ご意見番の意見

2011年1月

13282011年1月1日(土) 元旦恒例の高校ラグビー祭に参加
 近所の和田さんを車でピックアップして、恒例の母校・湘南高ラグビー祭へ出かける。昨年は体調が勝れず、創部60周年の記念すべきイベントだったのに参加できず、寂しく悔しい思いをした。幸い天候が良く、風もない絶好のお正月日和である。グランドでは現役とOBとの親善試合が行われたが、慶応のレギュラーとして活躍している栗原大介くんがチームメートと中学生の弟を連れて参加してくれた。早慶戦で早大のスタンドオフが持ったボールを慶応インゴール内ではたいて、ノックオンさせ、未然に早大のトライを防いだことが、僅差で慶応が早稲田を破った勝因だと言ってあげたら、嬉しそうだった。慶応入学後何度か大きな怪我を負いながら立ち直り、ライバルに勝ってポジションを獲得した努力は誉めてあげたい。
 名門大学で活躍している選手が、後輩を指導してくれることは現役選手にとって大きな励みになる。
 母校も昨年ラグビー部OBである加藤教頭と早田顧問教諭が着任して、ラグビー部の指導体制が強固に確立され、理想的な部活環境となった。後輩部員にはこの体制を活かしてハップンしてもらいたいものである。
 親善試合の後は、いつも通り開かれたOB総会で新役員の選出、年間行事の説明があった。和田さんは今日限りで会計係を退任することになった。私が10年前に会長に推薦された時に会計係になってもらったが、会長辞任後もずっと会計係を務めてもらっていた。頭が上がらない。
 懇親会ではOBと現役が一緒になって食事会である。現役のお母さんが準備してくれたもので、有難いような、申し訳ないような気持になる。
 現役とOBが一緒になって懇親し、励ましあうのが伝統となったが、きっと若い後輩たちにとっても在校中の良い思い出としていつまでも頭に残ることだろう。
 今年はどんな一年となるだろう。何と言っても国の政治と外交、そして経済が心配である。日本では正月は政治家も休んでいるが、地球の裏側ブラジルでは、経済が好調な中で今日新大統領が誕生する。ルラ大統領からジルマ・ルセフ女性大統領に交代する。ルラ前大統領は立志伝中の人と言われ、発展途上国・ブラジルで稀に見る経済発展をさせたが、2期8年の任期が終った。ただ、選挙の洗礼を受けたとは言え政権を禅譲された印象の強いルセフ大統領には不安材料も多く、いずれ4年後にルラ氏がカムバックするとの噂が絶えない。自分では国の発展に貢献したと信じ、大きなスキャンダルもないルラ氏にとっては、大統領職は蜂の蜜である。ルセフ大統領がどれだけセラ氏のコントロールから乖離できるか、今後新大統領の一挙手一投足が注目されている。
 同じ動きはロシアにも見られる。2年後には、メドベージェフ大統領に代わって、プーチン首相が大統領復帰を狙っているとも見られている。やはり一旦権力の座に就いたら、そう簡単に手放せないものなのだろう。
 ともかく国際的にも、国内的にもすべてに目が離せない一年となりそうだ。
1329.1月2日(日) 正月の楽しいスポーツ・イベント
 毎年正月2日は自宅で関東大学対抗箱根駅伝と、大学ラグビー選手権準決勝2試合をテレビで観ることが恒例となっている。箱根駅伝の人気は日本テレビの全国放映になって以来うなぎのぼりで、その視聴率は長時間番組にも拘わらず、昨年の平均視聴率は往復路とも27%台を記録したほどのお化け番組である。実際見ていてもスポーツ中継らしからぬ面白さがある。
 ところが、箱根駅伝は人気番組になったせいで大学が駅伝を売名的に利用した結果となり、一方で選手をつぶしているという噂や批判が囁かれている。素質のある選手を名門大学がスカウトし鍛える一方で、正選手が10人に限られているために補欠になる有望期待株の選手が多く、彼らをスポイルしていると「選択」1月号は報じている。
 箱根駅伝は、日本マラソンの父である金栗四三氏が、オリンピックで勝つ選手を育成するという目的でスタートさせた。しかし、今まで箱根駅伝出身のランナーがオリンピックでメダルを獲得した例はない。箱根駅伝の人気が高まり、多くの人が関心を持ち声援すること自体は憂うべきことではない。だが、他にも例があるように、人気にアグラを掻いているといつの間にか本来の姿から逸脱しまう危険性を孕んでいる。
 第1日目の今日は、一昨年に初優勝を遂げて、入学希望者が前年より1万人以上も増え、昨年も連覇した東洋大学が、最後の第5区山登りで早稲田に逆転して、まずはリードした。明日の復路に勝負はかかっている。明日も楽しみに観戦したいと思っている。
 もうひとつ楽しみにしていた大学ラグビー準決勝は、2試合とも近来稀に見るほどつまらない試合だった。嫁とこどもたちを奈良の実家へ帰省させていた長男と一緒に観ていたが、ほとんど同じような感想をもらしていた。もし仮に1週間後の決勝戦でも凡戦を繰り返すようなら、これからのラグビー人気が些か心配である。結局決勝戦は、早稲田大と帝京大の間で行われることになった。今度は力一杯死力を尽くして闘って欲しいと願っている。
1330.1月3日(月) そろそろ消費税値上げについて議論を
 箱根駅伝はスタート後最初の6区で早稲田が連覇中の東洋大を追い抜き、そのまま大手町のゴールへ飛び込み、早稲田が18年ぶりの優勝を飾った。早稲田ファンにとってはメデタシメデタシであろう。
 大会前優勝候補に挙げられていた各大学の出走メンバーを見てみると、彼らの出身校には押しなべて高校陸上界の名門校がずらっと並んでいる。どうやらここには駅伝人気で名を高めようとの大学、高校の嫌らしい思惑が感じられてならない。どうしようと大学の勝手だが、それにしても際立って目立つ長野県の私立佐久長聖高校出の選手の活躍ぶりには目を見張る。他にはケニア出身選手の活躍もあるが、それは今に始まったことではない。
 駅伝とは関係ないが、8区の湘南海岸を走行しながら実況中継していた日本テレビのアナが、ノーベル化学賞受賞者・根岸英一さんはこの近くの藤沢市鵠沼にある湘南高校で学んだというコメントを述べてくれたのは、やはり後輩としては嬉しい。かつての旧コース・国道1号線を走っていたら、「湘南高校前」の交差点を通過するので、もう少しアピール度が高かったのにと考えながらひとしきり昔を懐かしむ。
 さて、今年はわが国の政治にとって正念場となろう。外交では昨年ギクシャクした日中問題、北方領土問題、沖縄基地移設問題、ひびが入り出した日米同盟等々数多くの課題を抱え、財政では歳入不足に伴う消費税値上げ問題が大きくクローズアップされている。
 過去において大平政権の一般消費税、中曽根政権の売上税、竹下政権が実現した消費税、細川政権の国民福祉税、橋本政権の消費税値上げ等はいずれも国民から総すかんを喰い、選挙で惨敗した。しかし、それらはいずれも国民への充分な説明をせず、唐突に言い出したからである。この際昨年から言い出されている消費税値上げ問題を国民に納得できる説明をしたうえで、真剣に論議してはどうか。そしてそれが国家の財政上必要となれば値上げもやむを得ないとの結論に至るのではないか。実際そういう空気がかなり充満している。
 今日も菅首相が総理官邸で新年会を行えば、一方の小沢一郎氏は例年通り自宅で子飼いの同志を集めて派手な新年会を開いて敵対関係を露骨に示した。これをメディアが小沢派の方が参会者の数は多かったなどと面白おかしく報道するので、政治本来の動向はさっぱり影が薄い。
 どうも政治家たちは、目のつけどころを間違え、選挙に不利だとの利己的な判断で消費税値上げから逃げ、奇妙な対立関係ばかり煽っている。しらけるのは国民である。
 党内の内部紛争はともかく、今年は民主党政権も腰を据えて、消費税問題から逃げずに堂々と真正面から議論して早めに結論を導き出してもらいたい。
1331.1月4日(火) 大発会で株価上昇
 湘南高ラグビー部の後輩である鈴木敦雄くんに、一昨日テレビ神奈川(TVK)で放映の番組「ノーベル賞根岸英一さん母校に帰る」をダビングして欲しいとお願いして待ち望んでいたところ、今日その1時間もののDVDが送り届けられた。早速観賞してみたが、元旦に訪れたばかりの校舎、グランドや、昔の懐かしい中庭風景写真なども写されたり、北原白秋作詞・山田耕筰作曲の校歌、野球部甲子園優勝とサッカー部国体優勝の写真なども紹介され、そのうえ数学を習った「お兄ちゃん」こと竹下直之先生が、母校の良いところをしきりにPRしてくれ、懐かしい思い出が甦ってきた。
 根岸さんの全校生徒に対する講演で、主題とは別に「幸せの条件」という話の中で、健康、家庭、夢、仕事、ホビーを幸せの条件に挙げ、更におまけの幸せ条件として、仕事とホビーの合体と話された。まるで私自身言い当てられたようだ。私のこれまでの人生も、仕事とホビーが一緒になって好きなことをやっていたようで、まずまず満足している。同窓生にとっては中々印象的な場面が多いDVDなので、同窓の友人にもダビングしてプレゼントしようかなと考えている。
 さて、今日から民間企業はスタートしたところが多い。大発会では東証平均株価も卯年を期待したのか169円の大幅値上げで始まった。このまま飛躍の年であって欲しい。
 一方で、相変わらず政治はもたもたしている。菅首相が年頭記者会見で「小沢一郎氏が強制起訴されたら政治家としての出処進退を明らかにし、裁判に専念するならそうするべきだ」と小沢氏に決断を迫った。他方で、当事者の小沢氏は余計なことは言うなとばかり、首相は自分のことなんかどうでもよく、国民のために何をやるかが問題だと反論している。早くもさやあて合戦が始まった。内輪喧嘩なんかしている場合だろうか。
 とにかく政治の動きがのろい。通常国会も今月中旬には開会かと思いきや、下旬ごろになりそうだという。消費税も早く議論すべきだと誰もが思っているのに、「6月ごろまでを一つのメドとして方向性を示したい」などと暢気なことを言っている。
 今年も無能でやる気のない政治家どもに振り回され、国は前へ進まない前年の徹をまた踏むことになるのではないだろうか。
1332.1月5日(水) 高まる中国の存在感
 年末に独立行政法人・国民生活センターから月刊誌「月刊 国民生活」への寄稿を依頼された。同誌4月号の特集「パックツアーのトラブルを未然に防ぐ」というテーマで、旅行障害保険とクレジットカード付帯保険について、旅行者は加入すべきか否か、その補償の実態や、海外旅行保険に欠かせないチェックポイントなどについて意見を述べて欲しいというものである。編集担当者とのやり取りの過程で、若干考え方の受け止め方に食い違いがあり齟齬を来たしたが、メールのやりとりで納得できたので、アメリカにおける保険利用体験を交えて書いてみようと思っている。
 そこで編集担当者から紹介された兵庫県弁護士消費者保護委員会が編者になっている「QA旅行トラブル110番」なる書物を借り出しに、近くの目黒区立八雲中央図書館へ出かけた。幸い同書は簡単に見つけることができた。本書を参考にしつつ、近い内に会うことになっている旅行障害保険会社員の話も伺って、指定された枚数4900文字内に原稿をまとめたいと考えている。
 余興として拙著の在庫を備え付けのPCでチェックしてみたところ、著書3冊がここだけではなく他の区立図書館7館にも在庫管理され、共著2冊も蔵書としてあることが分り、ついにやにやしてしまった。
 驚いたのは図書館玄関で思いがけずゼミの後輩から声をかけられたことである。近くの碑文谷に住んでいる堀勇弘さんだ。セルビアの友人、山崎洋さんに関する書を探して、2冊見つけたと言っていた。
 さて、今年もあらゆる分野における中国の存在感が注目されると予想されるが、今日発表された国連世界観光機関の統計によると、世界の観光産業でも中国人観光客の存在感が急速に高まっている。海外旅行での支出額上位国として、2000年と2009年の比較が出ている。2000年には日本は世界で4番目に多い海外旅行支出額で、その割合も6.7%だったが、09年には2.9%で7番目に落ちた。それに引き換え中国は2.8%だったものが、09年には実に5.1%で総額3兆6千億円も海外旅行に支出している。数年前まで海外旅行に制約のあった中国人海外旅行客が、急速に増えているのだ。各国が観光に力を入れる中で、今後は中国人旅行客を取り込むことが世界の大きな目標になると思う。
 そのニュースが流れる一方で、中国は財政危機に陥ったギリシャなど他のユーロ圏の国の国債を購入する方針を示しながら、新たにスペイン国債も買い増しする意向を表明した。年初早々早くも存在感を示している。
 中国恐るべし。
1333.1月6日(木) 秋葉忠利・広島市長、突然不出馬声明
 一昨日突然秋葉忠利・広島市長が4月に行われる市長選に出馬しないと動画サイト‘You Tube’で発表した。公開の記者会見も開かず、前触れもなく質問も受けずに、一方的に身を退くという公人らしからぬ独断的なそのやり方に対して、朝日紙などは極めて批判的である。その背景にはどうやら市長は、日ごろよりマス・メディアに対して正確な報道がされていないと不満をもらしていたこともあるようだ。
 市長は核廃絶に向けた国際的運動の中でも中心的な人物であり、その知名度は抜群である。オリンピック広島大会開催打ち上げや、平和市長会議、核不拡散条約再検討会議などに秋葉市長の果たしてきた役割と実績は、計り知れないほどである。今ここで秋葉市長の理念や業績を継承する人物も明らかにされず、このまま表舞台から消え去るなら、市長の行ってきた理想と実績は残念ながら引き継がれず、忘れ去られてしまう心配がある。
 秋葉市長の15分間に亘る不出馬会見と称する動画を見ていると、大晦日にベートーベンの第九交響曲を聴き、正月に箱根駅伝の実況を見て目から鱗が落ちたと話していた。それは自分が年を取った(とは言っても68歳で私より4歳も若い)と実感したので、今タスキをつなぐ時期だと感じたということだった。12年間の激務で疲れ、市長職を引き渡す潮時だとも感じたようだ。そのうえで、誠心誠意仕事に邁進して財政、未利用地開発、新広島市民球場建設などの問題はほとんど解決したと胸を張った。さらに種を蒔いたオリンピック開催は後継市長が、考えてくれるだろうとこればかりは些か無責任な発言もしていた。
 これだけ知名度が高く地方行政において実績を残された影響力のある市長としては、その不出馬宣言はいかにも唐突であり、その裏には一言では言い尽くせない特別な事情が隠されているのではないかとつい疑心暗鬼に駆られる。これまで情報開示していたパフォーマンスもこの期に及んで、「記者会見は開かないし、インタビューも受けない」とは、少々理解に苦しむ。
 もう1期務めて4期16年もの任期を務めるとすれば、確かに長いかもしれないが、引退表明があまりにも唐突で感情的になった印象は拭えない。惜しい人ではあるが、考えようによっては、市民のことを真剣に考えてくれる新鮮な市長が後を引き継ぐ方が、新広島市発展のためには案外時宜を得ているのかもしれない。
 一昨年4月オバマ米大統領の核廃絶への誓い宣言以来、高まってきた反核運動が後退しないことを祈るばかりである。
 新潟に住んでいる二男に今朝初めての子が生まれた。近藤「健太」と命名するらしい。わが家にとっては4人目の孫の誕生である。まずは、元気が良いようなのでほっとしている。筑波大学ラグビー部のCTBに同姓同名の「近藤健太」選手がいて、彼(1989年生れ)の誕生日も今日1月6日という不思議な巡り合せである。
 一方で衆議院議員の野田聖子・元郵政大臣が50歳にして今朝高齢出産された。自分の子どもを強く望んでいたが、中々子宝に恵まれずアメリカで治療を受け、アメリカ人女性から卵子提供を受けて、夫の精子との受精卵を子宮に移植して6月に妊娠が判明していた。夫とアメリカ人の血が混ざり合って、自分のDNAや血が子どもには流れない。思い切りが良いのだろうが、昔とは随分異なる赤ちゃん誕生事情である。
 ただ、少子化の現在どの子ものびのびと素直に育って欲しいと願う気持が強い。
1334.1月7日(金) コンサートを楽しむ。
 ゼミの先輩・利光國夫さんの靖子夫人が所属する「紺の会」のニューイヤー・ヴォーカルコンサートが海老名市文化会館小ホールで行われ、妻が2枚のチケットをいただいたので車で出かけた。専門的にはとてもコメントできるような知識は持ち合わせていないが、コンサートは中々レベルの高いものだったように思う。テノールとソプラノばかり、良い歌声を聞かせてもらった。愉しいコンサートだった。
 海老名と言えば、小田急と相鉄が共同で大掛かりな開発に協力した結果、今日のビッグな都市を造り上げたと言ってもいい。その海老名市文化会館へ出かけるのにカーナビをセットした。ところが、いつの間にか東名・海老名にインターチェンジが完成して、それが4年半前に購入したわが家の車のカーナビでは作動しない。手前の町田ICで降りるよう案内される。それを無視して新しく出来た海老名ICから一般道へ降りたところ、思うようにカーナビが機能しない。目的地である文化会館へ辿り着けず、途中で会館へ電話で照会する始末である。帰路は海老名ICへのアクセスが分らず、結局町田ICから東名道へ入るお粗末だった。
 カーナビのソフトもあまり古くなると、場合によっては不便を感じることがある。今度の車検の折にはソフトだけ新式のものに替えてもらおうと思う。いろいろな意味で面白い経験をした一日だった。
 さて、昨年1226日の本ブログに新聞小説の終わり方のあっけなさについて書いたが、そのひとつ朝日夕刊の連載小説、楊逸作「獅子頭」が、今日258回を以って割り切れないまま連載を終えた。前回指摘したように、なぜストーリーがまったく解決していないのに連載を終了するのか、朝日の意図がよく分らない。恐らく大半の読者も煙に巻かれているのではないだろうか。ストーリーを広げるだけ広げておいて、まったく解決とか、終る兆候がないのに突然打ち切りである。日経夕刊の「無花果の森」同様、小説を読んだとの読後感も持てないうちに、チョンである。新聞社は、読者に対して一寸失礼だし、不親切ではないだろうかというのが率直な感想である。こんな終わり方をするなら最初から読む必要なんかないと思える仕打ちである。
 こんな風に読者を舐めるやり方も、新聞の定期購読者が減る大きな要因のひとつなのではないか。
1335.1月8日(金) 東福岡高と桐蔭学園、高校ラグビーの頂点へ
 全国高校ラグビー決勝戦が花園ラグビー場で昨年度と同じ組み合わせ、前年の覇者・東福岡高校と前年の準優勝校・神奈川代表の桐蔭学園との間で行われた。3131の同点引き分けとなり両校優勝という結果に終った。戦った選手としては同点優勝より、何とか決着をつけたかっただろうが、東福岡にとっては2連覇であり、桐蔭にとっては初優勝で、いずれも歴史に名を残すことになった。両校優勝は4度目だそうだが、桐蔭にとっては単独優勝を勝ち取るためには、悔いの残るゲームだったかもしれない。前半を21−7とリードしながら、東福岡FWのひた押しに圧力をかけてくるプレッシャーに屈してしまった。惜しかったのは、2本のPGとゴールを失敗したことでプレースキッカーの精度がもう少し高ければ、勝てたゲームだったのではないかと思う。
 いずれにしても神奈川代表校が優勝したのは、私が高1の時慶応高校が優勝して、その後相模台工業が連覇して以来だから、13年ぶりになるのではないか。母校も3年前の県大会準々決勝で桐蔭と戦い、敗れた。母校には今慶応のレギュラーになった栗原大介くんがいたが歯が立たず、県内では桐蔭はやはり強かった。
 ともかく今日の決勝戦は白熱した好試合で、手に汗握るゲームだった。高校生らしい爽やかで元気溢れるプレーを堪能することができた。
 さて、このところ一世を風靡した芸能人が相次いで亡くなり一抹の寂しさを感じている。年末に女優・高峰秀子さんが亡くなったが、喪主であるご主人の映画監督・松山善三氏には私も所属する「JAPAN NOW観光情報協会」名誉顧問をお引き受けいただいている。
 更に今年に入って3日に人間国宝で歌舞伎の中村富十郎さん、5日にはロカビリー歌手の山下敬二郎さんが世を去り、そして今日はダークダックスの一員だった「パクさん」こと高見沢宏さんが亡くなった。ダークダックスはロシア民謡を得意にした上品なコーラスとしてNHKを始め、テレビのお茶の間では長い間に亘って温かい歌声を聞かせてくれていたが、何年か前から「マンガさん」こと佐々木行さんが体調を崩し、残りの3人だけで唄っていた。湘南高OBの東京有志会で「象さん」こと遠山一さんに会う度に、遠山さんから「マンガさん」のカムバックはもう難しいと聞かされていたが、意外にも「パクさん」が先に旅立つとは思いもよらなかった。これで残念ながらダークダックスの復帰の芽は、完全になくなったのではないだろうか。寂しい限りである。
 何枚かのクリスマス・カードが遅れて海外から届いたが、その中でビルマの元モールメン税関長ウ・タン・トンさんから受け取った封筒の切手に目を見張った。2枚の切手を横に並べたような100チャットの切手には、右側に天安門と中国の五星紅旗があり、左側に首都ネピドーの政府建物とビルマの国旗のある記念切手である。ビルマ語は分らないが、漢字には「中華人民共和国・緬甸連邦建交60周年記念」とある。ビルマからミャンマーへ国名を変えたというが、国交60周年を迎えた友好国中国が漢字で「ビルマ」と表現しているではないか。ビルマ政府は気付いていると思うが、ボロが見える。
1336.1月9日(日) 孫の顔を見に新潟へ
 二男の長男・健太の顔を初めて見るために新潟まで妻と日帰り旅行をした。上越新幹線も上越国境を越える辺りから積雪が見え、新潟に着いたら雪が降っていた。新潟市内は雪が少ないとは聞いていたが、そこはやはり新潟は雪国で雪が間断なく降り続いていた。駅へ出迎えてくれた二男のRV車で市内の産婦人科へ行き、4人目の孫と初対面となる。生まれてまだ3日目だが元気そうなので、とりあえずほっとする。長男家族5人も新幹線でやって来て、今日は市内で雪と観光をエンジョイしたようで会えなかったが、明日健太と対面するようだ。
 連休のせいだろうか、車内には家族連れが多く新幹線は往復とも満席だった。それにしても片道2時間で日本海側に着いてしまうとは随分早くなったものである。
 その後二男の新しい賃貸マンションへお邪魔して、新居を拝見。新しくて中々洒落たマンションで、部屋数も多く建坪もかなり広い。ベランダの目の前は土手で桜並木になっていて、春になり桜が満開になれば、居ながらにしてお花見が楽しめる。川にはカモが数羽見られたが、白鳥も飛来してくるというから最高のロケーションで羨ましい限りだ。駐車スペースもあり贅沢な住まいだと思うが、これも地方都市に住んでいるからこそ味わえる贅沢ではないか。首都圏ではサラリーマンがこれだけの高級マンションにはとても住めない。その意味では、二男もいずれ東京に住むことになるにせよ、しばらく新潟に住んでじっくり子育てをやって、子どもにも田舎の生活の良さを体で覚えさせたら良いと思う。住めば都と言われるように、そうすればきっと健太も新潟で幼少時代を過ごした思い出は生涯忘れないだろう。
 帰りの新幹線は時間を繰り上げようと駅で尋ねてみたら、満席のため変更不可能で予定していた列車で帰ってきた。始発の新潟ではガラガラだったが、越後湯沢からどっと家族連れが乗り込んできて車内は一気に賑やかになった。休日は子どもの嬌声で少々煩い。
 まあ4人目の孫の顔を見られて良かった。
 二男の家でテレビ観戦した大学ラグビー選手権決勝戦は、帝京大が予想を覆して早稲田を1712で破り、優勝した。関東大学対抗戦では、帝京大は早稲田にも、慶応にも敗れたにも拘わらず、選手権に入ってから徐々に立ち直り、力強い攻撃で見事に巻き返し頂点を極めた。
 野球、駅伝、ラグビー、アメリカンフットボールなどの体育会系運動部を強化することを目標に、「スポーツ科学部」なる運動選手専用の学部まで創設した早稲田だが、その中で全国から高校日本代表ら実力派の高校ラガーマンを幅広くスカウトして、毎年成果を上げているラグビー部も、今年は最後の最後で夢を逃した。エリート集団を育成しても願い通りにいかないこともある。学生スポーツにはむしろそういう一面があった方がいい。
1337.1月10日(月) 不気味な中国の動き
 日韓、米中国防相会談がソウルと北京で行われた。日本は軍隊ではなく自衛隊のため、正式な国家間の防衛協定は日米間以外にはない。韓国側に占領時代の暗いイメージがあり、国民から必ずしも日本との条約提携等に強い支持があるわけではない。韓国政府部内にも日韓軍事協定のような提携は、中国を刺激すると慎重な意見も強いようだ。ただ、北朝鮮による3月の哨戒艦沈没と11月のヨンピョン島砲撃事件以来、少しずつ空気も変わってきたようだ。今日一部で日本との提携反対のデモがある中で、日韓両国の間で少しずつ軍事協定への歩みを進めようと前向きの話し合いをするところに落ち着いたようだ。
 問題は米中会談である。アメリカが台湾に武器を売却して以来冷え込んで1年近くも中止されていた米中間の軍事交流を再開させることになった。ただ、記者会見の様子を見ているとゲーツ国防長官が米中は世界の2大強国となり、お互いに政治に影響されず結束を固めることが重要との認識で一致したと述べた。そのうえで、アメリカが中国の次世代ステルス戦闘機の開発に懸念を示したのに対して、中国は相変わらず台湾への武器売却に嫌がらせ発言を繰り返していた。どうも中国の腹の内が分らない。
 その中国は、一昨年に続き2年連続で新車の販売数が世界一になったと発表された。1800万台を超えたというから、中国人の車購買欲も随分高まったものである。更に世界中に余裕を示すかのように、中国政府は昨年ギリシャ国債を買い、ポルトガル国債を買い、先週スペイン国債を買い増すと述べた。
 今日の日経社説によるとひとつは、中国は対中武器禁輸の解除を狙っているのではないかと指摘している。もうひとつの狙いは、劉暁波氏のノーベル賞平和賞受賞でクローズアップされた、人権弾圧への欧州からの批判を弱めることにあるのではないかと書かれている。
 さて、日本にとっては今年が満州事変勃発80年目に当たる。中国が今後どんな反日行動に出てくるのか少々不気味である。
1338.1月11日(火) NHK次期会長を巡る人事のドタバタ
 民主党内の菅首相と小沢元代表との対立が先鋭化して、一向に政治が前へ進まない。二人とも言うことは理解できないこともないが、国民のことをまったく考えていないと言える。政治が劣化したまま今や日本は漂流状態にある。
 この対立とは少々異なるが、NHK次期会長人事がどうやら泥試合の様相を帯びてきた。今月24日で任期を終える福地茂雄・現会長の後任会長選任が右往左往してもめている。そのザマはあまりにもみっともない。今日の朝日、日経夕刊トップ頁にも大きく取り上げられているが、この間の経緯を見ていると、現在の日本外交の縮図を見ているようだ。誰が責任者で、誰が決定権を持っているのか、また決定を覆す異常な行動など、大組織としてはまったく常軌を逸している。
 現会長の固い辞任の決意を受け、任命権を持つ経営委員会が当初前慶応義塾長・安西祐一郎氏を後任に選出し、小丸成洋委員長が安西氏に就任を要請し、固辞していた安西氏が漸く受諾した。ところが、その後経営委員会の一部委員が安西氏の会長就任に難色を示し、安西氏が会長就任に条件をつけたと言い始め、反対を唱え出した。真偽のほどは分らないが、これに嫌気がさした安西氏が今日になって会長受諾を拒絶した。
 現会長は24日までに新会長を決めると述べているようだが、これだけこじれると外部からの引き受け手がいなくなるのではないだろうか。密室の決定で、当初12名の全経営委員が安西氏を会長として選んでおきながら、後になってその内の数名が安西氏に反対を唱えたという。この行動も大人気ないし、理解できない。
 委員の間に安西氏に対してどういう不満があるのか不明だが、安西氏が慶応義塾塾長を辞めざるを得なかった原因も尾を引いているのだろうか。一昨年明らかになった慶応の投資資金回収不能額が500億円を凌駕するほどの金額に上った。そのために慶応義塾創立150周年記念事業のひとつが延期されることになった。塾長から身を退いたのは、その責任を取ったのではないかとの噂があった。
 しかし、それはNHKにはまったく関係のない事件であり、一旦は会長就任を強く要請しておきながら、時を置かずに会長就任を辞退するよう圧力をかけたという、NHK経営委員会こそ組織として機能していないのではないか。それにこの間小丸委員長が頼むだけ頼んでおいて、手のひらを返すように撤回を要請する行動も理解に苦しむ。
 いずれにしても伏魔殿・NHKらしいドタバタで、天下に恥を晒し見苦しいことおびただしい
1339.1月12日(水) あな珍しや! 「資本論」
自由が丘駅前書店で雑誌「週刊ダイヤモンド」の他に、2冊の書を買い求めた。雑誌の特集にマス・メディアの凋落について面白そうな記事が載っていたので、つい興味本位に買ってしまった。昨年「週刊東洋経済」でも同じようなテーマが特集として採り上げられたことがある。当特集は題して「新聞・テレビ−勝者なき消耗戦」。題名通り新聞とテレビの低迷ぶりを多面的に採り上げている。今や新聞とテレビの広告料が激減し、新聞定期購読者が減り、それに拍車をかけるようにインターネットが強敵としてクローズアップされてきた。待遇面では産業界でもトップクラスで好景気を謳歌してきたが、今や下降線を辿っている。今のところ給料を下げるという話は聞かないが、番組制作費は大幅に削減するようだから、またぞろ低俗番組が氾濫するのではないか。バカ騒ぎをするような白痴番組だけは御免蒙りたい。
 本誌は結構面白そうな特集なので、これから楽しみに目を通したい。この特集号の価格が690円とかなりいい値だが、つい衝動買いしてしまったイースト・プレス社の「あらすじとイラストでわかる資本論」は240頁で何とたったの500円である。本命として購入した寺島実郎著「問いかけとしての戦後日本と日米同盟−脳力レッスンV」(定価2,100円)に比べて格段に安い。
 紙質もザラ紙でよくないが、つい「資本論」というタイトルにつられて買ってしまった。それにしても今どき賞味期限の過ぎた「資本論」関係書が駅前書店に置かれているのが珍しい。今や社会主義、共産主義国家ははっきり言ってこの世から消滅してしまった。そんな共産主義国家の土台だった社会主義思想もバイブルである「資本論」も、現代の学生らを中心にあまり読まれなくなったようだ。とにかく内容が難しく、私自身学生時代にマルクス経済学系統のゼミで学んだだけに、当時恩師からはできるだけ「資本論」をかじるように言われた。だが、とても歯が立たず青木書店の「経済学教科書」で済ませてしまった。
 1979年にブルガリアのプロブディフで経済高校を授業参観した時は、板書された図の説明を聞いているだけで、多少は「経済学教科書」を読んだお陰か授業内容を理解できたのが嬉しかった。その後1983年に旧東ドイツのカール・マルクス・シュタット(現ケムニッツ)という街に滞在して学校訪問をした時に、共産主義の暗黒的なゲシュタポのような、軍の監視に恐怖感を抱いたこともある。社会体制に矛盾を抱え、歴史の激動もあって、結局共産主義国家は崩壊した。今日も共産主義を唱えている中国は自由と人権の抑圧国家となり、北朝鮮は金正日一族の独裁国家となった。マルクスが唱えた人民を救う国策が、国民を蹂躙する国家となっている。崩壊したソ連や東欧諸国、現存するキューバやベトナム、異色の共産国家・中国と北朝鮮を含めて、共産主義国家はすべて「資本論」を踏み絵にして国家を造り上げ運営してきた。
 「まえがき」を読むと、本書は「あらすじ」と「解説」に分かれているという。その「まえがき」では、現在の世界経済不況は資本主義のひずみから派生したものだとマルクスが150年前に予言したと論じ、現在の問題点をマルクスはお見通しだったということも書かれているようだ。
 今更本物の「資本論」を読んで噛み砕く力はないが、この「資本論」ダイジェスト版で久しぶりに社会主義に向き合ってみようと思う。
1340.1月13日(木) 政治は行わず、何でもありの民主党
 何が何だかわけが分らず混沌としてきた政界だが、民主党内の対立は今日の民主党大会でも露骨に表れた。参議院で問責決議された仙石官房長官と馬淵国交相が辞めざるを得なくなり、明日内閣改造を行う。それに先立ち官房長官の後任には、枝野幹事長代理が就任する模様である。
 驚いたのは、現時点ではまだ決定してはいないものの、昨年4月自民党を離党して新党「立ち上がれ日本」を結成し、平沼赳夫氏とともに党の共同代表を務めていた与謝野馨・元財務相が離党して政権入りすると囁かれていることである。もしこれが事実なら、与謝野氏は一体何を政治家の理念と考えているのだろうか。かつて自民党の中でも政策通で良識派として知られ、私も期待していたひとりだったが、昨年末の新党と民主党との提携交渉が不調に至った折の立ち回りなどを見ていると不器用な人だなとは思っていた。
 しかし、それにしても自分が創った党を、理念と実務の考え方が同志と異なるからといとも簡単に離党して政権へ参加しようというのだから、あまりにも身勝手で節操がなさ過ぎるのではないだろうか。こういう無責任な人が国の政治を動かすとしたら、国が真っ直ぐ前へ進むはずがないではないか。
 ところで民主党はこの期に及んで一昨年総選挙で国民に約束したマニフェストを見直すと言い出した。元々無理な政策を掲げていたので、見直すのは結構だが、財源が足りないのに見映えの良い政策ばかり実施しようと欲張るからである。その一方で財源を生み出すはずの経費節減がまったく当て外れとなった。当てのない財源に膨らむ支出という不安視されていた通りの結果となり、財政破綻の典型となった。その結果ほとんど何もできなくなってしまった。
 因みに手元にある一昨年総選挙時の「政権交代」と称する民主党のマニフェストを見てみると、無駄使いをなくす政策として、@天下りの斡旋禁止、A官製談合と随契の一掃、B国家公務員の総人件費2割削減、C国が地方に使い途を指定する「ひもつき補助金」廃止、D企業団体による献金、パーティ券購入禁止、E国会議員の世襲禁止、F衆議院比例代表制定数80人削減、を訴えている。これで政権交代を成し遂げたわけである。にも関わらず、ほとんど実行されていないではないか。しかも本気になって検討しようとの様子も見られない。そこへ見直しだという。ふざけるなと言いたい。もう少しやってみて難しいので一部軌道修正するならまだしも、とてもすべて実行できないからご破算というのではまったく話が違うのではないか。
 衆議院議員を削減するなんていう話は、声を大にしてほざいていたが、自分たちの身を削るとなると党内に強い抵抗もあって「無期限先送り」「忘れたころに中止」となりそうだ。まったく政治家なんて落ち目になると、誤魔化せるものなら何でもやるものだと呆れるばかりだ。
1341.1月14日(金) 第2次菅内閣発足
 昨年末独法・国民生活センターから依頼された原稿内容の中で、旅行傷害保険の内容を確認するために、元の勤務先へ出かけ、わざわざ来てくれたAIU保険のセールス担当者から資料をいただきながら説明を伺った。拙稿内容は任意保険である旅行障害保険が強制保険であるべきだ、またクレジット・カード付帯保険より第一義的には旅行障害保険に加入すべきとのアドバイスである。更に、旅行中の事故の処理はともかく、出発前にも心の備えをして、パックツアーで添乗員のいないツアーではツアー参加者も安全確保義務を積極的に行うべきだとの提言である。
 書きかけたままの原稿コピーをあげて保険に関する内容と表現が間違っていないかどうかの確認をお願いした。
 さて、今日第2次菅内閣が発足した。昨日の時点で入閣が疑問視された与謝野馨氏が経済財政担当大臣として起用された。民主党を批判していた与謝野氏の入閣には党内からも強い批判がある。どうも首相は消費税を含む財政改革を一歩進めるために、財政のベテラン与謝野氏を一本釣りしたらしい。官房長官には噂通り、枝野幸男・前幹事長代理が起用された。18名の閣僚のうち、与謝野氏と留任の北沢俊美防衛大臣が私と同い年で閣僚最高齢者である。段々若返っていくのは結構だが、頼りにならない大臣では困る。78歳の高齢で鳩山内閣時の財務大臣だった藤井裕久氏を副官房長官に起用したのは、首相補佐と言っているが、史上最年少官房長官・46歳の枝野幸男氏の教育係だろう。実際藤井氏は、高齢を理由に大臣を辞めたほどである。官房長官を辞めた仙石由人氏は、更迭の匂いが強いが、傷つかぬよう党代表代行の処遇を与えた。首相も妙な気配りだけはやるものだ。
 更に今日になって経済産業大臣へ横滑りした海江田万里氏が、ポストを引き継いだ与謝野氏の後継人事について「人生は不条理」と言い不快感を表明した。この二人は東京選挙区第1区の議席を争うのだから、それは分るような気がする。法相に就任した江田五月氏が9月の党代表選で「政治の不条理をなくしたい」と発言していたからだ。2年前は海江田氏が勝ち、敗れた与謝野氏が比例代表制で当選したという因縁もある。お互いの心の内は一体どうなのだろうか。
 ともかく新体制になって、気分も新たに国家国民のために真摯に任務に取り組んで欲しいものである。
ここ数日寒い日が続いているが、今日北海道・陸別町で今冬最低気温の−28.8℃を記録した。明日以降都内でも積雪があるかもしれないとの予報があった。
1342.1月15日(土) 旧「成人の日」に思う。
 毎年1月第2月曜日が「成人の日」に変わってしまったが、以前は今日がその「成人の日」だった。積雪情報が伝えられる中で大学入試センター試験が行われ、交通機関の案内にこと細かい注意が与えられている。随分親切になったものである。少子化傾向が強まっているにも関わらず、大学入試志願者は前年度より増えた。55万人の受験生の内、5人にひとりが浪人生だという。われわれが成人式を迎えたころは、センター試験なぞなくて、各大学が独自に入試を行っていたし、成人式は生憎2年目の浪人期間中だったので、お祝い気分なんかまるでなく苦い思い出しか残っていない。例え難関を潜り抜けても2年後(4年後ではない)には厳しい就職が待っているなどと皮肉な報道もされている。
 さて、北アフリカのマグレブ3国のひとつ、チュニジアで独裁的権力を揮ってきたベンアリ大統領が激しいデモの中を逃げるように国外へ脱出した。同じイスラム国家のサウジアラビアへ亡命したようだ。アフリカやアラブ諸国には、絶大な権力を行使して長期に亘って最高権力者の地位に居座り続ける独裁者が多いが、このチュニジアのベンアリ大統領にしても1987年の無血クーデターで永世大統領だった前任のブルギバ氏を追放してその地位に就いたものだ。そのブルギバ大統領にしても、30年間に亘って大統領の職にあった。
 チュニジアには2400年前にハンニバルが活躍したカルタゴ国があった。その歴史ゆえに多くのローマ遺跡もあり、実際現在も170人ほどの日本人観光客がチュニジアを旅行中だという。私もいずれモロッコ、アルジェリアなどほかのマグレブ国とともに訪れてみたいと思っている。
 今日午後最後のパソコン教習に行った。5年近くに亘りPCを学んできたが、まだマスターしきっているわけではない。しかし、何とか所期の目的だったパワーポイントの習得と、ホームページを開設できたので、まあよくやった方だと思っている。まだ時々習いに来たいと考えていたが、PC教室がクローズされるので今日が最終回になるのもやむを得ない。幸いなことに個人的に連絡をとれば時折会って指導をしていただけるということなので、どうしても行き詰まったら、また波田野講師にお願いしたいと思っている。
1343.1月16日(日) アメリカ大陸に新たな石油埋蔵地
 「選択」1月号によると今後世界の石油市場が変わるかもしれないという。それを象徴するエポックメークな現象がアメリカで現実化しつつあるようだ。北米大陸の砂岩からタイト・オイルが採掘できそうだという。これまで石油と言えば、中東地域の砂漠における掘削や、昨年メキシコ湾で火災が発生した海底油田に象徴される。だが、海底油田の開発には巨額の費用と長い年月がかかるうえに事故の心配が大きくなった。砂漠から得られる石油については、カタールが「世界に天然ガスを安定供給できる国はカタールしかない」と胸を張り、売り手市場をよいことに国際石油価格を手玉に取るほど中東諸国の独壇場だった。ところがアメリカで新たにタイト・オイルの実用化が現実味を増してきたことにより、産油国である中東諸国とロシア国内では、今までのように売り手市場を有利に利用できる機会が減少するのではないかと胸の内は穏やかではない。
 では、このタイト・オイルとは一体何物だ。日本人でもあまり気付いている人はいないらしいが、硬く固まった砂岩(タイト・サンド)の中から石油を取り出すらしい。そして、その埋蔵量は在来型石油の5倍以上もあり、その埋蔵場所も北米大陸に偏在しているというから、アメリカにとっては願ったり叶ったりだ。また、この非在来型石油の台頭が世界の産油国勢力図を一変させようとしていることで、これまでの産油金満国や、アフリカへ広く資源獲得外交を行い石油掘削工事を行っている中国をドキリとさせている。
 現在石油の消費は毎年着実に増え、その供給は産油国の外交カードにも使われているほどである。世界最大の石油消費国であるアメリカに、新たな石油資源が発見されたとするなら、アメリカは追い縋ろうとする中国を始め、ロシアや石油産油国をぶっちぎってダントツで世界に君臨するようになるだろう。
 中国を始めとする各国のガソリン車の販売台数の伸びを見ると、石油市場の活性化は疑問の余地もなく、日量の消費は1億バレルに達するが、一方で地球温暖化や再生可能エネルギーの普及によって脱石油政策が進み、日量9千万バレルに抑えられるとの声もある。
 タイト・オイルは、アメリカが2011年を世界最大の産油国として復活する年になるテコになるだろうとも推測されている。
 大きなお世話かもしれないが、働かずとも現金が手に入り「濡れ手に粟」でがめつい中東産油国や、アフリカ大地を石油の採掘権獲得により引っ掻き回している中国、など成金国にきついお灸を据える意味ではアメリカの新しい石油開発は効果的だと思う。そもそも石油消費自体があまり地球生存のためには好ましくない観点から考えれば、とりあえず豊かなアメリカに石油が採れるメドが立ったということは、無秩序な石油開発に警鐘を与えてくれるのではないかと、むしろ喜ばしいことだと思考するがいかがなものだろうか。
1344.1月17日(月) 竹原信一・前阿久根市長敗れる。
 神戸・淡路大震災から今日で16年である。神戸を始めとして、日本各地で大地震に備えたシミュレーションを行っている。サンフランシスコやトルコで大きな地震に遭ったことがあるが、2度と味わいたくない恐怖である。だが、こればかりは突然襲ってくるので、逃げようがない。せめて被害を少なくすることしか考えられない。
 さて、地方政治の中で全国的な話題を集めていた鹿児島県阿久根市の出直し市長選挙が昨日行われ、竹原信一・前市長が新人で前市長のリコール運動を進めた市民団体の役員だった、37歳の西平良将氏に敗れた。
 中央から離れた一地方の市長選が全国的にこれだけ注目されたのも、過去2年半で3度も行われた市長選のせいである。狂気の沙汰と呼んでもおかしくない。これだけ世間離れなことをやっていれば、辛らつに言って日本中の恥晒しになる。世間常識では計り知れない地方政治の不透明さが、噴出したような印象を受ける。自衛隊出身者らしいある面で正義感の篭った前市長の目指す方向性は、ある程度受け入れられていた。しかし、その手法があまりにも独断的で、議会や職員を無視した性急なやり方が批判されたのだ。過去に議会と対立して2度も不信任を決議され、それでも前回の市長選では再選されている。この時点ではまだ多くの支持者がいた。にも関わらず、ここへ来てあまりにも議会無視が目立ち出し、昨日の3度目の市長選で遂に敗戦となった。
 近年東国原英夫・宮崎県知事、橋下徹・大阪府知事、河村たかし・名古屋市長、そしてこの竹原信一・前阿久根市長のように個性的な首長が進出するようになった。地元の実情を日本中に広く訴える点では大いに効果的であり、決してその行動を否定するものではない。問題は彼ら首長の主張や行動が、個人的なパフォーマンスに終始していないかどうかと言う点にある。選挙前にはあれだけ支持を懇請しておいて中央政界へ進出しようとしている宮崎県知事や、色気満々の大阪府知事と名古屋市長らに対しても、最初に将来ビジョンや方向性、本心をすべて曝け出せと言いたい。
 今回の阿久根市長選では、竹原氏の考え方に賛同する市民もかなりいた。竹原氏の読み違いは議会と市職員を完全に無視したことだろう。市民に直接訴えると言い、街頭で理念とビジョン、政策を訴えた。それは良い。だが、自分の考えを議会にも諮らず、一方的に決定しようとする専決処分では、大方の理解は得られまい。議会議員だって市民から選出されているわけで、その意味では前市長は市民の意見をネグっていたということになる。往生際もあまり良くない。反省の言葉はなく、敗戦の弁は「職員組合と報道に負けた」というものだった。
 新市長もこれからが正念場である。前市長の方向性は間違っていないと述べている。ここは、今後どうやって話し合いの中で行政を進めるかということであり、若手市長の手腕が問われるところだろう。しばらく注目して見てみたい。
1345.1月18日(火) 内向き志向の学生に厳しい試練
経済が一向に回復の兆しを見せていない中で、大学生の就職内定率が昨年10月時点から好転せず、今日発表された12月の内定率は、大学生が68.8%で前年を4.3%も下回った。どうにもこうにもこればかりは、問題解決の秘策は景気回復しかない。この数字は同じ方法で統計を取り始めた1996年度以降で初めて70%を割り込み、最悪の水準でバブル崩壊の大学生就職氷河期を凌ぐ超氷河期に入っているという。
 それでも企業の学生に対する求人倍率は1.28倍で、会社の選り好みさえしなければ数字上は全員就職が可能である。だが、現代っ子は安定志向で大会社志望が強く、従業員1000人以下の企業の求人倍率が2.16人もあるのに対して、1000人以上の大企業の求人倍率が0.57倍だという。学生も考えを変えて、望まれる企業へ飛び込んで自分が小さな会社のリードオフマンとなって働くくらいの気概を持つようでないとこの状況は改善されそうもない。中小企業の会長がしきりに学生を口説いていたが、やりがいとか、海外勤務に関して最近の内向き志向の学生の反応が今ひとつらしい。高校生の就職状況も決して良くはないが、それでも昨年よりは良いという。高校生は贅沢も言わず、きっと選り好みをしないからだろう。
 学生の内向きで、安定志向の傾向は大学生の海外留学のトレンドにも表れている。中国や韓国からアメリカへ留学する学生が飛躍的に伸びているのに反して、日本人留学生は2004年をピークに下がる一方で、2008年まで5年連続で減少している。それだけ海外へ出ようとのチャレンジャー精神が今の学生には欠けている。
 それにしてもしばしばテレビ画面に写される就職活動中の学生たちの苦戦ぶりを見るにつけ、気の毒に思えて仕方がない。学生たちに罪があるわけでもないのに、いくつもの企業の試験をかけもちしながら、希望就職先を早く内定させたいとの真剣な顔を見るのはわれわれにとっても辛い。
 翻って自分の就職はどうだったかと考えてみると、こんな真剣な顔で就活なんてやっていなかった。景気が良かったということもあったが、いずれ決まるだろうぐらいの軽い気持だった。
 さて、今日は5、6、7月に各1回講義予定の「世界の都市を知る−ヨーロッパ編」の打ち合わせのため、台東区今戸社会教育館へ出かけ、担当者と話し合った。これは講師登録している「シニア大楽」の紹介・斡旋によるものだが、台東区の生涯学習プランのひとつで、ヨーロッパ旅行を計画している50歳以上の人たちを対象に6回開催される。6回のうち半分の3回を私が担当し、イギリス、フランス、その他のヨーロッパ諸国についてこれからどういう取り組みをするか気の利いた講義内容を考えなければいけない。せっかくのチャンスであるので、受講者にも楽しんでもらえるような講義をしたいと考えている。
 この今戸社会教育館について前以て電話で尋ねたが、アクセスが中々分かりにくい。そこで地番を頼りに地図を持って地下鉄浅草駅から隅田川に沿い歩いてみることにした。快晴で無風状態だったせいもあり、些か寒かったが爽やかなウォーキングとなった。今話題の東京スカイツリーを横目に見ながら川べりの隅田公園を初めて歩いた。土手の散歩コースは中々良い。夏になれば多くの観光客がそぞろ歩きを楽しんでいるんだろう。講義は夏になるので、その時期を楽しみにしようと思う。
1346.1月19日(水) 東大紛争から42
 最近国の政治がまったく前へ進まないような印象を受ける。24日ごろ通常国会が開かれるということだが、一本釣りした与謝野馨・経済財政大臣へ党内外から猛烈な批判が上がり、仙石由人・前官房長官の後釜として政策全般の仕切り役を期待されていた与謝野氏が野党攻勢で動きが取れなくなっているからである。
 加えて相も変わらず、小沢一郎・元民主党代表の政治倫理審査会への出席が宙に浮いたままになっている。小沢氏は出席しないと言い、反小沢派議員は返事を明日までにと回答期限をつけ、自民党では小沢氏が起訴された場合、議員辞職勧告決議案を提出する方向で検討に入ったと報じられている。どちらにしろいつもながらのもめごとであり、国民としては呆れて見ているばかりである。
 経済面でも一向に明るい兆しが見られないが、今朝の日経紙の株式欄を見るとアジアの主要な株式市場でアジア各国株が低調なのに比べて、昨年末に比べて日本株の堅調が目立っているという。どうも信じ難いが、実際主要株価指数騰落率では、香港に次いで2位になっている。以下韓国、シンガポール、台湾、タイの順であるが、理由として先進国の金融緩和による食品・エネルギーの国際価格高騰でインフレ懸念が急速に台頭してきたことが大きいようだ。それに反して日本企業はエネルギー効率が高く、資源・原材料価格上昇への抵抗力があると見られていることにある。嬉しいような気もするが、一過性の恐れなしとしない。消費が低迷し、全国の百貨店の売上高は、14年連続で対前年比減少だそうだから、当分明るい材料がない。大学生の就職市場もぱっとしない。
 政治も経済もまったくダメだ。いつになったら光が見えてくるのだろう。
 さて、チュニジアの政変がいろいろな意味で世界に大きな影響を与えている。特にアラブ諸国では明日はわが身となるのを避けるために、いろいろな手を打っているようだ。チュニス市内のデモが続いているが、イェーメンの首都サヌアでもデモ騒ぎが起きた。今回のチュニス市内のデモのきっかけは路上の屋台商売を行っていた若者が警官から排除され、抗議の焼身自殺を行ったことが導火線になったが、インターネットで扇動した新しい機能として「フェイス・ブック」があったという。急に世界的に注目されるようになったこのFBがよく分らない。昨日の朝日紙上でスペースを割かれていたが、よく分らない。数日前ある人からFB登録のメールを受け取った。朝日によれば、すべて個人的な情報を公開するようだから、それはご勘弁いただきたいと思っている。
 42年前の昨日と今日の2日間が、かの東大紛争が頂点に達した時だった。最早60年安保から時も経ち、外部から覗いていただけだったが、テレビを通して観たあの安田講堂を放水していた光景をまざまざと覚えている。結局幹部がほとんど逮捕され、期待されていた翌年の70年安保反対デモは骨抜きになり、60年安保に比較してあまりにも力不足だった。いずれにしろ昔日のセピア色の思い出である。
1347.1月20日(木) 中国GDP、日本を抜いて世界第2位へ
中国の胡錦濤・国家主席が訪米し、盛大な歓迎行事が行われている。すでに晩餐会やら歓迎式典で終始にこやかな胡主席の姿が見られた。その中で胡主席とオバマ大統領の笑顔の中に、相手への牽制球を投げる思惑も垣間見られたのではないかと思う。米中間には依然として大きな壁がある。今では抜き差しならないほど両国の貿易面の相互依存は強い。相互の関係がこじれると困るのは、米中ともに同じである。お互いに少しずつ歩み寄りの姿勢を見せているが、国家としてその頑なな立場を主張するとどうしても対立点が表面化してくる。国際的スタンダードからすると中国の言動は、ほかの民主義国とは異質で受け入れ難い。どうも中国の唯我独尊的な考えを一方的に押し通そうとする強引さには、アメリカですら手を焼きアメリカ政府筋でも中国と距離を置いて考えている議員が多い。 
 現在最大の対立は、北朝鮮問題の取り組み、中国軍の拡大化、人権抑圧、不公正な貿易取引などだろう。今回の訪米で相互理解と対立解消はどれだけ前進するだろうか。常に国民の目を意識する中国では、胡主席の行動がアメリカ国内のメディアでどう注目されるかに気を配っているようだ。歓迎式典の場には、最高級の歓迎の気持を表すために赤い絨毯を敷き詰めるよう中国政府からホワイトハウスへ事前注文があったと聞く。中国国内での不満を抑え、プライドを誇示するためのメディアと国民を意識したヤラセである。その影響で昨年菅首相との短い会談では、笑いを見せなかった胡主席が今回の訪中では終始にこやかである。そんなチャチな芝居はとっくに見透かされているのに、胡錦濤たるもの裸の王様になって茶番を演じている。
 胡主席は中国の名門大学として知られる清華大学の出身と聞くが、そもそもこの大学は100年前の辛亥革命が起きた年に、当時のアメリカ政府が知米派を育成するために創立されたものだという。胡主席はその点で知米派のはずである。 
 時恰も今日発表された2010年の国内総生産(GDP)は、まだ日本のGDPは発表されていないが、中国が経済大国で世界第2位の地位を築いたことは間違いないようだ。近年中国は日米欧とは対照的な高度経済成長を実現している。あくまで予測であるが、2015年には中国は日本を遥かに凌駕して、中国:日本=1:0.6くらいの成長比率になるらしい。どこまで中国は伸びるのか。人口比率が日本の10倍もある国でもあり、一人当たりに換算すれば、まだ日本の方が遥かに豊かだということは言える。しかし、日本だっていつまでも安閑として中国の後塵を拝してはいられない。ここは双方が本音を言わない米中会談の行方をしっかり見守りたいと思っている。
1348.1月21日(金) 森ビル・森稔社長のご実家はわが実家の近くか?
 日経紙夕刊に「心の玉手箱」と題する連載エッセイがある。今週の書き手は森ビル社長の森稔氏である。森社長は湘南高校の4年先輩でノーベル化学賞受賞者の根岸英一博士と同級生だが、偶々一昨日の夕刊には「京都から湘南へ」の小見出しで父親の勤務先の変更(京都高等蚕糸学校<現・京都工芸繊維大学>⇒横浜市立経済専門学校<現・横浜市立大学>)により、小学生時代に京都から藤沢市鵠沼へ転居して遊んだ自宅周辺の自然や野鳥の生態の様子が描かれている。掲載された江ノ電鵠沼駅の写真を見ると、その遠望はわが実家周辺である。懐かしい松の大木も見える。片瀬川辺りと近くの松林のこともよく書かれている。まったくかつて住んでいたわが家の環境と似ているので、自宅がお互いに近くだったようだ。11月に森社長に六本木アークヒルズでお会いした時は、お話しなかったが、この次にお会いしたら半世紀前の鵠沼事情についてお話してみようと思う。
 それにしても、父親の転勤で京都の衣笠から鵠沼へ引っ越されたトレースと私が同じように父親が明治乳業葛椏s工場長から本社へ転勤となり、中学校卒業直後に京都・桂から鵠沼へ引っ越してきたルートが同じようなのはちょっとしたサプライズである。まったく似たような人生行路というものがあるものだ。尤もあちらさんは、高校から根岸さんと一緒にストレートで東大へ進学し、当方は2年浪人してとても東大なぞ歯が立たないのだから、所詮勝負にはならないが、これも人生の綾ともいうべきものだろう。
 さて、先日来取り掛かっていた「月刊国民生活」の4月号の特集原稿を脱稿したので、今日写真と書類を併せて国民生活センターへメールと郵便で送付した。先日の編集者との話では完全にお互いの意図が一致したとも思えないが、大きな考え方の相違はないと思っているので、向こうの意にそぐわなければ何とか言ってくるのではないか。
 それとは関係ないが、不思議なこともあるもので、偶然にも国民生活センターへ原稿を送った後の今夕の日経夕刊社会面に国民生活センターと間違えそうな怪しげな「国民生活相談センター」と称する組織が、消費者に偽電話をかけて問題になっているという記事が載っていた。関係者らしい振る舞いで偽の訴訟告知確認ハガキで架空の未払い金請求をしようとした。国民生活センターもえらい迷惑を蒙ったものである。それにしても前項の記事といい、どうしてこうもタイミングが合うのだろう。
1349.1月22日(土) 中国とアメリカにとって損得はどっち?
 昨日独法・国民生活センターへ送付した寄稿について、編集者からその内容を好意的に評価するメールをもらい、発行誌のプロフィールに拙著の1冊を紹介してくれることになったので、「停年オヤジの海外武者修行」を紹介してくれるようお願いした。同書は先日発行元編集長から近い内に電子書籍化を検討すると聞いた。拙稿の記事に沿った写真と表も掲載してくれることになった。
 さて、鳴り物入りで訪米して持論を展開していた中国の胡錦濤・国家主席が帰国の途についた。米中両国ともに相互依存を確認した。だが、これまで不満を抱いていた点については軽く触れるだけで追い詰めることまではしなかった。何か奥歯に物が挟まったような首脳会談だった。人権、軍事、北朝鮮問題等については懸念を表明するだけで解決へ向けた議論をするところまでは行かなかった。
 それに引き換え、経済、貿易問題は両国ともかなり積極的だった。中国はアメリカとの協調関係を強めるために、アメリカが中国に対して抱いている不満を解消すべくアメリカの対中貿易の赤字削減に協力することを約束した。直ちに航空旅客200機の購入を含む3兆7千億円の商談を成立させ、現在の対米輸入額を5年以内に現状の1千億ドルから2千億ドルに倍増すると表明した。オバマ政権の掲げる「雇用創出」と「貿易赤字の削減」に協力してオバマ大統領の顔を立てるジェスチャーを示したわけである。2009年にアメリカから中国への輸出は、690億ドルだったのに対して、輸入は何と2960億ドルで、アメリカの対中貿易赤字は2270億ドルに達していた。
 これで経済問題上残る課題は安過ぎる「人民元」の切り上げである。ともかく表面的には大きな問題は噴出すことはなかった。
 今日アメリカのみならず世界が中国に対して一番懸念しているのは、中国軍部の急速な勢力拡大だと思う。軍事力もアメリカに次いで世界第2位のポジションにある。強大化する軍部は、文民統制どころか、益々その権力を強めているようだ。最近の中国海軍の東シナ海、南シナ海周辺海域への進出に伴う拡張主義・覇権主義は軍が自分たちの思い通りに動き出した表れではないかと心配される。今や党も軍に対しては言論抑圧を強制できない不安がある。このまま軍部が力を蓄え、党・政府の意見を聞かなくなったら一気に暴走し、強大な軍事国家となり、軍事力をバックに国際社会において無理難題を振り回しかねない心配がある。西太平洋で中国がその存在感を強めれば強めるだけ周辺諸国にとっては脅威であり、アメリカにとっても重大な脅威となる。中国国内で一番心配なのは、軍事クーデターによる胡錦濤・国家主席政権転覆による軍事国家の成立である。
 今回の胡錦濤・国家主席アメリカ訪問は、言いたいことを封印して経済面の摩擦だけを取り繕った印象が強い。多くの問題は積み残されたままだ。両国の対立が内部でマグマとなっていくのではないだろうか。
 それにしても5年ぶりのアメリカ訪問を国賓としての公式訪問と報道していたが、一国の国賓扱いは1度だけのはずである。昔外務省の依頼でシンガポールのリー・クワン・ユー首相(現顧問相)の箱根旅行を手配した時、外務省係官からそのことをはっきり聞いた。その時2度目だったリー首相の日本訪問は国賓待遇の準国賓だった。胡主席はその外交慣例まで、アメリカに打ち破らせてしまったのだろうか。
1350.1月23日(日) 情緒溢れるシンガポール駅が廃止になる。
 今朝のテレビ報道番組を観ていて胡錦濤・中国国家主席が今回の訪米で国賓待遇を受けたことにやっと納得がいった。つまり胡主席は5年前訪米してブッシュ大統領と首脳会談を行ったが、その時は中国政府の強い要請にも関わらず、アメリカ政府は国賓としての待遇を受け入れなかった。 しかし、今回中国はアメリカ政府へ充分な根回しのうえ強く要請して胡主席は、初めて国賓待遇を受けることになった。アメリカは中国の強い存在感と経済力に敬意を表して、最高の儀礼で胡主席をもてなしたということである。これで面子を重んじる中国の体面は保たれ、加えて世界に中国の存在感をPRすることができた。
 それにも拘わらずこれまでの米中関係の歴史から、アメリカ国内では胡主席を国賓として迎えることに対して政府部内の一部に強い反対があった。中でもオバマ大統領主催の歓迎夕食会に招待された、下院議長が出席を拒否したり、世界最悪の人権蹂躙者をホワイトハウスへ招待することに反対であると露骨に非難した議員もいた。また、両首脳の記者会見では劉暁波氏の身柄拘束やチベット問題など人権問題に対する質問を受けた胡主席が狼狽して率直に応えなかった場面があったが、これは同時通訳が訳さなかったとも説明された。胡主席は各国にはそれぞれの国情があると理解を求めた。どうも人権問題にかかわると急に不自然、無視、逃げの姿勢が目立つのが相変わらずの中国の対応である。
 今朝の朝日のマレー鉄道に関する記事が目に入った。それによると今年7月1日にシンガポール駅が廃止になるという。マレー鉄道シンガポール領内北端のジョホールバールとこの駅間の鉄道を撤去してシンガポール駅は国境のウッドランズに移転する。この駅から北上してバンコックへ向かう場合は始発駅でもあり、それほど印象に残ることはないと思うが、バンコックから南下して最後にマレー半島を縦断して最後に辿り着くシチュエーションだとついエモーショナルな気分に捉われる駅である。何でもこの線路用地はマレーシア領地だったが、今回シンガポールに返還されるのに伴い線路を撤去するようだ。それにしても惜しい。バンコックから約2000kmだが、この廃止により距離が1%分、約20km短縮されることになる。それにしても、観光的にも魅力のある鉄道遺産のような価値のある鉄道をこうも簡単に廃止してしまうのはもったいない気がする。私自身この鉄道には全線を6回も縦断したので強い思い込みと未練があり、人一倍残念だという気がする。実際ヒット企画商品「マレー半島縦断鉄道2000kmの旅」を何度も企画して、下見調査や添乗員としても、また個人的な旅でもしばしばこの駅を利用した。
 しかし、一部のオリエント急行が姿を消していったように、情緒のある鉄道の旅は採算的にも成り立たなくなってきたのか、駅ですら消えてしまうのが実に惜しい。私の海外旅行業務を大きく占めた、このマレー鉄道には殊更思い込みが強い。多少路線が削られたとはいえ鉄道がなくなるわけではないので、いつかまた乗ってみたいと思っている。
1351.1月24日(月) 自己流を貫く政治手法と政治の停滞
 今日から衆議院で通常国会が始まった。菅内閣は沈没直前のドロ船と揶揄されていて進路はまったく見通しが立たない。溌剌さが感じられない菅内閣もそうだが、衆議院議会場全体に沈滞した空気が流れ、菅首相以下大臣の所信表明演説を居並ぶ大臣や議場の議員先生はただ黙って、或いは居眠りしながら生気のない顔つきでぼんやり聞いているだけの情けない雰囲気が漂っている。
 各大臣のスピーチの中でも前原外相が述べた日本外交の進むべき道は、ひとつひとつ話す内容は誰が考えたのか知らないが、抽象的で実現性がまったくない。例えば北朝鮮外交について、6カ国協議と並行して日本独自に北へアプローチする所存とのことだが、一体何をどうするのか。中身を語らないでは分らないではないか。これまでやってきたつもりの実のない対北外交を、まだ繰り返すことを表明しているだけに過ぎないではないか。
 それにしても一言で言えば、国会開会初日なのにまったく迫力もなく、精彩も欠く議場風景である。こんなことで日本政治のガバナンスは大丈夫だろうか。
 中央政治が頼りにならなくなったが、一方で地方政治も民主主義の根幹に関わる茶番劇を演じている。昨日名古屋市長選が告示され4人が立候補した。河村たかし前市長と市議会の対立が原因で前市長が任期途中で辞職して信を問うと改めて行われる市長選である。行政の停滞、無駄な費用支出に市民もしらけているのではないだろうか。
 更に在任中専決処分ばかり行って議会と真っ向対立してリコールを成立され、選挙で落選した鹿児島県の竹原信一・前阿久根市長、そしていずれマグマが噴き出すであろう橋下徹・大阪府知事の言動等々、話し合い拒否で力づくの政治手法の横行は、問題を曝け出すだけである。
 例えば、名古屋では河村前市長の提案である市民税10%減税、阿久根では竹原前市長が提案した市議会議員を16人から6人への減員、大阪府では橋下知事の大阪市をなくして二重行政を廃止、大阪府を大阪都とする構想、などはもう少し時間をかけて住民が選んだ地方議会で徹底的に議論すれば良さそうなものだが、権力者というのは自分の描いた図式通りに政治を牛耳りたいのだろうか。
 民意にもっと真剣に耳を傾ける気持がないと、似たような政治の停滞は今後も起るのではないかと些か気になる。
 流石に一般からもチクリと批判的な声があがっている。今朝の朝日「声」欄に相模原市の70歳の読者から「首長の方針に反対する議員を選んだのも、その自治体の住民である。この事実を直視せよ」と頷ける意見が載っていた。
 折りも折り明日会員である政策シンクタンク「構想日本」で、「統一地方選を前に、地方自治体の本質を考える」とのテーマでフォーラムが開催され、パネリストとして竹原信一・前阿久根市長が出席される。どの程度本音を話されるか、楽しみに久しぶりに参加したいと思っている。
1352.1月25日(火) 竹原信一・前阿久根市長の話を聞く。
やはり只者ではないと感じた。竹原信一・前阿久根市長の本音である。今日日本財団で開かれた構想日本のフォーラムはテーマが予告と少々変わり、「これからの地方議会のあり方」と題して、竹原氏のほかに穂坂邦夫・前志木市長、土井裕之・さいたま市議が出席し、いつも通り加藤秀樹・構想日本代表がコーディネーターを務めた。
 それぞれ地方自治に関して経験の深い方々ばかりで、実体験から深みのある話を聞かせてもらった。竹原氏の話を期待したのか、200名ぐらいであろうか、聴講者はいつもより大勢で熱心に聞いておられた。質問者5人のうち3人が地方議員・元市長だったが、今話題の竹原氏の発言に注目したのだろう。
 地方政治に詳しい「NPO法人・地方自立政策研究所」理事長でもある穂坂氏を始め、皆さんが一様に同意していたのは、現在の地方政治が活性化せず、馴れ合い政治になっているのは、わが国の地方制度がすべて二元制に定められていることに原因があるという点だった。さらに言えば、わが国では自治省の元にすべての自治体が揃ってこの二元制を採り入れていることが問題だとも指摘していた。イギリスでは各自治体がそれぞれの自治体に合った制度、つまり一元制か、二元制のどちらを選択するかを住民が決めることもできる。
 竹原氏はこういうことも発言された。日本には身分制度が厳然として存在するが住民が気付いていないと度々発言していたのが印象的だった。それは、公務員という身分階級であり、好待遇に甘え権力を揮い、住民のための行政を行わないことを厳しく糾弾していた。これがため市長になったと繰り返していた。例えば、阿久根市民の平均年収は約200万円だが、市役所職員は約700万円だとその高給ぶりを非難していた。職員は既得権益と誤解しているし、議会と職員が癒着してお互いに利益誘導を行っているので、お互いを庇いあっていると厳しい指摘をされた。
 メディアから流れてくる情報だけでは確かに分らない。竹原氏が市長選で敗れた直後に、敗れたのは市職員組合とメディアのせいだと語ったが、竹原氏のメディア観には相当深い不信がありそうだ。竹原氏は防衛大学から自衛隊に入り正義感が強いせいだろうか、むきになって話していたが、今日の感じでは確かにメディアの責任もあるかも知れない。竹原氏の言うことはかなり筋が通っている。でも、やはり地方都市のやり方としては少々強引との印象は拭えない。例えば、市長就任直後になぜ副市長としてわざわざ県外から警察OBを連れてくる必要があるだろうか。これでは反って市民から反感を買うことになる。もう少し周辺事情を研究し、良き参謀を抱えてじっくり持論を構築してそれを訴え啓発していけば、市民から受け入れられる素地はできると思うし、再び世に出る機会はあると思う。このまま消え去るには惜しい人材だと思う。
 それにしても約2年ぶりのフォーラムだったが、相変わらず加藤氏の巧みなコーディネーターぶりには感心した。流石「事業仕分け」を生み出した智恵者である。
1353.1月26日(水) 心配な鳥インフルエンザの感染拡大
 今年初めての「JAPAN NOW観光情報協会」企画会議で、3月の決算理事会と5月の総会日程が報告、承認された。報告事項終盤の雑談の中で協会副理事長でもある、JR東海の須田寛相談役からJR東海が名古屋市港区の金城埠頭に建設中の「JR東海博物館」(仮称)が開館されるに先立って、3月7、8日に内覧会が開かれるので、協会理事に招待状を送りたいとの報告があった。何もかも運営を丸投げした形の大宮の鉄道博物館に比べて、この博物館はJR東海が管理しながらより以上にしっかり運営されるはずとの話だった。オープン後はしばらく相当数の入場者が見込まれることでもあり、お言葉に甘えて他の理事とともに見学に行こうと考えている。
 さて、鹿児島県でナベヅルが感染した鳥インフルエンザ感染に続き、先日宮崎県に発生した鳥インフルエンザが大きな広がりを見せ、鹿児島県でもまた鶏の鳥インフルエンザ感染が確認された。それにしても宮崎県では昨夏の牛の口蹄疫騒ぎに続き、降って湧いたように今度は鶏である。それが今日になって今度は愛知県豊橋市の養鶏農家でも鳥インフルエンザが確認された。関係者は情報に慌てふためき、その真偽の確認にてんてこ舞いの騒ぎになった。これから解決までにまだ時間がかかることだろう。今度の鳥インフルエンザはどうしてあちらこちらに飛び火するのだろうか。いつもながら気の毒なのは、被害者である養鶏農家である。
 それにしてもその被害は当の養鶏農家ばかりでなく、鶏肉の加工食品製造業者、更には観光業にも及んでいる。ツルの越冬地として知られる鹿児島県出水平野では、毎年訪れるツルを見学に来る観光客のための「ツル観察センター」が、ナベヅルの感染以来休館が続いている。一刻も早く事態が解決されることを望んでいる。
1354.1月27日(木) どうなる? エジプト国内の反政府デモ
 今月18日にチュニジアで起きた政変以降、サウジアラビアやイェーメンでも長期独裁政権に反対するデモが起きているが、その動きは昨日中東最大、8千万人の人口を誇るエジプトの反政府デモへと波及した。これまで国民が国家権力に抑圧され、ほとんど反政府デモが起こらなかった中東諸国内にデモの雪崩現象が起きたのは、いうまでもなくインターネットによる情報の交換が大きい。中でも最近脚光を浴びているフェイスブックの影響が最も効果的だったようである。他の中東諸国では連鎖反応を恐れて情報統制を強化して反政府の動きを最小限に食い止める手段を講じているが、観光立国のエジプトでは、外国人の出入りが夥しくそうもいかず、2009年の大統領戦後にイラン政府が取ったような強引な情報統制強化はとても行うことはできない。
 長期独裁政権に一石を投じたチュニジア政変は、今や他の中東諸国を戦々恐々とさせている。とにかくこれらの国々は、サウジアラビアを始めとしてリビア、エジプト、アルジェリア等々長期独裁体制の国々の心胆を寒からしめている。特に、昨日勃発したエジプト国内のデモは多くの点で世界の注目を集めている。
 その理由のひとつに、国内的にもムバラク大統領が1981年に政権に就いてからすでに30年の長い歳月が経過したことである。ちょうど文部省の教員海外派遣団の添乗員として、アメリカ・インディアナ州インディアナポリスに滞在の最中に、当時のサダト大統領がパレードを観閲中に銃砲で暗殺され、その生々しいニュースを実際テレビで観てショックを受けた。同地の教育委員会でもしばし話題となったほどである。あの事件直後に国際的には無名と言ってもいい、副大統領だったムバラク氏が大統領に昇格して30年という長い時間が経った。よくもまあ有為転変の世に長らく国家の舵取りをやってこられたなぁとその巧みな手綱捌きに感嘆するほどである。そのムバラク大統領は9月の大統領選で6期目の大統領に意欲を見せるか、息子に継承させるのか、或いはノーベル平和賞受賞者でもあるエルバラダイ・前国際原子力機関(IAEA)事務局長に職を譲るか、判然としていない。その最大のライバル、エルバラダイ氏の大統領被選挙権を剥奪しているというから、火種は残されている。
 不思議なのは、あれだけ「民主化」を叫んでいるアメリカが、むしろムバラク政権を安定政権として支持するような声明を出していることである。その理由としてはエジプトがアラブ諸国の中では一番反イスラム原理主義的で、かつイスラエルとのパイプを持っていることがある。アメリカは中国政府に対してはあれほど民主化を迫りながら、エジプトのデモ弾圧に対してはトーンが落ちる。更に言えば、エジプト国内のデモはイスラム原理主義勢力に後押しされていて、根っ子でアルカィーダと通じているという理由から、反政府デモを支持する気がないようだ。
 これでは結局、どこの国も、どの人もその場では、自分に利する道しか選ばないということではないか。
 このままエジプトのデモを注目しつつ、同時にそれを支えるアメリカ政府の動きにも注視しなければならないということである。
 ところで今日午後鹿児島・宮崎県境の霧島連山・新燃岳が噴火して周辺地域は火山灰に見舞われた。数日前から予兆はあったが、農家の畑には多くの降灰があり、せっかく作った野菜が出荷できそうもなくなり、農民はぼやいていた。どうして宮崎県ばかり災難が降りかかるのだろうか。昭和35年夏軽井沢でアルバイト中に、浅間山が噴火して降灰があり、しばらくしてにわか雨が降ってどろどろの灰がアルバイト先の屋根や庭を台無しにした思い出がある。
 さて、アメリカの大手格付け会社、スタンダード・アンド・プアーズ社が今日日本国債の格付けを、従来の「AA」 から「AA−」と8年9ヶ月ぶりに一段階引き下げた。日本は21のカテゴリーの内3番目にあったが、中国、サウジ・アラビア、クウェートと同じ4番目のカテゴリーに入った。
 S & P社はその理由をわが国の1000兆円に達しようという累積財政赤字と、民主党政権がそれを解消するための明確な財政政策を打ち出せないからであると述べている。われわれが以前から強く懸念していたごく当たり前のことをズバリ専門家に指摘されたわけだ。ところが、これに対して野田佳彦・財務相は「民間会社の言うことにいちいちコメントする立場にない」とまるで他人事のようであり、経済政策の進め方を批判されたはずの菅首相にいたっては「そういうことには疎いので・・・」とまったくノー天気なのである。要人がこれでは救いようがない。
1355.1月28日(金) 知らなかったパリの地下世界
 今日届けられた「NATIONAL GEOGRAPHIC」2月号のいくつかの特集記事のひとつ、「ようこそ、パリの地下世界へ」という見出しに思わず引きつけられた。写真やイラストを含めて22頁からならトピックだが、内容が極めてミステリアスでパリの地勢的な特徴の説明が興味を惹く。
 これまで何十回となくパリを訪れ全体像をある程度知り、歴史的にも、芸術的にも、景観的にも大好きな都市のひとつであるが、実はパリの地下が上下水道や地下鉄以外に、これほどまでに深い歴史を孕み摩訶不思議な巣窟になっているとは寡聞にして知らなかった。
 そもそもその発端は地下の採石場から石灰岩を掘り出して地上の石造りの建築物の資材用に使用したことから、地下に大きな空間が出来たことが原因らしい。どうやらそれらの石灰岩でノートルダム寺院も建造されたようだ。12世紀ごろのことだというから驚きである。それらの地下空間は地下20m以上も深くにあり、それが分ったのは1774年に土地が陥没して多数の死者が出たことからである。その原因究明と防止のためにフランス革命の当事者であるルイ16世がお触れを出して地下が整備されたというから、実にドラマチックな史実である。採石場跡の壁には、銘板が取り付けられていて、そこには「壁の番号」「G=調査を行ったギョモーのイニシアル」「年号(1783)」が書かれている。何とフランス革命の6年前である。
 断面図を見ると上下水道や古いメトロは、地下10m以内に敷設されているが、もっと深部には過密となった地上の墓地から掘り出され、移された多くの人骨が積み上げられて保管されていたり、第二次世界大戦時の掩蔽壕まである。狭いパリ市内の土地を当時の人々は効率的に活用したようだ。十数年前に開通した高速メトロは、更に深く地下36mを走行している。
 かつてジャン・ヴァルジャンがジャベール警視に追われながらパリの下水道伝いに逃げた「レ・ミゼラブル」のストーリーから、パリを歩くたびに巨大な下水道に通じる道路両端の側溝と道路の清掃作業に興味を持って眺めていたものだった。一度は下水道ツアーで実際に地下道を歩いてみたいと思いながら、その思いは叶わず、今日新たな地下情報を得たが、いつかはパリの下水道に潜ることができるだろうか。
 それにしてもこの月刊誌は、日本人の発想ではなく、われわれのあまり気がつかない視点から話題を取り上げてくれる。日本人とは異なる視点とそのアカデミックな切り口に強い関心を抱き、日本語版発刊以来17年間定期購読しているが、アメリカの学校図書館を訪れるとどこにも必ずこの雑誌が備えられているのもむべなるかなと思う。
 さて、昨日のニュース2件に関して、エジプトのデモと霧島噴火がただならぬ様相を帯びてきた。エジプト国内では集会が禁止されているが、金曜日のモスク礼拝後礼拝者がデモ行動に移り、警戒している軍との対立が激化している。政府は断固デモを許さず、デモ隊を武力で押さえつける方針のようだ。エルバラダイ・前IAEA事務局長も在住先のオーストリアから帰国して、民主化と自由を求めてムバラク大統領の退陣を迫り、抗議行動は一層加速している。
 一方で霧島・新燃岳が午後爆発噴火して周辺住民は降灰の影響で生活にも不自由し始めたようである。離れて住むわれわれとしては、こればかりははらはらしながら見守るより仕方がない
1356.1月29日(土) エジプトのデモの行方が心配だ。
 エジプト国内の反政府デモが尋常ならざる事態に追い込まれつつある。当局の指示により夜間外出禁止令が出され、ほとんどの都市でインターネットや携帯電話が接続できない状態が続いている。一連のデモで多数の死傷者が出て危機的な状況になってきた。この状態が続くと隣国チュニジアと同じように大統領の失脚、国外亡命という筋書きも考えられないわけではない。
 ところが30年間に亘る長期独裁政権と汚職を非難され、民衆から辞任を求められている82歳のムバラク大統領は、国軍の支持を得ていることと、アメリカから軍事支援を得てこれまで政権基盤が比較的安定していたこともあり、デモ隊に対して「言論の自由を尊重する」と言いながらも、内閣総辞職など小手先だけの奇手を弄して今のところ自身職を辞する気持は毛頭ないようだ。
 しかし、流石のアメリカも今回の民衆の反政府デモの対応に苦慮して、オバマ大統領はエジプト政府に対して政治、社会、経済で改革が必要だとの認識を示し、エジプトへの軍事・経済援助の見直しを検討すると警告した。
 週末で株式市場が開かれていたニューヨークでは、原油価格が高騰しダウ平均株式が大幅に下がった。このままの状態が続くと週明けには世界の株式市場にどんな影響が生じるか気になるところだ。
 今日軍の装甲車がカイロ市内に入ってきた様子を見て驚いた50歳代のカイロ市民は装甲車が入って来るのを初めて見たと言っていたが、私が1968年1月に初めて戒厳令下のカイロに入った時、数多くの戦車が走っているのをこの目で見ている。それくらい現実は想像もできなかった事態が起きているということだろう。あの頃は第三次中東戦争直後で市内には観光気分なんか流れていなかったが、今回は日本人観光客も大分市内に滞在しているようだ。観光は平和へのパスポートと云われるが、チュニジア政変の際も多くの日本人観光客が旧カルタゴの同国内で観光を楽しんでいた。それまでは両国とも表面的には平和ムードだった。昔はほとんどこのような中東やマグレブ諸国には日本人観光客の姿はまったく見られなかったが、それがこのように今では世界のどこでも日本人の姿が見られるようになった。
 しかし、治安が安全になったから観光客が訪れるようになったのかというと、必ずしもそうではないと思う。それは訪問客の経済的、社会的事情が時を経て観光し易くなっただけのことであり、当事国の治安事情は別物で観光立国であったり、その逆である場合がある。所によっては、むしろ以前より治安は危うくなっているように思う。
 エジプト国内のデモがこれからどのような広がり方を見せるのか、或いは収束するのか、その場合現在の政治情勢はどう変わるのか、目が離せなくなってきた。
 エジプトのことを心配していたら、今日ブラジルの首都リオに住む古い友人、アーリンド・フルタードさんから手紙が届いた。しばらく私から連絡がないので心配していたが、X’mas Cardを受け取りほっとしたと書いてあった。彼は医者を引退してリゾート海岸・コパカバーナの近くに住む今年80歳になる明るくポジティブなオジサンである。1973年に2度目のアフリカひとり旅でカイロに滞在して、ピラミッドの幻想的なLIGHT & SOUNDオプショナルツアーに参加した時偶然知り合い意気投合したものだ。爾来ともに地球の反対側に住みながら、お互いの家庭を訪ねあい、40年近くに亘り親交を深めてきた。阪神・淡路大震災の時には、わざわざリオからわが家族の身を心配して国際電話をかけてくれたくらいおもいやりのある男である。今日もらったコパカバーナ上空の絵葉書に、私が訪れた彼のマンションと私が宿泊したオットン・パレスホテルを矢印で示してくれている。
 偶々今世界中から注視されているエジプトを介して、久しぶりに外国の旧友と相通じることができて、実に心が温まるようなさわやかな気持である。
1357.1月30日(日) サッカー優勝に現代若者気質を思う。
 今朝午前2時過ぎにカタールのドーハで開催されていたサッカー・アジア選手権の王者が決まった。日本が優勝したのである。3日前の準決勝でライバル韓国に延長線の末PK戦で勝って以来、連日マス・メディアはあらゆる角度から、決勝戦の対オーストラリア戦について予想を立てていた。その加熱報道ぶりは些か食傷気味となっていた。個人的にはオーストラリア戦は日本にとって身長の差でやや不利かなと思っていた。昨夜はテレビ観戦することもなく寝てしまったが、今朝のニュースはすべて日本が2大会ぶり4度目のアジア・チャンピョンに輝いたとの大々的な報道で溢れている。日本にとっては大分危ないシーンもあったが、相手チームを無失点に抑え、ともかく強敵オーストラリアを延長線の末に10で撃破した実力は誉めてやりたいと思う。
 それにしてもFIFAの世界ランキングによると日本は29位だそうだが、近年の成長ぶりは著しい。チームが逞しくなったように思える。それは今までのように選手の言動にひ弱い印象が薄くなり、逆に普段通りの力を発揮できる逞しさがチーム全体に身についてきたからだ。かつては日本サッカーはマイナースポーツの見本のように扱われ、世界に伍してとても戦えるような実力はなかった。それが、Jリーグが結成されてからメキメキ実力も向上して、ついにアジアの盟主に君臨することになった。とにかくメデタシ!メデタシ!である。
 選手たちをよく観察してみると、昔に比べて大分変わったように思える。選手の一人ひとりが個性的で逞しくなった反面、遠慮がなく、時には傍若無人な言動と傲慢な振舞いも目立つようになってきた。それがグラウンド内で納まっていれば、許容されるだろう。ところがスポーツ面での活躍が、残念ながら他の分野でも許されると誤解する輩が増えてきたのも事実である。時折鼻持ちならない小生意気な選手が顰蹙を買い、世間からつまはじきにされる。それも時代を反映しているのかも知れない。
 同じようなことは一般社会でも言える。素直でお行儀が良い若者が散見される一方で、エチケットを守れず、当たり前の常識すら弁えない若者が目につくようになったのも事実である。
 ごく最近大学体育会クラブから一流企業へ勤め始めた若者に、彼と彼の会社にとって役立つ資料を送ってやったが、その後何の音沙汰もなくしびれをきらしてメールで資料を受け取ったくら知らせてくれたらどうかと注意したところ、慌てて謝罪の返信があった。だが、遅れた言い訳ばかり言ってあまり反省の色がないように思えたので、一社会人としては行動が遅いし言い訳が多すぎると老婆心のつもりでメールで忠告したら、それっきりウンともスンとも言ってこなくなった。小うるさいオヤジと嫌われたのだろう。ちょっとがっかりした。最近こういう風に他人からのアドバイスや小さな親切心を無視する若者が増えた。表面的には笑顔で如才なく振舞っているスポーツマンに見えたが、本心が透けて見えた。いずれ仕事で壁に突き当たることもあるだろうが、果たして挫けずに壁を突き破ることができるだろうか。ちょっとした他人の好意や配慮に思いが至らない現代青年に失望した次第である。
 結局現代社会では年々人々の相互の交流が少なくなって、住みにくい環境となり、引き篭もり現象が見られるようになったのも、人々の利己的で相手を慮る気持が薄れたことが大きく影響していると思う。これも現代社会が忘れがちで、しかし同時に大切なテーマであると思う。
 日本サッカーチームの優勝から話が外れてしまったが、自分の力を思い通りに発揮できる肝っ玉を持てるようになった若者は頼もしい。それを自分のわがままな言動ばかりに使わないで、周りをよく見てもっと社会を深く知ってもらえれば、現代社会ももう少し爽やかで捨てたものではないと思うのだが・・・・。
1358.1月31日(月) エジプトのデモが心配なら、日本の政治も心配だ。
 エジプトが今や機能不全に陥っている。街の治安を管理していた警察も、治安部隊も街頭から引き上げて一部には無政府状態になっているところもあるらしい。住民は自衛組織を造り暴徒から自主的に身を守っている。すでに死者も150人を超え、エジプト国内に留まっている日本人観光客は昨日までは航空機の飛行キャンセルで出国できず、今日になってやっと直行便で帰ってきた。日本政府はまだ現地に留まっている人のために、カイロ・ローマ間の観光客救出用臨時便を運航することを発表した。
 一方国内では鳥インフルエンザによる被害が拡大し、同時に霧島連山・新燃岳の爆発噴火の降灰による被害も甚大である。更に日本海沿岸では例年にない積雪量に悩まされ、人出不足で除雪作業も思うに任せず、公共道路工事作業員を除雪に廻してやりくりをしている状態で現場では悲鳴を上げている。
 特に新燃岳の噴火では危険地域が拡大し、昨晩には山麓周辺では住民に対して避難勧告が出されて500世帯、1100人以上の人々が避難した。また、噴火による影響で地形も変わり火砕流の危険も指摘され一層警戒の度合いが高まっている。
 これだけ国内外の各地で深刻な事態に直面し、民衆の身に危険が迫り真剣に危険を振り払おうとしている最中に、一番仕事をしなければならない人たちが、まったく動かず、他人の悪口を言いあい自己主張を繰り返している。正義はわれにありと言わんばかりの傲慢な顔をしている。一体自分を何様と思っているのか問い質してみたい。国の危機に際してまったく危機感もなく、問題解決のために動こうとせず、日頃から空理空論を操り、良き待遇のうえに胡坐をかき、政策を実行する志のない人々の集団、それは政治家集団である。とりわけ国会議員は国民との約束を果たそうとの気持すらなく、向上心もなく、国民の気持を理解しようとの真摯な気持もなく、地元の支持者とつるんで遊びまわっている。国会議員は国民の僕と言われていることをご存知か。あなたたちは一体全体このまま何もやらずにいて、国が迷走しているのを放っておくつもりなのかと問いたい。詰問すれば、われに理ありとばかりに中身のない回答が返ってくる。民主党政権なんか、一昨年政権を取ってから、はっきり言って国民生活向上のために効果的な政策を何も実行していないではないか。
 通常国会では与野党がメンツと揚げ足取りに拘って、予算委員会もやっと開かれたばかりである。2ヶ月先に執行される新年度予算も未だに成立していないではないか。
 こんな折に小沢一郎・元民主党代表が政治資金
 規正法違反で今日強制起訴されることになった。すでに検察審査会で2度も起訴相当とされながら、何らやましいことはないの一点張りで逃げ切ってきた小沢氏は、今後容疑者として裁判で黒白をつけることになった。この問題に関わり過ぎると他の案件がまた進まない。使命感を欠いたやる気のな政治家どもにわれわれ国民はまだ翻弄されなければならないのか。
こんな状態がいつまで続いて良いものだろうか。この分では日本の政治はどんどん遅れ劣化していく。