
2008年6月
384.2008年6月1日(日) 新日本人って何だ?
キャスターだった久米宏が久しぶりにTVに登場した。銘打って「経済スペシャル・新日本人現る」という、一風変わった番組だった。最近の若者があまりお金を使わないことを検証しようというのが、その狙いだった。彼らの徹底ぶりには、物づくりの話題に上がったことがある、岡野工業の岡野社長が呆れたくらいである。岡野さんは現在75歳で若いときは貯金なんかまったくなかったという。それが、いまの若者は、酒は飲まない、旅行はしない、車は買わない、つまり物を買わずにチマチマと貯金するということらしい。
以前から思っていたが、若者に限らず、何となく目的もなく、他人と接触しないで自分の世界に引きこもっている人たちは、多分これまでの成長過程にしろ、仕事にしろ、あまり汗を流すような経験をしてこなかったのではないだろうか。さらに言えば、そういう肉体的にタフな事態にぶち当たると逃げてしまうような人たちではないかと考えてしまう。世襲政治家なんかその典型である。岡野さんがこんな生き方は嫌だ、人生がもったいないと言っていたが、理解できる。
さて、アメリカ大統領選民主党予備選の行方が、オバマ氏優位のままだった。ところが、1月に行われたフロリダ州とミシガン州の投票が、規定日以前に行われたことから無効と判断されていて、その2州で勝っていたクリントン陣営はその判断を取り消し、正式に代議員数追加を認めるよう求めていた。今日その採決が下された。それによると、獲得代議員数全体の半数を勝ったクリントン氏へ加えるという判定で、クリントン氏としては受け入れがたい結果となった。クリントン支持者の中には、11月の大統領本選では、民主党に投票しないと広言している人もいる。こうなると共和党に勝ち目はないと見られていた本選挙で、ひょっとすると共和党候補者マケイン氏が予想を覆して勝利を握る可能性も排除できない。民主主義の権化であるアメリカのシステムは明快ではあるが、その一方で、やはり中にはトラブルがある。しかし、いまの流れだと勝負の帰趨は決まったような感がある。
385.2008年6月2日(月) 道交法改正とガソリン代高騰
386.2008年6月3日(火) 脂が乗ってきた駒沢大公開講座昨日から道路交通法が改正され、乗用車の後部座席もシートベルト着装が義務化された。75歳以上の運転手は、車に「もみじマーク」のステッカーを付けなければならなくなった。天皇や首相は、後部座席に乗るのでどうするのかと思ったら、その車の前後に護衛車が付く場合はその必要がなく、天皇や首相の場合ベルトは必要ないということになる。また、背後だけ護衛車が従う場合はシートベルトが必要だそうである。天皇以外の皇族は後に護衛車がつくが、先導車はないので、ベルトは付けるということになる。
道交法とは関係ないが、原油高騰のあおりを受けガソリン代が昨日から大幅に値上げされた。ほとんど1リットル当たり170円前後になった。200円間近と言われている。離島なんかは輸送費がかかるので、すでに200円近いガソリン代だそうである。4月には暫定税率の失効で一時130円にまで下がったので、この乱高下には多くの車利用者が振り回されているという印象である。こうなると普段あまり車に乗らない人はいいが、車の利用者とか、バス会社、運送業者、タクシー会社は堪ったものではない。ことが石油の高値が原因なので、すべて政治の責任とは言えないが、世界的な石油高騰の影響下でどこの国も、誰もこの問題解決のための手を打てず指をくわえているいるしかないというのが、いかにももどかしい。
このところ天候が安定しないと思っていたら、今日も雨が降って、夕方の気象予報で今にも梅雨入りを宣言しそうな様子だった。仮に梅雨入りなら例年より6日、昨年より20日も早い梅雨入りである。これだけ見ても、アフリカを始めとする食糧危機、ビルマのサイクロン、中国の地震、アメリカの竜巻頻発、天候異変等々の異常事態は、明らかに地球温暖化による異変としか思えない。
今日日本サッカー協会・長沼健元会長が肺炎のため亡くなられた。享年77歳。この方とは30年ほど前バンコック空港の待合室で、立ち話をしたことがある。ムルデカ大会でマレーシア戦のためにクアラルンプールへ行く途上だった。まだ、日本も世界の中ではまったく歯が立たなかった時代で、長沼さんは「マレーシアは強い」と言っていた。とても感じの良い方だった。あれから日本は随分強くなった。今夜はワールドカップ2次予選で日本が3−0でオマーンを破った。10年前のワールドカップに日本が初出場した時、予選で苦戦して代表監督を加茂周氏から今日監督を務めた岡田氏へ代えた時の会長である。岡田監督も弔い合戦に勝ってほっとしていることであろう。フランスでは、服飾デザイナーのイブ・サン・ローランが亡くなった。享年71歳。 合掌
かなり自分の歯が少なくなっているが、さらに前歯が1本欠けただけでこんなに不都合になるとは思っもいなかった。歯質があまり良くなく、かなり抜けてしまって入れ歯に頼っている状態だし、もう30年以上も世話になっている歯科医なので、すべてお任せだ。先週金曜日に初めて接ぎ歯が折れて接着してもらった。それがすぐはがれて、また今日接いでもらった。ところが夕食時にまたはがれた。磁石を使用する処置前のワンポイント治療だが、これが厄介である。明日にもまた歯科医に連絡をとってもっと長持ちする処置をしてもらおうと思っている。
駒沢大の2時間の講座はいずれも良かった。菱山郁朗講師はエドワード・マローとジョセフ・マッカーシーについて映像を交えて分かりやすく説明してくれた。マッカーシーについては、赤狩りの右翼米上院議員として戦後マッカーシズム旋風が吹き荒れ、日本人の成人なら誰もが知っている人物だが、マローが報道の真実で議論をぶつけ、赤狩りという村八分状態を壊滅させたということから、アメリカ放送界でもマローが主宰した番組‘See it now’は、モローともども後世に伝えられる名報道番組と言われているらしい。エドワード・モローについては寡聞にして知らなかった。
共同通信出身の片山正彦講師からは、通信社の歴史と現在の通信2社の変遷を話された。現在の時事通信と共同通信の変遷の歴史から電通が生まれてきた経緯や、低落傾向の通信社、時事通信と共同通信両社が揃って2003年に自社ビルを建てた玉手箱の内情も聞けて、納得がいった。もうひとつ興味深い話は、マス・メディアは現場主義優先を意識しているが、アメリカでAPやUPIに取って替わり台頭してきたブルームバーグは、カナダ・ケベック州における独立是非住民投票で、現場へ足を踏み込まなかったにも拘らず、他の通信社とは反対の予測を立て、その通り「独立派が敗れる」を的中させたのは、株式市場の値動きを見て結論を出したからである。つまりいわゆる「現場の声」ではなかった。だが、株式市場は、現場の実態を集約したもので、選挙結果について言えば、「広義の現場」ではないかという考え方は、面白い見方だと思った。
いずれにしろこの駒沢大学マスコミ研究所の公開講座は、マスコミに関心を抱いている人々にとっては実に的を射た企画である。
387.2008年6月4日(水) 江戸落語の庶民生活との関わり
今日は忙しかった。代々木の歯科へ寄り駒沢大の講座に出席して、六本木で開かれた「江戸城再建を目指す会」セミナーに出席して、その後懇親会に参加。
セミナーは「落語に学ぶ江戸の暮らしと文化」と題して真打ち・三遊亭竜楽師匠が古典落語長短3つのお噺をしながら、@江戸落語の成立と発展、A落語を通じて見る江戸人の暮らし、についても分かりやすく解説された。江戸文化と落語との関わり、上方落語と江戸落語の違い、江戸落語のネタが弱者や自然に優しいとか、ストーリーがリサイクルにリンクしている点についても、今まで知らなかった落語界における常識を説明された。中央大学法学部卒のインテリ師匠だけに、ロジカルに説明された落語界にまつわる常識は、普段あまり耳にする機会もない話が多く、改めて教えられた。
例えば、大阪では見習いが終わると全員が同格で、東京のように、前座、二つ目、真打ちのような階級制がないことや、外でもやっていた大阪の寄席に比べて、東京は室内で行うので、声の大きさが違うことなどは、初めて知った。最後の高座は正直者の乞食のお噺だったが、乞食の中に正直者がいる一方で、武士や浪人の間にも桁外れの正直者がいて、これが江戸の世相だということを落語は伝えているという話に感銘を受けた。人を得なければ難しいが、こういうセミナーは楽しいうえに知らなかったことを教えてもらい、大いに啓発される。会場も六本木のど真ん中の「ハリウッド」の教室に、高座と演壇、ボードが準備され、師匠はその都度場所を変えながら口舌された。参加者も感心しきりで、いたく感銘を受けていたようだった。鼻歌交じりのいい気分で帰宅した。
さて、帰ってきて夕刊を見ると「オバマ氏 指名確定」と見出しにある。アメリカ大統領選民主党指名候補者争いも漸く決着をつけるときがやってきた。1月に始まって半年間のロングランだった。オバマ氏が総代議員の過半数を獲得したが、頷けないのは、最後の州、モンダナ州の得票率がオバマ氏に大差で軍配が上がったことである。クリントン氏がモンタナ州で敗れたということがどうしても理解できない。モンタナ州人口は圧倒的に白人が上回っている。かつて、教育視察団に同行してモンタナ州ビリングス市に滞在したときも、あまり黒人の姿を見かけなかったくらいである。2005年の人口センサスでは、全合衆国の人種別人口比率は、白人:黒人:その他=80.2:12.8:7.0(%)であるが、モンタナ州では、その割合は91.1:0.4:8.5である。全人口のうち僅か0.4%しかいない黒人が、90%を超える白人に勝つというのは、常識的には考えられない。やはり勝ち馬に乗ったというか、オバマ氏支持へ雪崩現象を起させたと見るべきだろう。
悔しいクリントン氏はいまだ敗北宣言を出していないが、今日の結果でほぼ帰趨は決まった。
388.2008年6月5日(木) 学生を一喝! 明石康・元国連事務次長の講義を聞く。
多摩大公開講座第7回は、明石康・元国連事務次長の「アジアにおける紛争解決と平和」だった。明石さんは、かつて東京都知事選に出て惨敗した。そのときの演説ぶりや、討論会の質疑応答などを見ていて、ちょっと失望したことがあった。事務次長としてカンボジア内戦に深く関与して終息させ、その当時明石さんの見事な外交交渉ぶりは世界から脚光を浴びた。しかし、その後関わったユーゴスラヴィア紛争では思い通りに事態は解決できず、一部では無能呼ばわりされたほどだった。都知事選挙運動中でも、はっきりした物言いはせず、応援していた人たちをがっかりさせた。そういう意味では、失礼ながらあまり大きな期待をしていなかった。
ところが、与えられた1時間半の間自分が関わった外交交渉から、最近の紛争事例、一般的に知られている国際紛争について、さすがと思える解説をしてくれた。やはり政治の分野では、持ち味が発揮できなかったのではないだろうか。今日の講義でも国際的外交官の面目躍如たる存在感を存分に発揮された。
ビルマと中国の最近の自然災害に対する諸外国からの援助に対する両国政府の対応にも触れた。中国には少しずつ開かれているという印象はあるが、ビルマはまったく取り付く島がないので、国連も困惑していると率直に述べられた。
そのほかに、印象に残っているのは、@アチェ、ネパール、ミンダナオのように、アジアの難問は少しずつ解決している。A外国との戦争より、内戦の方に被害が多い。例えば、スペイン内戦、カンボジアのポルポトによる犠牲者の数が、対外戦争を上回っている。Bサイクロン被害に伴うミャンマー政府の援助を受け入れない頑なな対応から、国際的にもこのまま国民を見殺しにしてよいのかとの議論が起きている。つまり、国の援助が見込まれないとき、あえて人道的介入をして「保護する責任」を果たすべきではないかとの世論も挙がっている。これに対しては、インド、中国を始めアジア、アフリカから反対の声が挙がっている。C日本の平和憲法維持のために、日本はその努力と対価を払っているか、と疑問を呈された。
その後二人の受講者から質問を受けた。丁寧に明石さんが応えていたとき、学生たちの私語があまりにも声高で煩くなり、聞き取りにくくなった。真面目に応答されていた明石さんにも失礼であるし、前方の座席の一般人も迷惑そうな表情をしていた。
前二列目に座っていたご意見番も堪えていたが、ついに我慢できなくなり、年甲斐もなく学生席へ向け「ガクセイ! うるせぇ!」と思わず怒鳴りつけてしまった。学生たちはしゅんとなって声が出なくなった。明石さんは一瞬当惑したようだったが、質問に答えて講義は終わった。明石さんにも申し訳なかったと思っている。周囲の受講者からはよく言ってくれましたと言われ、てれくさい気がした。しかし、先週寺島講師が散々煩いからと警告をしたにも関わらず、この騒がしさである。われわれには有益で、面白くて素晴らしい講座だと思っているが、これほど私語が止まないのは、学生たちにとって授業が退屈で苦痛なのではないだろうか。
そんな折りも折り秋田英澪子・知研事務局長、大分の永留浩さんとともに多摩大キャンパスを出て駐車場へ向かう途中で、一人の多摩大生に話しかけられた。Tくんと言い、この講座を社会人の方はどう思いますかと唐突に尋ねられた。私がうるさいと怒鳴った本人だと名乗ったところ、この講座は一年生には難しくて分からない。かなりの学生は講義が始まると居眠りしている。大学生になったばかりの一年生に授業として、レベルの高い講義を聞かせる目的は何でしょうと聞かれて反って面食らってしまった。私語は私語として、学生は学生なりに悩んでいるのだ。確かに高校を卒業したばかりでは、このレベルの内容はとても理解できそうもないと思う。公開講座はこれで素晴らしいが、せっかくの企画が意図を汲まれないのではもったいないと思う。高学年生ならともかく、確かにこのTくんの言うように、この講義内容は一年生には少々荷が重く難しいと思うので、大学もこの辺りのことを、次回には検討してみてはどうだろうか。
389.2008年6月6日(金) 「オットーと呼ばれる日本人」を観劇
昨日の多摩大生とのやりとりについて久恒啓一教授にメールでお知らせした。早速丁重に大学事務局とも相談されるとのご返事を頂戴した。私の一喝ぶりも見てみたかったと軽いジョークも添えてあった。
木下順二作「オットーと呼ばれる日本人」を新国立劇場で鑑賞した。なかなかの力作に会場も盛況で、先日の日経、朝日夕刊紙上にも好意的な演劇批評が載っていた。初めて上演されたのが、1962年だから「六〇年安保闘争」直後である。新国立劇場の中劇場というのは、初めて入ったが入口へのアプローチといい、劇場内の作りといい、さすがに国立劇場だけに立派で、中々格式もあり雰囲気も洒落ている。招待券をいただいたゼミの友人、池田博充くんに感謝。
主役を吉田栄作と紺野美佐子が演じているが、いままでのイメージから考えると吉田はカッコいい青年という一面だけが強かったが、想像していた以上に演技派で案外やるものだ。
宇野重吉、瀧澤修、清水将夫らによる初演以来半世紀近くの間に、幾度が上演され、「夕鶴」と並んで今や木下順二の代表作となった「オットーと呼ばれる日本人」だが、やはり一言で言って「重い」という印象は拭えない。戦前の暗い時代におけるスパイ事件の裏面史を辿っているので、ある程度それもしようがないか。九分どおり埋まった観客は、あらすじを理解したうえで劇場に来ていると思うが、上演時間の長さ(3時間40分)もあり、居眠りと中途退室を見て少々残念な気がした。周囲の男女学生は例によって幕間はおしゃべりに興じていたが、つにに最後まで我慢していられずに席を立った。
ゾルゲ事件と言えば、友人、山崎洋くんの父上(ブランコ・ド・ヴケリッチ氏)の名がしばしば挙がることもあり、私自身大いに関心を持っている。そのゾルゲ事件をモチーフにしており、登場人物や時代背景、ストーリー性等は充分理解しているので、どういう展開になるのかを楽しみにしていたが、珍しい舞台操作と使用機材がユニークで中々面白かった。結末にジョンソン(ゾルゲ)の逮捕や、絞首刑に言及することもなく、日本人としての矜持を持ち続ける、吉田扮するオットー(尾崎秀美)が、「ぼくは、オットーという外国の名前を持った。しかし、正真正銘の日本人だったということだ。そして、そのようなものとして行動してきたぼくが、決して間違っていなかったということ、そのことなんだ」と叫ぶ台詞に木下順二の気持ちと、この芝居の訴えるポイントが凝縮されていると感じた。
390.2008年6月7日(土) ゾルゲ事件関連シンポジウム
昨日の「オットーと呼ばれる日本人」に続いて、今日は駿河台・明治大学リバティータワーで開かれた「尾崎秀実と中共諜報団事件」と題するゾルゲ事件関連のシンポジウムに出席した。いずれもゼミの友人・池田博充くんに案内をもらったものだが、読売新聞に告知されただけあって参加者が殺到して、今日になって大学内の会場を変更したほどである。
中共諜報団事件というタイトルも穏やかでないし、いままで聞いたことがない事件だ。参加者は研究者や運動家等、専門的な学習者が多いようで、ほとんどが高年齢層である。若い人はほとんどおらず、70歳以上の人が多かったように見受けられた。
この諜報団事件というのは、中心になって活動していたのが中西功、西里タツオだった。いずれも上海・東亜同文書院卒業者であるが、中西さんの娘・準子さんとは高校の同級生で一年生の時は同じクラスだった。高校生のころは、父上は共産党の参議院議員だった。準子さんも頭脳明晰で横浜国大工学部、大学院で学び、東京工大と横浜国大で教授を務め、いまも官製の法人で活躍しているはずである。
講師の渡部富哉氏(社会運動資料センター代表)は、まもなく80歳になろうというのに大きな声で信念を持ってメリハリの効いた話をされた。朝鮮戦争当時は日本共産党の幹部として華々しく活躍していたようで、官憲による弾圧にも負けず、初志を貫徹されたことから自分の信念と行動に自信を持ち、転向者とか、裏切り行為に対しては厳しい立場をとっていた。
特に、川合貞吉に対してはその言動に対して、とりわけ厳しく絶対許すまじとの姿勢で、徹底的にその行為を糾弾していた。木下順二の「オットーと呼ばれる日本人」も、川合貞吉の「ある革命家の回想」を下敷きにしているために嘘が多いという。特に、芝居の中の名台詞、名場面はことさら嘘が多いと手厳しい。単にそう言うだけではなく、それらには整合性が伴わないという。スメドレー女史を交えた会合でも、その時期にスメドレー女史が実際に上海に滞在していなかったことは証明されているとも言っていた。
川合が尾崎に世話になっていながら、特高に供述したことは、尾崎の逮捕、それと引き換えに自分自身の減刑につながり、とても許せないと声高に話していた。寡聞にして川合貞吉と彼の著書について知らなかったことは恥ずかしい限りであるが、ゾルゲ事件に対してまた新たな暗闇に入り込んでしまったようだ。\ 映画監督だった篠田正浩氏も映画「スパイ・ゾルゲ」を撮った体験を話された。そもそもゾルゲに対する関心を持った経緯、波乱の昭和という時代と岐阜という故郷についてご自分とのつながりを話された。
篠田氏の話の中で印象的だったのは、戦前は売国奴とまで呼ばれた尾崎が戦後は一転して殉教者のように崇められたことだという。更に、昭和7年から23年までの足掛け17年間で、7人の総理大臣が非業の死を遂げた昭和という時代は異常であり、それだけ昭和が激しい時代だったということを納得させられたと述べたことであった。
個人的には、紙に書いて質問した。山崎洋くんから聞いたが、母親が初めて能楽堂でブケリッチ氏に会ったとき洋装だったが、映画では和服を着ていた。これについて、かつて小中陽太郎さんへ事実を話した。小中さんから折り返し篠田氏の答えが返ってきた。篠田氏もそう思ったが、衣装担当の森英恵さんが和服に拘ったのでそうなったと。今日改めて聞いてみた。森さんのことは話されなかったが、山崎さん母子からそう言われたとき、自分も洋装だと思ったと言い、笑いながら良い思い出だったと話された。
この2日間は、偶々ゾルゲ関連の事象に触れてしまったが、奥の深い事件だったといまさらのように思う。
391.2008年6月8日(日) 役人とは期限付き雇用契約を
アメリカ大統領選民主党候補者は、今日ヒラリー・クリントンが敗北を認め選挙戦から正式に撤退を表明したことによって、バラク・オバマ氏が共和党候補者のマケイン氏と11月の本選で雌雄を決することになった。われわれ日本人でも随分長い選挙戦だと思っていたので、アメリカ国民、いや民主党支持者にとっては、さぞ長い選挙戦だと感じ、ことさら疲労感も強かったのではないか。このまま本選でもオバマ氏が勝つようなことになると、アメリカ連邦政府の幹部職員は民主党系の人々に取って代わられるようになる。
そこで日本でも同じ発想の下に、官公庁役人の定期的な入れ替え制度導入を考えてみてはどうだろう。日本は議会制民主主義制度を導入しているので、首相が替わるたびに入れ替えをやっていたのでは、2年に一度ぐらいの割合で公務員が入れ替わることになり、そうもいくまいが、その代わりに一定の期限付雇用制度にしてはどうか。例えば、役人は政府と10年間の雇用契約を結ぶ。仕事の内容は国家的業務であるので給与は保証される。国家事業で責任は重大なので、悪事がばれたら本人を含め2階級上まで即クビである。その10年間の期間が過ぎたら、退職金も払ってさっぱりする。その後再契約を結ぶかどうかはそれまでの勤務成績評価によって改めて話し合う。こうすれば、もう少し役人にも緊張感が生まれ真面目に仕事をするようになるのではないか。いまの役人にはあまりにも緊張感が足りない。世間知らずのくせに世間を舐めている。その典型的な悪事が明らかになった。
一昨日公になった財務省を主とする役人のタクシーからのキックバックなんか、呆れて開いた口が塞がらない。5年間に200万円近いキックバックを得て、毎晩タクシーで通勤していた財務省役人のやった行為は、税金のキックバックと捉えると収賄行為に当るのではないか。前から噂になっていて「居酒屋タクシー」と言われていたというから呆れ果てるばかりである。日本ではどうしてこうも馬鹿な役人がいばり、悪事を重ね、国民を欺き、それでいて高待遇を受けられるのだろう。あまりにも役人天国で、一般の国民との待遇に差があり過ぎるのではないか。何とも納得できない。よくもまあ悪事の屋上屋を重ねてくれる。いまの役人には、「罪と罰」という言葉がないかのようだ。公僕として一番堅持しなければならない「役人としての志」「役人としての矜持」が、金輪際感じられないのだ。
いまの公務員制度では、はっきり言って役人は贅沢三昧、国民に甘えるだけ甘えて、国民を見捨てて国を自分たちの思い通りに好き勝手に動かしている。そこには、国民のため、また国家のために奉仕するという基本的で高邁な理想が微塵も感じられない。
一昨日国会を通過した公務員制度改革法案の精神は結構だが、どうせ小賢しい公務員は抜け道を見つけてごまかすに決まっている。それより、公務員にはお灸をすえる意味でも、彼らが嫌がるだろう秘蜜の部分を全部引き剥がすことが重要だ。
悪い奴の序でに別の悪人の例を挙げておこう。今日都内の秋葉原で通行人を手当たり次第にナイフで刺して、7人を殺し、10人を傷つけたとんでもない若者が現れた。誰でもいいから、人を殺したくなったと無責任なことを口走っていたらしいが、直接の殺傷事件を起さないにしても、役人のやっていることは考えようによっては、これよりもっと酷いのだということを役人どもは認識してほしい。
最後に明るい話として、水泳の北島康介選手がジャパン・オープン最終日の200M平泳ぎで5年ぶりに世界記録を破った。しかし、イギリス・スピード社製のパンツをはいた結果である。このパンツを着た選手が、一昨日5つ、昨日5つの日本記録を作った。1つの世界新、16の日本新のうち、スピード社製パンツをはいた選手が16人だったというから、その効果はあるのだろう。日本選手は、現段階では契約の関係で次の北京五輪ではこのスピード社製のパンツを着られないという。あと2ヶ月余りに迫った五輪を前に、水連も選手も困惑の体である。力がなければ良い記録が出るわけがなく、スピード社製のパンツを着たところで勝てるという保証はないが、現実に力のある選手がそれを着て泳ぐと次々に記録を更新するから、パンツとの相関関係を考えみんな悩んでしまう。
まあこれは前向きな話し合いで解決できるし、役人の悪事とはまったく次元が異なるので、ずっとすっきりしている。でもできるなら、できるだけ早く水連のお偉いさんが選手の苦悩を取り除いてやる姿勢を見せないと、あくどい役人と同レベルということになる。
392.2008年6月9日(月) 会社の同期生、岡村輝人くん逝く。合掌
会社同期入社の岡村輝人くんが今日癌で亡くなったと、同じ同期の牧野博保くんから連絡があった。私と同じ年の69歳だ。われわれが昭和38年に入社したときの学卒同期生は13名だった。その内途中退職者が2人、1人が亡くなったので、残り10名が最後まで務め上げた。いまも現役で働いている山田尚くんのような人物もいる。山田くんには、いつまでも社長のような要職にいると、楽しかるべき余生がその分短縮されて人生が楽しくなくなると憎まれ口を叩いていたが、今月から社長を退き相談役になるという。
さて、岡村くんは温和な性格で、彼を見ていると攻撃的になりがちな自分を抑制できるような気がしていたものだ。彼がグループ会社の流通視察団員として、アメリカへ派遣されたとき添乗員を務めたこともあった。彼とは5年前同時に辞めたが、そのとき以来ついに会うことはなかった。いまとなればもっと会って、いろんな話をすれば良かった。友人が亡くなるのは寂しいものだ。通夜か告別式には何とか列席して最後の別れを告げたいと思っている。
テレビでは朝から晩まで、昨日秋葉原で起きた通り魔事件について報じていた。朝刊は休みだったが、夕刊はカラー写真をふんだんに載せて増ページで事件の異常さを報道している。過去10年間で死者7人、負傷者10名は通り魔事件としては最悪だそうだ。しかも昨日は大阪教育大付属池田小学校で入り込んできた男に児童8人が殺害されて丁度7年目に当る。
どうしてこんな残虐な大量殺人事件がいとも簡単に起こってしまうのだろうか。時代性と時代環境、教育、特に家庭教育の問題等があって一概には言いがたいが、それにしても若者がすぐキレル一種の現代病は、低学年時から周囲で生命の大切さということをしっかり教えこまないと、ちょっとやさっとのことでは防げない。評論家の大宅映子さんも現代社会が犯罪防止の抑止力を失っていると嘆いていた。
393.2008年6月10日(火) 日本のマス・メディアの報道姿勢は?
JAPAN NOW観光情報協会の定例企画会議が、いつも通り麹町の海事センターで開かれた。主たる課題は、今年度のスケジュールに関するものだ。各地で支部総会を開催するが、7月の九州大会、9月の北陸大会、11月の北海道大会と目白押しで、お手伝いすることが中々できないが、担当する人はご苦労さまである。現時点で参加できるかどうか分からないが、できれば九州大会には出かけてみたいと思っている。
会議の後、そのまま駒沢大へ向かう。今日は2時限だが、いずれも関心のある科目なので楽しみにしていた。菱山郁朗講師の「報道メディア概論」では、「マス・メディアの歩みと特性」について話されたが、特にラジオについては関東大震災を引き合いに、停電の場合の「情報の空白」について述べられた。
菱山講師の最初の授業の際、私なりにマス・メディアの責務とジャーナリズムの報道姿勢を根幹の問題と捉え、今年1月7日韓国のソウル市郊外利川で起きた倉庫爆発事故の不明瞭な報道と報道忌避について質問した。40名もの死者を出し、その翌日には不自然にも取材記者のPCが発火煙硝するという不可解な事件は、その晩一部のテレビで報道されながら、翌日以降日本ではテレビ、新聞はもとより、すべてのマス・メディアから一切報道がなされなかったことが不可解で、疑問と不信感を抱きつつマス・メディアはどう考えているのかとマス・メディアの現場で取材された講師に尋ねてみた。菱山講師も大分気にされていたようで、お応えしたいとは仰っていたが、失礼ながら事件の概略の掌握がまだできていないのではないかと思い、今日受講後改めて質問を確認し、念のためにインターネットからコピーした、「朝鮮日報」紙の事故の記事、写真、地図をお渡しした。この次の授業の際には、お考えを聞かせてもらえると思っている。
さて、その韓国内で大きなデモ騒ぎが起きている。ソウル市内に繰り出したデモ隊は8万人を超え、李明博大統領弾劾、退陣を求めている。主催者の発表に拠れば、デモ参加者数は百万人に達したという。李大統領が就任してまだ僅か3ヶ月で、就任直後の支持率は76%台だったものが、ここ数日で急落し、17%台にまで落ち込んだ。今日韓昇洙首相以下全閣僚が辞表を提出した。原因は、韓国経済の低迷にしびれを切らした国民が、その槍玉としてアメリカ産牛肉の輸入に反対を唱え、政府に輸入法案撤回を求めているのだ。驚くのは、インターネット運動と言ったらよいだろうか、小中高生までもが集会に参加して、李大統領退陣を叫んでいる様子である。どこまでことの本質が分かっているのか不明だが、日本ではとても考えられない。
394.2008年6月11日(水) 憲政史上初の首相問責可決
岡村輝人くんの通夜に出席して永遠の別れを告げた。奥様にもご挨拶して弔意をお伝えした。私とは同じ年だが、これも寿命というべきか、どうしてもセンチメンタルな気持ちと追悼の思いがよぎる。同じ同期入社で研修期間中に町田駅でともに見習い駅員をやっていて、退職後故郷大分へ帰った古庄醇二くんにも電話したところ、やはりがっかりしていた。お互いに言うことは、健康に気をつけようということである。
今日参議院本会議で野党から福田首相問責決議案が提出され、採決可決された。戦後初めての椿事である。過去首相に対して問責決議が提出されたのは、27回もあるそうだが、少数野党が提出したものですべて否決された。今日のケースは、ねじれ国会のせいでもあり、今後政府与党と衆議院の対応はどうなるかということに関わる。ただ、問責決議には法的拘束力はないので、この後与党は衆議院でどういう対応をするのか。この結果をまったく無視するのか。無視するなら当然それなりの対策はある筈である。さもないと野党議員のとった行動は、政府与党によって考慮するに足りないと解釈されたことになり、国民の声を無視することにつながるからだ。
さて、ここまで書いてきて気がついたが、NHK、民放テレビの夕方のニュースでは、現憲法下で初めての首相問責可決というショッキングなニュースがトップニュースにならず、3日前の秋葉原17人殺傷事件がトップだった。夕刊記事は、さすがに首相問責可決をトップ記事にしていたが、テレビは話題性があり、誰にも分かりやすいニュースがトップにある。国家にとって、国民にとって最も大切な情報は何か。速報性ということを考えれば、秋葉原事件はすでにかなり時間が経ちこの間相当詳しく報道されている。今日時点でニュースの取り上げ方として、どちらを優先して報道するべきだろうか。記録の新聞、記憶のテレビと言い伝えられるが、ニュースの重要度ということが最も大切で、斟酌されるべきではないのか。来週駒沢大で受講の折りに尋ねてみようと思う。
395.2008年6月12日(木) 福田首相、衆議院では内閣信任決議
朝から時折激しい雨が降っていた。気温も低い。6月に入ってこの寒さは少し異常である。一方、ニューヨークでは異常なくらいに暑く、すでに連日35℃を超えている。改めてこの世界的な気象異変は、地球温暖化が多分に影響していることを窺わせる。
昨日参議院で福田首相問責決議案が可決されたが、これに対して自民党と公明党は対抗手段として、衆議院で内閣信任決議案を賛成多数により可決した。予想通りである。これによって自民党は、「憲法上首相の選任権は衆議院にある」を錦の御旗に、福田首相を適任と看做してこのまま内閣を継続する。いまや法案提出も山積みで、首相交代などをやって時間を浪費している場合ではないが、与野党の腹の探りあいで相変わらずの国会ドタバタ騒動である。国会の権威の失墜は歯止めがかからない。
さて、今日の多摩大講座は、講師がオウム事件で名を売った、江川詔子さんだった。先週明石康講師の質疑応答の際、あまりにも煩い学生の私語に対して、ご意見番の蛮声の一喝効果が表れたのか、割合静かだった。江川講師の講義は「新聞の読み方」だったが、ニュース・ソースについて注意点、留意事項を分かりやすく話してくれた。その中で、いくつか参考になったのは、@事象に対して視点が変われば情報も変わる、Aマス・メディアを通じて最も求められているのは「分かりやすさ」、B情報源は常に確認する、ほかである。Aについては、マス・メディアはすぐ二元論とか、対決構造へ導きがちであるとの話が面白く興味を持った。つまり、話にアクセントをつけて煽るために、白か黒か、YES or NO、善か悪か、となりがちで、その典型として山口県光市の母子殺人事件の原告と弁護団の対立の例を話された。江川講師はニコニコしながら、時間いっぱいまで話し続けた。今日の講義なら内容がハイレベルで分からないと嘆いていた、多摩大1年生にも理解できるのではないだろうか。
今日中国・四川省大地震発生以来1ヶ月目になった。中国側の発表によれば、死者6万9千人、行方不明者1万7千人、被災者8百万人というのだからすごい。8百万人と言えば、オーストリアの人口にほぼ匹敵する。現地では未だに余震があり、ダムの決壊を恐れて住民は安全な場所へ避難したが、生活設計はまったく立たないようだ。チベット事件以来中国政府はことさら外国のメディアを意識して、従来には見られなかったくらい外国メディアに対して情報公開やら、被災地視察を認めていたが、ここへきて突然閉鎖的な対応をとるようになった。やはり本質は閉鎖社会であることが分かる。中国政府にとって都合の悪い事態が進捗しているのだろう。私の勘では、被災地近くの核関連施設に放射能漏れなどがあるのではないかと外国記者団に疑われ、挙句に騒がれることが心配になってきたのかも知れない。実際、核で騒ぎにならなければよいのだが、少々気にかかる。
396.2008年6月13日(金) 北朝鮮の変化をどうとらえるか?
昨日北京で行われた日朝外務省実務担当者による公式協議の内容が、今日町村官房長官から公式表された。政府発表によると、@拉致問題は解決へ向けて再調査をする、Aよど号ハイジャック事件犯人を送還する、の2点を北朝鮮は日本に伝えてきた。これだけ見れば北朝鮮が頑なに主張していた「拉致問題はすでに解決済み」より一歩前進したように思える。
しかし、@はこれまで北朝鮮が何度も言ってきて、その挙句に拉致問題はすでに解決済みとはねつけた一項にからむ点で、この期に及んでよくも過去の言い分を変えてきたものだと思う。北朝鮮の意図は、アメリカのテロ支援国家指定の解除にあり、そのためには不本意だが日本と妥協することもやむを得ないと考えている。妥協は便宜的なものに過ぎない。案の定、拉致被害者家族会は北朝鮮の提案を額面通りに信じていない。むしろ政府の対応が変化したと反発している。政府は一定の前進と評価した声明を出し、即座に経済制裁一部解除の発表をしたが、家族会は反発している。やはり家族会の考えとはミスマッチである。
難しいところだが、政府と家族会の考えは根底で微妙にずれている。家族会は黒白の二元論で考え、政府に訴え政府は了解していた。ところが、政府としては口ではそうだと言いながら、六カ国の事情も考慮しつつ総合的な北朝鮮問題と捉え、六カ国協議を睨んで前進させなければならない。お互いの主張にどうしても齟齬が生じる。
コメンテーター・鳥越俊太郎氏や重村計智・早大教授らは、上記二つの問題以外にも合意事項があるのではないか、例えば拉致被害生存者やよど号事件の犯人の送還予定者名などを知らされたのではないかと推測する。そうでなければ、窓口となった斉木外務省大洋州局長が判断を求めるために、わざわざ帰国して首相や政府要人に報告した後に官房長官談話として発表されるようなことはない筈だと語る。今日夕方の公式発表なので、夕刊記事には間に合わず、詳細は明朝の新聞になるが、相手がしたたかな北朝鮮であるだけに、軟弱なわが国の外交力で果たして暗闇に光を灯すことができるだろうか。
397.2008年6月14日(土) 東北地方に大地震発生
日朝会談について昨日以上のシークレット情報は公表されなかった。朝刊にも目新しい解説記事は載っていない。北朝鮮がどの程度譲歩して、どれだけ日本国民を納得させる実利的材料を提供することができるかということにつきる。それが、仮に拉致被害者家族を100%満足させるものでないとしても、六カ国協議の中で関係国から理解を得られ日本としての立場を主張できるなら、それも日本としては充分受け入れ可能として検討すべきであろう。しかし、何と言っても交渉相手国が、これまで散々手古摺らされた北朝鮮だけに、これからまとまるまで一筋縄ではいかないのではないかと思う。
午前中に東北地方で大きな地震があった。「平成20年岩手・宮城内陸地震」と名づけられた地震は、「マグニチュード7.2」だった。つい一ヶ月前の中国・四川大地震があまりにも甚大な被災者を出したので、ショックの度合いはそれほどでもないが、「M 7.2」というのは最近の国内地震の中でも、阪神・淡路淡路大震災と2000年に起きた鳥取県西部地震の「M 7.3」に次ぐ規模である。
死者は現時点では6人だが、土砂の下敷きになっている人の救助が遅れているので、これから更に増えそうである。
今度の地震で初めて気が付いたのは、被災地の地勢を空から鳥瞰的に見ると山岳地帯がどかんと崩壊して落ち込んだことで、こんなことはこれまでの地震ではなかったのではないかと思う。そのため、山間部を切り開いて走っている舗装道路や橋が途中で所々落ちて想像できないくらいの寸断ぶりである。専門家が、近くのダムに貯まった水が地下水となって山の地下へ浸水し、地盤を緩める結果になったのではないかと話していた。考えてみれば当たり前のことだが、あまり考えられることはなかった。それは、いままで日本の地震が平野部か沿海部で起こり、山間部で地震があっても大きな被害がなかったからではないかと思う。しかし、そんな話は最早通用しないのではないか。日本では地震学が国際的にも進んでいると見られていたが、地震学会としては、こんな基本的なことがないがしろにされていて、少々恥ずかしいのではないのだろうか。
398.2008年6月15日(日) 日本人大学生解放される。
イランで誘拐されていた横浜国大生が8ヶ月ぶりに解放された。自由になったから良かったものの、この大学生の場合はいささか無用心に過ぎた。彼は昨年10月イラン南東部のパキスタン国境近くの古い町で拉致された。自分自身40年前にヨルダンで軍隊に身柄を拘束された苦い経験を鑑みるとあまり偉そうなコメントを言う資格はないが、それにしてもこんな危険な地帯にのこのこひとりで出かけて行ったのは、ちょっと無謀で軽率だったと思う。4年前イラクでボランティア活動をやっていて拉致された高遠さんら4人連れとは事情が違う。それでも、あの当時相当非難されたのは、あまり社会活動に理解のない政治家が一斉に声を上げたからである。しかし、今度の学生の場合は、高遠さんほどの強い意思や信念があってボランティア活動をやっていたようには聞いていない。無防備のまま簡単にゲリラの罠にはまった感じだった。ともかく無事解放されて良かったと思う。下衆の勘ぐりで不謹慎であるが、学生の口からどんな話が出てくるか楽しみではある。
昨日の地震による死者が9人に増えた。今日の新聞やテレビで見る被災地の上空写真は、これまでの地震で紹介されたものとは大分違う。広域的に土地が沈み、山崩れがあり、山肌には亀裂が見えて、広い地域で土地がやられている。しばらく土地が不安定で当分立ち入ることもできないだろう。今後も警戒を怠れないようだ。
昨夕杉田士郎くんが電話で「慶38」第3号の発行について考え方を話し、意見を聞いてきた。取り敢えずその気になったのなら、ぜひやってみてはどうかと激励したところだ。第1号を発行して10年になる。3千部刷ったらしいが、中々苦労もされたようで、中には印刷物を同級生に送ったら文句を言ってきたのもいたというから、人それぞれだと思う。それにもめげず2号の発行もやり遂げた。プロが見れば、とても完全とはいえまいが、制約のある中でよくぞ2号まで発行されたと杉田くんの労には頭が下がる。関係者にとっては興味のある雑誌だと思う。昭和38年に慶応を卒業した同級生を対象にした読み物で、具体的な計画はこれからであるが、何とか3号までは発行してもらいたいものだ。もちろん寄稿するし、友人にも広く呼びかけて多くの同級生が寄稿するよう誘ってみたいと思っている。
399.2008年6月16日(月) 岩手・宮城内陸地震の猛威
少しずつ「岩手・宮城内陸地震」の惨状が明らかになってきた。いままでにはない山岳地帯の惨状で、空から見る現地の崩壊ぶりは痛ましい。これまで緑一色だった被災地が山崩れによって土が露出して、まるでトルコのカッパドキアのようになっている。山間部のために人的被害はそれほど大きくないが、それでも今日も死者が増え、現時点で10名が亡くなり、依然として12名が行方不明である。
驚くのは、山の地形を変えてしまうほどの山崩れの発生である。山の中を走る舗装道路は寸断され、その先が陥没して道路がなくなっていることである。山を周回する道路が全体的に300mほど下方へずれて落ちているというのだから、すごい地すべり現象である。どうしてこんな地震が起こってしまったのか。
今日は専門家の東大教授や東北大教授がテレビでその原因を分析していた。もともと被災地は火山地帯にあり、岩石が弱いところへ隣のダム貯水湖の水の浸食によって徐々に崖が崩れ、それが地殻の変動によって一気に崩れた。
地域をつないでいる道路が寸断されたために、移動もままならない。高齢者が多く、またまた高齢者にとって厳しい選択を迫られそうだ。農業をやっていた老夫婦が、最後の最後になってやり直しができない目に遭った、と自らの不運を嘆いているのが印象に残った。
横浜国立大生が昨日解放されたが、早速父親がテヘランへ飛びイラン側から引き渡された息子と8ヶ月ぶりの対面をした。小野寺外務副大臣と迎えに行った父親に挟まれて記者会見に臨んだ学生は、お礼と感謝の言葉以外余計な口はきかなかった。個人的な感想を言えば、事前に相当言い含められているなと感じた。帰国後に週刊誌をはじめとしてマス・メディアの追求からうまく逃れることができるか。帰国してからどれだけ本当のことをしゃべってくれるか。あまり期待できないかも知れない。学生は明日帰国する。
400.2008年6月17日(火) 取材して報道する・・・。
駒沢大の講座で菱山郁朗講師が、日本テレビ時代の現場体験から現場の大切さを話されて、われわれが常に考えている現場の臨場感がいかに大切なものであるかということを改めて認識させられた。現場で取材して報道することが重要であると何度も力説された。自分の足で取材しないで、聞いた情報とか、インターネット情報に頼るようになってはダメだとも話された。
しかし、実際には現場で取材したことがそのまま報道されるわけではなく、テレビ局内でデスクを中心に議論の末に取捨選択して優先順に報道されるという。果たしてここに思惑や圧力が入り込むスキはないだろうか。
ところで、1月のソウル市郊外利川の冷凍倉庫爆発事故の報道を横並びで止めたのは、それとはまったく異なる話で、これはテレビ局編集部の判断による報道の採否ではない。もっと大きいところで成り行きが決まったようだ。事故の直後に二つのテレビ局で報道しているのを実際に私自身この目で観ている。他にも報道したテレビ局があったかも知れない。問題は、その後になってそのとき報道したテレビ局を含め、すべてのテレビ局とすべての新聞、雑誌が申し合わせたようにまったく報道しなかったことである。まるで報道管制が敷かれたようだった。翌日以降ピタリとマス・メディアが報道をしなかったことに、韓国側か、日本側か分からないが、恣意的で政治的な意図があったのではないかと疑問を抱かざるを得ない。その点を尋ねているのだが、まだ講師から明確な回答はいただいていない。今日は前もって講師から叔母の通夜のためちょっと早めに終了すると言っていたので、質問もできなかった。来週改めて答を聞きたいと思っている。
今日20年前の幼児陵辱殺人事件の犯人、宮崎勤の処刑が執行された。あの当時この幼児誘拐殺人事件は世間を騒がせ、小さな子どもを持つ親の心胆を寒からしめた。ついに今日まで犯人の口から反省や謝罪の言葉は聞かれなかった。作家・佐木隆三氏が述べていたが、神戸の酒鬼薔薇事件、先日の秋葉原通り魔事件のような世の中をすねたような変質者が現れないようにするには、家庭でそういう人間を出さないように家族がみんなで見守ることが大切だと話していた。結局家庭がしっかりしてそういう子どもを出さないようにすることしか防ぐ方法はないと言っておられたのが、印象的だった。
401.2008年6月18日(水) ブラジル移民百周年記念
100年前の今日、明治41年6月18日に約800人の日本人移民を乗せた笠戸丸がブラジルのサントス港へ到着した。西回りの52日間の長い航海だった。これから移民の人たちの努力と忍耐の苦労が始まった。蛇足だが、今年1月七回忌を迎えた父はこの2日後に生まれたので、生きていれば明後日は亡父の百歳の誕生日になる。学生時代にその父から、ブラジルへ行って一旗挙げてみろと言われ、三菱商事のブラジル駐在員だった方が沢山のスライドを持って鵠沼の実家へ来られ、雲をつかむようなでかい話を聞かされ若干その気にもなったことがある。感慨無量の思いである。
日本とブラジルの各地でいろいろな催しが開かれているが、皇太子もブラジルで開かれた記念式典出席のためにブラジルへ旅立たれた。私自身2度ばかりブラジルへ行ったことがあるが、国土と同様、日本人の発想では及びもつかないスケールの大きい考え方に圧倒されたり、戸惑ったこともある。ともあれこのまま日伯友好がいつまでも続くよう願っている。
今日嬉しいニュースは、日中間の懸案事項だった東支那海ガス田開発問題で、日中政府間に合意が成立した。日本は中国が建設した春暁油田に投資することになり、新たに共同開発を行うことになった。今年5月胡錦涛国家主席来日以来、日中トップ会談の末の決着である。中国側がどう主張し、反応するか分からないが、中国としては日本に一歩譲歩したというところだろうか。まあいままで日中間ではいつも角つき合わせていたので、良い結論が出せたと思う。ほかの案件もこうありたいものである。
今日も忙しい一日だった。午前中かかりつけの森内科医で血圧を診てもらい処方をしていただく。その後駒沢大の公開講座に出席して、終了と同時に妻に車で駒沢大へ来てもらい自由が丘駅へ、そして東京駅から新幹線で福島へやってきた。明日から2日間恒例の福島県の職員を対象にした「図解」研修講師を務める。今度で7年目9回目である。今年は8月にも第2回があるが、テキストの内容はほとんど変わらない。しかし、パワーポイントを思い切って使い、実習にもいままで通り力を入れて分かりやすい講義にしたいと考えている。
402.2008年6月19日(木) 図解についての考え方
福島県の職員研修講座の「図解」を今日と明日の2日間ふくしま自治研修センターで行う。福島駅前のホテルに前泊して自治研修センターへやってきた。ここで研修講師を務めるのは7年目9回目である。要領は大体分かっているが、今年は例年に比べてできるだけ解説を多くして、演習をいままで以上に力を入れてみたいと思っている。テキストも若干変えた。
受講者は12名で、グループ作業もあるのでセンターで予め3つにグループ分けしてくれていた。珍しいのは昨年から目立っていた警察科学捜査研究所の受講者が3人も参加していたことだ。
夕食をともにしたとき、受講者のひとりから本研修は誰を対象に行っている研修か、と尋ねられた。話し合ってみるとこの研修が目的とする対象者がどういう階層の人か分からないので、自分たちがこの後学んだことを教えるにしても誰を対象者にすべきか分からないという。われわれは受講者のような、地方行政に携わっている公務員を対象者と考えている。それでよいのではないかと思う。その先はこの研修の受講者が考えることではないのではないかと思う。
もうひとつ言われたのは、講義中に折角カラーを使えるので、もっと明るい色を使ったらどうかと話したことに対して、自分たちの仕事では目の不自由な方を対象にすることもあり、その場合カラーはあまり意味がないので、健常者の感覚では考えないという話しには、少々考えさせられた。難しい問題ではあるが、こういう研修は一般的に健常者を対象にしているので、地味なカラーばかりを使用することは考えていないと応えた。ちょっとわれわれの認識とは違っているように感じた。しかし、いろいろ考えさせられることも多い。そのせいか今日の受講者の作品は割合地味なものが多かった。明日「私の仕事図」を演習として作図してもらうが、どの程度配色を考えて明るいデザインで作ってくれるだろうか。
403.2008年6月20日(金) HP送信でトラブル
一昨日福島市内に前泊していたホテルからこのブログを更新して、送信したところ画面が消えてしまった。HPに記載している項目の中でこのブログだけが消えてしまった。心配して福島から帰宅次第すぐ改めて送信したところ復活した。送信したホテルのケーブルラインが送信用ではなかったようだ。心配して高校時代の友人二人から画面が消えているのでチェックするように、丁重なアドバイスをもらった。よく見てくれているようで嬉しくなる。
今日の図解研修は、昨日図全体を明るい配色にした方がよいとアドバイスしたが、全般的にはまずまずの作品を描いてくれた。その都度発表者にコメントを行ったが、各人が発表した「私の仕事図」は、率直に言えば評価としてはマチマチという感じである。秀作もある一方で、残念ながらひとりだけどうしても図解に対して拘りを持っている受講者がいた。自分では久恒流図解より、頑固にも自分なりに「マインドマップ」方式を信じて実践していて、「私の仕事図」もマインドマップを下敷きに描いている。従って他の受講者とはまったく異なる図が描かれる。いわゆる図解とはほど遠いものになってしまう。作品に強いこだわりを持って描くのだが、図が全般的に暗くなり、このままだといまひとつ説得力がないので、本人に敢えて欠点も指摘した。こういう素直でない?受講者が参加したのも初めてだった。
解説時間を多くしたが、やはり演習のための時間は足りない。「私の仕事図」を制限時間内に完成できなかった人もいた。8月に今年度の2回目研修があるので、スケジュールをもう少し調整してみたい。
404.2008年6月21日(土) あの地震から一週間
岩手・宮城内陸地震が発生して一週間が経った。現在までに死者12名、行方不明者10名の惨禍を残している。東北地方山間部を襲い、山は崩れ、道路は寸断され、川は形を変え、地形が変わってしまった。いろいろの損害も発生している。過去の地震とは少し趣きの異なるタイプの地震だった。いまも行方不明者の救出に自衛隊や警察、消防が懸命の努力を傾注している。生憎梅雨期で降雨が予想されるため、川を堰き止めて出来上がった堰止湖が溢れる恐れありと水抜きを始めた。
いまやあの四川省大地震も日本国内では影が薄くなった。マス・メディアから現地の報告がほとんどなくなった。それどころではなくなったというのが、本音であろう。
ところが北京五輪の聖火リレーは規模を縮小してほそぼそと行われている。五輪開会式まで50日を切った。今日は、あのラサ(チベット省都)でチベット族と漢民族のほぼ同数からなる人手を使って聖火リレーを行った。中国政府も大分気を遣っているのだろうか。
中国国内では再び五輪ムードが高まっているようだが、日本国内の水泳のパンツ騒動ほど馬鹿馬鹿しい話はない。確かに結果的に英国スピード社製パンツをはいた選手は記録を伸ばし、優勝している。だが、このパンツ騒ぎは少しおかしくはないだろうか。選手よりもパンツが主役になっている。本末転倒である。確かにスピード社製のパンツには霊験新たかの一面はあるかも知れないが、報道はまるでパンツが泳いでいるような印象を受ける。いくら道具が良くてもそれを使うのはあくまで人間であり、選手である。北島選手はパンツをスピード社製に代えた途端世界記録を更新したが、その北島選手ですら腑に落ちないように「泳いでいるのはわれわれ選手」と子気味良く、パンツ騒動にうつつを抜かしているマス・メディアに皮肉なコメントを残している。
大体近頃のマス・メディアの報道は少々無神経で、ピントもずれている。昨日付朝日夕刊の‘素粒子’は、このところ死刑執行のペースが上がったことを捉え、鳩山法相を‘死に神’と皮肉り、粛々と職務を実行していると述べていた法相を怒らせた。さすがに朝日へ抗議のメールが殺到したという。朝日も素粒子氏も不本意であり、そうと決め付けているわけではないと謝罪ともいいわけともつかぬことを言っているが、少々配慮が足りなさ過ぎるのではないか。ジャーナリストの中にも政治家や、高級官僚と同様、現場の苦労知らずが多いから、つい他人の気持ちを斟酌する思いやりが失われるのだ。
これに関わらず、何事ももう少しよく調査、分析し確認して、信念や相手の気持ちを慮ったうえで伝えるべき正しいことを報道する気持ちになれないものだろうか。
405.2008年6月22日(日) 中国の悪評がヒートアップ
「NATIONAL GEOGRAPHIC」日本語版が1995年に発刊されて以来ずっと購読している。黄色い表紙のこの月刊誌がアメリカの学校図書館には必ず備えられていて、アメリカの学校訪問のたびに生徒たちが教材の一部として頼りにしているのを目の当たりにして、日本にもこんな雑誌があればいいなと思っていた。日本語版が発刊されたのを機会にすぐ購読申し込みをした。以来熱烈な愛読者である。文章も分かりやすく、写真がきれいで、紙質もいい。毎月のように付録としてついてくる地図がとりわけ役に立つ。これまでに私自身拙い意見を投稿して、3度ばかり採り上げされた。
月刊誌で中々のボリュームもあり、すべての記事を読むことはあまりないが、5月号は表紙に「中国−崩れ出した神話」と書かれ、全文を「まるごと一冊中国大特集」と名づけ、すべて中国関連記事で埋められている。遠慮なく言えば、大体中国に対するストレートな非難記事である。
時も時、中国があらゆる分野で話題になっているが、四川大地震のような不幸な出来事もあった。だが、チベット騒乱事件や、自由抑圧、貧富格差、環境汚染、食品偽装、スーダン・ダルフール問題、少数民族問題、等々はすべて中国自身が招いた問題である。
昨日の朝日「天声人語」によれば、世界のホテル界で一番評判の良い旅行者は、日本人旅行者で、文句を言わず、おとなしく、部屋を汚さず、お金を落とすということらしい。その反対に、ワースト3は、中国人、インド人、フランス人の順だという。ここでも中国人は評判が悪い。
「NATIONAL GEOGRAPHIC」5月号では、幾人かの外国人記者が中国のやや暗い側面に目を向け恥部を赤裸々に描いている。その中のひとつに、中国式資本主義の下ではどうして民主主義が育たないのかと疑問を投げかける。中国共産党がいろいろな角度から監視し、制限を加えているからである。特に、マス・メディアに対しては制約が多いという。そして、「国境なき記者団」が判定する民主化度が、何と169カ国中163位だという。どうもあまり好意的に見られていない。
中国経済は近年急成長を遂げ、過去30年間のGDPの年平均伸び率がほぼ10%で他国にはこんな経済成長を遂げた例はない。経済的に、しかも一部の人間に恩恵を与えた形で潤ったが、教育面、モラル、格差是正、農村過疎化、少数民族問題等に多くの問題点を抱えたまま露呈した。
偶々夜の民間テレビに桜井よし子氏、小池百合子氏らが出演して中国環境汚染の最悪のケース、癌村が話題になっていたが、「NATIONAL GEOGRAPHIC」にも癌村は大きく取り上げられている。黄河、長江の河川汚染と水量不足も相当深刻な状態である。中国も国際的にこれだけ世界の秩序を乱す元凶呼ばわりされるようになっては、誇り高い国民性ゆえ黙って引っ込んではいられまい。ならば、一度国家として国際社会へ向かって、しっかりした国家戦略と理念を打ち出し、世界の厄介者にはならないということを言動で示すべきときであろう。
406.2008年6月23日(月) 海外団体旅行の事故補償
一昨年10月トルコで日本人観光客の乗ったバスが事故を起した。深夜降雨の中でスピードを出しすぎたバスがスリップして横転したのだ。無理な旅程で先を急いでもいた。その後主催旅行会社と被害者との賠償交渉が未解決のまま暗礁に乗り上げている。同年12月中国で起きたバス事故も解決していない。日本国内なら当事者であるバス会社と被害者、遺族が直接話し合うことはできるが、外国のバス会社だと中々直接交渉ができず、とりあえず主催旅行会社が交渉を代行せざるを得なくなる。旅行会社に直接の賠償責任はないが、被害者側にとっては心情的に旅行会社とバス会社をひとくくりに考えがちなので、不満の矛先はどうしても旅行を主催した旅行会社に向けられる。補償交渉の不調を心配して、以前から国土交通省も海外旅行傷害保険の加入を積極的に勧めている。
7年前、同じような安値販売会社がエジプトのアレキサンドリアで、1ヶ月以内に2度も同じ場所で同じようなバスのスリップ事故を起した。その翌月この会社は性懲りもなくペルーのマチュピチュで同じようなバス事故を引き起こした。原因はいくつかある。その最たるものは、安値販売、安値仕入れによる旅行商品の質の低下の問題である。一例を挙げれば、現地安値販売会社から安く仕入れるため、ハードスケジュールになり、そのうえ長距離走行に危険なオンボロバスを使用する。タイヤが磨り減ったバスがスピードを出し、雨でも降ればスリップ事故の可能性は限りなく高まる。
いまもめている旅行会社の事故も同じような条件だったのではないか。つまり、目先の儲けのために安全を忘れていた。旅行業界も相変わらず懲りない。
因みに、7年前のバス事故については、添乗員が事故防止のためにタイヤのチェックなどをやっていなかったのではないかということを付け加えて、旅行業界紙にツアーの問題点について寄稿したところ、批判されたと思い込んだ旅行会社から業界紙へ私の素性を教えろとクレームがつけたという。そんな料簡だから、事故が減らないし、その後の補償交渉もまとめられないのではないか。旅行会社は、もう少し安全を担保する旅行会社としてのプライドと責任感を持ってもらいたいと思う。
407.2008年6月24日(火) 愉しい酒のペンクラブ
駒沢大で2時限受講した。報道メディア論の菱山講師から最終講座の前に昼食をともにしながら懇親会を持ちたいと提案があった。大賛成である。学生は別の日に講師の自宅で昼食をともにするという。中々洒落た提案を素直に受け入れ、授業のほかに地元の他の受講者から話を聞けることを楽しみにしている。こういうアト・ホームなコミュニケーションの場は大歓迎である。
2時限を終了するとほぼ6時、酒のペンクラブ例会の開始が6時である。駒沢大から歩いて東急線駒澤大学前駅へ行き、そこから渋谷駅、表参道駅、赤坂見附駅へ出たら目の前に目指す「海千」があった。よくこんないい店を見つけるなあというのが、本音である。洒落た和食の店である。いつもの酒好きな人が集っている。今日は私なりの挨拶でビルマ人の人柄の良さをPRした。小中陽太郎さんが帰りに一緒に都立大学駅へ寄って、行きつけの「ポケットコーナー」へ寄ろうというので、そこでゆっくり話をした。小中さんの挨拶の中で「平賀源内」について書いているというので、あれっ?小田実さんはどうなったのかと気になり、地下鉄の中で小中さんに尋ねてみると、どうも小田実と平賀源内を平行して書いているようなことを仰っていた。小田さんについては、女優岸恵子との関係についても話してくれた。小中さんとタクシーで帰ってきたが、どうもゾルゲは本当にスパイだったのだろうかと仰っていた。
前回初めてお会いした近藤さんと仰るご年配の方には、同姓の誼で弟として親しくお話させていただいた。なかなかインテリの方で話好きであるが、話が長すぎるからといって中途半端に話を切って逃げるというわけにはいかない。「海千」では酒ペンの最後の客になりそうだというのに、もう少し飲んでいこうと誘われ、困ったと思っていた矢先に、小中さんがうまい具合に声をかけてくれ逃げ出す?ことができた。ただ、気にかかったのは、近藤さんのお持ちの小冊子の表紙に山崎洋さんの異母兄、ポール・ブーケリッチ氏の写真があったからである。そのままにして立ち去ったが、どうも気になる。ゾルゲ事件、或いは尾崎秀実と多少関係があるのではないかと思っている。
408.2008年6月25日(水) 「停年オヤジの海外武者修行」ようやく脱稿!
昨日ドキュメント作品「停年オヤジの海外武者修行」を漸く脱稿し、PC上で推敲をしてこれから印字した原稿を推敲しようとしたが、どうもプリンターが思うように機能しない。何度もトライしたが、結局どうにも思うように動いてくれず、覚悟を決めて駒沢大公開講座受講の後にプリンターをヤマダ電機へ持っていって修理を頼んだ。
2年ほど前同じような症状で持参したら、外注するので時間がかかると言われ、実際2週間近くかかったように思う。今日の診断の結果は、プリンター自体に問題はなく、PCとプリンターの連携機能に問題があるので、プリンターの操作機能をPCから一旦アンストールして、その後に改めてインストールすると直るとの話だった。持参したプリンターをまた持って帰り、明日見よう見真似でアンストールとインストールをやってみようと思う。それにしても面倒なことだ。やっと書き終えた作品をすぐプリントして読むことができない。
さて、次作品は、前著「現代・海外武者修行のすすめ」の後編版ドキュメントであるが、海外武者修行と銘打ちながら個人旅行でなく、パッケージ・ツアーで出かけることを薦める点では多少異色かも知れない。もっとも本音は個人旅行を薦めているのだが、60歳を超えると一人旅の機会はないと諦め、それならパッケージ・ツアーの中で工夫してみてはどうかと初志不貫徹というのが主旨である。この中で自分自身の停年オヤジとしての旅を3つ紹介している。一つは1999年夏トルコ旅行で偶々20世紀最後の大地震に遭った経験を書いた。このときは、かねてより「イリアス」のトロイア遺跡の信憑性を糾したいと考えていたので出かけた。二つ目は、2000年3月カイバル峠へ出かけ、それとなく大きな反米テロ勃発を予感したことを主観的な観点で書いた。三つ目は、2003年雪の中をシベリア鉄道でロシア大陸を横断したときのロシアとロシア人に関する独断と偏見の感想である。全部で原稿はA4判にして130枚である。
ネタは珍しい話が多いので、前著同様にある程度読んでもらえるのではないかと「取らぬ狸の皮算用」を考えている。出版社もほぼ椛∴田出版に決めたので、早く推敲を済ませ、推薦文を書いていただく予定の、日本旅行業協会会長の新町光示さんにも原稿を届けて読んでいただき「売れる」推薦文を書いていただかなければいけない。可能な限り年内早めに上梓できるよう手を打とうと考えている。こうなると当分の間忙しい。大変だぁ。大変だぁ。
409.2008年6月26日(木) アメリカ、ついに北朝鮮テロ支援国家指定解除
今日多摩大学の公開講座で講師を務められたのは、前学長・中谷巌氏である。多摩大学長就任以前から一橋大学教授として、また経済学者としても著名な方である。受付で日本文明の将来」と題したレジュメをいただいたが、専門の経済学とは直接関係のないテーマなので、どんな話をされるのか興味を持って登壇を待っていた。
さすがに長年のキャリアがあり話すことに馴れておられ、パワーポイントを使用しながら、キリスト教を信じる西欧社会と柔軟な宗教観を持つ日本の差、戦後経済の復興を成し遂げた日本の力、日本人の能力に対する最近の自信喪失、日本の伝統を否定した明治維新と終戦、ギリシャ神話と日本神話の比較、等々に触れながら、西欧人と日本人の特性の違いについて分かりやすく説明された。その中で日本は伝統的に「権威」と「権力」が分離しているという話が面白く感銘を受けた。天皇家の権威と政治的権力が常に、分離していたことは世界の歴史上他に例がない。明治維新で天皇が軍部の統帥権を治めたことから、権威と権力が融合した。それが軍部の独走につながり、戦争へ走り日本を破滅させた。戦争の原因となった「権威」と「権力」の一体化は、本来日本的なビヘイビアではなかった。
近年日本人は自らの能力や優秀性を忘れて、自虐的になっている。いつのまに日本人は歌を忘れたカナリア(漢字で「金糸雀」と書くらしい)になったのかというのが中谷先生の仰りたいことだと思う。
さて、今日アメリカは北朝鮮のテロ支援国家指定解除を発表した。日本の拉致問題解決のためには明らかにマイナスである。日米同盟とか、日米友好と言っていても、アメリカには自国の利益追求のためには、実はしたたかな計算がある。拉致問題は六カ国協議の中では、異質な議題だった。韓国も日本以上の拉致被害者を抱えながら、日本との間には温度差がある。結局日本だけが核より拉致だけを優先して問題にしていたキライがある。北朝鮮の不誠実な対応もあって、六カ国協議は思うように進展しない。任期が残り少なくなって焦ったブッシュ大統領が、北朝鮮に譲歩してでも事態の打開を図ったのも、史上最低の大統領との汚名を残したくなかったからでもある。
しかし、所詮日本とアメリカは六カ国協議に関する限り、同床異夢だることは間違いない。アメリカや他の四カ国にとっては、核問題が一番大切であり、日本とはミスマッチだった。日米同盟と言いながら、両国の考えや立場はまったく異なる。当然分かっていることだろうが、世論を気にし過ぎるからだろうか。自国の言い分や利益を主張できないのが、いつもながらわが日本である。中谷先生に自虐的だと言われそうだが、政治、外交、行政に関してはどうあろうと自虐的にならざるを得ない。
410.2008年6月27日(金) また出た!社保庁のさぼり年金ミス
夕べ遅く探し物が見つかった。プリンターのソフトのCDである。PC本体とプリンターの接続がうまく行かなくなり、書類が印刷できず、解決のためにはソフトのアンストールとインストールをやらなければ使えないと言われたままにしていた。アンストールの方法がよく分からず、エプソンの相談口へ電話で問い合わせたところ、親切に教えてくれ、その指示に従ってPCを作動し、問題は解決した。明日「さがみ信用金庫」の講義を控えてまだ資料のコピーが必要なので、ちょっと困ったと思っていたが、何とか処理できてすべてクリアとなった。ほっとした。
「JAPAN NOW観光情報協会」定例の観光立国セミナーが開催された。イギリス政府観光庁に長年勤務されていた長谷川洋子氏が、イギリスに関する薀蓄を開陳された。イギリスについて普通知らないことを、イギリス人の立場になって解説してくれて分かりやすかった。
7月に福岡でJN協会九州支部大会が開催されるが、それに参加する意向を伝えた。ちょうど博多祇園山笠祭に当っているので、ホテルが相当混んでいると聞き、帰りに往復航空券とホテルの予約を取った。
4年前に博多で大会が開催されたときは、鹿児島から九州新幹線の就航記念列車に乗車した。今回は特別な催しはないが、日本三大祇園祭の博多山笠にぶつかったのはもっけの幸いである。暑苦しいが博多の男たちの見せ場のひとつがこのお祭だ。熱気に触れられればありがたい。
今日劇団「四季」によるミュージカル「CATS」の公演が7,000回になったという。すごい公演回数だと思う。さらに日本でこれを観た人が720万人というのだから驚きを通り越している。日本ではミュージカルはとても根付かないと言われていたが、劇団「四季」が浅利慶太氏のプロデュースによって成功し、どうしてどうして本家ブロードウェイもびっくりするほどの人気と繁盛ぶりである。「CATS」が初めてブロードウェイで上演され評判になったとき、猫の顔を描いた変な宣伝バスがニューヨーク市内を走り回っていた。そのうち、ニューヨークでも評判になり、つい観てみたくなり何度かウィンターシアターへ行った。その後、東京でも、パリでも見てすっかりテーマソングにも馴染んだ。「オペラ座の怪人」や、「ミス・サイゴン」なんかも観てすっかりミュージカル・ファンになってしまった。最近では残念んがらニューヨークに行く機会がなくなったので、ミュージカルから遠のいてしまったが、多少レベル的には及ばないかも知れないが、来週月曜日に池袋・東京芸術劇場で知り合いの国友よしひろさんが出演するミュージカル「マリオネット」を観劇することになっている。
もうこれ以上はないだろうと思っていた社会保険庁の年金入力ミスが、また新たに560万件見つかった。舛添厚生労働大臣は、もうかばいきれないのかふてくされて、記者会見における記者との質疑でもまるでけんか腰である。社保庁役人のたるみ、さぼり、無責任、税金泥棒、背任行為等々言い出したらきりがない。でも、財務省以下の官僚のタクシー利用のあくどさや、税金を食い荒らしている天下りぶりを見ていると、どうもこの国の役人は、不正、金儲けのために役人になったとしか思えない。酷い連中である。
411.2008年6月28日(土) 3時間の「図解」講師
こんなに朝早いのは久しぶりである。5時起床、6時妻に車で自由が丘駅へ送ってもらい、東横線、JR山手線を乗り継ぎ新宿駅へ出て、7時のロマンスカーで小田原へ向かう。小田原では駅前で「さがみ信用金庫」の石川均さんが車で出迎えてくれて、9時から「図解」の講義を行った。受講者は同金庫職員12名だった。
3時間で「図解」の基本を受講者が理解できるよに教え込むことができるか。テストケースである。加えてここではPCを使用しない。福島県で毎年講義している2日間の研修とは、時間的に、かつPC不使用の点でかなり不利である。しかし、逆に言えば3時間でどの程度受講者に分かってもらえるか、ある程度感触をつかめると思う。昨年講演した「夢ネット99」からも、2時間ぐらいで教えることができないかと言われて、それはとても無理だとお断りした例もある。今日の結果次第では2時間講座の可能性も出てくる。
4つの演習問題はほとんど全員が回答を作り持ってこられた。中には、パワーポイントやエクセルで作った受講者もいて、中々素晴らしい図を作られた。しかし、実習は考えていた通り「私の仕事図」を演習するだけで時間切れである。本当はもうひとつぐらい課題を与えて実習をすると技量は向上する。多少消化不良の感じはするが、当初与えられた時間の中で一応の講義をすると、まあ一応いいかということになる。それより、綺麗な図、美的な図、見映えの良い図、ということになるとやはり手書きより、PCで仕上げた方がずっと良い。今日の感想としては、できるだけPCを使い、ある程度時間を与えないとバランスの取れた「一覧性」の図を作図するのは難しい。最後の挨拶で、できるだけPCを使って綺麗な図を描いて欲しいということを付け加えた。受講者は僅か3時間の講習の中でどの程度理解されただろうか。
12名という少人数の講習だったので、落ち着いて講義することができたし、受講者は真剣に聞いてくれたので、ある程度の目的は達成できたと思う。まだ、2時間講座へは研究する必要があるが、少人数で全員がPCを使用するなら、それなりに研修は可能だと思う。今日の受講者は、本店の課長を含め新入職員、3名の女子職員もおられたが、静かで真面目な方々ばかりだったので、気持ちよく講師を務めることができた。
412.2008年6月29日(日) 「威風堂々」赤松さんのチェロ
ゼミの1年後輩、赤松晋さんの3度目のオーケストラ・チェロ演奏で、例によってゼミの仲間が夫婦連れも合わせて20人ほどが浅草公会堂へ駆けつけた。
その前に、つい最近大日本印刷鰍フ要職を退いた同期の池田博充くん、後輩のOG遠藤靖子さんと雷門前大提灯前で待ち合わせて、池田くん推薦のお蕎麦屋で腹ごしらえすることにした。浅草の「並木藪」という古いお店で、時間的に混みあうときだったが、何とか席を確保できた。聞けば、作家・池波正太郎が生前ご贔屓にしていたお蕎麦屋だそうで、池田くんの注文に合せて「天抜き」と「もり蕎麦」を注文した。この「天抜き」というのが珍しい。どんぶりに海老天ひとつと天汁が入っている。蕎麦はない。それで別にもり蕎麦を注文したわけである。天麩羅もうまいが、天汁の味が何とも言えずいい。添え物になったもり蕎麦も中々いける。これで一人前2,400円なり。美味しいが、ちょっと高いかなという感じ。浅草老舗の味を堪能した後雨が降り続く中を公会堂へ向かった。
今日の曲目は、@歌劇「ヘンゼルとグレーテル」序曲(フンパーリング作曲)、A交響曲第3番ヘ長調作品90(ブラームス作曲)、Bエニグマ変奏曲作品36(エルガー作曲)の3曲だった。赤松さんには申し訳ないが、最初にプログラムを見たとき、知らない曲目ばかりで、実のところ些かがっかりしていた。実際聞いてみてもやはり馴染みのない曲ばかりだったが、アンコール2曲の2曲目に、エルガーと言えば「威風堂々」と言われる、その名曲を演奏してくれ、やっと溜飲が下がった。
尋ねてみると毎日の練習も厳しいようで、今日本番が終わってほっとしたと言っていた。それにしても普通の楽器ではない、チェロを元来素養があるとはいえ、定年後本格的に練習し、アマチュア・オーケストラの中で、定期演奏会にまで出演するようになったのだからすごい。こんな離れ業はとても真似できるものではない。敬服するばかりである。
終わって「神谷バー」で赤松さん夫婦を交えて打ち上げを兼ねたお祝いの夕食会。いつもながら「電気ブラン」を味わい愉しく盛り上がったディナーとなった。
413.2008年6月30日(月) ミュージカルを観る。
池袋の芸術劇場小ホールでミュージカル「マリオネット」を妻と鑑賞した。出演者のひとり、国友よしひろさんから案内いただいたものだ。座席数が約200席でこじんまりした会場で舞台と客席が近いので、汗やつばが飛んできそうな感じで舞台と客席との間に一体感のようなものがある。迫力もある。ストーリーはフランスの田舎町で、マリオネット作者の祖父から教えてもらった腕と技術でマリオネットを作るが、思うように魂が入らない。それがある時、落雷で偶然魂が入り人間になった女の子から、いろいろ教えられ気づかされて魂の入ったマリオネット師に成長していく。そのプロセスに童話あり、歴史上の出来事あり、の愉快なコメディである。多少ヒューモラスな舞台回しで分かりやすく、前席と隣席の女子中高生たちは無邪気に喜んでいた。大人だけでなく、若い層にも理解されるということは、こういうエンターテイメントでは重要なことだと思う。やはりシナリオが良いのだろう。2時間半妻ともども歌と踊りをたっぷりエンジョイすることができた。
帰途池袋から渋谷までこれまでならJR山手線で帰るところだが、今日は先日の開業時にトラブルが連発しながらも、いま話題沸騰の東京メトロ・副都心線に初めて乗車してみた。芸術劇場から地下道を通り、そのまま副都心線・池袋駅へ辿り着くことができる。さらに、タイミングよく急行が来たので渋谷まで僅か10分で着いた。予定通り運行されれば、確かに早くて便利だ。駅も新しく綺麗だが、この清潔さがいつまで保たれるだろうか。これから広告、看板がベタベタと貼りだされたら、駅名表示も見にくくなり多くの迷子が出るのではないだろうか。どこの出口から地上へ出るのだろうと思っていたが、やはり意外なところへ出てきた。駅構内でうろうろしたり、質問する人がいたり、まだ当分の間ストレンジャーが彷徨うことだろう。
都立大学駅ガード下に「コーナーポケット」というバーがある。東横線を降りてそのままそこを妻と訪れた。先週小中陽太郎さんと酒のペンクラブの帰りに訪れたとき、その日会費支払いのおつりに記念としていただいた、日伯交流年・移住百年記念500円硬貨を小中さんが店内で紛失した。親切なママさんが最初は私が落としたものとわざわざ連絡してくれ、自分でもそうだと思い込んでいたところ、何とポケットから見つかった。そうなると落とし主は小中さんに違いない。早速問い合わせたら、やはりそうだった。それで、今日遅い帰り序に小中さんの代わりにコインを引き取りに伺ったわけである。
今週も忙しい。先週脱稿した「停年オヤジの海外武者修行」の推敲の時間が取れない。何とかしないといけない。来週までにはあと2〜3回推敲して、何とか出版社へ原稿を持ち込むようにしようと思っている。