出来ないところが辛い。それにしてもナイター1試合分の電力消費量は一般家庭の4,000軒分に該当するという。それでも世間に逆らって押し切るつもりか。どうするプロ野球界? どうする滝鼻?
1410.3月24日(木) またひとり友が逝った。
今朝元ホテルマンの佐藤紘さんから訃報を受けた。今月に入って3人目の訃報である。みんな同年代でいずれも私より若い。今度は西野正さんである。私より5歳ぐらい年少だったと思う。しばらく連絡がないなと気にかかっていたが、昨日弟さんが西野さんの自宅ですでに亡くなっていた彼を見つけられたという。生涯独身だったので、連絡がつかないことを不審に思った弟さんが自宅を訪れ、西野さんの遺体を発見したようだ。従っていつ亡くなったのか今のところ分らないらしい。
思い返せば、西野さんとの付き合いはもう30年以上になる。キャセイ航空バンコック駐在員だった頃に、初めてバンコックで会った。大学が同じということと、彼の幼少期の住まいが現在の私の自宅の近くだったということから親しい付き合いが始まった。私を先輩として立ててくれて、航空座席の手配などでも随分配慮してもらった。根っからの酒好きで結婚もせず、晩年は酒びたりの生活でやや不摂生だったことが寿命を縮める原因になったのではないかと思う。
しかし、性格的には曲がったことが嫌いで正義感が強く、妙に気があった。時には呼び出されては自由が丘駅周辺の居酒屋で飲んだものだった。話が面白く、人を逸らさない話しぶりと呑み方で楽しい飲み助だった。人間的にも信頼出来る人物だった。
先日しばらく連絡がないので、こちらから電話してみようかと思っていたが、彼はすでに自宅の固定電話を解約していた。携帯番号を私が記録していなかったためにそのまま今日を迎えてしまったことが残念である。最近では彼から電話があると午前中でもしどろもどろの口調で、もう一本空けましたとご機嫌だった。きっと寂しかったのではないかと思うと、もっと気を配って声をかけてやれば良かったと悔やまれる。われわれも健康に暮らしていても段々置いていかれるようになるのだろうか。ついセンチメンタルな気持に捉われてしまう。
あれは20年以上も前に佐藤紘さんの結婚式で私たち夫婦が媒酌人を務め、西野さんが司会進行役を務めた時のことである。佐藤夫人が全日空の今でいうキャビン・アテンダントだった関係で当時のスチューワデス仲間が大勢披露宴に出席してくれた。航空会社の内情を知る西野さんが司会者席からその仲間らと丁々発止と鞘当てをしていた光景が懐かしく思い出される。
さて、東日本巨大地震は、相変わらず地震それ自体より津波と原発の影響が爪跡として色濃く残っている。太平洋沿岸の町では、町役場がそっくり流され職員も資料も流失して町の機能がストップしてしまったところもある。
昨日公表された東京23区内の水道水に含まれる放射線が基準値100ベクレルを超え、210ベクレルを記録した。それが、一日で基準値以下の79ベクレルに下がって、取りあえず安全な数値に戻った。それにしても水道局の当事者が慌てふためいている様子が垣間見える。しかも地域的に東京23区の水道水と発表されたが、今朝の新聞によると23区の東部に限られ、世田谷区や目黒区は含まれないと書かれたり、基準値が安全な数値にまで下がったのに、乳児を抱える家庭に無料でミネラルウォーターを提供するとか、どうも一貫性がない。
それでもわが家は一日で要注意地域から解放された。ほっとしたが、いつまた同じ事態がやってくるか分らない。まだ当分の間いらいら、ひやひやさせられることになりそうだ。
1411.3月25日(金) 原発復旧作業に手抜かりはないか。
東日本巨大地震発生以来今日で丁度2週間になる。死者もついに1万人を超えた。行方不明者を合わせると2万7千人を越えている。これは警察庁が公表した犠牲者の数で、今後も犠牲者はなお増加すると予想されている。
振り返ると過去最悪の津波は1896年の明治三陸地震津波で、死者・行方不明者は2万1959人だったが、今回の犠牲者の数はこれを大幅に上回る約3万人と予想されている。明治以降近代日本になって最も悲惨で過酷な自然災害であることは間違いないと言えよう。毎日毎日復旧作業や避難住民の厳しい生活、更に原発放射線物質漏洩の生々しいニュースを観て被災者の胸の内を考えると気持ちが暗くなり、 どうにも堪らない。
その中でテレビでは原子力専門家が、毎日危険が遠のいたと安心させたかと思いきや危険が増しただの、素人の気持ちを弄ぶかのように変幻自在の原発関連ニュースを流している。普通の生活情報ではなく、ことは国民の健康に障ることである。被災者の気持ちを慮ってもう少し報道の仕方を工夫してくれないものかと思う。それにどうして頭脳優秀な専門家が何日もかかってあの手この手で放射線物質漏洩を抑え込もうと努めているのに、それが出来ないのか。黙って見ているだけで何も出来ない国民は、乱発気味の情報に振り回されて右往左往するだけである。
昨日とんでもない情報が走った。福島第一原発内で復旧作業に当たっていた作業員の内3人が被曝したのである。どうも作業に当たった際、作業員がくるぶしまで水に浸かっていたようだ。素足の状態で外気に晒すなど素人でも気がつきそうな常識以前の禁止事項を冒していたのではないか。しかも昨日に限って放射線量を測定し指示する放射線監視員が同行しなかったという。加えて放射線の強さを測定する線量計が警告を発したのに機器の故障だとして気にも留めなかったらしい。まるですべてがザルなのである。最も放射能に神経を尖らせなければならない人たちが、この場に臨んで緊張感がまったくなく、暢気に作業をやっていたようだ。流石に呆れた海江田万里・経済産業大臣は「基本的な作業の落ち度。基本的なミス」と断じている。
確かに現場でこんなイージーな作業をやっているようでは話にならない。厳しい言い方をすれば、一事が万事この有様では原発事故を抑え込んで国民が安眠できるようになるのは、まだまだ遠い先のことだと思わざるを得ない。
福島原発の事故は、放出された放射能の推定量からみて、国際評価尺度で大事故に当たる「レベル6」に相当することが分った。これはスリーマイル島の「レベル5」を超えた。残念ながら過去最悪のチェルノブイリの「レベル7」に次ぐ大事故になったことになる。災害と言いたいところだが、人災の要素も含まれているのではないかと思えてきた。
1412.3月26日(土) いい奴だった西野正さん
晴れない気持ちのまま、今日も友人西野正さんにお別れを言うため桐ヶ谷斎場へ出かけた。桐ヶ谷斎場は今月に入って2度目である。地理的に割合近くて便利ではあるが、あまり来たくないところで何ともやりきれない気持ちに包まれる。
久しぶりに昔仕事でお世話になったキャセイ航空の人たちに会ったが、みんな寂寞感は堪え切れないようだ。当時のキャセイ航空には付き合いやすい気さくな人が多かった。
佐藤紘さんもご子息と一緒に来られた。ご子息はバンコックで生まれてからずっと西野さんにお世話になったと言っていた。西野さんは気に食わない奴とは口もきかなかったが、一旦心を許すと徹底的に付き合い最後の最後まで交流を深めていた。そういう人だった。それにしても66歳の人生は短い。
私もいずれ極楽浄土へ参ることになるが、まだやり残していることが多いので、もう少し好きにやらせてもらっていよいよとなったら、極楽門の入口で西野さんに出迎えてほしいと思っている。西野さんのご冥福を心から祈っている。
さて、東日本巨大地震の影響がどんどん拡大している。放射性物質漏洩もさることながら今度の被災では、物資の不足が取り沙汰されている。ガソリン、食料、医薬品等々に加え、放射能汚染の地区制限もあって物資の輸送が充分行き届かないために援助物資が偏していて、欲しいところに充分行き渡らない状態になっている。
ごく最近になって開示された画像を観てみると東北地方太平洋沿岸部が津波で大きな被害を受けているが、茨城県と千葉県の太平洋岸も相当の被害が及んだ。今朝の新聞で紹介された千葉県旭市では海岸沿いの民家が流され、かなりの死者と流失家屋があったことはこれまで報道されていなかった。すでに震災発生後2週間を経過しているのにである。茨城県でも普段太平洋の荒波をかぶる大洗海岸では各種の施設を含めてかなり打撃を受けたようだ。確かに岩手、宮城、福島に比べれば全般的に被害は少ないと言えるかも知れない。しかし、茨城県や千葉県の惨状を報道しないのはメディアの怠慢なのではないかと思う。
昨年11月に日立市の国民宿舎「鵜の岬」と大洗の「鴎松亭」に泊った。海辺りの「鴎松亭」のベランダの下には斬新な水族館があり、その水族館が大分被害を受けたと館長が話していた。臨海の施設から見た景色を思い出すと、あの時は静かな太平洋の海というイメージだったが、今はそうではない。荒れ狂う津波に変貌したのだ。あの松林も根こそぎ浚われてしまったのかと思うと何とも言えない気持ちである。
中々難しいことかも知れないが、やはり報道機関としては万遍なく平等に報道することが大切ではないかと思う。
1413.3月27日(日) 「自主避難」とは何だ?
相変わらず放射性物質の漏洩が懸念され、福島原発周辺地域では住民の退避が行われている。安全のために放射線を浴びる危険から住民を遠ざけたいとの願いである。当初原発から20km範囲内は退避とされた。そして20~30km内が屋内退避とされた。それが一昨日政府により20~30km圏内住民は自主避難を要請された。避難するかどうかは住民自身が判断してほしいというものである。これが悩みの種である。どう判断すべきか。仮に避難しないで放射線を浴びるようなことになっても、政府は一切責任を持たないという責任逃れでもある。だが、これまで屋内退避とされて外出することを制限されていた状況下にあったにも関わらず、放射能の危険はあるが、自主的に自分の責任で外へ出ろと言っているわけである。しかも政府は責任も移動手段も持たないというのだから、少々無責任ではないか。案の定圏内住民はどうしたら良いのか途方に暮れている。これでは移動手段を持たない高齢者や、家畜を飼育していて自宅を離れられない農家の人たちに手を差し伸べることも出来ない。
今回大震災による政府、自治体、原子力保安・安全委員会、東京電力などから発表される情報は、毎日くるくる変わる。放射線に関しては、国民はあまり知識がないので、安全管理は彼らに任せきっている。だからと言ってそれを任せられた本家本元が、腰が据わっていないのでは、どの情報を頼り、どこへ頼ったら良いのか戸惑うばかりである。
昨日福島第一原発2号機内の水に規定値の10,000,000倍(千万倍)を超える放射線物質が含まれていると発表され、近くの海水には通常値の1850倍のヨウ素134が含まれていると発表された。さあ大変である。それが、今夜になって千万倍は1万倍だったと大きく下方修正された。これだって大変高い数値であるが、いとも簡単に訂正したり、ヨウ素134は数値を間違えていたと訂正発表したり、成すことが軽いのである。前日の放射線を浴びた作業員の杜撰さと似たようなところがあり、この危険な原発に関与している人には失礼かもしれないが、芯が一本欠けているような感じがしてならない。
今日だって放射性物質漏れを封じ込めようとの懸命の作業にも関わらず、一向に明るい情報が伝えられない。新聞もテレビからも先の見えない地震関連情報ばかり聞かされて、相当神経が滅入る。
自主避難で圏内住民は振り回され、水道水で若い母親が悩み、多くの人がテレビの変わりやすい原発数値に惑わされ、国民はイライラが嵩じて夢遊病者のように彷徨い出すのではないかとさえ思えてくる。
いつになったらこの閉塞状況から脱出できるだろうか。今日も余震があった。
昨日独立行政法人・国民生活センター発行の「月刊国民生活」4月号が送られてきた。拙稿は4頁に亘ってまとめられ掲載されている。中々良い仕上がりだ。早速Jpegしてメル友にメール送信した。あとはメール送信出来ない親しい友人に個別に郵送することになるが、明日以降になる。
1414.3月28日(月) 前立腺癌の心配なし
昨年夏ごろから少々気にかかっていた前立腺について、今日東急大井町線・緑ヶ丘駅改札口前の泌尿器科の飯ヶ谷先生に診てもらったところ、癌は99%心配要らないとのお話に取りあえずほっとした。いつも診察してもらっている整形外科松本先生の紹介により初めて相談に伺った。今日採取したお小水を検査した結果が週末にははっきりするので、その数値によって今後の判断をしましょうという話になった。
待合室で待っている間に患者同士の大震災の話を聞いていたら、一人の女性は息子がフランス大使館に勤めているが、ほとんどフランス人スタッフは東京の大使館から本国や遠隔地に避難してしまったとか、別の年配のおばさんは孫の高校生がアメリカ生まれなのでアメリカ国籍を持っており、在日アメリカ大使館から避難の方法について2回も問い合わせてきたとか、お互いに日本人と欧米人の考え方の違いなどについて大いに盛り上がり、ついその仲間入りをさせてもらった。難しい原子力の数値がよく分らないのに危険を煽るようなメディアの報道ばかりで、このままの状態が続くと鬱になってしまうと嘆いていた。まったくその通りである。
今日の東電の発表は、鋼鉄製の圧力容器損傷という放射線漏れを想像させるものだ。まったく原発では心配ばかりさせられる。ところが、新たな問題が明らかになった。タービン建屋地下にたまった水の回収先になる復水器が満水状態となり、その水を別のタンクに移す作業をこれから検討するという話である。この手順の悪さ、というよりトロイことには呆れ果てる。タンクとか容器が一杯になってから、慌てて次の手立てを検討するという順序になっているようだ。なぜこんな想定出来るトラブルに前以て備えていないのか。これにより貴重な時間を大きく浪費している。事故が起きてから2週間以上も毎日イライラさせられ、今なお終息の見通しが立っていない。政府、原子力安全・保安院、東電の三者がよりによって無能無力を曝け出している。
もし、このままいつまでも放射能漏れを防げないようなら、将来的にもう原子力開発なんか絶対行うべきではないと思う。いくら大丈夫、絶対事故は起きない、制御装置が完璧などと、自信たっぷりに甘い言葉を聞かされても、一旦放射性物質が漏洩するとそれを抑えきれないではないか。本当に押さえ込める確信はあるのかと問いたい。事故は起きる可能性があり、それを頭の良い人たちが、口先では解決出来ると言うが、実質的には解決出来ない。こんなことでは原子力を動かす資格はないのではないか。こうなったら不便を凌いででも、代替エネルギーの開発を考えることこそが、将来的に日本が辿る道筋ではないかと思うが、如何だろうか。
それにしても民主党の二人のボス、岩手県出身の小沢一郎氏と福島県出身の渡部恒三氏の声と行動がまったく伝わってこない。あれだけ政局になると誰を差し置いても目立つ人物が、お世話になった人々が災難に遭い苦しんでもまったく音沙汰なしというのは、どういうことだろうか。普段偉そうな口ばかりきいているが、彼らには政治家としての資質が欠如しているばかりでなく、人間としての誠実さや倫理観すら見られない。まったく情けない政治家である。
1415.3月29日(火) 日本旅行作家協会への入会承認
2月山本澄子さんから日本旅行作家協会への入会をお勧めいただいた。入会の意思表示をしているが、今日は銀座「ライオン」で開かれた日本旅行作家協会例会・パーティにゲストとして参加することになった。例会前に理事会が開かれ、正式に会員として入会が認められたと事務局長の井口順雄さんからお知らせいただいた。正式のお披露目セレモニーは5月の総会席上だという。山本さんには細かく気を遣っていただき、役員や会員の方を紹介していただいた。
会長は世界中を歩いて旅のスペシャリストとして一世を風靡した兼高かおるさんだが、母上の健康が勝れないという理由で欠席された。山本さんのご紹介でもう1人の推薦者になって下さった栗山定幸氏は生憎欠席された。お二人ともペンクラブ会員でもあり、特に山本さんはペンで電子文藝館の小委員会委員も務めておられる。私より年配であるにも関わらず、エネルギッシュで知的キャリアウーマンの鏡のような方である。
旅行作家協会は、旅行に特化した文章を書く人たちの集まりだが、写真家や登山家も多いようだ。ペンクラブ会員と2枚鑑札の方もかなりおられる。皆さん多彩な顔ぶれで割合気さくに話しあうことが出来そうだ。これからは少し視点を旅行記に重点を移してみようかと考えている。
さて、相も変わらず福島原発の放射線騒ぎが収まらない。大量の汚染水が見つかったというが、その危険度が現実的に一体どうなのかというのがよく分らない。専門家がいろいろ講釈をしてくれるが、安心したり、不安を感じたり、まったく国民の気持ちは落ち着かない。
そこへそろそろ被災者への補償の問題や、震災の瓦礫撤去費用の負担などが持ち上がってきた。マニフェストに掲げた子ども手当てや、高速道路無料化費用、法人税値下げ分などを転用して、復興費用や補償費に充てようと検討を始めた。
特に、出荷停止で得べかりし利益を失った農家に対する補償が検討されている。しかし、これだけ大規模な被害を与えたとなると東電だけではとても補償しきれるものではない。そこで政府はまず東電が補償し、残りの不足分を国が補填すると述べている。それも理解出来る。だが、本来はすべて東電が負担すべきものだと思う。不足分を国が一時立て替えて、いずれ立ち直った後に東電が時間をかけて国に返済するというのが筋ではないかと思う。というのは、津波はともかくその後の復旧作業などを見ていると東電のチョンボによって被害が大きくなっている。従って東電社員が、給料削減とか返済など自らの努力によって少しでも不足分を補うということが検討されるべきだ。さもないと、東電のミスを税金で補填するということになり、それは明らかに不条理である。
1416.3月30日(水) 放射性物質封じ込め作戦に進展なし
5月総会を控えて「JAPAN NOW観光情報協会」理事会が麹町の海事センターで開かれた。今日は松尾道彦理事長以下6人の副理事長全員、そして大勢の理事が出席された。JN協会の会員企業でもある東京電力の原発放射性物質漏洩事故が話題になる。隔月発行のJN紙に震災見舞いの文言を挿入すべきとの提案がなされ、別途紙面を組み替えか、紙面を修正するような話になった。今度の大震災では東電のほかにもいくつかのJN協会の会員企業、協賛企業が影響を受けた。中でも東電と同じ電力会社、東北電力などは甚大な被害を受けている。
理事会を終えてから海事センタービル2階の喫茶店でゆっくり話し合いをした。今度の震災の呼び方がメディアによってバラバラで、どれが相応しいのか分らない。永年ルフトハンザ航空に務めておられた大島慎子さんによると、外国では「東日本」とか、「東北・関東」「太平洋沖」の訳しかたの理解が難しいし、実際その呼称が誤解を呼んでいるようだ。関東といえば東京を含む地域と受け取られる恐れがあり、首都東京が地震と津波の直撃を受けたかのように誤解される可能性があると言っておられた。JR東海・須田寛相談役も東日本というと大阪まで含めて受け取られると話しておられた。今は原発現場が混乱していてとても名前のことなんか考える余裕がないのかも知れないが、これはこれで大切なことである。海外の受け取られ方次第では、日本への投資など経済的なマイナス効果が出てくる。それは、先日の日曜日に寺島実郎氏もテレビで述べておられた。
因みに‘The Japan Times’を調べてみたら‘TOHOKU-KANTO Earthquake’と表示されていた。これでは外国人にはぴんと来ない。そこで彼らが専門的に ‘TOHOKU-KANTO’を調べると、青森県から東京都を越えて神奈川県まで含まれることになる。これはわれわれが認識している被災地のイメージとは大分違うのではないか。これが東日本とか、太平洋沖などとなると一層分りにくくなる。そろそろ地勢的に理解される英語の表示を含めて、日本語でも震災の名前を統一するよう検討を始めたらどうだろうか。
今日の福島原発、並びに関連アイテムでは依然として解決の兆しが見られない。それどころか、汚染水の外部露出を抑えて核燃料を冷やす作業を始めたらしい。更に福島第一原発1~4号機の放水口から放射性ヨウ素が検出された。それが何と法律の定める基準の3355倍だという。こうなると、少々やけ気味になってもうどうでもいいやとなる。それでも現場では懸命の作業を続けている。遂に東電の清水正孝社長がダウンして、前任者の勝俣会長が社長を兼任するという。まったく「貧すれば鈍する」ようになった。
アメリカからも専門家がやってきて支援することになっているが、今日はフランスの原子力企業「アレバ」のCEOが来日した。アメリカと同じく福島事故を何とか収束させるために日本に協力しようということである。うまく智恵を出すことが出来るだろうか。
1417.3月31日(木) 吉報、鈴木さんが無事だった。
「相馬(福島県)の鈴木で~す」と元気のいい鈴木進一さんの声が受話器を通して伝わってきた。震災以来どうされたかと心配してメールも送ったが返信がなく気にかかっていた。今朝ご家族そろって無事だと電話をいただいた。最近になって相馬市の惨状が報道されるたびに、縁起でもないがひょっとすると鈴木さんご一家も震災で行方が分らなくなったのではないかと最悪の事態も考えていた。それだけに全員元気だと知り、まず良かったとほっとする。相馬市内は大分壊滅的な打撃を受けたので、相馬市役所勤めの息子さんを除いて家族で、友人のいる青森の温泉地に退避しておられたという。会社は南相馬市内の屋内退避地域にあり、しばらく出勤出来ないし、時節柄観光業ではおおっぴらに活動出来ないということから、今後どうしようかと悩んでいるという話だった。
安否が分らなかった鈴木さんが元気でいてくれてほっとした。いずれまた会って話も出来るが、今日のところは無事であることが分かっだけで安堵した。あとひとり気がかりなのは陸前高田市役所の森正さんだが、3年前の研修後から連絡を取っていなかったので時間が経って落ち着いた頃に市役所に照会してみたいと思っている。
昨日清水東電社長が入院したことが報じられた。その裏にはいろいろ複雑な事情があったものと推察されるが、政府と東電の意見の食い違いが大分大きいのではないかと思われる。東電を支えなければならない原子力安全・保安院はすべてを東電に任せておいたことが解決を長引かせた原因であり、反省材料であるとまで述べた。物事が順調に進んでいるうちは良いが、お互いに考えが食い違ったりするとつい相手を責めて見苦しい場面を見せるようになる。
震災による損害は概ね16~25兆円に上るとも言われ、今後復興のためにどれだけの時間がかかるかとなると誰も何とも言えない。関東大震災直後に東京市長だった後藤新平は即座に復興案を提示した。予算は当時の国家予算の2倍に匹敵すると言われた。今日米倉弘昌・日本経団連会長が震災復興に向けた緊急提言を政府に要望した。震災復興庁の設置、マニフェストの見直し、臨時国債発行、時限的増税の検討などが含まれている。
一方政府の復興に向けた基本法案の素案も明らかになった。その骨子は、①5年間を「集中復旧復興期間」に設定、②復旧復興のための特別税を創設、③震災国債の発行、などである。 だが、それは当然検討しなければならないことだが、当面は目の前の火を消し止めなければならない。放射能封じ込めに手段を選ばずにあらゆる方法を講じるようだ。粉塵防止用の合成樹脂の散布、特殊なコーティングをした布製仮設建屋を現在の壊れた建屋に被せてしまおうというやり方である。
アメリカから遠隔操作できるロボットや、中国からは62mもの高さから放水出来る放水機を提供してもらったり各国とも大事故と捉え、何とか収束するために全面的な支援をしてくれている。
われわれにはとても理解できないが、これだけ後から後から手を尽くしてもまだ安心出来る情報とはならない。
素朴な疑問だが、本当に福島第一原発の放射能漏れは収束できるのだろうか。