2010年4月

1053.4月1日(木) 鳩山首相の稚拙な基地問題対応

 満開の桜を期待して、妻と皇居内のお花見に行った。4日前と同じように田安門から大手門を歩いていると陽気は暖かかったが、かなり風が強かった。桜はほぼ満開に近く、大勢の花見客が今を盛りの桜を楽しんでいた。
 今日から新年度がスタートする。新しい予算も実行される。子ども手当てのような新予算も通り、このための費用が年間5兆円とも言われる中で、この新予算に対する国民の評価はまずまずのようだ。日本経済も日銀短観では4期連続で良くなっているというが、実態はどうなのか。年度末の対前年日経平均株価は少しは良くなったようだ。しかし、全般的に未だに景気の良い話は聞かれない。政治もダメ、経済もダメとなると、これから国民は将来へどう希望をつないでいけば良いのか分からなくなる。
 鳩山政権が今抱えている最大の政治課題は、5月末までに結論を出さなければならない普天間基地移設問題である。昨日までに政府案を取りまとめるとつい最近まで広言していた鳩山首相は、期限である昨日になって、腹案はあるが法律的に決めなければならない時期ではないと、子どものようなことを言い出した。屁理屈や言い逃ればかり言っている総理大臣で情けなくなる。こんな言い方が国民の信用を失うことになることが当人は分からないようだ。昨日の党首討論で谷垣自民党総裁から、5月末までに政府案を決め、アメリカの同意を得て、沖縄県民の理解を得られなかった場合、総理の職を辞する気持ちがあるかと質問された。その答えがふるっている。期限までに必ずその通り実行できるよう全力投球し納得してもらえるよう努力しているので、その時期に約束の結果を出したいと、相変わらず禅問答のような答弁だった。
 毎度のことながら、本当に5月末に首相が約束したような政府案が出せるのか、甚だ疑問である。努力は買うが、これまでの政府案決定へ至るもたつきぶりを見ていると、とても当てにできそうもない。
 今岡田外相がアメリカへ「腹案」を持って、アメリカ政府高官と交渉をしているようだが、すんなりアメリカから納得してもらえそうもない。
 それにしても、現在普天間基地の代替案として浮かび上がっている土地は、果たしてわが国の国土なのか不思議に思うことがある。どうして、沖縄の地に外国名がつけられて誰も文句を言わないのだろうか。度々地名が挙がる「キャンプ・シュワーブ」とか、「ホワイト・ビーチ」とは、ハワイか、グアムではないか。まるでアメリカ合衆国の支配下にあるかのようだ。すべては、アメリカの手の内にあるということではないのか。
1054.4月2日(金) 小学生並みの元大臣の呆れた行動
常識のない国会議員が出てきたのは今に始まったことではないが、それにしてもあまりの低レベルなパフォーマンスには開いた口が塞がらない。自民党の若林正俊・参議院議員がやらかした椿事である。考えようによっては純真な人なのかも知れないが、子どもの遊びのようなことをやった。
 一昨日の参議院本会議で法案採決の際、自分の投票の他に、隣席の青木幹雄・元自民党参議院議員会長の投票ボタンも押した。罪は遥かに重いが、大学生がよくやる一種の代返である。青木氏は途中退席したにも拘わらず、青木氏が投票したことになっている。だしにされた青木氏も呆れている。こういうことをやって、仮に法律が通ったとしたら由々しき事態である。
 非難の集中攻撃で四面楚歌となった若林議員は、今日議員辞職を申し出た。当然のことであるが、この人は以前から何かと話題の多い人だった。世を騒がせた政治規正法違反が2度、加えて別の意味でも話題を提供した。農水省出身の官僚上がりで農政族と言われ度々大臣を務めたが、三ヶ月余りの間に臨時代理を含めて3度も農水大臣になった珍しい経歴の持ち主である。大臣が突然辞職すると急遽リリーフに借り出されるので、かつて「困った時の若林」とも揶揄されていた。自民党内で内部批判が相次ぎ残り少ない任期を残して議員辞職を選択せざるを得なくなった。もっとも現在75歳で、今期限りでの引退を伝えられていた。
 こういう常識のない議員のいる自民党では、先日の党首討論で谷垣総裁が攻めの質問を行ったが反転攻勢とはならず、相変わらず党内がもめている。すでに自民党を離党している無所属の平沼赳夫・元経産相が、昨日新党結成を考えているとほのめかしたが、今日与謝野馨・元経済金融担当相が離党の意向を漏らした。民主党もガタガタだが、それを追い詰めなければならない自民党もお家騒動でぼろぼろである。
 さて、先日何気なく「弁護士Barl-Karthによるpeace-loving日記」というある弁護士のブログ(http://d.hatena.ne.jp/Barl-Karth/20091102)を見ていたら、葉山岳夫弁護士について書かれていた。60安保闘争、70年学園紛争以来関心を持っていた学生運動のリーダーのひとりである。ところがそのブログに、学生時代葉山弁護士とともに逮捕された清水丈夫さんについて書かれた興味深い記事を見つけたとして、私が高校ラグビー部の1年先輩だった清水丈夫さんについて書いた200710.05.付本稿「元全学連書記長・清水丈夫さんの思い出」を挙げている。図らずも弁護士さんに興味と関心を持っていただいたのは光栄である。清水さんは今もって表へ出てこられないが、連絡すればこちらの情報は伝えられるルートは分かったので、いつかは個人的な情報を伝えたいと思っている。
 今年60年安保から半世紀が経過した。
1055.4月3日(土) なぜ与謝野馨氏は自民党を離党するのか。
 選抜高校野球も今年は雨天順延のケースが多く、今日漸く決勝戦となった。東京代表の日大三高と沖縄代表の興南高校の決戦となったが、延長12回でけりがつき興南が初優勝を遂げた。高校入学の春、母校は選抜に出場したが、1回戦で高知商に敗れてしまった。二人の息子が小さい頃はしばしば春と夏に甲子園に連れて行ったものだが、それも遠い昔のような気がする。情緒が薄れてきた現代社会では、かすかに懐かしい青春とか、「一心不乱」「全力投球」のような愚直な言葉を思い出させてくれるフェスティバルである。
 先日来あまり気が進まない個人の評伝に取り組んでいるが、今日は朝からずっと書き続けてちょっと疲れてしまった。気が進まないと言っていてはいつまでも解決しないので、思い切って昨日から再び取り組み出した次第である。とにかくプライバシーに絡むことは表現が難しい。まだまだ当分苦戦を強いられそうである。
 さて、昨日自民党を離党すると言っていた政策通の与謝野馨・元財務相が、今日谷垣禎一・自民党総裁に会い辞表を提出した。自民党執行部としては看過できない事態だが、谷垣総裁の求心力が低下しているのか誰も止めようとはしない。それにしても、与謝野氏はなぜ自民党内で党内改革を進めようとしないのか、よく分からない。
 先般の予算委員会の席上鳩山首相に手厳しい質問を行っていたが、あれだってそれ以前の与謝野氏の温厚そうな人柄や政治家としての実績から鑑みて、想像できないほど下品で首相を罵倒せんばかりの暴走だった。あの時人柄が変わってしまったような印象を持った。どこで方向が曲がってしまったのか判然としない。今度は園田博之氏が行動を共にするらしいし、場合によっては平沼赳夫氏とともに新党を立ち上げる動きがある。だが、これからどうするのか、ビジョンも方向性も明かしてくれない。
 ちょっとどうかと思うのは、同じ党内で徹底的に議論を闘わして、党改革の方向へ誘導するのではなく、いとも簡単に「いち、や〜めた」と抜け出してしまったことである。その方が当面は楽だということは分かる。しかし、新党結成となると資金も要るし、党の基盤作りには相当な時間と労力がかかる。それを承知のうえで党を出ようというのである。荒海へ乗り出そうとする小舟のようである。荒波に翻弄されなければ良いがと思う。
1056.4月4日() 3度目のお花見を楽しむ。
 千葉・幕張小学校のクラスメートらと錦糸町で待ち合わせ、毎年新年会をやっている「翁寿司」で食事をして上野公園でお花見である。今年3度目のお花見だが、今日は最高の人出が予想されていた。幸か不幸か、天候があまり良くなかったので、どこも人出はそれほどでもなかったようだ。しかし、JR上野駅公園口前から人、また人である。ただ歩いて公園内を一回りしただけだったが、桜は実に見事に咲き誇り、まさに満開で公園内には大勢の花見客が座り込み、酒で賑やかに盛り上がっていた。
 今日集まったのは10人。幹事の高橋くんがそろそろお役御免にして欲しいと言い出したが、後任に適役が居ない。取り敢えず来年は川上くんにお願いすることになった。10人のうち、男は3人だが、この年齢になると大体女性の方が集まりはいい。だが、女性で旧姓板橋さんが亡くなったというし、男性では辻田義彦くんが亡くなった。誰かが言っていたが、この「和会」もいつまで続けられるだろうか。世の倣いとは言え、年々寂しくなっていくような気がしてならない。
 さて、先月31日に高校無償化が今年度の予算として認められたが、懸念されていた朝鮮学校は結局対象から除外された。ただし、「日本の高校に類する教育をしているか」を検証したうえで、除外措置を解除するかどうかを夏までに判断するという。今のところ、どうなるか分からない。政治家よりも地域住民の方がよほど真剣に考えている。
 東京朝鮮中高級学校があるJR十条駅周辺の商店会が「無償化の対象から朝鮮学校を外さないで欲しい」と国会の文部科学委員会へ要望書を送った。夏までに結論は出るが、今もって政治家の態度が右往左往している。考えなければならないことは「次代の子どもたちの教育」と「差別化しない」という点である。ならば予断を持たずして判断にそれほど頭を悩ますこともないのではないか。どうして即断できないのか頭を捻らざるを得ない。
1057.4月5日(月) フォークランド島紛争を思う。
 昨日はお花見を楽しんだが、曇天ながらもこの時期に満開というのは例年に比べると大分遅れている。今日も朝から雨と肌寒い気温に見舞われ例年とは変わった気象変化にいささか戸惑っている。やはり地球全体の温暖化現象が、逆の影響をもたらしているようだ。
 さて、今地球の反対側にあるアルゼンチン沖合の英領フォークランド諸島に一部で熱い視線が注がれている。今年2月にフォークランド島周辺海域で海底油田開発を目指してイギリスの石油会社が始めた試掘に対してアルゼンチンが反発し、緊張が高まったのである。実は、その背景には28年前のフォークランド戦争がある。
 今でも忘れられないのが、その28年前の1982年5月文部省教員海外派遣団の添乗員としてイギリス・マンチェスターに滞在していた時、偶々イギリスとアルゼンチンの間で勃発した戦争である。一週間ばかり滞在していた間に、毎日朝から晩までテレビで放映される戦争関連ニュースに、いささか辟易しながら関心も持った。戦争という概念に新しい1頁を加えてくれたような戦争だった。
 イギリス海軍艦隊がイギリスから遠路フォークランド島へ向けて移動していったが、テレビでその様子を毎日飽きることなく、今日はこの辺りを航行中という具合に報道していた。その報道スタンスに興味と若干の違和感を持ったのは、3つの点においてである。
 ひとつは毎日毎晩のように、入れ替わり立ち代り戦死した兵士の母親が、遺影を抱いて現れては涙ながらに、息子は優しくて誰からも愛されていた。自分の愛する息子を死へ追いやったこの戦争が憎いと語っていた母親たちの同情を呼ぶ姿であった。二つ目は、王室が参戦することに賛否両論があった中で、イギリスのチャールス王子だったか、アンドリュー王子が軍人の義務としてこの戦いに従軍したことである。三つ目はこのスピードを要請される時代に、実にゆっくりとしか進まない応援部隊の艦隊の大行進が滑稽に見えたことで、司馬遼太郎が「坂の上の雲」に描くところの、80年前のバルチック艦隊の東方への進軍イメージとダブって見えたことである。
 こうしてやっと辿り着いたフォークランド島では、イギリス軍は物量と強力な戦闘力でアルゼンチン軍をたちまち圧倒した。われわれが6月に帰国したころには、アルゼンチン軍は降伏して、この戦いに政権の浮沈を賭けていたアルゼンチン軍治政権はあえなく崩壊した。日本から遥か離れた土地で交わされた戦火だったが、昨日のことのように今でも強く印象に残っている。
 現在も両国は互いの領有権を主張して譲らない。相変わらず領有権を巡る係争はくすぶり続けている。イギリスにしてみると、イギリスが開拓した土地に住む島民はイギリス帰属を望んでいるので、住民投票をすれば良いと公言しているが、一方のアルゼンチンにしてみると大陸南端から500kmの島嶼は感情的にも自国領土との意識が強い。
 いずれにしても、その土地に「財宝」が眠っているとなると、つい欲の皮が突っ張って、それまで放っておいたくせに、急に所有権を主張し出すからややこしくなる。日本ではあまり関心の持たれていない戦争であるが、この行く末はどうなるだろうか注目してみてみたい。
1058.4月6日(火) 中国政府の強引な手法

 JN協会で発行する「観光書」の内容3章のうち、「観光」章については私が執筆しているが、イタリア・ミラノで活躍している大島悦子さんもイタリア観光について執筆することになっている。偶々一時帰国中の彼女が明日再びイタリアへ発つので、打ち合わせをしたいと昨日電話があり、今日ハイアット・リージェンシー東京で昼食をともにしながら打ち合わせた。
 本書はJN協会編集による共著であるが、やはり共著となると関係者の合意を取り付けるのが難しい。つい最近も「知の現場」で思い知ったばかりだ。本来は中心となる人が、主旨や、内容、文体、ボリュームなどについて説明し、関係者を納得させて方向づけするというのが望ましいが、中心となるべき人がリーダーシップを取らないので、どうも各執筆者が勝手に作業を進めているという印象である。それぞれの執筆者がそれなりの実績のある人ばかりだから、調整は余計難しい。大島さんとは頁数の分担など、ある程度すり合わせをしたので、今後はメール交信により連絡するようになる。私自身原稿は半分くらい書いたので、今後後半部を一気に書いて早く全文推敲へ持って行きたい。
 昨日、そして今日、中国に関するニュースがマス・メディアを賑わせている。ひとつは、中国の石炭運搬船がオーストラリアの「世界遺産」グレート・バリア・リーフ内で座礁して重油が漏れ出し、沿岸のさんご礁の汚染が心配されていることである。オーストラリア政府の発表によると、船はルールを無視してさんご礁内へ入り込み座礁したらしい。どんな意図があって中国船は禁止水域へ侵入したのか不明である。
 もうひとつは、大連の刑務所に拘留中の日本人死刑囚の死刑が今朝執行されたニュースである。死刑囚は4年前麻薬密輸犯として逮捕され、死刑が確定していた。日本なら精々15年未満の判決らしい。日本政府は中国政府に対して懸念を表明していたが、強く諌めるとか抗議するということはなかった。所詮外国で犯した犯罪にその国が自国の法律に基づいて下した判決に対して、とやかく言うことは憚られるが、判決の経緯が不透明であることや、審理を充分に尽くしたかという点において疑問が残る。日本政府の及び腰はあまりにも卑屈である。
 6年前のサッカー・アジア・カップで地元中国チームが敗れた腹いせに、応援の中国人ファンが、暴徒となって日本選手に野次や物を投げつけた挙句に、スタジアムに来ていた日本公使の公用車を襲って破壊したが、この暴挙に対して中国政府は一切謝罪しなかった。先日2年前の毒入りギョーザ事件の中国人容疑者が逮捕された際も、犯罪は日本国内で仕組まれた疑いが強いとする中国は、日本に犯罪の原因と疑いがあると主張し続けていた。にも拘わらず、中国人が犯人と判明し逮捕されても、これまでの不実に対して中国は日本に謝るような態度は見せないし、日本が中国に対して幾分なりとも謝罪を要求したというような話や形跡もない。
 つまり、今回の事件に限らず、今まで日本は中国の言いなりで、言われっ放しなのである。
 もう少し言うべき時にははっきり物申す姿勢を明確にしない限り舐められ続けて、今後も思い上がっている中国の風下に立ち続けることになるのではないか。
1059.4月7日(水) アメリカ、核制限へ新戦略
 オバマ大統領が中期的な核政策の指針、核戦略見直しを発表した。ふたつほど大きなポイントがある。ひとつは、アメリカは核不拡散条約加盟国で核不拡散条約を遵守する非核保有国に対しては、核攻撃をしないということと、もうひとつは新たな核弾頭開発をしないということである。
 昨年4月8日にオバマ大統領がチェコ・プラハで将来の核廃絶「核なき世界」を目指すとのスピーチを行った。それを国際社会は高く評価し、一斉に歓迎し、大いに期待した。それが、昨年オバマ大統領がノーベル平和賞を受賞した大きな理由となった。ノーベル賞委員会は、平和に対して確たる実績のないオバマ大統領に、敢えてノーベル平和賞を授与することにより、平和への貢献を期待することを無言のうちに訴えた。今日のスピーチは取り敢えずオバマ大統領にとってひとつの理念と構想を発表する形となった。
 しかし、戦争なんて相手国に先制攻撃をかけることにより優位に立つことができる。過去の戦争を見てみても相手国を出し抜くことで戦われてきた例は数々ある。核保有国も非核保有国も、果たしてどこまでオバマ・ステートメントを信用し、また先制攻撃をかけないと言えるだろうか。理想がどこまで現実の世界で実現できるか。それでもなおオバマ大統領の心意気は大いに善しとしたい。今後もオバマ大統領の行動を注目して見てみたい。
 さて、案の定というべきか、新党結成を目論んで自民党を離党した与謝野馨氏らの行動に対して、メディアの評価は厳しい。取り敢えず意思を表明した議員が4人で、あと一人が参加して党員5人にならなければ政党助成法の対象にもならない。しかも4人の平均年齢が69歳とやや高齢で、フレッシュな若者の出現が望まれている現状ではあまり評判がよろしくない。母校の先輩である石原慎太郎・東京都知事がバックアップしているようだが、ムード的にも新党発足時に漂う清新さとかエネルギーのような、新しい政治を起こすという期待感とか、わくわくするような高揚感のようなイメージが湧いてこない。それに政策的にもただ民主党を倒すためと言っているが、具体的な政策とかビジョンを明確に打ち出さないことも彼らの目指す目的が明確に伝わらない原因だろう。
 幸いにして72歳でやや年齢が高いが、中川義雄参議院議員が自民党を離党して新党への参加を示唆している。これで取り敢えず政党助成法の成立要件は満たすことができそうだ。さらに石原都知事が新党を「たちあがれ日本」と命名した。漸く党としての形ができて出発できることになりそうだ。
 それにしても、これまでの経緯を見ていると政党を新たに立ち上げるというのは、如何に大変であるかと想像できる。これだけの大物が寄り集まっても中々同士を集められない。ずばり言えば、リーダーである与謝野氏と平沼氏にかつての魅力がなくなったからだろう。
1060.4月8日(木) 理不尽な賃金未払い労働
 近所にイタリア・レストランがある。そのチェーン店のアルバイト店員が残業代の未払い分を要求して裁判を起こした。労働基準法に変形労働時間制というのがあり、一定期間の労働時間が平均週40時間以内であれば、特定の日に8時間を越えて働かせることができる。このチェーン店はこの法律を乱用して1日8時間を超える労働時間分に賃金を支払わなかった。この未払いに対して店員が訴訟を起こし、当然の結果として、昨日裁判所はレストラン側に支払いを命じる判決を下した。
 賃金未払いに関して自分自身の経験上こんなことがあった。鉄道会社入社後一年半の間見習い駅員として駅の現場で日夜働いたが、当時は24時間勤務の隔勤勤務という特殊な勤務体制が施行されていた。朝9時から翌朝9時まで勤務した後仕事から解放され、翌朝9時に出勤してまた翌々日の朝9時まで働く勤務状態だった。
 ある朝、明け番となって帰ろうとしていた時、不意に当時の駅助役から呼び止められた。勤務駅近くに住む本社直属部署管理職自宅の大掃除を、勤務に当たる先輩に手伝ってもらうから、明け番で帰ってもいいが、できれば先輩の代わりとしてそのまま勤務を続けて欲しいと頼まれ、大掃除の終る夕刻まで引き続いて駅に勤務して、結果的に一昼夜半勤務をすることになった。先輩がボランティア活動で開けた穴を、私が業務として肩代わりする結果となった。
 夕方になり手伝いを終えて戻ってきた先輩に業務を引き継ぎ、やっと仕事から解放されたが、結局手伝った先輩は上司に好い顔をし、一方でそのまま勤務を続けた私は賃金に値するものは何ももらえなかった。無償で働いたことになった。新人社員でもあった私は、そのまま黙って引き下がったが、その時言い知れぬ理不尽さを感じ、大学ゼミの恩師にその事実をお話したことがある。労働問題の専門家である恩師は、はっきりこれは看過できない問題だと仰っておられた。話を聞いた亡父も、この行為は従業員をタダで働かせるものだと怒っていた。新人であるが故に騒いでことを荒立てることは本意でなかったので、そのまま黙って放念することにしたが、その事実に割り切れなさを感じ、終日不愉快でならなかったことを思い出す。
 他にもこういう理不尽な扱いを受けた駅員もいたのではないかと思う。あの時代は、適当に上司にゴマをすり、点数稼ぎをする人間がいる反面、そんな気持ちをうまく利用したずるい上司がいたのだろう。いつも皺寄せを受けるのは、タダ働きのペエペエである。もう亡くなったが、あの時大掃除を手伝ってもらった管理職や、その手配をした助役は、部下である見習い駅員を一日私的なことで時間外に働かせたことに対して、その時何の痛痒も感じなかったのだろうかと今でも不信感が拭えない。
 今なら大きな問題となりそうな、こんな馬鹿げたことはしないと思うが、半世紀近くも前はまだまだ、労働者は本音や正論を言えず押さえつけられていた。そして、現場には上司に逆らえない「物言えば唇寒し」の空気が流れていた。アルバイト店員とは言え、きちんと裁判で筋を通したことは勇気のいることであり、訴えたのは気骨のある人だと思う。
1061.4月9日(金) 米ロ、核軍縮へスタート
 やはり今朝の新聞のトップ記事は、「米ロ、核軍縮条約署名」だった。アメリカのオバマ大統領とロシアのメドベージェフ大統領が新たな核削減条約に署名した。昨年4月8日チェコのプラハでオバマ大統領が核廃絶に向けて電撃的な宣言を行い、世界中をあっと言わせた。実現には多くの課題があるが、これまで拡大に次ぐ拡大の道を歩んできた核開発に一時的にストップをかけたことは評価されるべきである。実際、米ロ両国の所有する核は全世界が持つ核の約9割に相当するので、強いメッセージとなった筈である。それが、1年後のオバマ大統領のスピーチとなり、昨年のスピーチと同じプラハで、2大核保有国が揃って軍縮について発表することになった。
 まだまだ前途は遼遠である。実際オバマ大統領は、「長い旅の一歩」と言い、これから戦術核や保管中の核兵器の削減を進めるとの考えを示した。
 しかし、核保有国の間で核不拡散条約(NPT)により核保有を認められている英仏中は、米ロに次いで自ら核を削減しようという動きを示そうとの考えはない。サルコジ・仏大統領の如きは、減らすことはいいことだが、米ロが自分たちの保有量まで減らしたら、自分たちも削減を考えようとまったく不誠実なコメントを述べている。中国もほぼ同じような考え方である。これでは広島や長崎市民を始め、多くの平和を願う人びとの核廃絶へ向けた願いを逆撫でするようなものだ。それほど一旦広げた核拡散の流れを元へ戻すのは難しいということである。
 それにしても、つくづくオバマ大統領とメドベージェフ大統領の舞台回しの上手さに舌を巻く。日本ももう少し外交舞台で上手く立ち回ることができないだろうか。
 JN協会の4月定期セミナーは、ラオスについて「千葉県JICAシニアボランティアの会」の後藤優さんと仰る方が話された。ラオスについては、ベトナム戦争中パテト・ラオの活動を通じてかなり関心を持っていたが、実際には行ったことがない。ラオスは今もって貧しい国で、日本の有償、無償協力援助により開発が進められている。そんな恩義を感じてか、海のない国でありながら、鯨の捕獲に対して国際委員会で日本の立場に理解を示してくれている。
 しかし、国家として経済発展の阻害となったベトナム戦争が終っても、相変わらず復興、発展は遅々として進まず、周辺諸国に大きく立ち遅れているのが現状である。ラオスの現状についてパワーポイントを使いながら、現地に足を置いた活動をしなければ分からないことをたっぷり話してくれた。
 昔ビルマ巡拝慰霊団をお世話していた頃に、戦時中ビルマ・メイクテーラ周辺に作戦展開していた第5飛行師団隷下第52飛行場大隊の旧軍人さんから何度か生々しい話を聞いた。第52飛行場大隊に所属していた岩村さん?という方が、終戦後部隊から脱走しラオスへ侵入して、現地有力者の娘と結婚してラオス軍内部で昇進し、ラオス陸軍士官学校長にまで上り詰めた。ラオス軍兵士の教育に当たり旧日本軍仕込の厳しいやり方で辣腕を揮っていた。事実NHKドキュメンタリー番組で、岩村?陸軍士官学校長が軍服を身につけ溌剌とした活躍ぶりを観た記憶がある。ベトナム戦争が終わり王室系の保守政権が倒れ、岩村さんは失職した。
 しかし、前政権時代にラオス政府と現地の日本大使館とのパイプ役も務めたので、大使館に嘱託雇用されていたと戦友会で伺った。しばらくして岩村さんの消息は、すっかりマス・メディアから聞かれなくなった。
 後藤さんは、長らくラオスに滞在して活動していたので、その辺りの事情についてひょっとすると知っているのではないかと考えたが、後藤さんはご存知ではなかった。特殊なケースなので、関係のあった在ラオス日本大使館に確認するのが手っ取り早いかも知れない。後藤さんは、日本人のラオス関係者に尋ねてみるというお話だった。
 岩村さんを過酷で波乱の運命へ引きずり込んだのは、あの大東亜戦争である。核削減により多少明るさが見えてきたとは言え、たったひとつの核保有でも戦争の危険を孕んでいる。何とか戦争への道を途絶させる術はないものか。
1062.4月10日(土) 外交機密文書裁判で原告団が全面勝訴
 民主党政権になって以来、外交文書密約について外務省も広義の密約があったという言い方で密約を認めた。しかし、どうにもすっきりしなかったのは肝心の外交文書を紛失したとの外務省側の説明である。国家機密が盛られた重要文書が無くなっても、それを公式に発表しないばかりでなく、関係者が誰一人として誤りを認めようともせず、責任もとろうとしないことである。日米間の外交文書という重要書類がいかに時は経過したとはいえ、重要書類だけに管理責任者が金庫へしっかり保管し、閲覧の際にも目を光らせておけば、そう簡単に自然紛失するものではないのではないかとの疑問は以前からあった。密約がありながら、ないと嘘の証言を繰り返してきた政治家や外務省幹部職員にとって、隠し通せなくなって都合が悪くなり意図的に廃棄処分したのではないかとの疑念が拭いきれない。
 折りも折り昨日東京地裁は、密約の存在を認定したうえで、文書は極めて重要性が高く、国が保有していると判断した。それにも拘わらず充分探さずに不開示としたのは違法と述べ、外務省と財務省に関連文書を全面開示するよう命じた。さらに、国民の知る権利をないがしろにした対応は不誠実とまで決め付けた。紛失されたとされたこれらの外交文書は、永久保存対象など重要性が極めて高く、外務省などの通り一編の調査だけでは合理的かつ十分な探索をしたとはいえず、廃棄されたとも認められないとして文書の存在も認定した。
 つまり裁判所として外交文書は外務省が隠匿していると看做している。判決では、歴代外務事務次官をはじめ、文書作成の時期移行に関与した可能性のある者に聴取することが求められるとして、徹底した再調査をするよう求めた。ここまではっきり証拠の提出を求められるとは考えていなかった岡田外相もちょっと戸惑い気味である。だが、司法はそう認定した。外相は裁判所に対して控訴も検討しているなどと馬鹿なことを言っているが、最早矢は放たれた。裁判所も指摘しているように、すぐさま歴代外務次官以下に事情聴取するべきではないか。さもないと外交機密があったかどうかを徹底的に内部調査すると言った手前、外相も格好がつかなくなるのではないだろうか。
 これまでとかく官には逆らわずという諦めムードと、役所がすべて調べたという言葉を本当かどうかまで追求する裁判はなかったような気がする。その意味では、好い加減に対処する役所の体質に鉄槌を下したとも受け取れる。
 それにしても本裁判の原告団の中心人物・西山太吉氏の国家に対する真相究明の辛抱強い戦いには頭が下がる思いである。今晩NHKドキュメンタリー45分番組「追跡!A to Z−密約問題の真相を追う」でも、事件の本質と裁判の経緯が詳しく放映された。
 今月2日に広島球場グランドで倒れ亡くなったプロ野球巨人軍・木村拓也コーチの葬儀が広島市内で行われたが、その場面をNHK7時のニュースで放送したのは極めて珍しい。昨年まで現役プレーヤーとして活躍し、今季からコーチとしてスタートしたばかりだった。練習熱心で、人柄も良く人望もあったようだ。それが、野辺の送りに多くの人が集まった原因だろう。偶々そこで弔辞を述べていたのが、ゼミの友人で巨人軍オーナーの滝鼻くんだった。最近会う機会が少なくなったが、読売新聞社社長を辞めてもまあ元気そうで安心した。
1063.4月11日(日) 世界が注目する二つの事件

 昨日衝撃的な事件が2件起きた。ひとつは、ポーランドのカチンスキ大統領夫妻、中央銀行総裁、軍幹部らポーランド要人が搭乗した同国特別機が、ロシア西部スモレンスク州カチン周辺で墜落炎上して搭乗員を含む96人全員が亡くなったニュースであり、もうひとつはタイ・バンコック市内で警察と前首相タクシン派デモ隊の衝突により、ロイター通信の日本人カメラマンが昨年のビルマ騒動に続き亡くなった、残念なニュースである。
 前者は、今年70年目を迎えた「カチンの森事件」犠牲者約2万2千人のための追悼式典に出席するため現地へ向かう途上で事故に遭った。「カチンの森事件」については、つい2年ほど前まで寡聞にして知らなかった。1940年第2次世界大戦中に、ロシアがポーランド軍将兵を大量虐殺したとして、ロシアにとっては心の棘となっていた事件であり、つい最近まで頬被りをしていたが、近年その事実を率直に認め公表してポーランドとの和解を図っていた矢先の不慮の事故である。不思議なことに、すでに一度追悼式典を行い、プーチン首相が弔意を表したその式典にポーランドのトゥスク首相も出席している。大統領は首相とは肌が合わず、何らかの思惑があるようで最初の式典に出席せず、改めて2度目の式典に出席する予定だった。理由はともかく、大統領夫妻にとっては不運だったとしか言いようがない。
 後者は、タイ・アピシッド政権と対立しているタクシン前首相派の反政府集会の取材中にデモに巻き込まれ命を落とした。死者は21名に上がる。4年前の軍部クーデター事件以来タイ政権は不安定な状態が続いている。これまでは、東南アジア諸国でも比較的政権が安定していると言われていたタイだが、最近の政治不安定と社会秩序は少々酷い。タイ在住の日本人も不安が消えないとこぼしていた。タイの政情が不安定になると、いずれその不安は近隣諸国に伝播して、アジア全域が不安定になる。すると経済活動に影響が出て日本にも余波が押し寄せてくる。何とかタイの政情が落ち着いてくれることを祈りたい。
1064.4月12日(月) 井上ひさしさん逝く。

 作家・井上ひさしさんが肺がんのため9日亡くなった。9日朝退院して鎌倉の自宅へ帰ったその晩容態が急変して、家族に看取られながら逝かれた。
 健康上の理由からだろうか、日本ペンクラブの会長も一期しか務められず、現会長・阿刀田高氏へ譲られた。4年前の日本ペンクラブ総会では、総会議長の役割を担うべき職責にあったが総会を欠席された。その当日、井上夫人の実姉である作家・日本ペンクラブ理事の米原万里さんが亡くなられたからである。2度ばかり議長としての采配ぶりを間近に拝見させてもらったが、どことなくユーモラスな語り口だったような記憶がある。
 昨夕刊と今朝刊が休刊だったので、記事が溜っている筈なのに、今夕刊を見ると意外なくらい井上さんの訃報に大きなスペースを割いている。あまり気がつかなかったが、それだけ存在感が大きかったのだ。前会長の哲学者・梅原猛氏、現会長の阿刀田高氏、演出家の蜷川幸雄氏らが死を惜しむコメントを述べている。作家として、劇作家としてたくさんの小説、演劇作品を残した。文化功労者でもある。
 氏を有名にしたのは、本業以外では遅筆家として、度々公演の延期や中止があり、本気なのか冗談なのか自らを「遅筆堂」と名乗っていた。前夫人とのどたばた離婚も世間の注目を集めた。
 NHK人形劇「ひょっこりひょうたん島」の作者だったとは知らなかったが、「吉里吉里人」のユーモア溢れる作風とストーリーはあまりにも有名で、実際読んでいても面白く、つい含み笑いをしてしまったくらいである。結末があまりにも意外で呆気に取られた。何でも大切なものを隠した場所がトイレットの「キンカクシ」だった。思わず噴出してしまった。こういう馬鹿げた話を真面目に取り上げて小説にしてしまうところが井上流らしい。何でも「・・・まじめなことをおもしろく、おもしろいことはいっそうおもしろく」と言っていたそうである。そう言えば、どうやらこの「キンカクシ」というのが、強烈なエスプリを効かせるのか、先日友人・呉忠士くんから送ってもらった手紙のコピーを思い出す。
 手紙とは、呉くんの父上で古代ギリシャ文学の碩学・呉茂一東大教授へ宛てた弟子三島由紀夫の手紙である。三島はその手紙の中で、自作品「金閣寺」について大岡昇平が「キンカクジ」ではなく、「キンカクシ」と読んだと言って呆れている。「キンカクシ」というと大抵は碌なものを思い出さないが、小説のネタや、文学者が使うと「キンカクシ」も多少格が上がるから不思議なものである。
 いずれにせよ、異色な作家はまだ75歳だった。惜しい人をまた喪った。ご冥福をお祈りする。
1065.4月13日(火) わが国の前途に光明が見えない。

 アメリカのオバマ大統領のお声掛かりによってワシントンで核安全サミット‘NUCLEAR SECURITY SUMMIT’が開催され、日本からも鳩山首相が出席した。核不拡散から最終的にはオバマ大統領の宣言通り核廃絶を目指しているが、各国の思惑に左右されそうな様子で、ことは簡単にはいかない。この会議の一番の目標は、テロリストに小さな核でも手に入れさせないようにすることである。‘Dirty bomb’といわれる核燃料のチリやゴミを含めてのことである。
 それにしても鳩山首相のこの会議における影の薄さはあまりにも情けない。まるで幽霊である。核の安全に関する国際会議で、唯一の被爆国という切り札がある日本の存在があまり顧みられないのはどういうことだろうか。首相だけではなく、外務省の事務方にも問題があるのではないか。
 国際的な評価という点でこんな有様だから、国内的な評価は推して知るべしである。このところ鳩山民主党政権に対する世論の支持が下がりっ放しで、大体各メディアの世論調査でも支持率が30%前後にまで落ちている。これも最近の国際社会における日本の薄い存在感と軌を一にしているのではないか。発足当初は、70%にも達していたのが、その正反対となり、支持しない人も増える一方である。
 民主主義の原則として政権は国民の支持によって支えられていることは言わずもがなである。民主党政権が信頼を失ったとするなら、その対立軸にある自民党が上昇気流に乗るかと思いきや、この党は内部紛争が表面化して一向に支持率が上がらず、民主党と轡を並べて地盤沈下している。結果的に無党派層と称せられる人たちの数が増え、今ではどの調査をみても無党派層が全体の三分の一を占める状態である。
 しかし、意見がない人たちが全体の三分の一もいることは異常な事態だと言わざるを得ない。国家の政策も戦略もその都度、意見を持たない人びとに尋ねるということになる。これでは国家百年の計なぞ確立しようがないではないか。
 こういう無党派層が増える中で、新たな息吹として新しい政党の誕生が待たれるところだが、先日結党した「立ちあがれ日本」には、あまり好意的な賛同が寄せられていない。「反民主党」「非自民党」と打ち出した点が、孤高の存在感を示したが、こういう戦法だと賛否両論の決着をつける際に、キャスティングボードを握ることができないのではないか。それが、ひとつ国民からあまり期待を寄せられない原因ではないだろうか。それに、中心人物の与謝野馨氏と平沼赳夫氏の郵政民主化に対する考え方が正反対であり、それが不満分子の寄せ集め集団と見られ、国民から信頼されない最大の原因なのではないだろうか。
 国内的にも国際的にもわが国の前途には一向に光が見えない。
1066.4月14日(水) 日本の政治力は劣化する一方?
 どうしてこうも日本の政治がメチャクチャになってしまったのだろうか。昨日から始まった核安全サミットを考えてみると、言い出しっぺはオバマ大統領で、会議を仕切るのもオバマである。47カ国首脳が参加した国際会議でありながら、事前にそれほど日本では報道されなかった。開催のアイディアが内々に日本政府に伝えられたのも、他の主要国に比べてかなり遅れていたのではないかと思っている。その結果オバマ大統領との公式会談が実現できたのは十数カ国首脳だけであり、その中で最も注目を集めたのは胡錦濤中国主席との会談で、台湾への武器売却、ダライ・ラマ14世との会談、イランへの制裁、などについて話し合ったようだが、一番の懸案事項は、人民元の切り上げ、グーグル問題から透けて見える言論弾圧等々、話し合いのテーマは尽きなかったようだ。これらの問題をすべて話し合ったわけではないが、予定をオーバーして1時間半も両首脳の話し合いが持たれた。
 一方鳩山首相とオバマとの会談は、昨日夕食時間の合間にたった10分間だけだった。それもまったく実りのない非公式会談に過ぎなかった。
 その挙句に次の2012年開催地は韓国に決定した。北朝鮮を意識したものであるにせよ唯一の原爆被爆国であるわが国は、単に「原爆被爆国」というお墨付きをもらっただけで、被爆国の反原爆活動も惨禍もまったく軽視された事実は捨て置けない。日本が広島か長崎で開催することをアメリカは警戒したのだろう。いずれにせよアメリカの意向が何となく日本を忌避している印象を受ける。 一方鳩山首相とオバマとの会談は、昨日夕食時間の合間にたった10分間だけだった。それもまったく実りのない非公式会談に過ぎなかった。
 鳩山首相は政権発足時これからはアメリカに対して物申すと勇ましかったが、膠着している沖縄普天間基地移設問題を始めとして、トヨタ・リコール問題等々を見ても、最近のアメリカの日本に対する態度は決して友好的と言えるものではなくなった。こういうギクシャクした関係を、かつての蜜月まで復活させるためにどうすれば良いのか。鳩山首相には大きな責任がある。
 国内では普天間の移設候補地問題で、名前の挙がった候補地では強い反対運動が起きつつある。この辺りの民主党の物事の決定のやり方が上手くない。今朝の新聞を見ると、「普天間5月決着絶望的」と書かれている。その他にも有明海干拓地問題もこじれている。今日13年目を迎えて、干拓地の扉を再び開けるかどうかで、佐賀県と長崎県で意見が割れ、農業従事者と漁業関係者でもまったく対立している。どうしてこういう馬鹿なことが繰り返されるのだろうか。これは必ずしも鳩山政権の責任ではないが、政治の非力さとか、政治家の好い加減さ、思いやりのなさが偶々表れたに過ぎない。
 こんな状態が続いていると日本は、どんどん劣化していくのではないかと心配である。
1067.4月15日(木) 国を代表する人物の器の違い

 一昨年の四川大地震に次いで、中国内陸部でまた大きな地震があった。前の地震震源地と600km程度しか離れていない、青海省玉樹チベット族自治州玉樹県において起きたM7.1の大災害である。既に600人を超える犠牲者を出しているらしい。チベット人が居住する貧しい山間部で、住宅も土台が弱くて8割の建物が崩壊したと聞く。映像を見る限り貧弱な住居に住む貧しい人びとが罹災者となっている。訪米中の胡錦濤主席は、即座に人命救助を優先して災害救助隊を派遣するよう指示した。自然災害とは云え、犠牲者をお気の毒に思う。
 このたびの核安全サミットにおける鳩山首相の薄い存在感に比べて、圧倒的な存在感を与えた胡主席は、今や中国がアメリカと並んで世界の世論をリードする象徴であると評してもいい。実際ワシントン・ポスト紙のコラムでは、胡主席に対して最大の勝者と評価したのに対して、残念ながら鳩山首相は最大の敗者であると決めつけられた。さらに、オバマ大統領は首相に対して普天間移設問題が一向に進展していないと指摘し、首相に不信感を表明した。この不信感を今後どう払拭させることができるだろうか。そして基地移設問題をどこに落としどころを見つけるのか。やれやれである。
 さて、一昨年の地震にしろ、今回の地震にせよ、偶然であろうが、前回は北京オリンピック3ヶ月前の惨事で胡錦濤主席が来日中だったが、今回も上海万博1ヶ月前で胡主席が訪米中である。「好事魔多し」を証明することになってしまった。
 中国経済は好調を維持しているようで、今日発表された1〜3月のGDP実質成長率は、対前年11.9%の伸びを示した。世界中でひとり勝ちの感がある。貧富の差が激しい中国で、特に取り残されている内陸部の映像を見た限りではではとてもそれだけの経済力があるとは思えない。地震被害を受けた地域の住民は貧しく、事故が起きてもすぐ対応できない。結局メンツに拘る中国政府も諸外国の緊急援助を仰がざるを得ないことになる。
 余計なお世話だが、中国は貧富の差の激しい社会構造をもう少し平均的に恩恵を受けられる、中間層の多い国民生活のパターンへ改造していかないと、国民にとっては幸せな生きがいを感じない国になってしまうのではないか。
 振り返ってみると1970年代後半に初めて中国を訪れた当時の写真に見られる、自転車がひしめきあう街頭風景や、紅衛兵の人民服姿などを今日の街の姿と比較してみると、まったく別世界である。一足飛びに経済的に豊かな生活を望み、労働より享楽を選んだ結果が現在のような国の隅々までは恩恵が行き届かない歪んだ社会構造になったのだと思う。
 それにしても是非は別にして中国の存在感と勢いは凄まじいものだ。中国のトップは、近年の日本の総理大臣らと比べてもその差は歴然としている。これは現在の両首脳、胡錦濤と鳩山由紀夫の器と格の違いだろう。今朝の週刊誌の広告でも、わが国総理大臣・鳩山由紀夫はアメリカの一部のメディアでは馬鹿者扱いにされているという。「鳩山総理にアメリカが音を上げた。バカが専用機でやって来た」(週刊文春4.22号)。もうこうなるとがっかりを通り越している。
 歴代首相がほとんど二世政治家の甘いお坊ちゃんばかりということが大きな原因だろうか。苦境を切り開くことができない温室育ちばかりが総理大臣にな(れ)る。トップがこれほど外から馬鹿にされては、情けなさも尋常ではない。坂本竜馬に人気が出てくるわけだ。

1068.4月16日(金) 中国政府の愚かな言論封殺

 二男が4年前に転勤以来勤務先である新潟へ行かなかったので、妻ともども1泊2日のスケジュールで新潟を訪れ、新潟駅前のホテルで本ブログを書いている。他には何の計画も立てなかったので、特別に訪れる名所旧跡もなく、その意味ではあまり建設的な旅行ではない。
 二男に会う前に時間があったので、「朱鷺メッセ」に行ってみようと考えた。調査不足とはこんなことも言うのだろう。観光コースにも入っていて市内バスも寄る場所なので、ついトキを飼育しているか、関係資料を展示している博物館ではないかと思ったが早トチリだった。何のことはない、コンベンション会場だった。「メッセ」という名の通り、日航ホテルに隣接された国際会議場で、早トチリもお粗末と言えばお粗末だった。メッセの隣に31階建ての高層ビルが建っていて、その屋上の展望台から佐渡も見渡せ雪山も見える展望が素晴らしく観光客が押し寄せると聞いたので、行ってみた。確かにその点では中々のビュースポットだった。可笑しいと感じたのは、「ベフコばかうけ展望室」というその名前だった。「朱鷺メッセ」を勘違いして訪れた場所が、「ばかうけ」というのは、いかにも馬鹿にされたようで情けない。
 夕食は久しぶりに二男と寿司店でゆっくり嗜むことができた。
 中国青海省の大地震は、死者が800人に迫っている。あまり素直でない中国政府は各国からの援助を断っている。まったく馬鹿げている。こんなことで苦しむのは、自国の住民であることが分かりそうなものなのに、中国政府は敢えて有難い援助の手を断わろうというのだから、血迷っていると云うべきか、思慮不足もいいところだ。中国政府はチベット族が多い地区では下手に外国人が入って実情をありのままにリポートされることを恐れているようだ。日本やアメリカなどは、救援・復興活動に取り組むとの声明を出したが、中国は外国からの救援隊の受け入れに消極的である。被災地までは遠く、外国の救援隊が現場に到着するのはかなり遅れるとか、四川大地震よりも政治的に敏感な地域に外国の部隊は受け入れられないと明かしている。台湾当局も、日本赤十字社も現地の混乱を理由に被災地入りを謝絶された。
 しかし、中国当局の真意ははっきりしている。共産党中央宣伝部が主要メディアに対して軍や救援隊による救助の遅れを批判する報道を禁じたり、被災者を慰問して回る共産党幹部の活躍を強調する報道を支持したり、詰まるところ通達では政府批判の報道を禁止し、党員を称揚することにある。
 ワシントン・ポスト紙では、核安全サミットの最大の勝利者は胡錦濤主席とヨイショしたが、救助が必要な被災者に救助の機会を与えず、事実を報道して、国民を惑わせて将来に禍根を残すことになりはしないか。言論弾圧がかつてのスターリン批判を引き起こした過去の実例を、現在の中国の指導部は気がつかないのだろうか。
 今のまま進むとすれば、いずれ中国指導層は大衆から激しく突き上げられる時代が来ると思うのだが・・・・・・。
1069.4月17日(土) 異常な自然現象の発生
 シベリア鉄道に乗るために新潟空港からウラジオストックへ向かったのは2003年3月だった。あの時もJR新潟駅前の「東急イン」に前泊した。7年振りの新潟の今朝は市内にこそ雪は見られなかったが、一部県内をはじめ各地に降雪があった。東京都内でも4月としては1969年以来の雪となり、一時上越新幹線も運行を見合わせダイヤが乱れた。
 妻の父親が新潟へ転勤となり市内に住んでいた昭和20年に、妻はこの新潟で生まれた。生誕の地、「学校町」について、ホテルで場所の見当をつけ、タクシーで訪ねてみることにした。運転手の説明を聞きながら案内してもらい、周辺で何枚か記念写真を撮った。妻も今まで気になりながら生まれた土地を訪れる機会がなかったが、漸く目的を果たすことができた。やはり嬉しそうで、その後二男のマンションを訪れても話題はそれだった。
 二男には十日町名産と言われる「へぎそば」を食べさせてくれる蕎麦店「小嶋屋」でご馳走になった。その名物蕎麦は知らなかったが、中々味のある蕎麦で旨かった。息子もあと一週間で37歳になるというのに、高級賃貸マンションに独り住まいで未だに結婚する気がない。現代の若者と同じく独身貴族生活をエンジョイして困ったものだ。晩婚傾向の現代、身近にひとつのサンプルを抱えることになった。世間並みの話をして早く所帯を構えるよう勧めたが、果たしてどうなるか。
 さて、中国青海省の地震は死者が1,100人を超えた。世界中から注目されているが、15日に別の自然災害が発生した。アイスランドで火山が噴火して、死者は出ていないようだが吹き上げられた火山灰が空中を浮遊してヨーロッパ北部上空を流れている。飛行中の航空機にとってはそれら火山灰がエンジンに吸い込まれるのが最も危険らしく、ヨーロッパで多くの空港が閉鎖され、それに伴い航空会社も欠航せざるを得なくなった。JALANA16日は欧州便が途中で成田へ引き返したり、キャンセルしている。航空便の欠航により、移動手段も大きく打撃を受け、航空機の旅客はユーロスターや、自動車へ代わった。列車は満員で、移動が思うままにならない。国際会議でも各国の首脳が目的地へ辿り着くことができず、国連も当面スタッフの派遣を見合わせる。
 こんな状況下で先日亡くなったポーランドの故カチンスキ大統領の国葬には、アメリカのオバマ大統領、ロシアのメドベージェフ大統領も出席の予定らしいが、果たしてポーランドへ無事到着できるのかどうか懸念されている。それよりも故大統領の遺体が葬儀当日までに葬儀場へ移送できるのか心配されているくらい、今回の火山噴火は世界中に大きな影響を与えている。
 さらに火山噴火で溶けた氷河の水で洪水が発生して付近の住民が避難を始めている。最近の日本の気象も様子がおかしいが、世界的にも地震、津波、火山噴火、等々が発生している。一体なぜこういう自然現象の急変が一時的に発生しているのだろうか。疑問と不安にぴたりと応えて納得させてくれる解説が見当たらない。
1070.4月18日(日) アイスランドの火山噴火が航空路を乱している。
 どうやらアイスランドの火山噴火が、ヨーロッパ内国際航空便の運行休止やら、空港閉鎖などに大きな影響を与えて国家間の移動にかなりの障害が表れ始めたようである。人の移動もさることながら、医薬品や、電子部品、生鮮食料品等物資の輸送面で相当影響が出て、極めて深刻な事態になっている。ヨーロッパ内の移動でも、ホテルが満室で予約できなかったり、入国ビザを求められる国民がビザなしで入国できず、空港のトランジットルームに留め置かれるケースもある。空港内で寝泊りする人、所持金が減って頭を痛めている人等々千差万別である。
 2週間前にゼミの先輩・利光國夫さんから奥さんと一緒に今日からイタリアへ旅行すると聞いていたので、火山噴火と空港閉鎖で果たして順調に旅行できるのかどうか少々気になっていた。特に今回は南イタリアを中心にローマ、ナポリ、カプリ島、アルベロベッロを楽しみに巡ると聞いていたが、ヨーロッパ航路のフライト状況は悪くなる一方だ。
 予定通り旅行へ出かけられたかどうか気になって、電話してみたら奥さんがすぐ電話に出られた。やはりフライトは飛ばず、自宅を出発寸前に旅行会社からキャンセルの連絡があったという。拍子抜けしてしまったと話された。でも考えようによっては、出発した後で同じような事態になったら最悪の場合帰ってこられなくなる恐れもある。それを考えれば不幸中の幸いと頭を切り替えておられた。
 それにしても身近の人の間にもこういう形で影響が及んできた。
 今日ヨーロッパ系航空会社が、火山灰が流れる空域のアッパーゾーンと、ロウアーゾーンをテスト飛行した結果、飛行に大きな問題はなさそうだということから、場合によっては近日中に航空会社の飛行再開が予想される。いずれにしろ現時点でヨーロッパに欠航便を抱える国は29カ国である。
 いつになったら、気兼ねなくヨーロッパの空を飛行機は飛ぶことができるだろうか。
1071.4月19日(月) 鳩山政権の支持率は僅か25
 一昨日自民党の舛添要一・前厚労相が大勢の記者を集め会見を行った。すわっ!自民党離党+新党結成か?と受け取っていたメディアは、「大山鳴動鼠一匹も出ず」に肩透かしを食らい、同氏お決まりのぬか騒ぎに終った。パフォーマンスの好きな政治家らしい人騒がせな顛末だった。これからも当分党内で執行部批判を続けるつもりだろうが、ある自民党中堅議員が言っていたように、狼少年もどきの行動をやっているようでは信頼できないので、同調する議員はいないだろうと醒めた見方をしていた。
 一方で昨日地方自治体の現・元首長による新党結成の共同記者会見が開かれた。その名も「日本創新党」と呼称する。国会議員は誰一人参加せず、山田宏・東京都杉並区長、中田宏・前横浜市長、斉藤・前山形県知事らが中心であるが、やはり外からは醒めた声が強い。「地方からの改革」を主張しているのに、現時点、或いは過去に地方行政の責任者でありながら、地方自治を放ったらかして、国会議員を目指して何ができるのかとの批判的な声があがっている。
 先日旗揚げした新党「たちあがれ!日本」からもどうもオーラが感じられない。そんな折も折り、鳩山政権と民主党の支持率がどんどん低下している。今朝の朝日新聞の世論調査をみると、その支持率は危険水域の30%を下回り、何と25%である。不支持率に至っては61%となった。もう完全に国民から見放されている政権である。「天声人語」では、あのどうしようもなかった麻生前首相の存在感に比較しても劣るとまで酷評されている。それでいて、穏やかな顔に似合わず権力志向はかなり強いようだ。だが、最早政権末期の様相で救いようがない。
 昨日徳之島で普天間米軍基地移設受け入れ反対の島民集会が行われ、全島民25,000人の内、15,000人が集結して基地反対の熱気が島内に充満した。これまで公式には徳之島へ移転という発表はなかった。しかし、メディア情報により、移設が現実味を帯びてくるようになると、島民としては放置できない。これから民主党は正式に徳之島案を自治体に打診し、説得に当たるようだ。今の状態を考えると島民が受け入れる見通しはまったく立たない。徳之島案は難しいのではないか。来月末までに決着をつけると公言した鳩山首相だが、時間的にも現状から推してまず不可能に思えてきた。この辺りのもたつきが一層支持率を低下させている原因である。
 もはや鳩山首相にとっては正念場である。どうすべきか。自分の発言、約束に責任を持つべきである。
1072.4月20日(火) また新党結成か。
 元気の良い知事、橋下徹・大阪府知事が大阪の改造を目的に、新たに「大阪維新の会」と名乗る地域政党を発足させ、現在の大阪府の行政組織改革を目指すと宣言した。これには一部の大阪府議、大阪市議、堺市議らも参加して、23の特別区を抱える東京都同様に行政単位を特別区化して、大阪都設立を目指すということらしい。今のままでは大阪府は行き詰まるとの知事の危機感の下に、抜本的な構造改革を狙った試みのようだが、元々大阪市長と考えが合わずに悉く対立していて、ついにキレた末に一歩踏み出したきらいがある。実現すれば、大阪市は特別区として大阪都に組み込まれて大阪市が消滅するので、大阪市長の考えとは元々相容れないものだろう。考え方としては面白いし、詳しく知りたいと思っていたが、今朝の新聞には小さな記事としてしか取り上げられず、マス・メディアが食いつく内容ではなかったのだろうか。とかくパフォーマンスが派手で目立ち勝ちの知事の行動に新聞が飛びつかないのは少々意外だった。所詮線香花火のような話題にしか過ぎなかったのだろうか。
 NHK「ニュースウォッチ9」で、サイパン玉砕の際自決した日本人出征兵士の日章旗を還すために、アメリカ人元軍人の甥夫婦が新潟を訪れた話題を報道していた。日本人兵士とその遺族が判明して、無事に返還されたが、身に詰まされる話だった。
 かつて毎年のように厚生省の大東亜戦争戦没者遺骨収集団にお供して、サイパン島を訪れ黒衣役としてお手伝いしたことがあり、戦争の惨劇をサイパン戦に参加した元兵士や、島民から直接聞かされていたので他人事ではないような気がする。
 今回身元が判明したのは、前回放映された時に日の丸に書かれていた兵士の名、家族の名が決め手になった。しかし、山中に追い詰められ自決したとされる兵士の遺骨は戻っていないという。サイパンでは他の戦地に比べれば、戦没者数に比べて収容された遺骨の数が割合多い方だが、戦死した兵士の鉄兜の中から持ち出された日章旗が還りながら、肝心の遺骨が還らないというのが、何とも残念な気がした。
1073.4月21日(水) 政治家どもの知能が相当劣化している。
 アイスランド火山噴火による飛行停止の影響も漸く落ち着いてきたようだ。すでに最初の飛行キャンセルから5日目である。何とか成田空港からも定期便が飛び出した。
 それにしても世界的にこれだけ大きな問題になりながら、この問題の将来の危機対策について、どこの国からも解決策を論じようという前向きな意見が表れてこないことが不思議でならない。これは自然現象なので、今後も突然爆発したり噴火する可能性がある。日本だって火山列島上にあり、今回の噴火を対岸の火災視できない。日本の政治家もダラシナイが、他の国々の首脳も似たりよったりでどこかボケているような気がする。ましてや、18日に営まれたポーランドの故カチンスキ大統領の国葬出席を予定していながら、結局空港閉鎖で目的地へ行けず国葬に欠席した、オバマ米大統領、サルコジ仏大統領、メルケル独首相、チャールス英皇太子、サバテロ・スペイン首相、ハーパー・カナダ首相ら錚々たる大物が、みんな目的を果たせなかった。自分たちもことの重大さが分っているはずなのに、一歩も前へ進もうとしない。
 目先のことだけに計算高いのか、哲学がないのか、どうも近頃の若手?政治家は、あまり信頼できそうにない。一段落したら改めて将来的な課題として取り上げるだろうか。注目してみたい。
 さて、また新党結成の動きが出てきた。一旦記者会見をしながら、「大山鳴動鼠一匹出ず」の狼中年・舛添要一氏が、また「出るぞ出るぞ」の姿勢を示し出した。次の総理大臣として一番人気の舛添氏がこういう形で自壊自滅するのがもったいないような気もする。あるジャーナリストが証言していたが、今朝の東京新聞一面に自民党のある幹部が舛添要一氏に対して離党勧告したという記事が掲載されていたという。これで尻に火がついた舛添氏が浮き足立ったのかもしれない。
 それにしても何とまあ次元の低い政治ゴッコをやっているのだろうか。
 もうひとつ、今日の国会論戦で呆れた党首討論のやりとりがあった。谷垣自民党総裁の鳩山首相に対する質問で、「ワシントン・ポスト紙の核安全サミットの最大の敗北者と呼ばれているが、どう思うか」と尋ねられて、「確かに同紙の言う通り私は愚か者かもしれないが・・・」の発言には、呆れかえった。谷垣総裁も怒り心頭と言った。一国の総理大臣としてのプライドも矜持も観られない。これが国を代表する総理大臣の言うことか。実際「情けない」の一言である。結局政治家なんて誰でもなれて、誰でも無責任なことが言えるということなのか。
1074.4月22日(木) 政治家は常人と同じ脳と心臓を持っているか。
 この6月から高速道路料金が変更になる。料金体系が複雑過ぎてすんなりとは理解できない。自民党政権末期に現在の軽・小型乗用車を上限1,000円とすることが決まった。これに対して昨年の衆議院選挙で民主党はマニフェストに高速道路無料化を謳い、国民に支持された。ところが民主党は来る6月から最高額上限を2,000円にするとの方針を打ち出した。無料どころか値上げである。理由は財源不足だそうだから、かなり好い加減なマニフェスト作成だと呆れていたところ、一昨日になり豪腕小沢一郎・民主党幹事長がマニフェストに反することは国民から受け入れられないので、再考するように鳩山首相に物申した。こうなると小沢に弱い鳩山としては、再検討を約束せざるを得ない。これでまた朝礼暮改的方針変更と思いきや、今度は管轄の国交省・前原誠司大臣が受け入れられないと反発し、鳩山首相に直訴して、条件つきながら再び値上げ案が実行されそうな雲行きである。こんな調子であっちへ行ったりこっちは戻ったり、一向にまともな方向へ進まない。
 一連の流れを見ていると、ここにも鳩山首相のひ弱さと信念の欠如が垣間見られる。まったくリーダーシップが発揮できないのである。政府としてどうするのかとの強い方針や哲学がまったく見えない。民主党政権発足以来声高に主張していた「政策一元化」はどうなった? 豪腕小沢に言われるとすぐ腰が引ける。これではとても普天間基地移設問題なんか解決できないのではないかと不安に駆られる。
 それにしても、当初マニフェストで国民に無料と約束したにも拘わらず、逆に値上げというのはどうもいただけない。前原大臣はメンツをつぶされたと思っているのかもしれないが、高速道路建設案がまかり通って、財源不足から高速道路料金値上げ案が出てきたその時、マニフェストとの整合性に当の大臣はもちろん、政府内で誰も何の疑問も感じなかったのだろうか。前原大臣はその辺りの自らの不明について後ろめたく思わないのだろうか。国民にとっては極めて大事なことだが、政治家の間ではどうでも良いような問題なのだろう。
 オオカミ中年の舛添要一・前厚労相が今日ついに自民党に離党届を提出した。一旦改革クラブに入党して改革クラブを道づれに「新党改革」を立ち上げようとの魂胆である。舛添氏は改革クラブの政党助成金をそのまま引き継いで、自分は「舛添新党」党首に納まろうとの腹積もりである。舛添氏は自民党の参議院比例代表選挙で、自民党支持層により選出された議員である。谷垣総裁、大島幹事長が舛添氏は議員を辞職して自民党に議席を返すべきだと不満を述べていたがそれも一理ある。
 改革クラブの代表者・渡辺秀央氏は舛添氏が改革クラブに入党したのだから、「舛添新党」ではないと言っているが、改革クラブの議員の間には舛添氏の行動に疑問を抱く人もいる。そういえば、渡辺代議士が自民党議員時代に海外視察旅行で渡航のお手伝いしたことがあるが、嫌味な人だったことをふっと思い出した。
 昨日もこのブログに書き込んだが、益々政治家のオツムは劣化している。最早救いようがない。
 さて、昨日の気温は都内で32℃程度だったが、今日は10℃と急激に冷え込んだ。まるで真冬の気候である。各地で積雪があった。このところ一日置きに暑くなったり、寒くなったり目まぐるしく変化している。このため野菜が値上がりして一般家庭の家計を苦しくしている。いつになったら春風駘蕩となるのだろうか。
1075.4月23日(金) 外交密約裁判で外務省が控訴
 先日外務省外交密約文書問題で、東京地裁は外務省の文書紛失に関して、その紛失を認めず、探して情報公開せよとの判決を下し、原告が完全勝訴した形となった。原告である西山太吉さんの執念が実り、一段落したと思っていたところ、一昨日になって外務省はこの判定に不満を示し控訴した。見つからない書類を公開しろというのは無理な話で、判決には承服できないとの言い分である。
 この判決を世間は高く評価していたので、まさか国が控訴するとは思いもよらなかった。しかし、外務省は敢えて控訴に踏み切ったのである。原告団の一員に加わっていた小中陽太郎さんが、外務省の控訴がないよう願って中日新聞名古屋本社版にその思いを寄稿されたが、小中さんからわざわざそのコピーをメールで送って下さった。小中さんたち原告団の思いは報われず、外務省は控訴した。これからどういう経過を辿るか何とも言えないが、落ち度は外務省にあることははっきりしている。密約あり、肝心の書類を紛失したりで結論は分っているが、これからも無駄な時間と費用がかかると思うと原告団にとってはいたたまれないだろう。
 さて、まもなく上海万博が開催される。万博事務局はトラブルのないよう、予行演習を何度も繰り返して万全を期している。最近の中国を見ているといろいろ懸念されることが多い。すでに予行演習でも入口で押し合いへし合いだった。それより万博PR曲が日本のシンガー・ソングライターの岡本真夜の「そのままの君でいて」をパクったと事務局に苦情が寄せられた。どうやら本当らしく、今事務局と岡本側との間で話し合いが行われている。その他にも、中国のパビリオンがかつて日本館として展示されたパビリオンに似ているのではないかとか、万博マスコット人形がアメリカ製マスコットと酷似しているのではとの指摘があったり、これからもひともんちゃくありそうだ。
 全体の入場者数を過去最高の大阪万博を追い越す7千万人を予想しているようだ。せいぜい半年間の開催期間中事故を起こさないよう無事に所期の目的を果たすことを祈るばかりである。
1076.4月24日(土) 子ども手当てにびっくり支給申請
 どこまで条件を満たしているのか不明だが、こんなケースもあるのかと驚いたのは、まもなく支給される子ども手当てに対してなされた、ある在日韓国人の支給申請である。兵庫県尼崎市在住の韓国人男性が市役所にタイで養子縁組した子どもの手当てを申請した。この男性の妻はタイ人で、子どもは全員タイに住んでいる。在日外国人で海外に住む子どもに対する手当ては、認められていないわけではない。
 男性は市役所に養子縁組を証明するタイ語で書かれた数十ページの書類を提示したという。厚労省の見解は、@年2回以上の親子の面会、A来日前に親と同居暦がある、B継続的に生活費などを送金、等々を満たしていることが条件である他に、このケースは制度の趣旨に合わないとして支給の対象外と尼崎市へ回答したという。
 しかし、あまりにも異常なのは、この男性が養子縁組したのはタイ国内の修道院と孤児院の子どもで、何とその数が554人というのだから、首を傾げざるを得ない。仮に月額13,000円を全員に支給したとすれば、年間の受給額は8,600万円余りという。来年度からはその倍額になる。
 真実は分らないが、これは誰が考えたっておかしい。子ども手当て受給狙いであることは想像がつく。しっかり調査をしたうえで、毅然と対応すべきである。
 朝日夕刊掲載の「徳田秋声、軍国主義を暗に批判」という記事が目についた。戦時中軍部を正面から批判する勇気のある作家や評論家、学者はあまりいなかった。私の尊敬する河上肇博士でさえ、政府のあらゆる圧力に耐え切れず、信念を貫くために研究から身を退く「没落宣言」をしたくらいである。
 記事によれば、小林修・実践女子短大教授は「時局に批判的な文学者が報国会に背を向けたのに対し、秋声は主要組織の中で、冷静に消極的批判を展開しようとしたことがうかがえる」と言っている。秋声の非戦的行動は寡聞にして知らなかったが、秋声の研究家・故野口富士男氏の評論に興味が湧いてきた。野口氏はどう分析しているのだろうか。
1077.4月25日(日) ギリシャは財政破綻一歩手前
 火山噴火したアイスランドは一昨年来苦しい財政状況が続き、各国から不安げな視線が注がれていた。まだ国家経済が破綻していないが、一歩手前である。噴火は踏んだり蹴ったりである。一方、同じように債務超過に陥り破綻寸前だったギリシャが、ついに国際通貨基金(IMF)とEUへ支援要請に踏み切った。
 パパンドレウ現政権の前政権時代に隠していた巨額の財政赤字が発覚し、一気に財政危機が表面化した。これからギリシャ国民は耐乏生活に耐えていかなければならない。2009年の財政赤字は、実にGDP12.7%に当たる。
 ギリシャでは元々個人収入は低いが、公共サービスが割合行き届いていて、教育費は大学院まですべて無料で、医療費も格別に安いという。それでいて税率が特に高いということはなかった。このアンバランスが財政を圧迫した。
 しかし、朝日新聞によれば、問題はむしろ「超巨大な政府」にあったようだ。人口が僅か1,120万人でありながら、公務員が100万人もいて全労働人口の四分の一を占める。大学生の就職人気はダントツに公務員がいい。給与や年金などでも仕組みが複雑で、個人事業主は推定年収で税金を徴収するみなし課税を採用するなど好い加減な点も多く、こういう雑駁な点にメスを入れないと抜本的な解決にはならないと思う。借金をしてもその半額が年金支払いに向けられるようでは、財政基盤が固まる筈がない。
 パパンドレウ首相からは、前政権から沈みゆく船を引き継いだと恨み節も聞かれるようだが、わが国でも対岸の火災視していられる場合ではない。毎年累積していく財政赤字は、早く手を打たないと早晩第二のギリシャ化しないとも限らない。
 情けないことに自分自身のために金稼ぎと名誉欲にはあくせくするくせに、国家のために責任を持ち長期的な視点で財政政策を考え、将来の国家のために禍根を残さないよう配慮するようなまともな政治家と官僚はほとんどいない。
1078.4月26日(月) ゾルゲ事件シンポジウム
 先日社会運動資料センター代表の渡部富哉氏からシンポジウムの案内状を送っていただいた。麻布台にある在日ロシア大使館で「第2次世界大戦におけるリヒャルト・ゾルゲの諜報活動の意味と役割」と題する興味深いシンポジウムが開催されるとの内容で、すぐ往復ハガキで申し込み今日午後出かけてみた。ロシア大使館内部へ入るのは初めてだったが、やはり大国意識の強いロシアらしく中々立派な建物で、門前は機動隊が警戒して物々しく、ハガキを見せて閉じられた正門脇の木戸口から入らせてもらった。シンポは2階の大レセプションホールで行われた。参加者は個人的にゾルゲ事件について学んでいる人がほとんどのようだが、年配者が多い。それは、取りも直さずゾルゲ事件自体が現在の日本では関心が失われ、それに伴い若者からも興味が失われている表れではないかと思った。
 ロシア大使館が会場を提供し、わざわざ本国の軍事史研究所から研究員V.Loto氏を招き、ミハイル・ベールイ駐日大使がスピーチされるほど、このシンポに熱を入れているのは、祖国の英雄となったゾルゲの評価を訴えるという狙いの他に、5月7日に迎える露独戦争(大祖国戦争)勝利65周年記念日を祝うという意味もある。大使の話では、第2次大戦で2,700万人の犠牲者を生んだ旧ソ連では、ゾルゲの評価は低かった。それが1964年のフルシチョフ時代になって漸く再評価され、今では祖国救済の英雄とされている。
 百名を超える参加者が、3人のパネリストが休憩15分を挟んで4時間半に亘って語る話を熱心に聴講した。
 加藤哲郎・一橋大学名誉教授は、ゾルゲ事件を東京とモスクワ、上海からだけの視点ではなく、アメリカ、ベルリン、その他の土地における活動を合わせて精査する必要があると話された。
 渡部氏は、独特の論調できつい指摘をされた。今までの尾崎秀実論、従来のゾルゲ論を見直すつもりでいて欲しいと言って、特に川合貞吉に関する人間性とか、虚偽の弁明について厳しく批判していた。昨年明治大学で行われたシンポジウムでも、川合貞吉に対する批判が繰り返された。「生きているユダ」を著した元日本ペンクラブ会長・尾崎秀樹は、尾崎秀実の実弟でもあるが、兄の死刑の理由を調べるために最初に接触したのは、その川合貞吉だった。秀樹は川合を同志とまで言っていたが、その川合がゾルゲ事件の真実を曲げて伝え、ウソで固まった文まで書いていたとは信じられない。私にとってはまだまだ謎だらけの事件である。
 まあとにかくゾルゲ事件には、いろいろな見方や考え方がある。中には穿った意見もある。中国が公開していない情報が明らかになれば、ゾルゲ事件はまた新たな展開を見せるかもしれない。とてもすべてを研究しきれない。それにしても今日のシンポジウムは中々意欲的で、今どき中々珍しい試みだと感じた。
1079.4月27日(火) 法曹関係が慌しい。
 一昨日鳩山首相の資金管理団体をめぐる偽装献金問題で首相に対する検察審査会の結論は不起訴相当となった。それでも議決は、毎月1,500万円の資金提供を母親から受けていることを首相自身がまったく知らなかったという説明に対して、素朴な国民感情からして考え難いと疑問を呈した。
 結局権力の頂点に立つ人の周りには見えない壁があって、検察の手が及び難いということなのかもしれない。
 かつて派閥の1億円献金隠し事件の際、橋本龍太郎・元首相も起訴されなかった。この時政治家本人がまったく不問に付されるのはおかしいとの疑問が上がったことがある。
 そして、今日小沢一郎・民主党幹事長に対する検察審査会の出した議決は、鳩山首相に対する不起訴相当とは反対の起訴相当だった。敢えて言えば、小沢幹事長と鳩山首相とは、ウソをついていたかいないかが異なった判断が下された理由だと思う。これで今後また時間がかかるが、とりあえず本件に関しては国民感情としては納得がいくのではないか。検察当局は3ヶ月内にどういう判断を下すだろうか。
 今日公訴時効を廃止する刑法、及び刑事訴訟法の改正案が衆議院本会議で可決、成立した。これは逃げ得を失くすことを最大の目的としている。殺人などの凶悪犯罪が目だって増えてきたが、犯人逮捕に至る割合が年々低下している。被害者の遺族から時効廃止を求める声が根強く、今日改正法案が通ったことにより、あくまで犯人逮捕へ向けた捜査活動が続けられることになった。
 しかし、時効廃止によりいくつかの問題点も指摘されている。その一番目は、冤罪が発生する恐れがあるということ、第二に証拠や証人が無くなりつつあること、第三に捜査体制の継続により、捜査人員が足りなくなるということ、等々が心配されている。だが、ある日を境に犯人が自由に動けるようになるという事態は、遺族にとっては許し難いし、耐えられないのではないか。その点では今日の時効廃止決定は、国民感情からしても受け入れられると思う。
 偶々放火により岡山県の夫婦が殺害された事件が今夜12時に時効となることをにらんで、法律改正を急いだ。これから法律専門家の間でも議論が闘わされるだろうし、現場でも難しい問題が出てくると思う。言えることは、一日も早く犯人を捕まえることと、逃げ得を許すなということである。
1080.4月28日(水) 1独法に埋蔵金が1兆4千億円とは?
 昨日行われた独立行政法人を対象とする事業仕分けで、「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」に1兆3千5百億円もの利益剰余金があることが明かされて問題となり、機構はその場で利益剰余金を国庫に返納するよう求められた。この独法のスタートは鉄道建設公団であり、それに旧国鉄清算事業団がくっついたもので、当初はそれほど豊かな財務状況ではなかったが、事業団の抱える国鉄保有地を高く売却したり、JR3社(東日本、東海、西日本)の株式売却益を管理したり、更に国からの補助金などの収入により、埋蔵金と称せられる資金が溜ったものである。国交省や機構は抵抗したようだったが、返納せよとのお沙汰で国へ返納することになった。
 偶々今日麹町の海事会館で今秋発行する観光関係書の関係者5人が集まって編集会議を行った際、元運輸事務次官で、鉄道建設公団総裁でもあった松尾道彦・JN協会理事長から伺ったが、国鉄保有地を高く売って資金を増やすべく努力しても資金の使途については制約が多く、新幹線建設資金として使うことは認められなかったという。一連の事業仕分けで主催者側は、事前に調査はしただろうし、この席で独法の説明を受けたが、事業仕分けの現場でいきなり廃止とか、縮減とか、継続ということをいとも簡単に一刀両断にできるものだろうか。拙速に走らなければ良いと思う。
 それにしても1兆4千億円という大金が、1独法に保管されていたという事実を関係者はどう考えるのか。1兆4千億円という大金は、私が大学経済学部に入学した時、経済原論の安川正彬講師が最初に経済学を学ぶ学生なら覚えておくべき数字だと言われた金額である。それは1959年の国家の一般会計予算とまったく同じ金額なのである。国民の視点で言えば、どうも関係者は少し金銭感覚が鈍いのではないかと思わざるを得ない。
 今日の夕刊紙で大きなニュースが3つある。ひとつは、赤坂プリンスホテルが来年3月に閉館されるという寂しい話である。都心の一等地にあり、建築家・丹下健三氏のその垢抜けたデザインのせいもあって一時は、華やかでランドマーク的な存在だった。何度か利用したことはあったが、ついぞ宿泊することはなかった。閉館の理由は、建物の老朽化に伴う営業不振だそうだ。立替られる建物はオフィスビルに変わる。
 二つ目は、今月限りで閉場する歌舞伎座が千秋楽を迎えたことである。新しく建て直される新歌舞伎座は、オフィスとの複合ビルとなって3年後に生まれ変わる。大学生の頃、丁度父が明治乳業叶體`部長の時、会社がPR企画で歌舞伎座とタイアップしていたので、運良く毎月のように歌舞伎を観に行く機会があり、多くの名優の芝居を観ることができたし、小学校の恩師・湯浅和先生とも一緒に観劇したことがある。残念ながらそれ以降社会人となってまったく歌舞伎座へ足を踏み入れたことはないが、再建されるとは言え、やはり寂しさが募ってくる。
 もうひとつは、東京株式市場で日経平均株価が一時300円を超える終値287円安となり、昨年11月のドバイ・ショックの円高株安以来の大幅な下落となった。その理由は、金融不安で支援を要請したギリシャが格付け会社S&Pから格下げされたことにより、欧米の株式市場が下落した影響を受けたからと言われている。ちょっと明るい材料が見えてきた経済市況だが、まだとても安定した回復基調に入ったとは言えないようだ。
1081.4月29日(木) 今の政権では普天間基地移設問題は解決しない。
 幸福度というあまり聞きなれない言葉があるが、一昨日内閣府が日本人の幸福度というものを発表した。10点満点で6.5点だそうである。幸福度なんて基準が必ずしも明確ではないし、人によって感じ方も判断の尺度も異なるので比較は難しい。日本の幸福度は、無作為の15歳から80歳までの4千人を対象にしたものである。これに対して一昨年のヨーロッパ28カ国の幸福度の平均は6.9点だったいう。
 幸福というのは、主観的なもので外からあまり数字で推し量るものではないと思う。今わが国では、幸福度を左右する象徴として高齢化、年金、子育て、教育、治安等々の問題が考えられるので、現況からみて余計に幸福度が低下する傾向にある。日本とヨーロッパ間の幸福度の差が実際にどの程度のものなのか何とも言えないが、今夕NHKニュースで報道していた、ブータンという一見貧しい国の国民が感じる幸福度が97%というのには些か考えさせられた。GDPの比較だけなら、ブータンは日本の二十分の一である。しかし、彼らは言う。幸せとは近所付き合い、家族との語り合い、仲良く暮らすこと、などと言っているのを観ていると、現在の日本から消えつつある情景であるだけに、経済が発展するにつれ、人びとの情感や幸せな気持ちが薄れていくということを表しているのではないか。
 さて、普天間基地移設問題がデッドロックに乗り上げて、結論を出す期限があと一ヶ月後に迫ってきた。だが、のらりくらりの政府が固めたとされる腹案はまだ公表されていない。国民の心配をよそに、期限内に解決する兆しはまったく見えない。
 今朝の朝日新聞によると大体固まりそうな案として、鹿児島県徳之島に普天間のヘリ部隊の一部、1,000人を移し、更に辺野古に桟橋を作って滑走路を建設する分離方式を考えているらしい。これは元々アメリカが同意する気がない徳之島への海兵隊移設問題である。仮に沖縄案を強引に押し進めても、日米間の話し合いは紛糾し、まとまらないのではないか。
 それにしても、今頃になって社民党の福島瑞穂・社民党党首がテニアン案を主張し出したのには開いた口が塞がらない。テニアンもサイパンも受け入れを歓迎すると日本側に伝えていたのは、もう大分前の話だ。今頃になって窮地に追い詰められて、突然のように言い出すから余計にややこしくなる。民主党もダメなら連携している国民新党や社民党も話にならない。一体このていたらくに落としどころをどこに見出そうと言うのだろうか。
1082.4月30日(金) 袋小路の鳩山首相が、世界の100人とは?
 発言がぶれるうえに実行力がない、我らが鳩山由紀夫・総理大臣が驚くなかれ、アメリカの週刊誌「TIME」5月10日特別号で「世界で最も影響力のある100人」の指導者25人のひとりに選ばれた。先日の核安全サミットに出席した各国首脳の中で最大の敗北者とワシントン・ポスト紙から酷評された同一人物とはとても思えない持ち上げ方である。アメリカのマス・メディアも少々辛口が過ぎたと思ったのか、「対等な日米関係」「政治の主導」などは達成できていないが、「事実上、一党支配だった国から民主主義が機能する国に変えたことはほめる理由として十分」という首相にとっては、漁夫の利のような理由で選ばれた。結局は鳩山首相の実績や期待度を評価したわけではなく、「CHANGE」を選択した日本国民の行動を賞賛したものだ。鳩山首相もこんな理由では、気恥ずかしくてあまり話題にされたくないのではないだろうか。
 その鳩山首相が4日に沖縄入りするという。果たして四面楚歌の中で気の弱い首相が、したたかな現地の首長らを相手に言いたいことを言うことができるだろうか。
 さて、先日ギリシャ政府がEUIMFに緊急支援を要請したが、ギリシャの返済能力が疑問視され、中々色よい回答をもらえなかった。EUIMFは、ギリシャ政府に@全労働人口の25%を占める公務員数と給与の削減、A年3回の賞与の廃止、の条件を付けたうえで、支援することをほぼ承認することになった。これでヨーロッパの信用不安が少しでも消せればよいが、スペインとポルトガルの格付けも下がっているので、いつ他国へ飛び火するか分らない。
 一昨年駒沢大学・マスコミ研究所主催の公開講座を受講したが、その講座のうち「報道メディア論」を講義された片山正彦講師から、近刊著書「ここに記者あり!」(岩波書店刊)を送っていただいた。帯表紙に原寿雄氏が推薦文を書いておられる。同年この原氏の岩波市民講座も受講したが、お二人とも共同通信なので、そんな関係だろう。その記者というのは寡聞にして知らなかったが、村岡博人という共同通信社記者で、生涯現場記者として記事を書き続けた。驚いたのは、村岡がサッカー元日本代表のゴールキーパーで、ロッキード事件の刑事被告人だった佐藤孝行代議士に殴られたり、ソ連のスパイから濡れ衣を着せられたこともあるという。中々気骨のある人のようだ。
 GW中に楽しみに読んでみようと思っている